JP2003138012A - 延伸性に優れたポリアミド - Google Patents

延伸性に優れたポリアミド

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JP2003138012A
JP2003138012A JP2001342760A JP2001342760A JP2003138012A JP 2003138012 A JP2003138012 A JP 2003138012A JP 2001342760 A JP2001342760 A JP 2001342760A JP 2001342760 A JP2001342760 A JP 2001342760A JP 2003138012 A JP2003138012 A JP 2003138012A
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acid
dicarboxylic acid
stretching
film
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Koji Nakamura
孝治 中村
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】延伸性に優れた、特に、逐次二軸延伸性に好適
なポリアミドを提供する。 【解決手段】(A)ラクタムおよび/またはアミノカル
ボン酸からなる単位、(B)ジアミンからなる単位、お
よび(C)橋かけ構造を有する脂環式ジカルボン酸を含
むジカルボン酸からなる単位を含有することを特徴とす
る。橋かけ構造を有する脂環式ジカルボン酸としては、
下記一般式[A−1]及び[A−2]で表されるジカルボ
ン酸が挙げられる。 【化1】 【化2】 (ただし、一般式[A−1]及び[A−2]において、R
〜Rは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜4のアル
キル基または水素原子を表し、mは1又は2のいずれか
を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は延伸性に優れたポリ
アミドに関する。詳しくはジカルボン酸からなる単位の
一部又は全部が橋かけ構造を有する脂環式ジカルボン酸
を構成単位とするポリアミドであり、延伸フィルム、特
に、逐次二軸延伸フィルムに適したポリアミドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドは耐熱性やガスバリヤ−性に
優れているため、レトルト食品などの食品包装用材料と
して使用されている。近年、これら食品包装用途の拡大
にともない、要求特性が多様化している。例えば、薄
く、かつ、実用的な機械的強度やガスバリヤ−性に優れ
たポリアミドフィルム、特に、生産性の良い逐次二軸延
伸法に適したポリアミドに対する要求などがある。
【0003】一般に、結晶性ポリマ−から得られるフィ
ルムは延伸することにより、フィルムの厚さが薄くな
り、かつ、単位当たりの機械的強度は向上することが知
られている。この延伸技術を応用して、多くの結晶性ポ
リマ−から薄く、かつ、機械的強度に優れたフィルムが
製造されている。ところが、ナイロン6やナイロン66
等の結晶性ポリアミドから得られるフィルム、モノフィ
ラメント、繊維などは延伸条件をある狭い範囲で管理し
ないと、延伸ムラが起り易かったり、比較的低い延伸倍
率で破断したりすることが知られている。特に、フィル
ムの大量生産に有利とされている逐次二軸延伸法によっ
てナイロンフィルムを製造する場合、フィルムの押出し
方向に延伸する一段目の延伸(以降、「一次延伸」と記
載する。)を行った後、一次延伸の延伸方向と直角の方
向に延伸する二段目の延伸(以降、「二次延伸」と記載
する。)が困難になることが知られている。この理由
は、一次延伸の際、ポリアミド分子がフィルム面に平行
に配向して、分子間に水素結合が形成され、これにより
結晶化が進行して、フィルムが硬くなり、二次延伸が困
難になるためと考えられている。そのため、逐次二軸延
伸法に適用できる延伸性に優れたポリアミドの開発が望
まれている。
【0004】そこで、従来、ポリアミドの延伸性改良に
関し、多くのポリアミド共重合体やポリアミド組成物が
提案されている。延伸性の改良されたポリアミド共重合
体としては、例えば、特開昭53−5250号公報には
ε−カプロラクタム、ヘキサメチレンジアミン、イソフ
タル酸とテレフタル酸からなるポリアミド共重合体が、
特開昭60−104312号公報には少なくともジカル
ボン酸と脂環式ジアミンとからなるポリアミド共重合体
が提案されている。また、ポリアミド組成物としては、
例えば、特開昭52−104565号公報には、脂肪族
ポリアミドとキシリレンジアミンおよびα,ω−脂肪族
ジカルボン酸を構成単位とするポリアミドとをブレンド
した組成物が提案されている。特開昭53−88053
号公報には、脂肪族ポリアミドと2,2,4−および/
又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンと
芳香族および/または脂環式ジカルボン酸からなるポリ
アミドとを特定の割合でブレンドした組成物からの逐次
二軸延伸フィルムの製造方法が提案されている。特公平
6−43552号公報には、脂肪族ポリアミドと半芳香
族ポリアミドとから得られる共重合ポリアミドと脂肪族
ジアミンとイソフタル酸および/またはテレフタル酸か
ら得られる半芳香族ポリアミドとのブレンド物からなる
ポリアミド組成物が提案されている。また、特開平6−
263895号公報には、結晶性脂肪族ポリアミドと特
定の脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、テレフタル酸、
イソフタル酸よりなる非晶性ポリアミドとをブレンドし
た組成物が提案されている。
【0005】前記、提案のポリアミド共重合体やポリア
ミド組成物はナイロン6など単独のポリアミドに比べ、
延伸性は改良されている。しかし、フィルムの延伸倍率
が3倍以上になると延伸ムラが発生することがあるな
ど、均一に延伸できる延伸倍率は制約されることがあっ
た。また、逐次二軸延伸法における二次延伸で、延伸ム
ラが起こりやすかったり、低い延伸倍率で破断すること
があるなど、延伸性の改良が十分とはいえなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は延伸性
に優れた、特に、逐次二軸延伸性に好適なポリアミドを
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、延伸性、特
に、逐次二軸延伸性に優れるポリアミドを得る目的で、
ポリアミドの分子構造と延伸性との関係を検討した結
果、分子鎖中に橋かけ構造を有する脂環式ジカルボン酸
からなる単位を有するポリアミドが延伸性に優れること
を見出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、(A)ラクタムおよ
び/またはアミノカルボン酸からなる単位、(B)ジア
ミンからなる単位、および(C)橋かけ構造を有する脂
環式ジカルボン酸を含むジカルボン酸からなる単位を含
有することを特徴とする延伸性に優れたポリアミドに関
する。
【0009】橋かけ構造を有する脂環式ジカルボン酸を
構成単位とするポリアミドが延伸性、特に、従来、困難
とされていた逐次二軸延伸性に優れる理由は明確でない
が、橋かけ構造を有する脂環式ジカルボン酸の分子構造
がナイロン6などの脂肪族ポリアミドと比較して嵩高な
分子構造であるため、ポリアミド中に導入された橋かけ
構造を有する脂環構造が延伸時のポリアミド分子間の水
素結合相互作用を弱め、フィルム面内でのポリアミド分
子の配向を抑え、結晶化が抑制されるためと推定され
る。このことは、橋かけ構造を有する脂環式ジカルボン
酸を構成単位とする本発明のポリアミドとナイロン6と
から得られた同一延伸倍率のフィルムの全分子面配向度
を比べた場合、本発明のポリアミドの全分子面配向度が
低いことからも、前述のように推定される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、詳細に本発明を説明する。
本発明のポリアミドは、(A)ラクタムおよび/または
アミノカルボン酸からなる単位、(B)ジアミンからな
る単位、および(C)橋かけ構造を有する脂環式ジカル
ボン酸を含むジカルボン酸からなる単位を含有する。
【0011】本発明で使用されるラクタムとしては、ε
−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、ω−ウンデ
カラクタム、ω−ドデカラクタム、2−ピロリドンなど
が挙げられる。アミノカルボン酸としては、6−アミノ
カプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタ
ン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカ
ン酸、12−アミノドデカン酸などが挙げられる。これ
らのラクタムやアミノ酸は単独で使用しても良く、又、
2種類以上を適宜組合せて使用しても良い。ラクラムと
アミノカルボン酸を併用する場合、任意の割合で混合し
て使用することが出来る。ラクタムおよび/またはアミ
ノカルボン酸から誘導されるポリアミドと橋かけ構造を
有する脂環式ジカルボン酸を構成成分とするポリアミド
とからなるポリアミド共重合体は、後者の含有量が少量
であっても、延伸性は改良される。
【0012】本発明で使用されるジアミンとしては、エ
チレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ペプタメチレ
ンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジ
アミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジア
ミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカンジアミン、
テトラデカンジアミン、ペンタデカンジアミン、ヘキサ
デカンジアミン、ヘプタデカンジアミン、オクタデカン
ジアミン、ノナデカンジアミン、エイコサンジアミンな
どの直鎖状脂肪族ジアミン、1−ブチル−1,2−エタ
ンジアミン、1,1−ジメチル−1,4−ブタンジアミ
ン、1−エチル−1,4−ブタンジアミン、1,2−ジ
メチル−1,4−ブタンジアミン、1,3−ジメチル−
1,4−ブタンジアミン、1,4−ジメチル−1,4−
ブタンジアミン、2,3−ジメチル−1,4−ブタンジ
アミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−
メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2−ジメチル
−1,6−ヘキサンジアミン、2,5−ジメチル−1,
6−ヘキサンジアミン、2,4−ジメチル−1,6−ヘ
キサンジアミン、3,3−ジメチル−1,6−ヘキサン
ジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサン
ジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサン
ジアミン、2,4−ジエチル−1,6−ヘキサンジアミ
ン、2−メチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,2−
ジメチル−1,7−ジアミノヘプタン、2,3−ジメチ
ル−1,7−ジアミノヘプタン、2,4−ジメチル−
1,7−ヘプタンジアミン、2,5−ジメチル−1,7
−ヘプタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジ
アミン、3−メチル−1,8−オクタンジアミン、4−
メチル−1,8−オクタンジアミン、1,3−ジメチル
−1,8−オクタンジアミン、1,4−ジメチル−1,
8−オクタンジアミン、2,4−ジメチル−1,8−オ
クタンジアミン、3,4−ジメチル−1,8−オクタン
ジアミン、4,5−ジメチル−1,8−オクタンジアミ
ン、2,2−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、
3,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,4
−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−
1,9−ノナンジアミンなどの分岐状脂肪族ジアミン、
シクロプロパンジアミン、シクロプロピルジアミノメチ
ル、シクロブチルジアミノメチル、シクロペンチルジア
ミノメチル、5−アミノ−2,2,4−トリメチル−1
−シクロペンタンメチルアミン、シクロヘキサンジアミ
ン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、
1,4−(ビスアミノメチル)シクロヘキサン、5−ア
ミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルア
ミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス
(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−ア
ミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−
アミノ−3−メチルシクロヘキシル)プロパン、ビス
(4−アミノ−3−エチルシクロヘキシル)メタン、、
ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)
メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘ
キシル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−エチルシク
ロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−エチルシ
クロヘキシル)プロパン、ビス(4−アミノ−3,5−
ジエチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−
3,5−ジエチルシクロヘキシル)プロパン、ビス(4
−アミノ−3−メチル−5−エチルシクロヘキシル)メ
タン、ビス(4−アミノ−3−メチル−5−エチルシク
ロヘキシル)プロパン、ビス(アミノエチル)ピペラジ
ン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、ビスアミノメ
チルノルボルナンなどの脂環式ジアミン、p−フェニレ
ンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレン
ジアミン、m−キシリレンジアミン、2,4−トリレン
ジアミン、2,6−トリレンジアミン、1,4−ジアミ
ノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−
ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、
3,3'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルメ
タン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジフェニ
ルメタン、4,4'−ジアミノ− 3,3'−ジエチルジ
フェニルメタン、4,4'−ジアミノ− 3,3',5,
5'−テトラメチルジフェニルメタン、4,4'−ジアミ
ノ− 3,3',5,5'−テトラエチルジフェニルメタ
ン、4,4'−ジアミノ− 3,3'−ジメチル−5,5'
−ジエチルジフェニルメタン、2,2'−ビス(3−ア
ミノフェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−アミノ
フェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−アミノ−3
−メチルフェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−ア
ミノ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2'−ビス
(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
2,2'−ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニ
ル)プロパン、2,2'−ビス(4−アミノ−3−メチ
ル−5−エチルフェニル)プロパンなどの芳香族ジアミ
ンなどが挙げられ、これらのジアミンは単独で使用して
も良く、また、2種類以上を適宜組合せて使用しても良
い。
【0013】本発明で使用されるジカルボン酸の必須成
分である橋かけ構造を有する脂環式ジカルボン酸として
は、下記一般式[A−1]及び[A−2]に示す構造のも
のが挙げられる。
【0014】
【化3】
【化4】 (ただし、一般式[A−1]及び[A−2]において、R
〜Rは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜4のアル
キル基または水素原子を表し、mは1又は2のいずれか
を表す。)
【0015】ここで、炭素原子数1〜4のアルキル基の
代表例としては、例えばメチル、エチル、n−プロピ
ル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチ
ル、t−ブチル等が挙げられる。これらの中でも、R
〜 Rが水素原子であることが、入手の容易さから好
ましい。一般式[A−1]で表される橋かけ構造を有す
る脂環式ジカルボン酸の具体例としては、ビシクロ
[2.2.1]ヘプタンジカルボン酸、一般式[A−
2]で表される脂環式ジカルボン酸の具体例としては、
mが1の場合、トリシクロ[5.2.1.02,6]デ
カンジカルボン酸、mが2の場合、ペンタシクロ[6.
5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ
ンジカルボン酸を挙げることができる。これらを単独で
使用してもよく、又2種類以上を組み合わせてもよい。
これらの中でも、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジカ
ルボン酸、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
ジカルボン酸が好ましい。さらに、前記ジカルボン酸
は、カルボキシル基の置換位置が異なる置換異性体や、
立体配座により立体異性体が存在するが、本発明におい
てはいずれであっても使用することができる。
【0016】本発明で用いられる橋かけ構造を有する脂
環式ジカルボン酸は、公知の方法により得る事ができ
る。例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジカルボ
ン酸は、ビシクロ[2.2.1]ヘプテンカルボニトリル
をシアン化水素付加するにより得られるビシクロ[2.
2.1]ヘプテンジシアノを、アルカリ水溶液中で加水
分解する方法が知られている。尚、出発原料であるビシ
クロ[2.2.1]ヘプテンカルボニトリルは、原料とし
て工業的に入手が容易なジシクロペンタジエンとアクリ
ロニトリルを用いて、ディ−ルス・アルダ−反応により
容易に得られる。また、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカンジカルボン酸は、ジシクロペンタジエン
を金属化合物や有機リン系化合物とを含む触媒の存在下
において、ヒドロホルミル化することにより、トリシク
ロ[5.2.1.02,6]デカンジカルバルデヒドが
生成し、これを酸化することにより得ることができる。
あるいは、テトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]ドデセンを酸化剤、または金属触媒存在下、
酸化することにより得られる。ペンタシクロ[6.5.
1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカンジ
カルボン酸も同様に、トリシクロペンタジエンを金属化
合物や有機リン系化合物とを含む触媒の存在下におい
て、ヒドロホルミル化し、ペンタシクロ[6.5.1.
3,6.02,7.09,13]ペンタデカンジカル
バルデヒドが生成し、これを酸化することにより得るこ
とができる。尚、出発原料であるトリシクロペンタジエ
ンはジシクロペンタジエンを熱により解重合と重合を引
き起こし、生成した混合物を蒸留することにより容易に
得る事ができる。あるいは、ヘキサシクロ[6.6.
1.02,5.13,6.09,14.110,13]ヘ
プタデセンを酸化剤、または金属触媒存在下、酸化する
ことにより得られる。
【0017】本発明で使用される橋かけ構造を有する脂
環式ジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、アジピ
ン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカンジオン酸、トリデ
カンジオン酸、テトラデカンジオン酸、ペンタデカンジ
オン酸、ヘキサデカンジオン酸、オクタデカンジオン
酸、エイコサンジオン酸などの直鎖状脂肪族ジカルボン
酸、ジメチルマロン酸、3,3−ジメチルコハク酸、
2,2−ジメチルグルタル酸、2−メチルアジピン酸、
3−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、2−ブ
チルオクタジオン酸、2,3−ジブチルブタンジオン
酸、8−エチルオクタデカンジオン酸、8,13−ジメ
チルエイコサジオン酸、2−オクチルウンデカンジオン
酸、2−ノニルデカンジオン酸などの分岐状脂肪族カル
ボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3
−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−
ジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、
1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,
4'−ビフェニルジカルボン酸、ジフェニルメタン−
2,4'−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−3,3'−
ジカルボン酸、ジフェニルメタン−3,4'−ジカルボ
ン酸、ジフェニルメタン−4,4'−ジカルボン酸など
の芳香族ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げ
られる。これらのジカルボン酸は単独で使用しても良
く、あるいは2種類以上を適宜組合せて使用しても良
い。ジカルボン酸中の橋かけ構造を有する脂環式ジカル
ボン酸の割合は10〜100mol%、好ましくは、2
0〜100mol%である。橋かけ構造を有する脂環式
ジカルボン酸の使用割合が上記下限より少ないと延伸性
の改善効果が低下するようになる。ジアミンと橋かけ構
造を有する脂環式カルボン酸を含むジカルボン酸とはほ
ぼ等モルの割合で使用される。ジアミンとジカルボン酸
とは、そのまま使用しても良いし、又、ジアミンとジカ
ルボン酸とから公知の方法により得られるナイロン塩を
使用しても良い。
【0018】本発明のポリアミドは、(A)ラクタムお
よび/またはアミノカルボン酸からなる単位、(B)ジ
アミンからなる単位、および(C)橋かけ構造を有する
脂環式ジカルボン酸を含むジカルボン酸からなる単位を
含有し、その構成割合は、(A)ラクタムおよび/また
はアミノカプロン酸からなる単位が50〜99.8mo
l%、好ましくは70〜99.5mol%であり、
(B)ジアミンからなる単位が0.1〜25mol%、
好ましくは0.25〜15mol%、(C)ジカルボン
酸からなる単位が0.1〜25mol%、好ましくは
0.25〜15mol%である。また、このジカルボン
酸中の10〜100mol%、好ましくは20〜100
mol%、より好ましくは50〜100mol%が橋か
け構造を有する脂環式ジカルボン酸である。ラクタムお
よび/またはアミノカルボン酸の使用量が上記下限より
少なくなると機械的強度が低下することがある。また、
上記上限より多くなると延伸性が低下することがある。
ジカルボン酸中の橋かけ構造を有する脂環式ジカルボン
酸の量が上記下限より少ないと延伸性が低下するように
なる。また、上限より多くなると延伸性は良いが、機械
的強度など実用的な性質が低下するようになる。
【0019】本発明のポリアミドの製造は回分式でも、
連続式でも実施でき、バッチ式反応釜、一槽式ないし多
槽層式の連続反応装置、管状連続反応装置、一軸型混練
押出機、二軸型混練押出機などの混練反応押出機など、
公知のポリアミド製造装置を用いることができる。重合
方法としては溶融重合、溶液重合や固相重合などの公知
の方法を用いることができる。これらの重合方法は単独
で、あるいは適宜、組合せて用いることができる。
【0020】例えば、ラクタムおよび/またはアミノカ
ルボン酸、ジアミン、橋かけ構造を有する脂環式ジカル
ボン酸を含むジカルボン酸と水を耐圧容器に仕込み、密
封状態で200〜350℃の温度範囲で、加圧下におい
て重縮合した後、圧力を下げて、大気圧下または減圧下
で200〜350℃の温度範囲で重縮合反応を続け、高
分子量化することにより、目的のポリアミドを製造する
ことができる。この際、ジアミンとジカルボン酸はその
まま耐圧容器に仕込んでも良いし、また、ほぼ等モルの
ジアミンとジカルボン酸を水やアルコ−ルに混合、溶解
させた後、ナイロン塩を生成させ、そのままの溶液の状
態や濃縮した溶液状態、または、再結晶により得られる
固体状のナイロン塩の形状にして仕込んでも良い。尚、
重合中のジアミンの損失は、ジアミンを若干過剰に加え
ることにより防ぐことができる。本発明で使用する水は
酸素を除去したイオン交換水や蒸留水を使用することが
望ましく、その使用量はポリアミドを構成する原料10
0重量部に対して一般的には1〜150重量部である。
【0021】高分子量化されたポリアミドは、通常、溶
融状態で反応容器から抜き出され、水などで冷却された
後、ペレット状にされる。ナイロン6など未反応モノマ
−を多く含有するポリアミドが主成分のペレットの場
合、さらに、熱水洗浄などにより未反応モノマ−などを
除去した後、フィルム、モノフィラメント、繊維などの
製造に使用される。本発明のポリアミドの分子量はJI
S K6810に記載の方法で測定した相対粘度(η
r)が1.5〜5.0の範囲、好ましくは2.0〜4.
5のものである。なお、ポリアミドの末端基の種類およ
びその濃度や分子量分布には特別の制約は無い。
【0022】本発明のポリアミドを重合する際、必要な
らば、重合促進や酸化防止のため、リン酸、亜リン酸、
次亜リン酸、ポリリン酸やこれらのアルカリ金属塩など
のリン系化合物を添加することができる。これらリン系
化合物の添加量は、通常、得ようとするポリアミドに対
し50〜3,000ppmである。また、分子量調節や
成形加工時の溶融粘度安定化のため、モノアミン、ジア
ミン、モノカルボン酸、ジカルボン酸のうちの1種ある
いは2種以上を任意の組み合わせて添加することができ
る。例えば、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどのア
ミンや酢酸、ステアリン酸、安息香酸、アジピン酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸などのカルボン酸などであ
る。これら分子量調節剤の使用量は分子量調節剤の反応
性や重合条件により異なるが、最終的に得ようとするポ
リアミドの相対粘度が1.5〜5.0の範囲になるよう
に、適宜決められる。
【0023】本発明のポリアミドからのフィルム製造
は、公知のフィルム製造法、例えば、溶融押出機を用い
たTダイ法、インフレ−ション法、チュ−ブラ−法や溶
剤キャスト法、熱プレス法などの方法により製造でき
る。また、モノフィラメントや繊維は公知の溶融紡糸法
により製造できる。溶融押出機を用いた方法や溶融紡糸
法でのポリアミドの溶融温度は、使用するポリアミドの
融点〜320℃である。
【0024】上記の方法で得られた未延伸フィルムは、
一軸あるいは二軸方向に延伸することができ、二軸延伸
方法としてはテンタ−法同時二軸延伸、逐次二軸延伸法
およびチュ−ブラ−延伸法を用いることができる。逐次
二軸延伸法でフィルムを製造する場合、本発明のポリア
ミドを、Tダイを備えた押出機で溶融押出して、未延伸
フィルムを成形する。未延伸フィルムは引続き、連続し
た工程で延伸しても良いし、一旦、巻き取ってから延伸
しても良い。延伸は使用するポリアミドのガラス転移温
度(以下、「Tg」と記載する)以上の温度で実施さ
れ、一次延伸は、Tg〜(Tg+50)℃の温度範囲で
延伸倍率2倍〜5倍、好ましくは、2.5〜4倍に延伸
され、次いで、二次延伸は一次延伸と同じ温度かそれよ
りやや高い温度で、延伸倍率2倍〜5倍、好ましくは、
2.5〜4倍に延伸された後、150℃以上の温度で熱
固定される工程で、逐次二軸延伸フィルムは製造され
る。
【0025】本発明の効果が阻害されない範囲で、本発
明のポリアミドに熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、
酸化防止剤、滑剤、フィラ−、ブロッキング防止剤、帯
電防止剤、粘着性付与剤、シ−ル性改良剤、防曇剤、離
型剤、耐衝撃性改良剤、可塑剤、顔料、染料、香料、補
強材などを添加することが出来る。
【0026】本発明のポリアミドは延伸フィルム用材料
として好ましく、特に、逐次二軸延伸フィルム用材料と
して好適である。また、フィルムだけでなく、モノフィ
ラメント、繊維などにも利用され、モノフィラメント、
繊維の延伸性も良好である。また、本発明のポリアミド
は射出成形、圧縮成形、真空成形などによる成形品の製
造にも使用可能である。
【0027】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明する。尚、実施例および比較例中に示した測
定値は以下の方法で測定した。
【0028】ポリアミドのηr(相対粘度)の測定 JIS K6810に準じ、98重量%の濃硫酸を溶媒
として、1重量/容量%のポリアミド濃度で、ウベロ−
デ粘度計を用い、25℃の温度で測定した。
【0029】押出方向に延伸されたフィルムの全分子面
配向度の測定 所定雰囲気温度(50℃、60℃、70℃)に温度調節
された二軸延伸機BIX−703型(岩本製作所製)の
延伸槽に、縦92mm、横92mmの未延伸の試料フィ
ルムを取付け、雰囲気温度(「延伸時温度」と記載する
こともある。)で20秒間予熱した後、フィルムの押出
方向に35mm/秒の変形速度で3倍に延伸し、200
℃で熱固定して得たフィルムを全分子面配向度測定に使
用した。このフィルムの延伸方向の屈折率(Nx)、幅
方向の屈折率(Ny)および厚み方向の屈折率(Nz)
を、自動複屈折計KOBRA−21ADH型(王子計測
機器製)で測定し、下記式(1)から全分子面配向度
(P)を求めた。 P={(Nx+Ny)/2}−Nz (1) (ここで、Pは延伸フィルムの全分子面配向度、Nxは
フィルムの延伸方向の屈折率、Nyはフィルムの幅方向
の屈折率、Nzは厚み方向の屈折率を示す)Pの値は小
さいほど、ポリアミド分子の配向が小さく、延伸性は良
くなる。
【0030】逐次二軸延伸法による二次延伸の破断時の
延伸倍率測定 60℃の雰囲気温度に調節された二軸延伸機BIX−7
03型(岩本製作所製)の延伸槽に、未延伸の試料フィ
ルムを取付け、雰囲気温度(延伸時温度)で20秒間予
熱した後、フィルムの押出方向に変形速度35mm/秒
で3.0倍に一次延伸を行い、次いで、二次延伸を変形
速度35mm/秒で、フィルムが破断するまで延伸し、
破断時の延伸倍率を測定した。
【0031】実施例1 攪拌機、温度計、圧力計、圧力制御装置、窒素導入口、
放圧口および重合物取出口を備えた70リットルの耐圧
容器にε−カプロラクタム22000g、ビシクロ
[2.2.1]ヘプタンジカルボン酸478g、ヘキサ
メチレンジアミン301gおよび蒸留水1140gを仕
込み、窒素加圧と放圧を数回繰り返し、耐圧容器内を窒
素置換してから250℃まで昇温した。250℃で攪拌
下に4時間、重合させた後、270℃に昇温してから1
時間かけてゲ−ジ圧力0MPaまで放圧し、引続き窒素
ガスを150ml/分で流しながら、270℃で攪拌下
に4時間重合させた。次に、攪拌を停止し、ポリマ−取
出口から溶融状態のポリアミドを紐状で抜出し、水冷し
た後、ペレタイズしてペレットを得た。このペレットを
95℃の熱水流通下で12時間洗浄し、未反応モノマ−
を除去した後、80℃で、24時間真空乾燥した。得ら
れたポリアミドのηrは3.48であった。このペレッ
トにステアリン酸カルシウム300ppmを混合してコ
−トハンガ−型のTダイを備えた単軸押出機(プラスチ
ック工学研究所製GT−40−A−400)に供給した。
260℃で溶融混練して、40℃に制御された冷却ロ−
ル上に押出し、厚さ150μmの未延伸フィルムを製造
した。この未延伸フィルムは延伸性を評価するまで吸湿
しないようにアルミ袋に入れ0℃以下で保管した。測定
時、この未延伸フィルムから切出した縦92mm、横9
2mmの試料を二軸延伸機BIX−703型(岩本製作
所製)に取付け、50℃、60℃、70℃の雰囲気温度
(延伸時温度)でそれぞれ約20秒間予熱した後、同温
度下、変形速度35mm/秒でフィルムの押出方向に3
倍に延伸し、次いで、180℃で熱固定した。得られた
延伸フィルムの全分子面配向度を測定し、その結果を表
1に示した。また、この未延伸フィルムから切出した縦
92mm、横92mmの試料を、二軸延伸機BIX−7
03型(岩本製作所製)に取付け、雰囲気温度60℃、
変形速度35mm/秒でフィルムの押出方向に3.0倍
に一次延伸し、次いで、一次延伸と同温度、同変形速度
でフィルムが破断するまで二次延伸を行った。二次延伸
破断時の延伸倍率は4.0倍であった。
【0032】実施例2 ε−カプロラクタム、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン
ジカルボン酸、ヘキサメチレンジアミンおよび蒸留水の
仕込み量をそれぞれ22000g、235g、148g
および1120gとした以外は実施例1と同様の方法で
ポリアミドを得た。このポリアミドのηrは3.58で
あった。このポリアミドから実施例1と同様の方法で得
た延伸フィルムの全分子面配向度を測定し、その結果を
表1に示した。また、未延伸フィルムを使用し、実施例
1と同様の方法で逐次2軸延伸を行い、二次延伸破断時
の延伸倍率を測定した。二次延伸破断時の延伸倍率は
3.5倍であった。
【0033】実施例3 ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジカルボン酸の代りに
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジカルボン
酸582gを使用した以外は、実施例1と同様の方法で
ポリアミドを得た。このポリアミドのηrは3.45で
あった。このポリアミドを使用して、実施例1と同様の
方法で得た延伸フィルムの全分子面配向度を測定し、そ
の結果を表1に示した。また、未延伸フィルムを使用
し、実施例1と同様の方法で逐次2軸延伸を行い、二次
延伸破断時の延伸倍率を測定した。二次延伸破断時の延
伸倍率は4.2倍であった。
【0034】実施例4 ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジカルボン酸の代りに
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.0
9,13]ペンタデカンジカルボン酸753gを使用し
た以外は、実施例1と同様の方法でポリアミドを得た。
このポリアミドのηrは3.35であった。このポリア
ミドを使用して、実施例1と同様の方法で得た延伸フィ
ルムの全分子面配向度を測定し、その結果を表1に示し
た。また、未延伸フィルムを使用し、実施例1と同様の
方法で逐次2軸延伸を行い、二次延伸破断時の延伸倍率
を測定した。二次延伸破断時の延伸倍率は4.3倍であ
った。
【0035】比較例1 ε−カプロラクタム22000gおよび蒸留水1100
gを仕込み、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジカルボ
ン酸およびヘキサメチレンジアミンを使用しない以外
は、実施例1と同様の方法で実施し、ポリアミド(ナイ
ロン6)を得た。このポリアミドのηrは3.57であ
った。このポリアミドを使用して、実施例1と同様の方
法で得た延伸フィルムの全分子面配向度を測定し、その
結果を表1に示した。また、未延伸フィルムを使用し、
実施例1と同様の方法で逐次2軸延伸を行い、二次延伸
破断時の延伸倍率を測定した。二次延伸破断時の延伸倍
率は1.3倍であった。
【0036】比較例2 ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジカルボン酸の代りに
アジピン酸を用い、ε−カプロラクタム22000g、
ヘキサメチレンジアミン301g、アジピン酸379g
および蒸留水1140gを仕込んだ以外は、実施例1と
同様の方法で実施して、ポリアミド(ナイロン6と66
の共重合体)を得た。このポリアミドのηrは3.60
であった。このポリアミドを使用して、実施例1と同様
の方法で得た延伸フィルムの全分子面配向度を測定し、
その結果を表1に示した。また、この未延伸フィルムを
使用し、実施例1と同様の方法で逐次二軸延伸を行い、
二次延伸破断時の延伸倍率を測定した。二次延伸破断時
の延伸倍率は2.4倍であった。
【0037】
【表1】
【0038】実施例5 実施例1と同様の方法で得たポリアミドを用い、ユニプ
ラス社製CS−40−26N型の溶融押出機を使用し
て、シリンダ−温度280℃、スクリュ−回転数60r
pmにて紡糸し、直径2mmのモノフィラメントを得
た。このモノフィラメントを手回延伸機に取付け、60
℃の雰囲気温度の加熱炉中で5分間予熱した後、同温度
下で、変形速度1mm/秒で5.5倍まで延伸を行なっ
た。この操作を5回繰り返した結果、5回とも破断せず
に延伸可能であった。
【0039】比較例3 比較例1と同様の方法で得たポリアミドを用い、実施例
7と同様の方法で延伸を行った。延伸操作を5回行った
結果、5回とも延伸倍率は、3.3から4.6倍の範囲
で破断し、5倍以上に延伸できなかった。
【0040】実施例6 攪拌機、温度計、圧力計、圧力制御装置、窒素導入口、
放圧口および重合物取出口を備えた70リットルの耐圧
容器に6−アミノカプロン酸20000g、ビシクロ
[2.2.1]ヘプタンジカルボン酸375g、ヘキサ
メチレンジアミン236gおよび蒸留水1030gを仕
込み、窒素加圧と放圧を数回繰り返し、耐圧容器内を窒
素置換してから270℃まで昇温した。窒素ガスを流し
ながら、270℃で攪拌下に6時間反応させた。次に、
攪拌を停止し、ポリマ−取出口から溶融状態のポリアミ
ドを紐状で抜出し、水冷した後、ペレタイズしてペレッ
トを得た。このペレットを95℃の熱水流通下で12時
間洗浄し、未反応モノマ−を除去した後、80℃で、2
4時間真空乾燥した。得られたポリアミドのηrは3.
38であった。このポリアミドから実施例1と同様の方
法で実施し、未延伸フィルムを製造した。この未延伸フ
ィルムを使用し、実施例1と同様の方法で逐次二軸延伸
を行い、二次延伸破断時の延伸倍率を測定した。二次延
伸破断時の延伸倍率は3.8倍であった。
【0041】
【発明の効果】本発明の(A)ラクタムおよび/または
アミノカルボン酸からなる単位、(B)ジアミンからな
る単位、および(C)橋かけ構造を有する脂環式ジカル
ボン酸を含むジカルボン酸からなる単位を含有するポリ
アミドは、延伸性に優れ、逐次二軸延伸用ポリアミドフ
ィルムの材料として好適である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年2月13日(2003.2.1
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】本発明で使用されるジアミンとしては、エ
チレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ペプタメチレ
ンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジ
アミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジア
ミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジア
ミン、テトラデカメチレンジアミン、ペンタデカメチレ
ンジアミン、ヘキサデカメチレンジアミン、ヘプタデカ
メチレンジアミン、オクタデカメチレンジアミン、ノナ
デカメチレンジアミン、エイコサメチレンジアミンなど
の直鎖状脂肪族ジアミン、1−ブチル−1,2−エタン
ジアミン、1,1−ジメチル−1,4−ブタンジアミ
ン、1−エチル−1,4−ブタンジアミン、1,2−ジ
メチル−1,4−ブタンジアミン、1,3−ジメチル−
1,4−ブタンジアミン、1,4−ジメチル−1,4−
ブタンジアミン、2,3−ジメチル−1,4−ブタンジ
アミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−
メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2−ジメチル
−1,6−ヘキサンジアミン、2,5−ジメチル−1,
6−ヘキサンジアミン、2,4−ジメチル−1,6−ヘ
キサンジアミン、3,3−ジメチル−1,6−ヘキサン
ジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサン
ジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサン
ジアミン、2,4−ジエチル−1,6−ヘキサンジアミ
ン、2−メチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,2−
ジメチル−1,7−ジアミノヘプタン、2,3−ジメチ
ル−1,7−ジアミノヘプタン、2,4−ジメチル−
1,7−ヘプタンジアミン、2,5−ジメチル−1,7
−ヘプタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジ
アミン、3−メチル−1,8−オクタンジアミン、4−
メチル−1,8−オクタンジアミン、1,3−ジメチル
−1,8−オクタンジアミン、1,4−ジメチル−1,
8−オクタンジアミン、2,4−ジメチル−1,8−オ
クタンジアミン、3,4−ジメチル−1,8−オクタン
ジアミン、4,5−ジメチル−1,8−オクタンジアミ
ン、2,2−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、
3,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,4
−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−
1,9−ノナンジアミンなどの分岐状脂肪族ジアミン、
シクロプロパンジアミン、シクロプロピルジアミノメチ
ル、シクロブチルジアミノメチル、シクロペンチルジア
ミノメチル、5−アミノ−2,2,4−トリメチル−1
−シクロペンタンメチルアミン、シクロヘキサンジアミ
ン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、
1,4−(ビスアミノメチル)シクロヘキサン、5−ア
ミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルア
ミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス
(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−ア
ミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−
アミノ−3−メチルシクロヘキシル)プロパン、ビス
(4−アミノ−3−エチルシクロヘキシル)メタン、、
ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)
メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘ
キシル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−エチルシク
ロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−エチルシ
クロヘキシル)プロパン、ビス(4−アミノ−3,5−
ジエチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−
3,5−ジエチルシクロヘキシル)プロパン、ビス(4
−アミノ−3−メチル−5−エチルシクロヘキシル)メ
タン、ビス(4−アミノ−3−メチル−5−エチルシク
ロヘキシル)プロパン、ビス(アミノエチル)ピペラジ
ン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、ビスアミノメ
チルノルボルナンなどの脂環式ジアミン、p−フェニレ
ンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレン
ジアミン、m−キシリレンジアミン、2,4−トリレン
ジアミン、2,6−トリレンジアミン、1,4−ジアミ
ノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−
ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、
3,3'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルメ
タン、4,4'−ジアミノ− 3,3'−ジメチルジフェ
ニルメタン、4,4'−ジアミノ− 3,3'−ジエチル
ジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ− 3,3',
5,5'−テトラメチルジフェニルメタン、4,4'−ジ
アミノ− 3,3',5,5'−テトラエチルジフェニル
メタン、4,4'−ジアミノ− 3,3'−ジメチル−
5,5'−ジエチルジフェニルメタン、2,2'−ビス
(3−アミノフェニル)プロパン、2,2'−ビス(4
−アミノフェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−ア
ミノ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2'−ビス
(4−アミノ−3−エチルフェニル)プロパン、2,
2'−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)プ
ロパン、2,2'−ビス(4−アミノ−3,5−ジエチル
フェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−アミノ−3
−メチル−5−エチルフェニル)プロパンなどの芳香族
ジアミンなどが挙げられ、これらのジアミンは単独で使
用しても良く、また、2種類以上を適宜組合せて使用し
ても良い。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA54 AA88 AH04 BB08 BC01 4J001 DA01 DB04 DC13 DC14 EA06 EA07 EA08 EA15 EA16 EA17 EB08 EB09 EB10 EB13 EB15 EB16 EB36 EB37 EB46 EB56 EC05 EC07 EC08 EC09 EC10 EC13 EC14 EC16 EC45 EC46 EC47 EC48 EC54 FA05 FB05 FC05 GA03 GA12 GB03 JA13 JB02 4L035 BB31 DD14 GG01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ラクタムおよび/またはアミノカル
    ボン酸からなる単位、(B)ジアミンからなる単位、お
    よび(C)橋かけ構造を有する脂環式ジカルボン酸を含
    むジカルボン酸からなる単位を含有することを特徴とす
    る延伸性に優れたポリアミド。
  2. 【請求項2】ジカルボン酸の10〜100mol%が橋
    かけ構造を有する脂環式ジカルボン酸であることを特徴
    とする請求項1記載の延伸性に優れたポリアミド。
  3. 【請求項3】(A)ラクタムおよび/またはアミノカル
    ボン酸からなる単位50〜99.8mol%、(B)ジ
    アミンからなる単位0.1〜25mol%、(C)ジカ
    ルボン酸からなる単位0.1〜25mol%からなるポ
    リアミドであって、該ジカルボン酸の10〜100mo
    l%が橋かけ構造を有する脂環式ジカルボン酸であるこ
    とを特徴とする延伸性に優れたポリアミド。
  4. 【請求項4】橋かけ構造を有する脂環式ジカルボン酸
    が、下記一般式[A−1]及び[A−2]で表されるジカ
    ルボン酸の少なくとも一種であることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の延伸性に優れたポリアミ
    ド。 【化1】 【化2】 (ただし、一般式[A−1]及び[A−2]において、R
    〜Rは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜4のアル
    キル基または水素原子を表し、mは1又は2のいずれか
    を表す。)
  5. 【請求項5】橋かけ構造を有する脂環式ジカルボン酸
    が、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジカルボン酸、ト
    リシクロ[5.2.1.02,6]デカンジカルボン酸
    又はこれらの混合物から選ばれるジカルボン酸であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の延伸性
    に優れたポリアミド。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミ
    ドから製造されたフィルム、モノフィラメントまたは繊
    維。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミ
    ドから製造された逐次二軸延伸フィルム。
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