JP3572146B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用空調装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図４は従来の車両用空調装置の縦断面図、図５は同空調装置の中央部にあるクーラケースの側面図、図６は図５のＢ−Ｂ断面図である。図において、２はファンケース、３ａは上側クーラケース、３ｂは前記上側クーラケースと一体となって一つのクーラケースを構成する下側クーラケース、４はヒータケース、１３はファンケース２とクーラケース３ａ，３ｂとを結合するバンド、１４はクーラケース３ａ，３ｂとヒータケース４とを結合するバンドである。上記のものと、ヒータケース４に連る図示していない吹出口ダクトとによって、ケーシング１が構成され、内部に空気流路が形成される。５はファンケース２内に設けられている送風ファンであり、図示していない電動モータに直結されて駆動される。４１はファンケース２に設けられている内気吸込口、４２は外気吸込口、９は内外気切換ダンパであり、このダンパを回動させることにより、前記吸込口のいずれかを開いて車室内空気または車両外空気のいずれかを導入する。図中の矢印は空気の流れ方向である。
【０００３】
６は送風ファン５の下流側のクーラケース３ａ，３ｂ内に設けられているエバポレータである。このエバポレータには、図示していないが、冷媒入口と冷媒出口が設けられ、冷媒入口は冷媒配管を介して膨張弁に接続され、冷媒出口は冷媒配管を介して圧縮機に接続されている。３０は下側クーラケースに設けられているドレンパン、３１はドレンポートである。
【０００４】
７はエバポレータ６の下流側のヒータケース４内に設けられているヒータ、８は同ヒータの上流側に近接して設けられているエアミックスダンパである。ヒータ７には、図示していないが、温水入口と温水出口が設けられ、これらは温水配管を介して車両のエンジンの冷却水回路に接続され、循環回路が形成されている。エアミックスダンパ８はヒータ７への空気流入を遮断する位置と、同ヒータの前面を開放する位置との間で回動し、ヒータによる空気の加熱を調節することができる。４３は図示していない空気吹出口に連る吹出流路である。
【０００５】
１５はエバポレータ６の上流側近傍に設けられているエアフィルタであり、吸込まれた空気中のホコリや臭気を除去し、新鮮な空気を車両室内へ供給するために設置されているものである。エアフィルタ１５は、そのエレメントの清掃、交換等のメインテナンスを必要とするので、ケーシング１が車両に装着された状態において、クーラケース３ａ，３ｂの側面から着脱ができるようになっている。
【０００６】
上記構成の車両用空調装置が運転される時には、送風ファン５が駆動され、車室内空気または車両外空気が吸込口から導入され、ケーシング１の空気流路内に圧送される。空気はエアフィルタ５で除塵除臭され、エバポレータ６に入り、そのフィンの間隙を通過する過程でそのチューブ内を流れる冷媒と熱交換することによって冷却され、ヒータ７の上流側空気流路へ送り出される。冷却された空気はエアミックスダンパ８の位置に応じてヒータ７を通過する空気とヒータ７をバイパスする空気に分れ、ヒータ下流側で再び混合されて温度が調節され調和空気となって、図示していない吹出口切換モードダンパで選択された吹出口から車室内へ吹出される。
【０００７】
エアフィルタ１５の装着のために、図５に示されるように、クーラケース３ａ，３ｂの側面に挿入口１８が設けられている。エアフィルタ１５の本体上面及び下面には図４に示されるように突出したガイド１７ａ，１７ｂが形成され、またクーラケース３ａ，３ｂの上下の内壁面には図４，図５，図６に示されるようにガイドレール１６ａ，１６ｂが設けられている。エアフィルタ１５のガイド１７ａ，１７ｂは上記ガイドレール１６ａ，１６ｂのそれぞれの溝に沿って挿入され、エアフィルタが保持される。図６に示されるように、クーラケース３ａ，３ｂの側面の挿入口１８にはエアフィルタ取付面３２が設けられており、エアフィルタ１５は、そのフランジ３３が風もれ防止用のインシュレーション３４を介してネジ止めされることによって固定される。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
従来の車両用空調装置を雨天時に外気を導入して運転すると、外気吸込口から空気と共に吸込まれた雨水は、下側クーラケースの底面に設置されているガイドレール１６ｂに堰止められ、ガイドレール根元部のクーラケース３ｂの底面に溜り込み、溜った水はクーラケースのフィルタ取付面とエアフィルタのフランジとの間に介在するインシュレーション３４に滲み込んで、ついには水滴となってインシュレーション部から装置外部に洩れ、車両内の床面に滴下して床を濡らすという問題があった。
【０００９】
本発明は上記従来技術の欠点を解消し、吸込まれた雨水による車両内の床面の濡れを防止しようとするものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決したものであって、一方の端に空気吸込口、他方の端に空気吹出口を設けたケーシング内の上記空気吸込口と空気吹出口との間に形成された空気流路中に、送風ファン、エバポレータ、エアミックスダンパ、ヒータ、及び吹出口切換モードダンパを備え、上記ケーシングの一部をなす上下二分割構造のクーラケースの側面部に、上記エバポレータの上流側に隣接してエアフィルタを挿入するための挿入口を備え、エアフィルタをクーラケースの上下の内壁に設けられたガイドレールに沿って挿入装着し、上記エバポレータ設置位置のクーラケースの底面にドレンパンとドレンポートを形成した車両用空調装置において、上記下側のガイドレールの上流側のクーラケース底面から上記ドレンパンへ通じる排水用溝を設けたことを特徴とする車両用空調装置に関するものである。
【００１１】
【発明の実施の形態】
図１は本発明の実施の一形態に係る車両用空調装置の縦断面図、図２は同空調装置の中央部にあるクーラケースの側面図、図３は図２のＡ−Ａ断面図である。図１，図３において、２８は下側クーラケース３ｂの底面、２９は下側クーラケース３ｂに設けられた排水用溝であり、下側クーラケースの底面２８より低い位置で、ガイドレール１６ｂの上流側とドレンパン３０とを連通するものである。図２において２９’は下側クーラケースの下部に突出した排水用溝２９のふくらみである。上記以外の部分の構成は従来技術（図４〜図６）と同じであるから説明を省略する。
【００１２】
本装置において、エアフィルタ１５の上流側から進入した雨水は、ガイドレール１６ｂによっていったんは堰止められるが、上記排水用溝２９からドレンパン３０へ流れ、エバポレータのドレンと共にドレンポート３１から装置外に排出される。これによって、フィルタ取付面とエアフィルタフランジとの間に介在するインシュレーションに雨水が滲み込み、水滴となって車両内の床面に滴下して床を濡らすことが防止される。
【００１３】
【発明の効果】
本発明の車両用空調装置においては、下側のガイドレールの上流側のクーラケース底面から上記ドレンパンへ通じる排水用溝を設けてあるので、空気と共に吸い込まれ下側ガイドレールに堰止められた雨水は、排水用溝を経てドレンパンへ流れ、ドレンポートから車両外へ排出されるので、雨水が車室内へ洩れて床面が濡れることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の一形態に係る車両用空調装置の縦断面図。
【図２】同空調装置のクーラケースの側面図。
【図３】図２のＡ−Ａ断面図。
【図４】従来の車両用空調装置の縦断面図。
【図５】同空調装置のクーラケースの側面図。
【図６】図５のＢ−Ｂ断面図。
【符号の説明】
１ ケーシング
２ ファンケース
３ａ，３ｂ クーラケース
４ ヒータケース
５ 送風ファン
６ エバポレータ
７ ヒータ
８ エアミックスダンパ
１３，１４ バンド
１５ エアフィルタ
１６ａ，１６ｂ ガイドレール
１７ａ，１７ｂ エアフィルタ本体のガイド
１８ 挿入口
２８ 下側クーラケースの底面
２９ 排水用溝
２９’ 排水用溝のふくらみ
３１ ドレンポート
３２ エアフィルタ取付面
３３ エアフィルタのフランジ
３４ インシュレーション
４１ 内気吸込口
４２ 外気吸込口
４３ 吹出流路
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用空調装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図４は従来の車両用空調装置の縦断面図、図５は同空調装置の中央部にあるクーラケースの側面図、図６は図５のＢ−Ｂ断面図である。図において、２はファンケース、３ａは上側クーラケース、３ｂは前記上側クーラケースと一体となって一つのクーラケースを構成する下側クーラケース、４はヒータケース、１３はファンケース２とクーラケース３ａ，３ｂとを結合するバンド、１４はクーラケース３ａ，３ｂとヒータケース４とを結合するバンドである。上記のものと、ヒータケース４に連る図示していない吹出口ダクトとによって、ケーシング１が構成され、内部に空気流路が形成される。５はファンケース２内に設けられている送風ファンであり、図示していない電動モータに直結されて駆動される。４１はファンケース２に設けられている内気吸込口、４２は外気吸込口、９は内外気切換ダンパであり、このダンパを回動させることにより、前記吸込口のいずれかを開いて車室内空気または車両外空気のいずれかを導入する。図中の矢印は空気の流れ方向である。
【０００３】
６は送風ファン５の下流側のクーラケース３ａ，３ｂ内に設けられているエバポレータである。このエバポレータには、図示していないが、冷媒入口と冷媒出口が設けられ、冷媒入口は冷媒配管を介して膨張弁に接続され、冷媒出口は冷媒配管を介して圧縮機に接続されている。３０は下側クーラケースに設けられているドレンパン、３１はドレンポートである。
【０００４】
７はエバポレータ６の下流側のヒータケース４内に設けられているヒータ、８は同ヒータの上流側に近接して設けられているエアミックスダンパである。ヒータ７には、図示していないが、温水入口と温水出口が設けられ、これらは温水配管を介して車両のエンジンの冷却水回路に接続され、循環回路が形成されている。エアミックスダンパ８はヒータ７への空気流入を遮断する位置と、同ヒータの前面を開放する位置との間で回動し、ヒータによる空気の加熱を調節することができる。４３は図示していない空気吹出口に連る吹出流路である。
【０００５】
１５はエバポレータ６の上流側近傍に設けられているエアフィルタであり、吸込まれた空気中のホコリや臭気を除去し、新鮮な空気を車両室内へ供給するために設置されているものである。エアフィルタ１５は、そのエレメントの清掃、交換等のメインテナンスを必要とするので、ケーシング１が車両に装着された状態において、クーラケース３ａ，３ｂの側面から着脱ができるようになっている。
【０００６】
上記構成の車両用空調装置が運転される時には、送風ファン５が駆動され、車室内空気または車両外空気が吸込口から導入され、ケーシング１の空気流路内に圧送される。空気はエアフィルタ５で除塵除臭され、エバポレータ６に入り、そのフィンの間隙を通過する過程でそのチューブ内を流れる冷媒と熱交換することによって冷却され、ヒータ７の上流側空気流路へ送り出される。冷却された空気はエアミックスダンパ８の位置に応じてヒータ７を通過する空気とヒータ７をバイパスする空気に分れ、ヒータ下流側で再び混合されて温度が調節され調和空気となって、図示していない吹出口切換モードダンパで選択された吹出口から車室内へ吹出される。
【０００７】
エアフィルタ１５の装着のために、図５に示されるように、クーラケース３ａ，３ｂの側面に挿入口１８が設けられている。エアフィルタ１５の本体上面及び下面には図４に示されるように突出したガイド１７ａ，１７ｂが形成され、またクーラケース３ａ，３ｂの上下の内壁面には図４，図５，図６に示されるようにガイドレール１６ａ，１６ｂが設けられている。エアフィルタ１５のガイド１７ａ，１７ｂは上記ガイドレール１６ａ，１６ｂのそれぞれの溝に沿って挿入され、エアフィルタが保持される。図６に示されるように、クーラケース３ａ，３ｂの側面の挿入口１８にはエアフィルタ取付面３２が設けられており、エアフィルタ１５は、そのフランジ３３が風もれ防止用のインシュレーション３４を介してネジ止めされることによって固定される。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
従来の車両用空調装置を雨天時に外気を導入して運転すると、外気吸込口から空気と共に吸込まれた雨水は、下側クーラケースの底面に設置されているガイドレール１６ｂに堰止められ、ガイドレール根元部のクーラケース３ｂの底面に溜り込み、溜った水はクーラケースのフィルタ取付面とエアフィルタのフランジとの間に介在するインシュレーション３４に滲み込んで、ついには水滴となってインシュレーション部から装置外部に洩れ、車両内の床面に滴下して床を濡らすという問題があった。
【０００９】
本発明は上記従来技術の欠点を解消し、吸込まれた雨水による車両内の床面の濡れを防止しようとするものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決したものであって、一方の端に空気吸込口、他方の端に空気吹出口を設けたケーシング内の上記空気吸込口と空気吹出口との間に形成された空気流路中に、送風ファン、エバポレータ、エアミックスダンパ、ヒータ、及び吹出口切換モードダンパを備え、上記ケーシングの一部をなす上下二分割構造のクーラケースの側面部に、上記エバポレータの上流側に隣接してエアフィルタを挿入するための挿入口を備え、エアフィルタをクーラケースの上下の内壁に設けられたガイドレールに沿って挿入装着し、上記エバポレータ設置位置のクーラケースの底面にドレンパンとドレンポートを形成した車両用空調装置において、上記下側のガイドレールの上流側のクーラケース底面から上記ドレンパンへ通じる排水用溝を設けたことを特徴とする車両用空調装置に関するものである。
【００１１】
【発明の実施の形態】
図１は本発明の実施の一形態に係る車両用空調装置の縦断面図、図２は同空調装置の中央部にあるクーラケースの側面図、図３は図２のＡ−Ａ断面図である。図１，図３において、２８は下側クーラケース３ｂの底面、２９は下側クーラケース３ｂに設けられた排水用溝であり、下側クーラケースの底面２８より低い位置で、ガイドレール１６ｂの上流側とドレンパン３０とを連通するものである。図２において２９’は下側クーラケースの下部に突出した排水用溝２９のふくらみである。上記以外の部分の構成は従来技術（図４〜図６）と同じであるから説明を省略する。
【００１２】
本装置において、エアフィルタ１５の上流側から進入した雨水は、ガイドレール１６ｂによっていったんは堰止められるが、上記排水用溝２９からドレンパン３０へ流れ、エバポレータのドレンと共にドレンポート３１から装置外に排出される。これによって、フィルタ取付面とエアフィルタフランジとの間に介在するインシュレーションに雨水が滲み込み、水滴となって車両内の床面に滴下して床を濡らすことが防止される。
【００１３】
【発明の効果】
本発明の車両用空調装置においては、下側のガイドレールの上流側のクーラケース底面から上記ドレンパンへ通じる排水用溝を設けてあるので、空気と共に吸い込まれ下側ガイドレールに堰止められた雨水は、排水用溝を経てドレンパンへ流れ、ドレンポートから車両外へ排出されるので、雨水が車室内へ洩れて床面が濡れることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の一形態に係る車両用空調装置の縦断面図。
【図２】同空調装置のクーラケースの側面図。
【図３】図２のＡ−Ａ断面図。
【図４】従来の車両用空調装置の縦断面図。
【図５】同空調装置のクーラケースの側面図。
【図６】図５のＢ−Ｂ断面図。
【符号の説明】
１ ケーシング
２ ファンケース
３ａ，３ｂ クーラケース
４ ヒータケース
５ 送風ファン
６ エバポレータ
７ ヒータ
８ エアミックスダンパ
１３，１４ バンド
１５ エアフィルタ
１６ａ，１６ｂ ガイドレール
１７ａ，１７ｂ エアフィルタ本体のガイド
１８ 挿入口
２８ 下側クーラケースの底面
２９ 排水用溝
２９’ 排水用溝のふくらみ
３１ ドレンポート
３２ エアフィルタ取付面
３３ エアフィルタのフランジ
３４ インシュレーション
４１ 内気吸込口
４２ 外気吸込口
４３ 吹出流路
Claims (1)
- 一方の端に空気吸込口、他方の端に空気吹出口を設けたケーシング内の上記空気吸込口と空気吹出口との間に形成された空気流路中に、送風ファン、エバポレータ、エアミックスダンパ、ヒータ、及び吹出口切換モードダンパを備え、上記ケーシングの一部をなす上下二分割構造のクーラケースの側面部に、上記エバポレータの上流側に隣接してエアフィルタを挿入するための挿入口を備え、エアフィルタをクーラケースの上下の内壁に設けられたガイドレールに沿って挿入装着し、上記エバポレータ設置位置のクーラケースの底面にドレンパンとドレンポートを形成した車両用空調装置において、上記下側のガイドレールの上流側のクーラケース底面から上記ドレンパンへ通じる排水用溝を設けたことを特徴とする車両用空調装置。
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| JP17346396A Expired - Fee Related JP3572146B2 (ja) | 1996-07-03 | 1996-07-03 | 車両用空調装置 |
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