JP3562150B2 - 自動車のラジエータグリル取付構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッドランプのランプハウジングに取り付けられる自動車のラジエータグリル取付構造に関し、とりわけ、車体フロント部の造形上の要求からラジエータグリルが車幅方向に沿って中央部が前方に突出するように大きく湾曲して形成されると共に、上部が下部よりも後方に位置するように全体的に後傾して形成されたラジエータグリルの取付構造に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
自動車のラジエータグリルの取付構造としては、ラジエータグリルの両側上部のアッパブラケットに固設されたクリップをヘッドランプのランプハウジングの上側部に張り出して設けたアッパ側グリル固定部に前方から押圧して挿入係着した後に、ラジエータグリルの両側下部のロアブラケットをランプハウジングの下側部に張り出して設けたロア側グリル固定部上に別体のクリップを上方から挿入係着して取り付ける構造が従来から知られている。
【0003】
しかし、ラジエータグリルが車体フロント部の造形上の要求から車幅方向に沿って中央部が前方に突出するように大きく湾曲して形成され、かつ、該ラジエータグリルの上部が下部よりも後方に位置するように全体的に後傾するように形成されている場合では、前述と同様にアッパブラケットをランプハウジングのアッパ側グリル固定部にクリップ固定した後に、ロアブラケットをロア側グリル固定部上にクリップ固定しようとすると、ラジエータグリルの上部の投影平面内にロアブラケットが隠れ、かつ、ラジエータグリルの上部後端がラジエータコアサポートパネルに近接しているため、上方からのクリップ固定ができず、ラジエータグリルの取付が不可能となってしまう。
【0004】
一方、先にロアブラケットをランプハウジングのロア側グリル固定部上にクリップ固定した後に、アッパブラケットに固設したクリップをアッパ側グリル固定部に前方から押圧して止着しようとすると、初めにロアブラケットをロア側グリル固定部上に係着するために、ラジエータグリルの上部を前方に傾けてラジエータコアサポートパネルとラジエータグリルの上部後端との間に上方からクリップを差し込むための作業スペースを確保する必要があるが、ラジエータグリルの中央部が前方に突出するように大きく湾曲しているので、このラジエータグリルの中央部の前面下部がフロントバンパーの上壁に干渉してラジエータグリルの上部の前方への傾動ができず、上方からのクリップ固定ができなくて、この場合もラジエータグリルの取付が不可能となってしまう。
【0005】
そこで、本発明はラジエータグリルが車体フロント部の造形上の要求から車幅方向に沿って中央部が前方に大きく湾曲して形成されると共に、上部が下部よりも後方に位置するように全体的に後傾して形成されている場合であっても、該ラジエータグリルを容易に取り付けることのできる自動車のラジエータグリル取付構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1にあっては、ラジエータグリルを車幅方向に沿って中央部を前方に突出するように湾曲して形成し、かつ、ラジエータグリルの上部を下部よりも後方に位置するように全体的に後傾して形成すると共に、該ラジエータグリルの両側上部にアッパブラケットを後方に向けて突出成形し、両側下部にはロアブラケットを該アッパブラケットよりも前方で、かつ、中央寄りにオフセットして後方に向けて突出成形して、これらアッパブラケットとロアブラケットをヘッドランプのランプハウジングの側部の上下部に張り出して設けたアッパ側グリル固定部とロア側グリル固定部にそれぞれ係着固定する構造であって、
前記ラジエータグリルのロアブラケットに下向きにボスを突出成形し、アッパブラケットをクリップを介して前記アッパ側グリル固定部に前方から押圧して止着して、このアッパブラケットとアッパ側グリル固定部との止着点を支点としてラジエータグリル下部を回動して、前記ロアブラケットをロア側グリル固定部上に押し当てて摺動し、該ロアブラケットのボスをロア側グリル固定部に設けた係止孔に落ち込み係合させてラジエータグリルをヘッドランプのランプハウジングに固定したことを特徴としている。
【0007】
請求項2にあっては、請求項1に記載のラジエータグリルのロアブラケットに下向きに突出成形したボスの後部下縁を弧状に形成したことを特徴としている。
【0008】
請求項3にあっては、請求項1、2に記載のラジエータグリルのロアブラケットに下向きに突出成形したボスの前面部を取り付け状態でロア側グリル固定部の係止孔の前縁と平行な直線として形成したことを特徴としている。
【0009】
【発明の効果】
請求項1によれば、ラジエータグリルの両側上部のアッパブラケットをクリップを介してランプハウジングのアッパ側グリル固定部に前方から押圧して止着して、このアッパブラケットとアッパ側グリル固定部との止着点を支点としてラジエータグリル下部を回動して、ロアブラケットをロア側グリル固定部上に押し当てて摺動し、該ロアブラケットのボスをロア側グリル固定部に設けた係止孔に落ち込み係合させてラジエータグリルをヘッドランプのランプハウジングに固定するようにしているので、ロアブラケットを止着するために別体のクリップを上方から差し込む必要がないため、ラジエータグリルが車体フロント部の造形上の要求から車幅方向に沿って中央部が前方に大きく湾曲して形成されると共に、上部が下部よりも後方に位置するように全体的に後傾して形成されている場合であっても、該ラジエータグリルを容易に取り付けることができる。
【0010】
また、ロアブラケットに一体成形したボスをロア側グリル固定部の係止孔に落ち込み係合させてラジエータグリルを取り付けるようにしているので、ボスと係止孔を比較的タイトに係着することができるため取付部寸法が安定し、ラジエータグリルとヘッドランプの合わせ精度を向上することができる。
【0011】
さらに、ラジエータグリルを不正に取り外そうとした場合、例えば、ラジエータグリルの上部を前方に引っ張り、下向きに回動してラジエータグリルを外そうとしても、ラジエータグリルの中央部が前方に湾曲しているため、該ラジエータグリルの中央部の前面下縁とフロントバンパーの上壁とが干渉してラジエータグリルの上部を前方へ傾動させることができず、アッパブラケットとアッパ側グリル固定部とのクリップ固定およびロアブラケットのボスとロア側グリル固定部の係止孔との係合を外すことは不可能であり、また、ラジエータグリルの下部を上方に引き上げると共に前方に回動させてラジエータグリルを外そうとしても、アッパブラケットのクリップ固定によりラジエータグリルの上方への引き上げができず、ロアブラケットとロア側グリル固定部との係合部を外すことが不可能であるため、どちらの方法によってもラジエータグリルを不正に取り外すことはできず、ラジエータグリルの盗難防止性を備えることができる。
【0012】
請求項2によれば、請求項1の効果に加えて、ラジエータグリル下部の回動と共に該ロアブラケットをロア側グリル固定部上に押し当てて摺動し、ボスをロア側グリル固定部に設けた係止孔に落ち込み係合させてラジエータグリルをランプハウジングに取り付ける際、このロア側グリル固定部上に当接するロアブラケットのボスの後部下縁を弧状に形成してあるため、ロア側グリル固定部上で係止突起の摺動がスムーズに行え、ラジエータグリルの取付作業性を向上することができる。
【0013】
請求項3によれば、請求項1、2の効果に加えて、ロアブラケットのボスの前面部をロア側グリル固定部の係止孔の前縁と平行な直線として形成しているので、これらボスの前面部と係止孔の前縁との係合が確実に行われて、係止孔の前縁に対するボスの前面部の前方への滑動が完全に阻止され、従って、ラジエータグリルの前方への不正取り外し入力に対して大きな抗力が得られるため、ラジエータグリルの盗難防止性をより一層高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面と共に詳述する。
【0015】
図1〜3において、1は車体フロント部の造形上の要求から車幅方向に沿って中央部2を前方に突出するように大きく湾曲して形成した樹脂製のラジエータグリルで、該ラジエータグリル1の上部3を下部4よりも後方に位置するように全体的に後傾して形成すると共に、上部3の両側にはアッパブラケット5を後方に向けて突出成形し、さらに、下部4の両側にはロアブラケット6を該アッパブラケット5よりも前方で、かつ、中央寄りにオフセットして後方に向けて突出成形してある。
【0016】
このロアブラケット6は、前述のようにラジエータグリル1の上部3を下部4よりも後方にオフセットして形成してあるため、該上部3の投影平面内に隠れている。
【0017】
前記アッパブラケット5の後端部には切欠部5aを横向きに形成して、該切欠部5aに側方より樹脂材からなるクリップ7を嵌合固定してある。
【0018】
また、ロアブラケット6の下面には係止突起としてのボス8を突出成形してある。
【0019】
9はヘッドランプ10のランプハウジングを示しており、該ランプハウジング9は樹脂製で、その側部の上下部にはそれぞれアッパ側グリル固定部11とロア側グリル固定部12を側方へ張り出して一体成形して、前記アッパブラケット5とロアブラケット6をこれらアッパ側グリル固定部11とロア側グリル固定部12に係着固定してある。
【0020】
具体的には、アッパブラケット5をアッパ側グリル固定部11に前方から押圧して、該アッパブラケット5に固設したクリップ7を介して該アッパ側グリル固定部11の取付孔13に挿入止着し、その後、このアッパブラケット5とアッパ側グリル固定部11との止着点を支点としてラジエータグリル1の下部4を後方へ回動して、前記ロアブラケット6をロア側グリル固定部12上に押し当てて摺動し、これらロアブラケット6とロア側グリル固定部12との弾性作用で前記ボス8を該ロア側グリル固定部12に設けた係止孔14に落ち込み係合させることによってラジエータグリル1をランプハウジング9に取り付けてある。
【0021】
本実施形態では、前記ラジエータグリル1のロアブラケット6の下面に突出成形したボス8の後部下縁8aを弧状に形成してあり、また、該ボス8の前面部8bを前記ロア側グリル固定部12の係止孔14の前縁14aと平行な直線に形成してある。
【0022】
図3中、15はフロントバンパーを示し、上壁16をラジエータグリル1の下面に近接配置してある。
【0023】
以上の実施形態の構造によれば、ラジエータグリル1の取付に際しては図4に示すように、先づ、アッパブラケット5をアッパ側グリル固定部11に前方から押圧してクリップ7により止着し、このアッパブラケット5とアッパ側グリル固定部11との止着点を支点としてラジエータグリル1の下部4を後方へ回動して、ロアブラケット6をロア側グリル固定部12上に押し当てて摺動し、ロアブラケット6およびロア側グリル固定部12をそれらの弾性で相互にたわみ変形させて該ロアブラケット6のボス8を該ロア側グリル固定部12に設けた係止孔13に落ち込み係合させ、以て、ラジエータグリル1をランプハウジング9に取り付けてある。
【0024】
従って、ロアブラケット6を止着するために別体のクリップを上方から差し込む必要がなく、ラジエータグリル1が車体フロント部の造形上の要求から車幅方向に沿って中央部2が前方に大きく湾曲して形成され、しかも、上部3が下部4よりも後方に位置するように全体的に後傾して形成されている場合であっても、該ラジエータグリル1を容易に取り付けることができる。
【0025】
特に本実施形態では、このロア側グリル固定部12上に当接するロアブラケット6のボス8の後部下縁8aを弧状に形成してあるため、これらロア側グリル固定部12上でボス8の摺動がスムーズに行え、ラジエータグリル1の取付作業性をより一層向上することができる。
【0026】
また、このようにロアブラケット6のボス8をロア側グリル固定部12の係止孔14に落ち込み係合させてラジエータグリル1を取り付けるようにしているので、ボス8と係止孔14を比較的タイトに、つまり、ボス8を係止孔14と略同一径に形成して、該ボス8を係止孔14にきっちりと係着することができるため取付部寸法が安定し、ラジエータグリル1とヘッドランプ10の合わせ精度を向上することができる。
【0027】
一方、ラジエータグリル1を不正に取り外そうとした場合、例えばラジエータグリル1の上部3を前方に引っ張ると共に、下向きに回動してラジエータグリル1を外そうとしても、ラジエータグリル1の中央部2が前方に大きく湾曲しているため、該ラジエータグリル1の中央部2の前面下縁2aがフロントバンパー15の上壁16に干渉してラジエータグリル1の上部を前方に傾動させることができず、アッパブラケット5とアッパ側グリル固定部11とのクリップ固定およびロアブラケット6のボス8とロア側グリル固定部12の係止孔14との係合を外すことはできない。
【0028】
また、ラジエータグリル1の下部4を上方に引き上げると共に前方に回動させてラジエータグリル1を外そうとしても、アッパブラケット5がアッパ側グリル固定部12にクリップ7によって前後方向に係着固定されているのでラジエータグリル1の上方への引き上げができず、ロアブラケット6とロア側グリル固定部12との係合部を外すことが不可能であるため、何れの方法によってもラジエータグリル1を不正に取り外すことはできず、ラジエータグリル1の盗難防止性を備えることができる。
【0029】
特に前記ロアブラケット6のボス8の前面部8bはロア側グリル固定部12の係止孔14の前縁14aと平行な直線として形成してあるので、これらボス8の前面部8bと係止孔14の前縁14aとの係合が確実に行われて、係止孔14の前縁14aに対するボス8の前面部8bの前斜上方への滑動が完全に阻止され、従って、ラジエータグリル1の前方への不正取り外し入力に対して大きな効力が得られるため、ラジエータグリル1の盗難防止性をより一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す分解斜視図。
【図2】同実施形態の組付状態を示す平面図。
【図3】同実施形態の要部を示す断面図
【図4】同実施形態のラジエータグリルの取付途上を示す断面説明図。
【符号の説明】
1 ラジエータグリル
2 中央部
3 上部
4 下部
5 アッパブラケット
6 ロアブラケット
7 クリップ
8 ボス(係止突起)
8a 後部下縁
8b 前面部
9 ランプハウジング
10 ヘッドランプ
11 アッパ側グリル固定部
12 ロア側グリル固定部
14 係止孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッドランプのランプハウジングに取り付けられる自動車のラジエータグリル取付構造に関し、とりわけ、車体フロント部の造形上の要求からラジエータグリルが車幅方向に沿って中央部が前方に突出するように大きく湾曲して形成されると共に、上部が下部よりも後方に位置するように全体的に後傾して形成されたラジエータグリルの取付構造に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
自動車のラジエータグリルの取付構造としては、ラジエータグリルの両側上部のアッパブラケットに固設されたクリップをヘッドランプのランプハウジングの上側部に張り出して設けたアッパ側グリル固定部に前方から押圧して挿入係着した後に、ラジエータグリルの両側下部のロアブラケットをランプハウジングの下側部に張り出して設けたロア側グリル固定部上に別体のクリップを上方から挿入係着して取り付ける構造が従来から知られている。
【0003】
しかし、ラジエータグリルが車体フロント部の造形上の要求から車幅方向に沿って中央部が前方に突出するように大きく湾曲して形成され、かつ、該ラジエータグリルの上部が下部よりも後方に位置するように全体的に後傾するように形成されている場合では、前述と同様にアッパブラケットをランプハウジングのアッパ側グリル固定部にクリップ固定した後に、ロアブラケットをロア側グリル固定部上にクリップ固定しようとすると、ラジエータグリルの上部の投影平面内にロアブラケットが隠れ、かつ、ラジエータグリルの上部後端がラジエータコアサポートパネルに近接しているため、上方からのクリップ固定ができず、ラジエータグリルの取付が不可能となってしまう。
【0004】
一方、先にロアブラケットをランプハウジングのロア側グリル固定部上にクリップ固定した後に、アッパブラケットに固設したクリップをアッパ側グリル固定部に前方から押圧して止着しようとすると、初めにロアブラケットをロア側グリル固定部上に係着するために、ラジエータグリルの上部を前方に傾けてラジエータコアサポートパネルとラジエータグリルの上部後端との間に上方からクリップを差し込むための作業スペースを確保する必要があるが、ラジエータグリルの中央部が前方に突出するように大きく湾曲しているので、このラジエータグリルの中央部の前面下部がフロントバンパーの上壁に干渉してラジエータグリルの上部の前方への傾動ができず、上方からのクリップ固定ができなくて、この場合もラジエータグリルの取付が不可能となってしまう。
【0005】
そこで、本発明はラジエータグリルが車体フロント部の造形上の要求から車幅方向に沿って中央部が前方に大きく湾曲して形成されると共に、上部が下部よりも後方に位置するように全体的に後傾して形成されている場合であっても、該ラジエータグリルを容易に取り付けることのできる自動車のラジエータグリル取付構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1にあっては、ラジエータグリルを車幅方向に沿って中央部を前方に突出するように湾曲して形成し、かつ、ラジエータグリルの上部を下部よりも後方に位置するように全体的に後傾して形成すると共に、該ラジエータグリルの両側上部にアッパブラケットを後方に向けて突出成形し、両側下部にはロアブラケットを該アッパブラケットよりも前方で、かつ、中央寄りにオフセットして後方に向けて突出成形して、これらアッパブラケットとロアブラケットをヘッドランプのランプハウジングの側部の上下部に張り出して設けたアッパ側グリル固定部とロア側グリル固定部にそれぞれ係着固定する構造であって、
前記ラジエータグリルのロアブラケットに下向きにボスを突出成形し、アッパブラケットをクリップを介して前記アッパ側グリル固定部に前方から押圧して止着して、このアッパブラケットとアッパ側グリル固定部との止着点を支点としてラジエータグリル下部を回動して、前記ロアブラケットをロア側グリル固定部上に押し当てて摺動し、該ロアブラケットのボスをロア側グリル固定部に設けた係止孔に落ち込み係合させてラジエータグリルをヘッドランプのランプハウジングに固定したことを特徴としている。
【0007】
請求項2にあっては、請求項1に記載のラジエータグリルのロアブラケットに下向きに突出成形したボスの後部下縁を弧状に形成したことを特徴としている。
【0008】
請求項3にあっては、請求項1、2に記載のラジエータグリルのロアブラケットに下向きに突出成形したボスの前面部を取り付け状態でロア側グリル固定部の係止孔の前縁と平行な直線として形成したことを特徴としている。
【0009】
【発明の効果】
請求項1によれば、ラジエータグリルの両側上部のアッパブラケットをクリップを介してランプハウジングのアッパ側グリル固定部に前方から押圧して止着して、このアッパブラケットとアッパ側グリル固定部との止着点を支点としてラジエータグリル下部を回動して、ロアブラケットをロア側グリル固定部上に押し当てて摺動し、該ロアブラケットのボスをロア側グリル固定部に設けた係止孔に落ち込み係合させてラジエータグリルをヘッドランプのランプハウジングに固定するようにしているので、ロアブラケットを止着するために別体のクリップを上方から差し込む必要がないため、ラジエータグリルが車体フロント部の造形上の要求から車幅方向に沿って中央部が前方に大きく湾曲して形成されると共に、上部が下部よりも後方に位置するように全体的に後傾して形成されている場合であっても、該ラジエータグリルを容易に取り付けることができる。
【0010】
また、ロアブラケットに一体成形したボスをロア側グリル固定部の係止孔に落ち込み係合させてラジエータグリルを取り付けるようにしているので、ボスと係止孔を比較的タイトに係着することができるため取付部寸法が安定し、ラジエータグリルとヘッドランプの合わせ精度を向上することができる。
【0011】
さらに、ラジエータグリルを不正に取り外そうとした場合、例えば、ラジエータグリルの上部を前方に引っ張り、下向きに回動してラジエータグリルを外そうとしても、ラジエータグリルの中央部が前方に湾曲しているため、該ラジエータグリルの中央部の前面下縁とフロントバンパーの上壁とが干渉してラジエータグリルの上部を前方へ傾動させることができず、アッパブラケットとアッパ側グリル固定部とのクリップ固定およびロアブラケットのボスとロア側グリル固定部の係止孔との係合を外すことは不可能であり、また、ラジエータグリルの下部を上方に引き上げると共に前方に回動させてラジエータグリルを外そうとしても、アッパブラケットのクリップ固定によりラジエータグリルの上方への引き上げができず、ロアブラケットとロア側グリル固定部との係合部を外すことが不可能であるため、どちらの方法によってもラジエータグリルを不正に取り外すことはできず、ラジエータグリルの盗難防止性を備えることができる。
【0012】
請求項2によれば、請求項1の効果に加えて、ラジエータグリル下部の回動と共に該ロアブラケットをロア側グリル固定部上に押し当てて摺動し、ボスをロア側グリル固定部に設けた係止孔に落ち込み係合させてラジエータグリルをランプハウジングに取り付ける際、このロア側グリル固定部上に当接するロアブラケットのボスの後部下縁を弧状に形成してあるため、ロア側グリル固定部上で係止突起の摺動がスムーズに行え、ラジエータグリルの取付作業性を向上することができる。
【0013】
請求項3によれば、請求項1、2の効果に加えて、ロアブラケットのボスの前面部をロア側グリル固定部の係止孔の前縁と平行な直線として形成しているので、これらボスの前面部と係止孔の前縁との係合が確実に行われて、係止孔の前縁に対するボスの前面部の前方への滑動が完全に阻止され、従って、ラジエータグリルの前方への不正取り外し入力に対して大きな抗力が得られるため、ラジエータグリルの盗難防止性をより一層高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面と共に詳述する。
【0015】
図1〜3において、1は車体フロント部の造形上の要求から車幅方向に沿って中央部2を前方に突出するように大きく湾曲して形成した樹脂製のラジエータグリルで、該ラジエータグリル1の上部3を下部4よりも後方に位置するように全体的に後傾して形成すると共に、上部3の両側にはアッパブラケット5を後方に向けて突出成形し、さらに、下部4の両側にはロアブラケット6を該アッパブラケット5よりも前方で、かつ、中央寄りにオフセットして後方に向けて突出成形してある。
【0016】
このロアブラケット6は、前述のようにラジエータグリル1の上部3を下部4よりも後方にオフセットして形成してあるため、該上部3の投影平面内に隠れている。
【0017】
前記アッパブラケット5の後端部には切欠部5aを横向きに形成して、該切欠部5aに側方より樹脂材からなるクリップ7を嵌合固定してある。
【0018】
また、ロアブラケット6の下面には係止突起としてのボス8を突出成形してある。
【0019】
9はヘッドランプ10のランプハウジングを示しており、該ランプハウジング9は樹脂製で、その側部の上下部にはそれぞれアッパ側グリル固定部11とロア側グリル固定部12を側方へ張り出して一体成形して、前記アッパブラケット5とロアブラケット6をこれらアッパ側グリル固定部11とロア側グリル固定部12に係着固定してある。
【0020】
具体的には、アッパブラケット5をアッパ側グリル固定部11に前方から押圧して、該アッパブラケット5に固設したクリップ7を介して該アッパ側グリル固定部11の取付孔13に挿入止着し、その後、このアッパブラケット5とアッパ側グリル固定部11との止着点を支点としてラジエータグリル1の下部4を後方へ回動して、前記ロアブラケット6をロア側グリル固定部12上に押し当てて摺動し、これらロアブラケット6とロア側グリル固定部12との弾性作用で前記ボス8を該ロア側グリル固定部12に設けた係止孔14に落ち込み係合させることによってラジエータグリル1をランプハウジング9に取り付けてある。
【0021】
本実施形態では、前記ラジエータグリル1のロアブラケット6の下面に突出成形したボス8の後部下縁8aを弧状に形成してあり、また、該ボス8の前面部8bを前記ロア側グリル固定部12の係止孔14の前縁14aと平行な直線に形成してある。
【0022】
図3中、15はフロントバンパーを示し、上壁16をラジエータグリル1の下面に近接配置してある。
【0023】
以上の実施形態の構造によれば、ラジエータグリル1の取付に際しては図4に示すように、先づ、アッパブラケット5をアッパ側グリル固定部11に前方から押圧してクリップ7により止着し、このアッパブラケット5とアッパ側グリル固定部11との止着点を支点としてラジエータグリル1の下部4を後方へ回動して、ロアブラケット6をロア側グリル固定部12上に押し当てて摺動し、ロアブラケット6およびロア側グリル固定部12をそれらの弾性で相互にたわみ変形させて該ロアブラケット6のボス8を該ロア側グリル固定部12に設けた係止孔13に落ち込み係合させ、以て、ラジエータグリル1をランプハウジング9に取り付けてある。
【0024】
従って、ロアブラケット6を止着するために別体のクリップを上方から差し込む必要がなく、ラジエータグリル1が車体フロント部の造形上の要求から車幅方向に沿って中央部2が前方に大きく湾曲して形成され、しかも、上部3が下部4よりも後方に位置するように全体的に後傾して形成されている場合であっても、該ラジエータグリル1を容易に取り付けることができる。
【0025】
特に本実施形態では、このロア側グリル固定部12上に当接するロアブラケット6のボス8の後部下縁8aを弧状に形成してあるため、これらロア側グリル固定部12上でボス8の摺動がスムーズに行え、ラジエータグリル1の取付作業性をより一層向上することができる。
【0026】
また、このようにロアブラケット6のボス8をロア側グリル固定部12の係止孔14に落ち込み係合させてラジエータグリル1を取り付けるようにしているので、ボス8と係止孔14を比較的タイトに、つまり、ボス8を係止孔14と略同一径に形成して、該ボス8を係止孔14にきっちりと係着することができるため取付部寸法が安定し、ラジエータグリル1とヘッドランプ10の合わせ精度を向上することができる。
【0027】
一方、ラジエータグリル1を不正に取り外そうとした場合、例えばラジエータグリル1の上部3を前方に引っ張ると共に、下向きに回動してラジエータグリル1を外そうとしても、ラジエータグリル1の中央部2が前方に大きく湾曲しているため、該ラジエータグリル1の中央部2の前面下縁2aがフロントバンパー15の上壁16に干渉してラジエータグリル1の上部を前方に傾動させることができず、アッパブラケット5とアッパ側グリル固定部11とのクリップ固定およびロアブラケット6のボス8とロア側グリル固定部12の係止孔14との係合を外すことはできない。
【0028】
また、ラジエータグリル1の下部4を上方に引き上げると共に前方に回動させてラジエータグリル1を外そうとしても、アッパブラケット5がアッパ側グリル固定部12にクリップ7によって前後方向に係着固定されているのでラジエータグリル1の上方への引き上げができず、ロアブラケット6とロア側グリル固定部12との係合部を外すことが不可能であるため、何れの方法によってもラジエータグリル1を不正に取り外すことはできず、ラジエータグリル1の盗難防止性を備えることができる。
【0029】
特に前記ロアブラケット6のボス8の前面部8bはロア側グリル固定部12の係止孔14の前縁14aと平行な直線として形成してあるので、これらボス8の前面部8bと係止孔14の前縁14aとの係合が確実に行われて、係止孔14の前縁14aに対するボス8の前面部8bの前斜上方への滑動が完全に阻止され、従って、ラジエータグリル1の前方への不正取り外し入力に対して大きな効力が得られるため、ラジエータグリル1の盗難防止性をより一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す分解斜視図。
【図2】同実施形態の組付状態を示す平面図。
【図3】同実施形態の要部を示す断面図
【図4】同実施形態のラジエータグリルの取付途上を示す断面説明図。
【符号の説明】
1 ラジエータグリル
2 中央部
3 上部
4 下部
5 アッパブラケット
6 ロアブラケット
7 クリップ
8 ボス(係止突起)
8a 後部下縁
8b 前面部
9 ランプハウジング
10 ヘッドランプ
11 アッパ側グリル固定部
12 ロア側グリル固定部
14 係止孔
Claims (3)
- ラジエータグリルを車幅方向に沿って中央部を前方に突出するように湾曲して形成し、かつ、ラジエータグリルの上部を下部よりも後方に位置するように全体的に後傾して形成すると共に、該ラジエータグリルの両側上部にアッパブラケットを後方に向けて突出成形し、両側下部にはロアブラケットを該アッパブラケットよりも前方で、かつ、中央寄りにオフセットして後方に向けて突出成形して、これらアッパブラケットとロアブラケットをヘッドランプのランプハウジングの側部の上下部に張り出して設けたアッパ側グリル固定部とロア側グリル固定部にそれぞれ係着固定する構造であって、
前記ラジエータグリルのロアブラケットに下向きにボスを突出成形し、アッパブラケットをクリップを介して前記アッパ側グリル固定部に前方から押圧して止着して、このアッパブラケットとアッパ側グリル固定部との止着点を支点としてラジエータグリル下部を回動して、前記ロアブラケットをロア側グリル固定部上に押し当てて摺動し、該ロアブラケットのボスをロア側グリル固定部に設けた係止孔に落ち込み係合させてラジエータグリルをヘッドランプのランプハウジングに固定したことを特徴とする自動車のラジエータグリル取付構造。 - ラジエータグリルのロアブラケットに下向きに突出成形したボスの後部下縁を弧状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の自動車のラジエータグリル取付構造。
- ラジエータグリルのロアブラケットに下向きに突出成形したボスの前面部を取り付け状態でロア側グリル固定部の係止孔の前縁と平行な直線として形成したことを特徴とする請求項1、2に記載の自動車のラジエータグリル取付構造。
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