JP3575427B2 - 計時装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、計時装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゼンマイが開放する時の機械的エネルギを発電機で電気的エネルギに変換し、その電気的エネルギにより回転制御装置を作動させて発電機のコイルに流れる電流値を制御することにより、輪列に固定される指針を正確に駆動して正確に時刻を表示する電子制御式機械時計として、特開平8−5758号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
この際、発電機による電気的エネルギを一旦、平滑用コンデンサに供給し、このコンデンサからの電力で回転制御装置を駆動しているが、このコンデンサには発電機の回転周期と同期した交流の起電力が常時入力されるため、ICや水晶振動子を備える回転制御装置の動作を可能とするための電力を長期間保持する必要がなかった。このため、従来は、ICや水晶振動子を数秒程度動作可能な静電容量の比較的小さなコンデンサが用いられていた。
【0004】
この電子制御式機械時計は、ゼンマイを動力源として指針を駆動するためにモータが不要であり、部品点数が少なく安価であるという特徴がある。その上、電子回路を作動させるのに必要な僅かな電気的エネルギを発電するだけでよく、少ない入力エネルギで時計を作動することもできた。
【0005】
ところで、このような電子制御式機械時計は、以下の課題を有している。すなわち、通常は竜頭を引き出して行う針合わせ(時刻合わせ)を行う場合、正確に時刻を合わせられるように、時、分、秒の各指針を停止させていた。指針を停止することは、輪列を停止させることになるため、発電機も停止されていた。
【0006】
このため、発電機から平滑用コンデンサへの起電力の入力が停止する一方で、ICは駆動し続けるため、コンデンサに蓄えられた電荷はIC側に放電されて端子電圧が低下し、その結果、回転制御装置も停止していた。
【0007】
従って、針合わせを終えて竜頭を押し込み、発電機を駆動させても、コンデンサの端子電圧がICの駆動開始電圧(ICを駆動可能な電圧)となるまで充電するのに時間がかかっていた。即ち、発電機の駆動開始時において、発電機の回転速度が遅いと発電機の起電力は小さく、早いと起電力は大きくなるため、発電機の立ち上がり回転速度を早く上昇させる必要がある。この場合、発電機やその駆動機構には、元々多少なりとも慣性があるので、発電機の停止状態から通常の駆動(回転)状態に移行するまでは、その慣性によって時間がかかってしまう。特に、発電機のロータに慣性板が設けられている場合は、発電機の立ち上がり時に、ロータは徐々にスピードを上げて回転する。このため、ロータが回転し始めるときに、より大きなトルクが必要となり、回転数が高まるまでに時間がかかり、結果として発電機の立上り当初は発電機から出力される電力量が小さくなり、コンデンサの端子電圧がICの駆動開始電圧となるまで充電するのに時間がかかっていた。従って、発電機の駆動開始からICが動作するまでに時間がかかり、その間は正確な時間制御を行えないという問題があった。
【0008】
このため、本出願人は、特開平11−14768号公報に記載されたように、前記輪列の歯車に駆動レバーを当接させ、針合わせ終了時の竜頭の押し込み動作に応じて前記駆動レバーを歯車から離し、その際の摩擦力で歯車に機械的回転力を加えてロータを回転させることで、ロータの回転スピードを立ち上がり時から大きくして発電量を迅速に大きくし、充電するまでの時間を短縮する方法を発明した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記発明において、前記駆動レバーは、歯車に対し摩擦力で機械的回転力を加えているため、効率よくかつ安定して回転力を加えることが難しいという問題点があった。このような問題は、発電機に限らず、モータの歯車に駆動レバーによって摩擦力で機械的回転力を加えるようにした場合も同様であり、発電機やモータを含む電磁変換機においてロータやロータを駆動する輪列等の機械的エネルギ伝達手段の歯車に対して回転力を与える駆動レバーを設けた際に共通する課題であった。
【0010】
本発明の第1の目的は、ロータや機械的エネルギ伝達手段に対する機械的回転力を効率よくかつ安定して与えることができる電磁変換機の起動装置および計時装置を提供することにある。
【0011】
また、前記特開平11−14768号公報の発明では、前記駆動レバーは、歯車に直接接触する当接レバー部の弾性力と、この当接レバー部を元の位置に戻す部分の弾性力とのバランスによって前記機械的回転力を設定する必要があり、回転力の設定が難しく、安定した回転力を与えることが難しいという問題があった。具体的には、戻すバネが強いと起動する前にバネが離れて充分な回転トルクを加えられないし、逆に、弱いと衝撃などで歯車と接触してしまう。
【0012】
本発明の第2の目的は、ロータや機械的エネルギ伝達手段に対する機械的回転力をより安定して与えることができる電磁変換機の起動装置および計時装置を提供することにある。
【0013】
また、歯車に対する機械的回転力を安定して与える際の問題として効率がある。
【0014】
すなわち、ロータの回転速度としては、安定して回転でき、空気抵抗や粘性抵抗が大きくならないように、5〜10Hz程度が適している。また、回転安定性のためには、前述したように慣性円板が必要である。この慣性円板としては、真鍮製のものなどが用いられ、落下衝撃でのロータ柄の強度を考慮したり、時計のムーブメントの大きさ(例えば直径30mm程度)を考慮すると、外径が6mm、厚み0.2mm程度が適当なサイズになる。なお、慣性円板には、慣性モーメントを大きくし、重量を落とすために、通常、アミダ穴があけられ、このアミダ穴は直径5mm程度である。
【0015】
このような慣性円板を備えたロータの慣性モーメントI1は、例えば、以下の(1)式に示すとおりである。
Figure 0003575427
従って、運動エネルギーEは、(2)式に示すとおりになる。
Figure 0003575427
一方、駆動レバーは、バネ用りん青銅製であり、厚みh=0.2mm、幅b=0.2mm、長さl=0.5mmとすると、その断面2次モーメントIは、(3)式により求められる。
Figure 0003575427
また、片持ち支持状態のバネにおける撓み量yは(4)式で表される。
Figure 0003575427
ここで、wはバネ力、Eはヤング係数である。この(4)式から、バネ力wを求めると、(5)式のとおりになる。
Figure 0003575427
従って、バネエネルギーEは、(6)式で求められる。
【0016】
ばねでロータを回転させるエネルギーの効率ηを計算すると、(7)式のとおりになり、η=1〜4%となる。
Figure 0003575427
このような5%以下の低い効率を安定して出力することは非常に難しく、僅かな効率バラツキが歯車への機械的回転力による初速を大きく変動させることになり、安定して回転させることが難しいという問題があった。
【0017】
本発明の第3の目的は、ロータや機械的エネルギ伝達手段に機械的回転力を加える起動バネの効率を向上することができる電磁変換機の起動装置および計時装置を提供することにある。
【0018】
また、前記発明では、前記駆動レバーによって輪列の歯車に与える回転力を高精度で制御しなければ、増速されるロータの回転速度が安定せず、高精度の時間合わせが難しいという問題があった。
【0019】
すなわち、ICが駆動するまでは、ロータが回転し始めてからの時間なども検出できないため、予め設定された補正値を加えることで時刻合わせの誤差を無くす必要がある。
【0020】
しかしながら、ロータの回転が安定しないと、IC駆動までの時間もばらつくため、予め設定された値を補正しても時刻を正確に合わせることができず、高精度の時刻合わせが難しいという問題があった。
【0021】
また、駆動レバーによる回転力を一定にすることも、駆動レバーの撓み等を高精度に管理しなければならず、一般的な用途では十分利用可能な精度までは管理が可能であっても、それ以上の精度を得ることは困難であるという問題があった。
【0022】
本発明の第4の目的は、ロータの回転速度を容易に安定させることができる電磁変換機の起動装置および計時装置を提供することにある。
【0023】
本発明の計時装置は、機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源より機械的エネルギを伝達する伝達輪列と、前記伝達輪列により駆動される指針と、前記伝達輪列により回転されるロータを有して電気的エネルギを出力する発電機と、前記発電機の起電力を蓄電する蓄電装置と、前記蓄電装置により駆動される回転制御装置とを備えて構成される計時装置であって、前記回転制御装置は、基準信号を出力する基準信号出力回路と、前記ロータの周期を検出して基準信号と比較して比較制御信号を出力する比較制御信号出力回路とを有し、前記伝達輪列に設けられた回転対象歯車の被係合部に機械的に係合可能な係合部を備え、かつこの係合部を前記被係合部に係合させた状態で、外部操作部材の操作に応じて係合部を移動させて前記回転対象歯車に回転力を与えて前記ロータを回転させる起動部材を備え、前記起動部材は、前記回転対象歯車に設けられた被係合部に係合可能な係合部を有する起動バネと、外部操作部材の第1の操作に応じて前記起動バネを付勢して前記係合部を回転対象歯車の被係合部に係合させるとともに、外部操作部材の第2の操作に応じて起動バネの付勢を解除して起動バネを元の位置に戻して前記回転対象歯車に回転力を与える起動バネ作動部材とを備え、前記起動バネ作動部材は、前記回転対象歯車に係合してその回転を停止可能な係止部と、この係止部が回転対象歯車に係合されている際に、前記起動バネを所定量付勢してその係合部を回転対象歯車の被係合部に係合させる起動バネ付勢部とを備えることを特徴とする。
【0024】
このような本発明においては、機械的エネルギ伝達手段の回転対象歯車に対して機械的に係合可能な起動部材を用いているので、従来のような摩擦力を利用したものに比べて、回転対象歯車に対する機械的回転力を効率よくかつ安定して与えることができ、前記第1の目的が達成される。
【0025】
また、本発明の計時装置は、機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源より機械的エネルギを伝達する伝達輪列と、前記伝達輪列により駆動される指針と、前記伝達輪列により回転されるロータを有して電気的エネルギを出力する発電機と、前記発電機の起電力を蓄電する蓄電装置と、前記蓄電装置により駆動される回転制御装置とを備えて構成される計時装置であって、前記回転制御装置は、基準信号を出力する基準信号出力回路と、前記ロータの周期を検出して基準信号と比較して比較制御信号を出力する比較制御信号出力回路とを有し、前記伝達輪列に設けられた回転対象歯車に係合可能な係合部を備え、かつこの係合部を外部操作部材の操作に応じて回転対象歯車の略接線方向に移動させて前記回転対象歯車に回転力を与えて前記ロータを回転させる起動部材を備え、前記起動部材は、前記回転対象歯車に設けられた被係合部に係合可能な係合部を有する起動バネと、外部操作部材の第1の操作に応じて前記起動バネを付勢して前記係合部を回転対象歯車の被係合部に係合させるとともに、外部操作部材の第2の操作に応じて起動バネの付勢を解除して起動バネを元の位置に戻して前記回転対象歯車に回転力を与える起動バネ作動部材とを備え、前記起動バネ作動部材は、前記回転対象歯車に係合してその回転を停止可能な係止部と、この係止部が回転対象歯車に係合されている際に、前記起動バネを所定量付勢してその係合部を回転対象歯車の被係合部に係合させる起動バネ付勢部とを備えることを特徴とする。
【0026】
起動部材の係合部を回転対象歯車の略接線方向に移動すれば、歯車に対する回転力の加わる方向と、歯車の回転方向とが一致するため、効率を向上することができ、安定してかつ効率よく歯車を回転することができ、前記第3の目的が達成される。
【0027】
なお、本発明において、「略接線方向」とは、文字通り接線部における接線の方向は含まれるが、その方向だけではなく、少なくとも、その接線の方向に対し接触部(回転対象歯車と起動部材との接触部)の摩擦係数に対応した角度分(摩擦角)の傾きがあっても、その範囲は本発明の接線方向に含まれるものである。このことは、後述するカナやロータの略接線方向に起動部材の係合部が移動する場合も同様である。
【0028】
さらに、本発明の計時装置は、機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源より機械的エネルギを伝達する伝達輪列と、前記伝達輪列により駆動される指針と、前記伝達輪列により回転されるロータを有して電気的エネルギを出力する発電機と、前記発電機の起電力を蓄電する蓄電装置と、前記蓄電装置により駆動される回転制御装置とを備えて構成される計時装置であって、前記回転制御装置は、基準信号を出力する基準信号出力回路と、前記ロータの周期を検出して基準信号と比較して比較制御信号を出力する比較制御信号出力回路とを有し、前記伝達輪列において前記ロータの1段前の回転対象歯車のカナに、外部操作部材の操作に応じて回転力を与えて前記ロータを回転させる起動部材を備え、前記起動部材は、前記回転対象歯車のカナに設けられた被係合部に係合可能な係合部を有する起動バネと、外部操作部材の第1の操作に応じて前記起動バネを付勢して前記係合部を回転対象歯車のカナの被係合部に係合させるとともに、外部操作部材の第2の操作に応じて起動バネの付勢を解除して起動バネを元の位置に戻して前記回転対象歯車に回転力を与える起動バネ作動部材とを備え、前記起動バネ作動部材は、前記回転対象歯車に係合してその回転を停止可能な係止部と、この係止部が回転対象歯車に係合されている際に、前記起動バネを所定量付勢してその係合部を回転対象歯車の被係合部に係合させる起動バネ付勢部とを備えることを特徴とする。カナは直径が小さいため、起動バネの長さ方向の係合量を多くすることができ、効率よくかつ安定して回転させることができる。また、ロータの2段以上前の歯車を回転対象歯車にすると、増速比が大きくなるため、その歯車を回転させるのに非常に大きな力が必要となり、ロータのコギングトルクに勝って起動することが難しいが、回転対象歯車をロータの1段前の歯車にすることで、回転力を比較的小さくすることができる。
【0029】
加えて、前記各計時装置によれば、係止部および起動バネ付勢部を有する起動バネ作動部材を用いているので、起動バネの付勢量を精度良く一定にすることができ、歯車やカナに加える回転力をより一層安定させることができる。さらに、起動バネ作動部材の係止部も回転対象歯車やカナに係合するため、回転対象歯車やカナつまりはロータをスムーズに停止させることができる。
その上、起動バネを起動バネ作動部材で付勢して回転対象歯車やカナの被係合部に係合し、かつ起動バネ作動部材の付勢を解除して起動バネ自身の弾性力で回転対象歯車に回転力を与えているので、つまり起動バネのみを用いており、回転対象歯車を起動させるバネと、この起動バネを元の位置に戻すバネとが同一であるため、従来のように、各バネの弾性力のバランスを考慮する必要が無く、常時安定した回転力を回転対象歯車に与えることができ、前記第2の目的が達成される。このため、発電機の立上り当初は、ゼンマイによる回転力に加えて起動部材による機械的な回転力が輪列を介して発電機のロータに安定して加えられるため、ロータに大きな回転力が一時的に加えられ、ロータの回転スピードを立ち上がり時から大きくすることができる。従って、発電機から出力される電力を短時間で大きな値にでき、発電機の駆動開始時から回転制御装置が作動されるまでの時間が短くなり、針合わせの誤差を小さくすることができる。
また、計時装置は、発電機として用いられる電磁変換機の起動装置を備えているので、針合わせ操作等で電磁変換機が停止した際に、針合わせ操作からの復帰時に電磁変換機を迅速にかつ所定の回転速度で安定して起動することができ、時刻指示誤差を非常に小さくできて高精度の計時装置にすることができる。
【0036】
さらに、前記起動部材の係合部は、外部操作部材の第2の操作で前記回転対象歯車またはナの略接線方向に移動されるように構成されていることが好ましい。起動部材の係合部を歯車カナ略接線方向に移動すれば、歯車カナ対する回転力の加わる方向と、歯車カナ回転方向とが一致するため、効率を向上することができ、安定してかつ効率よく歯車を回転することができる。
【0041】
ここで、前記起動バネは板バネであり、起動バネの回転対象歯車またはナの被係合部に係合する係合部は、前記起動バネ作動部材によって歯車またはナの略接線方向に移動するように構成されていることが好ましい。
起動バネの係合部を歯車カナ略接線方向に移動すれば、歯車カナ対する回転力の加わる方向と、歯車カナ回転方向とが一致するため、効率を向上することができ、安定してかつ効率よく歯車カナ回転することができる。
【0042】
また、前記起動バネの他端部はピンに固定され、このピンは電子制御式機械時計の地板等の基盤に回動可能に取り付けられていることが好ましい。
【0043】
起動バネが固定されたピンを基盤に対して回転することで、起動バネの初期位置つまりは起動バネの弾性力を容易に調整することができ、歯車、カナまたはロータに加える回転力を所定量に容易に設定することができる。
【0046】
また、前記外部操作部材は竜頭であり、前記起動バネ作動部材は、竜頭を引き出した際に起動バネを付勢して前記回転対象歯車またはカナ被係合部に係合させ、竜頭を押し込んだ際に、起動バネの付勢を解除して起動バネを元の位置に戻して前記回転対象歯車またはカナ機械的な回転力を与えるレバーで構成されていることが好ましい。
【0047】
起動バネ作動部材として、竜頭操作に連動するレバーを用いれば操作性を向上できる。
【0048】
また、前記発電機は、ヨークおよびコイルを有していることが好ましい。この際、前記発電機は、コイルが巻かれるコア部を有することが好ましい。
【0049】
発電機としては、コア部の無い発電機を用いてもよいが、コア部を有する発電機を用いれば、磁石を小さくできて耐衝撃性も高くすることができる。なお、コア部を有する発電機はコギングトルクを有するため起動性が低下するが、本発明では機械的回転力を安定して加えることができるため、ロータを確実にかつ安定して回転させることができる。
【0050】
なお、前記各発明における回転対象歯車の被係合部としては、歯車の歯部であってもよいし、歯車に被係合部を加工して歯部以外に設けてもよい。特に、歯車の歯部を被係合部とすれば、被係合部の加工作業を不要にできる利点がある。同様に、カナの被係合部も、歯部以外に設けてもよいが、カナの歯部を利用することが好ましい。
【0056】
さらに、前記ロータを回転させる起動部材は、前記ロータをその回転方向側に回転させるように構成されていることが好ましい。前記ロータを、起動部材によって、直接あるいは回転対象歯車、カナ等を介して回転させると、停止していたロータが回転し、ロータに加わる摩擦力も値の大きな静止摩擦から小さな運動摩擦に低減するため、起動性が向上する。このように起動部材は、静止摩擦を運動摩擦に変えて摩擦力を低減すればよいため、ロータをその回転方向側に回転させるだけでなく、回転方向とは逆方向に回転させても構わない。但し、起動部材でロータを本来の回転方向側に回転させれば、ロータの回転速度をより迅速に上昇させることができる点で好ましい。
【0061】
この際、前記発電機から出力された電気的エネルギを蓄積可能に構成され、かつ機械的スイッチを介して前記回転制御装置に接続された蓄電装置を備えるとともに、前記機械的スイッチは、前記外部操作部材の第1の操作に応じて切断されて前記蓄電装置を回転制御装置から切り離すとともに、前記外部操作部材の第2の操作に応じて接続されて前記蓄電装置から回転制御装置に電気的エネルギを供給可能に構成されていることが好ましい。このような場合、例えば、針合わせのために竜頭を引き出す等の外部操作部材の操作を行うと、機械的スイッチが切断され、コンデンサ等の蓄電装置が回転制御装置(IC)から切り離されるため、蓄電装置の電圧は低下することなく維持される。
【0062】
このため、針合わせの終了に伴い竜頭を押し込む等の外部操作部材の他の操作を行い、スイッチを接続した際に、高い電圧に維持された蓄電装置からの電力で回転制御装置を起動でき、回転制御装置の起動時間を短くかつ一定にすることができる。
【0063】
また、前記起動部材によって前記回転対象歯車またはナに与えられる回転力は、前記発電機のロータが基準速度で起動する大きさに設定されていることが好ましい。
【0064】
ここで、基準速度とは、ロータに繋がる輪列に結合された指針が、誤差無く動く速度であり、例えば8Hzである。起動時にロータを基準速度で回転させることができれば、回転制御装置に電力が供給されて起動して制御が開始されるまでの時間と、その間に指針が動いて指示する時間とを一致させることができるため、指示誤差を無くすことができる。
【0066】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0067】
図1は、本発明の第1実施形態の電子制御式機械時計の要部を示す平面図であり、図2及び図3はその断面図である。
【0068】
電子制御式機械時計は、ゼンマイ1a、香箱歯車1b、香箱真及び香箱蓋1dからなる香箱車1を備えている。ゼンマイ1aは、外端が香箱歯車1b、内端が香箱真に固定される。香箱真は、地板2に固定された香箱軸に挿入され、角穴車4と一体で回転するように角穴ネジ5により固定されている。
【0069】
角穴車4は、反時計回り方向には回転するが時計回り方向には回転しないように、図示しないこはぜと噛み合っている。なお、角穴車4を時計回り方向に回転しゼンマイ1aを巻く方法は、機械時計の自動巻または手巻機構と同様であるため、説明を省略する。
【0070】
香箱歯車1bの回転は、二番車7、三番車8、四番車9、5番第1中間車15、5番第2中間車16、五番車10、六番車11からなる輪列を介して増速されて発電機20(ロータ12)に伝達される。これらの輪列は、地板2および輪列受3によって軸支されている。
【0071】
電磁変換機である発電機20は、ロータ12およびコイルブロック21,22から構成されている。ロータ12は、ロータかな12a、ロータ磁石12b、ロータ慣性円板12cを備えて構成される。ロータ慣性円板12cは、香箱車1からの駆動トルク変動に対しロータ12の回転速度変動を少なくするためのものである。
【0072】
コイルブロック21,22は、それぞれヨーク23にコイル24を巻線して構成されたものである。各ヨーク23は、ロータ12に隣接して配置されるステータ部23cと、前記コイル24が巻回されるコア部23bと、互いに連結される磁気導通部23aとが一体に形成されて構成されている。
【0073】
前記各ヨーク23つまり各コイル24は互いに平行に配置されている。そして、前記ロータ12は、ステータ部23c側において、その中心軸が各コイル24間に沿った境界線上に配置され、ステータ部23cが前記境界線に対して左右対称となるように構成されている。
【0074】
この際、各ヨーク23のロータ12が配置されたステータ孔23dには、図2に示すように、位置決め部材25が配置されている。そして、各ヨーク23の長手方向の中間部分つまりヨーク23のステータ部23cおよび磁気導通部23a間に偏心ピンからなる位置決め治具26を配置している。この位置決め治具26を回すと、各ヨーク23のステータ部23cを位置決め部材25に当接させてその位置合わせを正確にかつ簡単に行うことができるとともに、磁気導通部23aの側面同士を確実に接触させることができる。
【0075】
各コイル24の巻数は同数とされている。この際、巻数が同数とは、完全に同数の場合だけではなく、コイル全体からは無視できる程度の誤差、例えば数百ターン程度の違いまでをも含むものである。
【0076】
なお、各ヨーク23の磁気導通部23aは、その側面が当接されて互いに連結されている。また、磁気導通部23aの下面は、各磁気導通部23aに跨って配置された図示しない磁気導通用の補助ヨークに接触されている。これにより、磁気導通部23aでは、各磁気導通部23aの側面部分を通る磁気導通経路と、磁気導通部23aの下面および磁気導通用の補助ヨークを通る磁気導通経路との2つの磁気導通経路が形成され、ヨーク23は環状の磁気回路を形成している。各コイル24は、各ヨーク23の磁気導通部23aからステータ部23cに向かう方向に対して同方向に巻線されている。
【0077】
これらの各コイル24の端部は、ヨーク23の磁気導通部23a上に設けられた図示しないコイルリード基板に接続されている。
【0078】
次に、電子制御式機械時計の制御回路について、図4を参照して説明する。
【0079】
発電機20からの交流出力は、昇圧コンデンサ121,ダイオード122,123からなる昇圧整流回路を通して昇圧、整流されて平滑用コンデンサ130に充電される。コンデンサ130には、IC151および水晶振動子152を備える回転制御装置150が接続されている。このコンデンサ130は、0.5μF程度の比較的小さな容量を有する積層セラミックコンデンサである。コンデンサ130としては、電解コンデンサ等を用いてもよいが、電解コンデンサと比較して寿命が長く、数10年レベルの製品寿命が得られる積層セラミックコンデンサを用いるほうが好ましい。
【0080】
そして、コンデンサ130に、IC151および水晶振動子152を駆動可能な所定電圧、例えば、1Vの電圧が蓄えられると、その蓄電力でIC151および水晶振動子152が駆動され、発電機20のコイルに流れる電流量を可変して電磁ブレーキ量を調整し、発電機20つまり指針の回転周期を調速している。より具体的には、回転制御装置150のIC151には、水晶振動子152からの発振信号を用いて基準信号を出力する基準信号出力回路と、電磁変換機である発電機20のロータ12の周期を検出して基準信号と比較して比較制御信号を出力する比較制御信号出力回路とが設けられ、この比較制御信号に基づいて発電機20のコイルに流れる電流量を可変して発電機20の回転周期を調速するようにされている。なお、発電機20の調速制御の方法としては、発電機20の出力端子間を閉ループ状態に接続可能なスイッチ等を設け、このスイッチを前記比較制御信号に応じて断続することで、発電機20にショートブレーキを掛けて調速するチョッピング制御方式を採用してもよい。
【0081】
また、コンデンサ130には、スイッチ131を介して蓄電装置であるコンデンサ132が接続されている。このコンデンサ132は、約5μF程度の比較的大きな容量を有するものである。
【0082】
ここで、スイッチ131は、後述するように、図示しない竜頭(外部操作部材)を操作して巻真を0段目(通常運針モード)または1段目(カレンダ修正モード)にしているときに接続され、2段目(針合わせモード)にしているときに切断される機械的なスイッチで構成されている。このため、発電機20が作動している際には、発電機20からの電力は、コンデンサ130だけではなく、コンデンサ132にも蓄積される。また、針合わせ操作で発電機20が停止している際には、スイッチ131が切断されるため、コンデンサ132の電圧は維持される。よって、針合わせ終了で竜頭を0,1段目にしてスイッチ131が接続されると、コンデンサ132からの電力で、コンデンサ130は瞬時に充電され、IC151に所定の電圧を印加する。このため、IC151は、電圧の印加後、約1秒程度で起動する。
【0083】
なお、コイルに流れる電流量を可変する手段としては、特開平8−101284号公報の実施例1に記載されるような、発電機20両端と並列に接続された負荷制御回路の抵抗を可変する方法や、実施例2に記載されるような、昇圧段数を可変する方法等が有効である。
【0084】
このような電子制御式機械時計は、図5〜8に示すように、図示しない竜頭に接続された巻真31を操作することにより、キチ車32、丸穴車33等を介して角穴車4を回転してゼンマイ1aを巻き上げるように構成されている。
【0085】
また、分針および時針を合わせる針合わせ操作は、竜頭を引き出して前記巻真31を軸方向に移動して2段目にセットし、おしどり40、かんぬき押え41、かんぬき42の作用によってつづみ車35を小鉄車36側に移動して噛み合わせるとともに、前記小鉄レバー43で小鉄車36を日の裏車38側に移動して噛み合わせ、図2に示すように、筒かな6aおよび筒車6bを回転させることで行われる。
【0086】
なお、巻真31を1段目にセットした際には、小鉄レバー43は移動せずに、かんぬき42のみが移動してつづみ車35が小鉄車36に噛み合うため、カレンダ修正伝え車45を介してカレンダーを修正できるように構成されている。
【0087】
また、電子制御式機械時計には、竜頭を操作することで作動される起動装置より具体的には起動部材である回転駆動手段50が設けられている。起動装置(回転駆動手段)50は、輪列の途中にある六番車11を回転させて発電機20を駆動する起動バネ60と、おしどり40の移動に伴い移動しかつ前記起動バネ60を付勢可能なリセットレバー70と、リセットレバー70の移動に伴い移動して、秒針を回転させる四番車9に係合して回転を規制する規制レバー80とを備えて構成されている。
【0088】
おしどり40は、図5,6に示すように、軸40aを中心に回動自在に軸支されるとともに、巻真31に係合されている。そして、かんぬき押え41に形成された3つの係合溝41a,41b,41cに係合される位置決めピン40bと、図9にも示すように、小鉄レバー43およびリセットレバー70に形成された溝43a,71に係合するピン40cとを備えている。また、おしどり40の角部は、かんぬき42に当接してかんぬき42を回動させることができるように構成されている。
【0089】
かんぬき押え41は、前記おしどり40の位置決めピン40bを各係合溝41a〜41cに係合させることで、巻真31つまり竜頭の位置を0,1,2の3段階に設定できるように構成されている。
【0090】
かんぬき42は、軸42aを中心に回動自在に軸支されている。そして、その一端は、前記つづみ車35に係合している。このため、巻真31が引き出されて1段目、2段目になり、おしどり40が図中反時計回り方向に回転すると、おしどり40に押されて前記端部つまりつづみ車35は時計の中心側に移動し、小鉄車36に係合する。
【0091】
小鉄レバー43は、前記溝43a内をピン40cが移動することで、軸43bを中心に回動するように構成されている。この際、前記溝43aの形状を工夫することで、竜頭を0,1段目にしている時と、2段目にしている時との2段階で移動するように構成されている。この小鉄レバー43には、前述したように、小鉄車36が取り付けられており、小鉄レバー43の移動に伴い小鉄車36が時計の中心側に移動して日の裏車38に係合可能に構成されている。
【0092】
なお、小鉄車36は、小鉄レバー43に対して、図7,8に示すように、小鉄レバー43に形成された穴にカレンダ修正伝え車45の軸を嵌挿し、この軸に小鉄車36を嵌入することで、カレンダ修正伝え車45と一体的に回動可能に取り付けられている。
【0093】
リセットレバー70は、軸72を中心に回動自在に軸支されている。このリセットレバー70も、前記溝71の形状を工夫することで、竜頭を0,1段目にしている時と、2段目にしている時との2段階で移動するように構成されている。
【0094】
そして、リセットレバー70には、回転対象歯車である六番車11のカナ11aに係合してカナ11aを回転不能に係止可能な係止部73と、この係止部73がカナ11aに係合されている際に、前記起動バネ60を所定量付勢してその先端の係合部63を回転対象歯車11aの被係合部(歯)に係合させる起動バネ付勢部74と、回路基板に形成された穴90に配置された2つのスイッチ部75a,75bとが設けられている。従って、リセットレバー70によって起動バネ作動部材が構成されている。
【0095】
リセットレバー70のスイッチ部75aは、図5,6に示すように、巻真31が0,1段目にあるときには回路基板に接触され、2段目にあるときには回路基板から離れるように構成されており、このリセットレバー70の機械的なスイッチ部75aによって前記コンデンサ132用のスイッチ131が構成されている。
【0096】
また、リセットレバー70のスイッチ部75bは、巻真31が0,1段目にあるときには穴90の一方の側にある回路基板に接触され、2段目にあるときには他方の側にある回路基板に接触されるように構成されており、これにより巻真31が0,1段目にあるのか2段目にあるのかを検出できるようにされている。
【0097】
起動バネ60は板バネで形成され、その基端部は固定ピン61にかしめにより固定されている。この固定ピン61は、図10にも示すように、地板(基盤)2に圧入され、その表面に形成された溝62にマイナスドライバ等を差し込むことで回転させることができるように構成されている。
【0098】
また、起動バネ60の材質やサイズは実施にあたって適宜設定すればよいが、本実施形態では、機械時計に使用されるヒゲゼンマイと同じ恒弾性材料で形成され、厚さ0.035mm、高さ0.15mm、ピン61から突出された部分の長さが3.7mmとされている。
【0099】
規制レバー80は、軸81を中心に回動可能に構成され、その一方の端部82はリセットレバー70の係合穴76に係合され、リセットレバー70の回動に伴い回動するように構成されている。また、その他方の端部83は上方に折曲されて、前記四番車9に係合可能に構成されている。
【0100】
このような本実施形態における起動装置50の動作について説明する。
【0101】
まず、竜頭が押し込まれた通常位置にある場合、図5に示すように、おしどり40の位置決めピン40bはかんぬき押え41の係合溝41aに係合され、ピン40cは小鉄レバー43およびリセットレバー70の溝43a,71に係合されている。この状態では、つづみ車35はキチ車32に係合し、竜頭を回すと、巻真31、つづみ車35、キチ車32、丸穴車33を介して角穴車4が回転し、ゼンマイ1aを巻き上げることができる。
【0102】
また、小鉄車36は日の裏車38に係合しない位置に配置されている。さらに、リセットレバー70の係止部73や起動バネ付勢部74はカナ11aや起動バネ60から離れた位置に配置され、規制レバー80も四番車9から離れた位置にある。
【0103】
そして、図6に示すように、竜頭を2段目まで引き出すと、おしどり40が軸40aを中心に反時計回り方向に回転し、その位置決めピン40bがかんぬき押え41の係合溝41bに係合される。同時に、おしどり40の角部でかんぬき42の端部が時計中心方向に押され、つづみ車35が小鉄車36側に移動する。また、おしどり40のピン40cによって小鉄レバー43が軸43bを中心に時計回り方向に回転し、小鉄車36を日の裏車38側に移動する。これにより、つづみ車35が小鉄車36に係合し、小鉄車36が日の裏車38に係合し、竜頭を回すことで時刻合わせができるように構成されている。
【0104】
同時に、リセットレバー70が軸72を中心に反時計回り方向に回転する。この回転に伴い、規制レバー80が時計回り方向に回転し、四番車9に係合する。これにより、四番車9つまり秒針は、針合わせ時にその回転方向によるバックラッシュで、がたつかないように規制される。
【0105】
さらに、リセットレバー70の起動バネ付勢部74によって起動バネ60が付勢され、起動バネ60は撓んでその先端の係合部63が六番カナ11aの被係合部である歯に係合する。この際、リセットレバー70の係止部73が六番カナ11aの歯に係合するため、起動バネ60の付勢量(撓み量)は常に一定に維持される。
【0106】
そして、竜頭を回して針合わせ操作を行った後、竜頭を押し込んで針合わせの終了操作を行うと、その操作に連動して、図11に示すように、おしどり40が時計回り方向に回転し、ピン40cが溝71内を移動することで、リセットレバー70が時計回り方向に回転して元の位置に戻る。
【0107】
また、規制レバー80もリセットレバー70の移動に伴い反時計回り方向に回転し、その先端部83が四番車9から離れるため、秒針の回転も可能になる。
【0108】
リセットレバー70の移動に伴い、係止部73および起動バネ付勢部74も六番カナ11aおよび起動バネ60から迅速に離れる。
【0109】
このため、起動バネ60もそれ自身のばね力で元の位置に戻る。この際、起動バネ60の先端の係合部63は、六番カナ11aの接線方向に移動し、その移動に伴い、六番車11には、矢印方向に機械的な回転力が加わる。この六番車11の回転に伴い、ロータ12が回転するとともに、五番車10、5番第2中間車16、5番第1中間車15、四番車9等の輪列を介して各指針が動かされる。
【0110】
このときの回転力は、実施に応じて適宜設定されるが、本実施形態では、ロータ12を基準速度(指針を正確に動かすことができる速度、つまり秒針であれば1秒間に1秒分秒針が動く速度であり、例えば8Hz)で回転できる力に設定されている。
【0111】
竜頭を押し込んで針合わせ作業から復帰すると、発電機20が作動し始めるが、この立上り時に、ゼンマイ1aによる回転力に加えて前記起動バネ60によって六番カナ11aに加えられる回転力がロータ12に伝達されるため、ロータ12に大きな回転力が一時的に加えられ、ロータ12の回転スピードは立ち上がり時から大きくなり、発電機20から出力される電力は短時間で大きな値となる。
【0112】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
【0113】
(1) 竜頭を押し込む針合わせ作業からの復帰操作に連動して作動されるリセットレバー70および起動バネ60を少なくとも備える起動装置50を設けて、六番車11に機械的な回転力を加えるようにしたので、発電機20の立上り時に、ゼンマイ1aによる回転力に加えて起動装置50による機械的な回転力を輪列を介して発電機20のロータ12に加えることができる。このため、ロータ12に大きな回転力が一時的に加えられ、ロータ12の回転スピードを立ち上がり時から大きくすることができ、発電機20から出力される電力を短時間で大きな値にできる。従って、発電機20の駆動開始時から回転制御装置150が作動されるまでの時間を短くでき、針合わせの誤差を小さくすることができる。
【0114】
(2) 前記回転力は、起動バネ60のばね力のみつまり単独のバネの弾性力のみで設定でき、従来のように複数のバネの弾性力のバランスを考慮する必要が無いため、回転力の設定を簡単にかつ精度良く行うことができる。このため、例えば、六番カナ11aに加える回転力が小さすぎてロータ12が回転(起動)しないことや、回転力が大きすぎてブレーキを掛けても進みすぎるといったことがなく、適切な回転力を常に与えることができる。
【0115】
(3) 起動バネ60が固定されたピン61には溝62が形成されているため、ドライバ等で容易にピン61を回転して起動バネ60の初期位置つまりは起動バネ付勢部74による撓み量を容易に調整することができる。これにより、前記回転力をより容易にかつ精度良く設定することができる。
【0116】
(4) 起動バネ60による回転力を直径の小さな六番カナ11aに加えているので、起動バネ60の長さ方向の係合量を多くでき、起動バネ60の係合部63をカナ11aの被係合部に確実に係合させることができる。さらに、ロータ12の1つ手前の六番車11のカナ11aに回転力を加えているので、ロータ12を確実に起動することができる。すなわち、前記実施形態において、起動バネ60のばね力は約0.4gである。また、カナ11aのピッチ円半径は0.5mmであるから、起動バネ60によるトルクは0.4g×0.5mm=0.2gmm=200mgmm(国際単位系に換算すると1.96×10−6N・m、以下同様に括弧内の数値は換算値である)である。そして、トルク伝達効率を0.8×0.8=0.64とし、増速比8とすると、ロータ12に加わるトルクは、200×0.64/8=16mgmm(1.57×10 N・m)となる。一方、ロータ12のコギングトルクは1mgmm(9.8×10 N・m)以下であるから、前記トルク(16mgmm)はコギングトルクに比べて十分に大きいため、前記トルクを加えることでロータ12を確実に起動(回転)することができる。
【0117】
これに対し、例えば、5番カナに起動バネ60を係合して起動させる場合には、五番車10から六番車11への増速比が5、トルク伝達効率が0.8とすると、16/5×0.8=2.6mgmm(2.55×10 N・m)であり、コギングトルクとの差は小さい。このため、ばらつきを考慮すると、ロータ12を確実に起動することができない虞れがある。従って、前記実施形態のとおり六番カナ11aに回転力を加えることで、ロータ12を確実に起動することができる。
【0118】
(5) 起動バネ60の六番カナ11aと係合する係合部63を、六番カナ11aの接線方向つまり回転方向に移動させているので、起動バネ60によって六番カナ11aを回転させる際の効率を高くでき、これにより常時安定して起動することができる。
【0119】
例えば、前記実施形態では、慣性円板12cを含むロータ12の慣性モーメントは、1.4×10−10kgmであり、このロータ12を8Hzで回転させた場合の運動エネルギーは、1.4×10−10×(2π×8)/2=1.8×10−7[J]である。一方、前記起動バネ60のエネルギーは、1×10−6[J]であるから、効率ηは1.8×10−7/1×10−6=18%になり、5%以下であった従来に比べて効率を高くでき、ロータ12を安定して起動することができる。
【0120】
(6) 前記起動バネ60はリセットレバー70の起動バネ付勢部74で付勢され、かつこのリセットレバー70は係止部73が六番カナ11aに係合しているため、起動バネ60の付勢量(移動量)を常に一定にすることができる。これにより、起動バネ60の弾性力つまり六番カナ11aに加える力を常に一定にすることができ、ロータ12を安定してかつ確実に起動することができる。
【0121】
(7) 竜頭の操作に応じて断続されるスイッチ131(スイッチ部75a)と、このスイッチ131を介してIC151側に接続されたコンデンサ132とを設けたので、発電機20が停止する針合わせ時にコンデンサ132の電圧を維持でき、針合わせからの復帰時に、コンデンサ132の電力でコンデンサ130を瞬時に充電してIC151に電圧を印加することができる。このため、IC151を迅速に、例えば1秒程度で起動することができる。
【0122】
(8) 起動バネ60から六番カナ11aに加える力を一定にできるため、ロータ12を常に基準速度で起動して回転させることもできる。これにより、回転制御装置150に電力が供給されて起動して制御が開始されるまでの間、例えば1秒間程度の間、指針を正確に移動できるため、指示誤差を無くすこともできる。
【0123】
(9) ロータ12に機械的回転力を加えて起動できるため、コギングトルクがあって起動しにくいコア有りの発電機20を用いることができる。このコア有りの発電機20を用いることができるため、ロータ12のロータ磁石12bを小さくでき、かつ耐衝撃性も強くできるため、電子制御式機械時計を小型化にかつ衝撃に強いものにできる。
【0124】
(10)リセットレバー70は、竜頭の押し込みスピードに関係なく、一定のスピードで移動することができる。このため、起動バネ60から離れる場合にも迅速に移動でき、起動バネ60による六番カナ11aに加わる回転力も常に一定にでき、安定しかつ一定の回転力をロータ12に与えることができるとともに、竜頭の押し込みスピード等を考慮する必要がないため、操作性も向上することができる。
【0125】
(11)起動装置50つまりリセットレバー70、起動バネ60、規制レバー80は、針合わせからの復帰操作である竜頭(外部操作部材)を押し込む操作に連動して作動されるため、操作者が意識することなく動作させることができ、操作性をより向上することができる。
【0126】
(12)四番車9に係合可能な規制レバー80を設けたので、針合わせ操作時に秒針がバックラッシュによってがたつくことを防止でき、針合わせ操作を容易にかつ正確に行うことができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態において、前述の各実施形態と同一もしくは同様の構成部分には、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0127】
図12は、本発明の第2実施形態の計時装置である電子制御式機械時計の要部を示す平面図であり、図13及び図14はその断面図である。
【0128】
電子制御式機械時計は、機械的エネルギ源となるゼンマイ1a、香箱歯車1b、香箱真及び香箱蓋1dからなる香箱車1を備えている。ゼンマイ1aは、外端が香箱歯車1b、内端が香箱真に固定される。香箱真は、地板2に固定された香箱軸に挿入され、角穴車4と一体で回転するように角穴ネジ5により固定されている。
【0129】
角穴車4は、反時計回り方向には回転するが時計回り方向には回転しないように、図示しないこはぜと噛み合っている。なお、角穴車4を時計回り方向に回転しゼンマイ1aを巻く方法は、機械時計の自動巻または手巻機構と同様であるため、説明を省略する。
【0130】
香箱歯車1bの回転は、二番車7、三番車8、四番車9、5番第1中間車15、5番第2中間車16、五番車10、六番車11からなる輪列を介して増速されて発電機20(ロータ12)に伝達される。これらの輪列は、地板2および輪列受3によって軸支されている。
【0131】
発電機20は、ロータ12およびコイルブロック21,22から構成されている。ロータ12は、ロータかな12a、ロータ磁石12b、ロータ慣性円板12cを備えて構成される。ロータ慣性円板12cは、香箱車1からの駆動トルク変動に対しロータ12の回転速度変動を少なくするためのものである。このロータ慣性円板12cの外周部となる外周端面には、全周に渡って波状の歯形12dが形成されている。
【0132】
また、ロータ慣性円板12cは、ロータ回転軸に対して滑り機構を介して取り付けられている。この滑り機構は、ロータ回転軸に対するロータ慣性円板12cの嵌合力を制御したり、その嵌合部分に図示しないゴム材等を設けたりすることで形成され、ロータ慣性円板12cに所定よりも大きい力が加わると、ロータ回転軸とロータ慣性円板12cとの間で滑り、ロータ回転軸つまりロータ磁石12bが所定速度以上で回転することが抑制され、ロータ磁石12bはほぼ一定速度で回転するようにしている。
【0133】
コイルブロック21,22は、それぞれヨーク23にコイル24を巻線して構成されたものである。各ヨーク23は、ロータ12に隣接して配置されるステータ部23cと、前記コイル24が巻回されるコア部23bと、互いに連結される磁気導通部23aとが一体に形成されて構成されている。
【0134】
前記各ヨーク23つまり各コイル24は互いに平行に配置されている。そして、前記ロータ12は、ステータ部23c側において、その中心軸が各コイル24間に沿った境界線上に配置され、ステータ部23cが前記境界線に対して左右対称となるように構成されている。
【0135】
この際、各ヨーク23のロータ12が配置されたステータ孔23dには、図13に示すように、位置決め部材25が配置されている。そして、各ヨーク23の長手方向の中間部分つまりヨーク23のステータ部23cおよび磁気導通部23a間に偏心ピンからなる位置決め治具26を配置している。この位置決め治具26を回すと、各ヨーク23のステータ部23cを位置決め部材25に当接させてその位置合わせを正確にかつ簡単に行うことができるとともに、磁気導通部23aの側面同士を確実に接触させることができる。
【0136】
各コイル24の巻数は同数とされている。この際、巻数が同数とは、完全に同数の場合だけではなく、コイル全体からは無視できる程度の誤差、例えば数百ターン程度の違いまでをも含むものである。
【0137】
なお、各ヨーク23の磁気導通部23aは、その側面が当接されて互いに連結されている。また、磁気導通部23aの下面は、各磁気導通部23aに跨って配置された図示しない磁気導通用の補助ヨークに接触されている。これにより、磁気導通部23aでは、各磁気導通部23aの側面部分を通る磁気導通経路と、磁気導通部23aの下面および前記補助ヨークを通る磁気導通経路との2つの磁気導通経路が形成され、ヨーク23は環状の磁気回路を形成している。各コイル24は、各ヨーク23の磁気導通部23aからステータ部23cに向かう方向に対して同方向に巻線されている。
【0138】
これらの各コイル24の端部は、ヨーク23の磁気導通部23a上に設けられた図示しないコイルリード基板に接続されている。
【0139】
次に、電子制御式機械時計の制御回路について、図15を参照して説明する。
【0140】
発電機20からの交流出力は、昇圧コンデンサ121,ダイオード122,123からなる昇圧整流回路を通して昇圧、整流されて平滑用コンデンサ130に充電される。コンデンサ130には、IC151および水晶振動子152を備える回転制御装置150が接続されている。このコンデンサ130は、0.5μF程度の比較的小さな容量を有する積層セラミックコンデンサである。コンデンサ130としては、電解コンデンサ等を用いてもよいが、電解コンデンサと比較して寿命が長く、数10年レベルの製品寿命が得られる積層セラミックコンデンサを用いるほうが好ましい。
【0141】
そして、コンデンサ130に、IC151および水晶振動子152を駆動可能な所定電圧、例えば、1Vの電圧が蓄えられると、その蓄電力でIC151および水晶振動子152が駆動され、発電機20のコイルに流れる電流量を可変して電磁ブレーキ量を調整し、発電機20つまり指針の回転周期を調速している。なお、本実施形態においても、回転制御装置150のIC151には、水晶振動子152からの発振信号を用いて基準信号を出力する基準信号出力回路と、電磁変換機である発電機20のロータ12の周期を検出して基準信号と比較して比較制御信号を出力する比較制御信号出力回路とが設けられ、この比較制御信号に基づいて発電機20のコイルに流れる電流量を可変して発電機20の回転周期を調速するようにされている。また、発電機20の調速制御の方法としては、発電機20の出力端子間を閉ループ状態に接続可能なスイッチ等を設け、このスイッチを前記比較制御信号に応じて断続することで、発電機20にショートブレーキを掛けて調速するチョッピング制御方式を採用してもよい。
【0142】
また、コンデンサ130には、スイッチ131を介して蓄電装置であるコンデンサ132が接続されている。このコンデンサ132は、約5μF程度の比較的大きな容量を有するものである。
【0143】
ここで、スイッチ131は、後述するように、図示しない竜頭(外部操作部材)を操作して巻真を0段目(通常運針モード)または1段目(カレンダ修正モード)にしているときに接続され、2段目(針合わせモード)にしているときに切断される機械的なスイッチで構成されている。このため、発電機20が作動している際には、発電機20からの電力は、コンデンサ130だけではなく、コンデンサ132にも蓄積される。また、針合わせ操作で発電機20が停止している際には、スイッチ131が切断されるため、コンデンサ132の電圧は維持される。よって、針合わせ終了で竜頭を0,1段目にしてスイッチ131が接続されると、コンデンサ132からの電力で、コンデンサ130は瞬時に充電され、IC151に所定の電圧を印加する。このため、IC151は、電圧の印加後、約1秒程度で起動する。
【0144】
なお、コイルに流れる電流量を可変する手段としては、特開平8−101284号公報の実施例1に記載されるような、発電機20両端と並列に接続された負荷制御回路の抵抗を可変する方法や、実施例2に記載されるような、昇圧段数を可変する方法等が有効である。
【0145】
このような電子制御式機械時計は、図16〜19に示すように、図示しない竜頭に接続された巻真31を操作することにより、キチ車32、丸穴車33等を介して角穴車4を回転してゼンマイ1aを巻き上げるように構成されている。
【0146】
また、分針および時針を合わせる針合わせ操作は、竜頭を引き出して前記巻真31を軸方向に移動して2段目にセットし、おしどり40、かんぬき押え41、かんぬき42の作用によってつづみ車35を小鉄車36側に移動して噛み合わせるとともに、前記小鉄レバー43で小鉄車36を日の裏車38側に移動して噛み合わせ、図13に示すように、筒かな6aおよび筒車6bを回転させることで行われる。
【0147】
なお、巻真31を1段目にセットした際には、小鉄レバー43は移動せずに、かんぬき42のみが移動してつづみ車35が小鉄車36に噛み合うため、カレンダ修正伝え車45を介してカレンダーを修正できるように構成されている。
【0148】
また、電子制御式機械時計には、竜頭を操作することで作動される起動装置50が設けられている。この起動装置50は、おしどり40の移動に伴い移動し、かつ、前述のロータ12に直接回転力を与えて回転させる起動部材であるリセットレバー70を備えて構成されている。
【0149】
おしどり40は、図16,17に示すように、軸40aを中心に回動自在に軸支されるとともに、巻真31に係合されている。そして、かんぬき押え41に形成された3つの係合溝41a,41b,41cに係合される位置決めピン40bと、図20にも示すように、小鉄レバー43およびリセットレバー70に形成された溝43a,71に係合するピン40cとを備えている。また、おしどり40の角部は、かんぬき42に当接してかんぬき42を回動させることができるように構成されている。
【0150】
かんぬき押え41は、前記おしどり40の位置決めピン40bを各係合溝41a〜41cに係合させることで、巻真31つまり竜頭の位置を0,1,2の3段階に設定できるように構成されている。
【0151】
かんぬき42は、軸42aを中心に回動自在に軸支されている。そして、その一端は、前記つづみ車35に係合している。このため、巻真31が引き出されて1段目、2段目になり、おしどり40が図中反時計回り方向に回転すると、おしどり40に押されて前記端部つまりつづみ車35は時計の中心側に移動し、小鉄車36に係合する。
【0152】
小鉄レバー43は、前記溝43a内をピン40cが移動することで、軸43bを中心に回動するように構成されている。この際、前記溝43aの形状を工夫することで、竜頭を0,1段目にしている時と、2段目にしている時との2段階で移動するように構成されている。この小鉄レバー43には、前述したように、小鉄車36が取り付けられており、小鉄レバー43の移動に伴い小鉄車36が時計の中心側に移動して日の裏車38に係合可能に構成されている。
【0153】
なお、小鉄車36は、小鉄レバー43に対して、図18,19に示すように、小鉄レバー43に形成された穴にカレンダ修正伝え車45の軸を嵌挿し、この軸に小鉄車36を嵌入することで、カレンダ修正伝え車45と一体的に回動可能に取り付けられている。
【0154】
リセットレバー70は、図21にも示すように、軸72を中心に回動自在に軸支されている。このリセットレバー70も、前記溝71の形状を工夫することで、竜頭を0,1段目にしている時と、2段目にしている時との2段階で移動するように構成されている。
【0155】
そして、リセットレバー70には、ロータ12の外周部となるロータ慣性円板12cの被係合部である歯形12dに係合可能な係合部77と、回路ブロック180に形成された穴90に配置された2つのスイッチ部75a,75bとが設けられている。
【0156】
このリセットレバー70は、竜頭を2段目まで引き出した際に、係合部77をロータ慣性円板12cの歯形12dに係合させ、竜頭を押し込んだ際に、係合部77を移動してロータ慣性円板12cに回転力を与えるように構成したものである。
【0157】
リセットレバー70のスイッチ部75aは、図16,17に示すように、巻真31が0,1段目にあるときには穴90の一方の側にある回路ブロック180に接触され、2段目にあるときには他方の側にある回路ブロック180に接触されるように構成されており、これにより巻真31が0,1段目にあるのか2段目にあるのかを検出できるようにされている。
【0158】
また、リセットレバー70のスイッチ部75bは、巻真31が0,1段目にあるときには回路ブロック180に接触され、2段目にあるときには回路ブロック180から離れるように構成されており、このリセットレバー70の機械的なスイッチ部75bによって前記コンデンサ132用のスイッチ131が構成されている。
【0159】
なお、回路ブロック180は、フレキシブル基板にIC等を取り付けることで構成され、図18,20,21に示すように、地板2にビス止めされた回路受座181と、同じく地板2にビス止めされる回路押え板182とで挟持されて固定されている。
【0160】
このような本実施形態における起動装置50の動作について説明する。
【0161】
まず、竜頭が押し込まれた通常位置にある場合、図16に示すように、おしどり40の位置決めピン40bはかんぬき押え41の係合溝41aに係合され、ピン40cは小鉄レバー43およびリセットレバー70の溝43a,71に係合されている。この状態では、つづみ車35はキチ車32に係合し、竜頭を回すと、巻真31、つづみ車35、キチ車32、丸穴車33を介して角穴車4が回転し、ゼンマイ1aを巻き上げることができる。
【0162】
また、小鉄車36は日の裏車38に係合しない位置に配置されている。さらに、リセットレバー70の係合部77は、ロータ慣性円板12cから離れた位置にある。
【0163】
そして、図17に示すように、竜頭を2段目まで引き出すと、おしどり40が軸40aを中心に反時計回り方向に回転し、その位置決めピン40bがかんぬき押え41の係合溝41bに係合される。同時に、おしどり40の角部でかんぬき42の端部が時計中心方向に押され、つづみ車35が小鉄車36側に移動する。また、おしどり40のピン40cによって小鉄レバー43が軸43bを中心に時計回り方向に回転し、小鉄車36を日の裏車38側に移動する。これにより、つづみ車35が小鉄車36に係合し、小鉄車36が日の裏車38に係合し、竜頭を回すことで時刻合わせができるように構成されている。
【0164】
同時に、リセットレバー70が軸72を中心に時計回り方向に回転する。この回転に伴い、リセットレバー70の係合部77がロータ慣性円板12cに係合する。
【0165】
そして、竜頭を回して針合わせ操作を行った後、竜頭を押し込んで針合わせの終了操作を行うと、その操作に連動して、図22に示すように、おしどり40が時計回り方向に回転し、ピン40cが溝71内を移動することで、リセットレバー70が反時計回り方向に回転して元の位置に戻る。
【0166】
リセットレバー70の移動に伴い、その係合部77もロータ慣性円板12cから迅速に離れ、元の位置に戻る。この際、係合部77の先端は、ロータ慣性円板12cの接線方向に移動し、その移動に伴い、ロータ慣性円板12cには、矢印方向(時計回り方向)に機械的な回転力が加わる。このロータ慣性円板12cの回転に伴い、六番車11が回転するとともに、五番車10、5番第2中間車16、5番第1中間車15、四番車9等の輪列を介して各指針が動かされる。
【0167】
このときの回転力は、実施に応じて適宜設定されるが、本実施形態では、ロータ12を基準速度(指針を正確に動かすことができる速度、つまり秒針であれば1秒間に1秒分秒針が動く速度であり、例えば8Hz)に近い速度で回転できる力に設定されている。
【0168】
竜頭を押し込んで針合わせ作業から復帰すると、発電機20が作動し始めるが、この立上り時に、ゼンマイ1aによる回転力に加えて前記リセットレバー70によってロータ慣性円板12cに回転力が加えられ、ロータ12の回転スピードは立ち上がり時から大きくなり、発電機20から出力される電力は短時間で大きな値となる。
【0169】
このような本第2実施形態によれば、次のような効果がある。
【0170】
(21)竜頭を押し込む針合わせ作業からの復帰操作に連動して作動されるリセットレバー70を備える起動装置50を設けて、当該リセットレバー70でロータ慣性円板12cに直接回転力を与えるようにしたので、従来の輪列に回転力を加えた場合のように、輪列の増速による速度誤差の拡大を無くすことができ、ロータ12を所定の速度で回転することができる。従って、ロータ12の回転を安定させることができ、IC151駆動までの時間も一定にできるため、予め設定された補正値を加えることで時刻合わせ時の誤差を無くして高精度に管理することができる。
【0171】
例えば、六番車11のカナをリセットレバーで直接駆動させた場合に、7番車(ロータ12)が240Hzで回転する回転力を加えたとする。ここで、リセットレバーの動く速度は、六番車11からロータ12の増速比が仮に10であったとすると、六番車11は240÷10=24Hzで回転していることになる。その時の六番車カナの外周速度からリセットレバーの速度を求めると、2×π×0.5mm(六番カナの半径)×24(Hz)=75.4mm/sとなる。この速度で移動するリセットレバー70でロータ慣性円板12cを直接駆動させると、その回転速度はf=慣性円板外周速度/(2×π×慣性円板半径)=75.4/(2×π×3)=4.0(Hz)となる。
【0172】
同様の計算により、7番車を200Hzで回転させる回転力のリセットレバー70でロータ慣性円板12cを直接駆動させると、その回転速度fは3.33Hzとなる。また、7番車を280Hzで回転させる回転力のリセットレバー70でロータ慣性円板12cを直接駆動させると、その回転速度fは4.66Hzとなる。すなわち、同じリセットレバー70を使用した際に、六番車11のカナを駆動した場合に、ロータ12に200〜280Hzと80Hzのばらつきが生じたとしても、ロータ慣性円板12cを直接駆動すれば、3.33〜4.66Hzと1.33Hzのばらつきしか生じない。つまり、リセットレバー70の駆動力のばらつきによるロータ12の回転速度の誤差を従来の約1/60にまで低減でき、ロータ12をほぼ所定の速度で回転させることができる。
【0173】
(22)リセットレバー70を、ロータ12の外周部に直接係合する係合部77を備えて形成したので、針合わせ時に竜頭を引き出す操作等の第1の操作で、ロータ12を確実に規制でき、針合わせ操作も正確に行うことができる。また、針合わせ終了時に竜頭を押し込む操作等の第2の操作によってリセットレバー70を移動させることで、ロータ12を即座に起動することができる。
【0174】
(23)リセットレバー70の係合部77を、ロータ12を構成する部品の中で最も直径が大きいロータ慣性円板12cの歯形12dに係合可能に構成したので、リセットレバー70によって加える力が小さくても回転モーメントを大きくできる。このため、リセットレバー70として必要な剛性も比較的小さくでき、比較的細い部材で構成でき、軽量化が図れ、かつ配置も容易にできる。
【0175】
(24)ロータ回転軸とロータ慣性円板12cとの間に滑り機構を設けたので、仮にロータ慣性円板12cに所定よりも大きい力が加わった場合でも、ロータ回転軸に対してロータ慣性円板12cが滑り、回転が抑制されるので、ロータ12の回転速度を常に一定速度にできる。
【0176】
(25)係合部77を、ロータ慣性円板12cの接線方向つまり回転方向に移動させているので、リセットレバー70によってロータ慣性円板12cを回転させる際の効率を高くでき、これにより常時安定して起動することができる。
【0177】
(26)竜頭の操作に応じて断続されるスイッチ131(スイッチ部75b)と、このスイッチ131を介してIC151側に接続されたコンデンサ132とを設けたので、発電機20が停止する針合わせ時にコンデンサ132の電圧を維持でき、針合わせからの復帰時に、コンデンサ132の電力でコンデンサ130を瞬時に充電してIC151に電圧を印加することができる。このため、IC151を迅速に、例えば1秒程度で起動することができる。
【0178】
(27)リセットレバー70でロータ慣性円板12cに直接回転力を加えることでロータ12の回転速度を高精度に制御できるため、例えば、ロータ12を常に基準速度(8Hz等)で起動して回転させることもできる。これにより、回転制御装置150に電力が供給されて起動して制御が開始されるまでの間、例えば1秒間程度の間、指針を正確に移動できるため、指示誤差を無くすこともできる。
【0179】
(28)ロータ12に機械的回転力を加えて起動できるため、コギングトルクがあって起動しにくいコア有りの発電機20を用いることができる。このコア有りの発電機20を用いることができるため、ロータ12のロータ磁石12bを小さくでき、かつ耐衝撃性も強くできるため、電子制御式機械時計を小型化にかつ衝撃に強いものにできる。
【0180】
(29)リセットレバー70は、竜頭の押し込みスピードに関係なく、一定のスピードで移動することができる。このため、リセットレバー70によるロータ慣性円板12cに加わる回転力も常に一定にでき、安定しかつ一定の回転力をロータ12に与えることができるとともに、竜頭の押し込みスピード等を考慮する必要がないため、操作性も向上することができる。
【0181】
(30)起動装置50つまりリセットレバー70は、針合わせからの復帰操作である竜頭(外部操作部材)を押し込む操作に連動して作動されるため、操作者が意識することなく動作させることができ、操作性をより向上することができる。
【0182】
(31)リセットレバー70によって加える回転力の精度がそれほど高くなくても、ロータ12の回転速度を一定に維持できるため、リセットレバー70の構造を簡単にでき、部品点数も少なくでき、コストも低減できる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、本実施形態において、前述の第1実施形態と同一もしくは同様の構成部分には、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0183】
前記第1実施形態では、リセットレバー70の係止部73と起動バネ付勢部74とは一体であり、その相対位置も変化しなかったが、本実施形態においては、図23,24に示すように、リセットレバー70において、六番カナ11aに係合する係止部73と、起動バネ60を付勢する起動バネ付勢部74との間にスリ割りを形成して別体とすることで、係止部73および起動バネ付勢部74の相対位置が変化するように構成されている。
【0184】
また、前記第1実施形態では、起動バネ60を固定ピン61で地板2に固定することで、ピン61を回転して起動バネ60の初期位置を調整可能にしていたが、本実施形態では、図25に示すように、地板2に形成された2つの突起2aに起動バネ60の基端側を圧入して固定するように構成されている。
【0185】
このような本実施形態では、竜頭を引き出してリセットレバー70を軸72を中心に図中反時計回り方向に回転させると、図24に示すように、まず、係止部73がカナ11aに係合する。さらに、起動バネ付勢部74によって起動バネ60が押し込まれ、起動バネ60は撓んでその先端の係合部63がカナ11aの歯(被係合部)に係合する。
【0186】
また、竜頭を押し込んで針合わせの終了操作を行うと、その操作に連動して、図23に示すように、リセットレバー70が図中時計回り方向に回転して元の位置に戻る。この際、まず、起動バネ付勢部74が移動し、続いて係止部73が移動し、各々は起動バネ60およびカナ11aから迅速に離れる。このため、起動バネ60は、それ自身のばね力で元の位置に戻り、その際に六番カナ11aに機械的な回転力が加わり、前記第1実施形態と同様に、ロータ12が回転する。
【0187】
このような本実施形態においては、前記第1実施形態の(1)、(2)、(4)〜(12)と同じ効果が得られるうえ、(13)リセットレバー70の係止部73等の各部品の寸法精度に多少ばらつきがあっても、カナ11aに加わる機械的回転力の変動を抑えて安定した回転を行うことができる。
【0188】
また、(14)係止部73が必ず先にカナ11aに係合するように設定でき、係止部73をカナ11aに係合させるタイミングと、起動バネ60の係合部63をカナ11aの被係合部に係合させるタイミングとの順序が常に一定であるため、起動バネ60を確実にかつ容易にカナ11aに係合させることができる。
【0189】
さらに、これらにより、(15)起動バネ60を固定ピン61で固定してその初期位置を調整可能にする必要がないため、地板2の突起2aに圧入することで起動バネ60を固定でき、製造工程を簡略化できて製造能力を容易に向上させることができる。
【0190】
すなわち、第1実施形態の場合、リセットレバー70の係止部73と起動バネ付勢部74との相対位置が固定であるため、例えば、製造上のバラツキで、起動バネ付勢部74の突出寸法に誤差が生じるとカナ11aに加わる機械的回転力にも誤差が生じる。すなわち、起動バネ付勢部74の突出寸法が小さいリセットレバー70を用いた場合には、係止部73がカナ11aに係合した際に、起動バネ付勢部74で起動バネ60を十分に付勢できず、このため、カナ11aに加わる機械的回転力も小さくなってしまう。一方、起動バネ付勢部74の突出寸法が大きいリセットレバー70を用いた場合には、係止部73がカナ11aに係合した際に、起動バネ付勢部74で起動バネ60を付勢し過ぎることになり、カナ11aに加わる機械的回転力も大きくなってしまう。このため、前記固定ピン61で起動バネ60の初期位置を調整しなければならず、製造効率が低下する虞れがある。これに対し、本実施形態であれば、係止部73と起動バネ付勢部74とが別体であるため、多少の寸法誤差が生じても、係止部73等の撓みで吸収できるため、起動バネ60の初期位置の調整も不要にできる。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について説明する。なお、本実施形態において、前述の第2実施形態と同一もしくは同様の構成部分には、同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0191】
図26には、本発明の第4実施形態に係る拡大されたロータ12部分が示されている。本第4実施形態は、前記第2実施形態のロータ慣性円板12cの全周に渡って形成された被係合部である歯形12dを、一部分にだけ形成したものである。
【0192】
詳しくは、ロータ慣性円板12cの歯形12dは、ロータ慣性円板12cの外周の一部でかつ対向する2カ所に形成されている。そして、この歯形12dにリセットレバー70が係合した際に、ロータ磁石12bは、その磁極方向が、歯形12dの位置方向とずれるように設定されている。これにより、リセットレバー70は、係合部77を歯形12dに係合させた際に、ロータ12を静的安定位置から外れた位置で規制可能となっている。
【0193】
このような本第4実施形態によれば、前記第2実施形態の(21)〜(31)と同じ効果が得られるうえ、(32)ロータ12を静的安定位置から外した位置に規制するようにしたので、起動時のコギングトルクの影響が小さくなり、リセットレバー70によって加える起動トルクをより小さくすることができる。
〔第5実施形態〕
図27、図28には、本発明の第5実施形態に係るロータ12部分が示されている。本第5実施形態は、前記第2実施形態のロータ12を、ブラシレスモータと同様の構造のロータ12としたものである。
【0194】
すなわち、ロータ12は、その軸方向に沿って間隔を空けて配置された一対の円板状のロータ磁石12bを備え、各ロータ磁石12bが板状のバックヨーク12eで支持されている。そして、対向部品としての基板223は、各ロータ磁石12b間に配置されており、各ロータ磁石12bに対応した位置には、コイル124が設けられている。このようなロータ12では、円板状のロータ磁石12bを含むロータ12自身が慣性円板としても作用するため、前述の第2実施形態のようなロータ慣性円板12cは設けられていない。
【0195】
そして、2枚のバックヨーク12eの一方には、前記第2実施形態と同様に歯形12dが形成され、この歯形12dにリセットレバー70の係合部77が係合することでバックヨーク12eつまりはロータ12に直接回転力を加えるようにされている。
【0196】
このような本第5実施形態によれば、前記第2実施形態の(21)〜(31)と同様の効果が得られる。さらに、本実施形態のような構造の発電機は、漏れ磁束が生じにくく、鉄損が小さいという利点がある一方で、重量つまり慣性が大きくて起動性が劣っていたが、リセットレバー70で直接バックヨーク12eを回転させることができるので、起動性を向上することができる。
〔第6実施形態〕
図29には、本発明の第6実施形態に係るロータ12の概略図が示されている。本第6実施形態は、前記第2実施形態のリセットレバー70とロータ慣性円板12cとを直接接触させてロータ12に回転力を与えていたのを、磁力によってロータ12に回転力を与えたものである。
【0197】
詳しくは、リセットレバー70の先端に、竜頭の操作に応じて移動する磁石を設け、その先端をロータ磁石12bの近傍まで延ばし、ロータ磁石12bとの間に働く磁力つまり磁気的な係合によってロータ12に回転力を与えるようになっている。
【0198】
つまり、リセットレバー70の先端をロータ磁石12bの近傍に近づけると、ロータ磁石12bにおいて、リセットレバー70の先端の磁極(例えばS極)と互いに引き合う磁極(例えばN極)がリセットレバー70側に位置するように回転する。さらに、リセットレバー70を反時計回りに移動させると、互いに引き合う状態でロータ磁石12bも時計回りに回転する。これにより、ロータ12に直接回転力を与えることができる。
【0199】
このような本第6実施形態によれば、前記第2実施形態の(21)、(24)、(26)〜(31)と同じ効果が得られるうえ、(33)磁力を用いてロータ12に直接回転力を与えることで、リセットレバー70とロータ12とを直接接触させなくてよいので、リセットレバー70やロータ12の摩耗発生を防止できる。
【0200】
また、(34)ロータ12側に設ける磁石をロータ磁石12bで兼用したので、ロータ12側に新たに磁石を設ける必要が無く、コストを低減できるとともに、重量増加も抑えることができる。
〔第7実施形態〕
図30、図31には本発明の第7実施形態に係るロータ12部分が示されている。本第7実施形態は、前述の第6実施形態と同様に、前記第2実施形態のリセットレバー70とロータ慣性円板12cとを直接接触させてロータ12に回転力を与えていたのを、磁力つまり磁気的係合によってロータ12に回転力を与えたものである。
【0201】
詳しくは、ロータ慣性円板12cの上面(または下面)に、その周縁に沿って複数個の磁石161を配置し、この磁石161と、リセットレバー70の先端下面に設けられた磁石162とを利用して、ロータ12を回転させる。この際、磁石161のリセットレバー70側の磁極と、磁石162のロータ慣性円板12c側の磁極とは互いに引き合う磁極(S極とN極)が配置されている。つまり、リセットレバー70の先端をロータ慣性円板12cに近づけると、磁石161、162が引き合い、この吸引力でロータ12に回転力が与えられるようになっている。
【0202】
このような本第7実施形態によれば、前記実施形態の(21)、(24)、(26)〜(31),(33)と同じ効果が得られるうえ、(35)ロータ磁石12bを兼用した場合のように、磁石を有するリセットレバー70を、ロータ12の回転中心位置まで伸ばす必要が無く、リセットレバー70の配置自由度が高まり、スペース効率を向上できる。
【0203】
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
【0204】
例えば、前記第1,3実施形態のような、起動バネ60および起動バネ作動部材(リセットレバー70)を備える起動部材(起動装置50)を、第2実施形態のようなロータ12の外周部に係合される起動装置に利用してもよい。
【0205】
逆に、第2実施形態のようなリセットレバー70に係合部77を設けた起動装置50で、機械的エネルギ伝達手段である輪列に設けられた回転対象歯車、例えば六番カナ11aを回転させてもよい。
【0206】
要するに、本発明の起動装置は、機械的エネルギ伝達手段の回転対象歯車、カナあるいはロータ12に係合してこれらに回転力を加えることができるものであればよい。
【0207】
また、本発明の電磁変換機の起動装置におけるロータ12を回転させる起動部材は、前記ロータ12をその回転方向側に回転させるように構成した内容で説明してきたが、逆に前記ロータの回転方向とは逆の方向に回転させるように構成してもよい。この場合は、起動部材によってロータが逆方向に回転させられるが、ゼンマイなどの機械的エネルギによって即座にロータ12は本来の回転方向に回転させられることになる。つまり、停止していたロータ12は、起動部材によってロータが例え逆方向であっても移動することで、ロータ12に加わる摩擦力も値の大きな静止摩擦から小さな運動摩擦に低減するので、起動しやすくなる。従って、前述のように、ロータ12の回転方向が本来の回転方向側に転換された後においては、回転速度が急激に上昇することになり、当初、逆方向に回転する分を含めても、トータルとしては起動部材を用いることでロータの起動性が向上することになるものである。
【0208】
また、前記実施形態では、回転対象歯車でもある六番カナ11aやロータ12(ロータ慣性円板12c)に係合する係合部63,77を、六番カナ11aやロータ慣性円板12cの接線方向に移動させていたが、その移動方向は略接線方向、つまり接線方向に対し、係合部63,77と六番カナ11aやロータ慣性円板12cとの接触部の摩擦係数に対応した角度分(摩擦角)の傾きの範囲内の方向に移動させてもよい。係合部63,77の移動方向が略接線方向の範囲内であれば、接線方向に移動した時と同様の作用効果が得られる。但し、前記実施形態のように、接線方向への移動が最も好ましい。
【0209】
また、第2実施形態においては、ロータ慣性円板12cとリセットレバー70との接触構造としては、歯形12dと係合部77とを接触させるものに限らない。例えば、図32に示されるように、ロータ慣性円板12c上に、リセットレバー70の先端を接触させ、その接触する部分にそれぞれゴム材等の滑り止め部材163を設けて摩擦力により回転力を加えてもよい。また滑り止め部材163を設けずに、リセットレバー70およびロータ慣性円板12cの互いに接触する部分を、エッチングや放電加工、切削などで凹凸加工し、それらの摩擦力などで回転力を伝えてもよい。
【0210】
同様に、カナ11aにリセットレバー70を係合させる場合も、摩擦力を利用して係合させてもよい。このような摩擦力を利用する場合も、ロータ12やカナ11aの接線方向に力が加わるようにすることが望ましいが、必ずしも接線方向でなくてもよい。
【0211】
また、前記第6、7実施形態のように、磁気的係合によって回転対象歯車、カナ、ロータに回転力を加える場合も、歯車やロータの接線方向に力が加わるようにすることが望ましいが、必ずしも接線方向でなくてもよい。
【0212】
また、リセットレバー70の係合構造としては、図33に示されるように、ロータ慣性円板12cの周縁に、先端側がロータ慣性円板12cの下面(または上面)から所定間隔離れて形成された弾性部材164を設けておき(同図(A))、係合する場合には、リセットレバー70の先端が弾性部材164を乗り越えるように回転させ、同図(B)に示されるように、弾性部材164の裏側にリセットレバー70の先端を当接させて係合させるようにしてもよい。元に戻す場合には、リセットレバー70を係合する方向と反対方向に回転させ、弾性部材164とロータ慣性円板12cとの間を通すことで戻る。
【0213】
また、第1,3実施形態における回転対象歯車としては、六番カナ11aに限らず、六番車11や五番車10などの他の歯車でもよい。但し、ロータ12の回転量や回転対象歯車に加える力の点から、前記実施形態のようにロータ12の1段前の六番車11が好ましく、さらに起動バネ60との係合を確実にするために六番カナ11aに回転力を加えることが好ましい。
【0214】
また、起動バネ60としては、前記実施形態のような板バネに限らず、他の構成のバネでもよい。さらに、前記第1実施形態では、起動バネ60を回動可能なピン61に固定していたが、第3実施形態のように地板2などに直接固定してもよい。但し、ピン61を用いたほうが、起動バネ60の初期位置を後から調整でき、回転力の設定を変更できる利点がある。
【0215】
さらに、前記第1,3実施形態におけるリセットレバー70としては、係止部73を備えずに、起動バネ付勢部74のみを有するものでもよい。
【0216】
また、外部操作部材としては竜頭に限らず、例えば針合わせ用のボタンを別途設けた場合には、そのボタンを外部操作部材としてもよい。この場合も、前記ボタンを押す操作に連動して起動装置(回転駆動手段)50が作動されるように構成すればよい。但し、竜頭を外部操作部材とすれば、針合わせからの復帰操作に連動して起動装置を作動させることができて操作性がよいという利点がある。
【0217】
前記実施形態では、スイッチ131およびコンデンサ132を設けていたが、これらを設けずに、コンデンサ130のみを設けてもよい。この際、コンデンサ130を前記実施形態と同様の小さい容量のもので構成し、針合わせ後に、発電機20からの電力のみでコンデンサ130を充電して、その後IC151を起動するようにしてもよい。また、コンデンサ130の容量を大きくし、針合わせ中であってもコンデンサ130でIC151を駆動し続けるようにしてもよい。
【0218】
また、前記実施形態では、ロータ12が基準速度で回転する回転力を起動バネ60の係合部63やリセットレバー70の係合部77で与えていたが、必ずしも基準速度で回転する回転力を与えなくてもよい。要するに、起動バネ60やリセットレバー70は、回転力が大きすぎてブレーキが利かなかったり、回転力が小さすぎてロータ12が回転しないというような問題が生じないように、適切な範囲で回転力を与えることができればよい。
【0219】
さらに、ロータに直接回転力を与える構成としては、前記各実施形態のものに限らず、起動部材でロータに直接回転力を与えて回転させることができる構成であればよい。
【0220】
また、前記第4実施形態では、歯形とロータ磁石との位相をずらしていたが、これに限らず、例えば、同位相に配置してもよい。但し、歯形とロータ磁石との位相をずらして、ロータ12を静的安定位置から外した位置に規制するようにした方が、起動時のコギングトルクの影響が小さくなり、リセットレバー70によって加える起動トルクをより小さくすることができる点で好ましい。なお、第6,7実施形態の磁石を用いた場合にも、ロータ磁石12bを静的安定位置から外れるように、磁石の配置位置やリセットレバー70の位置を調整してもよい。
【0221】
さらに、リセットレバー70によってロータ12に加わる力はそれほど大きく変動しないので、ロータ回転軸とロータ慣性円板12cとの間の滑り機構は必ずしも設けなくてもよい。
【0222】
また、前記第2実施形態では、リセットレバー70を、ロータ慣性円板12cの外周部に係合させていたが、例えば、ロータかな12aに係合させてもよい。この場合、ロータかな12aには、被係合部として利用可能な歯車が予め形成されているため、ロータ慣性円板12cの歯形12dのように新たに歯形を形成する必要がないという利点がある。但し、ロータかな12aは半径が小さいため、リセットレバー70からは大きな力を加えなければならず、リセットレバー70の剛性も向上させなければならないが、前記第2実施形態のリセットレバー70を用いれば、リセットレバー70として必要な剛性も比較的小さくでき、比較的細い部材で構成でき、軽量化が図れ、かつ配置も容易にできる利点がある。
【0223】
さらに、電磁変換機としては、前記各実施形態のような発電機20に限らず、モータに適用してもよい。このモータとしても、前記第1〜4実施形態のようなタイプのモータでもよいし、第5実施形態のようなタイプのモータでもよい。
【0224】
本発明の計時装置としては、電子制御式機械時計に限らず、例えば、回転錘を動かして発電する自動巻発電式時計等の各種の発電装置を備える腕時計、置き時計、クロック等の各種時計でもよい。さらには、本発明の電磁変換機の起動装置は、モータの起動装置としても利用できるため、計時装置としても、ボタン型電池や太陽電池等の電気的エネルギー源によって駆動されるステップモータ等で指針を駆動する計時装置に適用してもよい。
【0225】
また、本発明の電磁変換機の起動装置は、計時装置に用いられるものに限らず、携帯型の血圧計、携帯電話機、ページャ、万歩計、電卓、携帯用パーソナルコンピュータ、電子手帳、携帯ラジオ、オルゴール、メトロノーム、電気かみそり等の各種の発電機やモータを内蔵する機器や、発電装置にも適用することができる。要するに、本発明は、発電機やモータ等の電磁変換機を有する各種機器に適用できる。
【0226】
さらに、機械的エネルギ源も、ゼンマイに限らず、ゴム、スプリング、重錘等でもよく、本発明を適用する対象などに応じて適宜設定すればよい。
【0227】
また、ゼンマイなどの機械的エネルギ源からの機械的エネルギを発電機のロータに伝達する機械的エネルギ伝達装置としては、前記実施形態のような輪列(歯車)に限らず、摩擦車、ベルト及びプーリ、チェーン及びスプロケットホイール、ラック及びピニオン、カムなどを利用したものでもよく、本発明を適用する機器の種類などに応じて適宜設定すればよい。
【0228】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、機械的エネルギ伝達手段の回転対象歯車、カナまたはロータの被係合部に対して機械的に係わり合う係合部を有する起動部材を用いているので、従来のような摩擦力を利用したものに比べて、回転対象歯車、カナ、ロータに対する機械的回転力を効率よくかつ安定して与えることができる。
【0229】
また、起動バネの弾性力のみで回転対象歯車、カナやロータに回転力を加えれば、歯車、カナやロータに対する機械的回転力をより安定して与えることができる。
【0230】
さらに、回転対象歯車、カナやロータとの係合部を歯車やロータの略接線方向に移動させて歯車、カナやロータに機械的回転力を加えていれば、起動バネによる歯車、カナやロータの回転の効率を高めることができ、回転対象歯車、カナやロータをより一層安定して回転させることができる。
【0231】
また、ロータに直接回転力を与えている場合には、輪列に回転力を加えた場合に比べて増速による速度誤差の拡大を無くすことができ、ロータを所定の速度で回転することができる。従って、ロータの回転速度を容易に安定させることができ、IC駆動までの時間も一定にできるため、予め設定された補正値を加えることで時刻合わせ時の誤差を無くして高精度に管理することができる。

Claims (12)

  1. 機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源より機械的エネルギを伝達する伝達輪列と、前記伝達輪列により駆動される指針と、前記伝達輪列により回転されるロータを有して電気的エネルギを出力する発電機と、前記発電機の起電力を蓄電する蓄電装置と、前記蓄電装置により駆動される回転制御装置とを備えて構成される計時装置であって、
    前記回転制御装置は、基準信号を出力する基準信号出力回路と、前記ロータの周期を検出して基準信号と比較して比較制御信号を出力する比較制御信号出力回路とを有し、
    前記伝達輪列に設けられた回転対象歯車の被係合部に機械的に係合可能な係合部を備え、かつこの係合部を前記被係合部に係合させた状態で、外部操作部材の操作に応じて係合部を移動させて前記回転対象歯車に回転力を与えて前記ロータを回転させる起動部材を備え、
    前記起動部材は、前記回転対象歯車に設けられた被係合部に係合可能な係合部を有する起動バネと、外部操作部材の第1の操作に応じて前記起動バネを付勢して前記係合部を回転対象歯車の被係合部に係合させるとともに、外部操作部材の第2の操作に応じて起動バネの付勢を解除して起動バネを元の位置に戻して前記回転対象歯車に回転力を与える起動バネ作動部材と、を備え
    前記起動バネ作動部材は、前記回転対象歯車に係合してその回転を停止可能な係止部と、この係止部が回転対象歯車に係合されている際に、前記起動バネを所定量付勢してその係合部を回転対象歯車の被係合部に係合させる起動バネ付勢部と、を備えていることを特徴とする計時装置。
  2. 機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源より機械的エネルギを伝達する伝達輪列と、前記伝達輪列により駆動される指針と、前記伝達輪列により回転されるロータを有して電気的エネルギを出力する発電機と、前記発電機の起電力を蓄電する蓄電装置と、前記蓄電装置により駆動される回転制御装置とを備えて構成される計時装置であって、
    前記回転制御装置は、基準信号を出力する基準信号出力回路と、前記ロータの周期を検出して基準信号と比較して比較制御信号を出力する比較制御信号出力回路とを有し、
    前記伝達輪列に設けられた回転対象歯車に係合可能な係合部を備え、かつこの係合部を外部操作部材の操作に応じて回転対象歯車の略接線方向に移動させて前記回転対象歯車に回転力を与えて前記ロータを回転させる起動部材を備え、
    前記起動部材は、前記回転対象歯車に設けられた被係合部に係合可能な係合部を有する起動バネと、外部操作部材の第1の操作に応じて前記起動バネを付勢して前記係合部を回転対象歯車の被係合部に係合させるとともに、外部操作部材の第2の操作に応じて起動バネの付勢を解除して起動バネを元の位置に戻して前記回転対象歯車に回転力を与える起動バネ作動部材と、を備え
    前記起動バネ作動部材は、前記回転対象歯車に係合してその回転を停止可能な係止部と、この係止部が回転対象歯車に係合されている際に、前記起動バネを所定量付勢してその係合部を回転対象歯車の被係合部に係合させる起動バネ付勢部と、を備えていることを特徴とする計時装置。
  3. 機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源より機械的エネルギを伝達する伝達輪列と、前記伝達輪列により駆動される指針と、前記伝達輪列により回転されるロータを有して電気的エネルギを出力する発電機と、前記発電機の起電力を蓄電する蓄電装置と、前記蓄電装置により駆動される回転制御装置とを備えて構成される計時装置であって、
    前記回転制御装置は、基準信号を出力する基準信号出力回路と、前記ロータの周期を検出して基準信号と比較して比較制御信号を出力する比較制御信号出力回路とを有し、
    前記伝達輪列において前記ロータの1段前の回転対象歯車のカナに、外部操作部材の操作に応じて回転力を与えて前記ロータを回転させる起動部材を備え、
    前記起動部材は、前記回転対象歯車のカナに設けられた被係合部に係合可能な係合部を有する起動バネと、外部操作部材の第1の操作に応じて前記起動バネを付勢して前記係合部を回転対象歯車のカナの被係合部に係合させるとともに、外部操作部材の第2の操作に応じて起動バネの付勢を解除して起動バネを元の位置に戻して前記回転対象歯車に回転力を与える起動バネ作動部材と、を備え
    前記起動バネ作動部材は、前記カナに係合してその回転を停止可能な係止部と、この係止部がカナに係合されている際に、前記起動バネを所定量付勢してその係合部をカナの被係合部に係合させる起動バネ付勢部と、を備えていることを特徴とする計時装置。
  4. 請求項1または請求項3に記載の計時装置において、前記起動部材の係合部は、外部操作部材の第2の操作で前記回転対象歯車またはカナの略接線方向に移動されるように構成されていることを特徴とする計時装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の計時装置において、前記起動バネは板バネであり、起動バネの回転対象歯車またはカナの被係合部に係合する係合部は、前記起動バネ作動部材によって歯車またはカナの略接線方向に移動するように構成されていることを特徴とする計時装置。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の計時装置において、前記起動バネの他端部はピンに固定され、このピンは発電機の基盤に回動可能に取り付けられていることを特徴とする計時装置。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の計時装置において、前記外部操作部材は竜頭であり、前記起動バネ作動部材は、竜頭を引き出した際に起動バネを付勢して前記回転対象歯車またはカナの被係合部に係合させ、竜頭を押し込んだ際に、起動バネの付勢を解除して起動バネを元の位置に戻して前記回転対象歯車またはカナに機械的な回転力を与えるレバーで構成されていることを特徴とする計時装置。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の計時装置において、前記発電機は、ヨークおよびコイルを有していることを特徴とする計時装置。
  9. 請求項に記載の計時装置において、前記発電機は、前記コイルが巻かれるコア部を有する発電機であることを特徴とする計時装置。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の計時装置において、前記ロータを回転させる起動部材は、前記ロータをその回転方向側に回転させるように構成されていることを特徴とする計時装置。
  11. 請求項1〜1のいずれかに記載の計時装置において、前記発電機から出力された電気的エネルギを蓄積可能に構成され、かつ機械的スイッチを介して前記回転制御装置に接続された蓄電装置を備えるとともに、前記機械的スイッチは、前記外部操作部材の第1の操作に応じて切断されて前記蓄電装置を回転制御装置から切り離すとともに、前記外部操作部材の第2の操作に応じて接続されて前記蓄電装置から回転制御装置に電気的エネルギを供給可能に構成されていることを特徴とする計時装置。
  12. 請求項1〜1のいずれかに記載の計時装置において、前記起動部材によって前記回転対象歯車またはカナに与えられる回転力は、前記発電機のロータが基準速度で起動する大きさに設定されていることを特徴とする計時装置。
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