JP3763929B2 - 密閉シート付き容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器の口筒部に密閉シートを張り付けて密閉する型式の密閉シート付き容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の密閉シート付き容器の従来技術としては、例えば実開昭59−112766号公報や実公平4−43495号公報等に記載のものがある。
【0003】
前記実開昭59−112766号公報に記載のものは、容器口縁の周囲に複数の薄肉破断片を介してリングを連設し、このリングの一部に取っ手を付設し、さらに容器口縁とリングの上面に密閉シートを張り付けて容器口部を密閉している。そして、前記取っ手を引っ張ってリングを薄肉破断片の部分で切り離し、リングと一緒に密閉シートを容器口縁から剥がして容器口部を開くようにしている。
【0004】
一方、実公平4−43495号公報に記載のものは、容器の口筒部にリングをねじまたはアンダーカット嵌合を介して着脱自在に外嵌し、前記口筒部にリングを外嵌した状態で、前記口筒部の上面とリングの上面とが同一面になるように形成し、これら口筒部の上面とリングの上面とに密閉シートを張り付け、容器口部を密閉している。そして、容器の口筒部とリングの外嵌手段がねじの場合には、そのねじを介してリングを外れる方向に回転させ、外嵌手段がアンダーカット嵌合の場合にはリングを外れる方向に押し上げ、容器の口筒部の上面から密閉シートを剥がし、容器口部を開くようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述の実開昭59−112766号公報に記載のものは、
(1)リングを切り離す取っ手が付いているものの、薄肉破断片を破断しながら密閉シートを剥がさなければならず、密閉シートを容易に剥がすことができない、
(2)容器口縁から一度リングを切り離して密閉シートを剥がし、これによって容器口部を開いてしまうと、密閉シートにより再度容器口部を密閉することができない、
(3)容器口部を密閉している状態では、取っ手がリングの一側部から垂下しているため、内容物を入れかつ容器口部を密閉した状態で容器をパッケージする際などに、取っ手が引っ掛かり、邪魔になる、
などの問題がある。
【0006】
また、実公平4−43495号公報に記載のものは、密閉シートを剥がした後であってもリングの上面に密閉シートが張り付いているので、その密閉シートで再度容器口部を密閉できるものの、リングに取っ手が付いていないために、外嵌手段がアンダーカット嵌合型の場合には、容器の口筒部からリングを容易に外すことができないという問題がある。
【0007】
従って本発明が解決しようとする課題は、容器の口筒部からリングを極めて容易に取り外すことによって前記口筒部の上面から密閉シートをスムーズに剥がして容器口部を開くことができ、また密閉シートを剥がして容器口部を開いた後にも、その剥がした密閉シートを利用して再度容器口部を密閉することができ、しかも内容物を入れかつ容器口部を密閉した状態で容器をパッケージして貯蔵、輸送等を行なう際などに、リングに付設された取っ手が邪魔になることのない密閉シート付き容器を提供することにある。
【0008】
さらに、本発明が解決しようとする課題は、容器口部を密閉シートで密閉した状態で、その密閉シートの上面に、リングに付設された取っ手をぴったり重ね合わせた状態に保持し得る密閉シート付き容器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、以下に記載する構成による本発明の密閉シート付き容器によって解決される。すなわち本発明の密閉シート付き容器は、容器の口筒部3に、アンダーカット嵌合6を介してリング5が装着され、前記口筒部3にリング5を装着した状態で口筒部3の上面とリング5の上面とを同一面になるように形成されており、この口筒部3の上面とリング5の上面とに密閉シート10を張り付けて容器口部2を密閉した密閉シート付き容器において、前記リング5の一側部に、リング状の取っ手8をヒンジ7を介して付設し、前記密閉シート10により容器口部2を密閉した状態で、前記取っ手8をヒンジ7の部分で折り畳んで密閉シート10の上面に重ね合わせて構成したものである。
【0010】
また、前記構成による密閉シート付き容器においては、前記ヒンジ7をはさんで、リング5にはスナップ結合用の孔9aと突起9bのいずれか一方を設け、取っ手8にはスナップ結合用の孔9aと突起9bのいずれか他方を設け、密閉シート10により容器口部2を密閉した状態で、前記孔9aに突起9bを嵌め込んだスナップ結合9を介して、密閉シート10の上面に取っ手8を重ね合わせた状態で止着してあることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は本発明の密閉シート付き容器の1実施例を示すものであり、図1は分解斜視図、図2は流通時の状態を示す要部の斜視図、図3は図2のA−A線切断拡大縦断面図、図4は使用時の状態を示す要部の拡大縦断面図である。
【0012】
図示実施例による密閉シート付き容器では、容器本体1の上部の容器口部2が口筒部3によって形成されている。
【0013】
この容器の口筒部3には、フランジ4が突設されており、又口筒部3にはアンダーカット嵌合6を介してリング5が着脱自在に装着されている。前記アンダーカット嵌合6は、図示実施例品では容器の口筒部3の外周に設けられた凹部6aと、リング5の内周に設けられた凸部6bとにより構成されているが、凹部6aをリング5の内周に、凸部6bを容器の口筒部3の外周に設けてもよいことは勿論である。
【0014】
前記容器の口筒部3に突設されたフランジ4の上面にリング5の下面が当接するまで前記口筒部3にリング5を装着したときに、前記口筒部3の上面とリング5の上面とが同一面になるように形成されている。
【0015】
リング5には、ヒンジ7を介してリング状の取っ手8が付設されている。そして、このヒンジ7をはさんで、リング5にはスナップ結合用の孔9aが設けられており、取っ手8には同じくスナップ結合用の突起9bが設けられている。
【0016】
同一面に形成された口筒部3の上面とリング5の上面とに、密閉シート10が張り付けられている。この実施例品においては、容器およびリング5がポリエチレンテレフタレート樹脂で形成されており、密閉シート10はアルミ箔10aからなる上層とポリエチレンテレフタレート樹脂シート10bからなる下層との積層ラミネートシートで形成されている。そして、前記口筒部3の上面とリング5の上面とに密閉シート10のポリエチレンテレフタレート樹脂シート10bが溶着されている。
【0017】
なお、前記容器、リング5、及び密閉シート10は他の材料であってのよく、前記口筒部3の上面とリング5の上面とに密閉シート10を接着剤を使用して接着してもよい。
【0018】
【作用】
前記容器は、流通時には図2および図3に示すように、容器の口筒部3にアンダーカット嵌合6を介してリング5が装着されており、互いに同一面をなす前記口筒部3の上面とリング5の上面とに密閉シート10が張り付けられて、容器口部が密閉シート10により密閉されている。また、取っ手8がヒンジ7の部分から上方に折り畳まれており、密閉シート10の上面に重ね合わされて、しかもリング5に設けられた孔9aに、取っ手8に設けられた突起9bを嵌め込んだスナップ結合9を介して、取っ手8は密閉シート10の上面に重ね合わされた状態に止着されている。従って、容器内に内容物を入れ、かつ容器口部を密閉した状態で、この容器をパッケージする際などに、取っ手8が邪魔にならないようになっている。
【0019】
容器から内容物を取り出すための内容物の使用時には、図4に示すように、取っ手8を引き起こし、孔9aから突起9bを引き抜き、スナップ結合9を解除する。次いで、容器本体1を押さえて取っ手8を上方に引っ張ると、容器の口筒部3とリング5に設けられたアンダーカット嵌合6が解かれ、前記口筒部3からリング5が外れると同時に、前記口筒部3の上面から密閉シート10が剥がされ、容器口部2が開かれる。このときに、前記密閉シート10はリング5の上面に張り付けられた状態で前記口筒部3から剥がされる。
【0020】
容器から内容物を必要量だけ取り出した後に、容器口部2を再び閉じておきたいときは、密閉シート10が張り付けられているリング5を容器の口筒部3に被せて押し込み、前記口筒部3とリング5に設けられたアンダーカット嵌合6を介して止め、前記口筒部3に密閉シート付きリングを装着する。
【0021】
このように、一度取り外した密閉シート付きリングを蓋体として利用して、再度容器口部2を密閉することができる。
【0022】
密閉シート付きリングを容器口部2に装着し、容器口部2を閉じた状態にしたときに、取っ手8が起き上がっていては邪魔になるような場合には、密閉シート付きリングを容器口部2に装着する前または装着した後に、取っ手8を密閉シート10の上面に折り畳み、孔9aに突起9bを嵌め込んだスナップ結合9を介して取っ手8を止着しておけばよい。
【0023】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の密閉シート付き容器では、容器の口筒部3に、アンダーカット嵌合6を介してリング5を装着し、前記口筒部3の上面とリング5の上面とに密閉シート10を張り付けると共に、前記リング5の一側部に、リング状の取っ手8を付設してあり、前記取っ手8を上方に引っ張ることにより前記口筒部3からリング5が外れると同時に、前記口筒部3の上面から密閉シート10が剥がれて容器口部2が開くようにしてある。
【0024】
従って、容器の口筒部3からリング5を極めて容易に取り外すことができ、前記口筒部3の上面から密閉シート10をスムーズに剥がして、容器口部2を開くことができる。
【0025】
また、本発明の密閉シート付き容器では、容器の口筒部3からリング5を外して、前記口筒部3の上面から密閉シート10を剥がした状態にしたときに、リング5の上面に密閉シート10が張り付けられたままになっているので、この密閉シート付きリングをリキャップ用の蓋体として利用し、これを前記口筒部3に装着することにより、再度容器口部2を密閉することができる。
【0026】
しかも、本発明の密閉シート付き容器では、リング5の一側部に、ヒンジ7を介して取っ手8を付設してあり、かつ容器の流通時には取っ手8をヒンジ7の部分で上方に折り畳み、密閉シート10の上面に重ね合わせるようにしているので、容器を貯蔵、輸送等のためにパッケージする際などに、取っ手8が引っ掛かって邪魔になるような不都合がない。
【0027】
さらに、本発明の密閉シート付き容器では、密閉シート10により容器口部2を密閉した状態で、スナップ結合用の孔9aに突起9bを嵌め込んだスナップ結合9を介して密閉シート10の上面に取っ手8を重ね合わせた状態で止着するようにしているので、容器口部2を密閉シート10で密閉した状態で、その密閉シート10の上面に取っ手8をぴったり重ね合わせた状態で保持し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の密閉シート付き容器の1実施例品を示す分解斜視図である。
【図2】密閉シート付き容器の流通時の状態を示す要部の斜視図である。
【図3】図2のA−A線切断拡大縦断面図である。
【図4】密閉シート付き容器の使用時の状態を示す要部の拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1…容器本体
2…容器口部
3…容器の口筒部
5…リング
6…アンダーカット嵌合
7…ヒンジ
8…取っ手
9…スナップ結合
10…密閉シート
Claims (2)
- 容器の口筒部3に、アンダーカット嵌合6を介してリング5が装着され、前記口筒部3にリング5が装着された状態で口筒部3の上面とリング5の上面とが同一面になるように形成されており、この口筒部3の上面とリング5の上面とに密閉シート10が張り付けられて容器口部2が密閉されている密閉シート付き容器において、前記リング5の一側部に、リング状の取っ手8がヒンジ7を介して付設されており、前記密閉シート10により容器口部2が密閉されている状態で、前記取っ手8がヒンジ7の部分で折り畳まれて密閉シート10の上面に重ね合わされていることを特徴とする密閉シート付き容器。
- 前記ヒンジ7をはさんで、リング5にはスナップ結合用の孔9aと突起9bのいずれか一方が設けられ、取っ手8にはスナップ結合用の孔9aと突起9bのいずれか他方が設けられており、密閉シート10により容器口部2が密閉されている状態において、前記孔9aに突起9bを嵌め込んだスナップ結合9を介して、密閉シート10の上面に取っ手8が重ね合わされた状態で止着されていることを特徴とする請求項1に記載の密閉シート付き容器。
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Family Applications (1)
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JP08872397A Expired - Fee Related JP3763929B2 (ja) | 1997-03-24 | 1997-03-24 | 密閉シート付き容器 |
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1997
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