JP3681132B2 - ズームファインダー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスチルカメラや電子スチルカメラに搭載されるズームファインダーに関し、特に小型のコンパクトカメラに好適なズームファインダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年種々のズームレンズ付きカメラが開発され、それに伴いズームファインダーも種々のタイプのものが知られている。さらに、最近では、カメラの小型化促進の要求に応じて、それに搭載されるズームファインダーも狭いスペースで構成することが必要となってきている。このため狭いスペースに収容し得る正立系の実像式ズームファインダーが多用されているが、実像式ファインダーは高価であり、カメラの低廉化という要求にはそぐわない。そのため、安価で、狭いスペースに搭載可能なズームファインダーが求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
安価なズームファインダーとしては、従来、例えば特開平2-116811号公報に開示された4枚レンズ構成のアルバタ式逆ガリレオズームファインダーが広く知られている。このタイプのズームファインダーは、視野枠表示系として固定のハーフレンズと、接眼レンズ近傍に配設した視野枠のレチクルとを有し、これら両者を所定の距離だけ隔てて配置することが必要となるため、ファインダー全長が比較的長くなり対物レンズも大型化することとなるので、コンパクトなカメラに搭載するものとしては必ずしも適当ではない。
【0004】
また特開昭63-158516号公報に記載された技術、は本発明のものと同じ3枚レンズ構成であるが、接眼レンズに45゜のハーフコート面を用いるためレンズ系全体がどうしても厚くなり、ファインダーが上記従来技術と同様に大型化し、安価に製造することが困難である。
【0005】
また視野枠表示のないズームファインダーとしては、例えば特開昭61-160712号公報や特開昭61-167918号公報に開示されたものが知られている。これらのファインダーはいずれも移動レンズ群が2群必要であり、また、視野枠表示機能を付加しようとするとファインダー全長が長くなってカメラ全体が大型化してしまう。
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、安価な逆ガリレオタイプの構成としつつコンパクト化を図り得るズームファインダーを提供することを目的とするものである。
さらに、ファインダーの視野内に撮影視野内外情報を良好に表示し得るズームファインダーを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のズームファインダーは、物体側から順に、正の屈折力を有する対物レンズと、光軸上で移動可能な負の屈折力を有する移動レンズと、物体側に凹面を有する接眼レンズを配列してなるズームファインダーにおいて、該接眼レンズの物体側の面の近軸曲率半径をR5、眼側の面の近軸曲率半径をR6とし、該接眼レンズの中心厚をd5としたとき、
(1)0.6<R5/R6<0.9
且つ、R5<0.0
(2)−1.8<d5/R5<−1.4
なる条件式(1)、(2)を満足することを特徴とするものである。
【0007】
また、前記接眼レンズの物体側の面の少なくとも一部がハーフコート面とされ、かつ該接眼レンズの眼側の面の、ファインダー視野光束により決まるファインダー視野の有効寸法領域より外側に反射面が形成され、
該接眼レンズの物体側に、撮影視野に関する視野内外表示情報を表示するためのレチクルが配設され、該レチクル配設位置もしくはその近傍を通過した物体側からの光により形成される該レチクルの像が、該接眼レンズにより撮影視野領域の境界域を識別し得る位置に表示するのが好ましい。
また、該接眼レンズの眼側の面に形成された反射面は、光軸上に曲率の中心を有する球面または非球面で構成するのが好ましい。
【0008】
また、該接眼レンズにおいて、該レチクル配設位置もしくはその近傍を通過してから入射した光束が内面反射される反射面を少なくとも2面以上設けるのが好ましい。
さらに、該レチクル配設位置もしくはその近傍を通過した光束が入射する該接眼レンズの光入射面、または該レチクルから該光入射面までの光路に配された光学部材の光入射面を、該レチクルの表示像を視度補正するためのレンズ作用をなす曲面とするのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1〜3には実施例1〜3に係るコンパクトな3枚レンズ構成のズームファインダーが示されている。すなわち、これらのファインダーは、物体側より順に、正の屈折力を有する対物レンズL1 と、負の屈折力を有する移動レンズL2 と、物体側に凹面を有し、負の屈折力を有する接眼レンズL3とからなり、ズーミング時には移動レンズL2が各図に示される移動軌跡にしたがって光軸Xに沿って移動することにより、ファインダー倍率を変化させるようにしている。
【0010】
なお、光軸Xと平行にファインダーに入射した平行光束はアイポイント位置E.P.に結像される。
また、いずれの実施例においても、対物レンズL1は、物体側に強い曲率の面を有する両凸レンズであり、移動レンズL2は、眼側に強い曲率の面を有する両凹レンズであり、接眼レンズL3は、物体側に強い曲率の凹面を有するメニスカスレンズである。
【0011】
また、該接眼レンズL3の物体側の面の近軸曲率半径をR5、眼側の面の近軸曲率半径をR6とし、該接眼レンズL3の中心厚をd5としたとき、
(1)0.6<R5/R6<0.9
且つ、R5<0.0
(2)−1.8<d5/R5<−1.4
なる条件式(1)、(2)を満足する。
【0012】
このように、接眼レンズL3の物体側の面を曲率の強い凹面として構成し、接眼レンズL3の前側焦点位置をできるだけ接眼位置に近づけることにより、正の対物レンズL1と負の移動レンズL2の合成焦点位置までの距離を短くすることができ、移動レンズL2の広角端側から望遠端側への移動量を小さくすることができ、ファインダー全体としてレンズ長を短いものとすることができる。
【0013】
次に、上記条件式(1),(2)の技術的意義について説明する。
条件式(1)は、接眼レンズL3の、物体側の面の近軸曲率半径R5と眼側の面の近軸曲率半径R6との比R5/R6を規定するものである。
【0014】
この条件式(1)の下限を下まわると屈折力が強い正のメニスカスレンズとなるので、さらに小型化が可能ではあるが、対物レンズL1と移動レンズL2各々の屈折力が強くなり、かつ接眼レンズL3の物体側の面の曲率も強くなりすぎることとなる。これにより、ファインダー系の性能、特に球面収差、像面湾曲、歪曲収差がレンズ面の非球面化によっても補正できなくなる。また、視野枠を表示するために接眼レンズL3の物体側の面をハーフコート化する場合にも反射角度が大きくなりすぎ、表示のための光束に対し、接眼レンズ光軸の垂直平面上で拡散度が強くなりすぎて光束を制御することが困難となる。
【0015】
一方、この条件式(1)の上限を上回ると、接眼レンズL3の物体側の面の曲率半径が大きくなりすぎて接眼レンズL3の前側焦点位置が物体側に離れた位置となり、この結果、接眼レンズL3と移動レンズL2との間隔が大きくなり、ファインダー全体が大型化するので好ましくない。また、接眼レンズL3の物体側の面の曲率半径が大きくなりすぎ、視野枠表示系の光束とファインダー系光束との距離が十分とれなくなり、視野枠表示用のレチクル位置がファインダー光軸に接近しすぎて表示系として成立しなくなる虞れがある。
【0016】
次に、条件式(2)は、接眼レンズL3の物体側の面の近軸曲率半径R5と接眼レンズL3の中心厚d5との比d5/R5を規定するものである。
この条件式(2)の上限を上回ると、接眼レンズL3の中心厚が小さくなったり接眼レンズL3の物体側面の曲率半径R5が負に大きくなったりして、その前側焦点位置が接眼レンズL3から遠くなり、該接眼レンズL3と移動レンズL2との間隔が拡がってファインダー系全体が大きくなる。また、物体側面の曲率半径R5が負に大きくなると球面収差や像面湾曲が大きくなりファインダー性能が劣化する。
【0017】
一方、条件式(2)の下限を下回ると、接眼レンズL3の中心厚が大きくなり、収差補正上は好ましいが、対物レンズL1が径大化するのでR5を負に小さくしすぎると逆に収差が劣化する。このためファインダー系が大型化しがちであり、コンパクト化の実現が難しくなる。また、中心厚が大きくなると製造コストも上昇し、好ましくない。
【0018】
以下、各実施例をデータを用いて詳細に説明する。
<実施例1>
この実施例1にかかるズームファインダーは、前述したように図1に示す如き構成とされており、このズームファインダーの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔d(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値は表1に示すようになっている。
なお表中の数字は物体側からの順番を表すものである(表4、表7、表10および表12において同じ)。
また、表1中のR値の右側に*が付された面は非球面とされており、下記式(A)で表される非球面形状であることを意味するものである(表4、表7、表10および表12において同じ)。
【0019】
【数1】
Figure 0003681132
【0020】
また、表2には、上式(A)に示される非球面の各定数C,K,a2〜a5 の値を示す。
さらに、表3には、広角端(W)、中間(M)および望遠端(T)の各位置における、ファインダー倍率および各レンズL1、L2、L3の間隔d2、d4が示されている。
【0021】
【表1】
Figure 0003681132
【0022】
【表2】
Figure 0003681132
【0023】
【表3】
Figure 0003681132
【0024】
また、上記表3の下段に示すように、R5/R6=0.8008、d5/R5=-1.5532に設定されており、上式(1),(2)は全て満足されている。
【0025】
<実施例2>
この実施例2にかかるズームファインダーは、前述したように図2に示す如き構成とされており、このズームファインダーの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔d(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値は表4に示すようになっている。
また、表5には、上式(A)に示される非球面の各定数C,K,a2〜a5 の値を示す。
さらに、表6には、広角端(W)、中間(M)および望遠端(T)の各位置における、ファインダー倍率および各レンズL1、L2、L3の間隔d2、d4が示されている。
【0026】
【表4】
Figure 0003681132
【0027】
【表5】
Figure 0003681132
【0028】
【表6】
Figure 0003681132
【0029】
また、上記表6の下段に示すように、R5/R6=0.7938、d5/R5=-1.5133に設定されており、上式(1),(2)は全て満足されている。
【0030】
<実施例3>
この実施例3にかかるズームファインダーは、前述したように図3に示す如き構成とされており、このズームファインダーの各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔d(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値を表7に示す。
【0031】
また、表8には、上式(A)に示される非球面式の各定数C,K,a2〜a5 の値を示す。
さらに、表9には、広角端(W)、中間(M)および望遠端(T)の各位置における、ファインダー倍率および各レンズL1、L2、L3 の間隔d2、d4が示されている。
【0032】
【表7】
Figure 0003681132
【0033】
【表8】
Figure 0003681132
【0034】
【表9】
Figure 0003681132
【0035】
また、上記表9の下段に示すように、R5/R6=0.7955、d5/R5=-1.6899に設定されており、上式(1),(2)は全て満足されている。
また、図4〜図6は上記実施例1のズームファインダーの、図7〜図9は上記実施例2のズームファインダーの、図10〜図12は上記実施例3のズームファインダーの各々広角端、中間および望遠端における諸収差(球面収差、像面湾曲および歪曲収差)を示す収差図である。これらの収差図から明らかなように、上述した各実施例のズームファインダーによれば、広角端から望遠端のいずれの位置においても各収差の補正を良好なものとすることができる。
【0036】
次に、実施例4〜6により、視野枠光学系を付加したズームファインダーについて説明する。なお、実施例4は上述した実施例1の光学系に視野枠表示光学系を付加したものであって図13〜15に、実施例5は上述した実施例2の光学系に視野内枠表示光学系を付加したものであって図16および17に、実施例6は上述した実施例3の光学系に視野枠表示光学系を付加したものであって図18〜20に各々示されている。これら実施例4〜6のものでは、実施例1〜3における接眼レンズL3が接眼レンズL3′に置き替えられている。
【0037】
これらのズームファインダーの接眼レンズL3′は以下の如き特徴を有している。
すなわち、この接眼レンズL3′の物体側の面の一部がハーフコート面13、23、43とされ、かつ該接眼レンズL3′の眼側の面の、ファインダー視野光束により決まるファインダー視野有効寸法領域より外側に反射面14、24A、24B、44が形成され、該接眼レンズL3′の物体側に撮影視野枠を形成するためのレチクル16、26、46が配設され、該レチクル16、26、46の配設位置もしくはその近傍を通過した物体側からの光により形成される該レチクル16、26、46の像が、該接眼レンズL3′により、ファインダー視野中の撮影視野の境界域に表示されるように構成されている。
【0038】
すなわち、接眼レンズL3′の物体側の面をハーフコート化することで光の内面反射を可能とし、視野枠表示の光束をファインダー光軸外から取り込むことを可能としている。このとき接眼レンズL3′の眼側の面に反射面14、24A、24B、44を少なくとも1面配設し、この反射面14、24A、24B、44で反射させた物体側からの光束を該ハーフコート面13、23、43に入射させる。接眼レンズL3′の眼側の面に視野表示レチクルを配設するアルバタ式の構成も考えられるが、この場合には接眼レンズL3′の物体側の面の曲率が大きく、発散系となるので成立しない。
【0039】
したがって、レチクル16、26、46は接眼レンズL3′よりも物体側に配設し、接眼レンズL3′の眼側の反射面14、24A、24B、44と上記ハーフコート面13、23、43によりレチクルからの光束を眼側に反射させる必要がある。
また、上記反射面14、24A、24B、44をファインダー視野光路の外側に配設して、視野光束のけられを防止することが必要となる。
【0040】
また、レチクル16、26、46をファインダー系の対物レンズL1付近に配設することで、レチクル16、26、46の採光性を上げることができ、これと同時に、レチクル16、26、46の像の、その後の光学系による拡大率があまり大きくならないようにすることができる。この拡大率が大きくなりすぎると位置決めの精度が悪くなり、またレチクル16、26、46の線巾を細くしなければならずレチクル16、26、46の加工が困難となる。
また、該接眼レンズL3′の眼側の反射面14、24A、24B、44は、光軸上に曲率の中心を有する球面または非球面で構成されている。
【0041】
これは、視野枠表示光学系を効率よく構成するための条件であり、球心をファインダー光軸X上に配することで、この表示光学系の結像性能を良好とすることが容易となる。なお、この反射面14、24A、24B、44の曲率半径は、ファインダー系の、接眼レンズL3′の眼側の面と同じ曲率を有するようにする。また、この反射面14、24A、24B、44の球心も、ファインダー系の、接眼レンズL3′の眼側の面の球心と同一位置に配されていてもよいが、この場合には、この表示光学系の焦点距離が短くなりすぎてレチクル16、26、46の像の拡大率が大きくなりすぎるという問題がある。また、適正な倍率にするためには、この反射面14、24A、24B、44を接眼レンズL3′の眼側の面よりも曲率半径の大きい面とするのが好ましい。さらに、この反射面14、24A、24B、44を非球面で構成すれば視野枠表示光学系の結像性能は良好となる。
【0042】
また、該接眼レンズL3′において、該レチクル16、26、46から入射した光束が内面反射される反射面14、24A、24B、44を少なくとも2面以上有するようにする。
この条件は、視野枠表示光学系の焦点距離を長くして拡大率を小さくするために、接眼レンズL3′の厚みを利用し、レンズ外周部分に反射面14、24A、24B、44を配設して、光路上の距離を確保するねらいがある。これによって、視野枠表示レチクル16、26、46の像の拡大率が適度に抑制される。
【0043】
また、上述した如く、接眼レンズL3′の眼側の反射面14、24A、24B、44を、光軸上に曲率の中心を有する球面もしくは非球面で構成すると、このレチクル16、26、46の配設位置がファインダー光軸Xに近づきすぎて移動レンズL2の動きの妨げになったり、ファインダー系光束内に位置してけられることになってしまう。このような事態を防止するため、ファインダー光軸Xからレチクル位置が遠ざかるようこの反射面14、24A、24B、44の少なくとも1面をファインダー光軸Xの垂直面から少し傾けて配設することが必要となる。また、接眼レンズL3′に反射面14、24A、24B、44を2面以上設けるようにすると、接眼レンズL3′内で光路の距離をかせぐことができるので、接眼レンズL3′からレチクル16、26、46までの距離を短くすることができ、レチクル16、26、46を物体側の対物レンズ付近に配設することができる。
【0044】
また、該レチクル16、26、46からの光束が入射する該接眼レンズL3′の光入射面、または該レチクル16、26、46から該光入射面までの光路に配された光学部材の光入射面を、該レチクル16、26、46の表示像を視度補正するためのレンズ作用をなす曲面とする。
【0045】
この条件は、視野枠表示光学系を眼で認識できるようにするために視度を適正化する条件である。この条件を有していないと、この表示光学系の結像位置が対物レンズL1よりさらに物体側となってしまい好ましくない。この対物レンズL1を透過させることによりこの対物レンズL1の直前に位置せしめることは可能であるが、この場合には、視野光束内に入り込んで透過型の視野枠表示レチクルとすることが困難となるので、結局このレチクル16、26、46には色つきコートを施されなければならず、表示の明るさを十分に確保することが難しくなる。
【0046】
さらに、実施例3〜6のズームファインダーでは上述した如き各特徴部分を備えた接眼レンズL3′を一体的に形成しており、これにより光学部材の組立精度や部品点数が増加するのを防止し、しかも構成の複雑化を防止することで、ズームファインダーを安価にかつ高精度で製造できるようにしている。
なお、このような特徴を有する実施例3〜6のズームファインダーによれば、ファインダー倍率を0.38〜0.65程度で、ズーム比を1.8倍程度とすることができた。また、3枚構成のズームファインダーをレンズ長25mm程度の固定ファインダー並のサイズに形成することができ、しかも視野枠表示機能を持たせることを可能としている。
【0047】
特に視野枠表示については、アルバタ式のファインダーでは困難であったライカサイズとパノラマサイズとの視野枠切換等を容易に行うことができる。
また、本実施例では対物レンズL1を1枚のレンズで構成しているが、これを分割した2枚のレンズで構成すれば、ファインダーはやや大型化するものの、さらにズーム比を大きくでき、また性能面での向上を図ることも可能となる。
【0048】
以下、実施例4〜6の各々についてさらに詳しく説明する。
<実施例4>
図13は、本実施例において用いられる視野枠表示機能を有する接眼レンズL3′を示す概略断面図である。
この接眼レンズL3′に対し、光源Oからの発散光束は、前面の外周部分(平面)15に入射し、後面の外周部分に形成された反射面(光束に対し凹面)14で内面反射され、前面の中央部分に形成されたハーフコート面(光束に対し凸面)13で内面反射され、後面の中央部分(外に凸面)12から外部に射出され、平行光束となってアイポイントE.P.に入射する。なお、本来のファインダー光学系の光束は光軸Xに沿って接眼レンズL3′の前面の中央部分に形成されたハーフコート面13に入射し、このハーフコート面13を透過した光束は後面の中央部分12から外部に射出され、上記視野枠表示用の光束と重ね合わされてアイポイントE.P.に入射する。
【0049】
この接眼レンズL3′の視野枠表示系の光軸上の各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔d(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値は表10に示すようになっている。なお、表10の下段にはこの視野枠表示系の焦点距離f′およびバックフォーカスl′が示されている。
また、表11には、前述した非球面式(A)に示される非球面の各定数C,K,a2〜a5 の値を示す。
【0050】
【表10】
Figure 0003681132
【0051】
【表11】
Figure 0003681132
【0052】
また、図14は上記実施例4のズームファインダーに係る接眼レンズL3′の視野枠表示系の諸収差(球面収差、像面湾曲および歪曲収差)を示す収差図である。なお、図14に示す球面収差図は、実際には中心光束がカットされたものとなる。これらの収差図から明らかなようにこの接眼レンズL3′の視野枠表示系によれば諸収差を良好なものとすることができる。
【0053】
さらに、図15は上述した実施例1の構成において、接眼レンズL3を図13に示す接眼レンズL3′に代えたファインダー光学系(望遠端)を示すものである。ただし、この図15に示す接眼レンズL3′は、前面の外周部に、光軸Xから離れた位置に配されたレチクル(中抜きとされている;以下同じ)16からの光束を内面反射により接眼レンズL3′の中央部分に導くためのつば部を付加している。
【0054】
したがって、レチクル16からの透過光束はつば部前面17から入射し、つば部の後側面18および前側面19において内面反射され、さらに反射面14およびハーフコート面13で内面反射され、接眼レンズL3′の後面の中央部分12からアイポイントE.P.方向に射出される。
なお、実際には、レチクル16は視野枠の4角に対応して4個設けられており、この接眼レンズL3′は、これら4個のレチクル16を透過した各光束を各々アイポイントE.P.に導くものであるが、図15においては1個のレチクル16の透過光に対しての光路のみが代表して描かれている(後述する図16および図20において同じ)。
【0055】
<実施例5>
図16は、本実施例のズームファインダーを示す側面図(A)および平面図(B)であり、上述した実施例2のズームファインダー(広角端)において、接眼レンズL3を接眼レンズL3′に代えて構成した光学系を示している。
また、図17は、本実施例のズームファインダーで用いられる接眼レンズL3′の前面(物体側の面)を示す斜視図(A)および後面(眼側の面)を示す斜視図(B)である。
【0056】
図16および17に示すように、レチクル26を透過した光束は、接眼レンズL3′の前面(平面)27に入射し、後面に形成された反射面(平面)24Aで反射され、さらに、後面の外周部の反射面(平面)24Bで反射され、この後上記前面(平面)27および後面の反射面(曲面)24Aで反射され、前面中央穴の内部に形成されたハーフコート面(曲面)23で反射され、後面の中央部(曲面)22から射出される。
なお、反射面24Aおよび反射面24Bはアルミコーティング(蒸着)により形成されている。
【0057】
また、上記入射面27および反射面24Bは各々4面ずつ形成され、また、接眼レンズL3′全体としても上下、左右共に対称形をなす4分割形状とされており、4個配されたレチクル26からの光束の各々に対応するように形成されている。
なお、前面側の中央穴近傍の角部分には切り欠き31が設けられており、本来のファインダー系の光束にけられが生じないようにしている。
【0058】
<実施例6>
図18は、本実施例において用いられる視野枠表示機能を有する接眼レンズL3′を示す概略断面図である。
光源Oからの発散光束は、この接眼レンズL3′のつば部前面(平面)45に入射し、つば部の内面において2回反射し、さらに、レンズ後面の外周部分に形成された反射面(光束に対し凹面)44で内面反射され、レンズ前面の中央部分に形成されたハーフコート面(光束に対し凸面)43で内面反射され、レンズ後面の中央部分(外に凸面)から外部に射出され、平行光束となってアイポイントE.P.に入射する。なお、本来のファインダー光学系の光束は光軸Xに沿って接眼レンズL3′の前面の中央部分に形成されたハーフコート面43に入射し、このハーフコート面43で反射された光束は後面の中央部分42から外部に射出され、上記視野枠表示用の光束と重ね合わされてアイポイントE.P.に入射する。
【0059】
この接眼レンズL3′の視野枠表示系の光軸上における各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔d(mm)、各レンズのd線における、屈折率Nおよびアッベ数νの値は表12に示すようになっている。なお、表12の下段にはこの視野枠表示系の焦点距離f′およびバックフォーカスl′が示されている。
また、表13には、前述した非球面式(A)に示される非球面の各定数C,K,a2〜a5 の値を示す。
【0060】
【表12】
Figure 0003681132
【0061】
【表13】
Figure 0003681132
【0062】
また、図19は上記実施例6の接眼レンズL3′の視野枠表示系の諸収差(球面収差、像面湾曲および歪曲収差)を示す収差図である。なお、図19に示す球面収差図は、実際には中心光束がカットされたものとなる。これらの収差図から明らかなようにこの接眼レンズL3′の視野枠表示系によれば諸収差を良好なものとすることができる。
【0063】
さらに、図20は上述した実施例3の構成において、接眼レンズL3を図18に示す接眼レンズL3′に代えたファインダー光学系(望遠端)を示すものである。なお、図18にも示されているように、この図20に示す接眼レンズL3′は、前面の外周部に、光軸Xから離れた位置に配されたレチクル46からの光束を内面反射により接眼レンズL3′の中央部分に導くためのつば部を付加している。
【0064】
したがって、レチクル46からの透過光束はつば部前面47から入射し、つば部の後側面48および前側面49において内面反射され、さらに反射面44およびハーフコート面43で反射され、接眼レンズL3′の後面の中央部分42から射出される。
なお、本発明のズームファインダーとしては上記実施例のものに限られるものではなく、例えば各レンズ群を構成するレンズの形状、および非球面レンズやプラスチックレンズの枚数は適宜選択し得る。
【0065】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明のズームファインダーによれば、正の対物レンズ、負の移動レンズおよび物体側に凹面を有する接眼レンズよりなる3枚構成の逆ガリレオタイプのズームファインダーにおいて、接眼レンズの両面の曲率半径の比、および接眼レンズの焦点距離と接眼レンズの中心厚の比を、ファインダー系の小型化を図りつつ諸収差の補正を良好なものとし得る範囲に設定している。
これにより、コンパクトで諸収差を良好とし得る安価なズームファインダーを得ることができる。
また、上記接眼レンズのファインダー光束領域の外部表面に反射面を設け、ファインダー系の光軸から離れた位置に配した、視野内外情報表示用のレチクルからの光束がこの接眼レンズ内に入射した後、該反射面で内面反射されて、ファインダー光束の光軸方向に導かれるように構成することで、視野内外情報をファインダー視野内に良好に表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るズームファインダー基本構成を示す概略図
【図2】本発明の実施例2に係るズームファインダー基本構成を示す概略図
【図3】本発明の実施例3に係るズームファインダー基本構成を示す概略図
【図4】実施例1に係るズームファインダーの広角端における収差図
【図5】実施例1に係るズームファインダーの中間における収差図
【図6】実施例1に係るズームファインダーの望遠端における収差図
【図7】実施例2に係るズームファインダーの広角端における収差図
【図8】実施例2に係るズームファインダーの中間における収差図
【図9】実施例2に係るズームファインダーの望遠端における収差図
【図10】実施例3に係るズームファインダーの広角端における収差図
【図11】実施例3に係るズームファインダーの中間における収差図
【図12】実施例3に係るズームファインダーの望遠端における収差図
【図13】実施例4に係るズームファインダーのうち接眼レンズを示す概略断面図
【図14】図13に示す接眼レンズの視野枠表示系の収差図
【図15】実施例4に係るズームファインダー基本構成を示す概略図
【図16】実施例5に係るズームファインダー基本構成を示す概略図
【図17】図16に示す接眼レンズの外部形状を示す斜視図
【図18】実施例6に係るズームファインダーのうち接眼レンズを示す概略断面図
【図19】図18に示す接眼レンズの視野枠表示系の収差図
【図20】実施例6に係るズームファインダー基本構成を示す概略図
【符号の説明】
1 対物レンズ
2 移動レンズ
3 、L3′ 接眼レンズ
1〜R6 レンズ面の曲率半径
1〜d6 レンズ面間隔(レンズ厚)
X 光軸
E.P. アイポイント
13、23、43 ハーフコート面
14、24A、24B、44 反射面
16、26、46 レチクル

Claims (5)

  1. 物体側から順に、正の屈折力を有する対物レンズと、光軸上で移動可能な負の屈折力を有する移動レンズと、物体側に凹面を有する接眼レンズを配列してなるズームファインダーにおいて、
    該接眼レンズの物体側の面の近軸曲率半径をR5、眼側の面の近軸曲率半径をR6とし、該接眼レンズの中心厚をd5とし、該接眼レンズの焦点距離をf3としたとき、
    (1)0.6<R5/R6<0.9
    且つ、R5<0.0
    (2)−1.8<d5/R5<−1.4
    なる条件式(1)、(2)を満足することを特徴とするズームファインダー。
  2. 前記接眼レンズの物体側の面がハーフコート面とされ、かつ該接眼レンズの眼側の面において、ファインダー視野光束により決まるファインダー視野の有効寸法領域より外側に反射面が形成され、
    該接眼レンズの物体側に、撮影視野に関する視野内外表示情報を表示するためのレチクルが配設され、該レチクル配設位置もしくはその近傍を通過した物体側からの光により形成される該レチクルの像が、該接眼レンズにより撮影視野領域の境界域を識別し得る位置に表示されてなることを特徴とする請求項1記載のズームファインダー。
  3. 該接眼レンズの眼側の面に形成された反射面は、光軸上に曲率の中心を有する球面または非球面で構成されてなることを特徴とする請求項2記載のズームファインダー。
  4. 該接眼レンズにおいて、該レチクル配設位置もしくはその近傍を通過して入射した光束が内面反射される反射面を少なくとも2面以上有してなることを特徴とする請求項2もしくは3記載のズームファインダー。
  5. 該レチクル配設位置もしくはその近傍を通過した光束が入射する該接眼レンズの光入射面、または該レチクルから該光入射面までの光路に配された光学部材の光入射面を、該レチクルの表示像を視度補正するためのレンズ作用をなす曲面としたことを特徴とする請求項2〜4のうちいずれか1項記載のズームファインダー。
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