JP3560232B2 - アンテナ用スイッチ付きアンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線機器に用いられるスイッチ付きパワーアンプに関しており、特に単一電源動作が可能なスイッチ付きアンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯無線機器のさらなる小型化・低価格化を実現するため、セットに使用されるデバイスの見直しが図られている。中でもデバイスの単一電源動作は、有効なアプローチの一手法として現在様々な研究がなされている。ここで「単一電源動作」とは、グラウンドに対して例えば正電圧(+3.0Vなど)だけを供給することによって動作させることをいう。したがってグラウンドに対して、正電圧および負電圧を用いる動作は、単一電源動作とはよばない。
【0003】
通常、携帯無線機器のセットに使用されているデバイスのうち、パワーアンプおよびアンテナスイッチ等にはデプレッション型のGaAs電界効果トランジスタ(GaAs MESFET)が用いられているため、正の電源電圧以外に負のゲートバイアス電圧が必要である。単一電源動作パワーアンプならびに単一電源動作スイッチは、負のゲートバイアス電圧を必要とせず、正の電圧のみで動作させることができる。その結果、従来は必要であった負電圧発生回路が不要となり、セットの小型化・低価格化が実現できる。
【0004】
図6は、一般的な携帯無線機器の高周波部のブロック図である。図6において、100はアンテナスイッチ、101、102および103はそれぞれアンテナスイッチ100のアンテナ端子、送信端子および受信端子である。また、204は送信信号入力端子、206はパワーアンプ、210はアンテナ、211はローノイズアンプ、212は受信信号出力端子である。1つのアンテナを送受信で共用する携帯無線機器においては、送信時・受信時の信号経路を切り替えるアンテナスイッチが必須である。このアンテナスイッチには低損失・低消費電力といった特性が要求されるためGaAs MESFETを用いた1入力2出力スイッチ(1極2投スイッチ、Single Pole Double Throw Switchともいう、以下「SPDTスイッチ」と呼ぶ)が多用されている。
【0005】
以下、単一電源動作ではないSPDTスイッチの回路動作を説明した後、これを用いて単一電源動作SPDTスイッチを構成する手法について述べる。
【0006】
図7は、GaAs MESFETを用いた従来技術による単一電源動作ではないSPDTスイッチの回路図である。図7において、101はアンテナ端子、102は送信端子、103は受信端子、104はグラウンド(GND)端子、105および106は制御端子、121はアンテナ端子101と送信端子102との間をオン・オフする送信側スルーFET、122は送信端子102とGND端子104との間をオン・オフする送信側シャントFET、123はアンテナ端子101と受信端子103との間をオン・オフする受信側スルーFET、124は受信端子103とGND端子104との間をオン・オフする受信側シャントFET、111はFET121とFET123との接続端子、112はFET121とFET122との接続端子、113はFET123とFET124との接続端子、114はFET122とFET124との接続端子、131〜134はFETのゲートバイアス抵抗、141〜143は直流カットキャパシタである。また、接続端子111〜114の直流電位をそれぞれV111〜V114、制御端子105および106に印加する直流電圧をそれぞれV105およびV106とする。ゲートバイアス抵抗131〜134は数kΩの抵抗であり、FET121〜124のゲートへのリーク電流を阻止する目的で配置されている。直流カットキャパシタ141〜143はアンテナ端子101、送信端子102および受信端子103と、各FETとを直流的に分離するための100pF程度のキャパシタである。
【0007】
今、V111〜V114の電位について考える。V114はGNDに接続されているので0Vである。各FETのゲートリーク電流はほぼ零であり、直流カットキャパシタ141〜143により直流電流の流れる経路は断ち切られているため、接続端子111〜114の閉回路内に直流電流は流れない。従って、V111=V112=V113=V114=0Vであり、FET121〜FET124のソースの直流電位はすべて0Vである。
【0008】
SPDTスイッチのオン・オフは、各FETのゲートへの印加電圧を変化させることにより行なう。図8は、単体のFETの端子間の電圧および電流記号を示す図である。FETのしきい値をVthとし、ドレイン・ソース間およびゲート・ソース間の電圧をそれぞれVdsおよびVgsとする。通常、SPDTスイッチにはデプレッション型FETと呼ばれるVthが負であるようなFETが用いられる。図9は、デプレッション型FETのVgs−Ids特性を示す図である。このFETをオンまたはオフさせるためには、Vgs=0VまたはVgs=Vgg(Vggは負の値)の電圧をゲートに印加すればよく、Vgg≧2×Vthとするのが一般的である。図10は、Vgs=0VおよびVgs=Vggの場合のVds−Ids特性を示す図である。図11は、Vgs=0Vの場合のFETの等価回路である。Vgs=0Vの場合、FETは数Ωの抵抗と等価であり、オン状態のスイッチとして表現できる。図12は、Vgs=Vggの場合のFETの等価回路である。Vgs=Vggの場合、FETは数MΩの抵抗と等価であり、オフ状態のスイッチとして表現できる。
【0009】
これらを用いて図7に示すSPDTスイッチの動作を考える。まず、送信時について考える。図13の(a)および(b)は、それぞれ、制御端子にV105=0VおよびV106=Vggを印加したときの図7の等価回路、およびさらにその回路を簡略化した等価回路である。図13の(a)に示すように、送信側スルーFET121および受信側シャントFET124がオン状態、受信側スルーFET123および送信側シャントFET122がオフ状態となるため、結局、図13の(b)に示すように、アンテナ端子101と送信端子102とが接続される。
【0010】
次に、受信時について考える。図14の(a)および(b)は、それぞれ、制御端子にV105=VggおよびV106=0Vを印加したときの図7の等価回路、およびさらにその回路を簡略化した等価回路である。図14の(a)に示すように、送信側スルーFET121および受信側シャントFET124がオフ状態、受信側スルーFET123および送信側シャントFET122がオン状態となるため、結局、図14(b)に示すように、アンテナ端子101と受信端子103とが接続される。ここで送信側シャントFET122および受信側シャントFET124は、それぞれオフ側の端子をGNDに接続してアイソレーションを向上させる役割を果たしている。
【0011】
次に、このSPDTスイッチを用いて単一電源動作SPDTスイッチを構成する手法について考える。図15は、従来の技術による単一電源動作SPDTスイッチの回路図である。図7の回路においては、GND端子104は、直接、GNDに接続されていた。図15の回路においては、GND端子104は、直流カットキャパシタ144を介してGNDに接続されている。また電源バイアス回路であるチョークインダクタ151を介して接続端子111に正の電源電圧を印加することにより単一電源動作を実現することができる。図15において、107は電源端子、144は直流カットキャパシタ、151はチョークインダクタであり、その他の構成要素は図7に示すSPDTスイッチと同様である。電圧V107は、電源端子107に印加される電圧を表す。チョークインダクタ151は、使用周波数に対してほぼオープンとなるようなインピーダンスをもつインダクタであり、接続端子111に電源電圧V107を供給する。直流カットキャパシタ144は、100pF程度のキャパシタであり、GND端子104とGNDとを直流的に分離する目的で配置されている。
【0012】
図15においては、GND端子104もGNDから直流的に分離されているため、V111=V112=V113=V114=V107となる。ここで、V107に|Vgg|(正の値)を印加することにより、図15のすべてのFETのソース電位は|Vgg|(正の値)に設定されて、単一電源動作が実現できる。つまり、図7に示すSPDTスイッチがV105およびV106として、それぞれ0Vまたは−3Vの負電圧を必要とするようなスイッチである場合、図15に示す回路構成によってV107=3Vとすれば、V105およびV106として、3Vまたは0Vが供給されるSPDTスイッチが実現できるわけである。つまり、正の電源だけを供給をすればよく、負の電源を設ける必要はない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように単一電源動作を実現するためにはGND端子104をGNDから直流的に分離する直流カットキャパシタ144と電源バイアス回路であるチョークインダクタ151が必要となる。これは、とりわけパワーアンプやSPDTスイッチを一体化したICを設計する際、チップ面積を増大させる原因となり、これによりコストの上昇をきたす。
【0014】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、より少ない点数の部品を用いた単一電源動作が可能なスイッチ付きアンプを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によるアンテナ用スイッチ付きアンプは、アンプと、一端が該アンプの電源端子に接続され他端が電源に接続されたチョークインダクタと、電源端子が整合回路を介して該チョークインダクタの該一端に接続されたアンテナ用スイッチとを有し、該アンプの電源端子と該アンテナ用スイッチの電源端子とが、直流的に結合されていることを特徴としており、これにより上記目的が達成される。
【0017】
ある実施形態では、前記整合回路は、前記アンプの電源端子と前記スイッチの電源端子との間に設けられたインダクタと、該アンプの電源端子とグラウンドとの間に設けられたキャパシタと、該スイッチの電源端子とグラウンドとの間に設けられたキャパシタとを有する。
【0018】
ある実施形態では、前記スイッチは、送信側スルースイッチおよび受信側スルースイッチを有する。
【0019】
ある実施形態では、前記スイッチは、送信側シャントスイッチおよび受信側シャントスイッチをさらに有する。
【0020】
ある実施形態では、前記送信側スルースイッチ、前記受信側スルースイッチ、前記送信側シャントスイッチおよび前記受信側シャントスイッチは、シングルゲート電界効果トランジスタである。
【0021】
ある実施形態では、前記送信側スルースイッチ、前記受信側スルースイッチ、前記送信側シャントスイッチおよび前記受信側シャントスイッチは、デュアルゲート電界効果トランジスタもしくはシングルゲート電界効果トランジスタである。
【0022】
ある実施形態では、前記送信側スルースイッチおよび前記受信側スルースイッチは、PINダイオードである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。同じ参照符号を付された構成要素は、互いに対応している。
【0024】
本明細書において、「スイッチ付きアンプ」とは、高周波電力を増幅するパワーアンプと、送受信の状態に応じてこのパワーアンプとアンテナとの接続関係を変えるアンテナスイッチとを含む。また本明細書においては簡単のため、アンテナスイッチを単に「スイッチ」と、パワーアンプを単に「アンプ」とよぶこともある。
【0025】
まず本発明によるスイッチ付きアンプの実施形態を説明する前に、本実施形態で用いられるパワーアンプの回路を説明する。図16は、本発明のスイッチ付きアンプのうちパワーアンプ部分の回路図である。本実施形態においては、簡単のため、1段電界効果トランジスタ(FET)構成のパワーアンプとしたが、これには限られない。例えば、複数段を有するパワーアンプであってもよく、増幅素子としてFET以外の素子を用いてもよい。
【0026】
301はFET、302および350はそれぞれ入力整合回路および出力整合回路、304はチョークインダクタ、305はゲートバイアス抵抗、310は入力端子、311は出力端子、312は電源端子、313はゲートバイアス端子である。また、電源端子312に印加する電圧をV312、ゲートバイアス端子313に印加する電圧をV313とする。入力整合回路302および出力整合回路350は、それぞれ入力端子310および出力端子311に所定のインピーダンスが接続されたときに、所望の特性が実現されるように設計されている。チョークインダクタ304は、使用周波数に対してほぼオープンとなるようなインピーダンスをもつ。FET301は、チョークインダクタ304を介して電源電圧V312を供給される。ゲートバイアス抵抗305は、FET301からゲートバイアス端子313へのリーク電流を低減させる目的で配置されている。
【0027】
なお、受信時、すなわち図6のアンテナ端子101と受信端子103とが接続される場合には、パワーアンプの出力がLNAに漏洩しないようにするためパワーアンプをオフとするのが一般的である。FET301がVth≧0VであるようなFET、つまりエンハンス型FETであればゲートバイアス端子の電圧V313=0VとすることによりFET301に流れる電流をカットオフすることが実現できる。
【0028】
図17は、図16の回路でFET301としてデプレッションFETを用いた回路図である。FETがVth≦0VであるようなFET、つまりデプレッション型FETであれば、ゲートバイアス電圧V313を0VとしてもFET301に電流が流れるため、パワーアンプがオフとならない。この場合には、パワーアンプを図17に示すような回路構成にすれば、スイッチ306によってFET301に流れるドレイン電流を遮断することができる。すなわち図17において、スイッチ306は、送信時に閉じ(オンし)、受信時に開く(オフする)ように動作する。
【0029】
図18は、図16の回路でFET301としてデプレッションFETを用いた他の例を示す回路図である。図18の回路においては、スイッチ306の挿入される位置が図17の場合と異なっているが、図17と同様の動作により、受信時にFET301のドレイン電流を遮断することができる。
【0030】
(第1の実施形態)
図1は、本発明によるスイッチ付きアンプの第1の実施形態の回路図である。図19は、従来技術によるスイッチ付きアンプの回路図である。図19の従来技術によるスイッチ付きアンプにおいては、図16のパワーアンプの出力端子311と、図15の単一電源動作SPDTスイッチの送信端子102とが接続されている。したがって従来技術によるスイッチ付きアンプにおいては、電源端子312から端子112へのパスは、キャパシタ142を含む。
【0031】
いっぽう図1の本発明によるスイッチ付きアンプは、直流成分を通過させる出力整合回路350を備えている。この出力整合回路350は、アンプ部30の電源端子312において供給される電源電圧V312をチョークインダクタ304を介して受け取り、スイッチ部10の端子112へと送るはたらきをする。出力整合回路350は、例えば、インダクタ352、キャパシタ354および356を有するπ型整合回路によって実現できる。出力整合回路350は、チョークインダクタ304と端子112との間にキャパシタ成分をもたず、インダクタ成分をもつ。これにより、直流電圧は、電源端子312から、チョークインダクタ304、インダクタ352および端子112を通して、スイッチ部10をバイアスすることができる。言い換えれば、電源端子312−チョークインダクタ304−出力整合回路350−端子112というパスは、直流電圧を通すことができる。ここで「直流」電圧とは、スイッチ部10およびアンプ部30の電源として用いることができる程度に十分、低い周波数をもつ電圧であって、周波数がゼロの電圧(いわゆる完全な直流)をも含む。
【0032】
出力整合回路350のインダクタ352は、このバイアス用の直流電圧が通るパスに対して直列に設けられている。したがってインダクタ352に含まれる抵抗分は、小さいことが好ましい。これは、インダクタ352の抵抗分による電圧降下は、スイッチ部10へのバイアス供給の効率と、アンプ部30の出力の効率とを低くするからである。出力整合回路350は、アンプ部30とスイッチ部10との間で直流成分を通す回路であれば、上述の1段のπ型整合回路には限られず、多段の整合回路であってもよく、また他のタイプの整合回路であってもよい。出力整合回路350は、アンプ部30の出力インピーダンスと、アンテナ端子101に接続されるインピーダンスとを整合させることによって、アンテナから放射される電力を増すはたらきもする。
【0033】
図1においては、スイッチ部10およびアンプ部30に共用の電源端子312は、出力整合回路350に対して、FET301側に設けられているが、これには限られない。例えば端子112に電源端子を設けることによって、上述の説明とは、逆方向に、つまりスイッチ部10から出力整合回路350を介してアンプ部30に向かう方向に、直流電圧を供給してもよい。この構成によれば、チョークインダクタ304をインダクタ352によって代用することができさらに部品点数を削減することができる。またこの場合、他の端子、例えば端子111および113などに電源端子を設けてもよい。
【0034】
パワーアンプ30の電源バイアス回路と、SPDTスイッチ10の電源バイアス回路とを共用するために、パワーアンプ30の最終段の出力整合回路350は、直流電流の流れる回路である。またパワーアンプ30の電源電圧と、単一電源動作SPDTスイッチ10の電源電圧とは、ほぼ等しく設定されている。
【0035】
以下の実施形態においては、上述の条件を満足するように、SPDTスイッチのFETにはVth=−1.5Vのデプレッション型FETを用い、制御端子105・106に印加する電圧は0Vまたは3Vとし、単一電源動作SPDTスイッチおよびパワーアンプの電源電圧は3Vとした。FET301にはエンハンス型FETを用い、受信時にはV313=0Vとしてパワーアンプをオフとするものとし、周波数は1.9GHzとしてシミュレーションをおこなった。
【0036】
表1に本発明のスイッチ付きアンプ、および従来技術によるスイッチ付きアンプの高周波特性のシミュレーション結果を示す。アンテナ端子101におけるパワーアンプの出力、アンテナ端子101から受信端子103への挿入損失、送信時の送信端子102から受信端子103へのアイソレーションを表に示した。
【0037】
【表1】
Figure 0003560232
【0038】
本発明の高周波特性は、いずれの特性においても従来と同等の結果が得られており、本発明の単一電源動作SPDTスイッチおよびパワーアンプが正常に動作していることがわかる。なお、FET301にデプレッション型FETを用いた場合、パワーアンプを図17もしくは図18の構成とすれば問題ないことは既に述べた。
【0039】
本発明は、従来と比較してチョークインダクタ151と直流カットキャパシタ142がないため、部品点数が削減できるわけであるが、これは単一電源動作SPDTスイッチとパワーアンプを一体化したICを設計する際にチップ面積削減においてとりわけ効果がある。周波数2GHz程度の場合、チョークインダクタ151として最低約20nH、キャパシタ142として最低約30pF程度の値が必要である。IC上にこれら素子を集積した場合、各素子の面積はSPDTスイッチに用いるFET1個とほぼ同一の面積が必要である。つまり、本発明は高周波特性を劣化させることなく、チップ面積を削減することができる。
【0040】
(第2の実施形態)
図2は、本発明によるスイッチ付きアンプの第2の実施形態の回路図である。本実施形態においては、送信端子側の1dB利得圧縮点(P1dB)を向上させるために、受信側スルーFETおよび送信側シャントFETとしてデュアルゲートFETが用いられている。図2において、122は送信側デュアルゲートシャントFETであり、123は受信側デュアルゲートスルーFETであり、132および132は送信側デュアルゲートシャントFETに接続されるゲートバイアス抵抗であり、133および133は受信側デュアルゲートスルーFETに接続されるゲートバイアス抵抗であり、それ以外の構成要素は図1と同様である。
【0041】
表2に本発明のスイッチ付きアンプ、および従来技術によるスイッチ付きアンプの高周波特性のシミュレーション結果を示す。ここで従来技術によるスイッチ付きアンプの回路は、図2に示す回路のうち、出力整合回路350に直列に接続されたキャパシタを有する点と、電源がアンプ部とスイッチ部とに別々の端子から供給される点とが異なる。アンテナ端子101におけるパワーアンプの出力、アンテナ端子101から受信端子103への挿入損失、送信時の送信端子102から受信端子103へのアイソレーションを表に示した。
【0042】
【表2】
Figure 0003560232
【0043】
本発明の高周波特性は、いずれの特性においても従来と同等の結果が得られており、本発明の単一電源動作 SPDT スイッチおよびパワーアンプが正常に動作していることがわかる。また、単一電源動作 SPDT スイッチとパワーアンプを一体化したICにおけるチップ面積の削減効果は第1実施形態で述べたとおりである。
【0044】
(第3の実施形態)
図3は、本発明によるスイッチ付きアンプの第3の実施形態の回路図である。本実施形態は、送信端子102から受信端子103へのアイソレーションが低くてもかまわない場合に用いられる。本実施形態は、第1の実施形態の送信側シャントFET122および受信側シャントFET124を用いない。
【0045】
表3に本発明のスイッチ付きアンプ、および従来技術によるスイッチ付きアンプの高周波特性のシミュレーション結果を示す。ここで従来技術によるスイッチ付きアンプの回路は、図3に示す回路のうち、出力整合回路350に直列に接続されたキャパシタを有する点と、電源がアンプ部とスイッチ部とに別々の端子から供給される点とが異なる。アンテナ端子101におけるパワーアンプの出力、アンテナ端子101から受信端子103への挿入損失、送信時の送信端子102から受信端子103へのアイソレーションを示した。
【0046】
【表3】
Figure 0003560232
【0047】
本発明の高周波特性は、いずれの特性においても従来と同等の結果が得られており、本発明の単一電源動作 SPDT スイッチおよびパワーアンプが正常に動作していることがわかる。ただし、第1実施形態と比較して、送信端子102から受信端子103へのアイソレーションが本発明および従来例ともに約25dB低下している。また、単一電源動作 SPDT スイッチとパワーアンプを一体化したICにおけるチップ面積の削減効果は第1実施形態で述べたとおりである。
【0048】
(第4の実施形態)
図4は、本発明によるスイッチ付きアンプの第4の実施形態の回路図である。本実施形態は、送信端子側のP1dBを向上させ、なおかつ送信端子102から受信端子103へのアイソレーションが低くてもかまわない場合に用いられる。本実施形態は、図2の送信側シャントFET122および受信側シャントFET124を用いない。
【0049】
表4に本発明のスイッチ付きアンプ、および従来技術によるスイッチ付きアンプの高周波特性のシミュレーション結果を示す。ここで従来技術によるスイッチ付きアンプの回路は、図4に示す回路のうち、出力整合回路350に直列に接続されたキャパシタを有する点と、電源がアンプ部とスイッチ部とに別々の端子から供給される点とが異なる。アンテナ端子101におけるパワーアンプの出力、アンテナ端子101から受信端子103への挿入損失、送信時の送信端子102から受信端子103へのアイソレーションを表に示した。
【0050】
【表4】
Figure 0003560232
【0051】
本発明の高周波特性は、いずれの特性においても従来と同等の結果が得られており、本発明の単一電源動作 SPDT スイッチおよびパワーアンプが正常に動作していることがわかる。ただし、第2の実施形態と比較して、送信端子102から受信端子103へのアイソレーションが本発明・従来例ともに約25dB低下している。また、単一電源動作 SPDT スイッチとパワーアンプを一体化したICにおけるチップ面積の削減効果は第1実施形態で述べたとおりである。
【0052】
(第5の実施形態)
図5は、本発明によるスイッチ付きアンプの第5の実施形態の回路図である。本実施形態は、送信側スルースイッチおよび受信側スルースイッチとして、FETの代わりにPINダイオードを用いる。図5において、161および162はPINダイオード、145および146は直流カットキャパシタ、135および136はバイアス抵抗、152はチョークインダクタである。図5において145および146は100pF程度のキャパシタ、135および136は1kΩ程度の抵抗である。この場合のスイッチの切り替えは、制御端子105および106の電圧V105およびV106を3Vまたは2Vとすることにより行なう。V105=2VおよびV106=3Vの場合、送信側がオン状態となり、V105=3VおよびV106=2Vの場合、受信側がオン状態となる。
【0053】
PINダイオードを使用した場合、単一電源動作 SPDT スイッチのチョークインダクタ152は必要であるが、他の実施形態と同様に直流カットキャパシタ142およびチョークインダクタ151を用いる必要はない。したがって単一電源動作 SPDT スイッチとパワーアンプを一体化したICを設計する際のチップ面積の削減効果は第1の実施形態とほぼ同じである。
【0054】
上述の第1〜第5の実施形態においては、便宜上、出力整合回路350がアンプ部30に含まれる回路図であったが、これには限られない。すなわち、出力整合回路350に相当する入力整合回路がスイッチ部10に含まれるように構成されたスイッチ付きアンプも本発明に含まれる。
【0055】
【発明の効果】
本発明によるスイッチ付きアンプによれば、従来、必要であった直流カットキャパシタおよびチョークインダクタを削減することができ、より少ない部品点数で従来と同等の特性をもつ単一電源動作SPDTスイッチ付きパワーアンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスイッチ付きアンプの第1の実施形態の回路図である。
【図2】本発明によるスイッチ付きアンプの第2の実施形態の回路図である。
【図3】本発明によるスイッチ付きアンプの第3の実施形態の回路図である。
【図4】本発明によるスイッチ付きアンプの第4の実施形態の回路図である。
【図5】本発明によるスイッチ付きアンプの第5の実施形態の回路図である。
【図6】一般的な携帯無線機器の高周波部のブロック図である。
【図7】GaAs MESFETを用いた従来技術による単一電源動作ではないSPDTスイッチの回路図である。
【図8】単体のFETの端子間の電圧および電流記号を示す図である。
【図9】デプレッション型FETのVgs−Ids特性を示す図である。
【図10】Vgs=0VおよびVgs=Vggの場合のVds−Ids特性を示す図である。
【図11】Vgs=0Vの場合のFETの等価回路である。
【図12】Vgs=Vggの場合のFETの等価回路である。
【図13】(a)および(b)は、それぞれ、制御端子にV105=0VおよびV106=Vggを印加したときの図7の等価回路、およびさらにその回路を簡略化した等価回路である。
【図14】(a)および(b)は、それぞれ、制御端子にV105=VggおよびV106=0Vを印加したときの図7の等価回路、およびさらにその回路を簡略化した等価回路である。
【図15】従来の技術による単一電源動作SPDTスイッチの回路図である。
【図16】本発明のスイッチ付きアンプのうちパワーアンプ部分の回路図である。
【図17】図16の回路でFET301としてデプレッションFETを用いた回路図である。
【図18】図16の回路でFET301としてデプレッションFETを用いた他の例を示す回路図である。
【図19】従来技術によるスイッチ付きアンプの回路図である。
【符号の説明】
101 アンテナ端子
103 受信端子
104 GND端子
105、106 制御端子
121 送信側スルーFET
122 送信側シャントFET
123 受信側スルーFET
124 受信側シャントFET
111 FET121とFET123との接続端子
112 FET121とFET122との接続端子
113 FET123とFET124との接続端子
114 FET122とFET124との接続端子
131〜134 FETのゲートバイアス抵抗
141、143 直流カットキャパシタ
301 FET
302 入力整合回路
304 チョークインダクタ
305 ゲートバイアス抵抗
310 入力端子
312 電源端子
350 出力整合回路

Claims (7)

  1. アンプと、一端が該アンプの電源端子に接続され他端が電源に接続されたチョークインダクタと、電源端子が整合回路を介して該チョークインダクタの該一端に接続されたアンテナ用スイッチとを有し、該アンプの電源端子と該アンテナ用スイッチの電源端子とが、直流的に結合されていることを特徴とするアンテナ用スイッチ付きアンプ。
  2. 前記整合回路は、
    前記アンプの電源端子と前記アンテナ用スイッチの電源端子との間に設けられたインダクタと、
    該アンプの電源端子とグラウンドとの間に設けられたキャパシタと、
    アンテナ用スイッチの電源端子とグラウンドとの間に設けられたキャパシタと、
    を有する請求項に記載のアンテナ用スイッチ付きアンプ。
  3. 前記アンテナ用スイッチは、送信側スルースイッチおよび受信側スルースイッチを有する請求項に記載のアンテナ用スイッチ付きアンプ。
  4. 前記アンテナ用スイッチは、送信側シャントスイッチおよび受信側シャントスイッチをさらに有する請求項に記載のアンテナ用スイッチ付きアンプ。
  5. 前記送信側スルースイッチ、前記受信側スルースイッチ、前記送信側シャントスイッチおよび前記受信側シャントスイッチは、シングルゲート電界効果トランジスタである請求項に記載のアンテナ用スイッチ付きアンプ。
  6. 前記送信側スルースイッチ、前記受信側スルースイッチ、前記送信側シャントスイッチおよび前記受信側シャントスイッチは、デュアルゲート電界効果トランジスタもしくはシングルゲート電界効果トランジスタである請求項に記載のアンテナ用スイッチ付きアンプ。
  7. 前記送信側スルースイッチおよび前記受信側スルースイッチは、PINダイオードである請求項に記載のアンテナ用スイッチ付きアンプ。
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