JP3574656B2 - 表面性状の優れたけい素鋼熱延板の製造方法 - Google Patents

表面性状の優れたけい素鋼熱延板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3574656B2
JP3574656B2 JP51501594A JP51501594A JP3574656B2 JP 3574656 B2 JP3574656 B2 JP 3574656B2 JP 51501594 A JP51501594 A JP 51501594A JP 51501594 A JP51501594 A JP 51501594A JP 3574656 B2 JP3574656 B2 JP 3574656B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot
rolling
steel sheet
thickness
stand
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP51501594A
Other languages
English (en)
Inventor
峰男 村木
俊人 高宮
智史 小関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP3574656B2 publication Critical patent/JP3574656B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/12Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties
    • C21D8/1216Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties the working step(s) being of interest
    • C21D8/1222Hot rolling
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B3/00Rolling materials of special alloys so far as the composition of the alloy requires or permits special rolling methods or sequences ; Rolling of aluminium, copper, zinc or other non-ferrous metals
    • B21B3/02Rolling special iron alloys, e.g. stainless steel
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/12Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties
    • C21D8/1277Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties involving a particular surface treatment

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

技術分野
この発明は、けい素鋼熱延板の製造方法、なかでも表面性状に優れるけい素鋼熱延板の製造方法に関する。
背景技術
方向性電磁鋼板は、変圧器、その他電気機器の鉄心材料として使用され、磁束密度が高く、かつ鉄損が低いことが要求される。これらの磁気特性は、圧延面に平行に{110}面、また圧延方向に沿って〈001〉軸を持つ、いわゆるゴス方位を主方向とする集合組織からなる2次再結晶組織を得ることによって達成される。
この目的のために、方向性電磁鋼板にはけい素を始めとする、種々の添加成分が加えられるが、その結果、加工性が低下し、特に熱間圧延による表面割れ及び表面疵が顕著に発生し易いことが知られている。この表面疵の程度の著しいものでは外観上の不具合にとどまらず、占積率の低下、層間絶縁性の低下等、特性の劣化につながるため、かかる表面割れや表面疵を如何に防止するかが製造工程上の重要な課題の一つとなっている。
従来、方向性電磁鋼板の熱間圧延工程での割れを低減させる方法として、特開昭61−9521号公報に示されるようにMo等の添加により粒界酸化を抑える方法、また特開平2−182832号公報、特開平3−115526号公報及び特開昭62−149815号公報に示されるように、再結晶により組織を細粒化させて割れを低減する方法等が開示されているが、いずれも抜本的な解決にはつながっていない。
さらには特開昭63−295044号公報のようにスラブ加熱中、高温での在炉時間に上限を設けてノロの発生を抑える方法などが提示されているが、いずれも操業上の制約を伴い生産性の低下につながるものである。
以上述べたように、けい素鋼における熱間圧延での割れを防止するための従来技術は、十分満足できる結果が得られていなかった。
発明の開示
この発明は、厚み方向での温度分布を制御することにより、圧延変形時の応力条件を改善して表面割れの発生を防止するという新たな観点により、表面割れの発生を効果的に防止して、表面性状の良好なけい素鋼熱延板を製造することのできる方法を提案することを目的とする。
さて、発明者らは、熱間の粗圧延及び仕上圧延時における各スタンド毎の鋼板厚み方向の温度分布と表面割れの発生状況との関係について、詳細な調査を行った結果、特に粗圧延又は/及び仕上圧延での第1スタンドでの鋼板厚み方向温度分布が、割れの発生頻度と特定の関係があることを見い出し、そこから鋼板厚み方向の温度分布を該スタンド入側及び出側板厚に応じて特定範囲内とする、この発明に至ったものである。
上記知見に立脚するこの発明の要旨構成は次のとおりである。
Si:2.0〜4.5wt%を含有するけい素鋼スラブを高温加熱して熱間粗圧延を施した後、熱間仕上圧延を施すけい素鋼熱延板の製造方法において、
上記熱間粗圧延の際、第1スタンドでの圧延を、該スタンドの入側板厚tR1(mm)、出側板厚tR2(mm)、かみ込み時における鋼板の表面温度TR0(℃)及びかみ込み時における鋼板表面から(tR1−tR2)/2(mm)深さでの温度TR1の関係で次式
(TR1−TR0)/{(tR1−tR2)/2}≦10(℃/mm)
を満足する条件で行うことを特徴とする表面性状の優れたけい素鋼熱延板の製造方法(第1発明)。
Si:2.0〜4.5wt%を含有するけい素鋼スラブを高温加熱して熱間粗圧延を施した後、熱間仕上圧延を施すけい素鋼熱延板の製造方法において、
上記熱間仕上圧延の際、第1スタンドでの圧延を、該スタンドの入側板厚tF1(mm)、出側板厚tF2(mm)、かみ込み時における鋼板の表面温度TF0(℃)及びかみ込み時における鋼板表面から(tF1−tF2)/2(mm)深さでの温度TF1の関係で次式
(TF1−TF0)/{(tF1−tF2)/2}≦10+tF1/10(℃/mm)
を満足する条件で行うことを特徴とする表面性状の優れたけい素鋼熱延板の製造方法(第2発明)。
Si:2.0〜4.5wt%を含有するけい素鋼スラブを高温加熱して熱間粗圧延を施した後、熱間仕上圧延を施すけい素鋼熱延板の製造方法において、
上記熱間粗圧延の際、第1スタンドでの圧延を、該スタンドの入側板厚tR1(mm)、出側板厚tR2(mm)、かみ込み時における鋼板の表面温度TR0(℃)及びかみ込み時における鋼板表面から(tR1−tR2)/2(mm)深さでの温度TR1の関係で次式
(TR1−TR0)/{(tR1−tR2)/2}≦10(℃/mm)
を満足する条件で行い、かつ
上記熱間仕上圧延の際、第1スタンドでの圧延を、該スタンドの入側板厚tF1(mm)、出側板厚tF2(mm)、かみ込み時における鋼板の表面温度TF0(℃)及びかみ込み時における鋼板表面から(tF1−tF2)/2(mm)深さでの温度TF1の関係で次式
(TF1−TF0)/{(tF1−tF2)/2}≦10+tF1/10(℃/mm)
を満足する条件で行うことを特徴とする表面性状の優れたけい素鋼熱延板の製造方法(第3発明)。
第2発明又は第3発明のように、熱間仕上げ圧延の第1スタンドにおける鋼板厚み方向温度分布を制御する際には、鋼板表面の温度低下をできるだけ回避することが望まれる。そのために、熱間粗圧延後、水冷を行うことなしに熱間仕上げ圧延に供することが好ましい。
また、同様の理由から、第2発明又は第3発明において熱間粗圧延と仕上げ圧延との間に行う脱スケールは、水噴射による場合は水圧15kgf/cm2以下で行うことが、また、水噴射によらないで、蒸気スプレー、ガススプレー又は機械的手段により行うことが好ましい。
さらに、第2発明又は第3発明においては、熱間粗圧延と熱間仕上圧延との間で、保熱処理や加熱処理を行うことが望ましい。
ところで、厚み方向での温度分布を規定した方法に関して特公平4−124218号公報には、粗圧延の最終スタンドにおいて、表面から板厚1/5深さまでの温度を1200〜1250℃に規定することにより、優れた磁気特性を得る方法が示されている。この方法は、組織の改善による磁気特性の向上を目的としたものであり、この発明で目指す表面割れについての改善効果は期待できない。
また、出願人が先に出願した特願平3−163391号明細書においては、粗圧延時にまず中心から2/5厚層までを1350℃以上の温度で圧延し、さらに最終パスで中心から2/5厚層までを1250℃以上、表層から1/5厚層までを1200℃で圧延する方法が提示されている。この方法は、特定の厚み層でのインヒビター析出について制御するものであり、割れの防止については何ら効果のあるものではない。
さらに特開平2−138418号公報では、スラブ加熱時の厚み方向温度分布を規定しているが、これは特定深さ領域でのインヒビター固溶を促進することが目的であり、この発明で企図する、割れの抑制には全く効果は認められないのである。
この発明により解決を図る、熱間圧延での表面割れや表面疵の原因については、試験機での圧延実験結果と応力解析結果からおおよそ以下のような原理であると考えられる。
すなわち、熱間粗圧延あるいは熱間仕上圧延の各スタンドかみこみ時における鋼板表面近傍での厚み方向の温度勾配が小さい場合には、材料は厚み方向にも、また圧延方向にも圧縮応力を受けて変形するが、逆に表面での冷却が大きく、温度勾配が大きい場合には厚み方向に圧縮、圧延方向に引っ張りの応力を受けて変形するため、割れの発生につながるのである。
この割れ発生の機構は、従来知られている融点近傍での粒界ぜい化とは全く異なる機構によるものである。
熱間粗圧延においては、この割れの発生が、最も表面温度が高くしかも組織的に弱い1スタンド目で顕著に生じる。一方、2スタンド目以降では、圧延の結果、厚み方向に温度分布が均等化することから割れの発生率が低下する。したがって、熱間粗圧延については1スタンド目での鋼板厚み方向の温度分布の制御が最も重要であることを見い出したのである。
次に、熱間仕上圧延についても、熱間粗圧延と同様と考えられるが、仕上圧延では、上記した割れの発生が、第1スタンド目でのかみこみ温度が800〜1000℃の範囲で特に増加している。この理由は明確ではないが、インヒビター成分がこの温度範囲内で粒界に析出し、粒界強度を低下させて粒界割れの発生を助長する一方、これ以上の温度範囲では上記インヒビター成分の析出が顕著でないため割れ発生の程度が減少するものと考えられる。かかる仕上圧延での割れは、1スタンド目入側での鋼片厚み方向の温度分布に密接に関係し、2スタンド目以降では、厚み方向での温度の均一化が進み、また組織の再結晶が生じるために、割れ感受性が低下する。したがって、仕上げ第1スタンド入側での鋼片厚み方向の温度分布をこの発明により制御することが、割れ防止に極めて重要である。
この発明に従い、表面から厚み方向に向かう温度勾配を減少させる具体的な手法としては、粗圧延第1スタンド又は/及び仕上げ第1スタンド前にて、冷却やスケール除去のための水流を減少さらには実質的に0にすること、放射による放熱を減少すること、水冷後、圧延までの時間を増すことによる復熱を図ること及び外部から加熱すること等の手段を単独あるいは複合で用いることなどがある。
けい素鋼においては、熱間粗圧延と仕上圧延との間において、脱スケール以外の目的でも積極的に水冷を行うことがしばしば行われている。というのは、過度の高温で仕上圧延を行った場合には、インヒビターの粗大析出及び集合組織の劣化が起こり、磁気特性に好ましくないからである。そのため、仕上圧延の前に水冷装置を設置して水冷を行う場合があるけれども、かかる水冷によってシートバー表面の温度が低下し、表面から厚み方向に向かう温度勾配がこの発明で規定した範囲を超えることが懸念される。これを回避するためには、熱間粗圧延後、実質的に水冷を行うことなしに熱間仕上圧延に供し、その代わりに仕上圧延スタンド間での冷却を強化して、温度を所望の値に制御すればよい。
また、けい素鋼においては、けい素を含む酸化スケールの生成が特に顕著であり、熱間粗圧延と仕上圧延との間においても新たなスケールが生成する。したがって、仕上げ圧延においてスケールをかみこむことに起因する欠陥を防止するためには、熱間粗圧延と熱間仕上圧延との間で脱スケールを施すことが重要である。この脱スケール法として通常知られている方法は、高圧の水流の噴射によるものである。しかしながら、この方法では、シートバー表面の温度低下のうれいが著しい。そのために、この発明で所期した条件を満足し難い場合には、水流の水圧を低下することにより、この発明の目的を達成できる。水圧は、15kgf/cm2を超えると、冷却効果が急激に大きくなるため、15kgf/cm2以下であることが望ましい。
また、鋼板表面温度の低下を防ぐためには、水噴射による脱スケールを行わず、蒸気あるいは高圧ガスや圧縮空気等により脱スケールを行うことによっても、表面温度を低下させずに効果的に脱スケールが可能である。さらに、これらの脱スケール法では、脱スケールの効果が小さい少量の噴射時においても、周辺設備等からシートバー上に滴下して滞留する水を排除して、その影響を減少させることができるため、この点でも表面温度の低下を防止できる。さらに、ブラシ等により、機械的に脱スケールを行うことによっても、同様な効果が得られる。
鋼板表面温度の低下防止のためのより効果的な方法としては、粗圧延終了後、仕上圧延までに保熱処理を行うものがあり、例えば、ステンレス鋼板を内張りした断熱材よりなり、シートバーを覆うように構成された保熱設備を粗圧延設備−仕上げ圧延設備間に設置し、粗圧延を施したシートバーをこの保熱設備を通過させて仕上圧延に供することにより、放射による表面温度の低下を防止することができる。この効果は、仕上圧延直前で行うほど、また、長い距離にわたって設置するほど大きい。
最も効果的な方法は、熱間粗圧延−仕上圧延間で誘導加熱や電気輻射加熱等による鋼板加熱を実施して、鋼板表面温度を高めるものである。この方法は、設備価額としては若干上昇するものの、極めて安定した効果が得られるのである。
なお、以上述べた各種の手段は、単独であるいは複合して用いることができる。
次に、この発明の出発材であるけい素鋼スラブは、Si:2.0〜4.5wt%を含有するものである。Si量が2.0wt%より少ないと電気抵抗が低く、渦電流損失増大に基づく鉄損量が大きくなり、またこの発明による割れ低減の効果は明確に認められなくなる。一方。4.5wt%より多いと冷延の際にぜい性割れを生じ易いため2.0〜4.5%の範囲にする。
その他の成分については特に限定するものではないが、方向性電磁鋼板用の熱延板として代表的な成分組成を掲げると次のとおりである。
C:0.01〜0.1wt%、Si:2.0〜4.5wt%、Mn:0.03〜0.1wt%を含有し、さらにインヒビターとしてMnS,MnSe系の場合はS、Seの1種又は2種を0.01〜0.1wt%、AlN系の場合は、Al:0.01〜0.06wt%、N:0.003〜0.01wt%を含有する組成。ここに上記したMnS,MnSe系およびAlN系はそれぞれ併用が可能である。
インヒビター成分としては上記したS,Se,Alに他、Cu,Sn,Cr,Ge,Sb,Mo,Te,BiおよびPなども有利に適合するので、それぞれ少量を併せて含有することもできる。
第1発明及び第3発明においては、熱間圧延の粗圧延に際して、第1スタンドの圧延を、該スタンドの入側板厚tR1(mm)、出側板厚tR2(mm)、かみ込み時における鋼板の表面温度TR0(℃)及びかみ込み時における鋼板表面から(tR1−tR2)/2(mm)深さでの温度TR1の関係で次式
(TR1−TR0)/{(tR1−tR2)/2}≦10(℃/mm)
を満足する条件で行うことが肝要である。
以下、かかる条件を解明するに至った実験について説明する。
C:0.03〜0.08wt%、Si:2.0〜4.5wt%、Mn:0.03〜0.08wt%及びSe:0.01〜0.05wt%を含有し、残部は実質的にFeよりなる厚み160〜250mmのけい素鋼スラブを、1420℃,20分間加熱後、冷却条件を変えて粗圧延を施した。
粗圧延1パス後の鋼板観察面(1m2)内での単位面積当たりの割れの発生率を調査し、粗圧延第1スタンド入側板厚をtR1(mm)、粗圧延第1スタンド出側板厚をtR2(mm)としたときの、かみこみ時における表面温度TR0及び(tR2−tR1)/2深さでの温度TR1の測温結果から求めた式(TR1−TR0)/{(tR1−tR2)/2}の値との関係で図1に示す。なおこの式は、鋼板表面近傍における厚み方向の温度勾配を意味する。
図1より明らかなように、
(TR1−TR0)/{(tR1−tR2)/2}
が10より大きくなると割れの発生が顕著となる。したがってこの発明では、粗圧延第1スタンドにおける圧延を、
(TR1−TR0)/{(tR1−tR2)/2}≦10(℃/mm)
を満足する条件で行うこととした。
第2発明及び第3発明においては、熱間圧延の仕上圧延に際して、第1スタンドの圧延を、該スタンドの入側板厚tF1(mm)、出側板厚tF2(mm)、かみ込み時における鋼板の表面温度TF0(℃)及びかみ込み時における鋼板表面から(tF1−tF2)/2(mm)深さでの温度TF1に関係で次式
(TF1−TF0)/{(tF1−tF2)/2}≦10+tF1/10(℃/mm)
を満足する条件で行うことが肝要である。
以下、かかる条件を解明するに至った実験について説明する。
C:0.03wt%、Si:2.8wt%、Mn:0.065wt%及びSe:0.022wt%を含有し、残部は実質的にFeよりなる厚み200mmのけい素鋼スラブを、1420℃、20分間加熱後20mm、40mm、60mmの各板厚にまで粗圧延した後、冷却条件を変えて鋼板表面近傍での厚み方向の温度勾配を種々に変化させて仕上圧延を施した。
仕上圧延1パス後の鋼板観察面(100cm2)内での単位表面積当たりの割れの発生率を調査し、仕上圧延第1スタンドの入側板厚をtF1(mm)、出側板厚をtF2(mm)としたときの、かみ込み時における鋼板の表面温度TF0(℃)及びかみ込み時における鋼板表面から(tF1−tF2)/2(mm)深さでの温度TF1の測温結果から求めた式(TF1−TF0)/{(tF1−tF2)/2}の値との関係で、図2に示す。なお、同図について図2aは入側板厚が20mmの場合、図2bは入側板厚が40mmの場合、図2cは入側板厚が60mmの場合をそれぞれ示している。
次に、C:0.056wt%、Si:3.24wt%、Mn:0.13wt%、Al:0.027wt%、N:0.008wt%及びS:0.007wt%を含有し、残部は実質的にFeよりなる厚み240mmのスラブを、1300℃、30分間加熱後、20mm、40mm、60mmの各板厚範囲にまで粗圧延した後、冷却条件を変えて鋼板表面近傍での厚み方向の温度勾配を種々に変化させて仕上圧延を施した。
仕上圧延1パス後の鋼板観察面(100cm2)内での単位表面積当たりの割れの発生率を調査し、仕上圧延第1スタンドの入側板厚をtF1(mm)、出側板厚をtF2(mm)としたときの、かみ込み時における鋼板の表面温度TF0(℃)及びかみ込み時における鋼板表面から(tF1−tF2)/2(mm)深さでの温度TF1の測温結果から求めた式(TF1−TF0)/{(tF1−tF2)/2}の値との関係で図3に示す。なお、同図において図3aは入側板厚が20mmの場合、図3bは入側板厚が40mmの場合、図3cは入側板厚が60mmの場合をそれぞれ示している。
図2及び図3で示された実験の結果を、入側板厚t1と(TF1−TF0)/{(tF1−tF2)/2}との関係で図4に示す。図4から明らかなように、割れが発生する領域は入側板厚にも依存し、次式
(TF1−TF0)/{(tF1−tF2)/2}≦10+tF1/10(℃/mm)
を満足する範囲で割れが防止できる。したがってこの発明では、仕上圧延の第1スタンドでの圧延を、上式を満足するように行うものとした。
ところで、実際の生産工程において、スラブあるいはシートバーの内部温度を測定するのは容易ではない。しかしながら、ISIJ International.vol.31(1991)No.6,pp571−576に記述される方法によって、内部温度を評価することができ、これに基づいてこの発明に従う温度制御を行うことができる。なお、この発明において表面及び内部の温度は、上下面、幅及び長手方向で代表的な点を選べばよいが、一般には、冷却がより生じる上面の幅中央部での温度を用いることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
図1は、熱間粗圧延第1スタンドかみこみ時における素材厚に方向の温度勾配と割れ発生率との関係を示すグラフである。
図2は、熱間仕上圧延第1スタンドかみこみ時における素材厚み方向の温度勾配と割れ発生率との関係を示すグラフであり、図2aは入側板厚が20mmの場合、図2bは入側板厚が40mmの場合、図2cは入側板厚が60mmの場合をそれぞれ示す。
図3は、熱間仕上圧延第1スタンドかみこみ時における素材厚み方向の温度勾配と割れ発生率との関係を示すグラフであり、図3aは入側板厚が20mmの場合、図3bは入側板厚が40mmの場合、図3cは入側板厚が60mmの場合をそれぞれ示す。
図4は、図2及び図3で示した結果を、初期板厚と割れ発生限界との関係に整理して示すグラフである。
図5は、仕上圧延第1スタンドにおける温度分布制御を行った実施例による割れ発生状況を初期板厚との関係で示すグラフである。
発明を実施するための最良の形態
実施例1
この実施例では粗圧延第1スタンドにおける温度分布制御を行った例を示す。
C:0.03wt%、Si:2.8wt%、Mn:0.065wt%及びSe:0.022wt%を含有し、残部は実質的にFeよりなる厚み200mmのけい素鋼スラブを、1420℃、20分間加熱後、種々の水冷、空冷条件により鋼板厚み方向の温度分布を変化させて粗圧延第1スタンドで140mmから180mmの板厚範囲に圧下し、残り4スタンドの粗圧延により板厚50mmとした後、熱間仕上圧延を7スタンドでの圧下により行って板厚2.0mmの熱延板に仕上げた。
粗圧延第1スタンド圧下後における割れ観察結果を、この際の鋼板温度条件とともに表1に示す。
Figure 0003574656
実施例2
この実施例では粗圧延第1スタンドにおける温度分布制御を行った例を示す。
C:0.08wt%、Si:3.3wt%、Mn:0.074wt%及びSe:0.021wt%を含有し、残部は実質的にFeよりなる厚み240mmのけい素鋼スラブを、1420℃、30分間加熱後、種々の水冷、空冷条件により鋼板厚み方向の温度分布を変化させて粗圧延第1スタンドで140mmから200mmの板厚範囲に圧下し、残り3スタンドの粗圧延により板厚40mmとした後、熱間仕上圧延を7スタンでの圧下により行って板厚2.6mmの熱延板に仕上げた。
粗圧延第1スタンドで圧下後における割れ観察結果を、この際の温度条件とともに表2に示す。
Figure 0003574656
実施例3
この実施例では、仕上圧延第1スタンドにおける温度分布制御を行った例を示す。
C:0.04wt%、Si:3.1wt%、Mn:0.054wt%及びSe:0.022wt%を含有し、残部は実質的にFeよりなる厚み200mmのけい素鋼スラブを、1420℃、20分間加熱後、3スタンドの粗圧延により厚み50mmとし、次いでこの鋼板に水スプレー(水圧:5kgf/cm2)を施すことにより表面温度を940℃、表面から(tF1−tF2)/2深さ(tF1:第1スタンド入側板厚、tF2:第1スタンド出側板厚)に相当する11mm深さの温度を1050℃に制御して第1スタンドにかみ込ませて、計6スタンドでの仕上圧延を行って最終板厚2.0mmの熱延板を得た。なおこの際の、第1スタンド出側板厚は28mmであった。圧延後、表面の割れ観察を行ったが、割れは全く観察されなかった。
実施例4
この実施例では、仕上圧延第1スタンドにおける温度分布制御を行った例を示す。
C:0.07wt%、Si:3.1wt%、Mn:0.062wt%及びSe:0.022wt%を含有し、残部は実質的にFeよりなる厚み200mmのけい素鋼スラブを、1400℃、20分間加熱後、4スタンドの粗圧延により厚み35mmとし、次いでこの鋼板に水スプレー(水圧:10kgf/cm2)を施すことにより表面温度を1030℃、表面から(tF1−tF2)/2深さ(tF1:第1スタンド入側板厚、tF2:第1スタンド出側板厚)に相当する8mm深さの温度を1100℃に制御して第1スタンドにかみ込ませて、計6スタンドでの仕上げ圧延を行って最終板厚2.6mmの熱延板を得た。なおこの際の第1スタンド出側板厚は19mmであった。圧延後、表面の割れ観察を行ったが、割れは全く観察されなかった。
一方、比較例として、C:0.07wt%、Si:3.1wt%、Mn:0.062wt%及びSe:0.022wt%を含有し、残部は実質的にFeよりなる厚み200mmのけい素鋼スラブを、1400℃、20分間加熱後、4スタンドの粗圧延により厚み30mmとし、次いでこの鋼板に高圧水スプレー(水圧:50kgf/cm2)を施すことにより表面温度を850℃、表面から(tF1−tF2)/2深さ(tF1:第1スタンド入側板厚、tF2:第1スタンド出側板厚)に相当する8mm深さの温度を970℃に制御して第1スタンドにかみ込ませて、計6スタンドでの仕上圧延を行って最終板厚2.0mmの熱延板を得た。なおこの際の第1スタンド出側板厚は14mmであった。圧延後、表面の割れ観察を行った結果、7.2個/cm2の割れが生じた。
上述した実施例3、4及び比較例について、入側板厚t1と(TR1−TR0)/{(tR1−tR2)/2}との関係で整理して図5に示す。
実施例5
この実施例では、熱間粗圧延後、水冷を行わなずに仕上圧延を行った例を示す。
C:0.06wt%、Si:3.20wt%、Mn:0.05wt%及びSe:0.015wt%を含有し、残部は実質的にFeよりなる厚み200mmのけい素鋼スラブを、1380℃、20分間加熱後、5スタンドの粗圧延により厚み40mmとした。
次いでこの鋼板に水冷を施すことなしに仕上圧延設備の第1スタンドにかみこませた。この第1スタンドかみこみ時における表面温度は1100℃、表面から(tF1−tF2)/2深さ(tF1:第1スタンド入側板厚、tF2:第1スタンド出側板厚)に相当する10mm深さの温度は1185℃であった。かかる仕上げ圧延として計7スタンドでの圧延を、スタンド間の冷却を通常よりも強い50kgf/cm2の水冷として行って最終板厚2.4mmの熱延板を得た。なおこの際の、第1スタンド出側板厚は20mmであった。圧延後、表面の割れ観察を行ったが、割れは全く観察されなかった。
実施例6
この実施例では、熱間粗圧延−仕上圧延間で蒸気スプレーによる脱スケールを行った例を示す。
C:0.07wt%、Si:2.95wt%、Mn:0.06wt%、S:0.02wt%、Al:0.024wt%及びN:0.008wt%を含有し、残部は実質的にFeよりなる厚み220mmのけい素鋼スラブを、1410℃、45分間加熱後、3スタンドの粗圧延により厚み60mmとし、次いでこの鋼板に蒸気スプレー(180℃、スプレー圧9kgf/cm2)を施すことにより脱スケールを行うとともに表面温度を960℃、表面から(tF1−tF2)/2深さ(tF1:第1スタンド入側板厚、tF2:第1スタンド出側板厚)に相当する13mm深さの温度を1150℃に制御して第1スタンドにかみ込ませて、計6スタンドでの仕上圧延を行って最終板厚2.8mmの熱延板を得た。なおこの際の、第1スタンド出側板厚は34mmであった。圧延後、表面の割れ観察を行ったが、割れは全く観察されなかった。
実施例7
この実施例では、熱間粗圧延−仕上圧延間でガススプレーによる脱スケールを行った例を示す。
C:0.07wt%、Si:2.95wt%、Mn:0.06wt%、S:0.02wt%、Al:0.024wt%及びN:0.008wt%を含有し、残部は実質的にFeよりなる厚み220mmのけい素鋼スラブを、1410℃、45分間加熱後、3スタンドの粗圧延により厚み60mmとした。ここまでは実施例6と同一である。次いでこの鋼板にガススプレー(N2ガス、30℃、スプレー圧9kgf/cm2)を施すことにより脱スケールを行うとともに表面温度を1010℃、表面から(tF1−tF2)/2深さ(tF1:第1スタンド入側板厚、tF2:第1スタンド出側板厚)に相当する13mm深さの温度を1150℃に制御して第1スタンドにかみ込ませた。その後は実施例6と同様に、計6スタンドでの仕上圧延を行って最終板厚2.8mmの熱延板を得た。なおこの際の、第1スタンド出側板厚は34mmであった。圧延後、表面の割れ観察を行ったが、割れは全く観察されなかった。
実施例8
この実施例では、熱間粗圧延−仕上圧延間で機械的手段による脱スケールを行った例を示す。
C:0.07wt%、Si:2.95wt%、Mn:0.06wt%、S:0.02wt%、Al:0.024wt%及びN:0.008wt%を含有し、残部は実質的にFeよりなる厚み220mmのけい素鋼スラブを、1410℃、45分間加熱後、3スタンドの粗圧延により厚み60mmとした。ここまでは実施例6と同一である。次いでこの鋼板にブラシがけを施すことにより脱スケールを行った。引き続き仕上圧延の第1スタンドにかみこませたが、この時の表面温度は1030℃、表面から(tF1−tF2)/2深さ(tF1:第1スタンド入側板厚、tF2:第1スタンド出側板厚)に相当する13mm深さの温度は1160℃であった。その後は実施例6と同様に、計6スタンドでの仕上圧延を行って最終板厚2.8mmの熱延板を得た。なおこの際の、第1スタンド出側板厚は34mmであった。圧延後、表面の割れ観察を行ったが、割れは全く観察されなかった。
実施例9
この実施例では、熱間粗圧延−仕上圧延間で保熱処理を行った例を示す。
C:0.03wt%、Si:2.95wt%、Mn:0.06wt%及びSe:0.015wt%を含有し、残部は実質的にFeよりなる厚み260mmのけい素鋼スラブを、1450℃、20分間加熱後、5スタンドの粗圧延により厚み30mmとした。粗圧延後の鋼板温度は、表面で1250℃であった。
次いでこの鋼板を、熱間粗圧延設備と仕上圧延設備との間に設けた保熱設備を通過させた。この保熱設備は、鋼板の表裏面、及び両端縁部を取り囲む矩形断面になるものであり、ステンレス鋼の内張り(厚み0.8mm)が施された多孔質アルミナ(厚み20mm)断熱材よりなる。長さは60mである。なお、裏面側は、テーブルローラーのすき間を埋めるように設置した。
引き続いてこの鋼板を仕上圧延設備の第1スタンドにかみこませた。この第1スタンドかみこみ時における表面温度は1190℃、表面から(tF1−tF2)/2深さ(tF1:第1スタンド入側板厚、tF2:第1スタンド出側板厚)に相当する5mm深さの温度は1230℃であった。かかる仕上げ圧延として計6スタンドでの圧延を行って最終板厚2.0mmの熱延板を得た。なおこの際の、第1スタンド出側板厚は20mmであった。圧延後、表面の割れ観察を行ったが、割れは全く観察されなかった。
実施例10
この実施例では、熱間粗圧延−仕上圧延間で加熱処理を行った例を示す。
C:0.02wt%、Si:3.35wt%、Mn:0.09wt%及びSe:0.015wt%を含有し、残部は実質的にFeよりなる厚み200mmのけい素鋼スラブを、1440℃、20分間加熱後、3スタンドの粗圧延により厚み40mmとした。粗圧延後の鋼板温度は、表面で1170℃であった。
次いでこの鋼板を、熱間粗圧延設備と仕上圧延設備との間にて加熱処理を行った。この加熱処理は、輻射加熱法によるものあり、加熱条件は、15kW/m2で30秒であった。
かくして鋼板を仕上圧延設備の第1スタンドにかみこまる際の表面温度は1140℃、表面から(tF1−tF2)/2深さ(tF1:第1スタンド入側板厚、tF2:第1スタンド出側板厚)に相当する8mm深さの温度は1200℃であった。かかる仕上げ圧延として計7スタンドでの圧延を行って最終板厚2.2mmの熱延板を得た。なおこの際の、第1スタンド出側板厚は24mmであった。圧延後、表面の割れ観察を行ったが、割れは全く観察されなかった。
実施例11
この実施例では粗圧延第1スタンド及び仕上圧延第1スタンドにおける温度分布制御を行った例を示す。
C:0.04wt%、Si:3.20wt%、Mn:0.06wt%及びSe:0.022wt%を含有し、残部は実質的にFeよりなる厚み260mmのけい素鋼スラブを、1430℃、30分間加熱後、鋼板表面の温度を1340℃、表面から(tR1−tR2)/2深さ(tR1:第1スタンド入側板厚、tR2:第1スタンド出側板厚)に相当する20mm深さの温度を1410℃に制御して粗圧延第1スタンドで220mmの板厚に圧下し、残り3スタンドの粗圧延により板厚40mmとした。次いでこの鋼板に水スプレー(水圧:5kgf/cm2)を施すことにより表面温度を980℃、表面から(tF1−tF2)/2深さ(tF1:第1スタンド入側板厚、tF2:第1スタンド出側板厚)に相当する10mm深さの温度を1080℃に制御して第1スタンドにかみ込ませて、計7スタンドでの仕上圧延を行って最終板厚2.6mmの熱延板を得た。なおこの際の、第1スタンド出側板厚は20mmであった。圧延後、表面の割れ観察を行ったが、割れは全く観察されなかった。
実施例12
この実施例では粗圧延第1スタンド及び仕上圧延第1スタンドにおける温度分布制御を行い、かつ熱間粗圧延と仕上圧延との間で加熱処理を行った例を示す。
C:0.04wt%、Si:3.20wt%、Mn:0.06wt%及びSe:0.022wt%を含有し、残部は実質的にFeよりなる厚み260mmのけい素鋼スラブを、1430℃、30分間加熱後、鋼板表面の温度を1340℃、表面から(tR1−tR2)/2深さ(tR1:第1スタンド入側板厚、tR2:第1スタンド出側板厚)に相当する20mm深さの温度を1410℃に制御して粗圧延第1スタンドで220mmの板厚に圧下し、残り3スタンドの粗圧延により板厚40mmとした。ここまでは実施例11と同じである。
次いでこの鋼板に高圧水スプレー(水圧:50kgf/cm2)を施すことにより脱スケールを行ったところ。表面温度860℃、表面から(tF1−tF2)/2深さ(tF1:第1スタンド入側板厚、tF2:第1スタンド出側板厚)に相当する10mm深さの温度が1060℃になった。そこで、次に加熱処理として輻射加熱法により20kW/m2で7秒の条件で鋼板の加熱を行ったところ、表面温度は900℃、表面から(tF1−tF2)/2深さ(tF1:第1スタンド入側板厚、tF2:第1スタンド出側板厚)に相当する10mm深さの温度は1030℃になり、そのまま仕上圧延設備の第1スタンドにかみ込ませて、実施例11と同様に計7スタンドでの仕上圧延を行って最終板厚2.6mmの熱延板を得た。なおこの際の、第1スタンド出側板厚は20mmであった。圧延後、表面の割れ観察を行ったが、割れは全く観察されなかった。
産業上の利用可能性
この発明に従い、粗圧延又は/及び仕上圧延での第1スタンドにおける鋼板表面近傍の厚み方向温度分布を、該スタンドの入出側厚に応じて減少するように調整することにより、外観の不具合、占積率の低下、層間絶縁圧の低下を来すことのない、極めて表面性状の優れた一方向けい素鋼の製造ができるようになった。
また、熱間粗圧延と仕上圧延との間で冷却を行わなかったり、保熱処理や加熱処理を行うことにより、かかる調整を容易に行うことができる。
さらに、かかる調整に当たり、脱スケールのために行う高圧水噴射では、この発明で規定した条件を満たさないおそれがある場合には、低圧の水噴射や、水噴射に代えて蒸気スプレー、ガススプレーあるいは機械的手段によりスケールを行うことにより、かかる不都合なくして確実にこの発明を実施することができる。

Claims (11)

  1. Si:2.0〜4.5wt%を含有するけい素鋼スラブを高温加熱して熱間粗圧延を施した後、熱間仕上圧延を施すけい素鋼熱延板の製造方法において、
    上記熱間粗圧延の際、第1スタンドでの圧延を、該スタンドの入側板厚tR1(mm)、出側板厚tR2(mm)、かみ込み時における鋼板の表面温度TR0(℃)及びかみ込み時における鋼板表面から(tR1−tR2)/2(mm)深さでの温度TR1の関係で次式
    (TR1−TR0)/{(tR1−tR2)/2}≦10(℃/mm)
    を満足する条件で行うことを特徴とする表面性状の優れたけい素鋼熱延板の製造方法。
  2. Si:2.0〜4.5wt%を含有するけい素鋼スラブを高温加熱して熱間粗圧延を施した後、熱間仕上圧延を施すけい素鋼熱延板の製造方法において、
    上記熱間仕上圧延の際、第1スタンドでの圧延を、該スタンドの入側板厚tF1(mm)、出側板厚tF2(mm)、かみ込み時における鋼板の表面温度TF0(℃)及びかみ込み時における鋼板表面から(tF1−tF2)/2(mm)深さでの温度TF1の関係で次式
    (TF1−TF0)/{(tF1−tF2)/2}≦10+tF1/10(℃/mm)
    を満足する条件で行うことを特徴とする表面性状の優れたけい素鋼熱延板の製造方法。
  3. Si:2.0〜4.5wt%を含有するけい素鋼スラブを高温加熱して熱間粗圧延を施した後、熱間仕上圧延を施すけい素鋼熱延板の製造方法において、
    上記熱間粗圧延の際、第1スタンドでの圧延を、該スタンドの入側板厚tR1(mm)、出側板厚tR2(mm)、かみ込み時における鋼板の表面温度TR0(℃)及びかみ込み時における鋼板表面から(tR1−tR2)/2(mm)深さでの温度TR1の関係で次式
    (TR1−TR0)/{(tR1−tR2)/2}≦10(℃/mm)
    を満足する条件で行い、かつ
    上記熱間仕上圧延の際、第1スタンドでの圧延を、該スタンドの入側板厚tF1(mm)、出側板厚tF2(mm)、かみ込み時における鋼板の表面温度TF0(℃)及びかみ込み時における鋼板表面から(tF1−tF2)/2(mm)深さでの温度TF1の関係で次式
    (TF1−TF0)/{(tF1−tF2)/2}≦10+tF1/10(℃/mm)
    を満足する条件で行うことを特徴とする表面性状の優れたけい素鋼熱延板の製造方法。
  4. 請求項2又は3において、熱間粗圧延後、水冷を行うことなしに熱間仕上圧延に供することを特徴とする表面性状の優れたけい素鋼熱延板の製造方法。
  5. 請求項2又は3において、熱間粗圧延と熱間仕上圧延との間に行う脱スケールを、水圧15kgf/cm2以下の水噴射により行うことを特徴とする表面性状の優れたけい素鋼熱延板の製造方法。
  6. 請求項2又は3において、熱間粗圧延と熱間仕上圧延との間で、水噴射によることなしに脱スケールを行うことを特徴とする表面性状の優れたけい素鋼熱延板の製造方法。
  7. 請求項6において、脱スケールを、蒸気スプレーにより行うことを特徴とする表面性状の優れたけい素鋼熱圧延の製造方法。
  8. 請求項6において、脱スケールを、ガススプレーにより行うことを特徴とする表面性状の優れたけい素鋼熱延板の製造方法。
  9. 請求項6において、脱スケールを、機械的手段により行うことを特徴とする表面性状の優れたけい素鋼熱延板の製造方法。
  10. 請求項2又は3において、熱間粗圧延と熱間仕上圧延との間で、保熱処理を行うことを特徴とする表面性状の優れたけい素鋼熱延板の製造方法。
  11. 請求項2又は3において、熱間粗圧延と熱間仕上圧延との間で、加熱処理を行うことを特徴とする表面性状の優れたけい素鋼熱延板の製造方法。
JP51501594A 1992-12-28 1993-12-27 表面性状の優れたけい素鋼熱延板の製造方法 Expired - Fee Related JP3574656B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34864692 1992-12-28
PCT/JP1993/001901 WO1994014549A1 (en) 1992-12-28 1993-12-27 Method of manufacturing hot rolled silicon steel sheets of excellent surface properties

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3574656B2 true JP3574656B2 (ja) 2004-10-06

Family

ID=18398404

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51501594A Expired - Fee Related JP3574656B2 (ja) 1992-12-28 1993-12-27 表面性状の優れたけい素鋼熱延板の製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US5572892A (ja)
EP (1) EP0628359B1 (ja)
JP (1) JP3574656B2 (ja)
KR (1) KR100222777B1 (ja)
DE (1) DE69324801T2 (ja)
WO (1) WO1994014549A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5176431B2 (ja) * 2007-08-24 2013-04-03 Jfeスチール株式会社 高強度熱延鋼板の製造方法
CN103302104B (zh) 2012-03-13 2015-07-22 宝山钢铁股份有限公司 热轧硅钢的制造方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4231818A (en) * 1972-03-30 1980-11-04 Allegheny Ludlum Industries, Inc. Methods of producing silicon steel strip
JPS6196032A (ja) * 1984-10-16 1986-05-14 Nippon Steel Corp 方向性電磁鋼スラブの熱間圧延方法
JPH0726156B2 (ja) * 1988-11-16 1995-03-22 川崎製鉄株式会社 磁気特性および表面性状に優れた方向性電磁鋼板の製造方法
WO1990013673A1 (fr) * 1989-05-08 1990-11-15 Kawasaki Steel Corporation Procede de production de feuilles d'acier au silicium undirectionnel presentant d'excellentes caracteristiques magnetiques
JPH0678573B2 (ja) * 1989-09-27 1994-10-05 川崎製鉄株式会社 磁気特性の優れた方向性電磁鋼板の製造方法
US5129965A (en) * 1990-07-20 1992-07-14 Nippon Steel Corporation Method of producing grain oriented silicon steel sheets each having a low watt loss and a mirror surface
KR930004849B1 (ko) * 1991-07-12 1993-06-09 포항종합제철 주식회사 자기특성이 우수한 방향성 전기강판 및 그 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
EP0628359A1 (en) 1994-12-14
KR950700134A (ko) 1995-01-16
US5572892A (en) 1996-11-12
KR100222777B1 (ko) 1999-10-01
WO1994014549A1 (en) 1994-07-07
EP0628359A4 (en) 1996-11-06
DE69324801T2 (de) 1999-09-16
DE69324801D1 (de) 1999-06-10
EP0628359B1 (en) 1999-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2880190B1 (en) Method of production of grain-oriented silicon steel sheet grain oriented electrical steel sheet and use thereof
EP2878687A1 (en) Method for producing oriented electromagnetic steel sheet
KR101498404B1 (ko) 방향성 전기 강판의 제조 방법
KR20180111954A (ko) 방향성 전자 강판의 제조 방법
JP6103281B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP6132103B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
US20150243419A1 (en) Method for producing grain-oriented electrical steel sheet
JPH0586455B2 (ja)
JP4932544B2 (ja) 板幅方向にわたり安定して磁気特性が得られる方向性電磁鋼板の製造方法
JP6191568B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP6950723B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JPH03219020A (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP3839924B2 (ja) 皮膜特性と磁気特性に優れた一方向性電磁鋼板及びその製造方法並びにその製造法に用いる脱炭焼鈍設備
KR20210137198A (ko) 방향성 전자 강판의 제조 방법
JP7197069B1 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP3574656B2 (ja) 表面性状の優れたけい素鋼熱延板の製造方法
JP4599843B2 (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP3931842B2 (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP3893759B2 (ja) 方向性けい素鋼板の製造方法
JP7338812B1 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP4214937B2 (ja) 磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法
JP7239077B1 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP5310510B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP3227057B2 (ja) 表面性状に優れるけい素鋼熱延板の製造方法
EP4400609A1 (en) Method of manufacturing grain-oriented magnetic steel sheet, and grain-oriented magnetic steel sheet

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040407

A72 Notification of change in name of applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A721

Effective date: 20040407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040608

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040705

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080709

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090709

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100709

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100709

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110709

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110709

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120709

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120709

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130709

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees