JP3576962B2 - 1缶2回路式風呂釜 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、1缶2回路式風呂釜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記を目的とした1缶2回路式風呂釜として、実公昭62−25614号公報に記載されたものがあり、かかる1缶2回路式風呂釜Bは、図6に示すように、フィン51を共用して、当該フィン51の上下部に給湯用吸熱管52、風呂用吸熱管53を配した缶体54を有し、風呂用吸熱管53と浴槽55との循環路56に風呂加熱時作動する循環ポンプ57を介設するとともに、給湯と風呂加熱の同時使用に作動して循環ポンプ57による浴槽水の循環量を制限するオリフィス58を設けたことを特徴とする。
【0003】
なお、図中、59はバスアダプター、60はバーナ、61は水電磁弁、62は通水検出器である。
【0004】
かかる構成によって、風呂と給湯との同時使用時においても、風呂加熱が行えてかつ十分な能力の給湯が得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した1缶2回路式風呂釜Bは、循環ポンプ57による循環量をオリフィス58を用いて制限するものであるため、給湯側で必要とされる給湯要求号数がある程度以上になっても、循環ポンプ57が作動しつづけ、従って、給湯側で所定温度でかつ所定量の湯を供給することができないおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記した課題を解決することができる1缶2回路式風呂釜を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、缶体内に風呂用吸熱管と給湯用吸熱管とを配設し、風呂用吸熱管を循環ポンプを取付けた循環流路を介して浴槽と連通連結した1缶2回路式風呂釜において、給湯側と風呂側の同時使用時には、給湯要求号数に基づき、風呂循環量を決定する循環量制御手段を設け、同循環量制御手段は、所定の給湯要求号数を超えた場合には、循環ポンプを停止すべく構成したことを特徴とする1缶2回路式風呂釜に係るものである。
【0008】
【実施例】
以下、添付図に示す実施例を参照して、本発明を具体的に説明する。
【0009】
図1において、10は並設した多数のフィン11を共用し、このフィン11の上部に複数の風呂用吸熱管1 2を、下部に複数の給湯用吸熱管13を取付けた1缶2回路式風呂釜Aの缶体である。
【0010】
また、缶体10の下部には、同缶体10を加熱するバーナ14が配設されており、同バーナ14への燃料供給路15には、電磁弁16と比例弁17とが取付けられている。
【0011】
風呂用吸熱管12,12同士はU字管状の屈曲筒部18を介して接続されており、一方、給湯用吸熱管13,13同士はU字管状の屈曲筒部19を介して接続されている。
【0012】
さらに、風呂用吸熱管12,12は、中途に循環ポンプ20を取付けた循環流路21を介して浴槽22に連通連結されている。
【0013】
一方、給湯用吸熱管13,13の水流入口23には給水配管24が接続されており、出湯口25には給湯配管26が接続されている。
【0014】
また、給水配管24には水量検出器27と給水温度検出器29が取付けられており、一方、給湯配管26には給湯温度検出器28が取付けられている。
【0015】
なお、図1において、Cは制御装置を示し、水量検出器27や給湯温度検出器28の検出信号に基づいて、電磁弁16や、比例弁17や、循環ポンプ20の駆動を制御するものである。
【0016】
かかる構成を有する1缶2回路式風呂釜Aは、バーナ14の燃焼によって、単一の缶体10を用いて、浴槽22の追焚を行うことができるのみならず、シャワーや台所等へ給湯配管26を通して出湯することができる。
【0017】
本発明は、上記した構成を有する1缶2回路式風呂釜Aにおいて、給湯要求号数を、水量検出器27、給湯温度設定器28, 給水温度検出器29或いは給湯温度検出器30, 給湯温度設定器28の検出信号により演算し、循環量演算手段を具備する制御装置C内の記憶装置に記憶させた複数の風呂循環運転パターンに基づいて循環ポンプ20の駆動を制御することを特徴とする。
【0018】
以下、図2及び図3を参照して、循環ポンプ20の駆動制御方法について説明すると、図2に示すように、追焚しながらシャワーを浴びる場合等において、水量検出器27、給湯温度検出器28、給水温度検出器29或いは熱交換器出口温度検出器30の検出信号により演算した給湯要求号数が所定号数(本実施例では、19号)より小さい場合は、浴槽22へは十分に加熱された浴湯を給湯できるので、循環ポンプ20を連続運転する。
【0019】
しかし、給湯要求号数が所定号数に達した場合は、制御装置C内の記憶装置に記憶させた一つの風呂循環運転パターンに基づいて、図2に示すように、循環ポンプ20のデューティ比を変化させ、給湯要求号数が最大(24号)になった場合は、デューティ比を0、即ち、循環ポンプ20を完全停止する。
【0020】
このように、給湯要求号数が所定値(本実施例では、24号)以上になった場合には、循環ポンプ20を停止して、浴槽22への給湯(浴槽22の追焚)を行わずに、給湯配管26への給湯を優先して行うようにしているため、1缶2回路式風呂釜Aが給湯側と風呂側とで同時に使用される場合であっても、給湯配管26へは所定温度かつ所定量の湯を供給することができ、給湯配管26の使用者に不快感を与えることがなくなり、1缶2回路式風呂釜Aの使い勝手を向上させることができる。
【0021】
図3に、循環ポンプ20のデューティ比を変える一制御方法として、循環ポンプ20のオン・オフ制御を示す。
【0022】
即ち、給湯要求号数を、水量検出器27、給湯温度設定器28、給水温度検出器29或いは給湯温度検出器30、給湯温度設定器28の検出信号により演算し、給湯要求号数が所定号数(本実施例では、19号)より大きくなると、デューティ比が高い場合は、循環ポンプ20の運転周期を、オン時間がオフ時間より長くするとともに、デューティ比が低い場合は、循環ポンプ20の運転周期を、オン時間がオフ時間より短くする制御を行う。
【0023】
循環ポンプ20のオン・オフ運転パターンは、周期としては、0.1Hz〜3Hzが好ましく、周期が短すぎると循環流速が低下して従来技術のような問題を引き起こすことになる。一方、周期が長すぎると、流量の差(停止中と流出中)が大きくなるため、給湯側の温度変化を招いてしまうことになる。
【0024】
さらに、本実施例では、任意の周期において、循環ポンプ20のオン・オフのデューティ比を0%〜100%までの広い範囲で選択でき、給湯要求号数の区分を細かに割りつけることができ細やかな給湯制御が可能となる。
【0025】
また、循環ポンプ20のポンプ回転数のオン・オフのデューティ比は、給湯要求号数の所定値までは100%で、所定値を越えてから缶体最大出力までは、デューティ比を演算により逆比例的に減じた値として決定することもできる。
【0026】
さらに、循環ポンプの運転パターンは、図1及び図4に示すように、リモコンRに、運転スイッチSの他、複数の追焚スイッチS1,S2,S3を用意して、使用者の好みに応じて自由に運転パターンを選択できるようにしてもよい。
【0027】
また、リモコンRには給湯温度設定器28が設けられ、任意に設定できるようにしている。
【0028】
図5に本発明の他の実施例を示す。
【0029】
本実施例は、図1に示す1缶2回路式風呂釜Aにおいて、給水配管24と給湯配管26との間にバイパス配管40を設け、パイパス配管40と給湯配管26との分岐部にミキシングバルブ41を設け、かつ、給水配管24には水量検出器27と給水温度検出器29を設け、給湯配管26であってミキシングバルブ41より下流側をなす混合湯水流路44には水量バルブ42と混合湯水温度検出器43とを設けたことを特徴とする。
【0030】
本実施例においても、図1を参照して説明した実施例と同様に、給湯要求号数を、水量検出器27、給水温度検出器29、給湯温度設定器28、及び、混合湯水温度検出器43、給湯温度設定器28の検出信号により演算し、循環量演算手段を具備する制御装置C内の記憶装置に記憶させた複数の風呂循環運転パターンに基づいて循環ポンプ20の駆動を制御して、浴槽22へは十分に加熱された浴湯を給湯しながら、給湯配管26を通して所定温度かつ所定量の湯を所望の出湯先から出湯することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明は、缶体内に風呂用吸熱管と給湯用吸熱管とを配設し、風呂用吸熱管を循環ポンプを取付けた循環流路を介して浴槽と連通連結した1缶2回路式風呂釜において、給湯側と風呂側の同時使用時には、給湯要求号数に基づき、風呂循環量を決定する循環量制御手段を設け、同循環量制御手段は、所定の給湯要求号数を超えた場合には、循環ポンプを停止すべく構成している。
【0032】
そのため、給湯要求号数が所定値以下の場合には、浴槽へ十分に加熱された浴湯を給湯しながら、給湯配管を通して所定温度かつ所定量の湯を所望の出湯先から出湯することができる。
【0033】
しかも、給湯要求号数が所定値以上になった場合でも、循環ポンプを停止して、浴槽への給湯を行わずに、給湯配管への給湯を優先して行うので、1缶2回路式風呂釜が給湯側と風呂側とで同時に使用される場合であっても、給湯配管へは所定温度かつ所定量の湯を供給することができ、給湯配管の使用者に不快感を与えることがなくなり、1缶2回路式風呂釜の使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る1缶2回路式風呂釜の全体構成説明図である。
【図2】同風呂釜の燃焼パターンの説明図である。
【図3】循環ポンプのオン・オフ運転のデューティ比の説明図である。
【図4】リモコンの平面図である。
【図5】本発明の他の実施例に係る1缶2回路式風呂釜の全体構成説明図である。
【図6】従来の1缶2回路式風呂釜の全体構成説明図である。
【符号の説明】
A 1缶2回路式風呂釜
B 1缶2回路式風呂釜
C 制御装置
10 缶体
12 風呂用吸熱管
13 給湯用吸熱管
14 バーナ
27 水量検出器
28 給湯温度設定器
29 給水温度検出器
30 給湯温度検出器
Claims (1)
- 缶体(10)内に風呂用吸熱管(12)と給湯用吸熱管(13)とを配設し、風呂用吸熱管(12)を循環ポンプ(20)を取付けた循環流路(21)を介して浴槽(10)と連通連結した1缶2回路式風呂釜(A)において、
給湯側と風呂側の同時使用時には、給湯要求号数に基づき、風呂循環量を決定する循環量制御手段を設け、同循環量制御手段は、所定の給湯要求号数を超えた場合には、循環ポンプ(20)を停止すべく構成したことを特徴とする1缶2回路式風呂釜。
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