JP3559582B2 - 油冷式圧縮機の油分離エレメント - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、圧縮途中に潤滑油を噴射する油冷式圧縮機の油分離エレメントに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来では、特開昭５７−１２７８８３号公報のように、油分離エレメントは平らな形状であり垂直方向の取付け姿勢ではこの平らな面にドレンが残留し、その状態で長時間使用されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術は、圧縮空気中の油を分離したあとに圧縮空気中の水分が凝縮しこれがドレンとして油分離エレメントの平らな面に付着する。この付着量は圧縮機の負荷変動や運転時間により徐々に蓄積され、所々にコロニー上に点在していく。この状態が長時間続くと油分離エレメントを構成する鉄板を腐食させて錆が発生し、ついには、これに孔があいてしまう。この腐食を防止するため鉄板表面にはメッキ処理をしているが万全ではなく孔があく例がある。孔があくと、この部分から油を分離されない圧縮空気が流れてきて油分離の機能が損なわれる。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、空気圧縮機、圧縮空気中の油分を分離する油タンク、及び前記油タンクの下部に溜まった油を冷却するための熱交換器を備えた油冷式圧縮機において、前記油タンクは、圧縮途中で混入した潤滑油を分離する油分離エレメントを内蔵し、この油分離エレメントは、内筒と外筒の間に設けられた油分離用の分離フィルタ、上部蓋板、下部蓋板、油分離エレメント内底部に設けられた油溜りを備え、前記油分離エレメントの上部蓋板は、該上部蓋板に付着したドレン（凝縮水）が油分離エレメント内下部の前記油溜りに流出するように内側に傾斜した構造とされ、更に、前記油溜りに溜まったドレンを圧縮機の吸入側に回収する回収パイプを備えていることを特徴とするものである。
【０００５】
【作用】
油分離エレメントの上部の蓋板が、一定の角度で内側に傾斜しているため、この面に付着したドレンは傾斜のためにその位置に留まることが出来ずに流れて、分離エレメントを構成する底板に設けてある分離した油の油溜り部に落ちてくる。ここへ溜ったドレンは分離した油と共に圧縮機の吸入側、あるいは、給油配管中に回収される。
【０００６】
【実施例】
本発明の実施例を図１，図２を用いて説明する。
【０００７】
図２は本発明の給油式スクリュー圧縮機のフローを模式的に表現したものである。圧縮機１１で圧縮された空気は、冷却やシールとして圧縮途中に噴射された油と共に入口配管を通って油タンク１２に入ってくる。ここで一次分離された油１５は、油タンクの下部に溜り、残りは、油分離エレメント１４で空気と分離され、圧縮空気として油タンクから出ていく。油分離エレメントで分離された油は図１のようにエレメントの底部の油溜り６に溜り、ここに設けられた回収パイプ１６で圧縮機側へ回収される。
【０００８】
圧縮された空気中には水分が含まれ温度が下がると過飽和状態となり過飽和分は凝縮してドレンとなって分離エレメントの表面に付着したり、圧縮空気と共に持ち去られたりする。
【０００９】
分離エレメントの表面に付着したドレン７は分離エレメントの上部蓋板１の表面に着くが、この形状が内側へ傾斜しているため流れ落ちて、エレメント底部の油溜り６に入る。すると、ここへ接続されている回収パイプ１６により、油と共に回収されていく。
【００１０】
【発明の効果】
本発明によれば、油タンク内に内臓された油分離エレメントは、内筒と外筒の間に設けられた油分離用の分離フィルタ、上部蓋板、下部蓋板、油分離エレメント内底部に設けられた油溜りを備え、上部蓋板は、該上部蓋板に付着したドレンが油分離エレメント内下部の油溜りに流出するように内側に傾斜した構造とされ、かつ油溜りに溜まったドレンを圧縮機の吸入側に回収する回収パイプを備えているので、油分離エレメント内で発生したドレンはエレメントの上部蓋板の表面にいつまでも付着し続けることを防止でき、エレメント底部の油溜りに速やかに流れ落ちて、ここから圧縮機吸入側に回収することができる。従って、油分離エレメントの上部蓋板にドレンが残留することによる錆の発生を抑制することができ、孔あきなどによる機能低下を防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の油分離エレメントの構造の一実施例の説明図。
【図２】本発明の装置の系統図。
【符号の説明】
１…上部蓋板、２…下部蓋板、３…分離フィルタ、４…内筒、５…外筒、６…油溜り、７…ドレン、１６…回収パイプ。
【産業上の利用分野】
本発明は、圧縮途中に潤滑油を噴射する油冷式圧縮機の油分離エレメントに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来では、特開昭５７−１２７８８３号公報のように、油分離エレメントは平らな形状であり垂直方向の取付け姿勢ではこの平らな面にドレンが残留し、その状態で長時間使用されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術は、圧縮空気中の油を分離したあとに圧縮空気中の水分が凝縮しこれがドレンとして油分離エレメントの平らな面に付着する。この付着量は圧縮機の負荷変動や運転時間により徐々に蓄積され、所々にコロニー上に点在していく。この状態が長時間続くと油分離エレメントを構成する鉄板を腐食させて錆が発生し、ついには、これに孔があいてしまう。この腐食を防止するため鉄板表面にはメッキ処理をしているが万全ではなく孔があく例がある。孔があくと、この部分から油を分離されない圧縮空気が流れてきて油分離の機能が損なわれる。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、空気圧縮機、圧縮空気中の油分を分離する油タンク、及び前記油タンクの下部に溜まった油を冷却するための熱交換器を備えた油冷式圧縮機において、前記油タンクは、圧縮途中で混入した潤滑油を分離する油分離エレメントを内蔵し、この油分離エレメントは、内筒と外筒の間に設けられた油分離用の分離フィルタ、上部蓋板、下部蓋板、油分離エレメント内底部に設けられた油溜りを備え、前記油分離エレメントの上部蓋板は、該上部蓋板に付着したドレン（凝縮水）が油分離エレメント内下部の前記油溜りに流出するように内側に傾斜した構造とされ、更に、前記油溜りに溜まったドレンを圧縮機の吸入側に回収する回収パイプを備えていることを特徴とするものである。
【０００５】
【作用】
油分離エレメントの上部の蓋板が、一定の角度で内側に傾斜しているため、この面に付着したドレンは傾斜のためにその位置に留まることが出来ずに流れて、分離エレメントを構成する底板に設けてある分離した油の油溜り部に落ちてくる。ここへ溜ったドレンは分離した油と共に圧縮機の吸入側、あるいは、給油配管中に回収される。
【０００６】
【実施例】
本発明の実施例を図１，図２を用いて説明する。
【０００７】
図２は本発明の給油式スクリュー圧縮機のフローを模式的に表現したものである。圧縮機１１で圧縮された空気は、冷却やシールとして圧縮途中に噴射された油と共に入口配管を通って油タンク１２に入ってくる。ここで一次分離された油１５は、油タンクの下部に溜り、残りは、油分離エレメント１４で空気と分離され、圧縮空気として油タンクから出ていく。油分離エレメントで分離された油は図１のようにエレメントの底部の油溜り６に溜り、ここに設けられた回収パイプ１６で圧縮機側へ回収される。
【０００８】
圧縮された空気中には水分が含まれ温度が下がると過飽和状態となり過飽和分は凝縮してドレンとなって分離エレメントの表面に付着したり、圧縮空気と共に持ち去られたりする。
【０００９】
分離エレメントの表面に付着したドレン７は分離エレメントの上部蓋板１の表面に着くが、この形状が内側へ傾斜しているため流れ落ちて、エレメント底部の油溜り６に入る。すると、ここへ接続されている回収パイプ１６により、油と共に回収されていく。
【００１０】
【発明の効果】
本発明によれば、油タンク内に内臓された油分離エレメントは、内筒と外筒の間に設けられた油分離用の分離フィルタ、上部蓋板、下部蓋板、油分離エレメント内底部に設けられた油溜りを備え、上部蓋板は、該上部蓋板に付着したドレンが油分離エレメント内下部の油溜りに流出するように内側に傾斜した構造とされ、かつ油溜りに溜まったドレンを圧縮機の吸入側に回収する回収パイプを備えているので、油分離エレメント内で発生したドレンはエレメントの上部蓋板の表面にいつまでも付着し続けることを防止でき、エレメント底部の油溜りに速やかに流れ落ちて、ここから圧縮機吸入側に回収することができる。従って、油分離エレメントの上部蓋板にドレンが残留することによる錆の発生を抑制することができ、孔あきなどによる機能低下を防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の油分離エレメントの構造の一実施例の説明図。
【図２】本発明の装置の系統図。
【符号の説明】
１…上部蓋板、２…下部蓋板、３…分離フィルタ、４…内筒、５…外筒、６…油溜り、７…ドレン、１６…回収パイプ。
Claims (1)
- 空気圧縮機、圧縮空気中の油分を分離する油タンク、及び前記油タンクの下部に溜まった油を冷却するための熱交換器を備えた油冷式圧縮機において、
前記油タンクは、圧縮途中で混入した潤滑油を分離する油分離エレメントを内蔵し、
この油分離エレメントは、内筒と外筒の間に設けられた油分離用の分離フィルタ、上部蓋板、下部蓋板、油分離エレメント内底部に設けられた油溜りを備え、前記油分離エレメントの上部蓋板は、該上部蓋板に付着したドレン（凝縮水）が油分離エレメント内下部の前記油溜りに流出するように内側に傾斜した構造とされ、
更に、前記油溜りに溜まったドレン及び油を圧縮機の吸入側に回収する回収パイプを備えていることを特徴とする油冷式圧縮機の油分離エレメント。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP01028594A JP3559582B2 (ja) | 1994-02-01 | 1994-02-01 | 油冷式圧縮機の油分離エレメント |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP01028594A JP3559582B2 (ja) | 1994-02-01 | 1994-02-01 | 油冷式圧縮機の油分離エレメント |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07217577A JPH07217577A (ja) | 1995-08-15 |
| JP3559582B2 true JP3559582B2 (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=11746046
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP01028594A Expired - Fee Related JP3559582B2 (ja) | 1994-02-01 | 1994-02-01 | 油冷式圧縮機の油分離エレメント |
Country Status (1)
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| JP (1) | JP3559582B2 (ja) |
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| DE102009041523B4 (de) | 2009-09-15 | 2024-01-25 | Mahle International Gmbh | Filtereinrichtung |
| DE102016010692A1 (de) * | 2016-09-06 | 2018-03-08 | Mann+Hummel Gmbh | Luftentölelement, Vorrichtung zur Abscheidung von Öl aus Rohluft sowie Verfahren zur Herstellung eines Luftentölelements |
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| US11992788B2 (en) | 2019-06-27 | 2024-05-28 | Mahle International Gmbh | Filter device |
| US11426687B2 (en) | 2019-06-27 | 2022-08-30 | Mahle International Gmbh | Fuel filter |
| US11511217B2 (en) | 2020-09-22 | 2022-11-29 | Mahle International Gmbh | Filter and method of fabricating same |
| USD958288S1 (en) | 2020-10-09 | 2022-07-19 | Mahle International Gmbh | Filter device |
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| JPS5528474U (ja) * | 1978-08-14 | 1980-02-23 | ||
| JPS57127883U (ja) * | 1981-02-05 | 1982-08-09 | ||
| JPS5920818U (ja) * | 1982-07-30 | 1984-02-08 | 三井精機工業株式会社 | 圧縮機等のオイルセパレ−タ構造 |
| JP2824289B2 (ja) * | 1989-09-08 | 1998-11-11 | 株式会社日立製作所 | 油冷式圧縮機の油回収装置 |
| JPH03130595A (ja) * | 1989-10-13 | 1991-06-04 | Hitachi Ltd | 油分離器 |
| JP2538453Y2 (ja) * | 1989-11-06 | 1997-06-18 | 北越工業株式会社 | 油冷式スクリュ圧縮機 |
| JP2883425B2 (ja) * | 1990-08-22 | 1999-04-19 | 株式会社日立製作所 | 油冷式圧縮機における油タンク |
| JPH04342894A (ja) * | 1991-05-20 | 1992-11-30 | Hitachi Ltd | 油分離装置 |
-
1994
- 1994-02-01 JP JP01028594A patent/JP3559582B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07217577A (ja) | 1995-08-15 |
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