JP3583505B2 - 新規な第4級アンモニウム塩及びそれを含有する柔軟剤組成物 - Google Patents

新規な第4級アンモニウム塩及びそれを含有する柔軟剤組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は新規な第4級アンモニウム塩及びそれを含有する柔軟剤組成物に関するものである。詳しくは、各種の繊維に対し優れた柔軟性を付与し、且つ優れた吸水性及び保存安定性を示し、また生分解性に優れ自然環境に対し優しい柔軟剤基剤として有用な新規な第4級アンモニウム塩、及びそれを含有する柔軟剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、布及び毛髪等の柔軟剤基剤として使用されている化合物は、2本の長鎖アルキル基を有する第4級アンモニウム塩であるが、このような第4級アンモニウム塩は生分解性が十分ではなく、生分解性のより優れた柔軟剤基剤の開発が望まれている。
また、現在、家庭用柔軟剤として市販されている商品はジ(硬化牛脂アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド等の2本の長鎖アルキル基を有する第4級アンモニウム塩を主成分とするものが一般的である。しかしながら、このような第4級アンモニウム塩は柔軟効果は高いものの、より高い柔軟効果を得ようと高濃度で処理すると、特に木綿繊維の弾力性を低下させたり、本来繊維のもつ吸水性を疎外することがある。
更に上記第4級アンモニウム塩を用いた柔軟剤組成物は、長期保存を行うとその物理化学的性質により、容易に増粘したり、ゲル状になったり、あるいは分離したりすることがある。
これら従来の第4級アンモニウム塩の欠点を改良するために、本発明者らは一般式(a)
【0003】
【化3】
Figure 0003583505
【0004】
(式中、R21 、R22 及びR23 は同一もしくは異なって、炭素数1〜5のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示し、R24 は炭素数20〜44の直鎖又は分岐のアルキル基を示し、n は1〜6の数を示し、Xは陰イオンを示す。)
で表される第4級アンモニウム塩及びそれを含有する柔軟剤組成物を見出し、既に特許出願した(特願平6−175227号明細書参照)。しかしながら、このような柔軟剤も、特に吸水性の面で未だ充分とは言えない場合があった。
【0005】
従って、本発明の目的は、生分解性、柔軟性及び吸水性がより優れた、柔軟剤基剤として適した化合物、及びそれを含有する柔軟剤組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の新規第4級アンモニウム塩が上記目的に最適であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩、及びそれを含有する柔軟剤組成物を提供するものである。。
【0007】
【化4】
Figure 0003583505
【0008】
(式中、R1、R2及びR3は同一もしくは異なって、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を示し、R4は炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基又はアルケニレン基を示し、R5は炭素数11〜21の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示し、R6は炭素数10〜20の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示し、 X-は陰イオンを示す。)
また、本発明は、一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩、及び一般式(II)で表される第4級アンモニウム塩を含有することを特徴とする柔軟剤組成物を提供するものである。
【0009】
【化5】
Figure 0003583505
【0010】
(式中、R7、R8及びR9は同一もしくは異なって、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示し、R10は炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基、アルケニレン基又はヒドロキシアルキレン基を示し、R11は炭素数12〜22の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示し、R12は炭素数10〜20の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示し、 X-は陰イオンを示す。)
以下、本発明を詳細に説明する。
一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩において、R1、R2及びR3は同一もしくは異なって、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を示すが、好ましくはメチル基、エチル基である。また、R4は炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基又はアルケニレン基を示すが、好ましくはメチレン基である。R5は炭素数11〜21の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示すが、好ましくは炭素数13〜17の直鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、特に好ましくは炭素数13〜17の直鎖アルキル基である。R6は炭素数10〜20の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示すが、好ましくは炭素数12〜16の直鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、特に好ましくは炭素数12〜16の直鎖アルキル基である。X-は陰イオンを示すが、好ましくは、ハロゲン陰イオン(Cl-, Br-等)、炭素数1〜5のアルキルサルフェート陰イオン(CH3SO4 -, C2H5SO4 -, C3H7SO4 -等)等であり、特に好ましくはCl-, CH3SO4 -, C2H5SO4 -である。
【0011】
本発明の一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩の中で特に好ましいものは、R1、R2及びR3がメチル基又はエチル基、R4がメチレン基、R5が炭素数13〜17の直鎖アルキル基、R6が炭素数12〜16の直鎖アルキル基であり、 X-がCl-, CH3SO4 -又はC2H5SO4 -である第4級アンモニウム塩である。
一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩としては、たとえば次のような化合物が挙げられる。
【0012】
【化6】
Figure 0003583505
【0013】
一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩は次のようにして製造される。すなわち、まず常法に従い、炭素数12〜22のアルデヒドを塩基性触媒の存在下、アルドール縮合を行い、一般式(III) で表されるアルデヒドを得る。
【0014】
【化7】
Figure 0003583505
【0015】
(式中、R及びRは前記の意味を示す。)
ここで用いられる炭素数12〜22のアルデヒドとしてはドデカナール、テトラデカナール、ヘキサデカナール、オクタデカナール、エイコサナール、ドコサナール、9−オクタデセナールなどが挙げられる。
続いて、この一般式(III) で表されるアルデヒドを、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウムなどの還元剤、あるいは金属触媒を用いて接触水素化し、一般式 (IV) で表されるアルコールを得る。
【0016】
【化8】
Figure 0003583505
【0017】
(式中、R及びRは前記の意味を示す。)
次にこの一般式 (IV) で表されるアルコールを、一般式(V)
【0018】
【化9】
Figure 0003583505
【0019】
(式中、Rは前記の意味を示し、Y はOH、−OR13(R13 は炭素数1〜3の低級アルキル基)又はClを示す。)
で表されるハロカルボン酸、その低級アルキルエステル、あるいはその酸塩化物を用いてエステル化して、一般式 (VI)
【0020】
【化10】
Figure 0003583505
【0021】
(式中、R、R及びRは前記の意味を示す。)
で表されるハロカルボン酸エステルを得る。
ここで用いられる一般式(V)で表されるハロカルボン酸、その低級アルキルエステル、あるいはその酸塩化物(以下ハロカルボン酸等(V)と略記)としては、モノクロロ酢酸、モノクロロ酪酸、モノクロロカプロン酸、その低級アルキルエステル、あるいはその酸塩化物が挙げられる。
ここでアルコール (IV) と、ハロカルボン酸等(V)との仕込み割合は、モル比にて〔ハロカルボン酸等(V)〕/〔アルコール (IV) 〕=0.8 〜1.5 が好ましく、反応温度は120 〜160 ℃が好ましく、また反応時間は2〜10時間が好ましい。
【0022】
次に、この一般式 (VI) で表されるハロカルボン酸エステルと、一般式(VII)
【0023】
【化11】
Figure 0003583505
【0024】
(式中、R1、R2及びR3は前記の意味を示す。)
で表される第3級アミンとを反応させ、必要により塩交換して、一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩を得る。
ここで用いられる第3級アミン(VII) としては、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
この反応は無溶媒もしくは必要であればイソプロパノール、エタノール、アセトンなどの溶媒を用いることができる。ハロカルボン酸エステル (VI) と第3級アミン(VII) との仕込み割合は、モル比にて〔第3級アミン(VII) 〕/〔ハロカルボン酸エステル (VI) 〕=0.8 〜2.5 が好ましく、反応温度は30〜80℃で、オートクレーブ中で行うのが好ましい。
【0025】
また、一般式 (VI) で表されるハロカルボン酸エステルを、一般式(VIII)
【0026】
【化12】
Figure 0003583505
【0027】
(式中、R及びRは前記の意味を示す。)
で表される第2級アミンと反応させて、一般式(IX)
【0028】
【化13】
Figure 0003583505
【0029】
(式中、R、R、R、R及びR前記の意味を示す。)
で表されるエステルアミンを得、このエステルアミン(IX)を、一般式(X)
−X (X)
(式中、R及び Xは前記の意味を示す。)
で表される4級化剤で4級化し、必要に応じて塩交換して、一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩を得ることもできる。
【0030】
ここで用いられる第2級アミン(VIII)としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ(イソプロピル)アミン、ジブチルアミン等が挙げられる。
ハロカルボン酸エステル (VI) と第2級アミン(VIII)との仕込み割合は、モル比にて〔第2級アミン(VIII)〕/〔ハロカルボン酸エステル (VI) 〕=0.8〜3.0が好ましく、反応温度は30〜80℃が好ましく、反応時間は3〜15時間が好ましい。
【0031】
また4級化剤(X)としては、アルキルハライド(メチルクロライド、メチルブロマイド等)、ジアルキル硫酸(ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等)などが挙げられる。
エステルアミン(IX)と4級化剤(X)との反応は、イソプロパノール、エタノール、アセトン等の溶媒の存在下で行われる。この場合エステルアミン(IX)と4級化剤(X)との仕込み割合は、モル比にて〔エステルアミン(IX)〕/〔4級化剤(X)〕=0.8 〜1.5 が好ましく、反応温度は80〜120 ℃が好ましい。
得られた一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩は赤外線吸収スペクトル、NMR スペクトルからその構造を確認することができる。
【0032】
本発明の一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩は、単独で柔軟剤基剤として用いることができるが、前記一般式(II)で表される第4級アンモニウム塩を含有する柔軟剤に極少量配合するだけで吸水性を大幅に改善させることができる。
本発明の一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩、及び一般式(II)で表される第4級アンモニウム塩を含有する柔軟剤組成物において、これらの配合割合は、第4級アンモニウム塩(I):第4級アンモニウム塩(II)(重量比)=0.01:99.99 〜50:50が好ましく、 0.1:99.9〜50:50が更に好ましい。
【0033】
一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩と一般式(II)で表される第4級アンモニウム塩の混合物は次の方法によっても製造できる。
即ち、炭素数12〜22のアルコールを用い、塩基性触媒の存在下、常法に従いゲルベ反応を行うと、一般式 (IV) で表されるアルコールと一般式(IV’) で表されるアルコールの混合物を製造することができる。
【0034】
【化14】
Figure 0003583505
【0035】
(式中、R及びR前記の意味を示す。)
このアルコール混合物を用い、前述した方法で第4級アンモニウム塩に導けば、一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩と一般式(II)で表される第4級アンモニウム塩の混合物を得ることができる。
【0036】
本発明の柔軟剤組成物中の一般式(I)又は(II)で表される第4級アンモニウム塩の含有量は、これらの第4級アンモニウム塩の合計配合量として、3〜40重量%が好ましく、5〜30重量%が更に好ましい。
これら第4級アンモニウム塩の合計配合量が3重量%未満の場合、本発明が所望する柔軟効果が得られず、40重量%を超える場合には、組成物の粘性が増大しハンドリング性が不良となる。
また、第4級アンモニウム塩(I)の配合量と第4級アンモニウム塩(II)の配合量の重量比(I)/(II)が0.01/99.99 未満になると吸水性を大幅に改善することができない。
【0037】
本発明の柔軟剤組成物中には、柔軟性能及び保存安定性をさらに向上させる目的で、直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜44の飽和又は不飽和アルコールや、直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜36の飽和又は不飽和脂肪酸を、粘度調整及び保存安定性(ゲル化防止等)の向上のため、炭素数1〜4の1価アルコールを配合することができる。また柔軟剤基剤として、上記以外の公知のカチオン化合物(第4級アンモニウム塩、イミダゾリニウム塩等)、エステル又はアミド等を配合することができる。また、増粘傾向抑制のため、活性水素を3個以上有する化合物にエチレンオキシドと必要によりプロピレンオキシドおよび/またはトリメチレンオキシドが付加してなり、重量平均分子量が5,000〜2,000,000であり、分子量中に占めるオキシエチレン基部分の割合が55重量%以上であるポリエーテル化合物又はその誘導体を配合することもできる。
更に、本発明の柔軟剤組成物には、組成物の粘度調整のため、NaCl、CaCl、MgCl等の無機電解質を配合することができる。また、組成物のpHを調整するために、酸性又はアルカリ性の物質を添加することができる。この場合、本発明組成物のpHが1.5 〜6.5 の範囲内となるように、酸性又はアルカリ性の物質を添加することが、組成物の粘度、保存安定性の点から望ましい。
【0038】
本発明の柔軟剤組成物は、長期間にわたって保存しても、その安定性は高いが、更に過酷な保存条件下での安定化のために、ポリオキシエチレン(5〜50モル)アルキル又はアルケニル(C12〜C24)エーテルや、ポリオキシエチレン(5〜50モル)アルキル又はアルケニル(C12〜C24)アミン等の非イオン性界面活性剤、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素などのハイドロトロープ剤などを、本発明組成物に配合しても良い。
また、本発明組成物には、その外観向上のために顔料または染料を、すすぎ時の消泡のためにシリコーンを、使用時及び仕上がり後の趣向を良くするために香料を配合することもできる。
【0039】
本発明の柔軟剤組成物を調製する方法の一例を以下に述べるが、本発明組成物の調製方法は、この製法に限定されるものではない。
第4級アンモニウム塩(I)、又は第4級アンモニウム塩(I)と第4級アンモニウム塩(II)の混合物を溶融し、あるいはこれら第4級アンモニウム塩とその他の成分を溶融し、この溶融物を、攪拌下、60℃に保持されている脱イオン水の中に徐々に滴下し、エマルジョンを調製する。その後、必要に応じて、このようにして生成したエマルジョンの中へ、その他の成分を添加してもよい。更に、あらかじめ、脱イオン水の替わりに、非イオン性界面活性剤水溶液を用いてもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明の新規第4級アンモニウム塩は生分解性、柔軟性及び吸水性がより優れ、柔軟剤基剤として有用である。また本発明の柔軟剤組成物は、各種繊維に対して、充分な柔軟性、帯電防止性と、優れた弾力性を付与すると共に、保存安定性及び吸水性が極めて良好である。
【0041】
【実施例】
以下、本発明の新規第4級アンモニウム塩(I)の製造実施例、及び本発明の柔軟剤組成物の実施例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0042】
実施例1
攪拌機、冷却管、温度計、滴下ロートを付けた4つ口フラスコにエタノール1000mlを入れ、水酸化カリウム 1.5gを溶かし還流させた。オクタデカナール 268gを2時間かけて滴下し、その後1時間還流した。溶媒を留去し、α,β−不飽和アルデヒドを得た。
次に攪拌機、冷却管、温度計、滴下ロートを付けた4つ口フラスコによく乾燥したエチルエーテル500ml を入れ、水素化リチウムアルミニウム12gを分散させ、0℃に冷却した。続いて上記で生成したα,β−不飽和アルデヒドを1000mlのエチルエーテルに溶解し、3時間かけて滴下した。滴下後1時間攪拌した後、酢酸エチル20gを加え反応を停止した。反応液に5%塩酸300ml を加え無機物を溶解し、油層と水層を分液した。水層をさらにエチルエーテルで3回抽出し、油層を合わせて飽和食塩水で1回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、ヘキサン:酢酸エチル=10:1で溶出される部分を集め、溶媒を減圧で留去して、2−ヘキサデシル−2−エイコセノールを 155g得た。
【0043】
次に攪拌機、温度計、脱水管を付けた4つ口フラスコに2−ヘキサデシル−2−エイコセノール 100g、モノクロロ酢酸24gを入れ、 150℃で反応水を留去させながら8時間反応させ、クロロエステル 110gを得た。
次に攪拌機、温度計を付けたオートクレーブにクロロエステル 100g、イソプロピルアルコール20gを入れ、トリメチルアミン13gを圧入し、60℃で5時間反応させた。得られた生成物をアセトンで再結晶して82gの第4級アンモニウム塩を得た。
この第4級アンモニウム塩が下記式(X)で表される構造であることは NMRスペクトル、IRスペクトルから確認した。
【0044】
【化15】
Figure 0003583505
【0045】
【化16】
Figure 0003583505
【0046】
・IRスペクトル(KBr 錠剤):
1750cm−1, 1210cm−1
実施例2
オクタデカナールの代わりに、オレイルアルコールから誘導したアルデヒドを用いた以外は、実施例1と同様の方法で下記式(XI)で表される構造の第4級アンモニウム塩を得た。
【0047】
【化17】
Figure 0003583505
【0048】
【化18】
Figure 0003583505
【0049】
・IRスペクトル(KBr 錠剤):
1750cm−1, 1210cm−1
実施例3
オクタデカナールの代わりに、硬化パームステアリン酸から誘導したアルデヒドを用いた以外は、実施例1と同様の方法で下記式(XII) で表される構造の第4級アンモニウム塩を得た。
【0050】
【化19】
Figure 0003583505
【0051】
【化20】
Figure 0003583505
【0052】
・IRスペクトル(KBr 錠剤):
1750cm−1, 1210cm−1
実施例4
攪拌機、冷却管、温度計、脱水管を付けた4つ口フラスコにオクタデカノール 270g、水酸化カリウム 2.7gを入れ、250 ℃で生成する水を留去させながら10時間反応させた。未反応のオクタデカノールを減圧で留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、ヘキサン:酢酸エチル=10:1で溶出される部分を集め、溶媒を減圧で留去し、2−ヘキサデシルエイコサノールと2−ヘキサデシル−2−エイコセノールの93:7(重量比)の混合物を223 g得た。
次に攪拌機、温度計、脱水管を付けた4つ口フラスコに上記混合物 100g、モノクロロ酢酸24gを入れ、150 ℃で反応水を留去させながら8時間反応させ、クロロエステル112 gを得た。
次に攪拌機、温度計を付けたオートクレーブにクロロエステル 100g、イソプロピルアルコール20gを入れ、トリメチルアミン13gを圧入し、60℃で5時間反応させた。未反応のトリメチルアミン、溶媒を減圧で留去し、下記式(XIII)で表される第4級アンモニウム塩と式(XIV) で表される第4級アンモニウム塩との93:7(重量比)の混合物を110 g得た。
【0053】
【化21】
Figure 0003583505
【0054】
実施例5
オクタデカノールの代わりにオレイルアルコールを原料に用いた以外は、実施例4と同様の方法で2−(7−ヘキサデセニル)−11−エイコセノールと2−(7−ヘキサデセニル)−2,11−エイコサジエノールの95:5(重量比)の混合物を得た。さらに実施例4と同様にして、下記式(XV)で表される第4級アンモニウム塩と式(XVI) で表される第4級アンモニウム塩との95:5(重量比)の混合物を得た。
【0055】
【化22】
Figure 0003583505
【0056】
実施例6
オクタデカノールの代わりに硬化パームステアリン酸から誘導したアルコールを用いた以外は、実施例4と同様の方法で、下記式(XVII)で表される第4級アンモニウム塩と式(XVIII) で表される第4級アンモニウム塩との92:8(重量比)の混合物を得た。
【0057】
【化23】
Figure 0003583505
【0058】
実施例7〜18及び比較例1〜2
表1に示す第4級アンモニウム塩(I)(以下(a) 成分と略記)、表2に示す第4級アンモニウム塩(II)(以下(b) 成分と略記)、及び表3に示す第4級アンモニウム塩(I)と第4級アンモニウム塩(II)の混合物(以下(c) 成分と略記)を用いて表4に示す組成の液体柔軟剤組成物を調製した。
得られた柔軟剤組成物について、下記の方法により、それぞれの柔軟性、吸水性の評価を行い、結果を表5に示した。
なお、いずれの配合の場合もCaClを0.04重量%配合し、また配合物の水への分散性をさらに良くするためにポリオキシエチレン(21モル)ラウリルエーテルを1.0 重量%配合し、任意成分以外の残部を水とした。また組成物のpHは塩酸にてpH=4.0 とした。
【0059】
(1) 柔軟性の評価方法
(a) 処理方法
市販の木綿タオル2kg、アクリルジャージ1kgを 3.5°DH硬水にて市販洗剤“アタック”(花王株式会社製、登録商標)にて5回繰り返し洗濯(30リットル洗濯機)をし、繊維についていた繊維処理剤を除去した後、表4に示す柔軟剤組成物を第4級アンモニウム塩の合計量が4.5 gとなるように投入し、25℃
、1分間攪拌下で処理した。
(b) 評価方法
上記方法で処理した布を室内で風乾後、25℃、65%RHの恒温恒湿室にて24時間放置した。これらの布について、ジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウムクロライド15重量%からなる柔軟剤20mlで処理した布を対照にして一対比較を
行い、以下の評価基準で評価した。
評価基準
+2:対照より柔らかい
+1:対照よりやや柔らかい
0:対照と同じ
−1:対照の方がやや柔らかい
−2:対照の方が柔らかい
(2) 吸水性の評価方法
上記柔軟性の評価方法と同様に処理を行った木綿タオルを、室内で風乾後、25℃、65%RHの恒温恒湿室にて24時間放置した。この木綿タオルを3cm×25cmの短冊状に切りとった。一方、上記恒温恒湿室に、25℃の水を用意し、タオル片を垂直に保持したまま下から2cmが水中に没するようにつけ、水を吸わせ、15分後の水の上昇高さを測定した。
【0060】
【表1】
Figure 0003583505
【0061】
【表2】
Figure 0003583505
【0062】
【表3】
Figure 0003583505
【0063】
【表4】
Figure 0003583505
【0064】
【表5】
Figure 0003583505

Claims (3)

  1. 一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩。
    Figure 0003583505
    (式中、R1、R2及びR3は同一もしくは異なって、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を示し、R4は炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基又はアルケニレン基を示し、R5は炭素数11〜21の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示し、R6は炭素数10〜20の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示し、 X-は陰イオンを示す。)
  2. R 1 R 2 及び R 3 がメチル基又はエチル基、 R 4 がメチレン基である請求項1記載の第4級アンモニウム塩。
  3. R1、R2及びR3がメチル基又はエチル基、R4がメチレン基、R5が炭素数13〜17の直鎖アルキル基、R6が炭素数12〜16の直鎖アルキル基であり、 X-がCl-, CH3SO4 -又はC2H5SO4 -である請求項1記載の第4級アンモニウム塩。
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