JP3584910B2 - 画像記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、中間調画像を記録する画像記録装置に係り、特に、各画素単位の多階調入力画像データを補正し、補正された画像データに基づいて画像記録を行う画像記録装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、レーザプリンタにて中間調画像を再現する方法としては、複数画素の組合せで階調を表現するディザマトリクス法(所謂面積階調法)、一画素単位で階調を表現する濃度階調法、更には、面積階調法と濃度階調法とを組合せたものが既に知られている。
上記面積階調法にあっては、スクリーン線数を低くすれば階調数を上げることはできるが、逆に、解像度を低下させるという問題が生ずる。一方、上記濃度階調法にあっては、解像度を上げたいという要請を満足することはできるが、逆に、階調数を上げることが難しいという問題を生ずる。
そこで、従来にあっては、階調数及び解像度の両者を上げるために、高線数のスクリーンによる面積階調法と濃度階調法とを組合せた方法が通常採用されている。
【0003】
次に、面積階調法と濃度階調法とを組合せた方法の一例を述べる。
例えば、上記濃度階調法を実現するものとして、一画素の中でレーザの点灯時間を可変にするパルス幅変調方式を挙げることができる。
このパルス幅変調方式は、多階調入力画像データの濃度階調数を適宜閾値にて区分することにより、入力画像データを階調数の低い濃度コードデータに変換し、この濃度コードデータに基づいてレーザのビーム点灯若しくは消灯を行い、入力画像データの濃度情報に応じた潜像を感光体上に形成するようにしたものである(特開昭63−74386号公報参照)。
この場合において、上記濃度コードデータを生成する上で、入力画像データの濃度階調レベルを予め定められた複数の閾値にて区分する際には、入力画像データの濃度階調数と閾値との間に差分誤差が生ずるが、この差分誤差を何等考慮しない場合には、階調数が設定された閾値の数だけとなり、最終的な中間調記録画像の品質を著しく損うという問題が生ずる。
そこで、従来にあっては、上記差分誤差を考慮して対象となる画像データの濃度階調数を補正し、補正された画像データに対して閾値処理を行うという所謂誤差拡散法が面積階調法的修正として通常採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来のレーザプリンタにおいては、上記濃度コードデータを生成する上で面積階調法的修正として誤差拡散法を採用し、中間調画像品質の向上を図ってはいるが、誤差拡散法による固有パターン(テクスチャ)が顕著に現れてしまい、目障りな感じを与えるという技術的課題が生ずる。
すなわち、この発明は、以上の各技術的課題を解決するためになされたものであって、中間調画像の再現性をより向上させ、中間調画像品質を良好に保つようにした画像記録装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上述した技術的課題(第一の技術的課題)を解決するための発明は、多階調入力画像データを誤差拡散法が適用された補正手段にて補正し、補正された画像データに基づいて画像記録を行う画像記録装置において、上記補正手段には、多階調入力画像データの濃度階調を所定の閾値で区分することにより区分領域に対応した画像データを生成し、かつ、所定のスクリーンパターンが重畳された画像データとする生成手段と、この生成手段によって生成された画像データとそれに対応する入力画像データとの差分を周辺画素に分散させる誤差分散手段とを具備させたものである。
【0010】
ここで、上述した発明の代表的な態様を以下に示す。
先ず、第一の技術的課題を解決するための発明の一態様は、図1に示すように、多階調入力画像データDTの濃度レベルに対応してパルス幅変調された画像濃度信号SDに基づいてビーム走査ユニット1のビーム点灯若しくは消灯を行い、ビーム走査によって形成された感光体2上の潜像を現像手段3にて可視像化する画像記録装置を前提とし、入力画像データDTの濃度階調数を所望の再現濃度特性に応じて変換する濃度階調変換手段4と、上記濃度階調変換手段4からの画像データDTの濃度階調数を所定の閾値で区分することにより区分領域に対応した画像濃度コードSCを生成する濃度コード生成手段5と、生成された画像濃度コードSCに基づいて画像濃度信号SDのパルス幅を変調する多値変調手段6とを備え、上記濃度コード生成手段5には、隣接画素毎に異なる閾値が切換え設定される閾値切換手段7と、少なくとも注目画素及び注目画素の前後に位置する画素に対応する前ラインの画素データと対応する閾値との差分データを所定の重み付けで注目画素の現データに付加するデータ補正手段8と、このデータ補正手段8にて補正された注目画素の濃度階調数を対応する閾値で仕切って画像濃度コードSCとするコード設定手段9とを具備させたものである。
【0012】
このような各技術的手段において、上記ビーム走査ユニット1としては、レーザ走査ユニットを始めとして感光体2をビーム走査し得るものであれば適宜選択することができる。また、画像濃度信号SDに基づいてビーム走査ユニット1を働かせるが、画像濃度信号SDに対応するパルス幅でビーム点灯若しくは消灯のいずれかを行うかについては、現像方式との関係に基づき、現像対象部分が画像濃度信号SDに対応する画像記録濃度を得るように潜像を形成することが必要である。
また、感光体2としてはドラム状、ベルト状を問わず適宜選択することができ、一方、現像手段3についても、感光体2の潜像を可視像化し得るものであれば、現像剤や現像方式等適宜選択することができる。
更に、上記濃度階調変換手段4としては、再現濃度特性に応じてデータを変換できるものであれば、予め変換データが格納されるテーブルであってもよいし、所定の演算式に従って演算する演算回路で構成する等適宜設計変更することができる。
【0013】
また、上記濃度コード生成手段5としては、少なくとも、多階調画像データDTの濃度階調数を所定の閾値で仕切って画像濃度コードとするコード設定手段を備えたものであればよく、閾値の設定、画像濃度コードの生成個数、生成方式については適宜設計変更することができる。
例えば、濃度コード生成手段5として、万線スクリーン+誤差拡散法方式を採用するタイプにあっては、上記誤差拡散法のアルゴリズムが実現されるデータ補正手段8を設けることになるが、そのデータ補正手段8としては、注目画素及び注目画素の前後に位置する画素に対応する前ラインの画素データと対応する閾値との差分データを所定の重み付けで注目画素の現データに付加すればよいが、テクスチャの発生をより抑えるという観点からすれば、上記補正アルゴリズムに加えて、注目画素の直前画素の画像データと閾値との差分データに比較的大きな重み付けで注目画素の現データに付加するようにすることが好ましい。
特に、図1の態様における濃度コード生成手段5の閾値切換手段7に関し、夫々の閾値の設定レベルについては適宜選定して差支えないが、テクスチャの低減度合を高めるという観点からすれば、標準閾値に対して所定の増加分が加算される閾値と、標準閾値に対して上記増加分と同じ量の減少分が減算される閾値とを夫々選定するように選定することが好ましい。
【0014】
また、多値変調手段6としては、画像濃度コードSCに基づく画像濃度信号SDのパルス幅を所望の範囲で可変設定し得るものであれば適宜設計変更して差支えない。この場合において、画像濃度信号SDのパルス幅としては、画像濃度コードSCに応じて略等分に変化させるようにしてもよいが、再現画像品質を考慮すると、再現画像特性を略線形に補正すべく、画像濃度信号SDのパルス幅を非等分に変化させるようにすることが好ましい。
そして、上記画像濃度信号SDの生成法についても、例えば、画像濃度信号SDのパルス幅を設定する上で必要な最小単位の基準パルスを生成し、この基準パルスを整数倍するようにしたり、基準クロックに基づくパルス信号の位相ずれを利用し、このパルス幅の位相ずれ分に対応して画像濃度信号SDのパルス幅を設定するようにする等適宜選択することができる。
この場合において、前者のタイプにあっては、画像濃度信号SDの変化態様に基づいて基準パルスを選定することになるが、基準パルスの周波数を極端に高く設定しない場合には、多値変調手段6の回路構成として高価なECLを使用しなくても低廉なTTLで対応できる点で好ましい。一方、後者のタイプにあっては、パルス幅の位相ずれを取出す手段としては例えば遅延手段を用いることができ、遅延手段の遅延量を所望の演算手段にて取出すように設計することが可能である。そして、遅延手段の遅延量を適宜選定すれば、画像濃度信号SDのパルス幅を所望のものに設定することができるので、前者のタイプのような制限を受けることなく、容易に且つ比較的安価に回路を構成することができる。
【0015】
また、この発明の適用対象はレーザプリンタ、複写機等の画像形成装置全般であり、例えば、少なくとも異なる現像剤が使用される複数の現像手段3を有し、共通若しくは個別のビーム走査ユニット1によって複数の潜像を形成し、各潜像を対応する現像手段3で個別に現像するタイプにおいては、基本的に、濃度階調変換手段4、濃度コード生成手段5及び多値変調手段6を夫々の現像手段3に対応して複数系統設けるように設計することが必要である。
この場合において、複数系統の濃度階調変換手段4,濃度コード生成手段5,多値変調手段6の構成を簡略化するという観点からすれば、濃度階調変換手段4,濃度コード生成手段5,多値変調手段6を共用化するようにして設計することが好ましく、共用化する手段については、複数系統の画像データDTを例えば色情報によって区別し、夫々の色における画像データDTに応じた機能を具備させるようにすればよい。
【0016】
上述したような技術的手段において、図1に係る態様によれば、濃度コード生成手段5にて画像濃度コードSCを生成する際に、多階調画像データDTは、万線スクリーン+誤差拡散法により、所定の閾値にて区画され、その区画領域に応じた画像濃度コードSCに変換される。
このとき、上記手法にて記録された中間調画像には誤差拡散法による固有パターン(テクスチャ)が生ずるが、この態様にあっては、上記閾値は隣接画素毎に異なった値になっているので、上記固有パターン上には、サンプリング周波数の1/2の線数の万線スクリーンパターンが重畳されることになり、上記固有パターンの露呈状態を抑制する。
【0017】
また、一つの階調を複数の画素で再現する面積階調法的修正を付加する場合には、文字画像の劣化が生じ易いという第二の技術的課題が生ずる。
そこで、第一及び第二の技術的課題を解決するための参考発明は、多階調入力画像データを誤差拡散法が適用された補正手段にて補正し、補正された画像データに基づいて画像記録を行う画像記録装置において、上記補正手段には、多階調入力画像データの濃度階調を所定の閾値で区分することにより区分領域に対応した画像データを生成する生成手段と、この生成手段によって生成された画像データとそれに対応する入力画像データとの差分を画素毎に抽出する初期誤差抽出手段と、縦横夫々複数画素からなる所定サイズの画素マトリクス内の総初期誤差を加算し、この加算結果をマトリクス誤差データとするマトリクス誤差決定手段と、このマトリクス誤差データに基づいて前記画素マトリクス内の特定画素に誤差を分散させる誤差分散手段とを具備させたものである。
この参考発明において、より原画像に忠実な再現画像を得るという観点からすれば、誤差分散手段としては、画素マトリクスの補正対象画素順位として、初期誤差抽出手段にて抽出された初期誤差の大きいものを優先したものであることが好ましい。
【0018】
そして、この参考発明の一態様は、図3に示すように、図1と同様な基本的構成(ビーム走査ユニット1,感光体2,現像手段3,濃度階調変換手段4,濃度コード生成手段5,多値変調手段6)を備え、上記濃度コード生成手段5には、各画素毎の画像データを所定の閾値で区分した際の区分領域に対応した初期濃度コードSCOを設定する初期濃度コード設定手段11と、初期濃度コードSCOに対応する閾値と画像データとの差分からなるコード化誤差データCEDを抽出するコード化誤差抽出手段12と、このコード化誤差抽出手段12から抽出されたコード化誤差データCEDを所定の画素マトリクスの範囲で加算し、その加算結果に基づくマトリクス誤差データMEDを決定するマトリクス誤差決定手段13と、このマトリクス誤差データMEDに基づいて所定の画素マトリクス範囲の各画素の初期濃度コードSCOを選択的に補正するコード補正手段14とを具備させたものである。
ここで、図3の態様における濃度コード生成手段5においては、マトリクスの大きさや、コード補正手段15による補正アルゴリズムについては適宜設計変更して差支えないが、より原画像に忠実な再現画像を得るという観点からすれば、所定の画素マトリクスの補正対象画素順位として、コード化誤差データCEDの大きいものを優先するようにすることが好ましい。
【0019】
従って、図3に係る態様によれば、濃度コード生成手段5にて画像濃度コードSCを生成する際には、先ず、多階調画像データDTは、画素単位毎に所定の閾値にて区画され、その区画領域に応じた初期濃度コードSCOとして設定される。
次いで、上記初期濃度コード生成時の画像データDTと閾値との間の差分からなるコード化誤差データCEDが算出されると、各画素のコード化誤差データCEDが所定の画素マトリクスの範囲で加算され、マトリクス誤差データMEDが決定される。そして、上記マトリクス誤差データMEDに基づいて画素マトリクスの範囲で各画素の初期濃度コードが選択的に補正される。
このとき、各画素の画像濃度コードSCは、画素マトリクス範囲の全体誤差に基づく全体補正を施した状態で生成されるため、万線スクリーン+誤差拡散法にて各画素毎に個別補正を施す場合に比べて、万線スクリーンの網目が直接的に露呈することはなく、しかも、誤差拡散法による固有パターンも発生しない。
【0020】
また、上述した中間調画像再現方式にあっては、解像度を高める上で高線数の万線スクリーンを採用することになるが、写真等の中間調画像が潰れる等中間調画像を忠実に再現するという点で未だ不十分なものであるという第三の技術的課題が生ずる。
この第三の技術的課題を解決するための参考発明は、多階調入力画像データを濃度階調変換手段にて補正し、補正された画像データを多値変調手段にてパルス幅変調し、画像記録を行う画像記録装置において、上記濃度階調変換手段には、文字モード及び写真モードのいずれかを示すモード選択信号に応じて画像データの濃度変換レンジが可変設定されるレンジ可変手段を設け、このレンジ可変手段にて文字モードに比べて写真モードの濃度変換レンジを狭く設定するようにしたものである。
ここで、この参考発明の一態様は、図2に示すように、図1と同様な基本的構成(ビーム走査ユニット1,感光体2,現像手段3,濃度階調変換手段4,濃度コード生成手段5,多値変調手段6)を備え、上記濃度階調変換4には、文字モード及び写真モードのいずれかを示すモード選択信号MSに応じて画像データの濃度変換レンジが可変設定されるレンジ可変手段16を設け、このレンジ可変手段16にて文字モードに比べて写真モードの濃度変換レンジを狭く設定したものである。
特に、図2の態様におけるレンジ可変手段16については、現像特性、多値変調手段6の特性を考慮しながら、文字モード、写真モードに応じた濃度変換レンジを実験的に定めることが必要である。
図2に係る態様によれば、濃度階調変換手段4が写真モードの際に濃度変換レンジを文字モードよりも狭く設定するため、再現画像は原画像に忠実あるいは圧縮された階調レンジで再現される。
更にまた、少なくとも異なる現像剤が使用される複数の現像手段を有し、共通若しくは個別の潜像形成手段によって複数の潜像を形成し、各潜像を対応する現像手段にて個別に現像する画像記録装置においては、複数系統の入力画像データが夫々転送され、複数の現像手段の特性に夫々対応させてパルス幅変調せしめられる多値変調手段を具備させることが好ましい。
この種の態様において、装置構成を簡略化するという観点からすれば、少なくとも異なる現像剤が使用される複数の現像手段を有し、共通若しくは個別の潜像形成手段によって複数の潜像を形成し、各潜像を対応する現像手段にて個別に現像する画像記録装置において、複数系統の入力画像データの濃度階調を所定の閾値で区分することにより区分領域に対応した画像データを生成する一つの生成手段が共用され、かつ、複数系統の入力画像データの濃度情報が画像データの色情報に応じて複数系統に分離される一つの共用生成手段と、この共用生成手段にて分離された複数系統の入力画像データの濃度情報が夫々転送され、かつ、複数の現像手段の特性に夫々対応させてパルス幅変調せしめられる複数系統の多値変調手段とを備えるようにすればよい。
また、少なくとも異なる現像剤が使用される複数の現像手段を有し、共通若しくは個別の潜像形成手段によって複数の潜像を形成し、各潜像を対応する現像手段にて個別に現像する画像記録装置において、複数系統の入力画像データの濃度階調を所定の閾値で区分することにより区分領域に対応した画像データを生成する一つの共用生成手段と、この共用生成手段にて分離された複数系統の入力画像データの濃度情報が夫々転送され、かつ、複数の現像手段の特性に夫々対応させてパルス幅変調せしめられる複数系統の多値変調手段とを備え、前記共用生成手段には、複数系統の入力画像データから同系統の画像データを抽出する同系統データ抽出部と、この同系統データ抽出部にて抽出された同系統の画像データを参照して注目画素の濃度情報を決定する濃度情報決定部とを具備させるようにすればよい。
また、少なくとも異なる現像剤が使用される複数の現像手段を有し、共通若しくは個別の潜像形成手段によって複数の潜像を形成し、各潜像を対応する現像手段にて個別に現像する画像記録装置においては、複数の現像手段の特性に夫々対応させて多階調入力画像データの濃度階調が変換せしめられる濃度階調変換手段を具備させることが好ましい。
この種の態様においても、装置構成を簡略化するという観点からすれば、前記濃度階調変換手段にて変換された複数系統の入力画像データの濃度階調を所定の閾値で区分することにより区分領域に対応した画像データを生成する一つの生成手段が共用され、かつ、複数系統の入力画像データの濃度情報が画像データの色情報に応じて複数系統に分離される一つの共用生成手段と、この共用生成手段にて分離された複数系統の入力画像データの濃度情報が夫々転送され、かつ、複数の現像手段の特性に夫々対応させてパルス幅変調せしめられる複数系統の多値変調手段とを備えるようにすればよい。
あるいは、前記濃度階調変換手段にて変換された複数系統の入力画像データの濃度階調を所定の閾値で区分することにより区分領域に対応した画像データを生成する一つの共用生成手段と、この共用生成手段にて分離された複数系統の入力画像データの濃度情報が夫々転送されてパルス幅変調せしめられる複数系統の多値変調手段とを備え、前記共用生成手段には、複数系統の入力画像データから同系統の画像データを抽出する同系統データ抽出部と、この同系統データ抽出部にて抽出された同系統の画像データを参照して注目画素の濃度情報を決定する濃度情報決定部とを具備させるようにすればよい。
また、第三の技術的課題を解決するための別の参考発明は、多階調入力画像データを濃度階調変換手段にて補正し、補正された画像データを多値変調手段にてパルス幅変調し、画像記録を行う画像記録装置において、上記多値変調手段には、文字モード及び写真モードのいずれかを示すモード選択信号に応じて画像出力データのパルス幅が可変設定されるパルス幅可変手段を設け、このパルス幅可変手段にて文字モードに比べて写真モードの画像出力データのパルス幅を狭く設定したものである。
そして、この参考発明の一態様は、図4に示すように、図1と同様な基本的構成(ビーム走査ユニット1,感光体2,現像手段3,濃度階調変換手段4,濃度コード生成手段5,多値変調手段6)を備え、上記多値変調手段6には、文字モード及び写真モードのいずれかを示すモード選択信号MSに応じて画像濃度信号SDのパルス幅が可変設定されるパルス幅可変手段17を設け、このパルス幅可変手段17にて文字モードに比べて写真モードの画像濃度信号SDのパルス幅を狭く設定したものである。
ここで、図4の態様に係る多値変調手段6のパルス幅可変手段17に関し、文字モードと写真モードとのパルス幅を可変設定する上でパルス幅可変部を個別に具備していてもよいし、あるいは、一つのパルス幅可変部を共用するように構成してもよい。
従って、図4に係る態様によれば、多値変調手段6が写真モードの際に画像濃度信号SDのパルス幅を文字モードよりも狭く設定するため、再現画像は原画像に忠実あるいは圧縮された階調レンジで再現される。
【0021】
尚、第三の技術的課題を解決する参考発明の更に他の態様としては、図5に示すように、図1と同様な基本的構成(ビーム走査ユニット1,感光体2,現像手段3,濃度階調変換手段4,濃度コード生成手段5,多値変調手段6)を備え、上記濃度コード生成手段5には、少なくとも注目画素及び注目画素の前後に位置する画素に対応する前ラインの画素データと閾値との差分データを所定の重み付けで注目画素の現データに付加するデータ補正手段8と、このデータ補正手段8にて補正された注目画素の濃度階調数を閾値で仕切って画像濃度コードとするコード設定手段9とを具備させ、上記多値変調手段6には、文字モード及び写真モードのいずれかを示すモード選択信号MSに応じて画像濃度信号SDの変調パターンが一画素単位若しくは二画素単位のいずれかに切換えられる変調パターン切換手段15を設けたものが挙げられる。
ここで、図5の態様に係る多値変調手段6の変調パターン切換手段15に関し、一画素単位及び二画素単位の変調パターンとしては、例えば、一画素単位の場合にはパルス幅を一方向から順に脹らませるのに対し、二画素単位の場合にはパルス幅を左右両方向から順に脹らませる等適宜選択することができる。
従って、図5に係る態様によれば、濃度コード生成手段5が万線スクリーン法を採用している場合に、多値変調手段6が写真モードの際に万線スクリーンの線数を1/2に切換えた状態でで処理するため、電子プロセスの空間周波数特性に合致した画像形成を行うことが可能になり、高濃度画像部における階調再現性が向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添附図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
実施の形態1
目次
I.全体構成
II.画像処理ユニット
(1)基本構成
(2)画像読取り部
(2−A)フルカラーセンサ
(2−B)センサインタフェース回路
(3)色画情報生成回路
III.画像出力ユニット
(1)基本構成
(2)データ振分け回路
(3)TRC
(4)スクリーンジェネレータ
(4−A)基本構成
(4−B)スレッシュホールドパターン設定回路
(4−B−1)アルゴリズム
(4−B−2)実現回路例
(4−C)エラーディフュージョン回路
(4−C−1)アルゴリズム
(4−C−2)実現回路基本構成
(4−C−3)差分値生成回路
(4−C−4)ディジタルフィルタ,ルックアップテーブル
(4−C−5)エラーディフュージョン回路の作動
(5)ROSコントローラ
(5−A)基本構成
(5−B)多値変調回路
(5−B−1)基本構成
(5−B−2)デコーダ
(5−B−3)左右グレージェネレータ
(5−B−4)左右選択ブロック,左右切換信号発生器
(5−B−5)セレクタ
(5−B−6)多値変調回路の作動
(5−B−7)変形例
VI.装置の作動
【0023】
I.全体構成
図6は所謂1パス2カラー方式の二色カラー複写機にこの発明を適用した全体構成を示すブロック図であり、例えば、赤(サブカラー)と黒(メインカラー)との二色画像を再現するものである。
この二色カラー複写機は、図6に示すように、赤及び黒の二色原稿画像を読取って二系統の画像データを濃度データD及びカラーフラグCFの対として生成し、この濃度データD及びカラーフラグCFを適宜処理した後に出力する画像処理ユニット20と、この画像処理ユニット20からの濃度データD及びカラーフラグCFの対から二系統の画像データを再生し、この二系統の画像データを可視像化する画像出力ユニットとしてのレーザプリンタ110とで構成されている。
【0024】
II.画像処理ユニット
(1)基本構成
図7において、符号30は原稿を光学的に走査するフルカラーセンサ、40はフルカラーセンサ30からセル単位毎に時分割にて順次出力される読取り信号を所定の画素単位の色成分データ(緑:G,青:B,赤:R)に変換してそれらを並列的に出力するセンサインタフェース回路であり、このフルカラーセンサ30及びセンサインタフェース回路40にて画像読取り部が構成されている。70は上記センサインタフェース回路40からの各色成分データ(G,B,R)からいずれの色の原稿画像かを判別する色画情報生成回路であり、この色画情報生成回路70は各画素の256階調の濃度データD、赤(サブカラー)画像に対応したサブカラーフラグSCF及び黒(メインカラー)画像に対応したメインカラーフラグMCFを生成している。90は色画情報生成回路70からの濃度データD及びカラーフラグSCF、MCFに対して拡大、縮小、色反転等の編集、加工の処理を行う編集・加工回路である。この場合、濃度データD8ビットとカラーフラグSCF、MCF2ビットに対する編集、加工処理を行えばよいため、二系統の画像データ(夫々8ビットずつ)に対して編集、加工処理を行うタイプに比べて編集・加工回路90の回路構成を簡略化することができる。
そして、上記編集・加工回路90からの濃度データD及びカラーフラグSCF、MCFはインタフェース回路100を介してレーザプリンタ110に送出されるようになっている。
尚、この実施の形態においては、画像処理ユニット20内のカラーフラグはサブカラーフラグSCFとメインカラーフラグMCFとの2ビット構成になっているが、レーザプリンタ110側へ供されるカラーフラグCFは上記インタフェース回路100にてサブカラーとそれ以外を表現する1ビット構成に変えられる。
【0025】
(2)画像読取り部
(2−A)フルカラーセンサ
フルカラーセンサ30は、例えば図8に示すように、所定の画素密度(例えば16ドット/mm)となる五つのCCDセンサチップ30(1)ないし30(5)を有し、各CCDセンサチップ30(1)ないし30(5)を原稿走査方向mに対して交互に前後させながら、所謂千鳥状に配置して一体化したものである。
各CCDセンサチップ30(1)ないし30(5)は、図10に示すように、斜めに仕切られた各セル(光電変換素子)31の各受光面に対して緑(G)、青(B)、赤(R)のフィルタ(ゼラチンフィルタ等)を順番に被覆配列したものである。そして、隣接した緑フィルタのセル31Gと青フィルタのセル31Bと赤フィルタのセル31Rが一組になって各セル31からの受光量(原稿反射率に対応)に応じたレベルの出力信号が一画素P分の信号として処理されるようになっている。
【0026】
(2−B)センサインタフェース回路
上記センサインタフェース回路40は、基本的に千鳥配置された各CCDセンサチップ30(1)ないし30(5)からの出力信号に基づく色成分信号(G,B,R)を一ラインに揃えるための補正機能、CCDセンサチップ30(1)ないし30(5)の各セルからの信号としてシリアルに処理された各色成分信号(G,B,R)を上記画素P単位のパラレル信号に変換する機能、一画素Pにおける各色成分信号(G,B,R)の検出位置のずれに関する補正機能等を有している。
図16は千鳥配置されたCCDセンサチップからの出力を一ラインに揃える機能を実現する回路である。
同図において、各CCDセンサチップ30(1)ないし30(5)からセル単位に順次シリアルに出力される信号が増幅回路41(1)ないし41(5)を介してAD変換回路42(1)ないし42(5)に入力されている。そして、各AD変換回路42(1)ないし42(5)では上記受光量に応じた各セル単位のセンサ出力信号が例えば8ビットデータとして出力されるようになっている。そしてまた、上記各AD変換回路42(1) ないし42(5)の後段にはタイミング調整用のラッチ回路43(1)ないし43(5)が設けられ、特に、原稿走査方向m(図9参照)に対して他のCCDセンサチップより前方に配置されたCCDセンサチップ30(2)及び30(4)の系統については各対応ラッチ回路43(2)、43(4)の後段に先入れ先出し方式のFIFO44,45が設けられている。このFIFO44,45はCCDセンサチップ30(2),30(4)の系統についての色成分信号の出力タイミングを遅延させて他のCCDセンサチップ30(1),30(3),30(5)の系統についての同一ライン信号の出力タイミングに揃えるためのものである。
【0027】
従って、その書込みタイミング信号が所定のタイミングに決定される一方、その読み出しタイミング(遅延量)はCCDセンサチップ30(2)及び30(4)の走査ラインと他のCCDセンサチップの走査ライン間の距離と当該フルカラーセンサ30の原稿走査速度に基づいて決定される。例えば、形成される画像の倍率に応じて走査速度が異なる場合には、その倍率に応じて読み出しタイミングが制御される。このように、倍率等により読み出しタイミングを可変にする場合には、読み出しタイミングが最も遅くなる場合を想定してFIFO44,45の容量が決められる。
更に、各FIFO44,45の後段にはラッチ回路46(2),46(4)が設けられる一方、CCDサンサチップ30(1),30(3),30(5)の系統については上記ラッチ回路43(1),43(3),43(5)の後段には直接的に次のラッチ回路46(1),46(3),46(5)が接続され、FIFO44,45を介した先行するCCDセンサチップ30(2),30(4)の系統の色成分信号と他のCCDセンサチップの系統の色成分信号とが各ラッチ回路46(1)ないし46(5)にて同一走査ラインのものとして揃えられ、所定のタイミングにて後段に転送される。各ラッチ回路46(1)ないし46(5)を見ると、各色成分信号が各CCDセンサチップのセル配置に対応してG→B→R→G→B→R→……の順にシリアルに転送されるようになっている。
【0028】
図11は各CCDセンサチップの系統においてシリアル転送される各色成分信号を画素単位のパラレル信号に変換する機能を実現する回路である。
同図において、上記各CCDセンサチップ30(1)ないし30(5)に対応してシリアルパラレル変換回路50(具体的には50(1)ないし50(5))が設けられている。このシリアルパラレル回路50は上記のようにしてシリアルに転送される色成分信号(G,B,R)が並列的に入力されるラッチ回路51G,51B,51Rを備え、ラッチ回路51Gが色成分信号Gの転送時にアクティブとなるクロック信号(Gクロック)に同期し、ラッチ回路51Bが色成分信号Bの転送時にアクティブとなるクロック信号(Bクロック)に同期し、ラッチ回路51Rが色成分信号Rの転送時にアクティブとなるクロック信号(Rクロック)に同期して各色成分信号をラッチするようになっている。
また、各ラッチ回路51G,51B,51Rの後段には転走タイミングを調整するためにもう一度画素単位にラッチするトライステートラッチ回路52G,52B,52Rが設けられており、各トライステートラッチ回路52G,52B,52Rは上記Rクロックの立下がりのタイミングにて前段のラッチデータ(色成分信号)が同時に再ラッチされるようになっている。更に、このトライステートラッチ回路52G,52B,52Rの駆動/非駆動はイネーブル信号(i)(i=1…5)にて制御されるようになっている。
【0029】
上記シリアルパラレル変換回路50(1)ないし50(5)の後段にはメモリ回路54とこのメモリ回路54の書込み及び読出しの制御を行うタイミング制御回路56が設けられている。
メモリ回路54は各色成分(G,B,R)毎の専用のメモリを有し、各色成分のメモリに対する書込みに際して上記イネーブル信号(i)を(1)→(2)→(3)→(4)→(5)の順番にそのアクティブ状態を切換え、かつ、その書込みアドレスを所定の規則に従って制御することにより、各色成分(G,B,R)毎にメモリ内に一ライン分のデータを順次配列するようになっている。そして、各色成分のデータを各専用メモリから順次パラレルに読出すことにより画素単位の色成分データが一ラインの端から端まで順次後段に転送されるようになっている。
尚、上記タイミング制御回路56での書込みタイミングと読出しタイミングとの差により上記メモリ回路54を境に解像度の変換がなされる。例えば、メモリ回路54以降の系での解像度が400SPIとなるようタイミング制御回路56はその読出しタイミングを制御している。
【0030】
また、図12は一画素における各色成分(G,B,R)の検出位置のずれに関する補正機能を実現する回路である。
図8に示すように、フルカラーセンサ30の構造上一画素内で各色成分(G,B,R)の読取り位置が空間的にずれていることから、各セルからの信号をそのまま色成分信号として処理すると、黒画像の境界部分に他の色画素が発生してしまう現象、所謂ゴースト発生等が生ずる。そこで、この補正回路は、このようなゴースト発生等を防止するため、各色成分の読取り位置を見掛け上一致させるためのものである。
具体的には、図13に示す各セルの配列において、画素Pnに注目した際に各色成分の読取り位置が仮想的にセルGnの位置となるように補正されるものであり、その補正のアルゴリズムとしては、隣接画素Pn−1を考慮して各色成分の読取り位置をセルGnの位置となるように加重平均するものが採用されている。
すなわち、
Gn=Gn …(1)
Bn=(Bn−1+2Bn)/3 …(2)
Rn=(2Rn−1+Rn)/3 …(3)
の演算により各色成分データ(Gn,Bn,Rn)を得るようになっている。
【0031】
より具体的に述べると、図12に示す補正回路には図11に示す回路にて画素単位に出力される色成分データがパラレルに入力されるようになっている。そして、G成分の系統についてはラッチ回路58Gが設けられ、B成分の系統についてはラッチ回路58Bが設けられ、このラッチ回路58Bの後段には次のラッチ回路61及びラッチ回路58Bにラッチされたデータを1ビットシフトするシフタ62が設けられると共に、ラッチ回路61のラッチデータとシフタ62でのシフトデータを加算する加算器63及びこの加算器63での加算結果をアドレス入力としてその1/3を出力するルックアップテーブル(ROM)64が設けられている。また、R成分の系統についてはラッチ回路58Rが設けられ、このラッチ回路58Rの後段に次のラッチ回路65及びこのラッチ回路65にラッチされたデータを1ビットシフトするシフタ66が設けられると共に、ラッチ回路58Rのラッチデータとシフタ66でのシフトデータとを加算する加算器67及びこの加算器67での加算結果をアドレス入力としてその1/3を出力するルックアップテーブル(ROM)68が設けられている。
このような構成により、G成分の系統では上記(1)式を実現し、1ビットシフトすることが2倍の演算を意味することから、B成分の系統では上記(2)式を、R成分の系統では上記(3)式を夫々実現している。
上述した画像読取り部での処理の終了した各色成分信号は、一般的に行われるシェーディング補正等の処理を経た後次に説明する色画情報生成回路70に転送される。
【0032】
(3)色画情報生成回路
色画情報生成回路70の具体的構成を図14に示す。
同図において、符号71は上記センサインタフェース回路40から画素単位に転送される色成分データのうちG成分データとR成分データとを入力し、その差(R−G)を演算する減算回路、72はB成分データとR成分データとを入力し、その差(R−B)を演算する減算回路である。そして、各減算回路71,72での減算結果はパラレルにルックアップテーブル73のアドレス端に入力されており、このルックアップテーブル73は、上記各減算結果に基づいて当該画素の彩度C、色相Hの積(H+C)及び色判定の出力を行うものであり、その読出しは8ビット単位で行われ、例えば上位5ビットが(H×C)の結果に、下位3ビットが色判定出力に割付けられている。
【0033】
上記ルックアップテーブル73の内容は例えば次のように定められている。
図15に示すように、赤(R)の色成分と緑(G)の色成分との差(R−G)を縦軸に、赤(R)の色成分と青(B)の色成分との差(R−B)を横軸にした色空間を想定すると、原点Oからの距離rと回転角θにて任意の色の特定がなされる。
この場合において、距離rは主に彩度を決めるファクタとなり、色空間において原点Oに近付く程無彩色に近付く。また、回転角θは主に色相を決めるファクタとなっている。例えば、“赤”“マゼンタ”“青”“シアン”“緑”“黄”は夫々色空間において図15の破線で囲まれた位置に分布している。
上記のような関係から、(R−G)データと(R−B)データに基づき、
r=√{(R−G)2+(R−B)2}…(4)
θ=tan−1{(R−G)/(R−B)}…(5)
が求められ、これらのデータr,θによって特定される色空間内の位置にて色判定がなされる。
以下の表1はこの実施の形態での色判定データの一例を示す。
【0034】
【表1】
【0035】
また、上記彩度Cは、(R−G)データと(R−B)データから上記実施の形態1の演算式(4)にて決まる原点からの距離rと彩度Cとの関係、例えば実験的に定めた図16に示す関係に従って求めれる。尚、図16において、距離rが所定値R0より小さくなると、無彩色として彩度Cを強制的に“0”にした。
更に、色相Hは、(R−G)データと(R−B)データから上記演算式(5)にて決まる回転角θと色相との関係、例えば実験的に定めた図17に示すような関係に従って定められる。尚、図17において、回転角θが所定値θ0より小さいときは色相Hを強制的に“0”とした。
尚、上記彩度C及び色相Hを決める上記図16、図17に示す関係はシステムに要求される色分離に係る能力等によって種々定められる。
【0036】
また、図14において、画素単位に並列的に入力される各色成分データのうちG成分データが0.6倍の乗算回路74に入力され、B成分データが0.1倍の乗算回路75に入力され、R成分データが0.3倍の乗算回路76に入力されている。そして、各乗算回路74,75,76での乗算結果は夫々加算回路77に入力され、この加算回路77での加算結果v,
V=0.6G+0.3R+0.1B
が当該画素の明度データとして後段に転送されるようになっている。
上記明度データVは、イメージセンサ(フルカラーセンサ30)におけるG成分信号の分光感度曲線が人間の比視感度曲線に近い特性をもっていることに基因し、色成分データ(G,B,R)のうちG成分データを基にしてその値にB成分データとR成分データの値を加味して生成している。
そして、上記明度Vを決定する式における各係数(各乗算回路における乗算値)は、イメージセンサの分光感度特性、露光ランプの分光分布等により最終的に決定されるものである。
尚、システムに要求される能力に応じ、明度データVとしてG成分データだけを使用することも可能である。
【0037】
上記ルックアップテーブル73からの彩度及び色相に関する出力(H×C)、色判定データ及び加算回路77からの明度データVは次のルックアップテーブル78のアドレス入力となり、このルックアップテーブル78はアドレス入力に対応した色濃度データDcを出力する機能を有している。
具体的には、上記各入力に対して、
Dc=K×C×H×V
に従って決定する色濃度データDcを出力する。
ここで、Kは色判定データに応じて異なる係数であり、有彩色と無彩色とでは有彩色の方が明るく感じることから、この有彩色と無彩色の明度レベルを合せるためのもので、各判定色に応じて予め実験的に定められ、その値は例えば1.1〜1.3程度の範囲内の値に設定される。
【0038】
上記ルックアップテーブル73からの色判定出力(3ビット)とラッチ回路80に設定される色選択データが一致回路79に入力されており、色判定出力と色選択データとが一致したときに一致回路79の出力がハイレベルに立上るようになっている。この色選択データはオペレータの操作入力、あるいは、ディップスイッチ等による設定入力に基づいて上記ラッチ回路80にセットされるので、サブカラーとして再現する色に対応した3ビットデータ(実施の形態1の表1参照)になる。一致回路79の出力は、色選択にて設定されたサブカラー(例えば赤)であるか否かを示すサブカラーフラグSCFとして機能し、更に、選択回路81及び同82の出力選択信号(SEL)となっている。
選択回路81は、選択信号の状態に応じて明度データVと“O”データとを切換える機能を有しており、選択信号がハイレベルのときに“O”データを、同選択信号がローレベルのときに明度データVを出力するようになっている。
一方、選択回路82は選択信号の状態に応じてルックアップテーブル78からの色濃度データDcと上記選択回路81からのデータとを切換える機能を有しており、選択信号がハイレベルのときに色濃度データDcを、同選択信号がローレベルのときに選択回路81からのデータを出力するようになっている。
また、選択回路81の出力ビットはそのままオア回路83に入力されており、このオア回路83の出力がメインカラー(例えば黒)であるか否かを示すメインカラーフラグMCFとして機能する一方、選択回路82の出力は濃度データDとして後段に転送されるようになっている。
【0039】
上記のような色画情報生成回路70では、原稿画像のメインカラー(黒)領域においては、一致回路79の出力がローレベルになり、加算回路77からの明度データVがそのまま選択回路81,82を経て濃度データDとして後段に転送される。
このとき、明度データVが“0”でないことからメインカラーフラグMCFがハイレベルとなり、一致回路79の出力がローレベルであることからサブカラーフラグSCFがローレベルになる(図18におけるメインカラー領域Em参照)。
また、原稿画像のサブカラー領域(赤)においては、一致回路79の出力がハイレベルになり、ルックアップテーブル78からの色濃度データDcが選択回路82を経て濃度データDとして後段に転送される。
このとき、選択回路81の出力が“0”であることからメインカラーフラグMCFがローレベルとなり、一致回路79の出力がハイレベルであることからサブカラーフラグSCFがハイレベルになる(図18におけるサブカラー領域Es参照)。
更に、原稿画像の背景領域(濃度“0”)においては、選択回路81の出力が“0”で、更に一致回路79の出力もローレベルになることから、濃度データDが“0”となって、メインカラーフラグMCF及びサブカラーフラグSCF共にローレベルになる(図18における背景領域En参照)。
尚、この実施の形態においては、原稿の各画像データのカラーフラグは、以下の表2に示すように、上記メインカラーフラグMCF及びサブカラーフラグSCFの2ビットデータにて表現される。
【0040】
【表2】
【0041】
そして、上記各演算回路はタイミング制御回路(図示せず)の制御下において画素単位に同期がとられて駆動しており、濃度データD及びカラーフラグ(MCF,SCF)は同一画素の対となるデータとして後段の編集・加工回路90へと順次転送される。
【0042】
III.画像出力ユニット
(1)基本構成
図19はこの実施の形態において用いられる画像出力ユニットとしての所謂1パス2カラー(この実施の形態では例えば赤色と黒色)用レーザプリンタ110を示す。
同図において、符号120は例えば正帯電型の感光体、121は感光体120を予め帯電する帯電コロトロン、122はこの実施の形態で用いられるデュアルビーム走査ユニット(以下、ROS〔Raster Output Scanner〕という)、123は例えば正極性の赤色トナーが用いられるバイアス方式の第一現像器、124は例えば負極性の黒色トナーが用いられるバイアス方式の第二現像器、125は感光体120上のトナー像の極性を揃える転写前処理コロトロン、126は記録シート127に感光体120上のトナー像を転写させる転写コロトロン、128は感光体120側に静電付着した記録シート127を剥離するための除電コロトロン、129は感光体120上の残留トナーを除去するクリーナ、130は感光体120上の残留電荷を除去するイレーサランプ、131は転写工程後の記録シート127にトナー像を定着させる定着器である。
尚、上記第一現像器123及び第二現像器124の入力画像濃度に対する記録画像濃度の画像再現特性は、夫々図21にYs,Ymで示すように異なったものになっている。
【0043】
また、この実施の形態において用いられるROS122の詳細を図19及び図20に基づいて説明する。
同図において、141は一色目の画像形成用の半導体レーザ、142は二色目の画像形成用の半導体レーザ、143は両者のレーザ141,142からのビームBmを異なる角度にて反射させるポリゴンミラー、144はそのポリゴンモータ、145はfθレンズ、146は一色目のレーザ141からのビームBmを感光体120の第一現像器123の手前に位置する第一露光部E1に導くミラー、147は二色目のレーザ142からのビームBmを感光体120の第一現像器123の後段に位置する第二露光部E2に導くミラー、148及び149は一色目及び二色目のレーザービームの走査開始位置を夫々検出するSOSセンサである。
また、上記ROS122の駆動制御系は以下のように構成されている。
図19において、符号20は一色目(赤色)及び二色目(黒色)の多階調画像データを濃度データDとカラーフラグCFとに分離した状態で出力する画像処理ユニット、150は画像処理ユニット20から送出された濃度データDとカラーフラグCFとに基づいて二系統の画像データDs,Dmに振り分けるデータ振分け回路、151及び152はデータ振分け回路150で振分けられた画像データDs,Dmの濃度レベルを再現画像濃度特性に応じて変換する第一TRC(Tone Reproduction Controlerの略),第二TRC、153及び154は夫々の画像データDs,Dmを別々に処理し、各画像データに対応する画像濃度コードSCs,SCmを生成する第一及び第二スクリーンジェネレータ、155は上記スクリーンジェネレータ153からの画像濃度コードSCsを一旦格納して出力するFIFO、156は上記第二スクリーンジェネレータ154からの画像濃度コードSCmを上記第一露光部E1と第二露光部E2とのギャップGpに相当する走査時間分だけ格納した後出力するギャップメモリ、157は一色目のレーザ141及びポリゴンモータ144を駆動制御する第一ROSコントローラ、158は二色目のレーザ142を駆動制御する第二ROSコントローラ、159及び160は夫々のレーザドライバ、161はポリゴンモータ144のモータドライバである。尚、上記第一ROSコントローラ157は露光部を画像部とし、第二ROSコントローラ158は非露光部を画像部とするように上記各レーザ141,142を制御するようになっている。
【0044】
次に、この実施の形態に係るレーザプリンタ110の基本的作動について説明する。
先ず、画像処理ユニット20からの濃度データD及びカラーフラグCFは、データ振分け回路150にて二系統の画像データDs,Dmに振分けられ、各TRC151,152にてデータ変換された後、各スクリーンジェネレータ153,154にて二系統の画像濃度コードSCs,SCmに変換され、しかる後、FIFO155あるいはギャップメモリ156を介して第一、第二ROSコントローラ157,158へ送出される。
このとき、先ず、第一ROSコントローラ157がレーザ141及びポリゴンモータ144を駆動し、感光体120の第一露光部E1に図22(a)に示すような露光部が画像部となる潜像Z1が形成される。そして、この潜像Z1が第一現像器123にて第一現像バイアスVB1のもとに現像されると、同図に示すように、第一トナー像T1が形成される。
この後、上記第二ROSコントローラ158がレーザ142を駆動し、感光体120の第二露光部E2に図22(b)に示すような非露光部が画像部となる潜像Z2が形成される。そして、この潜像Z2が第二現像器124にて第二現像バイアスVB2のもとに現像されると、同図に示すように、第二トナー像T2が形成される。
そして、これらのトナー像T1,T2は転写前処理コロトロン125にて極性を揃えられた後、転写コロトロン126にて記録シート127に転写され、しかる後、定着器131にて定着されるようになっている。
【0045】
(2)データ振分け回路
図23はデータ振分け回路150の具体的構成を示す。
すなわち、データ振分け回路150は、カラーフラグCF(この実施の形態では、背景領域の画素をメインカラー領域に含めて扱うこととし、サブカラー領域の画素に対してはハイレベルとなり、それ以外の領域の画素についてはローレベルとなるように設定されている。)の状態によりその出力が二系統の入力信号(A,B)から選択される二つの選択回路171,172を具備している。
この場合において、上記濃度データDが選択回路171の入力端B及び選択回路172の入力端Aに夫々入力されると共に、選択回路171の反対側の入力端A及び選択回路172の反対側の入力端Bには“0”データが夫々入力されている。これらの選択回路171、172はローレベルの制御入力にてA側、ハイレベルの制御入力にてB側の入力信号を選択するもので、カラーフラグCFが当該制御信号になっている。そして、一方の選択回路171の出力がサブカラー濃度データDs、他方の選択回路172の出力がメインカラー濃度データDmとして画素単位にて後段に転送されるようになっている。
【0046】
(3)TRC
第一TRC151は、第一ROSコントローラ157と協同し、第一現像器123の記録画像再現特性を所望のもの、例えば図24の第一象限(I)のような線形なものに補正するもので、第一スクリーンジェネレータ153にてコード化する前にサブカラー濃度データDsを予め変換するサブカラー用変換テーブル(ルックアップテーブル)であり、第二TRC152は、第二ROSコントローラ158と協同し、第二現像器124の記録画像再現特性を所望のもの、例えば図24の第一象限(I)のような線形なものに補正するもので、第二スクリーンジェネレータ154にてコード化する前にメインカラー濃度データDmを予め変換するメインカラー用変換テーブル(ルックアップテーブル)である。
より具体的に述べると、上記第一TRC151は、入力画像濃度に対応した濃度データ、例えばサブカラー濃度データDsが図24の第4象限(IV)のような曲線であると仮定すれば、このサブカラー濃度データDsを図24第3象限(III)に点線で示すように濃度変換するものである。この場合、上記変換データを第一スクリーンジェネレータ153を介して第一ROSコントローラ157にてパルス幅変調すると、スクリーンジェネレータへの入力濃度データと出力画像濃度との特性(以下SG−IOT特性と略す)が図24第2象限(II)の点線で示すように得られ、結果的に、図24第1象限(I)に示すような線形特性が得られることになるのである。
【0047】
また、第二TRC152は、入力画像濃度に対応した濃度データ、例えばメインカラー濃度データDmが図24の第4象限(IV)のような曲線であると仮定すれば、このメインカラー濃度データDmを図24第3象限(III)に実線で示すように濃度変換するものである。この場合、上記変換データを第二スクリーンジェネレータ154を介して第二ROSコントローラ158にてパルス幅変調すると、SG−IOT特性が図24第2象限(II)の実線で示すように得られ、結果的に、図24第1象限(I)に示すような線形特性が得られることになるのである。
このように、上記各TRC151,152にてデータ変換する理由は以下の通りである。
すなわち、後述するように、上記各ROSコントローラ157,158のパルス幅変調特性については通常パルス幅の変調数に限りがあるため、これだけでは、図24第3象限にて、記録画像再現特性を線形に補正するためのSG−IOT特性を得ることが困難になる場合が生じてしまうが、この実施の形態においては、上記各TRC151,152にて予めデータ変換することができるので、記録画像再現特性を線形に補正する上で必要なSG−IOT特性を容易に得ることが可能である。
尚、この実施の形態においては、センサインタフェース回路40に対数アンプが設けられていないため、上記TRC151,152は入力画像濃度に対応した光量データを濃度データへと変換する機能をも兼用したものになっている。
【0048】
(4)スクリーンジェネレータ
(4−A)基本構成
この実施の形態におけるスクリーンジェネレータ153,154は、256濃度階調(濃度零レベルも含む)の入力画像データを5階調(濃度零レベルも含む)の画像濃度コードSC(図19中のSCs,SCmに相当)として出力するものである。
図25はこの実施の形態に係る各スクリーンジェネレータ153,154の基本構成を示すブロック図である。
同図において、符号180は8ビットの入力画像データDT(サブカラー濃度データDsあるいはメインカラー濃度データDmに相当)を一旦格納した後に出力するバッファであり、このバッファ180からの画像データDTはエラーディフュージョン回路200を経て比較回路240に入力される。そして、上記エラーディフュージョン回路200及び比較回路240にはスレッシュホールドパターン設定回路190にて設定されたスレッシュホールドパターンTHPが入力され、上記エラーディフュージョン回路200及び比較回路240にて夫々誤差拡散処理及び比較処理が行われた後、比較回路240からの出力が濃度コード生成器250に入力され、所定の変換が行われて画像濃度コードSC(サブカラー画像濃度コードSCsあるいはメインカラー画像濃度コードSCmに相当)が生成されるようになっている。
【0049】
(4−B)スレッシュホールドパターン設定回路
(4−B−1)アルゴリズム
この実施の形態において、上記スレッシュホールドパターン設定回路190は多階調画像データDTをコード化する上で複数の閾値を設定するものであり、隣接画素毎に異なるA系列パターン,B系列パターンを具備している。
先ず、閾値設定のアルゴリズムについて説明する。
今、256階調データ(“0”データを含む)に対してn個の閾値を設定する場合を例に挙げると、図26に示すように、標準パターンの各閾値THR1,THR2……THRnに対して夫々所定の変化分ΔTHだけ減少させてA系列のパターンとし、一方、標準パターンの各閾値THR1,THR2……THRnに対して夫々所定の変化分ΔTHだけ増加させてB系列パターンとすればよい。
より具体的に述べると、上記標準パターンの各閾値THR1,THR2……THRnとしては例えば以下の(6)式のように設定される。
THR1=255/(n×2)
THR2=THR1+255/n
:
:
THRn=THRn−1+255/n …(6)
【0050】
これに対し、A系列パターンの各閾値THA1,THA2……THAnとしては例えば以下の(7)式に従って設定される。但し、上記変化分ΔTHは255/(n×4)である(以下のB系列パターンについても同様)。
THA1=255/(n×4)
THA2=THA1+255/n
THA3=THA2+255/n
:
:
THAn=THAn−1+255/n …(7)
一方、B系列パターンの各閾値THB1,THB2……THBnとしては例えば以下の(8)式に従って設定される。
THB1=255/(n×4)+255/(n×2)
THB2=THB1+255/n
THB3=THB2+255/n
:
:
THBn=THBn−1+255/n …(8)
尚、この実施の形態において、A系列パターン、B系列パターン共に、各閾値にて仕切られる区分域を等分にするために、以下の(9)式で示すような仮想上の閾値が夫々設定されるようになっている。
THA0=THA1−255/n
THAn+1=THAn+255/n
THB0=THB1−255/n
THBn+1=THBn+255/n …(9)
このような閾値の設定方法において、閾値数n=4にしたものが図27であり、A系列パターン、B系列パターンの各閾値は、以下の表3のように表される。
【0051】
【表3】
【0052】
(4−B−2)実現回路例
また、図28は上述したようなアルゴリズムに従って回路構成されたスレッシュホールドパターン設定回路190の具体例を示す。
同図において、スレッシュホールドパターン設定回路190は六つのスレッシュホールド設定部191(具体的には191(0)ないし191(5))を有し、各スレッシュホールド設定部191は、A系列用パターン用のA系列閾値設定スイッチ192と、B系列パターン用のB系列閾値設定スイッチ193と、A系列閾値設定スイッチ192及びB系列閾値設定スイッチ193にて設定された閾値データTHAi,THBi(i=0……5)を選択するセレクタ194と、ビデオクロック信号(以下Vクロック信号という)VCKを2分周して前記セレクタ194に対する選択信号として作成するフリップフロップ195とで構成されており、夫々のスレッシュホールド設定部191(0)ないし191(5)からの閾値信号TH0ないしTH5は、A系列パターン(THA0ないしTHA5)とB系列パターン(THB0ないしTHB5)とを交互に繰返す。
【0053】
(4−C)エラーディフュージョン回路
(4−C−1)アルゴリズム
この実施の形態において用いられるエラーディフュージョン回路200は、画像データDTを所定の閾値THで区分する際に生ずる画像データDTと閾値THとの間の差分データ(エラーデータ)の影響を抑えるべく、画像データDTを補正するものである。
図29はこの実施の形態に係るエラーディフュージョン回路200のアルゴリズムを示す説明図である。
同図において、jラインのi番目の画素Pj(i)を注目画素とし、その画像データをXとする一方、j−1ラインのi−1,i,i+1番目の各画素Pj−1(i−1),Pj−1(i),Pj−1(i+1)の差分データを夫々A,B,Cとし、注目画素Pj(i)の直前画素Pj(i−1)の差分データをDとすれば、
注目画素Pj(i)の補正済み画像データX’は以下の(10)(11)式で算出されるようになっている。尚、ΔXは差分補正データ、k1ないしk4は各画素の差分データの影響度合に応じた重み付けをするための補正係数である。
ΔX=k1A+k2B+k3C+k4D
但し、Σki(i=1〜4)=1……(10)
X’=X+ΔX ……(11)
特に、この実施の形態においては、k1=0.2,k2=0.5,k3=0.2,k4=0.1に設定されている。
【0054】
更に、この実施の形態において用いられる差分データの値及びその極性を図30に示す。
同図において、NO.0ないしNO.4は画像データDTの濃度階調数の区分域番号を示し、A系列パターンにあっては、
NO.0:THA0〜THA1−1
NO.1:THA1〜THA2−1
NO.2:THA2〜THA3−1
NO.3:THA3〜THA4−1
NO.4:THA4〜THA5−1
を包含する一方、B系列パターンにあっては、
NO.0:THB0〜THB1−1
NO.1:THB1〜THB2−1
NO.2:THB2〜THB3−1
NO.3:THB3〜THB4−1
NO.4:THB4〜THB5−1
を包含している。
そして、各区分域での差分データΔDTは、各区分域の中間点に位置する中間位置画像データ(例えば、A系列パターンNO.1では(16+80)/2)を基準とし、画像データDTと中間位置画像データとの差分を±の極性をもって表わすようになっている。
このように±の極性を持つ差分データΔDTによる補正は、例えば+極性あるいは−極性のみを持つ差分データによる補正に比べて、入力の階調に対する出力の階調特性を忠実に再現できる点で好ましい。
【0055】
(4−C−2)実現回路基本構成
このような原理に基づいて、上述したエラーディフュージョン回路200は例えば図31に示すように構成される。
同図において、符号201は加算器であり、この加算器201の一方の入力端子にはバッファ180からビット画像データDTが入力されるようになっている。また、符号202は加算器201からの出力データを一旦格納した後に出力するラッチ回路であり、このラッチ回路202の出力データは加算器203の一方の入力端子に入力されるようになっている。更に、符号204は加算器203の出力データを一旦格納した後に出力するラッチ回路であり、このラッチ回路204の出力データが比較回路240へと送出されるようになっている。
また、符号190は画像データDTの濃度階調数を区分する際の各閾値データTHをA系列パターン、B系列パターンと交互に設定するスレッシュホールドパターン設定回路、206は上記ラッチ回路204からの画像データDT、上記スレッシュホールドパターン設定回路190からの閾値データTH及び後述するアドレスデータADTを入力データとして、一ライン前の画素における差分データ(図29に示す差分データA,B,Cに相当)を生成するための差分値生成回路であり、この差分値生成回路206からの差分データΔDTは一ライン分FIFO207に格納された後、各注目画素に対する補正用画素の差分データがディジタルフィルタ208に取込まれるようになっている。そして、このディジタルフィルタ208は、上記補正用画素の差分データA,B,Cを用いて所定の演算を行い、k1A+k2B+k3Cなるデータを出力するものであり、この補正データは上記加算器201の他方の入力端子に入力されるようになっている。
更に、符号209は上記ラッチ回路204からの画像データDT及びスレッシュホールドパターン設定回路190からの閾値データTHを入力データとして、上記注目画素の直前画素の補正データk4Dを生成するためのルックアップテーブルであり、このルックアップテーブル209からの補正データk4Dは上記加算器203の一方の入力端子に入力されるようになっている。
【0056】
(4−C−3)差分値生成回路
また、上記差分値生成回路206の具体的構成を図32に示す。
同図において、符号211ないし215はスレッシュホールドパターン設定回路190における各スレッシュホールド設定部191(0)ないし191(5)の相互に隣接する閾値データ(例えば、TH0とTH1,TH3とTH4)を夫々加算する加算器、216ないし220は上記各加算器211ないし215からの加算データを1/2に除算する除算器、211ないし225は上記各除算器216ないし220からの除算データをOCポートにセレクト信号が入力された時点でラッチするラッチ回路である。
また、符号226は後述するアドレスデータADT(この実施の形態では4ビットデータ)に応じて出力ポートQ0ないしQ4のいずれか一つがセレクト信号として選択されるデコーダであり、各出力ポートからQ0ないしQ4からの信号は各ラッチ回路221ないし225のOCポートに入力されるようになっている。尚、このデコーダ226の内容を以下の表4に示す。
【0057】
【表4】
【0058】
更に、符号227は入力画像データDTの濃度階調数から選択されたラッチ回路221ないし225のいずれかのデータを減算する減算器であり、この減算器227からは7ビットの差分データ△DTと1ビットの極性データmとが出力されるようになっている。
このような差分値生成回路206においては、上記スレッシュホールドパターン設定回路190、加算器211ないし215並びに除算器216ないし220は、画像データDTの濃度階調数の各区分域NO.0ないしNO.4での中間位置画像データMDTを演算するものであり、一方、ラッチ回路221ないし225のいずれかがアドレスデータADTに対応して選択され、選択されたラッチ回路は対応する中間位置画像データMDTをラッチした後に減算器227に送出し、この減算器227は入力画像データDTと中間位置画像データMDTとの差分データ△DTを極性データmと共に出力するようになっている。
【0059】
(4−C−4)ディジタルフィルタ,ルックアップテーブル
また、この実施の形態で用いられるディジタルフィルタ208の詳細を図33に示す。
同図において、符号231ないし233は図31に示すFIFO207から画素単位に順次読み出される差分データ△DTを順次ラッチする三段構成のラッチ回路であり、符号234は一段目のラッチ回路231の出力データに対し補正係数k1を掛ける演算を行う係数乗算器、235は二段目のラッチ回路232の出力データに対し補正係数k2を掛ける演算を行う係数乗算器、236は三段目のラッチ回路233の出力データに対し補正係数k3を掛ける演算を行う係数乗算器、237は各係数乗算器234ないし236の出力データを加算する加算器である。
このようなディジタルフィルタ208は、三段構成のラッチ回路231ないし233に一ライン前の三画素の差分データA,B,C(図29参照)をラッチさせ、係数乗算器234ないし236にて夫々の差分データA,B,Cと夫々の補正係数k1,k2,k3とを掛け合せた後、加算器237にてそれらを加算し、k1A+k2B+k3Cを出力するのである。
更にまた、上記ルックアップテーブル209の内容は、画像データDT及び閾値データTHをアドレス信号として、差分データ△DT(図29中Dに相当)に補正係数k4を掛合せた差分補正データk4Dをその極性データと共に読み出し可能に格納したものである。
【0060】
(4−C−5)エラーディフュージョン回路の作動
従って、この実施の形態に係るエラーディフュージョン回路200によれば、図31に示すように、注目画素の入力画像データXが加算器201の一方の入力端子に入力されると、一ライン前の三画素の差分データ(図29のA,B,Cに相当)に補正係数k1,k2,k3を掛合せた第一の補正差分データ[k1A+k2B+k3C]がディジタルフィルタ208から出力され、上記加算器201の他方の入力端子に入力される。一方、上記LUT209からは注目画素の直前画素における差分データ(図29中Dに相当)に補正係数k4を掛合せた第二の補正差分データ[k4D]が出力される。
この状態において、上記加算器201では、X+(k1A+k2B+k3C)なる加算が行われ、このデータがラッチ回路202を経て加算器203の一方の入力端子に入力される段階で、上記第二の補正差分データ[k4D]が加算され、ラッチ回路204には、注目画素の補正済み画像データX’、すなわち、X+△X,(但し、△X:k1A+k2B+k3C+k4D)がラッチされることになり、この補正済み画像データX’が後段の比較回路240へ送出されるようになっている。
【0061】
(4−D)比較回路,濃度コード生成器
上記比較回路240は、図34に示すように、四つのディジタルコンパレータ241ないし244からなり、各コンパレータ241の一方の入力端Aにはエラーディフュージョン回路200からの補正済みの画像データDTが入力され、各コンパレータ241ないし244の他方の入力端Bには、スレッシュホールドパターン設定回路190の四つのスレッシュホールド設定部191(1)ないし191(4)からの閾値データTH1ないしTH4(この実施の形態では、A系列パターン,B系列パターンが隣接画素単位で交互に繰返されて出力される)が入力され、A≧Bのとき各コンパレータ241ないし244の出力が“1”になるようになっている。
そして、上記各コンパレータ241ないし244からは4ビットのアドレスデータADT(具体的には[0000][0001][0011][0111][1111])が出力され、この4ビットのアドレスデータADTは、以後の処理を簡略化するために、濃度コード生成器250を構成するコーダ251にて3ビットの画像濃度コードSC(具体的にはSC(0)=000,SC(1)=001,SC(2)=011,SC(3)=101,SC(4)=111)に変換生成されるようになっている。
尚、入力画像データの区画域番号、アドレスデータADT及び画像濃度コードSCの関係は以下の表5のようになっている。
【0062】
【表5】
【0063】
(5)ROSコントローラ
(5−A)基本構成
図35は第一ROSコントローラ157及び第二ROSコントローラ158の概略を示す。
第一ROSコントローラ157は、所定のVクロック信号VCKを生成する同期信号発生回路261と、ポリゴンモータ144を制御するポリゴンモータコントローラ264と、同期信号発生回路261からのVクロック信号VCKに同期してFIFO155からの画像濃度コードSC(SCsに相当)を取込み、この画像濃度コードSCに対応して画像濃度信号SDのパルス幅を変調する多値変調回路265とで構成されている。
そして、上記同期信号発生回路261は、ビデオクロック発生器262からのVクロック信号VCKと、センサアンプ263で増幅した第一SOSセンサ148の検出信号とを位相合せした同期信号を生成するものである。また、上記ポリゴンモータコントローラ264は、モータ制御クロック信号SMをモータドライバ161に送出するとにより、ポリゴンモータ144を駆動制御するようになっている。更に、上記多値変調回路265は、画像濃度信号SDをレーザドライバ159に送出することにより、第一レーザ141を駆動制御するようになっている。
また、第二ROSコントローラ158は、ポリゴンモータコントローラ264がない点を除いて基本的に第一ROSコントローラ157と略同様な構成を有しており、ビデオクロック発生器272からのVクロック信号VCKと、センサアンプ273で増幅した第二SOSセンサ149の検出信号とを位相合せした同期信号を生成し、この同期信号タイミングにてギャップメモリ156からの画像濃度コードSC(SCmに相当)を取込んで出力する同期信号発生回路271と、同期信号発生回路271から出力された画像濃度コードSCに基づいて画像濃度信号SDのパルス幅を変調する多値変調回路275とで構成されている。
【0064】
(5−B)多値変調回路
(5−B−1)基本構成
この実施の形態に係る多値変調回路265,275は、再現画像モード(文字モードあるいは写真モード)に応じた最適な画像再現を行うようになっており、その基本的構成は略同様であるので、以下、多値変調回路265を例に挙げて説明する。
図36はこの実施の形態に係る多値変調回路265の詳細を示すブロック図である。
同図において、符号281は3ビットの画像濃度コードSCを多値変調回路内に取込むためのインタフェースであり、このインタフェース281に取込まれた画像濃度コードSCはVクロック信号VCKに同期してラッチ回路282にラッチされるようになっている。そして、上記ラッチ回路282からの画像濃度コードSCはP−ROMからなるデコーダ283によって選択コードb(具体的にはb(BK),b(GY3),b(GY2),b(GY1),b(W))に変換されるようになっている。一方、符号284は上記Vクロック信号VCKに基づくパルス信号の位相ずれを利用し、中間調画像濃度コードに対応するパルス幅の変調信号を二系統のパターン(具体的には左側から順に広がるパターンと右側から順に広がるパターン)で生成する左右グレージェネレータであり、この左右グレージェネレータ284からの左側から広がるパターンの左変調信号LGY1ないしLGY3並びに右側から広がるパターンの右変調信号RGY1ないしRGY3は左右選択ブロック285に入力されている。また、符号286は文字モード及び写真モードのいずれかを示すモードセレクト信号MSに応じて1,0の左右切換信号LRSを適宜生成する左右切換信号発生器であり、この左右切換信号LRSが上記左右選択ブロック285に送出される。そして、上記左右選択ブロック285は左右切換信号LRSに応じて上記左変調信号LGY1ないしLGY3あるいは右変調信号RGY1ないしRGY3を選択して出力し、この左変調信号あるいは右変調信号のいずれかが変調信号GY1ないしGY3として送出されるようになっている。そして更に、上記左右選択ブロック285からの変調信号GY1ないしGY3、最大画像濃度コードに対応する変調信号BK並びに零画像濃度コードに対応する変調信号Wがセレクタ287に入力され、このセレクタ287は上記デコーダ283の選択コードbによっていずれかの変調信号を選択作動するようになっており、選択された変調信号が画像濃度信号SDとして生成されるようになっている。
【0065】
(5−B−2)デコーダ
この実施の形態において用いられるデコーダ283の内容を以下の表6に示す。
【0066】
【表6】
【0067】
(5−B−3)左右グレージェネレータ
また、図37にはこの実施の形態において用いられる左右グレージェネレータ284の詳細を示す。
同図において、符号301はVクロック信号VCKを1/2に分周する分周器、302及び303は分周器301からのパルス信号を予め設定された複数の遅延時間分だけ遅延させる第一及び第二ディレイライン、304は上記各ディレイライン302,303と同様な構成のディレイラインからなる温度安定チップ、305ないし311は波形成形用のCMOSゲート、312ないし314はEORゲート、315ないし317はアンドゲートである。
この実施の形態において、第一及び第二ディレイライン302,303は、図38に示すように、インバータ入力タップ320と、このインバータ入力タップ320に直列接続される複数の遅延素子321ないし326(この実施の形態においては各遅延素子の遅延量は予め所定のものに設定されている)と、各遅延素子321ないし326の終端部位から引出されるインバータ出力タップ327ないし332とからなる。尚、入力タップ位置はIN,出力タップ位置は夫々TP(具体的にはTP1ないしTP6)で示される。
そして、上記第一ディレイライン302の入力タップINには分周器301からの出力が入力され、第一ディレイライン302の出力タップTP2ないしTP4からの出力がCMOSゲート306ないし308を介してEORゲート312ないし314の一方の端子に入力される。一方、第一ディレイライン302の出力タップTP6からの出力が第二ディレイライン303の入力タップINに入力されると共に、この第二ディレイライン303の出力タップTP3ないしTP5からの出力がCMOSゲート309ないし311を介してアンドゲート315ないし317の一方の入力端子に入力されている。そして、上記温度安定チップ304の出力タップTP1からの出力はCMOSゲート305を介してEORゲート312ないし314並びにアンドゲート315ないし317の他方の入力端子に夫々入力されている。
このような回路構成において、上記EORゲート312ないし314の出力が左変調信号LGY1ないしLGY3として与えられ、上記アンドゲート315ないし317の出力が右変調信号RGY3,RGY2,RGY1として与えられるようになっている。
【0068】
(5−B−4)左右選択ブロック,左右切換信号発生器
また、図39にはこの実施の形態において用いられる左右選択ブロック285及び左右切換信号発生器286の詳細を示す。
同図において、左右選択ブロック285は、左右グレージェネレータ284からの左変調信号LGY3,LGY2,LGY1並びに右変調信号RGY3,RGY2,RGY1が一方の入力端子に入力されるアンドゲート341ないし346と、三つのオアゲート347ないし349と、左右切換信号発生器286からの出力が入力されるインバータ350とを備えている。そして、上記左右切換信号発生器286からの出力アンドゲート341ないし343の他方の入力端子に入力されると共に、インバータ350の出力はアンドゲート344ないし346の他方の入力端子に入力され、更に、アンドゲート341及び344の出力がオアゲート347を介して変調信号GY3として取出され、アンドゲート342及び345の出力がオアゲート348を介して変調信号GY2として取出され、アンドゲート343及び346の出力がオアゲート349を介して変調信号GY1として取出されるようになっている。
また、上記左右切換信号発生器286は、Vクロック信号VCKを1/2に分周するフリップフロップ(以下FFと略記する)351と、このFF351の出力及びモードセレクト信号MSが入力されるナンドゲート352とを備えている。
【0069】
(5−B−5)セレクタ
更に、図40はこの実施の形態で用いられるセレクタ287の詳細を示す。
同図において、符号361ないし365は、上記左右選択ブロック285からの変調信号GY1ないしGY3、最大画像濃度コードに対応する変調信号BK並びに零画像濃度コードに対応する変調信号Wが夫々一方の入力端子に入力されると共に、夫々の変調信号に対応した選択コードb(具体的には、b(BK),b(GY3),b(GY2),b(GY1),b(W))が夫々の他方の入力端子に入力されるアンドゲート、366は各アンドゲートからの出力を入力するオアゲートであり、ハイレベルな選択コードに対応するアンドゲートのみが開いて、当該アンドゲートを通過した変調信号がオアゲート366から画像濃度信号SD(サブカラー用の画像濃度信号SDsに相当)として出力されるようになっている。
尚、第二ROSコントローラ158の多値変調回路275にあっては、第一ROSコントローラ157と異なり、非露光部を画像部とするため、画像濃度信号SDとしては、例えば図40に仮想線で示すように、オアゲート366の出力をインバータ367で反転させるようにしている。
【0070】
(5−B−6)多値変調回路の作動
図41乃至図43に示すタイミングチャートを中心に第一ROSコントローラ157の多値変調回路265を例に挙げてその作動について説明する。
図37において、今、基準クロックとしてのVクロック信号VCKが分周器301を通過すると、1/2に分周されたVクロック信号が基準クロックに基づくパルス信号(VCK/2に相当する)として生成され、温度安定チップ304のTP1からは所定の遅延量(この実施の形態ではDELAY0とする)だけ遅延して出力される。
一方、上記パルス信号VCK/2が第一ディレイライン302に入力されると、第一ディレイライン302の出力タップTP2,TP3,TP4からは所定の遅延量(この実施の形態ではDELAY0にDELAY1,DELAY2,DELAY3を加えたもの)だけ遅延したパルス信号が夫々出力される。また、第二ディレイライン303の出力タップTP3,TP4,TP5からは第一ディレイライン302の入力タップIN,出力タップTP5間の遅延量に第二ディレイライン303の各出力タップまでの遅延量が付加された所定の遅延量(この実施の形態では夫々DELAY0にDELAY4,DELAY5,DELAY6を加えたもの)だけ遅延したパルス信号が夫々出力される。
この場合において、上記EORゲート312ないし314からは上記DELAY1ないしDELAY3に対応するパルス幅の左変調信号LGY1ないしLGY3が出力される。一方、上記アンドゲート315ないし317からは上記VCK/2のパルス幅から夫々DELAY4ないしDELAY6分を差引いたパルス幅(DELAY3ないしDELAY1に相当)の右変調信号RGY3,RGY2,RGY1が出力される。
【0071】
ここで、モードセレクト信号MSが文字モードを示すものであると仮定する(この実施の形態においては文字モード:モードセレクト信号MS=0,写真モード:モードセレクト信号MS=1)。
このとき、図42に示すように、左右切換信号発生器286からの左右切換信号LRSは常時“1”であり、左変調信号LGY1ないしLGY3がそのまま変調信号GY1ないしGY3として出力されてセレクタ287に入力される。すると、このセレクタ287はデコーダ283からの選択コードに応じて一画素ずつ画像濃度信号SDを生成してレーザドライバ159へ送り、第一レーザ141を駆動する。
このような駆動動作過程において、上記第一レーザ141の点灯動作は、図44(a)に示すように、各画素毎に常時左側から順に点灯するパターン(所謂ノコギリ波パターン)であるため、一画素で一線が形成されることになり、その分、解像度が高められ、文字等の細線が良好に再現され得る。
【0072】
一方、モードセレクト信号MSが写真モードを示すものであると仮定すると、図43に示すように、左右切換信号発生器286からの左右切換信号LRSは“1”“0”を各Vクロック信号VCKの一周期毎(各画素P単位毎)に交互に出力することになり、左変調信号LGY1ないしLGY3と右変調信号RGY1ないしRGY3とが各画素P単位毎に交互に変調信号GY1ないしGY3として選択されセレクタ287に入力される。すると、このセレクタ287はデコーダ283からの選択コードに応じて一画素ずつ画像濃度信号SDを生成してレーザドライバ159へ送り、第一レーザ141を駆動する。尚、この実施の形態に係る多値変調回路265においては、上記右変調信号RGY1ないしRGY2が二画素毎にしか生成されないが、写真モードにあっては、左変調信号LGY1ないしLGY3と交互に使用されるため、特に不都合は生じない。
このような駆動動作過程において、上記第一レーザ141の点灯動作は、図44(b)に示すように、隣接する二画素Pの一方に対して左側から順に点灯すると共に他方に対して右側から順に点灯するパターン(所謂三角波パターン)であるため、二画素Pで一線が形成されることになり、その分、ノコギリ波パターンに比べて解像度は低下するが、逆に階調表現性が高められ、写真等の中間調画像が良好に再現される。
尚、第二ROSコントローラ158の多値変調回路275についても上記第一ROSコントローラ157のものと略同様に作動する。
【0073】
このような多値変調回路265,275において、上述した左右グレージェネレータ284の各DELAY1ないしDELAY3は以下のように設定される。一般に、入力画像データDTの濃度階調数Nと記録画像濃度Jとの関係は、図45に実線で示すような非線形な現像特性曲線Yとして得られる。
このような状況下において、図45に仮想線で示すように、画像濃度コードSCと記録画像濃度との関係を線形な現像特性曲線Y’に補正するようにすれば、上記画像濃度コードSC(0)ないしSC(4)に対する記録画像濃度Jの濃度差を略等間隔に設定することが可能になり、その分、記録画像の階調再現性を良好にすることができるものと考えられる。
このような観点に立って、上記補正された現像特性曲線Y’上の画像濃度コードSC(1),SC(2),SC(3)に対応する記録画像濃度を調べて見ると、実際の現像特性曲線Y上のY1,Y2,Y3に相当するものであることが把握される。それゆえ、上記画像濃度コードSC(1),SC(2),SC(3)に対応する画像濃度信号SDのパルス幅を変調する際に上記現像特性曲線YのY1,Y2,Y3に対応する記録画像濃度が得られるようにすればよい。
従って、上記現像特性曲線YのY1ないしY3に対応する入力画像データの濃度階調数の最大濃度階調数との比率αで、上記画像濃度信号SDのパルス幅を変調することが必要になり、上記DELAY1ないしDELAY3は上記比率αに応じて設定されるのである。
【0074】
また、この実施の形態において、上記分周器301は、図37に示すように,Vクロック信号VCKを1/2に分周し、一画素Pの全範囲に亘るパルス信号VCK/2を作成する。このため、上記実施の形態のように、各ディレイライン302,303から所定の遅延量を取出す際にEORゲート312ないし314やアンドゲート315ないし317を用いるという簡単な回路構成になるのである。
より具体的に言えば、例えば図46に示すように,Vクロック信号VCKそのものを変調基準パルス信号とすれば、例えば第一のディレイライン302から所定のDELAYだけ遅延したパルス信号と基準パルス信号とをEORゲートに入力すると、EOR出力には、一画素Pの範囲で実線で示すもの以外に二点鎖線で示すパルス信号も生じてしまい、上記DELAYに応じたパルス信号のみを取出すことができないことになり、この場合には、実施の形態で示したEORゲート以外の論理回路構成で上記DELAYに応じたパルス信号を取出すようにすることが必要である。尚、このことは第二のディレイライン303から所定のDELAYを取出す場合についても同様である。
【0075】
更に、この実施の形態では、上記第一ディレイライン302と同様な構成の温度安定チップ304を用いているのは以下の理由による。
例えば、図47に示すように,Vクロック信号VCKに基づく変調基準パルス信号VCK/2が例えば第一のディレイライン302を通過する際に、その温度変化に伴って実線で示す状態から仮想線で示す状態に変化したとしても、温度安定チップ304は第一のディレイライン302と同様な温度変化を生ずるので、上記変調基準パルス信号VCK/2自体は温度安定チップ304を通過する際に実線で示す状態から仮想線で示す状態に略同様な変位量δをもって変化することになる。このため、ディレイライン302が温度変化することによって出力パルス信号が変動したとしても、変調基準パルス信号VCK/2とディレイライン302の出力パルス信号とは相対的な位置関係を保ったまま変動することになり、両者が入力されるEORゲートの出力パルス幅は温度変化に影響されることなく一定に保たれる。尚、上記変調基準パルス信号VCK/2と第二のディレイライン303の出力パルス信号とも相対的な位置関係を保ったまま変動することになるので、両者が入力されるアンドゲートの出力パルス幅も温度変化に影響されることなく一定に保たれる。
更にまた、この実施の形態においては、波形成形用手段としてCMOSゲート305ないし311を用いているので、温度変化によるスレッシュホールド位置の変動が少ない。このため、図48に示すように、例えばディレイラインの出力パルス信号の立上がり、立下がり部位のなまり状態を成形する際にも、上記スレッシュホールド位置(図中一点鎖線で示す)が変動することは少ないので、CMOSゲートの出力信号のパルス幅は安定に保たれる。
【0076】
(5−B−7)変形例
この実施の形態では、上記ディレイライン302,303の遅延素子321ないし322の遅延量は予め適宜設定されたものであるが、例えば図49に示すように、市販のディレイライン371ないし373、例えば、各出力タップO1ないしO5の遅延量が10nsec.均一であるディレイライン371と各出力タップO1ないしO3の遅延量が15nsec.均一のディレイライン372,373とを組合せて適宜配線することにより引出しタップL1ないしL8の遅延量を10,15,20,25…45(nsec.)に細かく調整することが可能になり、引出しタップL1ないしL8を適宜選択することによって所望の遅延量を得ることが可能になる。
尚、この実施の形態では、画像濃度信号SDのパルス幅を非等分割するものに上述した左右グレージェネレータ284を用いているが、画像濃度信号SDのパルス幅を等分割する際においても、ディレイライン302,303の遅延量を等しく設定することにより応用することが可能である。
【0077】
IV.装置の作動
次に、この実施の形態に係るレーザプリンタの作動について説明する。
図19において、入力画像データの濃度データDはカラーフラグCFに応じてデータ振分け回路150でサブカラー用及びメインカラー用の二系統の画像データDs,Dmに振分けられ、二系統のTRC151,152にて夫々濃度変換された後、二系統のスクリーンジェネレータ153,154に入力される。
すると、各スクリーンジェネレータ153,154は、隣接画素毎に異なるスレッシュホールドパターン(A系列パターン,B系列パターン)にて入力画像濃度データDs,Dmに対応した画像濃度コードSCs,SCmを生成する。この画像濃度コードSCs,SCmは、図50,51に示すように、一画素Pを四つに分割した際のサブ画素PSの数に対応して設定される。
この後、サブカラー用の画像濃度コードSCsは、FIFO155を経て第一ROSコントローラ157の多値変調回路265に取込まれる一方、メインカラー用の画像濃度コードSCmは、ギャップメモリ156を経て第二ROSコントローラ158の多値変調回路275に取込まれる。
【0078】
今仮に、文字モードを選択したとすると、サブカラー用の画像濃度コードSCs(0)ないしSCs(4)は、図50に示すように、画像濃度信号SDs(0)(0に相当),SDs(1)(DELAY1に相当),SDs(2)(DELAY2に相当),SDs(3)(DELAY3に相当),SDs(4)(最大パルス幅)として出力される。このとき、図52に示すように、画素PiないしPi+4に対する画像濃度信号SDsが夫々SDs(0)ないしSDs(4)であるとすると、第一レーザ141は感光体120に対して上記各画像濃度信号SDsに対応したパルス幅のビーム照射を行い、ビーム照射部が画像部となる潜像Zi+1 ないしZi+4を形成する。この各潜像Zは第一現像器123の赤色トナーにて反転現像され、感光体120上に第一トナー像T(具体的にはTiないしTi+4)が形成される。
【0079】
一方、メインカラー用の画像濃度信号SCm(0)ないしSCm(4)は、図51に示すように、画像濃度信号SDm(0)(最大パルス幅に相当),SDm(1)(最大パルス幅からDELAY1を差引いたパルス幅に相当),SDm(2)(最大パルス幅からDELAY2を差引いたパルス幅に相当),SDm(3)(最大パルス幅からDELAY3を差引いたパルス幅に相当),SDm(4)(0に相当)として出力される。このとき、図53に示すように、画素PiないしPi+4に対する画像濃度信号SDmが夫々SDm(0)ないしSDm(4)であるとすると、第二レーザ142は感光体120に対して上記各画像濃度信号SDmに対応したパルス幅のビーム照射を行い、非露光部が画像部となる潜像Zi+1ないしZi+4を形成する。この各潜像Zは第二現像器124の黒色トナーにて正規現像され、感光体120上に第二トナー像T(具体的にはTiないしTi+4)が形成される。
尚、写真モードを選択した場合には、前述したように、隣接画素毎に画像濃度信号SDの画素Pにおける成長方向が左右交互になる点が異なるだけで、基本的に文字モードの場合と同様な画像形成動作が行われる。
このような画像記録動作過程において、二系統の画像に対して、夫々上記画像濃度信号SD(0)ないしSD(4)と記録画像濃度との関係を調べて見たところ、図54に仮想線で示すように、極めて線形な画像再現特性になっていることが確認された。
【0080】
また、上述したスレッシュホールドパターン設定回路190のスレッシュホールドを固定したものを比較の形態とし、写真モードにおいて、実施の形態と比較の形態とで同様に画像記録を行ったところ、図55ないし図58に示すように、スクリーンジェネレータの誤差拡散法による固有パターン(テクスチャ)は、実施の形態の方が比較の形態に比べて目立たないことが確認された。
尚、図55は実施の形態において入力濃度レベルが0〜128まで連続的に変化する入力画素に対する画像記録出力例を示し、図56は図55の画像記録出力例のうち入力濃度レベルが5〜70程度の領域を拡大し、白画素を白で、グレー画素を黒で出力したものを示し、図57は比較の形態において入力濃度レベルが0〜128まで連続的に変化する入力画素に対する画像記録出力例を示し、図58は図57の画像記録出力例のうち入力濃度レベルが5〜70程度の領域を拡大したもので、白画素を白で、グレー画素を黒で出力したものを示す。
【0081】
実施の形態2
この実施の形態は、実施の形態1と同様に1パス2カラー方式の二色複写機にこの発明を適用したものであり、その基本的構成は実施の形態1と同様な画像処理ユニット20を有するが、画像出力ユニットとしてのレーザプリンタ110が実施の形態1と異なったものになっている。
この実施の形態において、上記レーザプリンタ110は、図59に示すように、画像処理ユニット20からの濃度データDをカラーフラグCFとをアドレス信号として、濃度データDの濃度階調数を変換して出力する一つのルックアップテーブルや演算回路からなるTRC381と、このTRC381からの変換濃度データDを入力信号とし、誤差拡散法が採用される万線スクリーンにて画像濃度コードSCを生成するスクリーンジェネレータ382と、このスクリーンジェネレータ382からの画像濃度コードSCをカラーフラグCFに応じてサブカラー用画像濃度コードSCsとメインカラー用画像濃度コードSCmとの二系統に振分けるデータ振分け回路383と、データ振分け回路383へのカラーフラグCFの転送タイミングを調整するためのバッファ384と、上記データ振分け回路383からの一方の画像濃度コードSCsをFIFO155を介して取込み、第一レーザ141の駆動信号となる画像濃度信号SDsを生成する第一ROSコントローラ157と、上記データ振分け回路383からの他方の画像濃度コードSCmをギャップメモリ156を介して取込み、第二レーザ142の駆動信号となる画像濃度信号SDmを生成する第二ROSコントローラ158とを備えている。
この実施の形態において、上記TRC381は、実施の形態1における第一TRC151及び第二TRC152を一つのルックアップテーブルにて実現したものであり、また、上記データ振分け回路383は実施の形態1におけるデータ振分け回路150と同様な構成を具備している。
尚、その他実施の形態1と同様な構成要素については、実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
【0082】
次に、この実施の形態に係る1パス2カラー方式の二色複写機について説明する。
先ず、画像処理ユニット20から出力される濃度データD及びカラーフラグCFがTRC381に入力されると、TRC381はカラーフラグCFに応じて濃度データDの適宜階調レベルに変換して出力する。
次いで、上記変換濃度データDはスクリーンジェネレータ382にて画像濃度コードSCに変換され、この画像濃度コードSCはデータ振分け回路383にてカラーフラグCFに応じてサブ画像濃度コードSCs、メイン画像濃度コードSCmに振分けられた後、夫々第一ROSコントローラ157、第二ROSコントローラ158側へと転送される。
この後、実施の形態1と同様な工程を経て記録シート127上に二色のカラー画像が形成される。
このような動作過程において、実施の形態1にあっては、カラーフラグCFに応じて二系統に振分けられた画像濃度データDに対して夫々コード化するようにしているので、コード化するに際し、メインカラー領域の所にサブカラー画素が出現したり、逆に、サブカラー領域の所にメインカラー画素が出現する可能性があるが、この実施の形態にあっては、画像濃度データDをコード化した後にメインカラー用、サブカラー用に振分けるようにしているので、メインカラー領域とサブカラー領域とがラップするという虞れは全くない。
また、この実施の形態にあっては、TRC381、スクリーンジェネレータ382を一つ装備するだけで、実施の形態1と略同様な機能を実現することができるので、実施の形態1に比べて装置構成の簡略化を図ることができる。
【0083】
実施の形態3
I.基本構成
この実施の形態は、実施の形態1と同様に1パス2カラー方式の二色複写機にこの発明を適用したものであり、その基本構成は実施の形態1と同様な画像処理ユニット20を有するが、画像出力ユニットとしてのレーザプリンタ110が実施の形態1と異なったものになっている。
この実施の形態において、上記レーザプリンタ110は、図60に示すように、画像処理ユニット20からの濃度データDとカラーフラグCFとをアドレス信号として、濃度データDの濃度階調数を変換して出力すると共に、対応するカラーフラグCFをそのままの状態で出力する一つのルックアップテーブルや演算回路からなるTRC401(実施の形態2のTRC381に相当)と、このTRC401からの変換濃度データD及びカラーフラグCFを入力信号とし、誤差拡散法が採用される万線スクリーンにて画像濃度コードSCを生成すると共に、対応するカラーフラグCFをそのままの状態で出力するスクリーンジェネレータ402と、このスクリーンジェネレータ402からの画像濃度コードSCをカラーフラグCFに応じてサブカラー用画像濃度コードSCsとメインカラー用画像濃度コードSCmとの二系等に振分けるデータ振分け回路403(実施の形態2のデータ振分け回路383に相当)と、このデータ振分け回路403からの一方の画像濃度コードSCsをFIFO155を介して取込み、第一レーザ141の駆動信号となる画像濃度信号SDsを生成する第一ROSコントローラ157と、上記データ振分け回路403からの他方の画像濃度コードSCmをギャップメモリ156を介して取込み、第二レーザ142の駆動信号となる画像濃度信号SDmを生成する第二ROSコントローラ158とを備えている。
尚、その他実施の形態1と同様な構成要素については、実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
【0084】
II.スクリーンジェネレータ
(1)基本構成
また、図61はこの実施の形態に係るスクリーンジェネレータの基本構成を示すブロック図である。
同図において、符号411は濃度データDを一時的に格納するバッファであり、このバッファ411からの濃度データDがエラーディフュージョン回路412を経て比較回路413に入力される。一方、符号414はカラーフラグCFを一時的に格納するバッファであり、このバッファ414からのカラーフラグCFは参照カラーフラグ抽出回路415に入力され、この参照カラーフラグ抽出回路415にて上記エラーディフュージョン回路412で参照する必要のあるカラーフラグCF総てが抽出されて上記エラーディフュージョン回路412に送出される一方、注目画素のカラーフラグ(以下注目カラーフラグという)が後段のラッチ回路416に送出される。そして、上記エラーディフュージョン回路412及び比較回路413には実施の形態1と同様な構成のスレッシュホールドパターン設定回路417にて設定されたスレッシュホールドパターンTHPが入力され、上記エラーディフュージョン回路412及び比較回路413にて夫々所定の誤差拡散処理及び比較処理が行われた後、比較回路413からの出力が濃度コード生成器418に入力され、所定の変換が行なわれて画像濃度コードSCが生成されるようになっている。そして、上記濃度コード生成器418からの画像濃度コードSC及びラッチ回路416からのカラーフラグCFは注目画素毎に同期して対にて出力されるようになっている。
【0085】
(2)エラーディフュージョン回路
(2−A)アルゴリズム
そして、図62はこの実施の形態において用いられるエラーディフュージョン回路412のアルゴリズムを示す。
同図において、jラインのi番目の画素Pj(i)を注目画素とし、その濃度データをXとする一方、j−1ラインのi−1,i,i+1番目の各画素Pj−1(i−1),Pj−1(i),Pj−1(i+1)の差分データを夫々A,B,Cとし、注目画素Pj(i)の直前画素Pj(i−1)の差分データをDとすれば、
注目画素Pj(i)の補正済み濃度データX’は以下の(12)(13)式で算出されるようになっている。尚、△Xは差分補正データ、g1ないしg4は各画素の差分データの影響度合に応じた重み付けをするための補正係数であり、注目画素と同系統の差分データに対してのみ所定レベルの重み付けを具備し、注目画素と異系等の差分データに対しては0レベルに保持されるものである。
△X=g1A+g2B+g3C+g4D
但し、Σgi(i=1〜4)=1(gi≠0の場合) ……(12)
X’=X+△X ……(13)
この実施の形態において、上記g1=0.2,g2=0.5,g3=0.2,g4=0.1に設定されている。
今、図62に示すように、注目画素Pj(i)がメインカラーデータ(この実施の形態では黒)とし、この注目画素Pj(i)と同系統の周辺画素がPj−1(i−1),Pj−1(i),Pj(i−1)であると仮定すると、差分補正データ△Xはg1A+g2B+g4Dであり、補正済み濃度データX’はX+g1A+g2B+g4Dである。
すなわち、この実施の形態においては、注目画素と同系統の差分データのみを補正対象とし、注目画素と異系統の差分データについては無視する、言い換えれば、注目画素と異系統の画素については濃度データを“0”として扱うようになっている。
【0086】
(2−B)実現回路例
図63は上述したようなアルゴリズムに従って上記エラーディフュージョン回路412を具現化したものである。
同図において、符号421は加算器であり、この加算器421の一方の入力端子にはバッファ411からの8ビットの濃度データDが入力されている。また、符号422は加算器421からの出力データを一旦格納した後に出力するラッチ回路であり、このラッチ回路422の出力データは加算器423の一方の入力端子に入力されるようになっている。更に、符号424は加算器423の出力データを一旦格納した後に出力するラッチ回路であり、このラッチ回路424の出力データが比較回路413へと送出されるようになっている。
また、符号426は、上記ラッチ回路424からの濃度データD、上記スレッシュホールドパターン設定回路417からの閾値データTH及びアドレスデータADT(比較回路413の出力:実施の形態のII4−D参照)を入力データとして、一ライン前の画素における差分データ(図62のA,B,Cに相当)を生成するための差分値生成回路であり、この差分値生成回路426からの差分データ△DT及び参照カラーフラグ抽出回路415からの参照カラーフラグCFは共に一ライン分のFIFO427に格納された後、各注目画素に対する補正用差分データ及びカラーフラグCFがディジタルフィルタ428に取込まれるようになっている。
そして、上記ディジタルフィルタ428は、注目画素と同系統の上記補正用画素の差分データA,B,Cを用いて所定の演算を行い、g1A+g2B+g3Cなるデータを出力するものであり、この補正データは上記加算器421の他方の入力端子に入力されるようになっている。
【0087】
この実施の形態において、上記ディジタルフィルタ428は、画素単位に差分データ△DT及びカラーフラグCFを順次ラッチする三段構成のラッチ回路431ないし433と、一段目のラッチ回路431の出力データ△DT(図62中Aに相当)に対して補正係数g1を掛ける演算を行う係数乗算器434と、二段目のラッチ回路432の出力データである差分データ△DT(図62中Bに相当)に対して補正係数g2を掛ける演算を行う係数乗算器435と、三段目のラッチ回路433の出力データである差分データ△DT(図62中Cに相当)に対して補正係数g3を掛ける演算を行う係数乗算器436と、入力差分データのカラーフラグCF及び注目カラーフラグCFとが不一致のときに各係数乗算器434ないし436に対して演算動作禁止用のフラグ情報信号FSを出力するEORゲート437ないし439と、各係数乗算器434ないし436の出力データを加算する加算器440とからなる。
このようなディジタルフィルタ428は、三段構成のラッチ回路431ないし433に一ライン前の三画素の差分データA,B,C及び夫々のカラーフラグCFをラッチさせ、注目画素と同系統の差分データに対してのみ係数乗算器434ないし436にて夫々の差分データA,B,Cと夫々の補正係数g1,g2,g3とを掛合せた後、加算器340にてそれらを加算し、g1A+g2B+g3C(但し、注目画素と異系統の差分データに対する補正係数は実質的に0)を出力するものである。
【0088】
更にまた、符号441はルックアップテーブルであり、濃度データD、閾値データTH及び注目カラーフラグCFと入力濃度データDの対になるカラーフラグCFとの関係を示すフラグ情報信号FSをアドレス信号として、差分データ△DT(図62中Dに相当)に補正係数g4を掛け合せた差分補正データg4Dをその極性データと共に読出し可能にしたものである。この場合において、上記フラグ情報信号FSは注目カラーフラグCFと入力濃度データDの対になるカラーフラグとをEORゲート442に入力することにより生成されるもので、両者が一致するとき“0”になり、上述したルックアップテーブル441からg4Dを極性と共に出力するのに対し、両者が不一致のとき“1”になり、ルックアップテーブル441から常時“0”を出力するようになっている。
従って、この実施の形態によれば、図62に示す画素パターンに対する誤差拡散処理を例に挙げると、注目画素の濃度データXと上記ディジタルフィルタ428からの出力g1A+g2B(g3C=0)とが加算され、このデータがラッチ回路422を経て加算器423の一方の入力端子に入力される段階で、第二の差分補正データg4Dが加算され、ラッチ回路424には、注目画素の補正済み濃度データX’=X+g1A+g2B+g4Dがラッチされることになり、この補正済みのデータX’が後段の比較回路413へ送出される。
【0089】
III.装置の特徴
この実施の形態に係る1パス2カラー方式の二色複写機によれば、実施の形態2と略同様な作用、効果を奏するほか、実施の形態2にあっては、メインカラー画素とサブカラー画素とを区別することなく、画像濃度データDをコード化するようにしているため、他系統の画像濃度を考慮しながら、コード化することができるのに対し、この実施の形態にあっては、メインカラー画素とサブカラー画素とを区別した状態で、画像濃度データDをコード化することができるので、他系統の画像濃度を無視した状態で、対応系統の画像濃度データのみを対象として正確にコード化することができる。
【0090】
実施の形態4
この実施の形態に係る二色カラー複写機の基本的構成は実施の形態1と略同様であるが、第一TRC151及び第二TRC152の構成が異なるものになっている。尚、この実施の形態の説明の都合上、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付す。
この実施の形態において、上記第一TRC151は、図64に示すように、画像データDT(サブカラー濃度データDsに相当)が文字画像であることを前提とした濃度階調変換が行われる文字用変換テーブル451と、上記画像データDTが写真画像であることを前提とした濃度階調変換が行われる写真用変換テーブル452と、モードセレクト信号(文字モードあるいは写真モードの選択信号)MSに応じて出力端AあるいはBを選択し、モードセレクト信号MCが文字モードである際には出力端Aを通じて文字用変換テーブル451側へ入力画像データDTを転送し、モードセレクト信号MSが写真モードである際には出力端Bを通じて写真用変換テーブル452側へ入力画像データDTを転送する選択回路453とを備えている。
この実施の形態において、上記文字用変換テーブル451及び写真用変換テーブル452の格納データは例えば図65に示すように設定される。同図において、写真用変換テーブル452の濃度階調変換レンジは、同じ入力画像データDTの濃度階調に対して文字用変換テーブル451の濃度階調変換レンジよりも狭く設定されている。
【0091】
次に、上記濃度階調変換レンジの設定の仕方について写真用変換テーブル452を例に挙げて説明する。
今、図66の第1象限(I)において通常の第一現像器123の画像再現特性を点線で示し、写真モードにおいて再現したい画像再現特性Ypを第1象限(I)中実線で示したものに想定すると、入力画像濃度に対応した濃度データが図66の第4象限(IV)のような曲線で与えられる場合、仮に、TRC151がないと、SG−IOT特性(スクリーンジェネレータへの入力濃度データと出力画像濃度との特性)を第2象限(II)の曲線S’のように設定しなければならないが、第一ROSコントローラ157の多値変調回路265の画像濃度信号SDのパルス幅の変調数に限りがあるため、上記曲線S’を得ることができない事態を生じ得る。
このような状況下において、上記第一TRC152のデータ変換を第3象限(III)の曲線Mのように設定しておけば、第2象限(II)の曲線Sのように、上記SG−IOT特性を上記多値変調回路265のパルス幅の変調パターンに沿って簡単に得ることができるものに設定することにより、上記所望の画像再現特性Ypを得ることが可能になるのである。
尚、文字用変換テーブル451の濃度階調変換レンジの設定の仕方については、図66の第1象限の目標濃度再現曲線Ypを文字用のものに置換えて求めるようにすればよい。
【0092】
一方、第二TRC152は、各変換テーブルの具体的な格納データが異なるだけで基本的に第一TRC151と同様な構成を有している。
従って、この実施の形態に係る二色カラー複写機によれば、写真モードが選択された場合には、各TRC151,152では写真用変換テーブル452が選択され、入力画像データDTは写真用変換テーブル452を介して夫々のスクリーンジェネレータ153,154へ転送される。以後、実施の形態1と同様に、各スクリーンジェネレータ153,154からのサブカラー用画像濃度コードSCs,メインカラー用画像濃度コードSCmは第一ROSコントローラ157,第二ROSコントローラ158を介して夫々所望の画像濃度信号SDs,SDmに変換された後、この画像濃度信号SDs,SDmに基づいて第一レーザ141,第二レーザ142の出力がパルス幅変調される。
今、実施の形態1のものを比較例とし、写真モードを選択した際の再現画像を見たところ、図67,図68に示すように、比較例に比べて、この実施の形態モデル(実施例)のものの方が写真原稿の高濃度域のつぶれがより少なく、滑らかな濃度階調性を具備していることが理解される。
尚、文字モードが選択された場合には、第一、第二TRC151,152では文字用変換テーブル451(実施の形態1のものに相当)が選択されるので、実施の形態1と同様な動作が行われ、実施の形態1と同程度の文字画像品質が得られる。
【0093】
実施の形態5
この実施の形態に係る二色カラー複写機の基本的構成は実施の形態1と略同様であるが、第一ROSコントローラ157及び第二ROSコントローラ158の多値変調回路265,275の構成が異なるものになっている。尚、この実施の形態の説明の都合上、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付す。
この実施の形態において、上記第一ROSコントローラ157の多値変調回路265は図69に示すように構成されている。
同図において、符号461は画像濃度コードSC(サブカラー用画像濃度コードSCsに相当)を多値変調回路265内に取込むためのインタフェースであり、このインタフェース461に取込まれた画像濃度コードSCはVクロック信号VCKに同期してラッチ回路462にラッチされるようになっている。そして、上記ラッチ回路462からの画像濃度コードSCはP−ROMからなるデコーダ463によって選択コードb(具体的にはb(BK),b(GY3),b(GY2),b(GY1),b(W))に変換されるようになっている。この場合、デコーダ463の内容は実施の形態1と同様なものに設定されている。
一方、符号464は上記Vクロック信号VCKに基づくパルス信号の位相ずれを利用し、文字画像における中間調画像濃度コードに対応するパルス幅の変調信号を生成する文字用グレージェネレータ、465は上記Vクロック信号VCKに基づくパルス信号の位相ずれを利用し、写真画像における中間調画像濃度コードに対応するパルス幅の変調信号を生成する写真用グレージェネレータ、466はモードセレクト信号MSに応じてVクロック信号VCKを出力端AあるいはBに選択し、モードセレクト信号MSが文字モードである際には出力端Aを通じて文字用グレージェネレータ464へVクロック信号VCKを転送し、モードセレクト信号MSが写真モードである際には出力端Bを通じて写真用グレージェネレータ465側へVクロック信号VCKを転送する選択回路である。
そして、上記文字用グレージェネレータ464あるいは写真用グレージェネレータ465からの変調信号GY1ないしGY3、最大画像濃度コードに対応する変調信号BK並びに零画像濃度コードに対応する変調信号Wがセレクタ467に入力され、このセレクタ467は実施の形態1のものと同様な構成を備えたもので、上記デコーダ463の選択コードbによっていずれかの選択信号を選択作動するようになっており、選択された変調信号が画像濃度信号SD(サブカラー用画像濃度信号SDsに相当)として生成される。
【0094】
また、この実施の形態において用いられる各グレージェネレータ464,465の基本的構成を図70に示す。
同図において、符号471はVクロック信号を1/2に分周する分周器、472は分周器471からのパルス信号を予め設定された複数の遅延時間分だけ遅延させるディレイライン、473は上記ディレイライン472と同様な構成のディレイラインからなる温度安定チップ、474ないし477は波形成形用のCMOSゲート、478ないし480はEORゲートである。
そして、この実施の形態において、上記ディレイライン472の基本的構成は実施の形態1で採用されたものと同様であり、このディレイライン472の三つの出力タップTP2ないしTP4を利用し、中間調画像濃度コードSC(1)ないしSC(3)に対応する三つのパルス幅の変調信号が生成されるようになっている。尚、温度安定チップ473の出力タップとしてはTP1が採用されている。
また、この実施の形態において、上記文字用グレージェネレータ464のディレイライン472のTP2ないしTP4のTP1との間の遅延量をDELAY1ないしDELAY3とし、写真用グレージェネレータ465のディレイライン472のTP2ないしTP4のTP1との間の遅延量をDELAY1’ないしDELAY3’とすれば、
各遅延量は、
DELAY1>DELAY1’
DELAY2>DELAY2’
DELAY3>DELAY3’
の関係を満足し、しかも、文字画像再現特性、写真画像再現特性として図72に示すYc、Ypの曲線が得られるような値に予め設定される。
この実施の形態において、上記各遅延量は例えば次のように設定されている。
DELAY1=15 DELAY1’=10
DELAY2=25 DELAY2’=20
DELAY3=35 DELAY3’=30
但し、単位はnsec.であり、最大パルス信号幅は55nsec.である。
【0095】
次に、この実施の形態に係る二色カラー複写機の特に画像出力ユニット側での作動について説明する。
今、一色目の画像記録に着目し説明すると、第一スクリーンジェネレータ153からの画像濃度コードSCがFIFO155を介して第一ROSコントローラ157に入力されたとする。
ここで、写真モードが選択されているとすると、多値変調経路265では写真用グレージェネレータ465が選択される。すると、写真用グレージェネレータ465においては、基準クロックとしてVクロック信号VCKが分周器471を通過すると、1/2に分周されたVクロック信号が基準クロックに基づくパルス信号(VCK/2に相当する)として生成される。
そして、上記パルス信号がディレイライン472に入力されると、ディレイライン472のタップTP2ないしTP4からは所定時間遅延しパルス信号が出力される。一方、上記温度安定チップ473を通過したパルス信号とディレインライン473の各タップTP2ないしTP4からのパルス信号とは、夫々CMOSゲート474ないし477を経た後、EORゲート478ないし480に入力される。すると、各EORゲート478ないし480からの変調信号GY1,GY2,GY3は、夫々上述したDELAY1’ないしDELAY3’に相当するパルス幅を持った信号として出力され、セレクタ467に転送される。
【0096】
一方、図71は示すように、画像濃度コードSC、具体的にはSC(0)ないしSC(4)のいずれかは、デコーダ463部分で選択コードbに変換され、これがセレクタ467に入力されると、前記選択コードbに対応した変調信号BK,GY1,GY2,GY3,Wのいずれかが選択され、画像濃度信号SDが出力される。このときの画像濃度信号SD(1)ないしSD(3)のパルス幅は、図71に一点鎖線で示すように、DELAY1’ないしDELAY3’に対応したものになっている。
尚、文字モードが選択される場合には、文字用グレージェネレータ464が選択され、上記画像濃度コードSC(1)ないしSC(3)に対応する画像濃度信号SD(1)ないしSD(3)のパルス幅はDELAY1ないしDELAY3に対応したものになっている。
このようにして生成された画像濃度信号SDに基づいて第一レーザ141の出力パルス幅を変調すると、図72に示すように、写真モードに応じた画像再現特性Ypあるいは文字モードに応じた画像再現特性Ycが得れる。すなわち、写真モードに応じた画像再現特性Ypは、文字モードに応じた画像再現特性Ycより出力画像濃度レベルを低く抑えたものになっている。
ここで、写真用グレージェネレータ465のないタイプ、すなわち、文字用グレージェネレータ464にて写真原稿を再現するタイプのものを比較例とし、写真原稿の再現特性を調べたところ、図73,図74に示すように、比較例に比べて、実施の形態モデル(実施例)のものの方が写真原稿の高濃度域のつぶれがより少なく、滑かな濃度階調性を具備していることが理解される。
【0097】
実施の形態6
この実施の形態に係る二色カラー複写機の基本的構成は実施の形態5と略同様であるが、第一及び第二スクリーンジェネレータ153,154の構成が実施の形態4(実施の形態1に相当)と異なったものになっている。
先ず、第一及び第にスクリーンジェネレータ153,154のアルゴリズムについて説明する。
今、256階調の画像データを2ビットの画像濃度コードSCに変換する場合を例に挙げると、図75に示すように、三つの閾値データTH1ないしTH3(例えば、43,128,213)にて、白領域W(階調数43未満)、グレー1領域G1(階調数43以上128未満)、グレー2領域G2(階調数128以上213未満)、黒領域BK(階調数213以上)に仕切り、夫々の領域に対応して画像濃度コードSC(0)=“0O”、SC(1)=“01”、SC(2)=“10”、SC(3)=“11”に変換する。
一方、各画素において、入力画像データとその入力画像データが包含される領域の基準データMD(この実施の形態ではW:0,G1:255×(1/3)=85,G2:255×(2/3)=170,BK=255)との差分を誤差データeとする。例えば、入力画像データの濃度階調数が“160”である場合においては、上記入力画像データはグレー2領域G2に包含されるため、誤差データe=160−170=−10になる。
【0098】
次いで、図76に示すように、上記各画素で発生した誤差データemnを例えば4×4画素のマトリクスMXの範囲で積算し、以下の(14)式で示すように、総和をとり、マトリクス誤差データeTを求める。
eT=Σemn(m,n=1〜4)……(14)
この後、上記(14)式で算出したマトリクス誤差データeTの値を基に以下の条件で点灯条件、言い換えれば、各画素の画像濃度コードSCを補正する。
(1)補正条件a;
−43<eT<43:補正なし
(2)補正条件b;
43≦eT<128:1画素1階調アップ
128≦eT<213:2画素1階調アップ
213≦eT<298:3画素1階調アップ
: :
: :
但し、階調を変更する画素は+側誤差の大きいものから順に選択する。
(3)補正条件c;
−43≧eT<−128:1画素1階調ダウン
−128≧eT<−213:1画素2階調ダウン
−213≧eT<−298:1画素3階調ダウン
: :
: :
但し、階調を変更する画素は一側誤差の大きいものから順に選択する。
今、4×4の画素マトリクスMXにおける各画像濃度コードが図77のようになっているものと想定し、当該画素マトリクスMXにおけるマトリクス誤差データeTが200であり、しかも、図76において、+側誤差の大きいものが誤差データe22’e32…の順番であるとすると、図78に斜線で示すように、上記誤差データe22’e32に対応する画素の画像濃度コードが1階調ずつアップする。
【0099】
次に、上記アリゴリズムを実現するための具体的回路を図79に示す。
同図において、符号491は各画素の誤差データe及び点灯条件(画像濃度コードSC)を演算する誤差/点灯条件演算回路、492は4ライン置きに位置する4ライン(例えば図80のi+1ないしi+4,1+9ないしi+12ライン)分の誤差データe及び画像濃度コードSCを読込み、4×4の画素マトリクスMX(図80参照)サイズ分の誤差データe及び画像濃度コードSCを順次読み出すA系列ラインメモリ、493はA系列ラインメモリ492に格納されるライン以外の4ライン(図80のi+5ないしi+7ライン)分の誤差データe及び画像濃度コードSCを読込み、4×4の画素マトリクスMXサイズ分の誤差データe及び画像濃度コードSCを順次読み出すB系列ラインメモリ、494は上記誤差/点灯条件演算回路491からの誤差データe/画像濃度コードSCをA系列ラインメモリ492,B系列ラインメモリ493のいずれかに振分けるセレクタ、495は上記A系列ラインメモリ492及びB系列ラインメモリ493の書込み、読出しタイミングを制御するタイミング発生回路、496は上記マトリクス誤差データeTを算出し、上記補正条件aないしcに従って画像濃度コードSCを補正する補正条件決定回路、497は上記A系列ラインメモリ492あるいはB系列ラインメモリ493からのデータを上記補正条件決定回路496又はROSインタフェースへ選択的に転送するセレクタである。
このようなスクリーンジェネレータ153,154においては、先ず、A系列ラインにある画素の誤差データe/画像濃度コードSCを誤差/点灯条件演算回路491にて演算し、これをA系列ラインメモリ492に読込む。
【0100】
次いで、このA系列ラインメモリ492から画素マトリクスMX単位の誤差データe/画像濃度コードSCを補正条件決定回路496へ転送し、補正条件決定回路496で画像濃度コードSCを補正した状態で、その処理結果を再度A系列ラインメモリ492へ戻す。
この間、B系列ラインにある画素の誤差データe/画像濃度コードSCを誤差/点灯条件演算回路491にて演算し、これをB系列ラインメモリ492に読込む。
そして、上記A系列ラインメモリ492から補正済みの処理結果を読出し、これをROSインタフェース側へ1ライン毎に順次転送する。
この間、B系列ラインメモリ493から画素マトリクスMX単位の誤差データe/画像濃度コードSCを補正条件決定回路496へ転送し、補正条件決定回路496で画像濃度コードSCを補正した状態で、その処理結果を再度B系列ラインメモリ492へ戻す。
このような動作を以後繰返しながら全ラインの画素に関する画像濃度コードSCを生成し、ROSインタフェース側へ転送する。
従って、この実施の形態において、従前の万線スクリーン+誤差拡散法を用いたものを比較例とし、再現画像を比べて見たところ、比較例にあっては文字画像の劣化が見られたが、この実施の形態モデル(実施例)のものにあってはこの現象がほとんど見られなかった。
【0101】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1記載の画像記録装置によれば、入力画像データを誤差拡散法により補正する際に、所定のスクリーンパターンを重畳させるようにしたので、誤差拡散法による固有パターン(テクスチャ)の露呈状態を抑制でき、テクスチャによる中間調画像品質の劣化を有効に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る画像記録装置の一態様を示す説明図である。
【図2】参考発明に係る画像記録装置の一態様を示す説明図である。
【図3】参考発明に係る画像記録装置の他の態様を示す説明図である。
【図4】参考発明に係る画像記録装置の別の態様を示す説明図である。
【図5】参考発明に係る画像記録装置の更に別の態様を示す説明図である。
【図6】実施の形態1の全体構成を示すブロック図である。
【図7】実施の形態1の画像処理ユニットの概略を示すブロック図である。
【図8】フルカラーセンサの全体構成を示す説明図である。
【図9】フルカラーセンサの各セル配置を示す説明図である。
【図10】センサインタフェース回路の構成例を示す回路図(1)である。
【図11】センサインタフェース回路の構成例を示す回路図(2)である。
【図12】センサインタフェース回路の構成例を示す回路図(3)である。
【図13】画素単位のセル構成の一例を示す説明図である。
【図14】色画情報生成回路の構成例を示す説明図である。
【図15】色空間上での判断色の状態を示す説明図である。
【図16】色空間における原点からの距離rと彩度Cとの関係を示す説明図である。
【図17】色空間における角度θと色相Hとの関係を示す説明図である。
【図18】濃度データとカラーフラグとの関係を示す説明図である。
【図19】画像出力ユニットの概略を示す説明図である。
【図20】ROSの概略を示す斜視図である。
【図21】第一現像器、第二現像器の画像再現特性を示す説明図である。
【図22】(a)(b)は画像出力ユニットの画像形成過程を示す説明図である。
【図23】データ振分け回路の構成例を示す説明図である。
【図24】第一TRC、第二TRCの特性を示すグラフ図である。
【図25】第一及び第二スクリーンジェネレータの基本構成を示すブロック図である。
【図26】スレッシュホールドパターン設定回路のアルゴリズムを示す説明図である。
【図27】その具体例を示す説明図である。
【図28】スレッシュホールドパターン設定回路の構成例を示すブロック図である。
【図29】エラーディフュージョン回路のアルゴリズムを示す説明図である。
【図30】図29の差分データの値及びその極性の求め方を示す説明図である。
【図31】エラーディフュージョン回路の詳細を示すブロック図である。
【図32】図31の差分値生成回路の詳細を示す回路図である。
【図33】ディジタルフィルタの詳細を示す回路図である。
【図34】比較回路及び濃度コードの生成器の詳細を示す回路図である。
【図35】第一、第二ROSコントローラの基本構成を示すブロック図である。
【図36】多値変調回路の詳細を示すブロック図である。
【図37】図36の左右グレージェネレータの詳細を示す回路図である。
【図38】ディレイラインの構成例を示す説明図である。
【図39】左右選択ブロック及び左右切換信号発生器の詳細を示す回路図である。
【図40】セレクタの詳細を示す回路図である。
【図41】左右グレージェネレータの作動状態を示すタイミングチャートである。
【図42】文字モード時における左右選択ブロック及び左右切換信号発生器の作動状態を示すタイミングチャートである。
【図43】写真モード時における左右選択ブロック及び左右切換信号発生器の作動状態を示すタイミングチャートである。
【図44】(a)(b)は文字モード及び写真モードによるパルス幅の変調パターン例を示す模式図である。
【図45】左右グレージェネレータのディレイラインにおける遅延量の設定方法を示す説明図である。
【図46】左右グレージェネレータの分周器の働きを示す説明図である。
【図47】左右グレージェネレータの温度安定チップの働きを示す説明図である。
【図48】左右グレージェネレータのCMOSゲートの働きを示す説明図である。
【図49】左右グレージェネレータのディレイラインの変形例を示す説明図である。
【図50】実施の形態1に係る画像出力ユニットのROSコントローラまでの作動(サブカラー用の画像濃度コード出力作動)を示す説明図である。
【図51】実施の形態1に係る画像出力ユニットのROSコントローラまでの作動(メインカラー用の画像濃度コード出力作動)を示す説明図である。
【図52】感光体上でのサブカラー画像形成過程を示す説明図である。
【図53】感光体上でのメインカラー画像形成過程を示す説明図である。
【図54】画像濃度信号と記録画像濃度との関係を示すグラフ図である。
【図55】実施の形態1におけるテクスチャの状態を示す説明図である。
【図56】図55の部分拡大図である。
【図57】比較の形態におけるテクスチャの状態を示す説明図である。
【図58】図57の部分拡大図である。
【図59】実施の形態2に係る画像記録装置を示す説明図である。
【図60】実施の形態3に係る画像記録装置を示す説明図である。
【図61】スクリーンジェネレータの基本構成を示すブロック図である。
【図62】エラーディフュージョン回路のアリゴリズムを示す説明図である。
【図63】エラーディフュージョン回路の構成例を示すブロック図である。
【図64】実施の形態4に係る画像記録装置の実施の形態4のTRCを示す説明図である。
【図65】その変換テーブルの具体例を示す説明図である。
【図66】変換テーブルの内容の設定方法を示す説明図である。
【図67】実施の形態モデル(実施例)の画像再現性を示した説明図である。
【図68】比較の形態モデル(比較例)の画像再現性を示した説明図である。
【図69】実施の形態5に係る画像記録装置の多値変調回路を示すブロック図である。
【図70】各グレージェネレータの詳細を示す回路図である。
【図71】多値変調回路の作動を示す説明図である。
【図72】画像再現特性を示すグラフ図である。
【図73】実施の形態モデル(実施例)の画像再現性を示す説明図である。
【図74】比較の形態モデル(比較例)の画像再現性を示す説明図である。
【図75】実施の形態6に係る画像記録装置のスクリーンジェネレータにて採用されるアルゴリズムを示す説明図(1)である。
【図76】この発明に係る画像記録装置の実施の形態6のスクリーンジェネレータにて採用されるアルゴリズムを示す説明図(2)である。
【図77】この発明に係る画像記録装置の実施の形態6のスクリーンジェネレータにて採用されるアルゴリズムを示す説明図(3)である。
【図78】この発明に係る画像記録装置の実施の形態6のスクリーンジェネレータにて採用されるアルゴリズムを示す説明図(4)である。
【図79】スクリーンジェネレータの構成例を示すブロック図である。
【図80】A系列ライン、B系列ライン、画素マトリクスの概念を示す説明図である。
【符号の説明】
DT…多階調入力画像データ
SC…画像濃度コード
SD…画像濃度信号
MS…モード選択信号
1…ビーム走査ユニット
2…感光体
3…現像手段
4…濃度階調変換手段
5…濃度コード生成手段
6…多値変調手段
7…閾値切換手段
8…データ補正手段
9…コード設定手段
11…初期濃度コード設定手段
12…コード化誤差抽出手段
13…マトリクス誤差決定手段
14…コード補正手段
15…変調パターン切換手段
16…レンジ可変手段
17…パルス幅可変手段
Claims (1)
- 多階調入力画像データを誤差拡散法が適用された補正手段にて補正し、補正された画像データに基づいて画像記録を行う画像記録装置において、
上記補正手段は、
多階調入力画像データの濃度階調を所定の閾値で区分することにより区分領域に対応した画像データを生成し、かつ、所定のスクリーンパターンが重畳された画像データとする生成手段と、
この生成手段によって生成された画像データとそれに対応する入力画像データとの差分を周辺画素に分散させる誤差分散手段とを備えていることを特徴とする画像記録装置。
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