JP3573059B2 - チューブポンプおよびこれを用いたインクジェット式記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チューブを加圧し、チューブの変形を利用して圧力を発生するチューブポンプ、およびこのチューブポンプを搭載し、チューブポンプにより発生する負圧を利用して記録ヘッドよりインクを排出するインク吐出能力の回復手段を備えたインクジェット式記録装置、またメインタンクからサブタンクへのインク供給手段としてこのポンプを備えたインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印刷を中心とした多くの印刷に使用されている。このようなインクジェット式記録装置は、インクカートリッジからのインクの供給を受けるインクジェット式記録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移動させる紙送り手段を備え、印字信号に応じて記録ヘッドを移動させながら記録用紙にインク滴を吐出させてドットを形成することで記録が行われる。
【0003】
インクジェット式記録装置は、このようにインクという液体を扱う関係上、記録ヘッドへのインクの充填や、インク溶媒の揮散によるノズル開口の目詰まりを防止するために、記録ヘッドからインクを強制的に吸引排出させるインク吐出能力の回復処理が実行される。このような記録ヘッドの目詰まり解消のため、または記録ヘッド内に気泡が残留している場合になされるインクの強制的な排出処理は、クリーニング操作と呼ばれ、記録装置の長時間の休止後に印刷を再開する場合や、ユーザーが印字かすれ等の印字品質不良を認識し、クリーニングスイッチを操作した場合に実行される。
【0004】
このクリーニング操作においては、記録ヘッドをキャッピング手段により封止して負圧を作用させることで、記録ヘッドのノズル開口よりインクを排出させると共に、キャッピング手段内に排出されたインクを負圧により吸引して廃インクタンクに送り出し、その後にゴムなどの弾性板からなるクリーニング部材により、記録ヘッドのノズルプレートをワイピングするシーケンスが実行される。
前記キャッピング手段内に負圧を与えたり、メインタンクからサブタンクへインクを供給する手段としては、比較的構造が簡単で小形化が図りやすく、しかもインクの吸引および排出する機構部分で汚染を生じさせない、いわゆるチューブポンプが用いられている。このチューブポンプについて図6に基づいて具体的に記述する。
【0005】
このチューブポンプ50には、可撓性チューブ51の外形を円弧状に規制するチューブ支持面52を有するポンプフレーム44と、駆動手段としての例えば紙送りモータからの動力により回動するポンプホイル42と、このポンプホイル42の軸芯方向と外周方向との間に径方向に勾配を持って形成された一対のローラ支持溝42a,42bに、当該支持溝42a,42bの長手方向に移動可能に、かつ回転可能にそれぞれ取り付けられたローラ43a,43bとが具備されている。
【0006】
また、ポンプフレーム44に形成されたチューブ支持面52と対向する位置に、ポンプホイール42の軸芯方向に突出させた弾性素材による一対のガイド部材53a,53bを配置している。
【0007】
即ち、ポンプフレーム44にL字状の係止溝44a,44bが形成され、この各係止溝44a,44bにそれぞれガイド部材53a,53bを植設させた構成とされている。
【0008】
この構成によると、前記一対のガイド部材53a,53bは、ポンプホイールの回動に伴い前記各ローラを支持溝の回転後退方向へ案内するように作用する。図6に示すようにホイール42が正転駆動(A方向の回転)されると、ローラ43a,43bは可撓性素材によるガイド部材53a,53bによって押し戻される作用を受け、これによってローラ43a,43bはローラ支持溝42a,42bの外周方向に移動して、チューブ51を順次押しつぶすようになされる。これによりポンプの駆動作用の信頼性を向上させることができる。
【0009】
このようなチューブポンプにおいては、図6に示すようにポンプホイル42を正方向(矢印A方向)に回転させることにより、各ローラ43a,43bはローラ支持溝42a,42bの外周方向に移動して、チューブ51を順次押しつぶしながら回転し、これによりチューブ内に圧力を発生させてキャッピング手段に負圧を与えようになされる。そして、記録ヘッドから負圧により強制的にインクを排出させると共に、さらにキャッピング手段内に排出されたインクを吸引して、廃インクタンクに送り出すように作用する。
【0010】
また、前記した場合と反対に、ポンプホイル42を逆方向(矢印B方向)に回転させることにより、各ローラ43a,43bはローラ支持溝42a,42bの内周方向に移動し、これによりローラはチューブに少しだけ接するレリース状態を保ち、チューブのはり付きなどの故障が発生するのが防止できるように構成されている。
【0011】
また、前記チューブポンプは、前記したような記録ヘッドよりインクを排出するインク吐出能力の回復手段に用いられるほか、インクを貯留するメインタンクから記録ヘッド側に設けられたサブタンクへインクを供給する供給手段として、用いられている。
【0012】
すなわち、オフィス向けまたは業務用に提供されるインクジェット式記録装置においては、比較的大量の印刷に対応させるために、大容量のインクカートリッジを配備する必要が生じ、このためにインクカートリッジとしてのメインタンクを例えば装置本体の側部に配置された装着装置(カートリッジホルダ)に装填される。一方、記録ヘッドが搭載されたキャリッジ上にはサブタンクが配置され、前記メインタンクからサブタンクに対してインク補給チューブを介してそれぞれインクを補給し、さらにサブタンクからそれぞれ記録ヘッドに対してインクを供給するように構成されている。
【0013】
そして、この種のインクジェット式記録装置において、前記チューブポンプがメインタンクからサブタンクヘのインク供給手段として用いられている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように従来のチューブポンプでは、ローラがチューブを順次押し潰しながら回転し、これによりチューブ内に圧力を発生させて負圧を与えるようになされている。
【0015】
したがって、前記ローラが通過した後、押し潰されたチューブが初期の状態に復元するのは、可撓性チューブ自身の弾性力(自己復元力)によっていた。
【0016】
そのため、可撓性チューブの肉厚(外径と内径との差)はある程度必要とし、可撓性チューブの肉厚が薄いと、復元力に欠け所定の吸引力を得ることができないという技術的課題があった。
【0017】
また一方、可撓性チューブの肉厚が厚いと、可撓性チューブの内径が小さくなり、所定の吸引量を確保できないという技術的課題があった。また可撓性チューブの内径を一定の径にすれば、外径も大きくなり、ひいてはチューブポンプ全体が大型化するという技術的課題があり、それに伴いインクジェット式記録装置自体も大型化するという技術的課題があった。
【0018】
更に、従来のチューブポンプでは、押し潰されたチューブは自己の弾性力(自己復元力)によって、初期状態に復元するものであるため、チューブの材質が限定されるという技術的課題があった。すなわち、アルミ製等の金属チューブ等は弾性力が乏しいため、従来のチューブポンプのチューブに用いることができなかった。
【0019】
また、チューブ自身の弾性力(自己復元力)は押し潰し時に反力となり、押し潰し荷重の増加を招き、ひいてはポンプの効率を低下させるという課題があった。
【0020】
更に、押し潰されたチューブが初期の状態に復元するのは、可撓性チューブ自身の弾性力(自己復元力)によるため、チューブのはり付きを十分に考慮する必要があった。
【0021】
本発明は、前記したような従来の課題に着目してなされたものであり、従来のチューブポンプと基本的構成を異にし、自己復元力ないチューブも用いることができ、またより小型化で高効率のチューブポンプを提供することを目的とするものであり、更にはこれを用いたインクジェット式記録装置を提供することを目的とするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために本発明にかかるチューブポンプは、揺動手段により順次押し潰され、かつ初期状態に復元させられるチューブを有するチューブポンプにおいて、駆動軸と、前記駆動軸に固定され、一体となって回転する回転円板と、前記回転円板と相対向して揺動自在に形成されたチューブ押圧板と、前記回転円板の回転運動を受けて前記チューブ押圧板を揺動させる揺動手段と、前記チューブ押圧板の下面に上壁が固定され、かつ下壁がケースに固定されたチューブとを具備し、前記揺動手段は、前記回転円板とチューブ押圧板の上面との間に移動可能に嵌合された球であり、前記チューブ押圧板の上面には前記球を嵌合する溝が形成され、前記溝の中心は前記チューブの断面の中心より前記駆動軸側に位置することを特徴とする。
【0023】
係る発明の態様では、前記溝が、チューブの断面の中心より駆動軸側に位置するように構成されているため、チューブ押圧板がチューブを押し潰す力は、チューブに均等に働くようになり、チューブは偏りなく閉塞できるようになる。よって、チューブを必要以上に押し潰さなくてよくなり、少ない押し潰し量と、少ない荷重によって閉塞できるため、ポンプの駆動トルクを軽減でき結果として、効率の高いポンプとすることができる。
【0024】
また、チューブ押圧板の傾きを軽減でき結果として、小型のポンプとすることができる。
【0025】
また、前記した目的を達成するためになされた本発明にかかるインクジェット式記録装置は、上記したチューブポンプを記録ヘッドよりインクを吸引するポンプユニットとして用いたことにより、装置自体を小型化することができると共に、高効率で安定した吸引動作を行うことができる。
【0026】
また、前記した目的を達成するためになされた本発明にかかるインクジェット式記録装置は、上記したチューブポンプを前記メインタンクよりサブタンクへのインク供給手段として用いたことにより、装置自体を小型化することができると共に、高効率で安定した供給動作を行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるインク吐出能力の回復手段としてチューブポンプを用いたインクジェット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1は本発明が適用されたインクジェット式記録装置の全体構成を示すものである。
【0028】
図1において符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はキャリッジモーター2により駆動されるタイミングベルト3を介し、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向に往復運動されるように構成されている。
【0029】
キャリッジ1の記録用紙6に対向する側には、インクジェット式記録ヘッド7が搭載され、またその上部には前記記録ヘッドにインクを供給するブラックインクカートリッジ8、およびカラーインクカートリッジ9が脱着可能に装填されている。
【0030】
図中符号10は、非印字領域(ホームポジション)に配置されたキャッピング手段であって、キャリッジ1に搭載された記録ヘッドが真上に移動した時に上昇し、記録ヘッドのノズル形成面を封止できるように構成されている。そしてキャッピング手段10下方には、キャッピング手段10の内部空間に負圧を与えるためのポンプユニットとしての後述するチューブポンプ11が配置されている。
【0031】
前記キャッピング手段10は記録装置の休止期間中における記録ヘッドのノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する他、記録ヘッドに印字とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を空吐出させるフラッシング動作時のインク受けとして機能し、さらに前記チューブポンプ11からの負圧を記録ヘッドに作用させて、インクを吸引するクリーニング手段としての機能も兼ね備えている。
【0032】
そして、キャッピング手段10における印字領域側の近傍には、ゴムなどの弾性板を備えたワイピング手段12が、水平方向に進退可能となるように配置されていて、キャリッジ1がキャッピング手段10側に往復移動する際に、記録ヘッドの移動経路上にワイピング部材が進出できるように構成されている。
【0033】
次に図2に基づいて、チューブポンプ11とキャッピング手段10との関係について説明する。図2は、図1に示す記録装置に搭載されたキャッピング手段10と、これに接続されたチューブポンプ11等の構成を模式的に示したものである。
【0034】
キャッピング手段10は、上面が開放された方形状のキャップケース10aと、このキャップケース10a内に収納されたゴム素材などの可撓性物質よりなるキャップ部材10bとが具備され、キャップ部材10bはその上側縁がキャップケース10aよりも若干突出した状態に形成されている。そしてキャップ部材10bの内底部には、多孔質材料により形成されたインク吸収材10cが収納されており、このインク吸収材10cはキャップ部材10bに一体に形成された保持体10dにより保持されている。
【0035】
またキャップケース10aの下低部には、キャップケース10aおよびキャップ部材10bをそれぞれ貫通するようにして、吸引口10eおよび大気開放口10fが形成されている。そして、キャップケース10aの吸引口10eにはチューブT1を介してチューブポンプ11が接続されており、このチューブポンプ11の排出側端部は後述するように、廃インクタンク13に収納されたインク吸収材に接続されている。さらに、キャップケース10aの大気開放口10fには、チューブT2を介して大気開放バルブ14が接続されている。
【0036】
一方、図2における符号7は、記録ヘッドを示しており、この記録ヘッド7はキャリッジの移動に伴いキャッピング手段10の上部に位置したとき、ノズル形成面7aが前記キャップ部材10bによって封止(キャッピング)されるように構成されている。前記ノズル形成面7aには複数のノズル開口7bが形成されており、各ノズル開口7bに対応して配置された圧電振動子7cの振動作用によって、ブラックインク、およびイエロー、シアン、マゼンタなどの各カラーインクが吐出されるように構成されている。
【0037】
以上の構成において、前記記録ヘッドまたはインク供給路内の残留気泡の排出、およびノズル開口の目詰まりを解消させるためのインクの吸引作用は、図2に示すようにキャップ部材10bを記録ヘッド7のノズル形成面7aに密着させると共に、大気開放バルブ14を閉弁した状態で行われる。
【0038】
この状態でチューブポンプ11を駆動させることで、キャップ部材10bの内部空間に負圧が与えられ、記録ヘッド7のノズル開口7bからインクが吸引排出される。一定時間チューブポンプ11を駆動した後、停止する。その後、キャップ部材内部の負圧がある程度減少した時点で、前記大気開放バルブ14を開弁させると、キャップ部材内に大気が導入され内部の負圧は解除される。続いて、大気開放バルブ14を開弁させた状態でチューブポンプ11を再び駆動させることにより、キャップ部材内に排出されたインクはチューブT1を介して廃インクタンク13に送り込む動作がなされる。
【0039】
次に、チューブポンプ11の構造について、図3に基づいて説明する。
【0040】
このチューブポンプ11は、駆動軸21と、前記駆動軸21に固定された弾性を有する回転円板22と、前記回転円板22と相対向して揺動自在に形成されたチューブ押圧板23と、前記回転円板22とチューブ押圧板23との間に介装され、前記チューブ押圧板23を下方向に押圧する、揺動手段としての金属球24と、前記チューブ押圧板23に上壁が固定され、また下壁がケースに固定されたチューブ25から構成されている。
【0041】
前記回転円板22は金属等の弾性体からなり、前記した金属球24を介して、チューブ押圧板23を下方向に押圧する力を発生させる。
【0042】
また、前記チューブ押圧板23の上面には、前記金属球24が転動可能なV字形状の溝23aが形成されている。前記V字形状の溝23aは、前記チューブ25の断面の中心25cよりも前記駆動軸21側に形成されている。前記また、チューブ押圧板23の中央部分には、前記駆動軸21を貫通させる貫通孔23bが設けられている。前記貫通孔23bの先端部分には、径が徐々に小さくなるテーパ部分23cが形成され、そのテーパ部23cに連続して、径が一定な孔部23dが形成されている。また、前記貫通孔23dの後端部の周囲には先端が円弧状になされた周壁部23eが形成され、前記周壁部23eがケース26の内壁と接するように構成されている。
【0043】
また、チューブ押圧板23はその下面に、チューブ25の上壁に設けられた係止突起25aを固定するための、連通孔23fが設けられている。この連通孔23fは前記チューブ25に沿って連続的に形成されている。
【0044】
一方、ケース26には、チューブ25の下壁に設けられた係止突起25bを固定するための、連通孔26aが設けられている。
【0045】
次に、図3乃至図5に基づいて、このチューブポンプ11の動作について説明する。
【0046】
図3に示す状態から、駆動軸21を矢印方向に回転させると、駆動軸21の回転に伴って、金属球24はチューブ押圧板23の上面のV字形状の溝23a内を移動する。このとき、前記金属球24は回転円板22によって押さえられているため、前記チューブ押圧板23を上位置から下位置に傾けながら移動する。
【0047】
すなわち、金属球24が移動し位置すると、チューブ押圧板23は上位置から下位置に傾き(揺動し)、チューブ25を押圧し押し潰す。前記金属球24は、上記してきたように順次移動するため、チューブ押圧板23は上位置から下位置に順次傾き(揺動し)、チューブは順次押圧、押し潰される。
【0048】
その結果、図5に模式的に示すように、金属球24がチューブ押圧板23を順次傾動(揺動)させることにより、キャップ部材10bの内部空間に負圧が与えられ、記録ヘッド7のノズル開口7bからインクが吸引排出される。
【0049】
そして、一定時間チューブポンプ11を駆動した後、駆動軸21の回転を停止する。その後、キャップ部材内部の負圧がある程度減少した時点で、前記大気開放バルブ14を開弁させると、キャップ部材内に大気が導入され内部の負圧は解除される。続いて、大気開放バルブ14を開弁させた状態で駆動軸21を再び回転させ、キャップ部材内に排出されたインクは廃インクタンク13に送り込む動作がなされる。
【0050】
前記V字形状の溝23aが、前記チューブ25の断面の中心25cよりも前記駆動軸21側に形成されているため、チューブ押し潰し状態においてチューブ押圧板23がチューブ25を押し潰す力は、チューブ25に均等に働くため、チューブ25を閉塞するための押し潰し量、押し潰し荷重を軽減できる。また、常に安定したチューブの閉塞状態を維持できるため、チューブ押圧板の揺動(傾き)動作を安定させることができる。結果として、小型で、高効率を得ることができる。
【0051】
尚、前記チューブは、チューブ押圧板の揺動動作によって順次押し潰されかつ初期状態に復元されるため、チューブ押圧板の揺動動作に追従し得る弾性力を有していれば良く、従来のチューブポンプに使用されたチューブに比べ自己復元力の少ない材質、あるいは剛性の低い材質によって形成されていても良い。
【0052】
例えば、アルミ製のチューブ、あるいはアルミ製のチューブ表面に樹脂コートされたもの、あるいはまたアルミ製のチューブに樹脂がラミネートされたもの、ビニール製のチューブ等であっても良い。
【0053】
このように、自己復元力の少ない材質、あるいは剛性の低い材質のチューブを用いることで、チューブの押し潰し荷重を軽減でき結果として、効率の高いポンプとすることができる。
【0054】
また、上記実施形態では、インク吐出能力の回復手段としてチューブポンプを用いたインクジェット式記録装置について説明したが、本発明はこのインクジェット式記録装置に限定されるものでなく、インクを貯留するメインタンクから記録ヘッド側に設けられたサブタンクへインクを供給する供給手段として、チューブポンプを用いたインクジェット式記録装置についても当然適用されるものである。
【0055】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなとおり、本発明によれば、低負荷な高効率なチューブポンプを得ることができる。
【0056】
また、これを用いたインクジェット式記録装置は、より安定した吸引動作、供給動作を行うことができると共に、より小型化、高効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたインクジェット式記録装置の構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示す記録装置に具備されたキャッピング手段及びチューブポンプを示した概念図である。
【図3】本発明にかかる実施形態のチューブポンプを示す断面図である。
【図4】図3に示すチューブポンプを駆動した状態を示す断面図である。
【図5】図3に示したチューブポンプの動作概念図である。
【図6】従来のチューブポンプを示す概略図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ
2 キャリッジモーター
6 記録用紙
8,9 インクカートリッジ
10 キャッピング手段
11 ポンプユニット(チューブポンプ)
12 ワイピング手段
21 駆動軸
22 回転円板
23 チューブ押圧板
23a V字形状の溝
23b 貫通孔
23e 周壁部
24 金属球
25 チューブ
26 ケース
Claims (6)
- 揺動手段により順次押し潰され、かつ初期状態に復元させられるチューブを有するチューブポンプにおいて、
駆動軸と、前記駆動軸に固定され、一体となって回転する回転円板と、前記回転円板と相対向して揺動自在に形成されたチューブ押圧板と、前記回転円板の回転運動を受けて前記チューブ押圧板を揺動させる揺動手段と、前記チューブ押圧板の下面に上壁が固定され、かつ下壁がケースに固定されたチューブとを具備し、前記チューブ押圧板の上面には、前記揺動手段を嵌合する溝が形成され、前記溝の中心は前記チューブの断面の中心より前記駆動軸側に位置することを特徴とするチューブポンプ。 - 前記揺動手段は、前記回転円板とチューブ押圧板との間に介装された球であって、前記溝内を移動可能になされていることを特徴とする請求項1記載のチューブポンプ。
- 前記溝はV字の溝であることを特徴とする請求項2記載のチューブポンプ。
- 前記チューブは、前記揺動手段による前記チューブ押圧板の揺動動作に追従し得る弾性力を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のチューブポンプ。
- 印字データに対応してインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル形成面を封止すると共に、ポンプユニットからの負圧を受けて記録ヘッドよりインクを吸引するキャッピング手段とを備えたインクジェット式記録装置であって、
前記ポンプユニットとして、請求項1乃至4のいずれかに記載のチューブポンプを具備したことを特徴とするインクジェット式記録装置。 - 印字データに対応してインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドから吐出されるインクを貯留するメインタンクと、前記メインタンクからインクの供給を受ける記録ヘッド側に設けられたサブタンクと、前記メインタンクよりサブタンクにインクを供給するインク供給手段を備えたインクジェット式記録装置であって、
前記インク供給手段として、請求項1乃至4のいずれかに記載のチューブポンプを具備したことを特徴とするインクジェット式記録装置。
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