JP3587104B2 - ガラス板の加工機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)用ガラス基板等として使用する薄板ガラス(厚み0.3〜1.1mm、通常四角形状)の縁を研削加工又はその隅部を隅取り加工するガラス板の加工機械に関する。
【0002】
更に詳しくは、本発明は、上記のような薄板ガラスを水平にしてその対向両縁内側をコンベアベルト等により挟持して直進搬送し、これら対向両縁外に配設した加工装置により、薄板ガラスの両縁を同時に研削加工し又は薄板ガラスの前後両隅部を同時に隅取り(コーナーカット)をするガラス板の加工機械に係る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近時、液晶ディスプレイの大型化に伴い、そのガラス基板の寸法は、次第に大きく(1200mm×1200mm)なる一方、逆にその厚みは薄くなり、このため、その縁の研削加工に際し、ガラス板を両側で挟持して水平搬送する際、ガラス板は、その自重で、また両側からの研削荷重で押されて中央で下向に撓み、加工する縁で傾き、要求する形状に研削、隅取り加工するのが困難となる。
【0004】
そこで、コンベアベルト間の中間部にガラス板の進行方向に沿ってフリーローラを並べて設け、ガラス板の移動に従ってこれらフリーローラによりその下面の中央部を受けて支持するガラス板加工機械が提案されている。
【0005】
しかし、このフリーローラによりガラス板の下面の中央部を支持しても、これらフリーローラの回転抵抗及びこの回転抵抗に基づくフリーローラとガラス板との間の摺動抵抗とによりガラス板が精度よく搬送されない虞があり、従って加工精度が悪くなる。
【0006】
精度ある加工を得るには、ガラス板は精確に直進搬送されなければならないが、ガラス板の両縁部を挟持して搬送する両側のコンベアベルトは、製作精度、掛け回し張力等で相互に同一条件となっていないため、それぞれを機械的、電気的に同期走行させても、ガラス板の両縁部の搬送速度に相違が生じ、ガラス板は精確に直進搬送され難くなり、斯かる状況下で、上記のようなフリーローラの回転抵抗に基づく摺動抵抗が加わると、ガラス板は、結局、直進搬送されなくなり跛行送りされることになり、このためガラス板は傾いたり微少ではあるが反ったりして送られる結果、良質な研削加工、精度ある隅取りが行われなくなる。
【0007】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、上記のような不都合を生じないようにして、良質な研削加工、精度ある隅取りを行い得るガラス板加工機械を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様のガラス板の加工機械は、ガラス板の両縁部を挟持し且つ当該ガラス板を水平にして搬送する搬送手段と、この搬送手段により搬送されるガラス板の両縁を研削する加工ヘッドと、ガラス板の両縁部間において、当該ガラス板の下面を支持すると共に、ガラス板の搬送方向と同方向に走行する無端ベルトを具備した支持手段とを具備している。
【0009】
第一の態様の加工機械によれば、ガラス板の搬送方向と同方向に走行する無端ベルトによりガラス板の両縁部間における当該ガラス板の下面を支持するために、無端ベルトとガラス板の下面との間における摺動抵抗が生じ難く、摺動抵抗に基づく跛行送りが生じ難く、しかも、ガラス板の中央での下向の撓みが生じなく、而して、良質な研削加工を行い得る。
【0010】
本発明のガラス板の加工機械は、第一の態様のように、加工ヘッドによりガラス板の両縁を研削するようにしたものであってもよいが、これに加えて、第二の態様のガラス板の加工機械のように、加工ヘッドによりガラス板に対して隅取り加工を行うようになっていてもよく、更には、第三の態様のガラス板の加工機械のように、加工ヘッドによりガラス板の両縁側において隅取り加工を行うようになっていてもよい。
【0011】
本発明の第四の態様のガラス板の加工機械では、上記の第一から第三のいずれかの態様の加工機械において、搬送手段は、各縁部に対応して配されて、対応のガラス板の縁部を挟持する一対の無端ベルトと、各対の無端ベルトを互いに同期して走行させる走行手段とを具備している。
【0012】
走行手段としては、通常、主に電動モータと、この電動モータにより回転される駆動プーリと、この駆動プーリに掛け回された無端ベルトと、この無端ベルトが同じく掛け回される従動プーリとを具備して構成されるが、各対の無端ベルトの相互の同期走行は、共有の一個の電動モータにより各対の無端ベルトの駆動プーリを回転させるようにして行ってもよく、これに代えて、各対の無端ベルトに対して夫々電動モータを設けて、両電動モータを電気的に同期作動させるようにして行ってもよい。
【0013】
第五の態様のガラス板の加工機械は、第四の態様の加工機械において、一方の一対の無端ベルトと他方の一対の無端ベルトとの間隔を調整する調整手段を更に具備している。
【0014】
第五の態様の加工機械によれば、ガラス板の大きさに合わせて、両縁部を最適に挟持でき、而して、更に良質な研削加工、精度ある隅取りを行い得る。
【0015】
本発明の第六の態様のガラス板の加工機械では、上記の第五の態様の加工機械において、調整手段は、一方の一対の無端ベルトを、他方の一対の無端ベルトに対して接近、離反させて、一方の一対の無端ベルトと他方の一対の無端ベルトとの間隔を調整するようになっている。
【0016】
本発明の第七の態様のガラス板の加工機械では、第五又は第六の態様の加工機械において、調整手段は、一方の一対の無端ベルトと他方の一対の無端ベルトとの間隔を調整すると共に、ガラス板の一方の縁側の加工ヘッドとガラス板の他方の縁側の加工ヘッドとの間隔をも調整するようになっている。
【0017】
第七の態様の加工機械によれば、両縁部の最適挟持位置への調整と同時に、加工ヘッドの最適加工位置への調整をも行い得るために作業性がよく、しかも、挟持位置に対応した最適加工位置に加工ヘッドを容易に設定できる。
【0018】
本発明の第八の態様のガラス板の加工機械では、第五から第七のいずれかの態様の加工機械において、調整手段は、ガラス板の一方の縁側の加工ヘッドを、ガラス板の他方の縁側の加工ヘッドに対して接近、離反させて、ガラス板の一方の縁側の加工ヘッドとガラス板の他方の縁側の加工ヘッドとの間隔をも調整するようになっている。
【0019】
本発明の第九の態様のガラス板の加工機械では、第一から第八のいずれかの態様の加工機械において、支持手段は、当該支持手段の無端ベルトを搬送手段によるガラス板の搬送と同期して走行させるようになっている。
【0020】
第九の態様の加工機械によれば、支持手段の無端ベルトとガラス板とが同期して走行するために、無端ベルトとガラス板の下面との間における摺動抵抗が殆ど生じなくなり、摺動抵抗に基づく跛行送りがなくなり、更に良質な研削加工、精度ある隅取りを行い得る。
【0021】
本発明の第十の態様のガラス板の加工機械では、第一から第九のいずれかの態様の加工機械において、ガラス板の両縁部間における、支持手段の無端ベルトの位置を調整する調整手段を更に具備している。
【0022】
本発明の加工機械では、無端ベルトを一本設けて支持手段を構成してもよいが、これに代えて、複数本の無端ベルトを設けて支持手段を構成してもよく、しかも、搬送手段及び支持手段の各無端ベルトとしては、歯付きの無端ベルト、いわゆるタイミングベルトを用いてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に本発明及びその実施の形態を、図に示す好ましい例を参照して説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【0024】
図1から図4において、本例のガラス板の加工機械1は、薄板のガラス板2の両縁部3及び4を挟持し且つガラス板2を水平にしてA方向に搬送する搬送手段5と、搬送手段5により搬送されるガラス板2の両縁6及び7を研削する4台の加工ヘッド8a、8b、8c及び8dと、ガラス板2の両縁部3及び4間において、当該ガラス板2の下面9を支持すると共に、ガラス板2の搬送方向Aと同方向に走行する無端ベルト10を具備した支持手段11と、搬送手段5の一方の一対の無端ベルト12及び13と他方の一対の無端ベルト14及び15との間隔d1を調整する調整手段16と、ガラス板2の両縁部3及び4間において、支持手段11の無端ベルト10の、搬送方向Aに直交する方向に関する位置を調整する調整手段17とを具備している。
【0025】
搬送手段5は、縁部3及び4の夫々に対応して配されて、対応のガラス板2の縁部3及び4を挟持する上記の一対の無端ベルト12及び13並びに14及び15と、一対の無端ベルト12及び13と一対の無端ベルト14及び15とを互いに同期してA方向に走行させる走行手段21とを具備している。
【0026】
下側の無端ベルト12及び14は、上側の無端ベルト13及び15に対してA方向の長さが長く、したがって、ガラス板2の搬入側では、無端ベルト12及び14上にガラス板2を容易に載置できるようになっている。
【0027】
走行手段21は、基台22に取付けられた電動モータ23と、電動モータ23の出力回転軸に連結されて、基台22及び下流側の縦フレーム24に回転自在に支持されたスプライン溝付きの駆動軸25と、下流側の縦フレーム24及び26にブラケット27及び28を介して回転自在に支持されたプーリ29及び30並びに31及び32と、プーリ29及び30並びに31及び32に固着された歯車33及び34並びに35及び36と、上流側の縦フレーム37及び38に支持板39及び40並びに41及び42を介して回転自在に支持されたプーリ43及び44並びに45及び46とを具備している。
【0028】
駆動軸25が貫通したプーリ29は、駆動軸25に固着されて、駆動軸25の回転により回転されるようになっており、駆動軸25が貫通したプーリ31は、スプライン溝47を介して駆動軸25に連結されて、駆動軸25の回転により回転されるようになっていると共に、A方向に直交する方向Bに移動自在になっており、駆動軸25が貫通した歯車33は、歯車34に噛合っており、プーリ29の回転で歯車33が回転されると、歯車34も回転されて、歯車34の回転で、プーリ30は、回転されるようになっており、駆動軸25が方向Bに相対的に移動自在に貫通した歯車35は、歯車36に噛合っており、プーリ31の回転で歯車35が回転されると、歯車36も回転されて、歯車36の回転で、プーリ32は、回転されるようになっている。
【0029】
走行手段21は、電動モータ23の作動で駆動軸25を回転させて、駆動軸25の回転で、一方では、下流側のプーリ29を回転させて、プーリ29と上流側のプーリ43との間に掛け回された無端ベルト12を走行させると共に、歯車33及び歯車34を介して下流側のプーリ30を回転させて、プーリ30と上流側のプーリ44との間に掛け回された無端ベルト13を走行させ、他方では、下流側のプーリ31を回転させて、プーリ31と上流側のプーリ45との間に掛け回された無端ベルト14を走行させると共に、歯車35及び歯車36を介して下流側のプーリ32を回転させて、プーリ32と上流側のプーリ46との間に掛け回された無端ベルト15を走行させるようになっている。上流側のプーリ43、44、45及び46は、無端ベルト12、13、14及び15の走行に夫々基づいて夫々互いに独立して従動回転されるようになっている。
【0030】
縦フレーム24及び37は、一対の無端ベルト12及び13側に配されていると共に、基台22に支持された固定台51に取付けられており、縦フレーム26及び38は、基台22にB方向に可動に配された可動台52に取付けられている。可動台52は、一対の無端ベルト14及び15側に配されていると共に、基台22に設けられた案内レール53及び54に方向Bに摺動自在に載置されている。
【0031】
支持板39は、A方向に伸びて縦フレーム24及び37に取付けられており、支持板39の上縁53には、無端ベルト12の裏面が摺動自在に当接するようになっており、支持板39の上縁53は、無端ベルト12によるガラス板2の一定の水平面内での搬送を確保すべく、無端ベルト12を支持するようになっており、支持板40は、A方向に伸びて縦フレーム24及び37に上下位置調節機構55及び56を介して取付けられており、上下位置調節機構55及び56の夫々は、その摘み57及び58を回転することにより、支持板40及びプーリ44の上下位置を調節することができるようになっており、支持板40の下縁59には、無端ベルト13の裏面が摺動自在に当接するようになっており、支持板40の下縁59により無端ベルト13の浮き上がりが防止されており、支持板41は、A方向に伸びて縦フレーム26及び38に取付けられており、支持板41の上縁61には、無端ベルト14の裏面が摺動自在に当接するようになっており、支持板41の上縁61は、無端ベルト14によるガラス板2の一定の水平面内での搬送を確保すべく、無端ベルト14を支持するようになっており、支持板42は、A方向に伸びて縦フレーム26及び38に上下位置調節機構62及び63を介して取付けられており、上下位置調節機構62及び63の夫々は、その摘み64及び65を回転することにより、支持板42及びプーリ46の上下位置を調節することができるようになっており、支持板42の下縁66には、無端ベルト15の裏面が摺動自在に当接するようになっており、支持板42の下縁66により無端ベルト15の浮き上がりが防止されている。
【0032】
加工ヘッド8a、8b、8c及び8dは、加工ヘッド8a及び8bが固定台51に取付けられて、縁6を研削し、加工ヘッド8c及び8dが可動台52に取付けられて縁7を研削するようになっている以外、夫々同一に構成されているので、以下、加工ヘッド8aのみについて主に説明し、必要に応じてその他の加工ヘッド8b、8c及び8dについて対応の数字符号にb、c及びdを付して説明する。
【0033】
加工ヘッド8aは、方向Bに関する位置調整機構71aを介して固定台51に取付けられたブラケット72aと、上下方向に関する位置調整機構73aを介してブラケット72aに取付けられた電動モータ74aと、電動モータ74aの出力回転軸に取付けられた研削ホイール75aとを具備しており、位置調整機構71aは、その摘み76aを回転させることにより研削ホイール75aの方向Bに関する位置を調整できるようになっており、位置調整機構73aは、その摘み77aを回転させることにより研削ホイール75aの上下方向に関する位置を調整できるようになっている。
【0034】
加工ヘッド8aは、電動モータ74aの作動による研削ホイール75aの回転で、方向Aに搬送されるガラス板2の縁6を研削するようになっている。なお、加工ヘッド8aを方向Bに関して移動させる移動機構を設けて、この移動機構をプログラム制御により動作させて、加工ヘッド8aをガラス板2に対して進退させて、研削ホイール75aによりガラス板2の隅78を研削して取り去る、いわゆる隅取り加工を行わせるようにしてもよい。この場合、加工ヘッド8aにより、ガラス板2の縁6の研削に加えて、ガラス板2に対して隅取り加工を行うようにしてもよく、これに代えて、ガラス板2に対して隅取り加工のみを行うようにしてもよい。
【0035】
支持手段11は、一対の無端ベルト12及び13と一対の無端ベルト14及び15との間に配されていると共に、基台22に設けられた案内レール53及び54に方向Bに摺動自在に載置された可動台81と、可動台81に取付けられた支持板82と、支持板82の一端にブラケット83を介して回転自在に取付けられたプーリ84と、支持板82の他端にブラケット85を介して回転自在に取付けられたプーリ86と、プーリ84及び86に掛け回された前記の無端ベルト10とを具備している。支持手段11は、一対の無端ベルト12及び13と一対の無端ベルト14及び15との間においてガラス板2の下面9を無端ベルト10により支持するようになっている。
【0036】
支持板82の上縁87には、無端ベルト10の裏面が摺動自在に当接するようになっており、支持板82の上縁87により無端ベルト10の垂れ下がりが防止されている。駆動軸25が貫通したプーリ84は、スプライン溝47を介して駆動軸25に連結されて、駆動軸25の回転により回転されるようになっていると共に、方向Bに移動自在になっている。無端ベルト10は、駆動軸25の回転による下流側のプーリ84の回転で、方向Aに走行されるようになっており、而して、支持手段11は、当該支持手段11の無端ベルト10を搬送手段5の無端ベルト12及び13並びに14及び15と同期して、すなわちガラス板2の搬送と同期して走行させるようになっている。上流側のプーリ86は、プーリ43、44、45及び46の夫々に対して独立して無端ベルト10の走行に基づいて従動回転されるようになっている。
【0037】
調整手段16は、基台22に取付けられた電動モータ91と、方向Bに伸びて基台22に回転自在に支持されていると共に、可動台52の下面に螺合したねじ軸92及び93と、電動モータ91の出力回転軸の回転を、ねじ軸92及び93に伝達する歯車機構94及び95並びに伝達軸96とを具備しており、調整手段16は、電動モータ91の作動で、歯車機構94及び95並びに伝達軸96を介してねじ軸92及び93を回転させて、ねじ軸92及び93の回転で、可動台52を方向Bに移動させて、一対の無端ベルト14及び15を、一対の無端ベルト12及び13に対して接近、離反させて、一対の無端ベルト14及び15と一対の無端ベルト12及び13との間隔d1を調整するようになっており、更に、これに加えて、ガラス板2の縁7を研削する加工ヘッド8c及び8dを、ガラス板2の縁6を研削する加工ヘッド8a及び8bに対して接近、離反させて、ガラス板2の縁6のための加工ヘッド8a及び8bとガラス板2の縁7のための加工ヘッド8c及び8dとの間隔をも調整するようになっている。
【0038】
調整手段17は、基台22に取付けられた電動モータ101と、方向Bに伸びて基台22に回転自在に支持されていると共に、可動台81の下面に螺合したねじ軸102及び103と、電動モータ101の出力回転軸の回転を、ねじ軸102及び103に伝達する歯車機構104及び105並びに伝達軸106とを具備しており、調整手段17は、電動モータ101の作動で、歯車機構104及び105並びに伝達軸106を介してねじ軸102及び103を回転させて、ねじ軸102及び103の回転で、可動台81を方向Bに移動させて、ガラス板2の両縁部3及び4間における無端ベルト10の方向Bに関する位置を調整するようになっている。
【0039】
以上の加工機械1では、ガラス板2は、プーリ43及び45側において、無端ベルト10、12及び14上に載置されて、無端ベルト12及び13でその縁部3が、無端ベルト14及び15でその縁部4が夫々挟持された状態で、これら無端ベルトの走行で方向Aに搬送されながら、研削ホイール75a及び75bによりその縁6が、研削ホイール75c及び75dによりその縁7が夫々研削されて、加工される。
【0040】
そして加工機械1によれば、ガラス板2の搬送方向Aと同方向に走行する無端ベルト10によりガラス板2の両縁部3及び4間における当該ガラス板2の下面9を支持するために、無端ベルト10とガラス板2の下面9との間における摺動抵抗が生じ難く、摺動抵抗に基づく跛行送りが生じ難く、しかも、ガラス板2の中央での下向の撓みが生じなく、而して、良質な研削加工を行い得、更に、調整手段16を具備するために、ガラス板2の大きさに合わせて、両縁部3及び4を最適に挟持でき、而して、更に良質な研削加工を行い得る。
【0041】
また、加工機械1によれば、両縁部3及び4の最適挟持位置への調整と同時に、加工ヘッド8c及び8dの最適加工位置への調整を行い得るために作業性がよく、しかも、挟持位置に対応した最適加工位置に加工ヘッド8a、8b、8c及び8dを設定でき、更に、支持手段11の無端ベルト10と搬送手段5の無端ベルト12、13、14及び15とが同期して走行するために、無端ベルト10とガラス板2の下面9との間における摺動抵抗が殆ど生じなくなり、摺動抵抗に基づく跛行送りがなくなり、更に良質な研削加工、精度ある隅取りを行い得る。
【0042】
なお、加工ヘッド8b及び8dは、粗削りを、加工ヘッド8a及び8cは仕上げ削りを夫々担当するようになっているが、加工ヘッドとしては、各縁に一個でもよく、更には各縁に3個以上を設けてもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、良質な研削加工、精度ある隅取りを行い得るガラス板加工機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい一実施の形態の例の平面図である。
【図2】図1に示す例のII−II線矢視図である。
【図3】図1に示す例のIII−III線断面図である。
【図4】図1に示す例のIV−IV線断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス板の加工機械
2 ガラス板
3、4 縁部
5 搬送手段
8a、8b、8c、8d 加工ヘッド
9 下面
10 無端ベルト
11 支持手段
Claims (8)
- ガラス板の一方の縁部を挟持する一方の一対の無端ベルト及びガラス板の他方の縁部を挟持する他方の一対の無端ベルトを具備していると共にこれらの無端ベルトの走行によりガラス板を搬送する搬送手段と、この搬送手段により搬送されるガラス板の両縁を研削する加工ヘッドと、一方の一対の無端ベルトと他方の一対の無端ベルトとの間において搬送されるガラス板の下面を支持すると共に、一方及び他方の一対の無端ベルトの走行方向と同方向に走行される無端ベルトを具備した支持手段と、ガラス板の搬送方向に直交する方向における一方の一対の無端ベルトと他方の一対の無端ベルトとの間隔を調整する第一の調整手段と、一方の一対の無端ベルトと他方の一対の無端ベルトとの間におけるガラス板の搬送方向に直交する方向での支持手段の無端ベルトの位置を調整する第二の調整手段と、一方の一対の無端ベルト側に配されている第一の可動台と、他方の一対の無端ベルト側に配されている固定台と、一方の一対の無端ベルトと他方の一対の無端ベルトとの間に配されている第二の可動台とを具備しており、搬送手段は、第一の可動台に取付けられていると共に、一方の一対の無端ベルトのうちの下側の無端ベルトの裏面に上縁で摺動自在に当接して当該下側の無端ベルトによるガラス板の水平面内での搬送を確保すべく当該下側の無端ベルトを支持するガラス板の搬送方向に伸びた一方の支持板と、固定台に取付けられていると共に、他方の一対の無端ベルトのうちの下側の無端ベルトの裏面に上縁で摺動自在に当接して当該下側の無端ベルトによるガラス板の水平面内での搬送を確保すべく当該下側の無端ベルトを支持するガラス板の搬送方向に伸びた他方の支持板と、一方及び他方の一対の無端ベルトをガラス板の搬送方向と同方向に走行させる走行手段とを具備しており、走行手段は、第一の可動台に夫々回転自在に取付けられていると共に、一方の一対の無端ベルトが夫々掛け回された一方の上流側及び下流側のプーリと、固定台に夫々回転自在に取付けられていると共に、他方の一対の無端ベルトが夫々掛け回された他方の上流側及び下流側のプーリと、一方の下流側のプーリがガラス板の搬送方向に直交する方向に移動自在となるように連結されていると共に他方の下流側のプーリが固着されており、一方及び他方の下流側のプーリを同期して回転させるスプライン溝付きの駆動軸とを具備しており、支持手段は、第二の可動台に取付けられていると共に、支持手段の無端ベルトの裏面に上縁で摺動自在に当接して当該無端ベルトの垂れ下がりを防止するガラス板の搬送方向に伸びた支持板と、第二の可動台に夫々回転自在に取付けられていると共に、支持手段の無端ベルトが掛け回された上流側及び下流側のプーリとを具備しており、支持手段の下流側のプーリは、ガラス板の搬送方向に直交する方向に移動自在となるように走行手段の駆動軸に連結されていると共に当該駆動軸により一方及び他方の下流側のプーリと同期して回転されるようになっており、走行手段及び支持手段の上流側のプーリは、搬送手段及び支持手段の各無端ベルトの走行に夫々基づいて夫々互いに独立して従動回転されるようになっており、第一の調整手段は、第一の可動台に螺合していると共に回転により当該第一の可動台を固定台に対してガラス板の搬送方向に直交する方向に移動させるねじ軸を具備しており、第二の調整手段は、第二の可動台に螺合していると共に回転により当該第二の可動台を固定台及び第一の可動台に対してガラス板の搬送方向に直交する方向に移動させるねじ軸を具備しており、第一の可動台と第二の可動台とは、第一及び第二の調整手段のねじ軸の夫々の回転によるガラス板の搬送方向に直交する方向の移動が案内されるべく、ガラス板の搬送方向に直交する方向に摺動自在となるように案内レールに載置されているガラス板の加工機械。
- 加工ヘッドは、ガラス板の両縁の研削に加えて、ガラス板に対して隅取り加工を行うようになっている請求項1に記載のガラス板の加工機械。
- ガラス板の一方の縁部を挟持する一方の一対の無端ベルト及びガラス板の他方の縁部を挟持する他方の一対の無端ベルトを具備していると共にこれらの無端ベルトの走行によりガラス板を搬送する搬送手段と、この搬送手段により搬送されるガラス板の両縁側において隅取り加工を行う加工ヘッドと、一方の一対の無端ベルトと他方の一対の無端ベルトとの間において搬送されるガラス板の下面を支持すると共に、一方及び他方の一対の無端ベルトの走行方向と同方向に走行される無端ベルトを具備した支持手段と、ガラス板の搬送方向に直交する方向における一方の一対の無端ベルトと他方の一対の無端ベルトとの間隔を調整する第一の調整手段と、一方の一対の無端ベルトと他方の一対の無端ベルトとの間におけるガラス板の搬送方向に直交する方向での支持手段の無端ベルトの位置を調整する第二の調整手段と、一方の一対の無端ベルト側に配されている第一の可動台と、他方の一対の無端ベルト側に配されている固定台と、一方の一対の無端ベルトと他方の一対の無端ベルトとの間に配されている第二の可動台とを具備しており、搬送手段は、第一の可動台に取付けられていると共に、一方の一対の無端ベルトのうちの下側の無端ベルトの裏面に上縁で摺動自在に当接して当該下側の無端ベルトによるガラス板の水平面内での搬送を確保すべく当該下側の無端ベルトを支持するガラス板の搬送方向に伸びた一方の支持板と、固定台に取付けられていると共に、他方の一対の無端ベルトのうちの下側の無端ベルトの裏面に上縁で摺動自在に当接して当該下側の無端ベルトによるガラス板の水平面内での搬送を確保すべく当該下側の無端ベルトを支持するガラス板の搬送方向に伸びた他方の支持板と、一方及び他方の一対の無端ベルトをガラス板の搬送方向と同方向に走行させる走行手段とを具備しており、走行手段は、第一の可動台に夫々回転自在に取付けられていると共に、一方の一対の無端ベルトが夫々掛け回された一方の上流側及び下流側のプーリと、固定台に夫々回転自在に取付けられていると共に、他方の一対の無端ベルトが夫々掛け回された他方の上流側及び下流側のプーリと、一方の下流側のプーリがガラス板の搬送方向に直交する方向に移動自在となるように連結されていると共に他方の下流側のプーリが固着されており、一方及び他方の下流側のプーリを同期して回転させるスプライン溝付きの駆動軸とを具備しており、支持手段は、第二の可動台に取付けられていると共に、支持手段の無端ベルトの裏面に上縁で摺動自在に当接して当該無端ベルトの垂れ下がりを防止するガラス板の搬送方向に伸びた支持板と、第二の可動台に夫々回転自在に取付けられていると共に、支持手段の無端ベルトが掛け回された上流側及び下流側のプーリとを具備しており、支持手段の下流側のプーリは、ガラス板の搬送方向に直交する方向に移動自在となるように走行手段の駆動軸に連結されていると共に当該駆動軸により一方及び他方の下流側のプーリと同期して回転されるようになっており、走行手段及び支持手段の上流側のプーリは、搬送手段及び支持手段の各無端ベルトの走行に夫々基づいて夫々互いに独立して従動回転されるようになっており、第一の調整手段は、第一の可動台に螺合していると共に回転により当該第一の可動台を固定台に対してガラス板の搬送方向に直交する方向に移動させるねじ軸を具備しており、第二の調整手段は、第二の可動台に螺合していると共に回転により当該第二の可動台を固定台及び第一の可動台に対してガラス板の搬送方向に直交する方向に移動させるねじ軸を具備しており、第一の可動台と第二の可動台とは、第一及び第二の調整手段のねじ軸の夫々の回転によるガラス板の搬送方向に直交する方向の移動が案内されるべく、ガラス板の搬送方向に直交する方向に摺動自在となるように案内レールに載置されているガラス板の加工機械。
- 走行手段は、一方の一対の無端ベルトのうちの上側の無端ベルト、一方の一対の無端ベルトのうちの下側の無端ベルト、他方の一対の無端ベルトのうちの上側の無端ベルト及び他方の一対の無端ベルトのうちの下側の無端ベルトを夫々互いに同期して走行させるようになっている請求項1から3のいずれか一項に記載のガラス板の加工機械。
- 第一の調整手段は、一方の一対の無端ベルトを他方の一対の無端ベルトに対して接近、離反させて、一方の一対の無端ベルトと他方の一対の無端ベルトとの間隔を調整するようになっている請求項1から4のいずれか一項に記載のガラス板の加工機械。
- 第一の調整手段は、一方の一対の無端ベルトと他方の一対の無端ベルトとの間隔を調整すると共に、ガラス板の一方の縁側の加工ヘッドとガラス板の他方の縁側の加工ヘッドとの間隔をも調整するようになっている請求項1から5のいずれか一項に記載のガラス板の加工機械。
- ガラス板の一方の縁側の加工ヘッドは、第一の可動台に取付けられており、ガラス板の他方の縁側の加工ヘッドは、固定台に取付けられており、第一の調整手段は、ガラス板の一方の縁側の加工ヘッドをガラス板の他方の縁側の加工ヘッドに対して接近、離反させて、ガラス板の一方の縁側の加工ヘッドとガラス板の他方の縁側の加工ヘッドとの間隔をも調整するようになっている請求項1から6のいずれか一項に記載のガラス板の加工機械。
- 支持手段は、当該支持手段の無端ベルトを搬送手段によるガラス板の搬送と同期して走行させるようになっている請求項1から7のいずれか一項に記載のガラス板の加工機械。
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