JP3581382B2 - 符号化装置及びその方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本願発明は符号化装置及びその方法にかかり、特に画面内符号化モードと画面間符号化モードとを適応的に用いて画像データを符号化する符号化装置及びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より画像情報をデジタル伝送する場合、伝送データ量を削減するために各種の符号化方式が提案されている。
【0003】
その提案されている符号化方式の1つに、フレーム内符号化とフレーム間符号化とを切り換えて符号化する方式がある。
【0004】
フレーム内圧縮は、近接する画素同士は明るさと色が類似する画像の特性を利用して情報量低減する方式である。
【0005】
実際の画像では、空や壁など大半の部分は同程度の明るさと色がほぼ続いているため、フレーム内圧縮のみを用いても1/5〜1/10程度の圧縮が可能である。
【0006】
フレーム間圧縮は、類似した画像を利用して、補正分の情報のみで画像を得る方式である。
【0007】
通常動画では近接するフレームの絵柄は、多少の動きや変形はあるが類似している。この点を利用して、まず圧縮符号化しようとするフレームと近接するフレーム間との類似性(動き、色、明るさ等)を計算する。その計算に基づいて「予測値」、つまり「近接フレーム」から「符号化しようとするフレーム」に更に類似したフレームの値を算出する。
【0008】
次に、符号化しようとするフレームから「予測値」との差分情報のみを符号化(記録・伝送)する。このため、データ量(補正分)が低減する。
【0009】
つまり人物だけ移っている動画で人物が右に移動した場合、一つ前のフレームで、移動の補正情報も含めて人物がいる画素が予測値で、右に移動した全体の画素から予測値を引いたものが差分となる。
【0010】
従来の符号化装置の場合、一般にフレーム間処理により圧縮する場合、伝送路上で誤りが発生すると、その誤りが伝播することが知られている。したがって、フレーム間処理を所定数行うと自動的にフレーム内処理(リフレッシュ動作)を行うものとなっていった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
各符号化画面の1フレーム当りのデータ量は、フレーム内処理の場合16K〜25Kバイト、フレーム間処理の場合7〜10Kバイト程度である。
【0012】
つまり、一般にフレーム内処理はフレーム間処理よりも発生するデータ量が多いことが知られている。
【0013】
従って、定期的にフレーム内符号化を行う場合、その直前の量子化ステップ(フレーム間符号化に使われた量子化ステップ)を使って量子化すると急にデータ発生量が増えてしまい、伝送レート上の問題となる。
【0014】
そこで、データ発生量を抑えるために量子化ステップを変えて、符号化を行うと今度は画質劣化を引き起こしてしまうという問題が生じる。
【0015】
上述のような問題は、複数の符号化モードを適応的に切り換えて符号化を行う符号化装置(少なくとも予測符号化モードを有する)に発生するものである。
【0016】
上述したような背景から、本願発明は従来の符号化装置における上述の問題を解消し、信号劣化を防止した符号化装置及びその方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本願は斯かる目的下にその一つの発明の符号化装置として、連続的に画像データを入力する入力手段と、画面内符号化モードと画面間符号化モードとを選択的に用いて、前記入力手段によって入力された画像データを符号化する符号化手段と、前記入力手段によって入力された画像データを複数のエリアに分割し、前記エリア毎に前記画像データを符号化した際の符号量が所望の符号量になるように前記符号化手段を制御する符号量制御手段と、前記符号量制御手段の制御単位である前記各エリア内に一定の比率で強制的に画面内符号化モードを実行するリフレッシュエリアを設定し、かつ前記リフレッシュエリアを画面単位で所定単位毎に移動するように制御するリフレッシュ制御手段とを有することを特徴とする。また、本願は斯かる目的下にその一つの発明の符号化方法として、連続的に画像データを入力する入力工程と、画面内符号化モードと画面間符号化モードとを選択的に用いて、前記入力工程で入力された画像データを符号化する符号化工程と、前記入力工程で入力された画像データを複数のエリアに分割し、前記エリア毎に前記画像データを符号化した際の符号量が所望の符号量になるように前記符号化手段を制御する符号量制御工程と、前記符号量制御工程の制御単位である前記各エリア内に一定の比率で強制的に画面内符号化モードを実行するリフレッシュエリアを設定し、かつ前記リフレッシュエリアを画面単位で所定単位毎に移動するように制御するリフレッシュ制御工程とを有することを特徴とする。
【0019】
【実施例】
以下、本願発明にかかる実施例の符号化装置を説明する。
【0020】
図1は本実施例を適用させた符号化装置のブロック図である。
【0021】
図1において、101は画像信号が入力される入力端子、102は入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路、103は画素順序を入れかえてブロックに分割するブロック分割回路、104は現フレーム信号と予測信号の差分演算を行う予測誤差算出回路、105は前記ブロック分割器103からの入力と予測誤差算出回路104からの入力とを切り換えるスイッチ回路である。
【0022】
106は現フレーム信号と予測誤差信号とを比較し、符号化信号を選択する判定回路である。
【0023】
107はリフレッシュ制御回路である。リフレッシュ制御回路107にはフレーム信号と後述するW,Sの設定値が入力されている。リフレッシュ制御回路107の動作は後述詳しく説明する。
【0024】
108は前記判定回路106の判定結果とリフレッシュ制御回路107からのリフレッシュ制御信号を入力とするOR回路、109はスイッチ回路105により選択された信号を直交変換する直交変換回路、110は直交変換係数を量子化する量子化回路、111は量子化回路110により量子化された係数を可変長符号化する可変長符号化回路、112は発生するデータ量と伝送されるデータ量を制御するためのバッファメモリ、113は伝送フォーマットを作成する為の伝送I/F回路、114は伝送信号出力端子である。
【0025】
115は量子化回路110の逆量子化を行う逆量子化回路、116は直交変換回路109の逆変換を行う逆直交変換回路、117は現フレームの画像を再生するための加算回路、118はスイッチ回路105に連動してOR回路108の出力によりa,b端を選択するスイッチ回路である。
【0026】
119は現フレームの再生画像を一時記憶する画像メモリ回路、120は現フレームと前フレームの信号を比較して動きベクトルを算出する動きベクトル検出回路、121は前フレームの再生画像信号に対して動きベクトル検出回路120の信号に応じて動き補償を行う動き補償回路である。130はフッファメモリ112の蓄積データ量を一定に保つためのバッファ制御回路である。
【0027】
以下、上述のような構成を備える符号化装置の動作について説明する。
【0028】
入力端子101に入力されたアナログ画像信号はA/D変換回路102でデジタル信号に変換され、更にブロック分割器103で水平方向a画素、垂直方向bラインのブロック、例えばa=b=8に分割される。
【0029】
この信号は予測誤差算出回路104、フレーム内/フレーム間符号化切換スイッチ回路105a端、フレーム内/フレーム間符号化判定回路106に入力される。
【0030】
予測誤差算出回路104には、前フレームの動き予測値と現フレームの信号が入力され、その差分値を算出してスイッチ回路105b端と判定回路106に入力される。
【0031】
判定回路106は入力された現フレーム信号と予測誤差信号とで比較を行い符号化効率の良い方(フレーム間/フレーム内符号化)を判定出力とする。
【0032】
判定出力はOR回路108を介してスイッチ回路105,118を制御し、現フレームが符号化効率がよければa端を、予測誤差信号の方がよければb端を適応的に選択する。
【0033】
OR回路108の他方にはリフレッシュ制御回路107からのリフレッシュのために定期的に強制フレーム内とする制御信号が入力される。
【0034】
このリフレッシュ動作は画像に誤りが発生した場合に、その誤りの伝播を止めることを目的としている。
【0035】
このリフレッシュ制御回路107の動作の詳細は後述する。
【0036】
スイッチ回路105により選択された信号は直交変換回路109に入力される。
【0037】
本実施例では直交変換方式として、高い変換効率を持ち、ハードウェア化で実現性のある離散コサイン変換(DCT)を適用する。
【0038】
直交変換回路109からはその変換後の係数が出力され、量子化回路110に入力される。
【0039】
量子化回路110では、入力された直交変換係数を画像の視覚特性等を考慮した特性により量子化する。量子化回路110の出力信号は可変長符号回路111と逆量子化回路115にそれぞれ入力される。
【0040】
可変長符号化回路111は、直交変換後のデータが画像の特性からデータ発生分布が効率よく符号化されるようにデータの並び変えを行い、更にその分布の特性が符号化効率に最適となるような可変長符号化を行う。
【0041】
可変長符号化回路111からの出力信号はバッファメモリ112に入力されるバッファメモリのデータ量はバッファ制御回路130により所定の処理単位で一定となる様に制御される(後で詳細に述べる)。仮にバッファ量が増大したとすると、バッファ制御回路130から量子化回路110、逆量子化回路116は、データ発生をおさえる量子化テーブルを選択する制御信号が送られる。逆にバッファ量が減少した時は、データ発生量が増大する量子化テーブルを選択する制御信号が送られる。前記処理動作により、バッファメモリ112の蓄積データ量は一定に保たれる。また、バッファメモリ112からの出力データ量を単位時間で等しくなるように動作する。バッファメモリ112からの出力は伝送I/F回路に入力される。
【0042】
伝送I/F回路113では伝送クロックに同期して、バッファメモリ112の画像データを伝送フォーマットに従って出力端子114に出力する。このとき伝送フォーマットに含まれる動きベクトル情報,伝送同期信号及び誤り訂正符号等も同時に多重伝送される。
【0043】
一方、逆量子化回路115に入力された信号は、量子化回路110と逆の特性により量子化回路110の入力信号と同じ信号が逆量子化回路115から出力され、逆直交変換回路116に入力される。同様に直交変換回路109の逆変換回路である逆直交変換回路116により、直交変換回路109の入力信号と同じ信号が出力される。
【0044】
加算回路117には、前記逆変換された信号と、スイッチ118からの出力信号とが入力される。
【0045】
スイッチ回路118がa端に接続された時は、フレーム内処理でありスイッチ回路105も同様にa端が選択され、現フレームの信号が差分を取ることなく符号化、逆符号化され加算回路117に入力される。
【0046】
このときスイッチ回路118のa端は「0」であるため、加算回路117の出力はブロック分割回路103の出力信号と等しくなる。
【0047】
また、スイッチ回路118がb端の時は動き補償回路121の出力、つまり予測値との差分がスイッチ回路105から出力され、加算回路117に入力される。
【0048】
スイッチ回路118のb端は前記予測値と同じ信号なので加算回路117で加算されることで出力は同様にブロック分割回路103の出力と等しくなる。
【0049】
画像メモリ119は現フレーム信号を記憶し、約1フレーム分の遅れをもって出力される。
【0050】
動きベクトル検出回路120は前記画像メモリ119の出力、つまり現フレームの画像データが入力され、画像メモリ119に記憶されている前フレームの画像信号と比較して、符号化ブロックの動きを動きベクトルとして算出して動き補償回路121に出力する。
【0051】
動き補償回路121は前フレームの画像信号を動きベクトル検出回路120からのベクトル情報により動き補償を行ない予測値として出力する。
【0052】
以下、リフレッシュ制御回路107の制御動作について詳細に説明する。
【0053】
まず、図2、3を用いてリフレッシュ制御信号とバッファ制御の関係について説明する。
【0054】
図2(a)はバッファ制御の処理単位について示している。まずバッファ制御回路130は図2(a)の(ア)に対応するエリアのデータ発生量を検出し、制御目標値に対しての誤差演算を行い、量子化回路110、逆量子化回路116に制御信号を送りデータの発生量を制御する。この動作は図2(a)の(イ)、(ウ)についても順次行われる。図2(a)中の(ア)、(イ)、(ウ)のそれぞれのエリア内ではそれぞれ同一の制御値により制御されるわけでこの(ア)、(イ)、(ウ)の単位がバッファ制御の処理単位になるわけである。
【0055】
この処理単位は、細かい程バッファ制御の応答性が速くなり、バッファ制御の応答は向上するが、反面、画面上の小さなエリアごとに発生データ量が均一化されてしまい、本来細かい画像でデータ量の大きい部分は大幅に圧縮され画質劣化が大きく、逆に単純な画像は充分なデータ量が割り当てられ、劣化の少ない画像となる。これは視覚的に劣化が目立ち、画像の品質を大幅に低下させてしまう。
【0056】
逆に、処理単位が大きくなると符号化データの画質は良くなるが、バッファ制御が困難になり、バッファー量を大きく必要とする事になる。従って処理単位はある条件の大きさを保つ必要がある。一般的には、DCT処理単位の整数倍に設定される。
【0057】
図1中の、バッファ制御回路130からリフレッシュ制御回路107には上述の処理単位を示す信号(図3(b))が伝送される。
【0058】
リフレッシュ制御回路107では、バッファ制御処理単位毎に一定量のリフレッシュ制御信号が出力される様に動作する(図3(c))。
【0059】
図2(b)はそのリフレッシュエリアの一例を示している。
【0060】
バッファ制御処理単位毎に一定の比率でリフレッシュエリアが設定されるため、リフレッシュによる強制Intra処理によるデータ発生の急激な変化はなくなり、安定したバッファ制御を行う事ができ、急激な画質劣化を避ける事ができる。また、リフレッシュエリアは図2(b)に示すようにフレーム単位で所定単位毎に移動させている。つまり、図3(c)のリフレッシュ制御信号の発生期間は、フレーム単位で所定単位毎に移動させ、nフレームで一巡するものである。
【0061】
本実施例では、フレーム間動き補償符号化について説明したが、フィールド間動き補償符号化についても同様である。又、図3(c)には、リフレッシュ制御信号の発生時期は各バッファ制御単位毎(図3(a)の(ア)、(イ)、(ウ))に同じであるが、相違していてもよいことは、自明である。
【0062】
また、初めの画像は参照画像が存在しないので、Intra処理を行っていることは明らかである。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、符号量制御単位である各エリア内に一定の比率でリフレッシュエリアを設定し、前記リフレッシュエリアを画面単位で所定単位毎に移動するようにしたので、誤り伝播を所定画面数単位で止めることができる共に、リフレッシュエリアによるデータ量増加の影響は符号量制御単位である各エリアにおいて同等となるので、符号量制御単位であるエリア間の画質差を防止することができ総合的な画質を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる符号化装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施例にかかるバッファ制御動作及びリフレッシュ動作を説明するための図である。
【図3】本発明の実施例にかかるリフレッシュ制御信号の発生期間を説明するための図である。
【符号の説明】
105,118 スイッチ回路
106 判定回路
107 リフレッシュ回路
108 OR回路
130 バッファ制御回路
Claims (2)
- 連続的に画像データを入力する入力手段と、
画面内符号化モードと画面間符号化モードとを選択的に用いて、前記入力手段によって入力された画像データを符号化する符号化手段と、
前記入力手段によって入力された画像データを複数のエリアに分割し、前記エリア毎に前記画像データを符号化した際の符号量が所望の符号量になるように前記符号化手段を制御する符号量制御手段と、
前記符号量制御手段の制御単位である前記各エリア内に一定の比率で強制的に画面内符号化モードを実行するリフレッシュエリアを設定し、かつ前記リフレッシュエリアを画面単位で所定単位毎に移動するように制御するリフレッシュ制御手段とを有することを特徴とする符号化装置。 - 連続的に画像データを入力する入力工程と、
画面内符号化モードと画面間符号化モードとを選択的に用いて、前記入力工程で入力された画像データを符号化する符号化工程と、
前記入力工程で入力された画像データを複数のエリアに分割し、前記エリア毎に前記画像データを符号化した際の符号量が所望の符号量になるように前記符号化手段を制御する符号量制御工程と、
前記符号量制御工程の制御単位である前記各エリア内に一定の比率で強制的に画面内符号化モードを実行するリフレッシュエリアを設定し、かつ前記リフレッシュエリアを画面単位で所定単位毎に移動するように制御するリフレッシュ制御工程とを有することを特徴とする符号化方法。
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