JP3589088B2 - 逐次二軸延伸フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は延伸性に優れたポリアミドから製造されてなる逐次二軸延伸フィルムに関する。更に詳しくは、ジアミンの一部又は全部に特定の分岐型飽和ジアミンを使用するポリアミドから製造されてなる逐次二軸延伸フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミドは耐熱性やガスバリヤー性に優れているため、レトルト食品などの食品包装用材料として使用されている。近年、これら食品包装用途の拡大にともない、要求特性が多様化している。例えば、薄く、かつ、実用的な機械的強度やガスバリヤー性を有するフィルムの製造に適したポリアミドや生産性の良い逐次二軸延伸法に適したポリアミドに対する要求などがある。
【0003】
一般に、結晶性ポリマーから得られるフィルムは延伸することにより、フィルムの厚さが薄く、かつ、単位当たりの機械的強度が向上することが知られている。この延伸技術を応用して、多くの結晶性ポリマーから薄く、機械的強度の高いフィルムが製造されている。
ところが、ナイロン6やナイロン66等の結晶性ポリアミドから得られるフィルム、モノフィラメント、繊維などは延伸条件をある狭い範囲で管理しないと、延伸ムラが起こったり、破断したりすることが知られている。特に、大量生産に有利とされている逐次二軸延伸法によってフィルムを製造する場合、一段目の延伸でポリアミド分子がフィルム面に平行に配向して、分子間に水素結合を形成し、これによって結晶化が進行して、フィルムが硬くなるため、二段目の延伸が困難となることが知られている。従って、容易に逐次二軸延伸法に適用できる延伸性の改良されたポリアミドが望まれている。
【0004】
従来、ポリアミドの延伸性改良に関し、多くの提案がある。例えば、特開昭52−104565号公報には、脂肪族ポリアミドとキシリレンジアミンおよびα,ω−脂肪族ジカルボン酸とからなるポリアミドとのブレンド物を溶融成形して、得られるフィルムを面配向指数が0.6〜1.5になるように一段目の延伸(「一次延伸」とも言う)し、そのフィルムを二段目の延伸(「二次延伸」とも言う)を行う逐次二軸延伸フィルムの製造方法が提案されている。特公昭55−41901号公報には、脂肪族ポリアミドとこのポリアミドと相溶性のある他のポリアミドおよび等温結晶化パラメーターが1.1〜2.5になるような量の結晶核剤をブレンドし、面配向指数が0.6〜1.5になるように一次延伸した後、二次延伸する逐次二軸延伸フィルムの製造法が提案されている。特公昭62−25704号公報には、脂肪族ポリアミドと2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミンおよび/又は2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミンと芳香族および/又は脂環族ジカルボン酸からなるポリアミドとを特定の割合でブレンドしたものから得られる延伸フィルムの製造法が提案されている。又、特公平6−43552号公報には、脂肪族ポリアミドと半芳香族ポリアミドからなる共重合ポリアミドと脂肪族ジアミンとイソフタル酸および/又はテレフタル酸からなる半芳香族ポリアミドとのブレンド物から得られる二軸延伸フィルムに適したポリアミド組成物が提案されている。
【0005】
従来、提案されているポリアミド組成物などはナイロン6など単独のポリアミドに比べ、延伸性は改良されている。しかし、フィルムの延伸倍率が3倍以上になると延伸ムラが発生することがあったり、良好に延伸できる延伸倍率に制約があったりした。又、逐次二軸延伸法における二段目の延伸(二次延伸)、すなわち、一次延伸の延伸方向と直角の方向への延伸を行った場合、延伸ムラが起こりやすかったり、低い延伸倍率で破断することがあるなど、未だ、延伸性の改良が十分とは言えなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は延伸性に優れたポリアミドから製造されてなる逐次二軸延伸フィルムの提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、延伸性、特に、逐次二軸延伸性に優れるポリアミドについて、ポリアミドの分子構造と延伸性の関係について鋭意検討を重ねた結果、ジアミンの必須成分として、特定の分岐型飽和ジアミンを用いて製造したポリアミドが本発明の目的を達成する良好な逐次二軸延伸性を有するポリアミドであることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明の第一の発明は、ラクタムおよび/又はアミノカルボン酸からなる単位、ジカルボン酸からなる単位、および2,2,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、2,4,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノペンタン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタン又はこれらの混合物から選ばれる分岐型飽和ジアミンを含むジアミンからなる単位とを含有するポリアミドから製造されてなることを特徴とする逐次二軸延伸フィルムである。
【0009】
第二の発明は、前記のジアミンの10〜100mol%が前記分岐型飽和ジアミンである第一の発明に記載の逐次二軸延伸フィルムである。
【0010】
第三の発明は、ラクタムおよび/又はアミノカルボン酸50〜99.8mol%、ジカルボン酸0.1〜25mol%、ジアミン0.1〜25mol%を含むポリアミドであって、該ジアミンの10〜100mol%が、2,2,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、2,4,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノペンタン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタン又はこれらの混合物から選ばれる分岐型飽和ジアミンであるポリアミドから製造されてなる逐次二軸延伸フィルムである。
【0011】
前記分岐型飽和ジアミンを構成単位とするポリアミドが延伸性、特に、従来、困難とされていた逐次二軸延伸性に優れる理由は明確ではないが、ポリアミド分子鎖中に導入されたジアミン単位の分岐が延伸時のポリアミド分子間の水素結合相互作用を弱くして、フィルム面内でのポリアミド分子の配向を抑え、結晶化が抑制されるためと推定される。このことは、前記分岐型飽和ジアミンを必須成分とする本発明のポリアミドとナイロン6とから得られたほぼ同一延伸倍率のフィルムの全分子面配向度を比べた場合、本発明のポリアミドの方が分子の面配向が低いことからも、前記の様に推定される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、詳細に本発明を説明する。本発明のポリアミドは、ラクタムおよび/又はアミノカルボン酸からなる単位、ジカルボン酸からなる単位、および2,2,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、2,4,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノペンタン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタン又はこれらの混合物から選ばれる分岐型飽和ジアミンを含むジアミン単位を含んでいる。
【0013】
本発明で使用するラクタムに、ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、ω−ウンデカラクタム、ω−ドデカラクタム、2−ピロリドンなどがあげられる。アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などがあげられる。これらのラクタムやアミノ酸は単独で使用しても良く、又、2種類以上を適宜組合せて使用しても良い。ラクラムとアミノカルボン酸を併用する場合、任意の割合で混合して使用することが出来る。ラクタムおよび/又はアミノカルボン酸から誘導されるポリアミドと炭素数が6〜22の分岐型飽和ジアミンを構成成分とするポリアミドとからなるポリアミドは、後者の含有量が少量であっても、延伸性は改良される。
【0014】
本発明で使用するジカルボン酸の具体例は、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸,ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸があげられ、これらのジカルボン酸は単独で使用しても良く、又、2種類以上を適宜組合せて使用しても良い。
【0015】
本発明で使用する分岐型飽和ジアミンは、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノペンタン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタンおよび2−メチル−1,8−ジアミノオクタン又はこれらの混合物である。
【0016】
前記分岐型飽和ジアミン以外のジアミンとしては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサンなどの脂環式ジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンなどが挙げられ、これらのジアミンは単独で使用しても良く、又、2種類以上を適宜組合せて使用しても良い。ジカルボン酸と前記分岐型飽和ジアミンを含むジアミンとはほぼ等モルの割合で使用される。
【0017】
ラクタムおよび/又はアミノカプロン酸の使用量は50〜99.8mol%、好ましくは70〜99.5mol%であり、ジカルボン酸は0.1〜25mol%、好ましくは0.25〜15mol%、ジアミンは0.1〜25mol%、好ましくは0.25〜15mol%である。また、このジアミンの10〜100mol%、好ましくは30〜100mol%、より好ましくは、50〜100mol%が前記分岐型飽和ジアミンである。ラクタムおよび/又はアミノカルボン酸の使用量が上記下限より少なくなると機械的強度が低下することがある。また、上記上限より多くなると延伸性が低下することがある。ジアミン中の前記分岐型飽和ジアミンの量が上記下限より少ないと延伸性が低下するようになる。また、上限より多くなると延伸性は良いが、機械的強度など実用的な物性が低下するようになる。
【0018】
本発明のポリアミドの製造は回分式でも、連続式でも実施でき、バッチ式反応釜、一槽式ないし多層式の連続反応装置、管状連続反応装置、一軸型混練押出機、二軸型混練押出機などの混練反応押出機など、公知のポリアミド製造装置を用いることができる。重合方法としては溶融重合、溶液重合や固相重合などの公知の方法を用いることができる。これらの重合方法は単独で、あるいは適宜、組合せて用いることができる。
【0019】
例えば、ラクタムおよび/又はアミノカルボン酸、ジカルボン酸、前記分岐型飽和ジアミンを含むジアミンと水を耐圧容器に仕込み、密封状態で200〜350℃の温度範囲で、加圧下に重縮合した後、圧力を下げて、大気圧下または減圧下で200〜350℃の温度範囲で重縮合反応を続け、高分子量化することにより、目的のポリアミドを製造することができる。この際、ジアミンとジカルボン酸はそのまま耐圧容器に仕込んでも良いし、又、ほぼ等モルのジアミンとジカルボン酸を水やアルコールに混合、溶解させた後、ナイロン塩を生成させ、そのままの溶液状態や濃縮した溶液状態、又は、再結晶により得られる固体状のナイロン塩を仕込んでも良い。本発明で使用する水は酸素を除去したイオン交換水や蒸留水を使用することが望ましく、その使用量はポリアミドを構成する原料100重量部に対して一般的には1〜150重量部である。
【0020】
高分子量化されたポリアミドは、通常、溶融状態で反応容器から抜き出し、水などで冷却された後、ペレット化される。ナイロン6など未反応モノマーを多く含有するポリアミドを主成分とするペレットの場合、さらに、熱水洗浄などにより未反応モノマーなどを除去した後、フィルムの製造に使用される。本発明のポリアミドの分子量はJIS K6810に記載の方法で測定した相対粘度(ηr)で1.5〜5.0の範囲、好ましくは2.0〜4.5である。なお、ポリアミドの末端基の種類およびその濃度や分子量分布に特別の制約は無い。
【0021】
本発明のポリアミド重合の際、必要ならば、重合促進や酸化防止のため、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、メタリン酸やこれらのアルカリ金属塩などのリン系化合物を添加することができる。これらリン系化合物の添加量は、通常、得ようとするポリアミドに対し50〜3,000ppmである。また、分子量調節や成形加工時の溶融粘度安定化のため、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどのアミンや酢酸、安息香酸、ステアリン酸、ヘキサンジオン酸、イソフタル酸、テレフタル酸などのカルボン酸を添加することができる。これら分子量調節剤の使用量は分子量調節剤の反応性や重合条件により異なるが、最終的に得ようとするポリアミドの相対粘度が1.5〜5.0の範囲になるように、適宜決められる。
【0022】
本発明のポリアミドからのフィルム製造は、公知のフィルム製造法、例えば、溶融押出機を用いたTダイ法、インフレーション法、チューブラー法や溶剤キャスト法、熱プレス法などの方法により製造できる。溶融押出機を用いた方法でのポリアミドの溶融温度は、使用するポリアミドの融点〜320℃である。
【0023】
逐次二軸延伸法でフィルムを製造する場合、本発明のポリアミドに、必要に応じてステアリン酸カルシウム、ビスアミド化合物、シリカ、タルクなどの滑剤、スリップ剤、核剤などを添加した後、Tダイを備えた押出機でポリアミドを溶融押出して、未延伸フィルムを成形する。未延伸フィルムは引続き、連続した工程で延伸しても良いし、一旦、巻き取ってから延伸しても良い。延伸は使用するポリアミドのガラス転移温度(以下、Tgと記載する)以上の温度で実施される。逐次二軸延伸の一段目の延伸(一次延伸)はフィルムの押出方向へ、Tg〜(Tg+50)℃の温度範囲で延伸倍率2倍〜5倍、好ましくは、2.5〜4倍に延伸され、次いで、フィルムの押出方向と直角の方向に行う二段目の延伸(二次延伸)は、一次延伸と同じ温度かやや高い温度で、延伸倍率2倍〜5倍、好ましくは、2.5〜4倍に延伸される。その後、150℃以上の温度で熱固定され、逐次二軸延伸フィルムは得られる。
【0024】
本発明の効果が阻害されない範囲で、本発明のポリアミドに熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、粘着性付与剤、シール性改良剤、防曇剤、離型剤、耐衝撃性改良剤、可塑剤、顔料、染料、香料、補強材などを添加することが出来る。
【0026】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例および比較例中に示した測定値は以下の方法で測定した。
【0027】
1)ポリアミドのηr(相対粘度)の測定
JIS K6810に準じ、98重量%の濃硫酸を溶媒として、1重量/容量%のポリアミド濃度で、ウベローデ粘度計を用い、25℃の温度で測定した。
【0028】
2)フィルムの押出方向に延伸(一次延伸)した時の全分子面配向度の測定
所定雰囲気温度(50℃、60℃、70℃)に温度調節された二軸延伸機BIXー703型(岩本製作所製)の延伸槽に、縦92mm、横92mmの未延伸の試料フィルムを取付け、雰囲気温度で20秒間予熱した後、フィルムの押出方向に35mm/秒の変形速度で3.2倍に延伸(一次延伸)し、200℃で熱固定して全分子面配向度測定用の試験フィルムを作成した。このフィルムの延伸方向の屈折率(Nx)、幅方向の屈折率(Ny)および厚み方向の屈折率(Nz)を、自動複屈折計KOBRA−21ADH型(王子計測機器製)で測定し、式(1)により全分子面配向度(P)を求めた。
【数1】
P={(Nx+Ny)/2}−Nz 式(1)
(ここで、Pは延伸フィルムの全分子面配向度、Nxはフィルムの延伸方向の屈折率、Nyはフィルムの幅方向の屈折率、Nzは厚み方向の屈折率を示す)
Pの値が小さくなるほど、ポリアミド分子の配向が低く、延伸性が良いことを示す。
【0029】
3)逐次二軸延伸法による二次延伸の破断時の延伸倍率測定
60℃の雰囲気温度に調節された二軸延伸機BIXー703型(岩本製作所製)の延伸槽に、試料フィルムを取付け、雰囲気温度で20秒間予熱した後、フィルムの押出方向に変形速度35mm/秒で3.0倍に一段目の延伸(一次延伸)を行い、引続いて押出方向と直角の方向に変形速度35mm/秒で二段目の延伸(二次延伸)をフィルムが破断するまで行い、破断時の延伸倍率を測定した。
【0030】
実施例1
攪拌機、温度計、圧力計、圧力制御装置およびポリマー取出口を備えた5リットルの耐圧容器にεーカプロラクタム2200g、2,2,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサンと2,4,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサンとの混合物(ヒュルス社製、商品名:ベスタミンTMD)41.2g、アジピン酸38gおよび蒸留水120gを仕込み、窒素加圧と放圧を数回繰り返し、耐圧容器内を窒素置換してから240℃まで昇温した。240℃で攪拌下に4時間、反応させた後、270℃に昇温してから2時間かけてゲージ圧力を0kg/cm・Gまで放圧し、引続き窒素ガスを150ml/分で流しながら、270℃で攪拌下に6時間反応させた。次に、攪拌を停止し、ポリマー取出口から溶融状態のポリアミドを紐状で抜出し、水冷した後、ペレタイズして、約1800gのペレットを得た。このペレットを90〜95℃の熱水流通下で数時間洗浄した後、80℃で、24時間真空乾燥した。得られたポリアミドのηrは3.13であった。
このポリアミド1500gにステアリン酸カルシウム0.45gを混合し、コートハンガー型のTダイを備えた押出機に供給した。260℃で溶融混練して、約35℃に制御された冷却ロール上に押出し、厚さ120μmの未延伸フィルムを製造した。この未延伸フィルムは延伸性を評価するまで吸湿しないようにアルミ袋に入れ、0℃以下で保管した。未延伸フィルムから切出した縦92mm、横92mmの試料を、二軸延伸機BIX−703型(岩本製作所製)に取付け、雰囲気温度60℃で20秒間予熱した後、同温度下、変形速度35mm/秒でフィルムの押出方向に3倍に延伸(一次延伸)した。得られた延伸フィルムの全分子面配向度を測定した。結果を表1に示す。
また、雰囲気温度60℃、変形速度35mm/秒で押出方向に3.0倍に一次延伸して得たフィルムを同温度で押出方向と直角の方向に一次延伸と同じ変形速度35mm/秒で破断するまで二次延伸した。二次延伸破断時の延伸倍率は4倍であった。
【0031】
実施例2
εーカプロラクタム2200g、2,2,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサンと2,4,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサンとの混合物(ヒュルス社製、商品名:ベスタミンTMD)13.0g、アジピン酸12.1gおよび蒸留水100gを耐圧容器に仕込んだ他は実施例1と同様の方法で実施してポリアミドを得た。このポリアミドのηrは3.47であった。このポリアミドから実施例1と同様の方法で製造したフィルムの全分子面配向度を測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様の方法で測定した逐次二軸延伸による二次延伸の破断時の延伸倍率は3.5倍であった。
【0032】
実施例3
εーカプロラクタム2200g、2,2,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサンと2,4,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサンとの混合物(ヒュルス社製、商品名:ベスタミンTMD)19.7g、ヘキサメチレンジアミン3.6g、イソフタル酸25.9gおよび蒸留水110gを耐圧容器に仕込んだ他は実施例1と同様の方法で実施してポリアミドを得た。このポリアミドのηrは3.51であった。このポリアミドから実施例1と同様の方法で製造したフィルムの全分子面配向度を測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様の方法で測定した逐次二軸延伸による二次延伸の破断時の延伸倍率は3.0倍であった。
【0033】
実施例4
εーカプロラクタム2200g、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン30.1g、アジピン酸37.9gおよび蒸留水118gを耐圧容器に仕込んだ他は実施例1と同様の方法で実施してポリアミドを得た。このポリアミドのηrは3.55であった。このポリアミドから実施例1と同様の方法で製造したフィルムの全分子面配向度を測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様の方法で測定した逐次二軸延伸による二次延伸の破断時の延伸倍率は3.3倍であった。
【0034】
実施例5
εーカプロラクタム2200g、2−メチル−1,8−ジアミノオクタン35.4g、アジピン酸32.6gおよび蒸留水118gを耐圧容器に仕込んだ他は実施例1と同様の方法で実施してポリアミドを得た。このポリアミドのηrは3.55であった。このポリアミドから実施例1と同様の方法で製造したフィルムの全分子面配向度を測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様の方法で測定した逐次二軸延伸による二次延伸の破断時の延伸倍率は3.0倍であった。
【0035】
比較例1
εーカプロラクタム2200gおよび蒸留水116gを耐圧容器に仕込んだ他は実施例1と同様の方法で実施して、ポリアミド(ナイロン6)を得た。このポリアミドのηrは3.57であった。このポリアミドから実施例1と同様の方法で製造したフィルムの全分子面配向度を測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様の方法で測定した逐次二軸延伸による二次延伸の破断時の延伸倍率は1.3倍であった。
【0036】
比較例2
ε−カプロラクタム2200g、ヘキサメチレンジアミン30.1g、アジピン酸38.9gおよび蒸留水119gを耐圧容器に仕込んだ他は、実施例1と同様の方法で実施して、ポリアミド(ナイロン6と66の共重合体)を得た。このポリアミドのηrは3.50であった。このポリアミドから実施例1と同様の方法で製造したフィルムの全分子面配向度を測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様の方法で測定した逐次二軸延伸による二次延伸の破断時の延伸倍率は2.5倍であった。
【0037】
【表1】
Figure 0003589088
【0040】
実施例6
6−アミノカプロン酸2000g、2,2,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサンと2,4,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサンとの混合物(ヒュルス社製、商品名:ベスタミンTMD)54.8g、アジピン酸50.5gおよび蒸留水200gを実施例1と同様の耐圧容器に仕込み窒素加圧と放圧を数回繰り返し、耐圧容器内を窒素置換してから270℃まで昇温した。窒素ガスを150ml/分で流しながら、270℃で撹拌下に6時間反応させた。次に、撹拌を停止し、ポリマー取出口から溶融状態のポリアミドを紐状で抜出し、水冷した後、ペレタイズして、1600gのペレットを得た。このペレットを90〜95℃の熱水流通下で数時間洗浄した後、80℃、24時間真空乾燥した。得られたポリアミドのηrは3.63であった。このポリマーから実施例1と同様の方法でフィルムを成形し、逐次2軸延伸による二次延伸の破断時の延伸倍率は3.8倍であった。
【0041】
【発明の効果】
ラクタムおよび/又はアミノカルボン酸からなる単位、ジカルボン酸からなる単位および2,2,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、2,4,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノペンタン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタン又はこれらの混合物から選ばれる分岐型飽和ジアミンを含むジアミンからなる単位を含むポリアミド、特に、ジアミンの10〜100mol%が前記分岐型飽和ジアミンであるポリアミドは延伸性に優れており、該ポリアミドから逐次二軸延伸フィルムが得られる。

Claims (3)

  1. ラクタムおよび/又はアミノカルボン酸からなる単位、ジカルボン酸からなる単位、および2,2,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、2,4,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノペンタン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタン又はこれらの混合物から選ばれる分岐型飽和ジアミンを含むジアミンからなる単位とを含有するポリアミドから製造されてなることを特徴とする逐次二軸延伸フィルム
  2. ジアミンの10〜100mol%が分岐型飽和ジアミンであることを特徴とする請求項1記載の逐次二軸延伸フィルム
  3. ラクタムおよび/又はアミノカルボン酸50〜99.8mol%、ジカルボン酸0.1〜25mol%、ジアミン0.1〜25mol%を含むポリアミドであって、該ジアミンの10〜100mol%が、2,2,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、2,4,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノペンタン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタン又はこれらの混合物から選ばれる分岐型飽和ジアミンであるポリアミドから製造されてなることを特徴とする逐次二軸延伸フィルム
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