JP3588133B2 - プロスタグランジンe1類縁体 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は新規なプロスタグランジンE1類縁体に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロスタグランジン(以下、PGと略称する。)は微量で種々の重要な生理作用を発揮することから、従来より医薬への応用を意図して天然PG及び夥しい数のその誘導体の合成と生物活性の検討が行なわれている。
その中でもPGE1は、細胞保護作用、酸分泌抑制作用などの特徴ある作用を 有していることが知られており、このため多数のPGE1類縁体が消化性潰瘍治 療薬として検討されてきた。このうち、PGE1の13,14位の二重結合を三 重結合に変えた13,14−ジデヒドロPGE1類縁体としては、13,14− ジデヒドロPGE1 メチルエステル(特開昭52−100446号公報)、6 −ヒドロキシ−13,14−ジデヒドロPGE1(米国特許第4,131,73 8号)が知られており、また、特開昭52−100446号公報、米国特許第4,160,101号及び米国特許第4,249,016号に記載の一般式で示される化合物にω鎖の末端にフェノキシ基を有する13,14−ジデヒドロPGE1類縁体が包含されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来知られているPGE1類縁体は生体内での代謝が速く、従 って効果が持続しないという欠点がある。また、従来のPGE1類縁体は下痢を 初めとした副作用を誘発するため、高い用量で投与できず、十分な効果を挙げることができないという欠点があった。
本発明の目的は、従来知られているPGE1類縁体よりも選択的で強力な抗潰 瘍作用を有し、かつ持続性に優れた新規なPGE1類縁体を提供することにある 。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究を進めた結果、13,14位に3重結合を有し、かつω鎖の末端位にフェノキシ基を有し、さらに2,3位に2重結合または3重結合を有するある特定のPGE1類縁体が前記課題を解決できることを見いだし、本発 明を完成した。
すなわち、本発明は、式
【0005】
【0006】
[式中、Aはビニレン基またはエチニレン基を示し、R1は水素原子、炭素原子 数1〜8個のアルキル基、炭素原子数3〜8個のシクロアルキル基または置換基を有する炭素原子数3〜6個のシクロアルキル基を示し、R2は水素原子、ハロ ゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基、フェニル基または「ハロゲン原子で置換されたフェニル基」を示し、R3およびR4はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素原子数1〜4個のアルキル基または炭素原子数1〜4個のアルコキシ基を示す。]で表されるプロスタグランジンE1類縁体及びその塩であ る。
【0007】
本発明において、炭素原子数1〜8個のアルキル基とは、直鎖状または分枝鎖状のものをいい、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基などである。置換基を有する炭素原子数3〜6個のシクロアルキル基とは、炭素原子数1〜4個のアルキル基の1個〜3個で置換された炭素原子数3〜8個のシクロアルキル基をいうが、2−ノルボルニル基
【0008】
【0009】
や、1−アダマンチル基
【0010】
【0011】
のようにシクロアルキル基を置換するアルキル基が環を形成して多環式炭化水素になっていてもよい。
式(I)の化合物の塩とは、式(I)においてRが水素原子の化合物の場合の、ナトリウム、カリウム、アルミニウムなどの金属との塩あるいはトリアルキルアミンなどの有機アミンとの塩である。
【0012】
本発明においては、R2ないしR4が水素原子であり、かつR1がメチル基、
t−ブチル基またはシクロヘキシル基である化合物が好ましい。
式(I)の化合物は、例えば以下に挙げる方法により容易に製造できる。
【0013】
【0014】
【0015】
(反応式中、R5およびR6は同一または異なって水酸基の保護基を示し、R7
は水素原子を除くR1であり、R2、R3、R4、Aおよびnは前記と同意義で
ある。
ここで、水酸基の保護基とはプロスタグランジンの分野で通常用いられるものであり、例えばt−ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、メトキシメチル基、エトキシエチル基、ベンジル基などである。)
▲1▼すなわち、まず、佐藤らの方法[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.),第53巻,第5590ページ(1988年)]により公知である式(II)の化合物に、式(III)で表される有機アルミニ ウム化合物0.8〜2.0当量を−10〜30℃、好ましくは0〜10℃で不活性溶媒(例えばベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、塩化メチレン、n−ヘキサンなど)中で反応させることにより立体特異的に式(IV)の化合物が得られる。
ここで、式(III)の有機アルミニウム化合物は、例えば以下の方法にて調製 できる。
【0016】
【0017】
(反応式中、R2、R3、R4およびR6は前記と同意義である。)
すなわち、式(VIII)で表されるアルコール化合物をオキザリルクロリドを用いDMSO中にて反応しアルデヒドとした後、ピリジン中にてマロン酸と縮合、脱炭酸反応を行い次いで、生成物をメタノール中硫酸にてエステル化反応を行ない式(IX)の化合物を得る。
次に、式(IX)の化合物のメチルエステル部をジイソブチルアルミニウムハイドライドにて還元しアルコールとした後、2重結合部を酸化してエポキシ化合物とする。ここで、酸化剤としては過酸化水素、過酢酸、m−クロロ過安息香酸等が使用できるが、L(+)−酒石酸ジイソプロピルを用いt−ブチルハイドロパーオキシドとジクロロメタン中、−20℃にて反応することにより立体選択的に酸化し最終的に光学活性体(R体)[式(IIIa)の化合物]に導くこともでき る。得られたエポキシ化合物は、更にメタンスルホニル化し、塩化リチウムと置換反応を行い式(X)の化合物を得る。
式(X)の化合物はテトラヒドロフラン中−70℃にてn−ブチルリチウムと反応させ、生成するアセチレン誘導体の水酸基を保護することにより式(XI)の化合物に導くことができる。
式(XI)の化合物は、nブチルリチウムと反応した後にジエチルアルミニウムクロリドと反応すると式(III)の化合物が調製される。
【0018】
▲2▼次に、式(IV)の化合物を、式(V)で表される有機銅化合物0.5〜4当量およびクロロトリメチルシラン0.5〜4当量と不活性溶媒(例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、n−ヘキサンなど)中、−78〜40℃で反応させ、式(VI)の化合物とする。
ここで、式(V)の有機銅化合物は、式
I−(CH2)n−1−A−COOR7 (XII)
(式中、R7、Aおよびnは前記と同意義である。)で表されるヨウ素化合物か ら、公知の方法[P.Knochelら,ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー,第53巻,第2390ページ(1988年)]により調製できる。すなわち、式(XII)のヨウ素化合物を、例えば1,2−ジブロモメタン、クロ ロトリメチルシラン、ヨウ素などで活性化された亜鉛0.8〜5当量と、不活性溶媒(例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、n−ヘキサン、n−ペンタン、ジオキサンなど)中で反応させることにより式
IZn−(CH2)n−1−A−COOR7
(式中、R7、Aおよびnは前記と同意義である。)で表される有機亜鉛化合物 へと誘導する。この際、必要に応じて加熱してもよい。加熱温度は溶媒の沸点にもよるが、通常30〜150℃、好ましくは40〜80℃である。得られた有機亜鉛化合物を、−50〜10℃にて、シアン化銅(1〜2.5当量)、塩化リチウム(2〜5当量)を含む前記不活性溶媒中で反応させることにより、式(V)の有機銅化合物を得ることができる。
【0019】
▲3▼次いで、式(VI)の化合物を、無機酸(例えば塩酸の水溶液)または有機酸もしくはそのアミン塩(例えばp−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩など)を用い、有機溶媒(例えばアセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジエチルエーテルあるいはこれらの混合溶媒など)中、0〜40℃にて加水分解することにより、立体選択的に式(VII)の化合物が得 られる。
【0020】
▲4▼最後に、式(VII)の化合物の水酸基の保護基をプロスタグランジンの分野 における通常の方法を用いて脱保護し、式(I)においてR1が水素原子以外の 基である本発明の化合物[式(Ia)の化合物]を得る。
【0021】
▲5▼式(I)においてR1が水素原子である本発明の化合物[式(Ib)の化合 物]は、式(Ia)の化合物のうち、R7が炭素原子数1〜6個のアルキル基で ある化合物[これを(Ic)の化合物とする。]のエステル部分を加水分解することにより得ることができる。
加水分解は、(Ic)の化合物を、リン酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液などの緩衝液中、必要に応じて有機溶媒(アセトン、メタノール、エタノールなどの水と混和するもの)を用いて酵素と反応させることにより行う。
使用する酵素としては、微生物が生産する酵素(例えばキャンディダ属、シュードモナス属に属する微生物が生産する酵素)、動物の臓器から調製される酵素(例えばブタ肝臓やブタ膵臓より調製される酵素)などであり、市販の酵素で具体例を挙げると、リパーゼVII(シグマ社製,キャンディダ属の微生物由来)、 リパーゼAY(天野製薬社製,キャンディダ属の微生物由来)、リパーゼMF(天野製薬社製,シュードモナス属の微生物由来)、PLE−A(天野製薬社製,ブタ肝臓より調製)、エステラーゼ(シグマ社製,ブタ肝臓より調製)、リパーゼII(シグマ社製,ブタ膵臓より調製)、リポプロテインリパーゼ(東京化成工業社製,ブタ膵臓より調製)などである。
酵素の使用量は、酵素の力価及び基質[(Ic)の化合物]の量に応じて適宜選択すればよいが、通常は基質の0.1〜20倍重量部である。
反応温度は、25〜50℃、好ましくは30〜35℃である。
【0022】
本発明の化合物は、経口的にまたは非経口的に(例えば静脈内、直腸内、膣内)投与することができる。経口投与の剤型としては、例えば錠剤、顆粒剤、カプセル剤などの固形製剤、溶液剤、脂肪乳剤、リポソ−ム懸濁剤などの液体製剤を用いることができる。この経口投与製剤として用いる場合には、α,β,もしくはγ−シクロデキストリンまたはメチル化シクロデキストリン等と包接化合物を形成させて製剤化することもできる。静脈内投与の製剤としては、水性または非水性溶液剤、乳化剤、懸濁剤、使用直前に注射用溶媒に溶解して使用する固形製剤等を用いることができる。また、直腸内投与の製剤としては坐剤、膣内投与の製剤としてはペッサリ等の剤型を用いることができる。投与量は0.1〜100μgであり、これを1日1〜3回に分けて投与する。
【0023】
【発明の効果】
本発明の化合物は、後記試験例から明らかなように、強い胃粘膜保護作用、胃酸分泌抑制作用を有し、しかもその持続性が優れている。また、本発明化合物は、EP3受容体への選択性が高いので、副作用が少なく、確実な薬理作用を示す 用量でPGで最も問題となっている下痢も殆ど誘発しないことから、消化性潰瘍を治療する医薬として有用である。
【0024】
以下、本発明の効果を試験例により具体的に説明する。なお、各試験例中の化合物1とは、後記実施例に示した化合物番号である。
試験例1[胃酸分泌抑制作用試験]
ウィスター系雄性ラット(体重250〜300g)を1群2匹(対照群だけは5匹)として使用した。ウレタン麻酔下に胃内灌流用のカニューレを胃内に装着し、0.9%生理食塩水を灌流用ポンプで胃内を灌流した。少量のエタノールに溶解して生理食塩水で希釈した薬物(投与量は表1に示した)を大腿静脈内に投与し、その5分後にヒスタミンを同様にして投与した。ヒスタミンによって分泌された胃酸は自動滴定装置(pHstat)により0.02規定の水酸化ナトリウムで中和滴定され、その消費量を胃酸分泌量とした。その結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
試験例2[胃粘膜保護作用試験]
ウィスター系雄性ラット(体重180〜200g)を1群7〜8匹として使用した。ラットを18時間絶食絶水後、少量のエタノールに溶解して生理食塩水で希釈した薬物(投与量は表1に示した)を経口投与し、その30分後に0.6規定の塩酸1mlを経口投与した。塩酸投与60分後、エーテル麻酔下に胃を摘出し、胃粘膜病変の長さを測定した。その結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
試験例3[EP受容体に対する選択性の検討試験]
EP受容体に対する選択性の検討試験はBritish Journal of Pharmacology, 第105巻,第271〜278ページ(1992年)に記載の文献に従って行った(EP2受容体は下痢に関係することが報告されており、また、EP3受容体は胃酸分泌 作用に関係していることが報告されている。)。
a.EP1受容体への作用検討〈モルモット摘出回腸収縮作用試験〉
試験方法は、British Journal of Pharmacology,第11巻,第379〜395ページ(1956年)に従って行った。
ハートレー系雄性モルモットを使用した。回腸縦走筋を摘出し、マグヌス管(クレブス溶液,37℃,30ml)に懸垂し、混合ガス通気下約1gの張力を負荷し、被験薬による回腸平滑筋の収縮を等長的に記録した。
実験結果は、被験薬を10−6Mとなるようにマグヌス管内に加えた時の回腸の収縮をアセチルコリン(ACh)の10−6Mを加えた時の回腸の収縮高を100%とし て収縮率で表した。
この結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
注)−は未測定
この結果より、PGE2はEP1受容体に作用するが、本発明化合物は作用しないことがわかった。
【0031】
b.EP2受容体への作用検討〈癌化肥満細胞由来P815細胞における受容体結合 試験〉
P815細胞は、Biochemical Pharmacology,第30巻,第1325〜1332ページ(1981年)記載の文献により、EP2受容体を有することが知られている。本試験はこ の文献に従って行った。
P815細胞を腹腔内に前投与したマウスの腹水から得られたP815細胞(107個/ ml)を用い、[3H]PGE2(2nM)をリガンドとして、受容体結合実験を行った。実験結果は、被験薬物(10−9M)のリガンドの結合を阻害する割合で示した。
この結果を表4に示す。
【0032】
【表4】
【0033】
注)−は未測定
この結果より、本発明化合物はEP2受容体を介する作用は極めて弱いことが わかった。
【0034】
c.EP3受容体への作用検討〈[14C]アミノピリン蓄積抑制作用試験〉
試験方法は、Acta Physiol. Scand., 第96巻,第150〜159ページ(1976年)に従って行った。
日本白色系雄性ウサギを使用した。麻酔下にウサギの胃を摘出後、酵素処理により胃粘膜壁細胞を単離した。壁細胞(3×105個)に[14C]アミノピリン( AP)、被験薬(10−5M)及びヒスタミン(10−5M)を添加し、20分間インキュベーション(37℃)を行い、細胞内に取り込まれた[14C]AP量をシンチレーションカウンターを用い測定した。
実験結果は、ヒスタミン刺激による[14C]AP蓄積量に対する被験薬の抑制作用を抑制率で表した。この結果を表5に示す。
【0035】
【表5】
【0036】
なお、表3〜表5中の化合物番号は後記実施例において示したものであり、対照A,対照B,対照C及び対照Dは次の構造を有する化合物である。
【0037】
【表6】
【0038】
以上の結果、本発明化合物はEP3受容体に対し選択的に作用することが認め られた。従って、本発明化合物は効力が強く、副作用の少ない抗潰瘍剤となりうる。
【0039】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
注)化合物の命名中、例えば「17,18,19,20−テトラノル」のように「ノル」とは、その位置の炭素鎖がないことを意味する(例の場合だと17〜20位の炭素鎖がないことを意味する。)。
製造例1
(3R)−3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4−フェノキシ−1−ブチン[式( XI )の化合物のひとつ]の製造
(1)オキザリルクロリド(48.0ml,0.55mol)の塩化メチレン300ml溶液にアルゴン気流下、−30℃でジメチルスルホキシド(39.0ml,0.55mol)の塩化メチレン60ml溶液を加え5分間同条件下で攪拌した。ついで、2−フェノキシエタノール(69.1g,0.50mol)の塩化メチレン溶液350mlを同条件下で加え15分間同条件下で攪拌した後、トリエチルアミン(245ml,1.75mol)を同条件下で加え0℃まで2時間かけて昇温した。これに水750mlを加え有機層を分離した後、水層を塩化メチレンで抽出し、有機層を合わせて塩酸水溶液、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を乾燥、濃縮して粗生成物のフェノキシアセトアルデヒド67.5gを得た。
【0040】
(2)上記(1)で得た化合物67.5g、ピリジン(40.4ml,0.50mol)およびマロン酸(52.0g,0.50mol)の混合物を100℃で1時間、140℃で1時間加熱攪拌した後室温に冷却した。反応液を塩酸で酸性にしエーテル抽出し、エーテル層を水酸化ナトリウム水溶液で抽出し、エーテル洗浄し、水層を塩酸で酸性とした後エーテル抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を乾燥、濃縮して(2E)−4−フェノキシ−2−ブテン酸を28.2g得た。
1H−NMR(DMSO−d6,200MHz)δppm;4.77(dd,J=2.0Hz,4.2Hz,2H),6.03(dt,J=2.0Hz,15.8Hz,1H),6.90〜7.04(m,3H),6.95(dt,J=4.2Hz,15.8Hz,1H),7.24〜7.40(m,2H),12.41(s,1H)
IR(KBr):3435,2894,2685,2593,1701,1660,1598,1588,1500,1445,1425,1387,1316,1286,1250,1208,1180,1095,1073,1027,941,927,757cm−1
【0041】
(3)上記(2)で得た化合物(28.2g)のメタノール150ml溶液に濃硫酸を触媒量加え室温で7時間攪拌した後、濃縮し飽和重曹水を加え酢酸エチル抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を乾燥、濃縮して(2E)−4−フェノキシ−2−ブテン酸 メチルエステル27.9gを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;3.76(s,3H),4.70(dd,J=2.1Hz,4.1Hz,2H),6.21(dt,J=2.1Hz,15.8Hz,1H),6.85〜7.03(m,3H),7.09(dt,J=4.1Hz,15.8Hz,1H),7.23〜7.40(m,2H)
IR(neat):2952,1728,1666,1600,1589,1496,1437,1384,1310,1279,1244,1196,1174,1093,1030,968,840,756,692cm−1
【0042】
(4)上記(3)で得た化合物(61.8g,0.322mol)のエーテル350ml溶液にジイソブチルアルミニウムハイドライド(1.5M,トルエン溶液,473ml,0.708mol)をアルゴン気流下−40℃で滴下した後、15分間攪拌した。氷冷下、塩酸で酸性とし不溶物を濾去し、濾液を塩酸、水、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を乾燥、濃縮して得られた粗生成物を減圧蒸留して(2E)−4−フェノキシ−2−ブテン−1−オール44.0gを得た。
bp 107〜109℃/0.69〜0.85mmHg
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;1.49(s,1H),4.15〜4.24(m,2H),4.48〜4.61(m,2H),5.88〜6.12(m,2H),6.86〜7.01(m,3H),7.22〜7.35(m,2H)
IR(neat):3351,2866,1599,1587,1495,1461,1384,1303,1243,1174,1089,1030,1009,990,755,692cm−1
【0043】
(5)粉末のモレキュラシーブス4A(25.7g)およびチタンテトライソプロポキシド(16.0ml,53.6mmol)の塩化メチレン390mlの混合物にアルゴン気流下、−20℃でL−(+)−酒石酸ジイソプロピルエステル(13.8ml,64.3mmol)を滴下し、同条件下で30分間攪拌した。次いで、この混合物に上記(4)で得た化合物(44.0g,268mmol)の塩化メチレン214ml溶液を加え、−20℃で1時間攪拌した。この混合物を−30℃に冷却し、t−ブチルハイドロパーオキシド(2.8M,塩化メチレン溶液,172ml,482mmol)を55分間かけて滴下し、滴下終了後−20℃で18時間攪拌しジメチルスルフィド(43.1ml,587mmol)を加えて、さらに同温度で3時間攪拌した。次いで酒石酸水溶液(10%)29.2mlを加え室温で1時間、フッ化ナトリウム188gを加えて1時間、セライト107gおよびエーテル300mlを加えて1時間それぞれ攪拌した。濾過、濃縮して得られた油状物112gをさらにエーテル342mlに溶解し水酸化ナトリウム水溶液(1N,167ml)を加え室温で1.5時間攪拌した後、有機層を分離し、水層をエーテル抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄、乾燥、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製して(2S,3S)−2,3−エポキシ−4−フェノキシ−1−ブタノール40.6gを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;1.54〜1.84(
m,1H),3.20〜3.27(m,1H),3.38〜3.46(m,1H),3.65〜3.81(m,1H),3.73〜4.10(m,1H),4.04(dd,J=5.3Hz,11.2Hz,1H),4.26(dd,J=3.1Hz,11.2Hz,1H),6.86〜7.03(m,3H),7.23〜7.36(m,2H)
IR(neat):3401,2926,2872,1733,1600,1588,1495,1245,1084,1038,757,693cm−1
【0044】
(6)上記(5)で得た化合物(40.6g,0.225mol)およびメシルクロリド(19.2ml,0.248mol)の塩化メチレン280ml溶液にトリエチルアミン(37.6ml,0.270mol)を氷冷下で滴下した。滴下後、室温で30分間攪拌し水、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を乾燥、濃縮して(2S,3S)−2,3−エポキシ−1−メシロキシ−4−フェノキシブタン56.7gを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;3.09(s,3H),3.33〜3.44(m,2H),4.00〜4.61(m,4H),6.86〜7.04(m,3H),7.23〜7.39(m,2H)
【0045】
(7)上記(6)で得た化合物(56.1g,0.217mol)および塩化リチウム(18.4g,0.434mol)のN,N−ジメチルホルムアミド217ml溶液をアルゴン気流下、55℃で2.5時間加熱攪拌した。冷却後、水100mlおよび飽和食塩水300mlを加え酢酸エチル:ヘキサン(1:1)で抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を乾燥、濃縮して(2S,3S)−1−クロロ−2,3−エポキシ−4−フェノキシブタン38.7gを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;3.27〜3.37(m,2H),3.63(d,J=5.1Hz,2H),4.05(dd,J=4.8Hz,11.3Hz,1H),4.23(dd,J=2.9Hz,11.3Hz,1H),6.86〜7.02(m,3H),7.23〜7.34(m,2H)
IR(neat):2924,1588,1489,1451,1426,1389,1334,1308,1295,1244,1233,1180,1156,1140,1084,1032,1013,922,868,815,761,738cm−1
【0046】
(8)上記(7)で得た化合物(32.4g,0.163mol)のテトラヒドロフラン160ml溶液にn−ブチルリチウム(2.5M,ヘキサン溶液,196ml,0.489mol)をアルゴン気流下、−70℃で滴下した。滴下後、同条件下で30分間攪拌し飽和塩化アンモニウム水溶液200mlを加え酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を乾燥、濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=17:3)で精製して(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェノキシ−1−ブチン23.1gを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;2.53(d,J=2.3Hz,1H),2.56(d,J=5.4Hz,1H),4.03〜4.21(m,2H),4.70〜4.83(m,1H),6.88〜7.04(m,3H),7.23〜7.36(m,2H)
IR(neat):3412,3282,2940,2865,2126,1602,1589,1499,1456,1327,1309,1295,1254,1173,1082,1049,969,895,752,693,674cm−1
【0047】
(9)上記(8)で得た化合物(23.1g,0.142mol)およびイミダゾール(19.3g,0.284mol)のN,N−ジメチルホルムアミド140ml溶液に氷冷下、t−ブチルジメチルクロロシラン(25.6g,0.170mol)を加えた。室温で一夜攪拌した後、飽和重曹水650mlにあけ室温で15分間攪拌し、ヘキサン:酢酸エチル=4:1で抽出し、有機層を飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を乾燥、濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:エーテル=49:1)で精製し、さらに減圧蒸留して標記化合物35.9gを得た。
bp 108〜110℃/0.97mmHg
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.13(s,3H),0.17(s,3H),0.92(s,9H),2.45(d,J=2.2Hz,1H),3.99〜4.13(m,2H),4.68〜4.79(m,1H),6.86〜7.00(m,3H),7.21〜7.34(m,2H)
IR(neat):3308,2955,2930,2885,2858,2120,1601,1589,1497,1473,1389,1362,1302,1250,1173,1120,1051,965,838,781,754,691cm−1
【0048】
製造例2
(3RS)−3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4−(4’−フルオロフェノキシ)−1−ブチン
製造例1と同様にして標記化合物を得た。
bp 86.0〜87.5℃/0.30〜0.36mmHg
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.13(s,3H),0.16(s,3H),0.91(s,9H),2.45(d,J=2.2Hz,1H),3.95〜4.10(m,2H),4.15〜4.75(m,1H),6.79〜7.03(m,4H)
IR(neat):3308,2956,2931,2886,2859,2121,1603,1508,1473,1390,1362,1295,1253,1221,1119,1049,1008,964,828,781,757,667cm−1
【0049】
製造例3
(3RS)−3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4−(4’−クロロフェノキシ)−1−ブチン
製造例1と同様にして標記化合物を得た。
bp 113.5〜117.0℃/0.29〜0.30mmHg
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.12(s,3H),0.16(s,3H),0.91(s,9H),2.46(d,J=2.1Hz,1H),3.96〜4.10(m,2H),4.71(ddd,J=6.9Hz,5.0Hz,2.1Hz,1H),6.80〜6.88(m,2H),7.19〜7.26(m,2H)
IR(neat):3306,2955,2930,2885,2858,2121,1598,1583,1493,1472,1387,1362,1287,1250,1171,1119,1046,1008,964,838,781,666,567,506cm−1
【0050】
製造例4
(3RS)−3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4−(4’−メチルフェノキシ)−1−ブチン
製造例1と同様にして標記化合物を得た。
bp 110.0〜116.5℃/0.25〜0.26mmHg
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.14(s,3H),0.18(s,3H),0.93(s,9H),2.29(s,3H),2.45(d,J=2.1Hz,1H),3.97〜4.11(m,2H),4.73(ddd,J=7.0Hz,5.0Hz,2.1Hz,1H),6.78〜6.85(m,2H),7.04〜7.11(m,2H)
IR(neat):3309,3032,2955,2930,2885,2858,2120,1615,1587,1512,1472,1386,1362,1292,1249,1177,1119,1052,1007,965,838,781,744,666,571,509cm−1
【0051】
製造例5
(3RS)−3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4−(4’−トリフルオロメチルフェノキシ)−1−ブチン
製造例1と同様にして標記化合物を得た。
【0052】
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.13(s,3H),0.17(s,3H),0.91(s,9H),2.47〜2.48(m,1H),4.11(d,J=5.7Hz,2H),4.71〜4.78(m,1H),6.93〜7.03(m,2H),7.50〜7.60(m,2H)
IR(neat):3311,2956,2932,2887,2860,2122,1617,1592,1520,1474,1331,1311,1260,1164,1122,1071,1011,965,837,782,668,639cm−1
【0053】
製造例6
(3R)−3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4−(3’−トリフルオロメチルフェノキシ)−1−ブチン
製造例1と同様にして標記化合物を得た。
bp 98.5〜101.8℃/0.58〜0.60mmHg
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.13(s,3H),0.17(s,3H),0.91(s,9H),2.47(d,J=2.2Hz,1H),4.03〜4.15(m,2H),4.68〜4.79(m,1H),7.05〜7.44(m,4H)
IR(neat):3311,2956,2932,2887,2860,2122,1594,1494,1450,1391,1331,1298,1253,1170,1131,1067,1049,968,879,839,783,698,659cm−1
【0054】
製造例7
(3RS)−3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4−(4’−メトキシフェノキシ)−1−ブチン
製造例1と同様にして標記化合物を得た。
bp 122.0〜124.0℃/0.21〜0.22mmHg
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.13(s,3H),0.16(s,3H),0.92(s,9H),2.45(d,J=2.2Hz,1H),3.76(s,3H),3.99(dd,J=9.8Hz,7.4Hz,1H),4.04(dd,J=9.8Hz,5.0Hz,1H),4.70(ddd,J=7.0Hz,4.9Hz,2.0Hz,1H),6.77〜6.89(m,4H)
IR(neat):3293,2954,2931,2886,2858,2120,1593,1510,1465,1388,1362,1290,1234,1182,1118,1052,1007,965,826,781,739,668cm−1
【0055】
製造例8
(3RS)−3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4−(4’−ビフェニルオキシ)−1−ブチン
製造例1と同様にして標記化合物を得た。
bp 164.0〜166.0℃/0.30〜0.31mmHg
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.15(s,3H),0.18(s,3H),0.93(s,9H),2.32(d,J=2.2Hz,1H),3.97〜4.18(m,2H),4.70〜4.82(m,1H),6.93〜7.05(m,2H),7.24〜7.64(m,7H)
IR(neat):3306,3033,2955,2930,2885,2858,2120,1610,1585,1520,1489,1472,1454,1410,1390,1362,1292,1270,1251,1187,1176,1119,1052,1006,965,834,812,781,763,698,668cm−1
【0056】
実施例1
(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 メチルエステル(化合物1)の製造
(1)製造例1で得た化合物(1.55g,5.60mmol)をトルエン17.2mlに溶解し、アルゴン気流下、0℃でn−ブチルリチウム(2.5M,ヘキサン溶液,2.1ml,5.16mmol)を加え、同温度で20分間攪拌した。この溶液に0℃でジエチルアルミニウムクロリド(0.94M,ヘキサン溶液,6.4ml,6.02mmol)を加え、室温まで昇温後20分間攪拌した。この溶液に室温で(4R)−2−(N,N−ジエチルアミノ)メチル−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シクロペント−2−エン−1−オン(0.25M,トルエン溶液,17.2ml,4.30mmol)を加え、20分間攪拌した。反応液をヘキサン(42ml)−飽和塩化アンモニウム水溶液(42ml)−塩酸水溶液(3N,12ml)の混合液に攪拌しながら注いだ後、有機層を分離し、水層をヘキサン抽出し、有機層を合わせて飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を乾燥、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=50:1)で精製して(3R,4R)−2−メチレン−3−[(3’R)−3’−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4’−フェノキシブタ−1’−イニル]−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シクロペンタン−1−オン1.07gを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.11(s,3H),0.12(s,3H),0.15(s,6H),0.90(s,9H),0.91(s,9H),2.33(dd,J=18.0Hz,7.7Hz,1H),2.72(dd,J=18.0Hz,6.5Hz,1H),3.50〜3.60(m,1H),3.97〜4.09(m,2H),4.23〜4.35(m,1H),4.73〜4.83(m,1H),5.56(dd,J=2.7Hz,0.6Hz,1H),6.15(d,J=3.1Hz,1H),6.85〜7.00(m,3H),7.21〜7.34(m,2H)
IR(neat):2955,2930,2886,2858,2241,1737,1643,1601,1589,1497,1472,1389,1362,1288,1251,1114,1050,1007,975,838,780,754cm−1
【0057】
(2)アルゴン気流下、−60℃において(E)−5−カルボメトキシ−4−ペンテニル亜鉛(II)ヨージド(0.69M,テトラヒドロフラン溶液,4.6ml,3.17mmol)にシアン化銅(I)・2塩化リチウム(1.0M,テトラヒドロフラン溶液,3.98ml,3.98mmol)を加え同温度で15分間攪拌した。この溶液に−60℃で上記(1)で得た化合物(796mg,1.59mmol)のジエチルエーテル5.6mlの溶液とクロロトリメチルシラン(0.36ml,2.86mmol)を加え、攪拌しながら約1.5時間かけて0℃まで昇温した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液36mlを加え、ヘキサン抽出した。有機層を飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄後、乾燥、濃縮して得られた残渣を2−プロパノール(6.4ml)−ジエチルエーテル(1.6ml)に溶解し、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩(20mg,0.080mmol)を加え室温で一夜攪拌した。反応液にヘキサン10mlを加え、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄後、乾燥、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=19:1)で精製して(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE1 メチルエステル 11,15−ビス( t−ブチルジメチルシリルエーテル)522mgを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.18〜1.86(m,6H),2.08〜2.30(m,3H),2.17(dd,J=18.4Hz,7.3Hz,1H),2.58〜2.76(m,1H),2.67(dd,J=18.4Hz,6.9Hz,1H),3.72(s,3H),3.94〜4.10(m,2H),4.30(dd,J=13.6Hz,6.8Hz,1H),4.68〜4.79(m,1H),5.81(dt,J=15.7Hz,1.5Hz,1H),6.83〜7.04(m,4H),7.22〜7.36(m,2H)
IR(neat):2952,2931,2887,2858,2238,1748,1727,1658,1601,1589,1497,1463,1362,1251,1173,1116,1048,1007,977,940,838,780,755,692,670cm−1
【0058】
(3)上記(2)で得られた化合物(520mg,0.827mmol)のアセトニトリル27.6ml溶液にフッ化水素酸水溶液(46%)6.2mlを氷冷下で加え、同温度で2時間攪拌した。反応液を飽和重曹水200mlにあけ酢酸エチル抽出し、有機層を飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製して標記化合物270mgを得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.38〜1.86(m,6H),2.13〜2.31(m,3H),2.23(dd,J=18.5Hz,9.1Hz,1H),2.65(ddd,J=11.4Hz,8.3Hz,1.8Hz,1H),2.76(ddd,J=18.5Hz,7.6Hz,1.3Hz,1H),2.85(d,J=3.5Hz,1H),3.06(d,J=5.2Hz,1H),3.71(s,3H),4.08(dd,J=9.6Hz,6.9Hz,1H),4.14(dd,J=9.6Hz,4.0Hz,1H),4.28〜4.40(m,1H),4.75〜4.84(m,1H),5.82(dt,J=15.7Hz,1.4Hz,1H),6.88〜7.04(m,4H),7.24〜7.35(m,2H)
IR(neat):3412,2933,2861,2241,1744,1723,1656,1600,1588,1496,1456,1438,1385,1291,1246,1174,1080,1044,988,910,756,693cm−1
【0059】
実施例2
(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 の製造
実施例1で得た化合物(205mg,0.512mmol)のアセトン5.13mlおよび水5.13mlの溶液をリン酸緩衝液(10mM,pH=7)92.3mlに溶解し、リパーゼVII(2.05g)を加え、30℃で一夜攪拌した 。室温で食塩を加え塩析し酢酸エチル抽出し、乾燥、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル)で精製して標記化合物153mgを得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.32〜1.85(m,6H),2.17〜2.32(m,3H),2.23(dd,J=18.6Hz,9.2Hz,1H),2.64(ddd,J=11.4Hz,8.3Hz,1.8Hz,1H),2.75(ddd,J=18.6Hz,7.3Hz,1.3Hz,1H),2.80〜4.40(br,3H),4.08(dd,J=9.6Hz,6.8Hz,1H),4.14(dd,J=9.6Hz,3.9Hz,1H),4.29〜4.39(m,1H),4.80(ddd,J=6.8Hz,3.9Hz,1.8Hz,1H),5.82(dt,J=15.6Hz,1.4Hz,1H),6.90〜7.10(m,4H),7.25〜7.34(m,2H)
IR(neat):3392,2931,2861,2242,1740,1696,1652,1600,1588,1496,1456,1417,1291,1245,1173,1080,1045,984,885,756,693cm−1
【0060】
実施例3
(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 n−ブチルエステルの製造
(1)実施例1(1)及び(2)と同様にして(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE1 n−ブチルエステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエ ーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.88〜0.98(m,3H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.24〜1.83(m,10H),2.08〜2.32(m,3H),2.17(dd,J=18.3Hz,7.2Hz,1H),2.58〜2.75(m,1H),2.67(ddd,J=18.3Hz,6.5Hz,1.1Hz,1H),3.94〜4.07(m,2H),4.12(t,J=6.6Hz,2H),4.24〜4.36(m,1H),4.68〜4.80(m,1H),5.81(dt,J=15.7Hz,1.5Hz,1H),6.84〜7.02(m,4H),7.22〜7.33(m,2H)
IR(neat):2956,2931,2858,2240,1748,1723,1656,1601,1589,1497,1464,1385,1362,1251,1174,1117,1049,1007,978,838,780,755cm−1
【0061】
(2)実施例1(3)と同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.94(t,J=7.4Hz,3H),1.31〜1.86(m,10H),2.05〜3.10(br,2H),2.23(dd,J=18.5Hz,9.2Hz,1H),2.58〜2.82(m,3H),2.64(ddd,J=11.4Hz,8.2Hz,1.7Hz,1H),2.75(dd,J=18.5Hz,7.3Hz,1H),4.08(dd,J=9.7Hz,7.0Hz,1H),4.12(t,J=6.7Hz,2H),4.13(dd,J=9.7Hz,4.1Hz,1H),4.28〜4.39(m,1H),4.76〜4.83(m,1H),5.81(dt,J=15.7Hz,1.4Hz,1H),6.90〜7.03(m,3H),6.94(dt,J=15.7Hz,6.9Hz,1H),7.25〜7.35(m,2H)
IR(neat):3419,2934,2872,2242,1746,1717,1653,1600,1588,1496,1456,1386,1246,1175,1080,1045,985,885,756,693cm−1
【0062】
実施例4
(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 t−ブチルエステル(化合物2)の 製造
(1)実施例1(1)及び(2)と同様にして(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE1 t−ブチルエステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエ ーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.23〜1.84(m,6H),1.48(s,9H),2.05〜2.33(m,3H),2.17(dd,J=18.3Hz,7.3Hz,1H),2.58〜2.75(m,1H),2.67(ddd,J=18.3Hz,6.9Hz,1.3Hz,1H),3.94〜4.07(m,2H),4.24〜4.37(m,1H),4.70〜4.79(m,1H),5.73(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.84(dt,J=15.6Hz,6.9Hz,1H),6.85〜7.00(m,3H),7.23〜7.35(m,2H)
IR(neat):2931,2858,2241,1748,1714,1654,1601,1589,1497,1472,1463,1391,1368,1289,1251,1157,1118,1049,1007,979,838,780,755cm−1
【0063】
(2)実施例1(3)と同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.40〜1.86(
m,6H),1.48(s,9H),2.11〜2.31(m,3H),2.23(dd,J=18.6Hz,9.2Hz,1H),2.65(ddd,J=11.3Hz,8.2Hz,1.8Hz,1H),2.76(ddd,J=1.3Hz,7.3Hz,18.6Hz,1H),4.09(dd,J=9.6Hz,6.8Hz,1H),4.14(dd,J=9.6Hz,4.1Hz,1H),4.28〜4.39(m,1H),4.76〜4.83(m,1H),5.74(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.84(dt,J=15.6Hz,7.0Hz,1H),6.90〜7.03(m,3H),7.24〜7.35(m,2H)
IR(neat):3413,2978,2933,2862,2242,1746,1713,1651,1600,1589,1497,1456,1393,1369,1318,1246,1158,1081,1046,986,851,756,693cm−1
【0064】
実施例5
(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 シクロヘキシルエステル(化合物3 )の製造
(1)実施例1(1)及び(2)と同様にして(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE1 シクロヘキシルエステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリ ルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.20〜1.96(m,16H),2.12〜2.26(m,3H),2.17(dd,J=18.3Hz,7.3Hz,1H),2.60〜2.74(m,2H),3.95〜4.08(m,2H),4.25〜4.35(m,1H),4.71〜4.78(m,1H),4.80(quint,J=4.8Hz,1H),5.79(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.85〜7.00(m,4H),7.23〜7.33(m,2H)
IR(neat):2932,2858,2240,1748,1718,1655,1601,1589,1497,1472,1464,1251,1175,1119,1045,1021,978,940,838,780,754,691,670cm−1
【0065】
(2)実施例1(3)と同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.18〜1.91(m,16H),2.13〜2.30(m,3H),2.23(dd,J=18.5Hz,9.1Hz,1H),2.30〜3.06(br,2H),2.65(ddd,J=11.4Hz,8.3Hz,1.8Hz,1H),2.75(ddd,J=18.5Hz,7.3Hz,1.2Hz,1H),4.08(dd,J=9.6Hz,6.9Hz,1H),4.14(dd,J=9.6Hz,4.0Hz,1H),4.30〜4.38(m,1H),4.74〜4.84(m,2H),5.80(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.88〜7.02(m,4H),7.27〜7.33(m,2H)
IR(neat):3419,2937,2860,2241,1744,1714,1653,1600,1588,1497,1455,1374,1246,1175,1080,1044,1020,989,912,756,693,510cm−1
【0066】
実施例6
(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 シクロペンチルエステルの製造
(1)実施例1(1)及び(2)と同様にして(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE1 シクロペンチルエステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリ ルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.12(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.90(s,9H),0.91(s,9H),1.18〜1.97(m,14H),2.08〜2.28(m,3H),2.18(dd,J=18.2Hz,7.3Hz,1H),2.59〜2.76(m,1H),2.67(ddd,J=18.2Hz,6.9Hz,1.3Hz,1H),3.99(dd,J=9.6Hz,6.8Hz,1H),4.05(dd,J=9.6Hz,5.3Hz,1H),4.24〜4.36(m,1H),4.75(ddd,J=6.8Hz,5.3Hz,1.7Hz,1H),5.15〜5.25(m,1H),5.78(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.82〜7.00(m,4H),7.19〜7.35(m,2H)
IR(neat):2954,2931,2885,2858,2240,1748,1717,1655,1601,1589,1497,1472,1464,1362,1251,1163,1115,1006,1049,978,838,780,754,691,670cm−1
【0067】
(2)実施例1(3)と同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δppm;1.37〜1.93(m,14H),2.14〜2.29(m,3H),2.22(dd,J=18.5Hz,9.2Hz,1H),2.50〜3.70(br,2H),2.64(ddd,J=11.4Hz,8.3Hz,1.8Hz,1H),2.75(ddd,J=18.5Hz,7.3Hz,1.0Hz,1H),4.06(dd,J=9.6Hz,6.9Hz,1H),4.17(dd,J=9.6Hz,3.9Hz,1H),4.34(ddd,J=9.2Hz,8.3Hz,7.3Hz,1H),4.79(ddd,J=6.9Hz,3.9Hz,1.8Hz,1H),5.15〜5.23(m,1H),5.78(dt,J=15.7Hz,1.4Hz,1H),6.86〜7.02(m,4H),7.25〜7.33(m,2H)
IR(neat):3412,2938,2872,2242,1745,1713,1652,1600,1588,1497,1455,1367,1325,1289,1246,1165,1081,1045,992,756,693cm−1
【0068】
実施例7
(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 イソプロピルエステルの製造
(1)実施例1(1)及び(2)と同様にして(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE1 イソプロピルエステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリル エーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.18〜1.90(m,6H),1.26(d,J=6.2Hz,6H),2.08〜2.28(m,3H),2.16(dd,J=18.3Hz,7.2Hz,1H),2.59〜2.75(m,1H),2.67(ddd,J=18.3Hz,6.8Hz,1.4Hz,1H),3.93〜4.09(m,2H),4.22〜4.36(m,1H),,4.75(ddd,J=6.8Hz,5.2Hz,1.6Hz,1H),5.04(sept,J=6.2Hz,1H),5.79(dt,J=15.6Hz,1.4Hz,1H),6.82〜7.01(m,4H),7.20〜7.35(m,2H)
IR(neat):2931,2886,2858,2241,1748,1718,1655,1601,1589,1497,1472,1374,1362,1251,1175,1112,1050,979,838,780,755,692,670cm−1
【0069】
(2)実施例1(3)と同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;1.25(d,J=6
.2Hz,6H),1.40〜1.90(m,6H),2.12〜2.34(m,3H),2.30(dd,J=18.6Hz,9.2Hz,1H),2.35〜2.75(br,2H),2.64(m,1H),2.75(ddd,J=18.6Hz,7.4Hz,1.1Hz,1H),4.07(dd,J=9.6Hz,6.4Hz,1H),4.15(dd,J=9.6Hz,4.2Hz,1H),4.26〜4.42(m,1H),4.79(ddd,J=6.4Hz,4.2Hz,1.8Hz,1H),5.04(sept,J=6.2Hz,1H),5.79(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.82〜7.07(m,4H),7.23〜7.38(m,2H)
IR(neat):3413,2981,2935,2862,2242,1745,1713,1653,1600,1588,1497,1456,1374,1290,1246,1176,1109,1081,1046,990,756,693cm−1
【0070】
実施例8
(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 2,4−ジメチル−3−ペンチルエ ステルの製造
(1)実施例1(1)及び(2)と同様にして(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE1 2,4−ジメチル−3−ペンチルエステル 11,15−ビス(t−ブ チルジメチルシリルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.12(s,3H),0.14(s,3H),0.15(s,3H),0.87(d,J=6.6Hz,6H),0.89(d,J=6.6Hz,6H),0.90(s,9H),0.91(s,9H),1.15〜1.81(m,6H),1.92(oct,J=6.6Hz,2H),2.10〜2.29(m,3H),2.17(dd,J=18.1Hz,7.3Hz,1H),2.58〜2.79(m,1H),2.67(dd,J=18.1Hz,8.1Hz,1H),3.96〜4.09(m,2H),4.30(dd,J=13.8Hz,7.0Hz,1H),4.64(t,J=6.0Hz,1H),4.69〜4.80(m,1H),5.84(dt,J=15.4Hz,1.2Hz,1H),6.83〜7.03(m,4H),7.20〜7.34(m,2H)
IR(neat):2960,2931,2858,2240,1748,1718,1655,1601,1589,1497,1464,1386,1371,1250,1174,1116,1049,1006,979,939,837,779,754,691,670cm−1
【0071】
(2)実施例1(3)と同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.87(d,J=6.6Hz,6H),0.88(d,J=6.6Hz,6H),1.36〜1.90(m,6H),1.92(oct.J=6.6Hz,2H),2.16〜2.30(m,3H),2.23(dd,J=18.5Hz,9.2Hz,1H),2.48(br s,2H),2.64(ddd,J=11.4Hz,8.3Hz,1.8Hz,1H),2.75(ddd,J=18.5Hz,7.3Hz,1.2Hz,1H),4.08(dd,J=9.6Hz,6.9Hz,1H),4.14(dd,J=9.6Hz,4.2Hz,1H),4.28〜4.39(m,1H),4.64(t,J=6.6Hz,1H),4.79(ddd,J=6.9Hz,4.2Hz,1.8Hz,1H),5.84(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.89〜7.06(m,4H),7.25〜7.34(m,2H)
IR(neat):3401,2966,2933,2875,2242,1746,1715,1652,1600,1589,1496,1463,1387,1371,1246,1175,1134,1080,1046,989,934,902,755,692,593cm−1
【0072】
実施例9
(2E,15RS)−16−(4’−フルオロフェノキシ)−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 メチ ルエステルの製造
(1)製造例1で得た化合物の代わりに製造例2で得た化合物を用い、実施例1(1)と実質的に同様にして(3R,4R)−2−メチレン−3−[(3’RS)−3’−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4’−(4”−フルオロフェノキシ)ブタ−1’−イニル]−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シクロペンタン−1−オンを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.90(s,9H),0.91(s,9H),2.34(dd,J=18.0Hz,7.7Hz,1H),2.72(dd,J=18.0Hz,6.6Hz,1H),3.51〜3.59(m,1H),3.93〜4.06(m,2H),4.23〜4.34(m,1H),4.72〜4.80(m,1H),5.56(d,J=2.4Hz,1H),6.15(d,J=3.1Hz,1H),6.78〜7.03(m,4H)
IR(neat):2955,2931,2887,2858,2242,1737,1645,1508,1473,1389,1363,1293,1253,1222,1117,1048,1007,976,950,908,838,780,755,671,513cm−1
【0073】
(2)(1)で得た化合物を用い、実施例1(2)と実質的に同様にして(2E,15RS)−16−(4’−フルオロフェノキシ)−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE1 メチルエステ ル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.09(s,3H),0.11(s,3H),0.12 and 0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.32〜1.88(m,6H),2.09〜2.28(m,3H),2.18(dd,J=18.4Hz,7.3Hz,1H),2.61〜2.74(m,2H),3.72(s,3H),3.92〜4.05(m,2H),4.28〜4.35(m,1H),4.68〜4.76(m,1H),5.81(dt,J=15.7Hz,1.5Hz,1H),6.79〜7.02(m,5H)
IR(neat):2953,2931,2858,2241,1748,1728,1659,1507,1472,1464,1437,1362,1253,1210,1116,1046,1007,977,838,780,754,670,513cm−1
【0074】
(3)(2)で得た化合物を用い、実施例1(3)と実質的に同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.36〜1.86(m,6H),2.15〜2.31(m,3H),2.24(dd,J=18.6Hz,9.0Hz,1H),2.64(br s,1H),2.66(ddd,J=10.6Hz,8.5Hz,1.6Hz,1H),2.76(ddd,J=18.6Hz,7.3Hz,1.2Hz,1H),2.93(br s,1H),3.72(s,3H),4.03(dd,J=9.5Hz,7.0Hz,1H),4.09(dd,J=9.5Hz,3.9Hz,1H),4.31〜4.40(m,1H),4.75〜4.81(m,1H),5.81(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.84〜7.03(m,5H)
IR(neat):3426,2935,2862,2242,1744,1724,1657,1508,1438,1250,1208,1084,1044,832,752,515cm−1
【0075】
実施例10
(2E,15RS)−16−(4’−クロロフェノキシ)−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 メチル エステルの製造
(1)製造例1で得た化合物の代わりに製造例3で得た化合物を用い、実施例1(1)と実質的に同様にして(3R,4R)−2−メチレン−3−[(3’RS)−3’−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4’−(4”−クロロフェノキシ)ブタ−1’−イニル]−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シクロペンタン−1−オンを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.14(s,6H),0.90(s,9H),0.91(s,9H),2.34(dd,J=18.0Hz,7.7Hz,1H),2.72(dd,J=18.0Hz,6.6Hz,1H),3.51〜3.58(m,1H),3.95〜4.08(m,2H),4.23〜4.34(m,1H),4.72〜4.80(m,1H),5.55(d,J=2.9Hz,1H),6.15(d,J=3.1Hz,1H),6.78〜6.86(m,2H),7.19〜7.26(m,2H)
IR(neat):2955,2930,2886,2858,2242,1737,1644,1598,1583,1493,1472,1389,1362,1287,1250,1224,1171,1116,1045,1007,975,950,908,838,780,672,506cm−1
【0076】
(2)(1)で得た化合物を用い、実施例1(2)と実質的に同様にして(2E,15RS)−16−(4’−クロロフェノキシ)−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE1 メチルエステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.89(s,9H),0.90(s,9H),1.34〜1.88(m,6H),2.10〜2.28(m,3H),2.18(dd,J=18.2Hz,7.2Hz,1H),2.61〜2.74(m,2H),3.72(s,3H),3.92〜4.05(m,2H),4.24〜4.35(m,1H),4.68〜4.76(m,1H),5.82(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.78〜6.86(m,2H),6.95(dt,J=15.6Hz,7.0Hz,1H),7.19〜7.26(m,2H)
IR(neat):2953,2931,2858,2240,1748,1727,1658,1598,1583,1493,1464,1437,1362,1250,1171,1117,1044,1007,977,838,780,669,507cm−1
【0077】
(3)(2)で得た化合物を用い、実施例1(3)と実質的に同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.36〜1.87(m,6H),2.16〜2.30(m,3H),2.24(dd,J=18.5Hz,9.0Hz,1H),2.24〜2.62(br,2H),2.62〜2.69(m,1H),2.76(ddd,J=18.6Hz,7.3Hz,1.2Hz,1H),3.72(s,3H),4.04(dd,J=9.6Hz,7.0Hz,1H),4.10(dd,J=9.6Hz,3.8Hz,1H),4.30〜4.39(m,1H),4.77〜4.81(m,1H),5.82(dt,J=15.7Hz,1.5Hz,1H),6.84〜6.89(m,2H),6.95(dt,J=15.7Hz,7.0Hz,1H),7.23〜7.28(m,2H)
IR(neat):3426,2936,2861,2241,1741,1724,1657,1597,1583,1494,1438,1374,1283,1245,1173,1091,1043,1007,828,722,668,509cm−1
【0078】
実施例11
(2E,15RS)−16−(4’−メチルフェノキシ)−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 メチル エステルの製造
(1)製造例1で得た化合物の代わりに製造例4で得た化合物を用い、実施例1(1)と実質的に同様にして(3R,4R)−2−メチレン−3−[(3’RS)−3’−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4’−(4”−メチルフェノキシ)ブタ−1’−イニル]−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シクロペンタン−1−オンを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.12(s,3H),0.14(s,6H),0.90(s,9H),0.91(s,9H),2.28(s,3H),2.33(dd,J=18.0Hz,7.7Hz,1H),2.71(dd,J=18.0Hz,6.6Hz,1H),3.51〜3.58(m,1H),3.95〜4.08(m,2H),4.23〜4.34(m,1H),4.72〜4.80(m,1H),5.56(d,J=2.6Hz,1H),6.15(d,J=3.1Hz,1H),6.75〜6.82(m,2H),7.03〜7.11(m,2H)
IR(neat):2955,2930,2886,2858,2241,1737,1644,1615,1587,1512,1472,1389,1362,1291,1250,1223,1177,1117,1051,1007,976,948,908,838,817,780,671,573,509cm−1
【0079】
(2)(1)で得た化合物を用い、実施例1(2)と実質的に同様にして(2E,15RS)−16−(4’−メチルフェノキシ)−2,3,13,14−テトラデヒドロ−17,18,19,20−テトラノル−PGE1 メチルエステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.33〜1.88(m,6H),2.09〜2.31(m,3H),2.17(dd,J=18.3Hz,7.2Hz,1H),2.28(s,3H),2.60〜2.73(m,2H),3.72(s,3H),3.92〜4.05(m,2H),4.24〜4.35(m,1H),4.69〜4.76(m,1H),5.81(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.75〜6.82(m,2H),6.95(dt,J=15.6Hz,6.9Hz,1H),7.04〜7.11(m,2H)
IR(neat):2952,2930,2858,2240,1748,1728,1658,1615,1511,1463,1437,1362,1250,1176,1115,1049,1007,977,839,780,670,510cm−1
【0080】
(3)(2)で得た化合物を用い、実施例1(3)と実質的に同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.36〜1.86(m,6H),1.96〜2.52(br,2H),2.14〜2.32(m,3H),2.23(dd,J=18.5Hz,9.1Hz,1H),2.29(s,3H),2.59〜2.69(m,1H),2.75(dd,J=18.5Hz,7.1Hz,1H),3.72(s,3H),4.01〜4.07(m,1H),4.11(dd,J=9.7Hz,3.9Hz,1H),4.29〜4.38(m,1H),4.75〜4.80(m,1H),5.82(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.80〜6.86(m,2H),6.95(dt,J=15.6Hz,7.3Hz,1H),7.06〜7.12(m,2H)
IR(neat):3413,3018,2932,2862,2241,1744,1724,1657,1615,1587,1511,1438,1290,1244,1178,1084,1043,986,909,819,756,667,512cm−1
【0081】
実施例12
(2E,15RS)−16−(4’−トリフルオロメチルフェノキシ)−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 メチルエステルの製造
(1)製造例1で得た化合物の代わりに製造例5で得た化合物を用い、実施例1(1)と実質的に同様にして(3R,4R)−2−メチレン−3−[(3’RS)−3’−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4’−(4”−トリフルオロメチルフェノキシ)ブタ−1’−イニル]−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シクロペンタン−1−オンを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.11(s,3H),0.12(s,3H),0.14(s,3H),0.15(s,3H),0.90(s,18H),2.34(dd,J=18.0Hz,7.7Hz,1H),2.72(dd,J=18.0Hz,6.6Hz,1H),3.52〜3.59(m,1H),4.02〜4.15(m,2H),4.23〜4.34(m,1H),4.75〜4.83(m,1H),5.55(d,J=2.7Hz,1H),6.16(d,J=3.1Hz,1H),6.92〜6.99(m,2H),7.51〜7.58(m,2H)
IR(neat):2956,2931,2887,2859,2241,1737,1644,1616,1592,1520,1473,1363,1330,1260,1163,1122,1071,1039,1010,975,908,837,780,671,628,594cm−1
【0082】
(2)(1)で得た化合物を用い、実施例1(2)と実質的に同様にして(2E,15RS)−16−(4’−トリフルオロメチルフェノキシ)−2,3,13,14−テトラデヒドロ−17,18,19,20−テトラノル−PGE1 メ チルエステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエーテル)を得た。 1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.89(s,9H),0.90(s,9H),1.32〜1.87(m,6H),2.11〜2.28(m,3H),2.18(dd,J=18.2Hz,7.3Hz,1H),2.61〜2.74(m,2H),3.72(s,3H),4.06(d,J=5.4Hz,2H),4.25〜4.35(m,1H),4.72〜4.79(m,1H),5.82(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.95(dt,J=15.6Hz,7.0Hz,1H),6.90〜6.99(m,2H),7.50〜7.59(m,2H)
IR(neat):2953,2931,2859,2241,1748,1727,1659,1616,1592,1520,1473,1464,1437,1330,1311,1260,1163,1121,1071,1039,1010,977,838,812,780,670,638,595cm−1
【0083】
(3)(2)で得た化合物を用い、実施例1(3)と実質的に同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.38〜1.87(m,6H),2.12〜2.31(m,3H),2.22〜3.18(br,2H),2.24(dd,J=18.5Hz,9.0Hz,1H),2.67(ddd,J=11.4Hz,8.1Hz,1.8Hz,1H),2.77(ddd,J=18.6Hz,7.3Hz,1.2Hz,1H),3.71(s,3H),4.12(dd,J=9.6Hz,6.7Hz,1H),4.17(dd,J=9.6Hz,4.0Hz,1H),4.31〜4.40(m,1H),4.83(ddd,J=6.7Hz,4.0Hz,1.8Hz,1H),5.83(dt,J=15.7Hz,1.5Hz,1H),6.90〜7.03(m,3H),7.54〜7.60(m,2H)
IR(neat):3412,2937,2862,2242,1745,1724,1657,1615,1592,1520,1439,1331,1260,1163,1114,1070,1037,1011,839,758,667,638,595cm−1
【0084】
実施例13
(2E)−16−(3’−トリフルオロメチルフェノキシ)−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 メチ ルエステルの製造
(1)製造例1で得た化合物の代わりに製造例6で得た化合物を用い、実施例1(1)と実質的に同様にして(3R,4R)−2−メチレン−3−[(3’R)−3’−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4’−(3”−トリフルオロメチルフェノキシ)ブタ−1’−イニル]−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シクロペンタン−1−オンを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.11(s,3H),0.12(s,3H),0.14(s,3H),0.15(s,3H),0.90(s,18H),2.34(dd,J=18.0Hz,7.8Hz,1H),2.72(dd,J=18.0Hz,6.6Hz,1H),3.52〜3.59(m,1H),4.01〜4.14(m,2H),4.24〜4.35(m,1H),4.76〜4.83(m,1H),5.56(d,J=2.6Hz,1H),6.16(d,J=3.1Hz,1H),7.04〜7.43(m,4H)
IR(neat):2955,2931,2887,2859,2242,1737,1645,1594,1494,1449,1390,1330,1286,1254,1224,1170,1129,1068,1047,1007,976,838,781,748,698,671cm−1
【0085】
(2)(1)で得た化合物を用い、実施例1(2)と実質的に同様にして(2E)−16−(3’−トリフルオロメチルフェノキシ)−2,3,13,14−テトラデヒドロ−17,18,19,20−テトラノル−PGE1 メチルエステ ル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.15(s,3H),0.89(s,9H),0.90(s,9H),1.32〜1.89(m,6H),2.10〜2.29(m,3H),2.18(dd,J=18.3Hz,7.4Hz,1H),2.61〜2.74(m,2H),3.72(s,3H),3.97〜4.12(m,2H),4.25〜4.36(m,1H),4.72〜4.79(m,1H),5.80(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.95(dt,J=15.6Hz,7.0Hz,1H),7.03〜7.43(m,4H)
IR(neat):2953,2932,2859,2241,1748,1728,1659,1593,1494,1463,1449,1330,1252,1170,1129,1068,1045,1007,978,880,839,813,781,746,698,670cm−1
【0086】
(3)(2)で得た化合物を用い、実施例1(3)と実質的に同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.37〜1.86(m,6H),2.15〜2.31(m,3H),2.24(dd,J=18.5Hz,9.0Hz,1H),2.36〜3.18(br s,2H),2.66(ddd,J=11.3Hz,8.2Hz,1.8Hz,1H),2.77(ddd,J=18.6Hz,7.3Hz,1.2Hz,1H),3.71(s,3H),4.11(dd,J=9.6Hz,6.8Hz,1H),4.17(dd,J=9.6Hz,4.0Hz,1H),4.32〜4.40(m,1H),4.82(ddd,J=6.8Hz,4.0Hz,1.8Hz,1H),5.82(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.95(dt,J=15.6Hz,7.1Hz,1H),7.10〜7.44(m,4H)
IR(neat):3426,2937,2242,1741,1726,1658,1593,1494,1451,1375,1331,1285,1243,1168,1127,1098,1068,1045,914,794,749,700,659cm−1
【0087】
実施例14
(2E,15RS)−16−(4’−メトキシフェノキシ)−17,18,1 9,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 メチ ルエステルの製造
(1)製造例1で得た化合物の代わりに製造例7で得た化合物を用い、実施例1(1)と実質的に同様にして(3R,4R)−2−メチレン−3−[(3’RS)−3’−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4’−(4”−メトキシフェノキシ)ブタ−1’−イニル]−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シクロペンタン−1−オンを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.12(s,3H),0.14(s,6H),0.90(s,9H),0.91(s,9H),2.33(dd,J=18.0Hz,7.7Hz,1H),2.71(dd,J=18.0Hz,6.6Hz,1H),3.51〜3.58(m,1H),3.77(s,3H),3.92〜4.06(m,2H),4.23〜4.34(m,1H),4.71〜4.79(m,1H),5.56(d,J=2.7Hz,1H),6.15(d,J=3.1Hz,1H),6.83(s,4H)
IR(neat):2955,2930,2887,2858,2241,1736,1645,1510,1472,1389,1362,1287,1251,1234,1182,1114,1051,1007,975,942,908,838,780,739,671,523cm−1
【0088】
(2)(1)で得た化合物を用い、実施例1(2)と実質的に同様にして(2E,15RS)−16−(4’−メトキシフェノキシ)−2,3,13,14−テトラデヒドロ−17,18,19,20−テトラノル−PGE1 メチルエステ ル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.14(s,6H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.32〜1.86(m,6H),2.10〜2.27(m,3H),2.17(dd,J=18.2Hz,7.2Hz,1H),2.60〜2.74(m,2H),3.72(s,3H),3.77(s,3H),3.90〜4.03(m,2H),4.24〜4.35(m,1H),4.67〜4.75(m,1H),5.81(dt,J=15.7Hz,1.5Hz,1H),6.82(s,4H),6.95(dt,J=15.7Hz,6.9Hz,1H)
IR(neat):2952,2931,2858,2239,1748,1727,1658,1509,1464,1438,1362,1251,1234,1110,1050,1007,977,838,780,738,670cm−1
【0089】
(3)(2)で得た化合物を用い、実施例1(3)と実質的に同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.38〜1.86(m,6H),1.90〜3.25(br,2H),2.14〜2.30(m,3H),2.23(dd,J=18.5Hz,9.1Hz,1H),2.58〜2.70(m,1H),2.75(dd,J=18.5Hz,7.3Hz,1H),3.72(s,3H),3.77(s,3H),3.98〜4.04(m,1H),4.08(dd,J=9.6Hz,3.9Hz,1H),4.29〜4.38(m,1H),4.74〜4.79(m,1H),5.82(dt,J=15.7Hz,1.5Hz,1H),6.81〜7.00(m,5H)
IR(neat):3429,2935,2861,2242,1743,1724,1657,1510,1440,1275,1234,1181,1083,1045,828,742,523cm−1
【0090】
実施例15
(2E,15RS)−16−(4’−ビフェニルオキシ)−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 メチル エステルの製造
(1)製造例1で得た化合物の代わりに製造例8で得た化合物を用い、実施例1(1)と実質的に同様にして(3R,4R)−2−メチレン−3−[(3’RS)−3’−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4’−ビフェニルオキシブタ−1’−イニル]−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シクロペンタン−1−オンを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.11(s,3H),0.14(s,3H),0.15(s,3H),0.16(s,3H),0.90(s,9H),0.92(s,9H),2.34(dd,J=17.9Hz,7.7Hz,1H),2.72(dd,J=17.9Hz,6.6Hz,1H),3.53〜3.60(m,1H),4.02〜4.15(m,2H),4.25〜4.35(m,1H),4.76〜4.84(m,1H),5.57(d,J=2.7Hz,1H),6.16(d,J=3.0Hz,1H),6.93〜7.00(m,2H),7.28〜7.57(m,7H)
IR(neat):3033,2955,2930,2886,2858,2241,1736,1644,1610,1520,1489,1472,1388,1362,1291,1251,1224,1176,1114,1051,1006,976,941,909,837,780,763,719,698,671,602cm−1
【0091】
(2)(1)で得た化合物を用い、実施例1(2)と実質的に同様にして(2E,15RS)−16−(4’−ビフェニルオキシ)−2,3,13,14−テトラデヒドロ−17,18,19,20−テトラノル−PGE1 メチルエステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.16(s,3H),0.90(s,9H),0.92(s,9H),1.34〜1.88(m,6H),2.10〜2.28(m,3H),2.18(dd,J=18.4Hz,7.2Hz,1H),2.61〜2.74(m,2H),3.71(s,3H),3.99〜4.13(m,2H),4.26〜4.37(m,1H),4.73〜4.81(m,1H),5.81(dt,J=15.7Hz,1.5Hz,1H),6.82〜7.02(m,3H),7.29〜7.57(m,7H)
IR(neat):2952,2930,2858,2240,1748,1727,1658,1610,1520,1489,1463,1436,1362,1270,1251,1176,1115,1050,1006,977,837,812,780,764,719,699,670,602cm−1
【0092】
(3)(2)で得た化合物を用い、実施例1(3)と実質的に同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.38〜1.86(
m,6H),2.17〜2.31(m,3H),2.24(dd,J=18.6Hz,9.2Hz,1H),2.63〜2.69(m,1H),2.76(dd,J=18.6Hz,7.4Hz,1H),2.81(br s,1H),3.05(br s,1H),3.71(s,3H),4.12(dd,J=9.6Hz,7.0Hz,1H),4.18(dd,J=9.6Hz,3.9Hz,1H),4.31〜4.40(m,1H),4.79〜4.86(m,1H),5.82(dt,J=15.7Hz,1.5Hz,1H),6.90〜7.03(m,3H),7.28〜7.56(m,7H)
IR(neat):3412,3030,2934,2861,2242,1745,1723,1657,1610,1585,1520,1488,1455,1438,1315,1290,1271,1247,1177,1080,1047,910,836,763,699,667,600,551cm−1
【0093】
実施例16
16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−PGE 1 メチルエステル(化合物4)の製造
(1)アルゴン気流下、−60℃において5−カルボメトキシ−4−ペンチニル亜鉛(II)ヨージド(0.64M,テトラヒドロフラン溶液,5.0ml,3.20mmol)にシアン化銅(I)・2塩化リチウム(1.0M,テトラヒドロフラン溶液,4.00ml,4.00mmol)を加え同温度で15分間攪拌した。この溶液に−60℃で実施例1(1)で得た化合物(801mg,1.60mmol)のジエチルエーテル5.6mlの溶液とクロロトリメチルシラン(0.37ml,2.88mmol)を加え、攪拌しながら約1.5時間かけて0℃まで昇温した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液24mlを加え、ヘキサン抽出した。有機層を飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄後、乾燥、濃縮して得られた残渣を2−プロパノール(6.4ml)−ジエチルエーテル(1.6ml)に溶解し、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩(20mg,0.080mmol)を加え室温で一夜攪拌した。反応液にヘキサン10mlを加え、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄後、乾燥、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=19:1)で精製して16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−PGE1 メチルエステル 11,15−ビス(t−ブ チルジメチルシリルエーテル)493mgを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.12(s,3H),0.14(s,3H),0.15(s,3H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.20〜1.86(m,6H),2.13〜2.39(m,3H),2.18(dd,J=18.2Hz,7.2Hz,1H),2.58〜2.76(m,2H),3.74(s,3H),3.95〜4.08(m,2H),4.23〜4.37(m,1H),4.70〜4.80(m,1H),6.85〜7.02(m,3H),7.22〜7.35(m,2H)
IR(neat):2953,2931,2886,2858,2238,1748,1718,1601,1497,1463,1435,1362,1255,1116,1079,1050,1007,975,838,780,754,692,670cm−1
【0094】
(2)上記(1)で得られた化合物(465mg,0.742mmol)のアセトニトリル24.7ml溶液にフッ化水素酸水溶液(46%)5.6mlを氷冷下で加え、同温度で2時間攪拌した。反応液を飽和重曹水170mlにあけ酢酸エチル抽出し、有機層を飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製して標記化合物247mgを得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.48〜1.88(m,6H),2.18〜2.37(m,1H),2.24(dd,J=18.6Hz,9.0Hz,1H),2.33(t,J=6.5Hz,2H),2.67(ddd,J=11.3Hz,8.1Hz,1.8Hz,1H),2.76(ddd,J=18.6Hz,7.3Hz,1.3Hz,1H),2.82(d,J=3.6Hz,1H),2.96(d,J=5.2Hz,1H),3.74(s,3H),4.09(dd,J=9.6Hz,6.9Hz,1H),4.14(dd,J=9.6Hz,4.0Hz,1H),4.30〜4.41(m,1H),4.76〜4.84(m,1H),6.91〜7.06(m,3H),7.25〜7.35(m,2H)
IR(neat):3412,3016,2944,2866,2237,1745,1714,1600,1588,1496,1456,1436,1385,1260,1154,1079,1046,909,755,693,667cm−1
【0095】
実施例17
16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−PGE 1 シクロヘキシルエステルの製造
(1)5−カルボメトキシ−4−ペンチニル亜鉛(II)ヨージドの代わりに5−カルボシクロヘキシルオキシ−4−ペンチニル亜鉛(II)ヨージドを用い、実質的に実施例16(1)と同様にして16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−PGE1 シク ロヘキシル エステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.12(s,3H),0.14(s,3H),0.15(s,3H),0.90(s,9H),0.91(s,9H),1.18〜1.97(m,16H),2.13〜2.38(m,3H),2.18(dd,J=18.2Hz,7.2Hz,1H),2.58〜2.76(m,2H),3.95〜4.08(m,2H),4.23〜4.37(m,1H),4.67〜4.90(m,2H),6.83〜7.00(m,3H),7.21〜7.35(m,2H)
IR(neat):2931,2859,2236,1748,1707,1642,1601,1497,1463,1385,1252,1114,1077,1012,977,838,780,754,692cm−1
【0096】
(2)(1)で得た化合物を用い、実施例16(2)と同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.15〜1.94(m,16H),2.15〜2.82(br,2H),2.22〜2.35(m,1H),2.24(dd,J=18.5Hz,8.9Hz,1H),2.32(t,J=6.5Hz,2H),2.67(ddd,J=10.1Hz,8.1Hz,1.8Hz,1H),2.76(ddd,J=18.7Hz,7.4Hz,1.3Hz,1H),4.09(dd,J=9.6Hz,7.0Hz,1H),4.15(dd,J=9.6Hz,4.1Hz,1H),4.30〜4.40(m,1H),4.75〜4.88(m,2H),6.90〜7.03(m,3H),7.25〜7.35(m,2H)
IR(neat):3401,2938,2861,2235,1745,1703,1600,1496,1455,1385,1253,1174,1077,1045,1012,909,754,692cm−1
【0097】
実施例18
16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−PGE 1 t−ブチルエステル(化合物5)の製 造
(1)5−カルボメトキシ−4−ペンチニル亜鉛(II)ヨージドの代わりに5−カルボt−ブトキシ−4−ペンチニル亜鉛(II)ヨージドを用い、実質的に実施例16(1)と同様にして16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−PGE1 t−ブチルエ ステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.12(s,3H),0.13(s,3H),0.15(s,3H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.20〜1.86(m,6H),1.49(s,9H),2.13〜2.37(m,3H),2.18(dd,J=18.2Hz,7.2Hz,1H),2.58〜2.76(m,2H),3.95〜4.10(m,2H),4.24〜4.37(m,1H),4.70〜4.80(m,1H),6.84〜7.00(m,3H),7.22〜7.34(m,2H)
IR(neat):2953,2931,2858,2237,1748,1708,1601,1589,1497,1472,1463,1385,1370,1277,1256,1162,1116,1078,1050,976,838,809,780,754,692,670cm−1
【0098】
(2)(1)で得た化合物を用い、実施例16(2)と同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.48(s,9H),1.50〜1.86(m,6H),2.20〜2.34(m,1H),2.25(dd,J=18.6Hz,9.0Hz,1H),2.30(t,J=6.5Hz,2H),2.35〜3.10(br,2H),2.68(ddd,J=9.9Hz,8.0Hz,1.8Hz,1H),2.76(ddd,J=18.6Hz,7.3Hz,1.3Hz,1H),4.09(dd,J=9.6Hz,6.5Hz,1H),4.15(dd,J=9.6Hz,4.1Hz,1H),4.30〜4.40(m,1H),4.80(ddd,J=6.7Hz,4.1Hz,1.8Hz,1H),6.90〜7.02(m,3H),7.25〜7.35(m,2H)
IR(neat):3400,2980,2933,2866,2236,1746,1704,1600,1589,1496,1456,1429,1395,1385,1370,1279,1248,1160,1127,1079,1045,844,802,756,693,512cm−1
【0099】
【産業上の利用分野】
本発明は新規なプロスタグランジンE1類縁体に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロスタグランジン(以下、PGと略称する。)は微量で種々の重要な生理作用を発揮することから、従来より医薬への応用を意図して天然PG及び夥しい数のその誘導体の合成と生物活性の検討が行なわれている。
その中でもPGE1は、細胞保護作用、酸分泌抑制作用などの特徴ある作用を 有していることが知られており、このため多数のPGE1類縁体が消化性潰瘍治 療薬として検討されてきた。このうち、PGE1の13,14位の二重結合を三 重結合に変えた13,14−ジデヒドロPGE1類縁体としては、13,14− ジデヒドロPGE1 メチルエステル(特開昭52−100446号公報)、6 −ヒドロキシ−13,14−ジデヒドロPGE1(米国特許第4,131,73 8号)が知られており、また、特開昭52−100446号公報、米国特許第4,160,101号及び米国特許第4,249,016号に記載の一般式で示される化合物にω鎖の末端にフェノキシ基を有する13,14−ジデヒドロPGE1類縁体が包含されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来知られているPGE1類縁体は生体内での代謝が速く、従 って効果が持続しないという欠点がある。また、従来のPGE1類縁体は下痢を 初めとした副作用を誘発するため、高い用量で投与できず、十分な効果を挙げることができないという欠点があった。
本発明の目的は、従来知られているPGE1類縁体よりも選択的で強力な抗潰 瘍作用を有し、かつ持続性に優れた新規なPGE1類縁体を提供することにある 。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究を進めた結果、13,14位に3重結合を有し、かつω鎖の末端位にフェノキシ基を有し、さらに2,3位に2重結合または3重結合を有するある特定のPGE1類縁体が前記課題を解決できることを見いだし、本発 明を完成した。
すなわち、本発明は、式
【0005】
【0006】
[式中、Aはビニレン基またはエチニレン基を示し、R1は水素原子、炭素原子 数1〜8個のアルキル基、炭素原子数3〜8個のシクロアルキル基または置換基を有する炭素原子数3〜6個のシクロアルキル基を示し、R2は水素原子、ハロ ゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基、フェニル基または「ハロゲン原子で置換されたフェニル基」を示し、R3およびR4はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素原子数1〜4個のアルキル基または炭素原子数1〜4個のアルコキシ基を示す。]で表されるプロスタグランジンE1類縁体及びその塩であ る。
【0007】
本発明において、炭素原子数1〜8個のアルキル基とは、直鎖状または分枝鎖状のものをいい、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基などである。置換基を有する炭素原子数3〜6個のシクロアルキル基とは、炭素原子数1〜4個のアルキル基の1個〜3個で置換された炭素原子数3〜8個のシクロアルキル基をいうが、2−ノルボルニル基
【0008】
【0009】
や、1−アダマンチル基
【0010】
【0011】
のようにシクロアルキル基を置換するアルキル基が環を形成して多環式炭化水素になっていてもよい。
式(I)の化合物の塩とは、式(I)においてRが水素原子の化合物の場合の、ナトリウム、カリウム、アルミニウムなどの金属との塩あるいはトリアルキルアミンなどの有機アミンとの塩である。
【0012】
本発明においては、R2ないしR4が水素原子であり、かつR1がメチル基、
t−ブチル基またはシクロヘキシル基である化合物が好ましい。
式(I)の化合物は、例えば以下に挙げる方法により容易に製造できる。
【0013】
【0014】
【0015】
(反応式中、R5およびR6は同一または異なって水酸基の保護基を示し、R7
は水素原子を除くR1であり、R2、R3、R4、Aおよびnは前記と同意義で
ある。
ここで、水酸基の保護基とはプロスタグランジンの分野で通常用いられるものであり、例えばt−ブチルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、メトキシメチル基、エトキシエチル基、ベンジル基などである。)
▲1▼すなわち、まず、佐藤らの方法[ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.),第53巻,第5590ページ(1988年)]により公知である式(II)の化合物に、式(III)で表される有機アルミニ ウム化合物0.8〜2.0当量を−10〜30℃、好ましくは0〜10℃で不活性溶媒(例えばベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、塩化メチレン、n−ヘキサンなど)中で反応させることにより立体特異的に式(IV)の化合物が得られる。
ここで、式(III)の有機アルミニウム化合物は、例えば以下の方法にて調製 できる。
【0016】
【0017】
(反応式中、R2、R3、R4およびR6は前記と同意義である。)
すなわち、式(VIII)で表されるアルコール化合物をオキザリルクロリドを用いDMSO中にて反応しアルデヒドとした後、ピリジン中にてマロン酸と縮合、脱炭酸反応を行い次いで、生成物をメタノール中硫酸にてエステル化反応を行ない式(IX)の化合物を得る。
次に、式(IX)の化合物のメチルエステル部をジイソブチルアルミニウムハイドライドにて還元しアルコールとした後、2重結合部を酸化してエポキシ化合物とする。ここで、酸化剤としては過酸化水素、過酢酸、m−クロロ過安息香酸等が使用できるが、L(+)−酒石酸ジイソプロピルを用いt−ブチルハイドロパーオキシドとジクロロメタン中、−20℃にて反応することにより立体選択的に酸化し最終的に光学活性体(R体)[式(IIIa)の化合物]に導くこともでき る。得られたエポキシ化合物は、更にメタンスルホニル化し、塩化リチウムと置換反応を行い式(X)の化合物を得る。
式(X)の化合物はテトラヒドロフラン中−70℃にてn−ブチルリチウムと反応させ、生成するアセチレン誘導体の水酸基を保護することにより式(XI)の化合物に導くことができる。
式(XI)の化合物は、nブチルリチウムと反応した後にジエチルアルミニウムクロリドと反応すると式(III)の化合物が調製される。
【0018】
▲2▼次に、式(IV)の化合物を、式(V)で表される有機銅化合物0.5〜4当量およびクロロトリメチルシラン0.5〜4当量と不活性溶媒(例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、n−ヘキサンなど)中、−78〜40℃で反応させ、式(VI)の化合物とする。
ここで、式(V)の有機銅化合物は、式
I−(CH2)n−1−A−COOR7 (XII)
(式中、R7、Aおよびnは前記と同意義である。)で表されるヨウ素化合物か ら、公知の方法[P.Knochelら,ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー,第53巻,第2390ページ(1988年)]により調製できる。すなわち、式(XII)のヨウ素化合物を、例えば1,2−ジブロモメタン、クロ ロトリメチルシラン、ヨウ素などで活性化された亜鉛0.8〜5当量と、不活性溶媒(例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、n−ヘキサン、n−ペンタン、ジオキサンなど)中で反応させることにより式
IZn−(CH2)n−1−A−COOR7
(式中、R7、Aおよびnは前記と同意義である。)で表される有機亜鉛化合物 へと誘導する。この際、必要に応じて加熱してもよい。加熱温度は溶媒の沸点にもよるが、通常30〜150℃、好ましくは40〜80℃である。得られた有機亜鉛化合物を、−50〜10℃にて、シアン化銅(1〜2.5当量)、塩化リチウム(2〜5当量)を含む前記不活性溶媒中で反応させることにより、式(V)の有機銅化合物を得ることができる。
【0019】
▲3▼次いで、式(VI)の化合物を、無機酸(例えば塩酸の水溶液)または有機酸もしくはそのアミン塩(例えばp−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩など)を用い、有機溶媒(例えばアセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジエチルエーテルあるいはこれらの混合溶媒など)中、0〜40℃にて加水分解することにより、立体選択的に式(VII)の化合物が得 られる。
【0020】
▲4▼最後に、式(VII)の化合物の水酸基の保護基をプロスタグランジンの分野 における通常の方法を用いて脱保護し、式(I)においてR1が水素原子以外の 基である本発明の化合物[式(Ia)の化合物]を得る。
【0021】
▲5▼式(I)においてR1が水素原子である本発明の化合物[式(Ib)の化合 物]は、式(Ia)の化合物のうち、R7が炭素原子数1〜6個のアルキル基で ある化合物[これを(Ic)の化合物とする。]のエステル部分を加水分解することにより得ることができる。
加水分解は、(Ic)の化合物を、リン酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液などの緩衝液中、必要に応じて有機溶媒(アセトン、メタノール、エタノールなどの水と混和するもの)を用いて酵素と反応させることにより行う。
使用する酵素としては、微生物が生産する酵素(例えばキャンディダ属、シュードモナス属に属する微生物が生産する酵素)、動物の臓器から調製される酵素(例えばブタ肝臓やブタ膵臓より調製される酵素)などであり、市販の酵素で具体例を挙げると、リパーゼVII(シグマ社製,キャンディダ属の微生物由来)、 リパーゼAY(天野製薬社製,キャンディダ属の微生物由来)、リパーゼMF(天野製薬社製,シュードモナス属の微生物由来)、PLE−A(天野製薬社製,ブタ肝臓より調製)、エステラーゼ(シグマ社製,ブタ肝臓より調製)、リパーゼII(シグマ社製,ブタ膵臓より調製)、リポプロテインリパーゼ(東京化成工業社製,ブタ膵臓より調製)などである。
酵素の使用量は、酵素の力価及び基質[(Ic)の化合物]の量に応じて適宜選択すればよいが、通常は基質の0.1〜20倍重量部である。
反応温度は、25〜50℃、好ましくは30〜35℃である。
【0022】
本発明の化合物は、経口的にまたは非経口的に(例えば静脈内、直腸内、膣内)投与することができる。経口投与の剤型としては、例えば錠剤、顆粒剤、カプセル剤などの固形製剤、溶液剤、脂肪乳剤、リポソ−ム懸濁剤などの液体製剤を用いることができる。この経口投与製剤として用いる場合には、α,β,もしくはγ−シクロデキストリンまたはメチル化シクロデキストリン等と包接化合物を形成させて製剤化することもできる。静脈内投与の製剤としては、水性または非水性溶液剤、乳化剤、懸濁剤、使用直前に注射用溶媒に溶解して使用する固形製剤等を用いることができる。また、直腸内投与の製剤としては坐剤、膣内投与の製剤としてはペッサリ等の剤型を用いることができる。投与量は0.1〜100μgであり、これを1日1〜3回に分けて投与する。
【0023】
【発明の効果】
本発明の化合物は、後記試験例から明らかなように、強い胃粘膜保護作用、胃酸分泌抑制作用を有し、しかもその持続性が優れている。また、本発明化合物は、EP3受容体への選択性が高いので、副作用が少なく、確実な薬理作用を示す 用量でPGで最も問題となっている下痢も殆ど誘発しないことから、消化性潰瘍を治療する医薬として有用である。
【0024】
以下、本発明の効果を試験例により具体的に説明する。なお、各試験例中の化合物1とは、後記実施例に示した化合物番号である。
試験例1[胃酸分泌抑制作用試験]
ウィスター系雄性ラット(体重250〜300g)を1群2匹(対照群だけは5匹)として使用した。ウレタン麻酔下に胃内灌流用のカニューレを胃内に装着し、0.9%生理食塩水を灌流用ポンプで胃内を灌流した。少量のエタノールに溶解して生理食塩水で希釈した薬物(投与量は表1に示した)を大腿静脈内に投与し、その5分後にヒスタミンを同様にして投与した。ヒスタミンによって分泌された胃酸は自動滴定装置(pHstat)により0.02規定の水酸化ナトリウムで中和滴定され、その消費量を胃酸分泌量とした。その結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
試験例2[胃粘膜保護作用試験]
ウィスター系雄性ラット(体重180〜200g)を1群7〜8匹として使用した。ラットを18時間絶食絶水後、少量のエタノールに溶解して生理食塩水で希釈した薬物(投与量は表1に示した)を経口投与し、その30分後に0.6規定の塩酸1mlを経口投与した。塩酸投与60分後、エーテル麻酔下に胃を摘出し、胃粘膜病変の長さを測定した。その結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
試験例3[EP受容体に対する選択性の検討試験]
EP受容体に対する選択性の検討試験はBritish Journal of Pharmacology, 第105巻,第271〜278ページ(1992年)に記載の文献に従って行った(EP2受容体は下痢に関係することが報告されており、また、EP3受容体は胃酸分泌 作用に関係していることが報告されている。)。
a.EP1受容体への作用検討〈モルモット摘出回腸収縮作用試験〉
試験方法は、British Journal of Pharmacology,第11巻,第379〜395ページ(1956年)に従って行った。
ハートレー系雄性モルモットを使用した。回腸縦走筋を摘出し、マグヌス管(クレブス溶液,37℃,30ml)に懸垂し、混合ガス通気下約1gの張力を負荷し、被験薬による回腸平滑筋の収縮を等長的に記録した。
実験結果は、被験薬を10−6Mとなるようにマグヌス管内に加えた時の回腸の収縮をアセチルコリン(ACh)の10−6Mを加えた時の回腸の収縮高を100%とし て収縮率で表した。
この結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
注)−は未測定
この結果より、PGE2はEP1受容体に作用するが、本発明化合物は作用しないことがわかった。
【0031】
b.EP2受容体への作用検討〈癌化肥満細胞由来P815細胞における受容体結合 試験〉
P815細胞は、Biochemical Pharmacology,第30巻,第1325〜1332ページ(1981年)記載の文献により、EP2受容体を有することが知られている。本試験はこ の文献に従って行った。
P815細胞を腹腔内に前投与したマウスの腹水から得られたP815細胞(107個/ ml)を用い、[3H]PGE2(2nM)をリガンドとして、受容体結合実験を行った。実験結果は、被験薬物(10−9M)のリガンドの結合を阻害する割合で示した。
この結果を表4に示す。
【0032】
【表4】
【0033】
注)−は未測定
この結果より、本発明化合物はEP2受容体を介する作用は極めて弱いことが わかった。
【0034】
c.EP3受容体への作用検討〈[14C]アミノピリン蓄積抑制作用試験〉
試験方法は、Acta Physiol. Scand., 第96巻,第150〜159ページ(1976年)に従って行った。
日本白色系雄性ウサギを使用した。麻酔下にウサギの胃を摘出後、酵素処理により胃粘膜壁細胞を単離した。壁細胞(3×105個)に[14C]アミノピリン( AP)、被験薬(10−5M)及びヒスタミン(10−5M)を添加し、20分間インキュベーション(37℃)を行い、細胞内に取り込まれた[14C]AP量をシンチレーションカウンターを用い測定した。
実験結果は、ヒスタミン刺激による[14C]AP蓄積量に対する被験薬の抑制作用を抑制率で表した。この結果を表5に示す。
【0035】
【表5】
【0036】
なお、表3〜表5中の化合物番号は後記実施例において示したものであり、対照A,対照B,対照C及び対照Dは次の構造を有する化合物である。
【0037】
【表6】
【0038】
以上の結果、本発明化合物はEP3受容体に対し選択的に作用することが認め られた。従って、本発明化合物は効力が強く、副作用の少ない抗潰瘍剤となりうる。
【0039】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
注)化合物の命名中、例えば「17,18,19,20−テトラノル」のように「ノル」とは、その位置の炭素鎖がないことを意味する(例の場合だと17〜20位の炭素鎖がないことを意味する。)。
製造例1
(3R)−3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4−フェノキシ−1−ブチン[式( XI )の化合物のひとつ]の製造
(1)オキザリルクロリド(48.0ml,0.55mol)の塩化メチレン300ml溶液にアルゴン気流下、−30℃でジメチルスルホキシド(39.0ml,0.55mol)の塩化メチレン60ml溶液を加え5分間同条件下で攪拌した。ついで、2−フェノキシエタノール(69.1g,0.50mol)の塩化メチレン溶液350mlを同条件下で加え15分間同条件下で攪拌した後、トリエチルアミン(245ml,1.75mol)を同条件下で加え0℃まで2時間かけて昇温した。これに水750mlを加え有機層を分離した後、水層を塩化メチレンで抽出し、有機層を合わせて塩酸水溶液、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を乾燥、濃縮して粗生成物のフェノキシアセトアルデヒド67.5gを得た。
【0040】
(2)上記(1)で得た化合物67.5g、ピリジン(40.4ml,0.50mol)およびマロン酸(52.0g,0.50mol)の混合物を100℃で1時間、140℃で1時間加熱攪拌した後室温に冷却した。反応液を塩酸で酸性にしエーテル抽出し、エーテル層を水酸化ナトリウム水溶液で抽出し、エーテル洗浄し、水層を塩酸で酸性とした後エーテル抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を乾燥、濃縮して(2E)−4−フェノキシ−2−ブテン酸を28.2g得た。
1H−NMR(DMSO−d6,200MHz)δppm;4.77(dd,J=2.0Hz,4.2Hz,2H),6.03(dt,J=2.0Hz,15.8Hz,1H),6.90〜7.04(m,3H),6.95(dt,J=4.2Hz,15.8Hz,1H),7.24〜7.40(m,2H),12.41(s,1H)
IR(KBr):3435,2894,2685,2593,1701,1660,1598,1588,1500,1445,1425,1387,1316,1286,1250,1208,1180,1095,1073,1027,941,927,757cm−1
【0041】
(3)上記(2)で得た化合物(28.2g)のメタノール150ml溶液に濃硫酸を触媒量加え室温で7時間攪拌した後、濃縮し飽和重曹水を加え酢酸エチル抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を乾燥、濃縮して(2E)−4−フェノキシ−2−ブテン酸 メチルエステル27.9gを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;3.76(s,3H),4.70(dd,J=2.1Hz,4.1Hz,2H),6.21(dt,J=2.1Hz,15.8Hz,1H),6.85〜7.03(m,3H),7.09(dt,J=4.1Hz,15.8Hz,1H),7.23〜7.40(m,2H)
IR(neat):2952,1728,1666,1600,1589,1496,1437,1384,1310,1279,1244,1196,1174,1093,1030,968,840,756,692cm−1
【0042】
(4)上記(3)で得た化合物(61.8g,0.322mol)のエーテル350ml溶液にジイソブチルアルミニウムハイドライド(1.5M,トルエン溶液,473ml,0.708mol)をアルゴン気流下−40℃で滴下した後、15分間攪拌した。氷冷下、塩酸で酸性とし不溶物を濾去し、濾液を塩酸、水、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を乾燥、濃縮して得られた粗生成物を減圧蒸留して(2E)−4−フェノキシ−2−ブテン−1−オール44.0gを得た。
bp 107〜109℃/0.69〜0.85mmHg
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;1.49(s,1H),4.15〜4.24(m,2H),4.48〜4.61(m,2H),5.88〜6.12(m,2H),6.86〜7.01(m,3H),7.22〜7.35(m,2H)
IR(neat):3351,2866,1599,1587,1495,1461,1384,1303,1243,1174,1089,1030,1009,990,755,692cm−1
【0043】
(5)粉末のモレキュラシーブス4A(25.7g)およびチタンテトライソプロポキシド(16.0ml,53.6mmol)の塩化メチレン390mlの混合物にアルゴン気流下、−20℃でL−(+)−酒石酸ジイソプロピルエステル(13.8ml,64.3mmol)を滴下し、同条件下で30分間攪拌した。次いで、この混合物に上記(4)で得た化合物(44.0g,268mmol)の塩化メチレン214ml溶液を加え、−20℃で1時間攪拌した。この混合物を−30℃に冷却し、t−ブチルハイドロパーオキシド(2.8M,塩化メチレン溶液,172ml,482mmol)を55分間かけて滴下し、滴下終了後−20℃で18時間攪拌しジメチルスルフィド(43.1ml,587mmol)を加えて、さらに同温度で3時間攪拌した。次いで酒石酸水溶液(10%)29.2mlを加え室温で1時間、フッ化ナトリウム188gを加えて1時間、セライト107gおよびエーテル300mlを加えて1時間それぞれ攪拌した。濾過、濃縮して得られた油状物112gをさらにエーテル342mlに溶解し水酸化ナトリウム水溶液(1N,167ml)を加え室温で1.5時間攪拌した後、有機層を分離し、水層をエーテル抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄、乾燥、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=7:3)で精製して(2S,3S)−2,3−エポキシ−4−フェノキシ−1−ブタノール40.6gを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;1.54〜1.84(
m,1H),3.20〜3.27(m,1H),3.38〜3.46(m,1H),3.65〜3.81(m,1H),3.73〜4.10(m,1H),4.04(dd,J=5.3Hz,11.2Hz,1H),4.26(dd,J=3.1Hz,11.2Hz,1H),6.86〜7.03(m,3H),7.23〜7.36(m,2H)
IR(neat):3401,2926,2872,1733,1600,1588,1495,1245,1084,1038,757,693cm−1
【0044】
(6)上記(5)で得た化合物(40.6g,0.225mol)およびメシルクロリド(19.2ml,0.248mol)の塩化メチレン280ml溶液にトリエチルアミン(37.6ml,0.270mol)を氷冷下で滴下した。滴下後、室温で30分間攪拌し水、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を乾燥、濃縮して(2S,3S)−2,3−エポキシ−1−メシロキシ−4−フェノキシブタン56.7gを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;3.09(s,3H),3.33〜3.44(m,2H),4.00〜4.61(m,4H),6.86〜7.04(m,3H),7.23〜7.39(m,2H)
【0045】
(7)上記(6)で得た化合物(56.1g,0.217mol)および塩化リチウム(18.4g,0.434mol)のN,N−ジメチルホルムアミド217ml溶液をアルゴン気流下、55℃で2.5時間加熱攪拌した。冷却後、水100mlおよび飽和食塩水300mlを加え酢酸エチル:ヘキサン(1:1)で抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を乾燥、濃縮して(2S,3S)−1−クロロ−2,3−エポキシ−4−フェノキシブタン38.7gを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;3.27〜3.37(m,2H),3.63(d,J=5.1Hz,2H),4.05(dd,J=4.8Hz,11.3Hz,1H),4.23(dd,J=2.9Hz,11.3Hz,1H),6.86〜7.02(m,3H),7.23〜7.34(m,2H)
IR(neat):2924,1588,1489,1451,1426,1389,1334,1308,1295,1244,1233,1180,1156,1140,1084,1032,1013,922,868,815,761,738cm−1
【0046】
(8)上記(7)で得た化合物(32.4g,0.163mol)のテトラヒドロフラン160ml溶液にn−ブチルリチウム(2.5M,ヘキサン溶液,196ml,0.489mol)をアルゴン気流下、−70℃で滴下した。滴下後、同条件下で30分間攪拌し飽和塩化アンモニウム水溶液200mlを加え酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を乾燥、濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=17:3)で精製して(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェノキシ−1−ブチン23.1gを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;2.53(d,J=2.3Hz,1H),2.56(d,J=5.4Hz,1H),4.03〜4.21(m,2H),4.70〜4.83(m,1H),6.88〜7.04(m,3H),7.23〜7.36(m,2H)
IR(neat):3412,3282,2940,2865,2126,1602,1589,1499,1456,1327,1309,1295,1254,1173,1082,1049,969,895,752,693,674cm−1
【0047】
(9)上記(8)で得た化合物(23.1g,0.142mol)およびイミダゾール(19.3g,0.284mol)のN,N−ジメチルホルムアミド140ml溶液に氷冷下、t−ブチルジメチルクロロシラン(25.6g,0.170mol)を加えた。室温で一夜攪拌した後、飽和重曹水650mlにあけ室温で15分間攪拌し、ヘキサン:酢酸エチル=4:1で抽出し、有機層を飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を乾燥、濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:エーテル=49:1)で精製し、さらに減圧蒸留して標記化合物35.9gを得た。
bp 108〜110℃/0.97mmHg
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.13(s,3H),0.17(s,3H),0.92(s,9H),2.45(d,J=2.2Hz,1H),3.99〜4.13(m,2H),4.68〜4.79(m,1H),6.86〜7.00(m,3H),7.21〜7.34(m,2H)
IR(neat):3308,2955,2930,2885,2858,2120,1601,1589,1497,1473,1389,1362,1302,1250,1173,1120,1051,965,838,781,754,691cm−1
【0048】
製造例2
(3RS)−3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4−(4’−フルオロフェノキシ)−1−ブチン
製造例1と同様にして標記化合物を得た。
bp 86.0〜87.5℃/0.30〜0.36mmHg
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.13(s,3H),0.16(s,3H),0.91(s,9H),2.45(d,J=2.2Hz,1H),3.95〜4.10(m,2H),4.15〜4.75(m,1H),6.79〜7.03(m,4H)
IR(neat):3308,2956,2931,2886,2859,2121,1603,1508,1473,1390,1362,1295,1253,1221,1119,1049,1008,964,828,781,757,667cm−1
【0049】
製造例3
(3RS)−3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4−(4’−クロロフェノキシ)−1−ブチン
製造例1と同様にして標記化合物を得た。
bp 113.5〜117.0℃/0.29〜0.30mmHg
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.12(s,3H),0.16(s,3H),0.91(s,9H),2.46(d,J=2.1Hz,1H),3.96〜4.10(m,2H),4.71(ddd,J=6.9Hz,5.0Hz,2.1Hz,1H),6.80〜6.88(m,2H),7.19〜7.26(m,2H)
IR(neat):3306,2955,2930,2885,2858,2121,1598,1583,1493,1472,1387,1362,1287,1250,1171,1119,1046,1008,964,838,781,666,567,506cm−1
【0050】
製造例4
(3RS)−3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4−(4’−メチルフェノキシ)−1−ブチン
製造例1と同様にして標記化合物を得た。
bp 110.0〜116.5℃/0.25〜0.26mmHg
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.14(s,3H),0.18(s,3H),0.93(s,9H),2.29(s,3H),2.45(d,J=2.1Hz,1H),3.97〜4.11(m,2H),4.73(ddd,J=7.0Hz,5.0Hz,2.1Hz,1H),6.78〜6.85(m,2H),7.04〜7.11(m,2H)
IR(neat):3309,3032,2955,2930,2885,2858,2120,1615,1587,1512,1472,1386,1362,1292,1249,1177,1119,1052,1007,965,838,781,744,666,571,509cm−1
【0051】
製造例5
(3RS)−3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4−(4’−トリフルオロメチルフェノキシ)−1−ブチン
製造例1と同様にして標記化合物を得た。
【0052】
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.13(s,3H),0.17(s,3H),0.91(s,9H),2.47〜2.48(m,1H),4.11(d,J=5.7Hz,2H),4.71〜4.78(m,1H),6.93〜7.03(m,2H),7.50〜7.60(m,2H)
IR(neat):3311,2956,2932,2887,2860,2122,1617,1592,1520,1474,1331,1311,1260,1164,1122,1071,1011,965,837,782,668,639cm−1
【0053】
製造例6
(3R)−3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4−(3’−トリフルオロメチルフェノキシ)−1−ブチン
製造例1と同様にして標記化合物を得た。
bp 98.5〜101.8℃/0.58〜0.60mmHg
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.13(s,3H),0.17(s,3H),0.91(s,9H),2.47(d,J=2.2Hz,1H),4.03〜4.15(m,2H),4.68〜4.79(m,1H),7.05〜7.44(m,4H)
IR(neat):3311,2956,2932,2887,2860,2122,1594,1494,1450,1391,1331,1298,1253,1170,1131,1067,1049,968,879,839,783,698,659cm−1
【0054】
製造例7
(3RS)−3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4−(4’−メトキシフェノキシ)−1−ブチン
製造例1と同様にして標記化合物を得た。
bp 122.0〜124.0℃/0.21〜0.22mmHg
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.13(s,3H),0.16(s,3H),0.92(s,9H),2.45(d,J=2.2Hz,1H),3.76(s,3H),3.99(dd,J=9.8Hz,7.4Hz,1H),4.04(dd,J=9.8Hz,5.0Hz,1H),4.70(ddd,J=7.0Hz,4.9Hz,2.0Hz,1H),6.77〜6.89(m,4H)
IR(neat):3293,2954,2931,2886,2858,2120,1593,1510,1465,1388,1362,1290,1234,1182,1118,1052,1007,965,826,781,739,668cm−1
【0055】
製造例8
(3RS)−3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4−(4’−ビフェニルオキシ)−1−ブチン
製造例1と同様にして標記化合物を得た。
bp 164.0〜166.0℃/0.30〜0.31mmHg
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.15(s,3H),0.18(s,3H),0.93(s,9H),2.32(d,J=2.2Hz,1H),3.97〜4.18(m,2H),4.70〜4.82(m,1H),6.93〜7.05(m,2H),7.24〜7.64(m,7H)
IR(neat):3306,3033,2955,2930,2885,2858,2120,1610,1585,1520,1489,1472,1454,1410,1390,1362,1292,1270,1251,1187,1176,1119,1052,1006,965,834,812,781,763,698,668cm−1
【0056】
実施例1
(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 メチルエステル(化合物1)の製造
(1)製造例1で得た化合物(1.55g,5.60mmol)をトルエン17.2mlに溶解し、アルゴン気流下、0℃でn−ブチルリチウム(2.5M,ヘキサン溶液,2.1ml,5.16mmol)を加え、同温度で20分間攪拌した。この溶液に0℃でジエチルアルミニウムクロリド(0.94M,ヘキサン溶液,6.4ml,6.02mmol)を加え、室温まで昇温後20分間攪拌した。この溶液に室温で(4R)−2−(N,N−ジエチルアミノ)メチル−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シクロペント−2−エン−1−オン(0.25M,トルエン溶液,17.2ml,4.30mmol)を加え、20分間攪拌した。反応液をヘキサン(42ml)−飽和塩化アンモニウム水溶液(42ml)−塩酸水溶液(3N,12ml)の混合液に攪拌しながら注いだ後、有機層を分離し、水層をヘキサン抽出し、有機層を合わせて飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を乾燥、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=50:1)で精製して(3R,4R)−2−メチレン−3−[(3’R)−3’−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4’−フェノキシブタ−1’−イニル]−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シクロペンタン−1−オン1.07gを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.11(s,3H),0.12(s,3H),0.15(s,6H),0.90(s,9H),0.91(s,9H),2.33(dd,J=18.0Hz,7.7Hz,1H),2.72(dd,J=18.0Hz,6.5Hz,1H),3.50〜3.60(m,1H),3.97〜4.09(m,2H),4.23〜4.35(m,1H),4.73〜4.83(m,1H),5.56(dd,J=2.7Hz,0.6Hz,1H),6.15(d,J=3.1Hz,1H),6.85〜7.00(m,3H),7.21〜7.34(m,2H)
IR(neat):2955,2930,2886,2858,2241,1737,1643,1601,1589,1497,1472,1389,1362,1288,1251,1114,1050,1007,975,838,780,754cm−1
【0057】
(2)アルゴン気流下、−60℃において(E)−5−カルボメトキシ−4−ペンテニル亜鉛(II)ヨージド(0.69M,テトラヒドロフラン溶液,4.6ml,3.17mmol)にシアン化銅(I)・2塩化リチウム(1.0M,テトラヒドロフラン溶液,3.98ml,3.98mmol)を加え同温度で15分間攪拌した。この溶液に−60℃で上記(1)で得た化合物(796mg,1.59mmol)のジエチルエーテル5.6mlの溶液とクロロトリメチルシラン(0.36ml,2.86mmol)を加え、攪拌しながら約1.5時間かけて0℃まで昇温した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液36mlを加え、ヘキサン抽出した。有機層を飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄後、乾燥、濃縮して得られた残渣を2−プロパノール(6.4ml)−ジエチルエーテル(1.6ml)に溶解し、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩(20mg,0.080mmol)を加え室温で一夜攪拌した。反応液にヘキサン10mlを加え、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄後、乾燥、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=19:1)で精製して(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE1 メチルエステル 11,15−ビス( t−ブチルジメチルシリルエーテル)522mgを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.18〜1.86(m,6H),2.08〜2.30(m,3H),2.17(dd,J=18.4Hz,7.3Hz,1H),2.58〜2.76(m,1H),2.67(dd,J=18.4Hz,6.9Hz,1H),3.72(s,3H),3.94〜4.10(m,2H),4.30(dd,J=13.6Hz,6.8Hz,1H),4.68〜4.79(m,1H),5.81(dt,J=15.7Hz,1.5Hz,1H),6.83〜7.04(m,4H),7.22〜7.36(m,2H)
IR(neat):2952,2931,2887,2858,2238,1748,1727,1658,1601,1589,1497,1463,1362,1251,1173,1116,1048,1007,977,940,838,780,755,692,670cm−1
【0058】
(3)上記(2)で得られた化合物(520mg,0.827mmol)のアセトニトリル27.6ml溶液にフッ化水素酸水溶液(46%)6.2mlを氷冷下で加え、同温度で2時間攪拌した。反応液を飽和重曹水200mlにあけ酢酸エチル抽出し、有機層を飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製して標記化合物270mgを得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.38〜1.86(m,6H),2.13〜2.31(m,3H),2.23(dd,J=18.5Hz,9.1Hz,1H),2.65(ddd,J=11.4Hz,8.3Hz,1.8Hz,1H),2.76(ddd,J=18.5Hz,7.6Hz,1.3Hz,1H),2.85(d,J=3.5Hz,1H),3.06(d,J=5.2Hz,1H),3.71(s,3H),4.08(dd,J=9.6Hz,6.9Hz,1H),4.14(dd,J=9.6Hz,4.0Hz,1H),4.28〜4.40(m,1H),4.75〜4.84(m,1H),5.82(dt,J=15.7Hz,1.4Hz,1H),6.88〜7.04(m,4H),7.24〜7.35(m,2H)
IR(neat):3412,2933,2861,2241,1744,1723,1656,1600,1588,1496,1456,1438,1385,1291,1246,1174,1080,1044,988,910,756,693cm−1
【0059】
実施例2
(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 の製造
実施例1で得た化合物(205mg,0.512mmol)のアセトン5.13mlおよび水5.13mlの溶液をリン酸緩衝液(10mM,pH=7)92.3mlに溶解し、リパーゼVII(2.05g)を加え、30℃で一夜攪拌した 。室温で食塩を加え塩析し酢酸エチル抽出し、乾燥、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル)で精製して標記化合物153mgを得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.32〜1.85(m,6H),2.17〜2.32(m,3H),2.23(dd,J=18.6Hz,9.2Hz,1H),2.64(ddd,J=11.4Hz,8.3Hz,1.8Hz,1H),2.75(ddd,J=18.6Hz,7.3Hz,1.3Hz,1H),2.80〜4.40(br,3H),4.08(dd,J=9.6Hz,6.8Hz,1H),4.14(dd,J=9.6Hz,3.9Hz,1H),4.29〜4.39(m,1H),4.80(ddd,J=6.8Hz,3.9Hz,1.8Hz,1H),5.82(dt,J=15.6Hz,1.4Hz,1H),6.90〜7.10(m,4H),7.25〜7.34(m,2H)
IR(neat):3392,2931,2861,2242,1740,1696,1652,1600,1588,1496,1456,1417,1291,1245,1173,1080,1045,984,885,756,693cm−1
【0060】
実施例3
(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 n−ブチルエステルの製造
(1)実施例1(1)及び(2)と同様にして(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE1 n−ブチルエステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエ ーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.88〜0.98(m,3H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.24〜1.83(m,10H),2.08〜2.32(m,3H),2.17(dd,J=18.3Hz,7.2Hz,1H),2.58〜2.75(m,1H),2.67(ddd,J=18.3Hz,6.5Hz,1.1Hz,1H),3.94〜4.07(m,2H),4.12(t,J=6.6Hz,2H),4.24〜4.36(m,1H),4.68〜4.80(m,1H),5.81(dt,J=15.7Hz,1.5Hz,1H),6.84〜7.02(m,4H),7.22〜7.33(m,2H)
IR(neat):2956,2931,2858,2240,1748,1723,1656,1601,1589,1497,1464,1385,1362,1251,1174,1117,1049,1007,978,838,780,755cm−1
【0061】
(2)実施例1(3)と同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.94(t,J=7.4Hz,3H),1.31〜1.86(m,10H),2.05〜3.10(br,2H),2.23(dd,J=18.5Hz,9.2Hz,1H),2.58〜2.82(m,3H),2.64(ddd,J=11.4Hz,8.2Hz,1.7Hz,1H),2.75(dd,J=18.5Hz,7.3Hz,1H),4.08(dd,J=9.7Hz,7.0Hz,1H),4.12(t,J=6.7Hz,2H),4.13(dd,J=9.7Hz,4.1Hz,1H),4.28〜4.39(m,1H),4.76〜4.83(m,1H),5.81(dt,J=15.7Hz,1.4Hz,1H),6.90〜7.03(m,3H),6.94(dt,J=15.7Hz,6.9Hz,1H),7.25〜7.35(m,2H)
IR(neat):3419,2934,2872,2242,1746,1717,1653,1600,1588,1496,1456,1386,1246,1175,1080,1045,985,885,756,693cm−1
【0062】
実施例4
(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 t−ブチルエステル(化合物2)の 製造
(1)実施例1(1)及び(2)と同様にして(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE1 t−ブチルエステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエ ーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.23〜1.84(m,6H),1.48(s,9H),2.05〜2.33(m,3H),2.17(dd,J=18.3Hz,7.3Hz,1H),2.58〜2.75(m,1H),2.67(ddd,J=18.3Hz,6.9Hz,1.3Hz,1H),3.94〜4.07(m,2H),4.24〜4.37(m,1H),4.70〜4.79(m,1H),5.73(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.84(dt,J=15.6Hz,6.9Hz,1H),6.85〜7.00(m,3H),7.23〜7.35(m,2H)
IR(neat):2931,2858,2241,1748,1714,1654,1601,1589,1497,1472,1463,1391,1368,1289,1251,1157,1118,1049,1007,979,838,780,755cm−1
【0063】
(2)実施例1(3)と同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.40〜1.86(
m,6H),1.48(s,9H),2.11〜2.31(m,3H),2.23(dd,J=18.6Hz,9.2Hz,1H),2.65(ddd,J=11.3Hz,8.2Hz,1.8Hz,1H),2.76(ddd,J=1.3Hz,7.3Hz,18.6Hz,1H),4.09(dd,J=9.6Hz,6.8Hz,1H),4.14(dd,J=9.6Hz,4.1Hz,1H),4.28〜4.39(m,1H),4.76〜4.83(m,1H),5.74(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.84(dt,J=15.6Hz,7.0Hz,1H),6.90〜7.03(m,3H),7.24〜7.35(m,2H)
IR(neat):3413,2978,2933,2862,2242,1746,1713,1651,1600,1589,1497,1456,1393,1369,1318,1246,1158,1081,1046,986,851,756,693cm−1
【0064】
実施例5
(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 シクロヘキシルエステル(化合物3 )の製造
(1)実施例1(1)及び(2)と同様にして(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE1 シクロヘキシルエステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリ ルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.20〜1.96(m,16H),2.12〜2.26(m,3H),2.17(dd,J=18.3Hz,7.3Hz,1H),2.60〜2.74(m,2H),3.95〜4.08(m,2H),4.25〜4.35(m,1H),4.71〜4.78(m,1H),4.80(quint,J=4.8Hz,1H),5.79(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.85〜7.00(m,4H),7.23〜7.33(m,2H)
IR(neat):2932,2858,2240,1748,1718,1655,1601,1589,1497,1472,1464,1251,1175,1119,1045,1021,978,940,838,780,754,691,670cm−1
【0065】
(2)実施例1(3)と同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.18〜1.91(m,16H),2.13〜2.30(m,3H),2.23(dd,J=18.5Hz,9.1Hz,1H),2.30〜3.06(br,2H),2.65(ddd,J=11.4Hz,8.3Hz,1.8Hz,1H),2.75(ddd,J=18.5Hz,7.3Hz,1.2Hz,1H),4.08(dd,J=9.6Hz,6.9Hz,1H),4.14(dd,J=9.6Hz,4.0Hz,1H),4.30〜4.38(m,1H),4.74〜4.84(m,2H),5.80(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.88〜7.02(m,4H),7.27〜7.33(m,2H)
IR(neat):3419,2937,2860,2241,1744,1714,1653,1600,1588,1497,1455,1374,1246,1175,1080,1044,1020,989,912,756,693,510cm−1
【0066】
実施例6
(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 シクロペンチルエステルの製造
(1)実施例1(1)及び(2)と同様にして(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE1 シクロペンチルエステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリ ルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.12(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.90(s,9H),0.91(s,9H),1.18〜1.97(m,14H),2.08〜2.28(m,3H),2.18(dd,J=18.2Hz,7.3Hz,1H),2.59〜2.76(m,1H),2.67(ddd,J=18.2Hz,6.9Hz,1.3Hz,1H),3.99(dd,J=9.6Hz,6.8Hz,1H),4.05(dd,J=9.6Hz,5.3Hz,1H),4.24〜4.36(m,1H),4.75(ddd,J=6.8Hz,5.3Hz,1.7Hz,1H),5.15〜5.25(m,1H),5.78(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.82〜7.00(m,4H),7.19〜7.35(m,2H)
IR(neat):2954,2931,2885,2858,2240,1748,1717,1655,1601,1589,1497,1472,1464,1362,1251,1163,1115,1006,1049,978,838,780,754,691,670cm−1
【0067】
(2)実施例1(3)と同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δppm;1.37〜1.93(m,14H),2.14〜2.29(m,3H),2.22(dd,J=18.5Hz,9.2Hz,1H),2.50〜3.70(br,2H),2.64(ddd,J=11.4Hz,8.3Hz,1.8Hz,1H),2.75(ddd,J=18.5Hz,7.3Hz,1.0Hz,1H),4.06(dd,J=9.6Hz,6.9Hz,1H),4.17(dd,J=9.6Hz,3.9Hz,1H),4.34(ddd,J=9.2Hz,8.3Hz,7.3Hz,1H),4.79(ddd,J=6.9Hz,3.9Hz,1.8Hz,1H),5.15〜5.23(m,1H),5.78(dt,J=15.7Hz,1.4Hz,1H),6.86〜7.02(m,4H),7.25〜7.33(m,2H)
IR(neat):3412,2938,2872,2242,1745,1713,1652,1600,1588,1497,1455,1367,1325,1289,1246,1165,1081,1045,992,756,693cm−1
【0068】
実施例7
(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 イソプロピルエステルの製造
(1)実施例1(1)及び(2)と同様にして(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE1 イソプロピルエステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリル エーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.18〜1.90(m,6H),1.26(d,J=6.2Hz,6H),2.08〜2.28(m,3H),2.16(dd,J=18.3Hz,7.2Hz,1H),2.59〜2.75(m,1H),2.67(ddd,J=18.3Hz,6.8Hz,1.4Hz,1H),3.93〜4.09(m,2H),4.22〜4.36(m,1H),,4.75(ddd,J=6.8Hz,5.2Hz,1.6Hz,1H),5.04(sept,J=6.2Hz,1H),5.79(dt,J=15.6Hz,1.4Hz,1H),6.82〜7.01(m,4H),7.20〜7.35(m,2H)
IR(neat):2931,2886,2858,2241,1748,1718,1655,1601,1589,1497,1472,1374,1362,1251,1175,1112,1050,979,838,780,755,692,670cm−1
【0069】
(2)実施例1(3)と同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;1.25(d,J=6
.2Hz,6H),1.40〜1.90(m,6H),2.12〜2.34(m,3H),2.30(dd,J=18.6Hz,9.2Hz,1H),2.35〜2.75(br,2H),2.64(m,1H),2.75(ddd,J=18.6Hz,7.4Hz,1.1Hz,1H),4.07(dd,J=9.6Hz,6.4Hz,1H),4.15(dd,J=9.6Hz,4.2Hz,1H),4.26〜4.42(m,1H),4.79(ddd,J=6.4Hz,4.2Hz,1.8Hz,1H),5.04(sept,J=6.2Hz,1H),5.79(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.82〜7.07(m,4H),7.23〜7.38(m,2H)
IR(neat):3413,2981,2935,2862,2242,1745,1713,1653,1600,1588,1497,1456,1374,1290,1246,1176,1109,1081,1046,990,756,693cm−1
【0070】
実施例8
(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 2,4−ジメチル−3−ペンチルエ ステルの製造
(1)実施例1(1)及び(2)と同様にして(2E)−16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE1 2,4−ジメチル−3−ペンチルエステル 11,15−ビス(t−ブ チルジメチルシリルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.12(s,3H),0.14(s,3H),0.15(s,3H),0.87(d,J=6.6Hz,6H),0.89(d,J=6.6Hz,6H),0.90(s,9H),0.91(s,9H),1.15〜1.81(m,6H),1.92(oct,J=6.6Hz,2H),2.10〜2.29(m,3H),2.17(dd,J=18.1Hz,7.3Hz,1H),2.58〜2.79(m,1H),2.67(dd,J=18.1Hz,8.1Hz,1H),3.96〜4.09(m,2H),4.30(dd,J=13.8Hz,7.0Hz,1H),4.64(t,J=6.0Hz,1H),4.69〜4.80(m,1H),5.84(dt,J=15.4Hz,1.2Hz,1H),6.83〜7.03(m,4H),7.20〜7.34(m,2H)
IR(neat):2960,2931,2858,2240,1748,1718,1655,1601,1589,1497,1464,1386,1371,1250,1174,1116,1049,1006,979,939,837,779,754,691,670cm−1
【0071】
(2)実施例1(3)と同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;0.87(d,J=6.6Hz,6H),0.88(d,J=6.6Hz,6H),1.36〜1.90(m,6H),1.92(oct.J=6.6Hz,2H),2.16〜2.30(m,3H),2.23(dd,J=18.5Hz,9.2Hz,1H),2.48(br s,2H),2.64(ddd,J=11.4Hz,8.3Hz,1.8Hz,1H),2.75(ddd,J=18.5Hz,7.3Hz,1.2Hz,1H),4.08(dd,J=9.6Hz,6.9Hz,1H),4.14(dd,J=9.6Hz,4.2Hz,1H),4.28〜4.39(m,1H),4.64(t,J=6.6Hz,1H),4.79(ddd,J=6.9Hz,4.2Hz,1.8Hz,1H),5.84(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.89〜7.06(m,4H),7.25〜7.34(m,2H)
IR(neat):3401,2966,2933,2875,2242,1746,1715,1652,1600,1589,1496,1463,1387,1371,1246,1175,1134,1080,1046,989,934,902,755,692,593cm−1
【0072】
実施例9
(2E,15RS)−16−(4’−フルオロフェノキシ)−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 メチ ルエステルの製造
(1)製造例1で得た化合物の代わりに製造例2で得た化合物を用い、実施例1(1)と実質的に同様にして(3R,4R)−2−メチレン−3−[(3’RS)−3’−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4’−(4”−フルオロフェノキシ)ブタ−1’−イニル]−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シクロペンタン−1−オンを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.90(s,9H),0.91(s,9H),2.34(dd,J=18.0Hz,7.7Hz,1H),2.72(dd,J=18.0Hz,6.6Hz,1H),3.51〜3.59(m,1H),3.93〜4.06(m,2H),4.23〜4.34(m,1H),4.72〜4.80(m,1H),5.56(d,J=2.4Hz,1H),6.15(d,J=3.1Hz,1H),6.78〜7.03(m,4H)
IR(neat):2955,2931,2887,2858,2242,1737,1645,1508,1473,1389,1363,1293,1253,1222,1117,1048,1007,976,950,908,838,780,755,671,513cm−1
【0073】
(2)(1)で得た化合物を用い、実施例1(2)と実質的に同様にして(2E,15RS)−16−(4’−フルオロフェノキシ)−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE1 メチルエステ ル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.09(s,3H),0.11(s,3H),0.12 and 0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.32〜1.88(m,6H),2.09〜2.28(m,3H),2.18(dd,J=18.4Hz,7.3Hz,1H),2.61〜2.74(m,2H),3.72(s,3H),3.92〜4.05(m,2H),4.28〜4.35(m,1H),4.68〜4.76(m,1H),5.81(dt,J=15.7Hz,1.5Hz,1H),6.79〜7.02(m,5H)
IR(neat):2953,2931,2858,2241,1748,1728,1659,1507,1472,1464,1437,1362,1253,1210,1116,1046,1007,977,838,780,754,670,513cm−1
【0074】
(3)(2)で得た化合物を用い、実施例1(3)と実質的に同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.36〜1.86(m,6H),2.15〜2.31(m,3H),2.24(dd,J=18.6Hz,9.0Hz,1H),2.64(br s,1H),2.66(ddd,J=10.6Hz,8.5Hz,1.6Hz,1H),2.76(ddd,J=18.6Hz,7.3Hz,1.2Hz,1H),2.93(br s,1H),3.72(s,3H),4.03(dd,J=9.5Hz,7.0Hz,1H),4.09(dd,J=9.5Hz,3.9Hz,1H),4.31〜4.40(m,1H),4.75〜4.81(m,1H),5.81(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.84〜7.03(m,5H)
IR(neat):3426,2935,2862,2242,1744,1724,1657,1508,1438,1250,1208,1084,1044,832,752,515cm−1
【0075】
実施例10
(2E,15RS)−16−(4’−クロロフェノキシ)−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 メチル エステルの製造
(1)製造例1で得た化合物の代わりに製造例3で得た化合物を用い、実施例1(1)と実質的に同様にして(3R,4R)−2−メチレン−3−[(3’RS)−3’−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4’−(4”−クロロフェノキシ)ブタ−1’−イニル]−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シクロペンタン−1−オンを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.14(s,6H),0.90(s,9H),0.91(s,9H),2.34(dd,J=18.0Hz,7.7Hz,1H),2.72(dd,J=18.0Hz,6.6Hz,1H),3.51〜3.58(m,1H),3.95〜4.08(m,2H),4.23〜4.34(m,1H),4.72〜4.80(m,1H),5.55(d,J=2.9Hz,1H),6.15(d,J=3.1Hz,1H),6.78〜6.86(m,2H),7.19〜7.26(m,2H)
IR(neat):2955,2930,2886,2858,2242,1737,1644,1598,1583,1493,1472,1389,1362,1287,1250,1224,1171,1116,1045,1007,975,950,908,838,780,672,506cm−1
【0076】
(2)(1)で得た化合物を用い、実施例1(2)と実質的に同様にして(2E,15RS)−16−(4’−クロロフェノキシ)−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE1 メチルエステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.89(s,9H),0.90(s,9H),1.34〜1.88(m,6H),2.10〜2.28(m,3H),2.18(dd,J=18.2Hz,7.2Hz,1H),2.61〜2.74(m,2H),3.72(s,3H),3.92〜4.05(m,2H),4.24〜4.35(m,1H),4.68〜4.76(m,1H),5.82(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.78〜6.86(m,2H),6.95(dt,J=15.6Hz,7.0Hz,1H),7.19〜7.26(m,2H)
IR(neat):2953,2931,2858,2240,1748,1727,1658,1598,1583,1493,1464,1437,1362,1250,1171,1117,1044,1007,977,838,780,669,507cm−1
【0077】
(3)(2)で得た化合物を用い、実施例1(3)と実質的に同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.36〜1.87(m,6H),2.16〜2.30(m,3H),2.24(dd,J=18.5Hz,9.0Hz,1H),2.24〜2.62(br,2H),2.62〜2.69(m,1H),2.76(ddd,J=18.6Hz,7.3Hz,1.2Hz,1H),3.72(s,3H),4.04(dd,J=9.6Hz,7.0Hz,1H),4.10(dd,J=9.6Hz,3.8Hz,1H),4.30〜4.39(m,1H),4.77〜4.81(m,1H),5.82(dt,J=15.7Hz,1.5Hz,1H),6.84〜6.89(m,2H),6.95(dt,J=15.7Hz,7.0Hz,1H),7.23〜7.28(m,2H)
IR(neat):3426,2936,2861,2241,1741,1724,1657,1597,1583,1494,1438,1374,1283,1245,1173,1091,1043,1007,828,722,668,509cm−1
【0078】
実施例11
(2E,15RS)−16−(4’−メチルフェノキシ)−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 メチル エステルの製造
(1)製造例1で得た化合物の代わりに製造例4で得た化合物を用い、実施例1(1)と実質的に同様にして(3R,4R)−2−メチレン−3−[(3’RS)−3’−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4’−(4”−メチルフェノキシ)ブタ−1’−イニル]−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シクロペンタン−1−オンを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.12(s,3H),0.14(s,6H),0.90(s,9H),0.91(s,9H),2.28(s,3H),2.33(dd,J=18.0Hz,7.7Hz,1H),2.71(dd,J=18.0Hz,6.6Hz,1H),3.51〜3.58(m,1H),3.95〜4.08(m,2H),4.23〜4.34(m,1H),4.72〜4.80(m,1H),5.56(d,J=2.6Hz,1H),6.15(d,J=3.1Hz,1H),6.75〜6.82(m,2H),7.03〜7.11(m,2H)
IR(neat):2955,2930,2886,2858,2241,1737,1644,1615,1587,1512,1472,1389,1362,1291,1250,1223,1177,1117,1051,1007,976,948,908,838,817,780,671,573,509cm−1
【0079】
(2)(1)で得た化合物を用い、実施例1(2)と実質的に同様にして(2E,15RS)−16−(4’−メチルフェノキシ)−2,3,13,14−テトラデヒドロ−17,18,19,20−テトラノル−PGE1 メチルエステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.33〜1.88(m,6H),2.09〜2.31(m,3H),2.17(dd,J=18.3Hz,7.2Hz,1H),2.28(s,3H),2.60〜2.73(m,2H),3.72(s,3H),3.92〜4.05(m,2H),4.24〜4.35(m,1H),4.69〜4.76(m,1H),5.81(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.75〜6.82(m,2H),6.95(dt,J=15.6Hz,6.9Hz,1H),7.04〜7.11(m,2H)
IR(neat):2952,2930,2858,2240,1748,1728,1658,1615,1511,1463,1437,1362,1250,1176,1115,1049,1007,977,839,780,670,510cm−1
【0080】
(3)(2)で得た化合物を用い、実施例1(3)と実質的に同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.36〜1.86(m,6H),1.96〜2.52(br,2H),2.14〜2.32(m,3H),2.23(dd,J=18.5Hz,9.1Hz,1H),2.29(s,3H),2.59〜2.69(m,1H),2.75(dd,J=18.5Hz,7.1Hz,1H),3.72(s,3H),4.01〜4.07(m,1H),4.11(dd,J=9.7Hz,3.9Hz,1H),4.29〜4.38(m,1H),4.75〜4.80(m,1H),5.82(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.80〜6.86(m,2H),6.95(dt,J=15.6Hz,7.3Hz,1H),7.06〜7.12(m,2H)
IR(neat):3413,3018,2932,2862,2241,1744,1724,1657,1615,1587,1511,1438,1290,1244,1178,1084,1043,986,909,819,756,667,512cm−1
【0081】
実施例12
(2E,15RS)−16−(4’−トリフルオロメチルフェノキシ)−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 メチルエステルの製造
(1)製造例1で得た化合物の代わりに製造例5で得た化合物を用い、実施例1(1)と実質的に同様にして(3R,4R)−2−メチレン−3−[(3’RS)−3’−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4’−(4”−トリフルオロメチルフェノキシ)ブタ−1’−イニル]−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シクロペンタン−1−オンを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.11(s,3H),0.12(s,3H),0.14(s,3H),0.15(s,3H),0.90(s,18H),2.34(dd,J=18.0Hz,7.7Hz,1H),2.72(dd,J=18.0Hz,6.6Hz,1H),3.52〜3.59(m,1H),4.02〜4.15(m,2H),4.23〜4.34(m,1H),4.75〜4.83(m,1H),5.55(d,J=2.7Hz,1H),6.16(d,J=3.1Hz,1H),6.92〜6.99(m,2H),7.51〜7.58(m,2H)
IR(neat):2956,2931,2887,2859,2241,1737,1644,1616,1592,1520,1473,1363,1330,1260,1163,1122,1071,1039,1010,975,908,837,780,671,628,594cm−1
【0082】
(2)(1)で得た化合物を用い、実施例1(2)と実質的に同様にして(2E,15RS)−16−(4’−トリフルオロメチルフェノキシ)−2,3,13,14−テトラデヒドロ−17,18,19,20−テトラノル−PGE1 メ チルエステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエーテル)を得た。 1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.89(s,9H),0.90(s,9H),1.32〜1.87(m,6H),2.11〜2.28(m,3H),2.18(dd,J=18.2Hz,7.3Hz,1H),2.61〜2.74(m,2H),3.72(s,3H),4.06(d,J=5.4Hz,2H),4.25〜4.35(m,1H),4.72〜4.79(m,1H),5.82(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.95(dt,J=15.6Hz,7.0Hz,1H),6.90〜6.99(m,2H),7.50〜7.59(m,2H)
IR(neat):2953,2931,2859,2241,1748,1727,1659,1616,1592,1520,1473,1464,1437,1330,1311,1260,1163,1121,1071,1039,1010,977,838,812,780,670,638,595cm−1
【0083】
(3)(2)で得た化合物を用い、実施例1(3)と実質的に同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.38〜1.87(m,6H),2.12〜2.31(m,3H),2.22〜3.18(br,2H),2.24(dd,J=18.5Hz,9.0Hz,1H),2.67(ddd,J=11.4Hz,8.1Hz,1.8Hz,1H),2.77(ddd,J=18.6Hz,7.3Hz,1.2Hz,1H),3.71(s,3H),4.12(dd,J=9.6Hz,6.7Hz,1H),4.17(dd,J=9.6Hz,4.0Hz,1H),4.31〜4.40(m,1H),4.83(ddd,J=6.7Hz,4.0Hz,1.8Hz,1H),5.83(dt,J=15.7Hz,1.5Hz,1H),6.90〜7.03(m,3H),7.54〜7.60(m,2H)
IR(neat):3412,2937,2862,2242,1745,1724,1657,1615,1592,1520,1439,1331,1260,1163,1114,1070,1037,1011,839,758,667,638,595cm−1
【0084】
実施例13
(2E)−16−(3’−トリフルオロメチルフェノキシ)−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 メチ ルエステルの製造
(1)製造例1で得た化合物の代わりに製造例6で得た化合物を用い、実施例1(1)と実質的に同様にして(3R,4R)−2−メチレン−3−[(3’R)−3’−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4’−(3”−トリフルオロメチルフェノキシ)ブタ−1’−イニル]−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シクロペンタン−1−オンを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.11(s,3H),0.12(s,3H),0.14(s,3H),0.15(s,3H),0.90(s,18H),2.34(dd,J=18.0Hz,7.8Hz,1H),2.72(dd,J=18.0Hz,6.6Hz,1H),3.52〜3.59(m,1H),4.01〜4.14(m,2H),4.24〜4.35(m,1H),4.76〜4.83(m,1H),5.56(d,J=2.6Hz,1H),6.16(d,J=3.1Hz,1H),7.04〜7.43(m,4H)
IR(neat):2955,2931,2887,2859,2242,1737,1645,1594,1494,1449,1390,1330,1286,1254,1224,1170,1129,1068,1047,1007,976,838,781,748,698,671cm−1
【0085】
(2)(1)で得た化合物を用い、実施例1(2)と実質的に同様にして(2E)−16−(3’−トリフルオロメチルフェノキシ)−2,3,13,14−テトラデヒドロ−17,18,19,20−テトラノル−PGE1 メチルエステ ル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.13(s,3H),0.15(s,3H),0.89(s,9H),0.90(s,9H),1.32〜1.89(m,6H),2.10〜2.29(m,3H),2.18(dd,J=18.3Hz,7.4Hz,1H),2.61〜2.74(m,2H),3.72(s,3H),3.97〜4.12(m,2H),4.25〜4.36(m,1H),4.72〜4.79(m,1H),5.80(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.95(dt,J=15.6Hz,7.0Hz,1H),7.03〜7.43(m,4H)
IR(neat):2953,2932,2859,2241,1748,1728,1659,1593,1494,1463,1449,1330,1252,1170,1129,1068,1045,1007,978,880,839,813,781,746,698,670cm−1
【0086】
(3)(2)で得た化合物を用い、実施例1(3)と実質的に同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.37〜1.86(m,6H),2.15〜2.31(m,3H),2.24(dd,J=18.5Hz,9.0Hz,1H),2.36〜3.18(br s,2H),2.66(ddd,J=11.3Hz,8.2Hz,1.8Hz,1H),2.77(ddd,J=18.6Hz,7.3Hz,1.2Hz,1H),3.71(s,3H),4.11(dd,J=9.6Hz,6.8Hz,1H),4.17(dd,J=9.6Hz,4.0Hz,1H),4.32〜4.40(m,1H),4.82(ddd,J=6.8Hz,4.0Hz,1.8Hz,1H),5.82(dt,J=15.6Hz,1.5Hz,1H),6.95(dt,J=15.6Hz,7.1Hz,1H),7.10〜7.44(m,4H)
IR(neat):3426,2937,2242,1741,1726,1658,1593,1494,1451,1375,1331,1285,1243,1168,1127,1098,1068,1045,914,794,749,700,659cm−1
【0087】
実施例14
(2E,15RS)−16−(4’−メトキシフェノキシ)−17,18,1 9,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 メチ ルエステルの製造
(1)製造例1で得た化合物の代わりに製造例7で得た化合物を用い、実施例1(1)と実質的に同様にして(3R,4R)−2−メチレン−3−[(3’RS)−3’−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4’−(4”−メトキシフェノキシ)ブタ−1’−イニル]−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シクロペンタン−1−オンを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.12(s,3H),0.14(s,6H),0.90(s,9H),0.91(s,9H),2.33(dd,J=18.0Hz,7.7Hz,1H),2.71(dd,J=18.0Hz,6.6Hz,1H),3.51〜3.58(m,1H),3.77(s,3H),3.92〜4.06(m,2H),4.23〜4.34(m,1H),4.71〜4.79(m,1H),5.56(d,J=2.7Hz,1H),6.15(d,J=3.1Hz,1H),6.83(s,4H)
IR(neat):2955,2930,2887,2858,2241,1736,1645,1510,1472,1389,1362,1287,1251,1234,1182,1114,1051,1007,975,942,908,838,780,739,671,523cm−1
【0088】
(2)(1)で得た化合物を用い、実施例1(2)と実質的に同様にして(2E,15RS)−16−(4’−メトキシフェノキシ)−2,3,13,14−テトラデヒドロ−17,18,19,20−テトラノル−PGE1 メチルエステ ル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.11(s,3H),0.14(s,6H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.32〜1.86(m,6H),2.10〜2.27(m,3H),2.17(dd,J=18.2Hz,7.2Hz,1H),2.60〜2.74(m,2H),3.72(s,3H),3.77(s,3H),3.90〜4.03(m,2H),4.24〜4.35(m,1H),4.67〜4.75(m,1H),5.81(dt,J=15.7Hz,1.5Hz,1H),6.82(s,4H),6.95(dt,J=15.7Hz,6.9Hz,1H)
IR(neat):2952,2931,2858,2239,1748,1727,1658,1509,1464,1438,1362,1251,1234,1110,1050,1007,977,838,780,738,670cm−1
【0089】
(3)(2)で得た化合物を用い、実施例1(3)と実質的に同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.38〜1.86(m,6H),1.90〜3.25(br,2H),2.14〜2.30(m,3H),2.23(dd,J=18.5Hz,9.1Hz,1H),2.58〜2.70(m,1H),2.75(dd,J=18.5Hz,7.3Hz,1H),3.72(s,3H),3.77(s,3H),3.98〜4.04(m,1H),4.08(dd,J=9.6Hz,3.9Hz,1H),4.29〜4.38(m,1H),4.74〜4.79(m,1H),5.82(dt,J=15.7Hz,1.5Hz,1H),6.81〜7.00(m,5H)
IR(neat):3429,2935,2861,2242,1743,1724,1657,1510,1440,1275,1234,1181,1083,1045,828,742,523cm−1
【0090】
実施例15
(2E,15RS)−16−(4’−ビフェニルオキシ)−17,18,19,20−テトラノル−2,3,13,14−テトラデヒドロ−PGE 1 メチル エステルの製造
(1)製造例1で得た化合物の代わりに製造例8で得た化合物を用い、実施例1(1)と実質的に同様にして(3R,4R)−2−メチレン−3−[(3’RS)−3’−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4’−ビフェニルオキシブタ−1’−イニル]−4−(t−ブチルジメチルシロキシ)シクロペンタン−1−オンを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.11(s,3H),0.14(s,3H),0.15(s,3H),0.16(s,3H),0.90(s,9H),0.92(s,9H),2.34(dd,J=17.9Hz,7.7Hz,1H),2.72(dd,J=17.9Hz,6.6Hz,1H),3.53〜3.60(m,1H),4.02〜4.15(m,2H),4.25〜4.35(m,1H),4.76〜4.84(m,1H),5.57(d,J=2.7Hz,1H),6.16(d,J=3.0Hz,1H),6.93〜7.00(m,2H),7.28〜7.57(m,7H)
IR(neat):3033,2955,2930,2886,2858,2241,1736,1644,1610,1520,1489,1472,1388,1362,1291,1251,1224,1176,1114,1051,1006,976,941,909,837,780,763,719,698,671,602cm−1
【0091】
(2)(1)で得た化合物を用い、実施例1(2)と実質的に同様にして(2E,15RS)−16−(4’−ビフェニルオキシ)−2,3,13,14−テトラデヒドロ−17,18,19,20−テトラノル−PGE1 メチルエステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.13(s,3H),0.14(s,3H),0.16(s,3H),0.90(s,9H),0.92(s,9H),1.34〜1.88(m,6H),2.10〜2.28(m,3H),2.18(dd,J=18.4Hz,7.2Hz,1H),2.61〜2.74(m,2H),3.71(s,3H),3.99〜4.13(m,2H),4.26〜4.37(m,1H),4.73〜4.81(m,1H),5.81(dt,J=15.7Hz,1.5Hz,1H),6.82〜7.02(m,3H),7.29〜7.57(m,7H)
IR(neat):2952,2930,2858,2240,1748,1727,1658,1610,1520,1489,1463,1436,1362,1270,1251,1176,1115,1050,1006,977,837,812,780,764,719,699,670,602cm−1
【0092】
(3)(2)で得た化合物を用い、実施例1(3)と実質的に同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.38〜1.86(
m,6H),2.17〜2.31(m,3H),2.24(dd,J=18.6Hz,9.2Hz,1H),2.63〜2.69(m,1H),2.76(dd,J=18.6Hz,7.4Hz,1H),2.81(br s,1H),3.05(br s,1H),3.71(s,3H),4.12(dd,J=9.6Hz,7.0Hz,1H),4.18(dd,J=9.6Hz,3.9Hz,1H),4.31〜4.40(m,1H),4.79〜4.86(m,1H),5.82(dt,J=15.7Hz,1.5Hz,1H),6.90〜7.03(m,3H),7.28〜7.56(m,7H)
IR(neat):3412,3030,2934,2861,2242,1745,1723,1657,1610,1585,1520,1488,1455,1438,1315,1290,1271,1247,1177,1080,1047,910,836,763,699,667,600,551cm−1
【0093】
実施例16
16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−PGE 1 メチルエステル(化合物4)の製造
(1)アルゴン気流下、−60℃において5−カルボメトキシ−4−ペンチニル亜鉛(II)ヨージド(0.64M,テトラヒドロフラン溶液,5.0ml,3.20mmol)にシアン化銅(I)・2塩化リチウム(1.0M,テトラヒドロフラン溶液,4.00ml,4.00mmol)を加え同温度で15分間攪拌した。この溶液に−60℃で実施例1(1)で得た化合物(801mg,1.60mmol)のジエチルエーテル5.6mlの溶液とクロロトリメチルシラン(0.37ml,2.88mmol)を加え、攪拌しながら約1.5時間かけて0℃まで昇温した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液24mlを加え、ヘキサン抽出した。有機層を飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄後、乾燥、濃縮して得られた残渣を2−プロパノール(6.4ml)−ジエチルエーテル(1.6ml)に溶解し、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩(20mg,0.080mmol)を加え室温で一夜攪拌した。反応液にヘキサン10mlを加え、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄後、乾燥、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=19:1)で精製して16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−PGE1 メチルエステル 11,15−ビス(t−ブ チルジメチルシリルエーテル)493mgを得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.12(s,3H),0.14(s,3H),0.15(s,3H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.20〜1.86(m,6H),2.13〜2.39(m,3H),2.18(dd,J=18.2Hz,7.2Hz,1H),2.58〜2.76(m,2H),3.74(s,3H),3.95〜4.08(m,2H),4.23〜4.37(m,1H),4.70〜4.80(m,1H),6.85〜7.02(m,3H),7.22〜7.35(m,2H)
IR(neat):2953,2931,2886,2858,2238,1748,1718,1601,1497,1463,1435,1362,1255,1116,1079,1050,1007,975,838,780,754,692,670cm−1
【0094】
(2)上記(1)で得られた化合物(465mg,0.742mmol)のアセトニトリル24.7ml溶液にフッ化水素酸水溶液(46%)5.6mlを氷冷下で加え、同温度で2時間攪拌した。反応液を飽和重曹水170mlにあけ酢酸エチル抽出し、有機層を飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製して標記化合物247mgを得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.48〜1.88(m,6H),2.18〜2.37(m,1H),2.24(dd,J=18.6Hz,9.0Hz,1H),2.33(t,J=6.5Hz,2H),2.67(ddd,J=11.3Hz,8.1Hz,1.8Hz,1H),2.76(ddd,J=18.6Hz,7.3Hz,1.3Hz,1H),2.82(d,J=3.6Hz,1H),2.96(d,J=5.2Hz,1H),3.74(s,3H),4.09(dd,J=9.6Hz,6.9Hz,1H),4.14(dd,J=9.6Hz,4.0Hz,1H),4.30〜4.41(m,1H),4.76〜4.84(m,1H),6.91〜7.06(m,3H),7.25〜7.35(m,2H)
IR(neat):3412,3016,2944,2866,2237,1745,1714,1600,1588,1496,1456,1436,1385,1260,1154,1079,1046,909,755,693,667cm−1
【0095】
実施例17
16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−PGE 1 シクロヘキシルエステルの製造
(1)5−カルボメトキシ−4−ペンチニル亜鉛(II)ヨージドの代わりに5−カルボシクロヘキシルオキシ−4−ペンチニル亜鉛(II)ヨージドを用い、実質的に実施例16(1)と同様にして16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−PGE1 シク ロヘキシル エステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.12(s,3H),0.14(s,3H),0.15(s,3H),0.90(s,9H),0.91(s,9H),1.18〜1.97(m,16H),2.13〜2.38(m,3H),2.18(dd,J=18.2Hz,7.2Hz,1H),2.58〜2.76(m,2H),3.95〜4.08(m,2H),4.23〜4.37(m,1H),4.67〜4.90(m,2H),6.83〜7.00(m,3H),7.21〜7.35(m,2H)
IR(neat):2931,2859,2236,1748,1707,1642,1601,1497,1463,1385,1252,1114,1077,1012,977,838,780,754,692cm−1
【0096】
(2)(1)で得た化合物を用い、実施例16(2)と同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.15〜1.94(m,16H),2.15〜2.82(br,2H),2.22〜2.35(m,1H),2.24(dd,J=18.5Hz,8.9Hz,1H),2.32(t,J=6.5Hz,2H),2.67(ddd,J=10.1Hz,8.1Hz,1.8Hz,1H),2.76(ddd,J=18.7Hz,7.4Hz,1.3Hz,1H),4.09(dd,J=9.6Hz,7.0Hz,1H),4.15(dd,J=9.6Hz,4.1Hz,1H),4.30〜4.40(m,1H),4.75〜4.88(m,2H),6.90〜7.03(m,3H),7.25〜7.35(m,2H)
IR(neat):3401,2938,2861,2235,1745,1703,1600,1496,1455,1385,1253,1174,1077,1045,1012,909,754,692cm−1
【0097】
実施例18
16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−PGE 1 t−ブチルエステル(化合物5)の製 造
(1)5−カルボメトキシ−4−ペンチニル亜鉛(II)ヨージドの代わりに5−カルボt−ブトキシ−4−ペンチニル亜鉛(II)ヨージドを用い、実質的に実施例16(1)と同様にして16−フェノキシ−17,18,19,20−テトラノル−2,2,3,3,13,14−ヘキサデヒドロ−PGE1 t−ブチルエ ステル 11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルエーテル)を得た。
1H−NMR(CDCl3,200MHz)δppm;0.10(s,3H),0.12(s,3H),0.13(s,3H),0.15(s,3H),0.89(s,9H),0.91(s,9H),1.20〜1.86(m,6H),1.49(s,9H),2.13〜2.37(m,3H),2.18(dd,J=18.2Hz,7.2Hz,1H),2.58〜2.76(m,2H),3.95〜4.10(m,2H),4.24〜4.37(m,1H),4.70〜4.80(m,1H),6.84〜7.00(m,3H),7.22〜7.34(m,2H)
IR(neat):2953,2931,2858,2237,1748,1708,1601,1589,1497,1472,1463,1385,1370,1277,1256,1162,1116,1078,1050,976,838,809,780,754,692,670cm−1
【0098】
(2)(1)で得た化合物を用い、実施例16(2)と同様にして標記化合物を得た。
1H−NMR(CDCl3,300MHz)δppm;1.48(s,9H),1.50〜1.86(m,6H),2.20〜2.34(m,1H),2.25(dd,J=18.6Hz,9.0Hz,1H),2.30(t,J=6.5Hz,2H),2.35〜3.10(br,2H),2.68(ddd,J=9.9Hz,8.0Hz,1.8Hz,1H),2.76(ddd,J=18.6Hz,7.3Hz,1.3Hz,1H),4.09(dd,J=9.6Hz,6.5Hz,1H),4.15(dd,J=9.6Hz,4.1Hz,1H),4.30〜4.40(m,1H),4.80(ddd,J=6.7Hz,4.1Hz,1.8Hz,1H),6.90〜7.02(m,3H),7.25〜7.35(m,2H)
IR(neat):3400,2980,2933,2866,2236,1746,1704,1600,1589,1496,1456,1429,1395,1385,1370,1279,1248,1160,1127,1079,1045,844,802,756,693,512cm−1
【0099】
Claims (1)
- 式
[式中、Aはビニレン基またはエチニレン基を示し、R1は水素原子、炭素原子数1〜8個のアルキル基、炭素原子数3〜8個のシクロアルキル基、炭素原子数1〜4個のアルキル基1個〜3個で置換された炭素原子数3〜6個のシクロアルキル基または当該置換された炭素原子数1〜4個のアルキル基が架橋して環を形成し、多環式炭化水素になっている炭素原子数3〜6個のシクロアルキル基を示し、R2は水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基、フェニル基または「ハロゲン原子で置換されたフェニル基」を示し、R3およびR4はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、炭素原子数1〜4個のアルキル基または炭素原子数1〜4個のアルコキシ基を示す。]で表されるプロスタグランジンE1類縁体及びその塩。
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