JP3585129B2 - 外蓋と中蓋とに分離する蓋を有する容器 - Google Patents
外蓋と中蓋とに分離する蓋を有する容器 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば粉末洗剤、粉乳等の容器に用いられるもので、外蓋と中蓋とに分離する蓋を有する容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来は、この種の粉末洗剤等の容器にあっては、合成樹脂の容器本体に、紙に合成樹脂をラミネート等した中蓋を溶着し、これに合成樹脂の外蓋を被冠している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の容器にあっては、その容器本体、外蓋は共に合成樹脂で成形されているところから、使用後におけるこれの廃棄処分に当っては、使用者が簡単に押し潰すことはできず、これを土中に埋めるとしても、相当のスペースを必要とすることになり、またこれを焼却するとしても、高熱を発するため炉を傷め易く、炉外で焼却すれば大気を汚染することになり、いずれにして公害上少なからぬ問題を残していた。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて創出されたもので、その目的とするところは、粉末洗剤等の開蓋時に外蓋と中蓋とに分離する蓋材からなるバージンシール性の蓋付き容器を簡単に製造するとともに、使用後の廃棄処分に当って、その作業が簡単にして自然環境に対する被害を少なくするにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明にあっては、紙材を主体とする蓋材に、剥離層を介在させることにより、使用時に蓋を容器本体から脱離することによって外蓋と中蓋とに分離するようにして問題点の解決を図っている。
すなわち、本発明は、外蓋と中蓋とに分離する紙材が主材の蓋材に対し、合成樹脂を射出して縁枠を成形して蓋を構成し、前記蓋材を、紙材が主材の容器本体の合成樹脂の口縁部に溶着したものにおいて、蓋材は、外側よりポリプロピレン・板紙・ワックス・グラシン紙・ホットメルトの積層材にして、この積層材はワックスより分離されてポリプロピレン・板紙の外蓋とグラシン紙・ホットメルトの中蓋とになるものであり、また蓋材の縁枠及び容器本体の口縁部の合成樹脂はポリプロピレンであるという構成をとっている。
【0006】
【実施例】
従来、蓋材を使用時において、中間の分離層より分離するという考えのものは、インスタントコーヒー等の容器において、蓋体の内面に、中間に剥離層を介在させた積層材をクッション材として溶着するとともに、蓋体を螺着した後に、このクッション材を瓶口にも接着し、使用に当って、蓋体を螺脱すると、積層材は中間より剥離して、一方は蓋体内に残り、他方は瓶口に中蓋として残るようにしたものである。
【0007】
本発明は、このような考えを応用したもので、中間において剥離する積層の蓋材に、紙材を主材としたものを用い、これの縁枠に合成樹脂を射出して蓋を成形し、この蓋材を、紙材を主材とする容器に被冠溶着したもので、使用に当って、蓋を離脱することにより、蓋材は中間より分離され、一方は紙材を主材とする外蓋となり、他方は紙材を主材として容器本体の方に中蓋として残るようになっている。
すなわち、本発明は、蓋が紙材を主材とし、外蓋と中蓋とに分離し得る積層材から構成されるとともに、容器本体も、また紙材を主材とするもので構成され、容器本体に粉末洗剤、粉乳等(以下内容物という)を容入充填して蓋を被冠溶着した容器であって、これを使用するに当っては、開蓋時に蓋は外蓋と中蓋とに分離されるようにしたもので、紙を主材とすることによって粉末洗剤、粉乳等の容器として低コストにしてバージン性を有し、使用後の破棄処理において公害をより少なくするようにしたところに特徴を有するものである。
【0008】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本発明の外蓋と中蓋とに分離する蓋を有する容器(A)は、図1に示されているように蓋(a)と容器(b)とにより構成されるもので、いずれも紙材を主材とし、これに合成樹脂の射出成形を施したものである。
蓋(a)は、それを構成する蓋材(c)が、図5に示すようにポリプロピレン・板紙・ワックス・グラシン紙・ホットメルトの積層材であって、中間のワックスは剥離層である。
このような蓋材(c)は、それの主材をなす紙材が、例えば板紙は200〜300g/m2、グラシン紙は80g/m2の厚さのものであり、表面の板紙には印刷ができるものである。
この蓋材(c)は、円形であっても角形であってもよい。
上記のような蓋材(c)を、ポリプロピレン側が外側になるように金型内に納め、これにポリプロピレンの射出成形を施して、その縁枠(1)を形成し、蓋(a)を構成する。
【0009】
次に容器(b)は、図1に示すように、これまた紙材を主材とするもので、この紙材を主材とするブランク板(2)を金型内に納め、これにポリプロピレンの射出成形を施して複合の容器本体(d)を成形する。この容器本体(d)はブランク板(2)の折曲げ接合の間隙部(3)、口縁部(4)及び底部縁部(5)がポリプロピレンで形成されたものである。
このようにして成形された蓋(a)と容器(b)とは別体でもよく、またヒンジされていてもよく、容器本体(d)に内容物を容入した後に、蓋(a)を被冠するとともに、蓋(a)の上面より超音波、高周波等にて、蓋(a)を構成する蓋材(c)のホットメルト層と容器(b)の口縁部(4)のポリプロピレンとを加熱して溶着する。
なお符号(6)は摘み部である。
【0010】
図2に示す外蓋と中蓋とに分離する蓋を有する容器(A’)は、容器(b’)が図1に示す容器(A)の容器(b)と異なるものである。
容器(b’)は、容器本体(d’)が板紙(2’)を折込み接着して形成したもので、この容器本体(d’)はその開口部にポリプロピレンで射出成形した縁枠(7)が、その凹溝をもって嵌着し、ホットメルト、その他超音波シール等で接着している。
縁枠(7)は、蓋材(c)を金型内に納め、これにポリプロピレンを射出して蓋(a)の縁枠(1)を一体成形する際に、同じ金形内において縁枠(7)と縁枠(1)とが一辺側においてヒンジするように一緒にポリプロピレンを射出して成形するか、蓋(a)とは全く別個に射出成形する。
いずれにしても、図2に示すものは、容器(b’)が、射出成形した縁枠(7)に対して、板紙(2’)を折込み接着して形成した容器本体(d’)を嵌着して接着することにより構成するものである。
【0011】
内容物が容入され密封された容器(A)を使用するに当って、開蓋するには、蓋(a)の摘み部(6)を摘んで引張り、蓋(a)を容器本体(d)あるいは(d’)より脱離する。
この時、蓋(a)は、積層の蓋材(c)の中間に介在するワックスの剥離層より分離され、ポリプロピレンの縁枠(1)に溶着している板紙側は外蓋(a′)となり、グラシン紙側の中蓋(a″)は容器本体(d)あるいは(d’)のポリプロピレンの口縁部(4)あるいは縁枠(7)に溶着したまま残り、容器(b)あるいは(b’)を密封した状態に保っている。
このような状態にある容器(b)あるいは(b’)内の内容物を取り出すには、中蓋(a″)の一部を容器本体(d)あるいは(d’)の口縁部(4)あるいは縁枠(7)より剥離するか、中蓋(a″)に適当な孔を穿ければよく、このような状態で内容物は容易に注出することができ、また取出口が注出に必要な大きさであることと、外蓋(a′)を被冠することによって、内容物は湿気を帯びることが少ない。
さらに、内容物が使用ずみになると、蓋(a)及び容器(b)あるいは(b’)とも紙材を主材としたものであるから、割合に押し潰し易く、焼却にあっても余り高熱を発することがなく燃焼ガスの発生も少ない。
【0012】
【発明の効果】
本発明は、外蓋と中蓋とに分離する紙材を主材とした蓋材に対し、合成樹脂を射出して縁枠を成形して蓋を構成し、前記蓋材を、紙材を主材とする容器の合成樹脂口縁部あるいは縁枠に被冠し溶着したものであるから、全体を合成樹脂にて成形した蓋付き容器に比して、低コストに押さえることができるとともに、使用後の廃棄処理においては、押し潰し易く、また焼却においても、余り高熱を発することがなく、発生するガス量も少なくて公害上問題を残すことがない。
しかも、蓋の成形に当って、蓋材に対して合成樹脂を射出して縁枠を形成したものであるから、蓋板の周囲に接着剤を塗布して、これを蓋枠の凹部に嵌入接着するようなものより、その成形が容易にして、使用に当って蓋を離脱すると、蓋材は中央より確実に剥離されて、一方は紙材を主材とする外蓋となり、他方は容器の口縁部に溶着した紙材の中蓋となって、なお容器の密封状態を保つことができる。
このように離脱によって外蓋と中蓋とに分かれる蓋は、容器に被冠溶着においてバージンシール性の機能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓋を有する容器の斜視図である。
【図2】容器本体を異にする容器の斜視図である。
【図3】図1のXーX線の断面図である。
【図4】要部の拡大断面図である。
【図5】蓋材の一部の拡大断面図である。
【図6】蓋を離脱して外蓋と中蓋とが分離した状態の断面図である。
【符号の説明】
A 蓋を有する容器
a 蓋
a′ 外蓋
a″ 中蓋
b 容器
c 蓋材
d 容器本体
1 縁枠
2 ブランク板
3 間隙部
4 口縁部
5 底板縁部
6 摘み部
Claims (1)
- 外蓋と中蓋とに分離する紙材が主材の蓋材に対し、合成樹脂を射出して縁枠を成形して蓋を構成し、前記蓋材を、紙材が主材の容器本体の合成樹脂の口縁部に溶着したものにおいて、蓋材は、外側よりポリプロピレン・板紙・ワックス・グラシン紙・ホットメルトの積層材にして、この積層材はワックスより分離されてポリプロピレン・板紙の外蓋とグラシン紙・ホットメルトの中蓋とになるものであり、また蓋材の縁枠及び容器本体の口縁部の合成樹脂はポリプロピレンであることを特徴とする外蓋と中蓋とに分離する蓋を有する容器。
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JP05894092A JP3585129B2 (ja) | 1992-02-12 | 1992-02-12 | 外蓋と中蓋とに分離する蓋を有する容器 |
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Publications (2)
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JPH05221446A JPH05221446A (ja) | 1993-08-31 |
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DE102006032638B4 (de) * | 2006-07-13 | 2010-11-11 | Sig Technology Ag | Karton/Kunststoff-Verbundpackung mit abziehbarem Deckel und Verfahren zu ihrer Herstellung |
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- 1992-02-12 JP JP05894092A patent/JP3585129B2/ja not_active Expired - Fee Related
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