JP3570767B2 - ファインダー装置 - Google Patents

ファインダー装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3570767B2
JP3570767B2 JP05128095A JP5128095A JP3570767B2 JP 3570767 B2 JP3570767 B2 JP 3570767B2 JP 05128095 A JP05128095 A JP 05128095A JP 5128095 A JP5128095 A JP 5128095A JP 3570767 B2 JP3570767 B2 JP 3570767B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
finder
eyepiece
microlens
lens
mark
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05128095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08248479A (ja
Inventor
岳之 山村
隆 水口
信重 小林
和己 小池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP05128095A priority Critical patent/JP3570767B2/ja
Priority to US08/524,365 priority patent/US5664244A/en
Publication of JPH08248479A publication Critical patent/JPH08248479A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3570767B2 publication Critical patent/JP3570767B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Viewfinders (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ファインダー画面の中心を表すターゲットマークや撮影範囲を表す視野枠を被写体画像とともに鮮明に観察することができるようにしたファインダー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンパクトカメラや、予めフイルムを装填した状態で販売されているレンズ付きフイルムユニットのファインダーには逆ガリレオタイプのものが多く用いられている。また、逆ガリレオファインダーで被写体画像とともに撮影範囲の目安となる視野枠像を観察できるようにするために、採光式やアルバダ式が一般に用いられているが、いずれも構造が複雑化してコストアップになりやすい。
【0003】
このような観点から、特開昭52−141637号公報で知られるように、対物レンズあるいはその背後に設けた透明板に視野枠表示用のマークを形成し、このマークを接眼レンズや透明な基板に一体化した視度調節用の凸レンズ光学素子を通して視野枠像として観察できるようにしたものがある。このファインダー装置の場合、最も簡単な構造のものでは、対物レンズにマークを設け、接眼レンズと一体に凸レンズ光学素子を設ければよく、これらのレンズをプラスチックレンズで構成するとほとんどコストアップを生じることがない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報記載のファインダー装置は、接眼側の凸レンズ光学素子によってマークの正立虚像を被写体の虚像位置付近に形成するもので、被写体像を対物レンズと接眼レンズとを通して観察し、またマークの像を凸レンズ光学素子を通して観察する場合には問題はない。しかし、特に凸レンズ光学素子を通してマークの像を観察したときには、被写体像の一部は対物レンズと接眼レンズとの他に、さらに凸レンズ光学素子を通して観察される。このため、被写体からの光束のうち凸レンズ光学素子を通った光束は凸レンズ光学素子のパワー(屈折力)の分だけ余計に屈折されることになり、この結果、被写体像の一部は対物レンズと接眼レンズとを通して観察される本来の被写体像とは視度が相違してくる。
【0005】
一般に撮影者がファインダー観察を行うときには、被写体像を注視するのが普通であり、したがってほとんどの場合、撮影者は対物レンズと接眼レンズを通して被写体像を観察し、凸レンズ光学素子を通して得られる視野枠像は補助的に観察しているだけである。このような状態では、視野枠像が多少不鮮明ではあるものの、被写体像そのものは鮮明に観察できるためあまり不都合はないが、逆に撮影画面範囲の確認のために凸レンズ光学素子を通して視野枠像を注視したときには、被写体像に対して視度が合わなくなる。したがって、被写体像そのものが不鮮明になり、撮影画面範囲の確認が困難になる。
【0006】
このような弊害は、視野枠像よりも特にファインダー画面の中心を表示するために対物レンズの中央部にターゲットマークを形成し、これを接眼レンズの中央部に設けた凸レンズ光学素子を通して観察しようとするときに顕著となる。というのは、この場合、凸レンズ光学素子は被写体中央部分からの光束を余分に屈折させて被写体像を本来の位置からずらしてしまい、ターゲットマーク像との間に隔たりを生じさせるからである。このような理由から、上記公報記載のファインダー装置では凸レンズ光学素子をファインダー光軸上に設けることを避けており、したがってこのような凸レンズ光学素子を用いて撮影画面の中心をファインダー内に表示することができなかった。
【0007】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、撮影範囲を表す視野枠マークはもとより、撮影画面の中心を表すターゲットマークについても、その背後に設けられたマイクロレンズを通して被写体像とともに鮮明に観察することができるようにしたファインダー装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、ファインダー光路内に撮影画面の中心を表すターゲットマークを設け、その像を接眼側の透明な基板に一体に形成したマイクロレンズを通して観察する構成を採るにあたり、マイクロレンズを微少な外径にして、被写体からの光束の大部分がマイクロレンズの非形成領域を通って観察できるようにしたものである。ファインダー装置を負パワーの対物レンズと正パワーの接眼レンズとを用いた逆ガリレオ式にものにする場合には、ターゲットマークを対物レンズのいずれかの面に、そしてマイクロレンズを接眼レンズのいずれかの面に形成することによって、付加部品を用いることなく本発明のファインダーを簡便に構成することができる。
【0009】
さらに、ターゲットマークあるいは視野枠マークを観察したときに、マイクロレンズを通らない光束によって被写体像を適切に観察することができるようにするためには、マイクロレンズを形成した基板からアイポイントまでの距離をe、ファインダー光軸を含む断面でのマイクロレンズのレンズ面両端がアイポイントに対して張る角度を2θとしたとき、
0.5≦2e・tanθ≦2.5
を満足させるのが有効である。これにより、撮影者が眼をマイクロレンズを通してマークを観察しようとしたときでも、マイクロレンズを通さない本来の被写体像も同時に眼に入射するようになり、撮影者はマークの像とともにその本来の被写体像も同じ視度のままで観察することができるようになる。
【0010】
また、本発明では、ファインダー装置を構成する対物レンズ及び接眼レンズのパワーをそれぞれp,p、ファインダー倍率をβ、接眼レンズとマイクロレンズとの合成パワーをpとしたとき、
0.05≦(p/|p|)×β≦0.25
の条件が満たされるようにしてある。この条件式の下限は、対物レンズと接眼レンズとのレンズ間隔が極端に短くなることを規制しており、結果的にマークの像を被写体像の位置付近に形成するためのマイクロレンズのパワーが大きくなり過ぎないようにしている。マイクロレンズのパワーが大きくなり過ぎるとその製造公差が厳しくなって製造しにくくなる。条件式の上限は、逆に対物レンズと接眼レンズとの間隔が長くなることを規制する。これにより、携帯使用されるカメラの大型化を防ぐと同時に、マイクロレンズのパワーが小さくなり過ぎないようにしている。マイクロレンズのパワーが小さくなり過ぎると、マークを設ける位置を対物レンズよりも物体側に離さなくてはならず、実用的でない。
【0011】
本発明のファインダー装置の光学系としては、基本的には逆ガリレオ式のものが好適で、この場合、対物レンズのいずれかの面またはその近傍にマークを設け、接眼レンズのいずれかの面にマイクロレンズを一体に形成することができる。また、マイクロレンズのパワーを適切に決めることによって、マークとマイクロレンズを対物レンズの物体側の面と接眼側の面に設けることも可能である。さらに、対物レンズと接眼レンズとの間に透明な平行平面板を配置することによって、マーク及びマイクロレンズを設ける位置に自由度を持たせ、製造適性を考慮してこれらの位置を選択することができる。マークの種類としては、ファインダー画面内に撮影範囲を表す視野枠マークの他、ファインダー画面の中心を表すターゲットマークがある。ターゲットマークは、単にフレーミングのときに撮影範囲の中心を確認するための用途だけでなく、オートフォーカス装置を内蔵したカメラでは測距エリアを表示することにも利用することができる。
【0012】
複数種類の視野枠マークを必要とするカメラなどの場合、対物レンズや透明な平行平面板の同一面にこれらの視野枠マークを形成しておいたとしても、所定のマイクロレンズを選択することによって適切な視野枠マークだけを視野枠像としてファインダー内に表示することができる。このためには、ファインダー光路内でスライドされる透明な基板に、視野枠マークの種類に対応した位置にそれぞれマイクロレンズを形成しておき、透明板を移動させて所定のマイクロレンズをファインダー光路内にセットしたり、あるいは複数種類のマイクロレンズが形成された基板の前あるいは後で切換え部材を移動させ、所定のマイクロレンズのみを選択してファインダー光路内に露呈させればよい。
【0013】
【実施例】
本発明を用いた逆ガリレオ式ファインダーを示す図1において、負パワーの対物レンズ2及び正パワーの接眼レンズ3はそれぞれプラスチックで成形されている。対物レンズ2の接眼側の面には、リング状のターゲットマーク4が形成されている。このターゲットマーク4はファインダー画面の中心をファインダー内表示するために用いられる。ターゲットマーク4は、図2あるいは図3に示すように、対物レンズ2の接眼側のレンズ面に断面が三角形状となる突起をリング状に形成したもので、レンズ面を成形するときに一体に形成される。
【0014】
なお、このターゲットマーク4は、リング状の凹部としてレンズ面に一体成形したり、薄膜の蒸着や、黒又は光透過性の色つきインクでプリントして形成することができる他、対物レンズ2の成形金型の該当個所を粗面にしたり、あるいは成形後に該当個所にサンドブラストをかけて粗面するなど種々の手法により形成することができるが、図示した実施例のように突起形状にすると、対物レンズ2の成形金型の型構造が最も簡単になり、製造コストを安くする上で有利である。また、接眼レンズ3の背後に透明な平行平面板からなる基板を設け、この基板にマイクロレンズ5を一体成形して用いることも可能である。
【0015】
接眼レンズ3の接眼側の面にはマイクロレンズ5が一体に成形され、接眼レンズ3はマイクロレンズ5を一体に支持する透明な基板としても用いられている。図2は上記ファインダー光学系による光路を概略的に示している。被写体7からの光線は、実線で示すように対物レンズ2,接眼レンズ3を通って接眼レンズ3の射出瞳8に達する。射出瞳8に撮影者のアイポイントEPを合わせると、被写体像10は破線で示す位置に正立の虚像として観察される。一般に、被写体像10は撮影者が0〜−1ディオプターの視度で観察できる位置に決められ、これに合わせて対物レンズ2及び接眼レンズ3のパワーが決められる。
【0016】
一方、マイクロレンズ5を通してターゲットマーク4を観察すると、マイクロレンズ5のもつ屈折力(正パワー)によってターゲットマーク像は被写体像10とほぼ同じ位置に観察される。これにより、撮影者は被写体像10とターゲットマーク像とを同じ視度で同時に観察することができるようになる。この実施例では、ターゲットマーク4及びマイクロレンズ5を対物レンズ2,接眼レンズ3に各々一体成形してあるから、逆ガリレオ式ファインダーの基本的な構成部品だけで所期の機能を得ることができるため、これまでのファインダーと比較してほとんどコストアップになることはない。また、ターゲットマーク4及びマイクロレンズ5を形成するにしても、対物レンズ2,接眼レンズ3の成形に用いられる金型に各々に対応する溝や凹部を設けておくだけで成形後の後加工を必要としないから、量産適性に優れている。
【0017】
ここで、上記のように対物レンズ2にターゲットマーク4を一体成形し、接眼レンズ3にマイクロレンズ5を一体成形することを前提とした上で、対物レンズ2の焦点距離をf、接眼レンズ3の焦点距離をf、各々の逆数であるパワーをそれぞれp,pとすると、被写体像10を視度Dで観察できるようにするためのレンズ間隔dは、近軸領域及び薄肉レンズの近似計算によれば、
d=〔1000×(p+p)−D〕/(1000×p×p−D×p
で求められる。一方、このときのファインダー倍率βは、
β=1/〔(1−p×d)−(p+p−p×p×d)×e〕
で表される。なお、eは接眼レンズ3の主点からアイポイントまでの距離を示している。
【0018】
接眼レンズ3とマイクロレンズ5との合成焦点距離をf、合成パワーをpとすると、近似的にレンズ間隔dだけ離れた位置にあるターゲットマーク4の像を被写体像10と同じ位置で観察できるようにするための条件は、
1/f=p=(1000+d×d)/(1000×d)
となる。そこで、レンズ間隔dが30mm以内、合成焦点距離fが4mmを下回らないように実用的な範囲で制限を設けると、
0.05≦(p/|p|)×β≦0.25 ・・・▲1▼
の条件が得られる。なお、次表は具体的な数値を用いて検討した結果をまとめたものである。
【0019】
【表1】
Figure 0003570767
【0020】
条件式▲1▼の範囲で対物レンズ2及び接眼レンズ3の焦点距離f,f,合成焦点距離f,レンズ間隔dを設定することによって、被写体像10とターゲットマーク4の像とを同じ視度のもとで同時に観察することが可能となる。
【0021】
ところで、ターゲットマーク4を観察するときには、被写体からの光束の一部はマイクロレンズ5を通って撮影者の目に達する。本来、被写体からの光束Pは、図3に示すように、対物レンズ2に入射して発散された後、焦点距離f(基本的には入射面の曲率半径Rと射出面の曲率半径Rで決まる)の接眼レンズ3のうち、マイクロレンズ5が形成されていない領域を通って瞳孔径Tの肉眼に入射することを前提としている。したがって、被写体からの光束Pのうち、マイクロレンズ5の形成領域を通った光束は、マイクロレンズ5のレンズ面の曲率半径Rの分だけ多く屈折され、本来の被写体像10とは異なった位置に虚像を形成することになる。
【0022】
しかし本発明では、射出瞳8におかれた肉眼の瞳孔径Tに入射する被写体からの光束Pのうち、マイクロレンズ5の非形成領域を通る光束に対し、マイクロレンズ5を通る光束をわずかなものにしている。したがって、肉眼の視度は光軸上の点Aにある被写体像10に対して合わせられ、ターゲットマーク4の像とともに被写体像10を鮮明に観察することができるようになる。このような作用を得るためには、瞳孔径Tに対してマイクロレンズ5の外径を小さくすればよいが、マイクロレンズ5の外径はアイポイントEP、すなわちファインダ観察時に撮影者が目をおく位置(接眼レンズ3の射出瞳位置)から見込む角度として設定するのが合理的である。
【0023】
そこで、接眼レンズ3の主点からアイポイントEPまでの距離をeとし、ファインダー光軸を含む断面でのマイクロレンズ5のレンズ面両端(図では上端と下端となる)がアイポイントEPに対して張る角度を2θとしたとき、肉眼の瞳孔が最も絞られたときの瞳孔径Tが2.5mm程度であることを考慮して、
0.5≦2e・tanθ≦2.5 ・・・▲2▼
の条件が満たされるようにしてある。マイクロレンズ5の外径が大きくなって、条件式▲2▼の上限を上回った場合には被写体像の観察がしにくくなり、逆にマイクロレンズ5の外径が小さくなって条件式▲2▼の下限を下回った場合には、ターゲットマーク4の像が観察しにくくなり、また精度管理も厳しくなって製造が難しくなる。
【0024】
図4は本発明の他の実施例を示す。この実施例では、対物レンズ2の物体側の面に十字形のターゲットマーク12の他に、視野枠マーク13を形成したものである。視野枠マーク13は対物レンズ2の4隅に設けられ、ファインダー画面内に撮影範囲を表示する。これらのマーク12,13は、接眼レンズ3の物体側の面に一体に形成された5個のマイクロレンズ5を通し、それぞれ被写体像と同一視度で観察することができる。なお、これらのマイクロレンズ5も上述した条件式▲1▼,▲2▼を満足するものである。また、マーク12,13を対物レンズ2の接眼側の面に設けたり、マイクロレンズ5を接眼レンズ3の接眼側(図中の背面側)の面に設けてもよい。この実施例の場合、全てのマイクロレンズ5を同じ外径のものとしたとき、接眼レンズ3の周辺部分に設けられたマイクロレンズ5のレンズ面両端外径がアイポイントに対して張る角度は、中央部に設けたマイクロレンズ5よりも小さくなるが、条件式▲2▼が満足されていれば何ら差し支えない。
【0025】
図5に示す実施例では、対物レンズ2の物体側の面に図4の実施例と同様のマーク12,13を形成し、対物レンズ2の接眼側の面にマイクロレンズ5を形成したものである。このような配置でも、マイクロレンズ5のパワーを適宜に決めてやれば、各マーク12,13の像を被写体像と同じ視度で観察することができる。この実施例の場合、対物レンズ2に各マーク12,13とマイクロレンズ5とを一体化してあるから、ファインダ組み立て時に対物レンズ2と接眼レンズ3との位置決めを厳密にしなくても各マーク12,13の像を良好に観察することができる利点がある。また、条件式▲2▼に関してもマイクロレンズ5の外径を大きくすることができ、製造しやすくなる。
【0026】
図6に示す実施例では、対物レンズ2と接眼レンズ3との間に透明なプラスチックで一体に成形された2枚の平行平面板15,16を挿入してある。物体側の平行平面板15にはターゲットマーク4が形成され、接眼側の平行平面板16には、これまでの実施例と同様にマイクロレンズ5が一体に形成されており、全く同様の作用を得ることができる。この例の場合、対物レンズ2の物体側及び接眼側の面、平行平面板15,16の各面、接眼レンズ3の物体側及び接眼側の面と合計で8面ある。そして、その中の2面を適宜に選択してターゲットマーク4とマイクロレンズ5を設けることができる。
【0027】
図7は本発明のさらに他の実施例を示す。この実施例は、ファインダー画面の上下に視野枠像を表示するためのもので、対物レンズ2と接眼レンズ3との間に一枚の平行平面板18を配置してある。平行平面板18の物体側の面には紙面と垂直な方向に延長した一対の凸条19が形成され、その前面に直線状の視野枠マーク20が設けられている。平行平面板18の接眼側の面には、各々の視野枠マーク20の長手方向の中央と対向するように、一対のマイクロレンズ5が形成されている。
【0028】
平行平面板18の厚みEは1mm、マイクロレンズ5の外径Sは0.6mm、曲率半径は1mm、視野枠マーク20とマイクロレンズ5の頂点との間隔Fは2.75mmとなっている。図中に破線で示すように、視野枠マーク20からの光束は発散しながら射出瞳8に向かうので、マイクロレンズ5の外径Sは小さくても充分である。なお、間隔Fを大きくした場合にはマイクロレンズ5のパワーを小さくすることができる。
【0029】
また、マイクロレンズ5に代えて、紙面と垂直な方向に伸ばしたシリンドリカルレンズを平行平面板18に一体化してもよい。この場合のマイクロレンズの外径Sは、シリンドリカルレンズのパワーをもつ方向での幅に対応する。さらに、このような平行平面板18を常時ファインダー光路内に入れて通常の視野枠像をファインダー内表示するだけでなく、一対の視野枠マーク20の相互間隔を狭めてパノラマ撮影画面用の視野枠マークとし、パノラマ撮影の切替え操作に連動してこの平行平面板18をファインダー光学系内に挿入するようにしてもよい。
【0030】
図8に示す実施例は、ファインダー鏡筒24の内壁に突設した突条25を視野枠マークに用いている。接眼レンズ3の接眼側の面に、これまでと同様な構成をもった一対のマイクロレンズ5が一体化されており、突条25のエッジをマイクロレンズ5を通して視野枠像として観察することができる。なお、対物レンズ2よりも物体側に前記突条25を設けることも可能であり、もちろん対物レンズ2の物体側に透明な平行平面板を配置し、この平行平面板に視野枠マークを設けるようにしてもよい。
【0031】
さらに図9に示す実施例では、凹レンズからなる対物レンズ2と、凸レンズからなる接眼レンズ28により逆ガリレオ式ファインダーが構成されている。対物レンズ2の接眼側の面の四隅には視野枠マーク13が形成され、これに対応して接眼レンズ28の接眼側の平面29の周辺部には正パワーをもつリング状のマイクロレンズ30が形成されている。
【0032】
逆ガリレオ式ファインダーを構成するために接眼レンズ28に付与されるパワーは前面側の凸面31で与えられており、被写体像は対物レンズ2と接眼レンズ28の凸面31,平面29を通して所定の位置に観察される。そして、リング状のマイクロレンズ30を通すことによって視野枠マーク13の虚像が被写体像の位置近傍に形成される。この実施例でも被写体からの光束の一部はマイクロレンズ30を通して観察されるが、被写体からの光束のほとんどは平面29を通って肉眼に入射するから、視野枠マーク13の像を観察するときの視度で被写体像を観察することができる。なお、上記マイクロレンズ30の場合、ファインダー光軸を含む断面では2個所のレンズ面が形成されるが、おのおののレンズ面の両端がアイポイントに対して張る角度2θの値が条件式▲2▼を満足していればよい。
【0033】
図10に示す実施例では、対物レンズ2の物体側の面にパノラマ撮影用の視野枠マーク35と、Cサイズ撮影用の視野枠マーク36とが形成されている。接眼レンズ3の背後には、透明な基板37が左右方向にスライド自在に設けられている。基板37は、標準エリア37aと、パノラマエリア37bと、Cサイズエリア37cに分けられており、周知のクリックバネをクリック溝38のいずれかに係合させることによって、標準エリア37a,パノラマエリア37b,Cサイズエリア37cのいずれかを接眼レンズ3の背後に位置決めすることができる。
【0034】
89mm×158mmサイズ(ハイビジョンアスペクト比)のプリント写真を意図したときには、撮影モード切換え操作部により標準撮影が選択され、この選択操作に連動して接眼レンズ3の背後には図示のように標準エリア37aが位置決めされる。標準エリア37aは単に平行平面板になっているだけなので、接眼レンズ3を通して被写体像を観察したときにはいずれの視野枠マーク35,36にも視度が合わず、被写体像だけが観察される。
【0035】
89mm×254mmサイズ(パノラマサイズ)のプリント写真を意図したときにはパノラマ撮影が選択され、その選択操作に連動して基板37が図中左方にスライドされる。これにより、接眼レンズ3の背後にパノラマエリア37bが位置決めされる。また、この状態で撮影操作を行ったときには、パノラマ撮影が選択されたことを表すデータがフイルムに光学記録される。パノラマエリア37bには、その上下に一対のマイクロレンズ5が設けられているから、これらのマイクロレンズ5を通して視野枠マーク35の像を被写体像と同じ視度で観察することができる。なお、他方の視野枠マーク36については、やはり視度が合わないのでその像は観察されることはない。
【0036】
89mm×127mmサイズ(従来のLプリントサイズ)のプリント写真を意図したときにはCサイズ撮影が選択され、その選択操作に連動して基板37が最も左方にスライドされる。これにより、接眼レンズ3の背後にCサイズエリア37cが位置決めされる。また、この状態で撮影操作を行ったときには、Cサイズ撮影が選択されたことを表すデータがフイルムに光学記録される。Cサイズエリア37cには、その左右に一対のマイクロレンズ5が設けられているから、これらのマイクロレンズ5を通して視野枠マーク36の像を被写体像と同じ視度で観察することができる。なお、他方の視野枠マーク35については、やはり視度が合わないのでその像は観察されることはない。
【0037】
そして、この実施例においてもこれまでの実施例と同様に、条件式▲1▼,▲2▼が満足されるようにマイクロレンズ5の大きさが決められているから、視野枠マーク35,36を確認しようとしたときに被写体像がボケたりすることはなく、またファインダ光学系が必要以上に大型化したり、マイクロレンズ5のパワーが大きくなり過ぎてマイクロレンズの成形が困難になることはない。なお、この実施例を変形して用いることによって、例えばパララックス補正用の視野枠マークを選択的にファインダー内表示することも可能である。
【0038】
前述した実施例のように、複数種類の視野枠マークの中から所定のものを選択してファインダー内表示するには、図11の実施例のように構成することも可能である。この実施例では、対物レンズ2の物体側の面に標準撮影用の視野枠マーク40aと、パノラマ撮影用の視野枠マーク40bとが形成されている。接眼レンズ3の物体側の面には、前記視野枠マーク40a,40bに対応してマイクロレンズ5a,5bが設けられている。
【0039】
接眼レンズ3の前面に接近して切換え板42が上下方向にスライド自在に設けられている。切換え板42は透明な平行平面板からなり、標準エリア42aとパノラマエリア42aとを有し、そのいずれかのエリアをファインダー光路内に選択的に挿入することができる。標準エリア42aには円形の遮光部43aが設けられ、標準エリア42aがファインダー光路に挿入されたときに、図12に示すようにマイクロレンズ5bの前面に位置する。また、パノラマエリア42aには同様の遮光部43bが設けられ、パノラマエリア42bがファインダー光路に挿入されたときに、マイクロレンズ5aの前面に位置する。
【0040】
撮影モード切換え操作部で標準撮影を選択すると、図12に示すようにマイクロレンズ5bがファインダー光路内で遮光部43aによって遮蔽されため、アイポイントEPからファインダー画面を観察したときには、対物レンズ2と接眼レンズ3を通して被写体像が観察されるとともに、マイクロレンズ5aを通して標準撮影用の視野枠ーク40aの像とを観察することができ、パノラマ撮影用の視野枠マーク40bはファインダー画面内に表示されることはない。また、パノラマ撮影を選択すると切換え板42がさらに上方にスライドし、遮光部43bによってマイクロレンズ5aが遮蔽される。したがって、この場合には標準撮影用の視野枠マーク40aの像は観察されず、被写体像とともにパノラマ撮影用の視野枠マーク40bの像だけが観察されるようになる。
【0041】
これらのマイクロレンズ5a,5bは、やはり上述した条件式▲1▼,▲2▼を満足する形状となっているため、いずれの視野枠マークがファインダー画面内に表示されるときでも、被写体像は対物レンズ2と接眼レンズ3で決まる所定の位置に虚像として観察され、各視野枠マークの虚像は被写体像の位置付近に形成されるようになり、被写体像と視野枠マークの像とを同じ視度で鮮明に観察することができる。なお、切換え板42を接眼レンズ3に近づけて配置しているため、遮光部43a,43bによって被写体像の一部が丸く欠けたりすることはない。また、この切換え板42を横方向にスライドさせて切換えたり、切換え板42を接眼レンズ3のアイポイント側に接近して配置することも可能である。
【0042】
以上、図示した実施例をもとに本発明について説明してきたが、本発明は逆ガリレオ式ファインダー以外のもの、例えば透視式ファインダーや物体側に正パワー,接眼側に負パワーのレンズを用いたガリレオ式ファインダーにも適用することができる。
【0043】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、ファインダー光路中に撮影画面の中心を表すターゲットマークを設け、これを接眼側に設けたマイクロレンズを通して観察できるようにするにあたり、マイクロレンズを微少なものにすることによって、ターゲットマークを観察するときでも被写体からの光束の多くをマイクロレンズの非形成領域を通して撮影者の目に入射させるようにしてあるから、被写体からの光束の一部がマイクロレンズを通って目に入射してもその影響をほとんどなくし、被写体像とターゲットマークとを同じ視度で鮮明に観察することができるようになる。
【0044】
また、ターゲットマークや視野枠マークを虚像にして観察するためのマイクロレンズの外径や、ファインダ倍率とマイクロレンズのパワーを適切な範囲に規定してあるから、これらのマークの像を確認しようとしたときに、被写体像が見にくくなったり、あるいはファインダー光学系が複雑化したりマイクロレンズの成形が困難になるといった不都合はなく、ファインダー装置も大型化しない。
【0045】
さらに、本発明を逆ガリレオ式ファインダーに適用するときには、対物レンズと接眼レンズという基本的な構成部品にマークやマイクロレンズを一体に設けることができるから、ローコストで所期の機能を達成することができる。また、マイクロレンズによる視度調節機能を積極的に利用し、複数種類の視野枠マークの中から所定のものだけを選択してファインダー内表示することも簡便に行うことができ、視野枠の切換え機構を簡略化することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】逆ガリレオ式ファインダーに本発明を用いた一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す実施例のファインダー光路の概略を示す説明図である。
【図3】図1の実施例において、被写体中心部分からの光束がマイクロレンズに入射したときの様子を示す説明図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図5】本発明の別の実施例を示す斜視図である。
【図6】本発明のさらに別の実施例を示す斜視図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例を示す概略断面図である。
【図8】ファインダー鏡筒を利用した実施例を示す概略断面図である。
【図9】本発明のさらに異なる実施例を示す斜視図である。
【図10】視野枠マークの切替え機能をもった実施例を示す斜視図である。
【図11】視野枠マークの切替え機能をもった他の実施例を示す斜視図である。
【図12】図11に示す実施例の作用説明図である。
【符号の説明】
2 対物レンズ
3 接眼レンズ
4 ターゲットマーク
5 マイクロレンズ
7 被写体
10 被写体像
12 ターゲットマーク
13 視野枠マーク
15,16,18 平行平面板
19 突条
20 視野枠マーク
24 ファインダー鏡筒
25 突条
28 接眼レンズ
29 平面
30 マイクロレンズ
35,36 視野枠マーク
37 基板
40a,40b 視野枠マーク
42 切換え板
43a,43b 遮光部

Claims (5)

  1. ファインダー光軸上に撮影範囲の中心を表すターゲットマークを設け、ファインダー光軸上のアイポイントから観察したときに前記ターゲットマークの像を被写体像とともにファインダー画面内で視認できるようにしたファインダー装置において、
    前記ターゲットマークよりも接眼側に設けられた透明な基板のファインダー光軸上に微小な外径の正パワーのマイクロレンズを一体成形し、マイクロレンズの非形成領域を通る光束により被写体像が観察され、かつマイクロレンズの形成領域を通った光束により前記ターゲットマークの虚像が前記被写体像の位置付近で観察されるように構成し、前記基板からアイポイントまでの距離をe(mm)、ファインダー光軸を含む断面でのマイクロレンズのレンズ両端面がアイポイントに対して張る角度を2θとしたとき、
    0.5≦2e・tanθ≦2.5
    を満足することを特徴とするファインダー装置。
  2. 前記ファインダー装置は、パワーがそれぞれp1 ,p2 の対物レンズと接眼レンズとを備え、ファインダー倍率をβ、接眼レンズとマイクロレンズとの合成パワーをp3 としたとき、
    0.05≦(p3 /|p2 |)×β≦0.25
    を満足することを特徴とする請求項1記載のファインダー装置。
  3. 前記ファインダー装置は、p1 が負、p2 が正の逆ガリレオ式ファインダー光学系で構成され、前記ターゲットマークは対物レンズのいずれかの面もしくはその近傍に設けられた透明な平行平面板に形成され、マイクロレンズは接眼レンズのいずれかの面に一体成形されていることを特徴とする請求項1又は2記載のファインダー装置。
  4. 前記ファインダー装置は、p 1 が負、p 2 が正の逆ガリレオ式ファインダー光学系で構成され、前記ターゲットマークは対物レンズのいずれかの面もしくはその近傍に設けられた透明な平行平面板に形成され、マイクロレンズは対物レンズと接眼レンズとの間、もしくは接眼レンズの背後に設けられた透明な基板に一体成形されていることを特徴とする請求項1又は2記載のファインダー装置。
  5. 前記ターゲットマークが一体成形されたレンズ面又は基板面に撮影範囲を示す視野枠マークが設けられ、マイクロレンズが一体成形されたレンズ面又は基板面には前記視野枠マークに対応して微小な外径の別のマイクロレンズが一体成形され、この別のマイクロレンズを通して視野枠マークの虚像が被写体像の位置付近で観察されるようにしたことを特徴とする請求項3又は4記載のファインダー装置。
JP05128095A 1994-09-06 1995-03-10 ファインダー装置 Expired - Fee Related JP3570767B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05128095A JP3570767B2 (ja) 1994-09-06 1995-03-10 ファインダー装置
US08/524,365 US5664244A (en) 1994-09-06 1995-09-06 Viewfinder device

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-212674 1994-09-06
JP21267494 1994-09-06
JP7-4369 1995-01-13
JP436995 1995-01-13
JP05128095A JP3570767B2 (ja) 1994-09-06 1995-03-10 ファインダー装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08248479A JPH08248479A (ja) 1996-09-27
JP3570767B2 true JP3570767B2 (ja) 2004-09-29

Family

ID=27276240

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05128095A Expired - Fee Related JP3570767B2 (ja) 1994-09-06 1995-03-10 ファインダー装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3570767B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5712345B2 (ja) 2011-11-10 2015-05-07 オプテックス株式会社 目視照準器および目視照準器を備えた防犯センサ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08248479A (ja) 1996-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3387524B2 (ja) 変倍ファインダ光学系
US5664244A (en) Viewfinder device
JP2008096552A (ja) 観察光学系、鏡胴ユニットおよびカメラ
JP2001255472A (ja) ファインダー装置及びそれを用いた光学機器
JP3570767B2 (ja) ファインダー装置
US6584282B2 (en) Finder optical system and camera having the system
JP3681132B2 (ja) ズームファインダー
JPH06138387A (ja) 変倍ファインダー光学系
JP2621446B2 (ja) 変倍ファインダー
JP4149683B2 (ja) 変倍ファインダアタッチメント
JP2006171658A (ja) ファインダー光学系及びそれを備えた撮像装置
JPH05288989A (ja) ファインダ光学系
JP3092402B2 (ja) データバック装置を有したカメラ
US6314242B1 (en) Single-lens reflex view finder
JP3724678B2 (ja) ファインダー
JPH05288990A (ja) 変倍ファインダ光学系
JP3147473B2 (ja) アルバダ式逆ガリレオファインダー
KR100189058B1 (ko) 파인더
JP2546330B2 (ja) 実像式ファインダー光学系
JP3006226B2 (ja) Ttl測光機能を有するファインダ光学系
JP2002082370A (ja) ファインダー系及びそれを用いた光学機器
KR100222593B1 (ko) 파인더
JPH05289147A (ja) ファインダ光学系
JPH05288988A (ja) 変倍ファインダ
JPH08248478A (ja) カメラ用アルバダファインダー

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040123

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040128

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040329

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040526

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040622

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080702

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080702

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090702

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees