JP3558385B2 - クロム系フッ素化触媒、及びフッ素化方法 - Google Patents

クロム系フッ素化触媒、及びフッ素化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は分子中に塩素を含まないことからオゾン層を破壊する恐れのないハイドロフルオロカーボン(以下、HFCと略す)、なかでもジフルオロメタン(以下、HFC−32と略す)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(以下、HFC−134aと略す)、ペンタフルオロエタン(以下、HFC−125と略す)の製造に際し、生産性よくHFCを生産するために改善したフッ素化触媒、該触媒の製法および、該触媒を用いて気相でフッ化水素とハロゲン化炭化水素を接触させることにより効率よくHFCを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
工業的に行われている代表的なHFCの製造方法として、含水素ハロゲン化炭化水素をHFと接触させることによりF以外のハロゲンをFに交換する方法(不飽和ハロゲン化炭化水素を原料としてHFの付加とF以外のハロゲンをFに交換する反応を同時に実施するケースも多い)があるが、反応が進みにくい場合が多く、HFCの生産量は用いる触媒に大きく依存する。
【0003】
最も反応が進みにくい一例が、1−クロロ、2,2,2−トリフルオロエタン(以下、HCFC−133aと略す)のフッ素化によるHFC−134aの合成反応であり、本反応は明らかに熱力学的に不利な吸熱反応である。したがって、一般にはHCFC−133aに対し化学量論以上のHFを共存させて、比較的高温で反応を行う。例えば、特開昭55−27138号公報では、CrF・3HOを空気で処理した化合物を触媒として反応温度400℃でHFC−134aを収率32%で得ている。このように高温での反応は触媒のコーキングを促進し、触媒寿命を短くする。コーキングを防止するために反応ガス中に酸素を同伴する試みもある(特開昭55−27139号公報)が、塩素化された副生物が増加し好ましくない。特公平5−88690号公報では塩素化された副生物の生成を抑制するために、非Cr系のCoCl/Alをフッ素化処理して得られる触媒を用いて酸素存在下で反応する方法が開示されているが、この触媒は活性が低く生産性が悪い。このような理由により、触媒の長寿命化を目指した検討がこれまでにもなされてきた。すなわち、特開平2−172933号公報では、Al,Mg,Ca,Ba,Sr,Fe,Ni,CoおよびMnからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素およびCrを含むハロゲン化物または酸化物からなる触媒が耐久性(寿命)に優れることを開示している。また、EP502605では、Znを担持したCr系触媒を開示している。さらに、特開平4−34694号公報では、RuやPtを担持した部分的にフッ化されたCrからなる触媒を、また、特開平5−269382号公報では酸化クロム及び酸化ニッケルを主成分とする触媒を寿命の長い触媒として開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、HFCの製造方法である含水素ハロゲン化炭化水素のHFによるフッ素化反応においては、触媒へのコーキングが激しく、上記のような触媒でも寿命は十分とは言えない。従って、従来はコーキングし難い反応条件を選ぶ必要があった。すなわち、有機物供給量に対するHF供給量の比(以下、モル比と略す)が小さいほどコーキングの進行が速いことから、従来のフッ素化触媒を使用する際にはモル比を大きくしてコーキングの進行を遅くしていた。しかし、モル比を大きくするということは、(SVを一定にした場合には)有機物の供給量を減らすということであり、STY(空時収率)の低下を意味する。つまり従来は、触媒寿命を延長するためにある程度、STYを犠牲にしていると言うことができる。
【0005】
従って、これまでの触媒以上にコーキングし難く、寿命の長い触媒が得られれば、単に触媒寿命が長くなるばかりでなく、低モル比での反応が可能になるため生産性の向上も期待することができる。
以上のことから本発明の目的は、HFCの製造において寿命が長いフッ素化触媒、および該触媒を用いて炭素数1〜4のハロゲン化炭化水素を気相でHFと接触させてHFCを効率よく製造する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の問題を解決すべく鋭意検討した結果、Ga,Cr,O,Fを必須の構成元素として含み、Crに対するGaの原子比が0.0001〜0.15、好ましくは0.001〜0.1、特に好ましくは0.003〜0.05である触媒が従来のCr系フッ素化触媒に較べて著しく長い寿命を有することを見い出し、本発明を成すに到った。
【0007】
こうして本発明によれば、
(1)Ga,Cr,O,Fを必須の構成元素として含み、Crに対するGaの原子比が0.0001〜0.15、好ましくは0.001〜0.1、特に好ましくは0.003〜0.05である触媒
(2)Cr元素及びGa元素を含む触媒前駆体をフッ素フッ化水素又は含フッ化炭化水素と接触させてフッ素化処理することによる、上記(1)の触媒の製造方法、および
(3)上記(1)の触媒の存在下、ハロゲン化炭化水素とHFとの接触により、ハロゲン化炭化水素をフッ素化する方法が、提供される。
【0008】
本発明のクロム系フッ素化触媒のGa,Cr,O,F以外の構成元素としてはアルカリ金属が大量に(重量で%オーダー)含まれることはあまり好ましくないが、その他の元素は%オーダー以上含んでもよい。特に、助触媒として活性促進効果が期待できる8,9,10,11,12属(新IUPAC命名法)の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、なかでも、Co,Ni,Cu,Zn,CdなどはCrに対する原子比で0.001〜0.5、好ましくは0.003〜0.2の範囲で含まれていてもよい。
【0009】
本発明の触媒は、GaおよびCrを含有する化合物(例えば酸化物や水酸化物)を触媒前駆体として、これをHFやF、分子中にフッ素を有するハロゲン化炭化水素等によってフッ素化し、OやOHを部分的にフッ素に置き換えることによって調製することができる。GaおよびCrを含有する化合物は担体に担持することも可能であり、適当な担体としては活性炭、アルミナ、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウムなどが挙げられる。
【0010】
触媒前駆体の調製方法としては従来知られている混練法、含浸法、共沈法等のいかなる方法も用いることができ、また、触媒前駆体を調製するための原料としては工業規模で入手可能ならば、いかなる原料を用いてもよい。上記の方法のうち、含浸法や共沈法がGaをCr中に高分散させることができるため好ましい。なかでも、共沈法はGaの分散状態をより、任意にコントロールし得るためさらに好ましい。従って、好ましい触媒前駆体の調製方法の例としては、GaおよびCrの塩が溶解した液を沈澱剤と反応させて沈澱をつくり、濾別、洗浄、乾燥、焼成する方法(共沈法の例)、酸化クロムや水酸化クロムにGa化合物の溶液を含浸し、乾燥、焼成する方法(含浸法の例)等があげられる。担体を用いる場合には例えばGaおよびCrの化合物が溶解した液を担体に含浸し、乾燥、焼成することにより調製することができる。
【0011】
さらに好ましい触媒前駆体の調製方法の例としては、水酸化クロム(特に3価)のスラリー中に少なくとも後に添加するGaとCrの塩を中和するに足る量の沈澱剤(アルカリ)をあらかじめ添加した後、GaとCrの塩の混合溶液をゆっくり添加して調製したスラリーを分別、洗浄、乾燥し、焼成する方法やGaおよびCrの塩が溶解した液と沈澱剤とを反応液のpHが6〜12、特に好ましくは6.5〜10の範囲内に在るようにコントロールしながら、双方同時に、あるいは交互に滴下調製したスラリーを濾別、洗浄、乾燥し、焼成する方法があげられる。
【0012】
触媒前駆体調製原料としてのGaおよびCrの化合物としては硝酸塩、塩化物、硫酸塩が好適に用いられる。なかでも共沈法においては硝酸塩が、含浸法においては塩化物が好ましい。沈澱剤の種類としてはアンモニア、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムなどが好ましく、なかでもアンモニアが特に好ましい。
【0013】
触媒形状として成型物が望ましい場合には上記焼成前、または焼成後に打錠成型を行ったり、乾燥前に押し出し成型を実施することにより成型物とすることができる。
乾燥方法としては80〜130℃、特には90〜120℃の温度範囲で、空気あるいはNなどの不活性ガス雰囲気中で30分以上行うことが好ましいが、減圧乾燥などの他の乾燥方法で行うことも可能である。
【0014】
焼成は300℃〜600℃、好ましくは350℃〜500℃の温度範囲で行うことが適当であるが、調製方法によって焼成の雰囲気を選ぶ必要がある。すなわち、水酸化クロム、酸化クロムなどのクロム化合物は約350℃以上の高温でOに触れると比表面積の大幅な低下を引き起こし、また、活性炭は焼成して消失する。このため、担体を使用せずにクロム化合物を触媒前駆体の主成分とする場合や、活性炭を担体として用いる場合には350℃以上の温度でOを1000Pa(絶対圧力)以上含む雰囲気に曝してはならず、N,Arなどの不活性ガスもしくは還元性ガス雰囲気で焼成することが望ましい。ここで言う還元性ガス雰囲気とはH,CO,NOなどの還元力を有するガスを含有する雰囲気のことであり、その他に不活性ガスや水分も含有することができる。Oなどの酸化性ガスについても安全上問題とならない濃度であれば含まれていてもよいが、含まれていない方が望ましい。
【0015】
担体としてアルミナや各種金属フッ化物を用いる場合にはO雰囲気下でも担体が比表面積の低下を防止する効果をもつため、Oを含む雰囲気、代表的には空気中で焼成することも可能である。しかし、特開平5−92141号公報に記載されているように、焼成後に行う前駆体のフッ素化時に、Crが飛散するという問題が生じる。従って、上記担体を用いる場合にも不活性ガスもしくは還元性ガス雰囲気で焼成する、もしくは、Oを含む雰囲気で一旦焼成を行った後にさらに、還元性ガス雰囲気で焼成することが望ましい。
【0016】
さらに好ましい焼成方法としては、焼成工程の中に還元性ガス雰囲気で熱処理する工程を設ける方法があげられる。すなわち、クロム化合物を触媒前駆体の主成分とする場合や、活性炭を担体として用いる場合には、乾燥工程後に直接、還元性ガス雰囲気で焼成する、もしくは、一旦、不活性ガス中で焼成を行った後にさらに還元性ガス雰囲気で焼成することが好ましい。担体としてアルミナや各種金属フッ化物を用いる場合には、乾燥工程後に直接、還元性ガス雰囲気で焼成する、もしくは、一旦、不活性ガス中やOを含む雰囲気で焼成を行った後にさらに還元性ガス雰囲気で焼成することが好ましい。
【0017】
上記の還元性ガス雰囲気で熱処理することにより、反応前に行う触媒前駆体のフッ素化の際に、飛散するCrの量を減少させる、触媒の活性を向上させる等の効果が期待できる。この熱処理の温度としては350〜500℃が適当であり、好ましくは370〜460℃、特に370〜450℃がよい。用いる還元性ガスの種類としてはH,CO,NO等があげられるが、取扱いの簡便さからHを用いるのが適当である。還元性ガスの濃度は0.1〜100 vol%とすることができる。必要に応じてガス中に20 vol%以下の水や99.9 vol%以下の不活性ガスを同伴することも可能であるが、O濃度は安全上の問題から0.1 vol%以下に抑えるべきである。ガス流量はGHSV(標準状態換算)で10〜1000Oh−1が適当であり、圧力は大気圧〜10kg/cmGが操作上簡便である。処理時間としては少なくとも30分間、好ましくは1〜10時間熱処理する。
【0018】
還元性ガス雰囲気で熱処理した触媒前駆体はOを絶対圧力で1000Pa以上含む雰囲気に高温で曝すことは好ましくない。従って、還元性ガス雰囲気で焼成した後に、さらに空気中などのOを含有する雰囲気で焼成を行うことは避けるべきである。また、還元性ガス雰囲気での焼成が終了して前駆体を取り出す際に大気解放する場合にも、200℃以上の温度でOが系内に導入されるような操作は避けねばならず、好ましくは150℃、さらに好ましくは120℃以下の温度で空気を系内に少しづつ導入し、徐々に系内のO濃度を上げた後に大気解放すべきである。
【0019】
以上述べた方法およびその他公知のいかなる方法で触媒前駆体の調製を行ってもよいが、Crに対するGaの原子比(以下、Ga/Cr比と略)は0.0001〜0.15、好ましくは0.001〜0.1、特に好ましくは0.003〜0.05という範囲にしなければならない。上記の範囲よりGa/Cr比が小さいと、コーキングを防止する効果が現れず、また、Ga/Cr比が大き過ぎても反応速度が低下するため好ましくない。Ga/Cr比の調整は、混練法ならば混合する粉の割合、含浸法や共沈法ならばGaおよび/またはCr化合物の溶液濃度や溶液組成をコントロールすることにより容易に達成される。
【0020】
本発明のフッ素化触媒ではさらにO,Fを必須の構成元素とする。O,Fの含量はGa/Cr比や触媒前駆体の調製方法によって適切な範囲が変化するが、何れの成分も触媒の全重量に対して0.3重量%以上は必要である。好ましいOの含量の範囲は1〜25重量%である。好ましいFの含有量は15〜45重量%である。触媒中にOとFを含有させるには、上記のようにGaおよびCrを含有する化合物をHFやF、分子中にFを有するハロゲン化炭化水素等のガスによってフッ素化することで達成できる。なかでもHFを用いるフッ素化がコスト上優れている。
【0021】
反応前の触媒前駆体のフッ素化の温度としては300〜500℃、特には300〜450℃が好ましい。HFなどのフッ素化剤の濃度としては0.1〜100vol%で行い得るが、発熱による温度上昇(以下、ΔTと略)が最大でも50℃以下になるように、必要に応じてNなどの不活性ガスでフッ素化剤を希釈して用いることが望ましい。ガス流量はGHSVで10〜10000h−1が適当であり、圧力は大気圧〜20kg/cmGで行うことができる。
【0022】
好ましい触媒前駆体のフッ素化方法の一例をあげると、大気圧下300〜400℃で、HF濃度5〜30 vol%になるようにHFとNを供給しフッ素化を開始する。ホットスポットが前駆体充填層を通過した後、発熱に注意しながらHF濃度を90 vol%以上に、圧力を2〜10kg/cmGになるまで上げていき、最終条件で少なくとも発熱がなくなるまで処理を継続する。
【0023】
以上述べた触媒前駆体の焼成およびフッ素化はインコネル、ハステロイ製のものであれば同一の反応器で行うことも可能であり、操作上簡便である。
以上のようにして製造できる本発明のGa,Cr,O,Fを必須の構成元素として含むフッ素化触媒はハロゲン化炭化水素をHFによりフッ素化する際に適用できるが、含水素ハロゲン化炭化水素のフッ素化反応には特に効果的である。つまり、オキシフッ化クロムのような従来のフッ素化触媒よりコーキングが進行し難く、より長い触媒寿命が達成できる。
【0024】
本発明でいう含水素ハロゲン化炭化水素とは主には炭素数1から4の分子中にHを含むハロゲン化炭化水素のことであり、一例をあげるとCHCl,CHCl,CHFCl,CHCl,CHCl,CCl,CCl,CHCl,CHFCl,CHFCl,CHFCl,CHFCl,CCl,CFCl,CCl,CCl,CCl,CFCl,CCl,CCl,CFCl,CCl,CCl,CHFClなどがある。さらに、上記の炭化水素中のClの全部もしくは一部をBrやIに置換した化合物であってもよい。なかでも、最近オゾン層を破壊する恐れのないHFCとして注目されているCH(HFC−32)やCHFCF(HFC−134a),CFCHF(HFC−125)を製造する際の合成ルートとして考えられるCHCl,CHFCl(HCFC−31),CHCl=CCl(トリクロロエチレン),CFCHCl(HCFC−133a),CCl=CCl(パークロロエチレン),CFCHCl(HCFC−123),CFCHFCl(HCFC−124)のフッ素化反応において有効であり、HCFC−133aのフッ素化によるHFC−134aの製造には特に効果的である。
【0025】
フッ素化反応は固定床、流動床、移動床等の反応方法をとり得るが、固定床が一般的である。反応条件は反応によって適切な条件が変化するが、一般的には、ハロゲン化炭化水素に対するHFのモル比が0.5〜20、温度が200〜40℃、圧力が大気圧〜20kg/cmG、SVが50〜100000h−1である。本発明のフッ素化触媒はコーキングが進行し難いため、従来のフッ素化触媒を使用する場合よりハロゲン化炭化水素に対するHFのモル比を低くすることが可能であることから、触媒の寿命が長くなるだけでなく、高いSTYを得ることができ生産性も向上する。
【0026】
【実施例】
以下、実施例および比較例を示して、本発明を具体的に説明するが、かかる説明によって本発明が限定されないことは勿論である。尚、説明中Ga/Cr比は化学分析から求めた触媒に含まれる各元素の原子比を表し、反応例中のモル比とはハロゲン化炭化水素に対するHFのモル比を表す。SVは標準状態に換算した値であり、圧力はゲージ圧である。
【0027】
(触媒調製例1)
純水240gにGa(NO・nHO(Ga含量18.9重量%)0.92gとCr(NO・9HO10gを溶解してGaとCrを含んだ水溶液を得た。
次に、Cr(NO水溶液とNH3水を攪拌しながら混合して調製した水酸化クロムのスラリーにさらにNH水を加えてpHを9に調節したスラリー(スラリー中のCr含量は1.4重量%)840gに上記のGaとCrを含んだ水溶液を約20分かけて滴下してGaとCrを含有する水酸化物のスラリーを調製した。得られたスラリーを濾別し、純水でよく洗浄した後、110℃で12時間乾燥した。得られた固体を粉砕し、黒鉛と混合して、打錠成型機でペレット化した。
【0028】
ペレットを焼成管に充填し、H気流下400℃で4時間焼成し触媒前駆体とした。この前駆体をインコネル製反応管に充填し、大気圧においてN希釈した20 vol%のHF気流下350℃で、続いてNの供給を断ち100 vol%のHF気流下で、さらに100%のHF気流下で昇圧して5kg/cmGでフッ素化処理を行った。処理後のペレットの組成を以下に示す。
【0029】
Ga:0.79 Cr:58.6 O:19.1 F:19.5
分析結果から、Ga/Cr比は0.01であった。
【0030】
(触媒調製例2)
Cr(NO水溶液とNH水を攪拌しながら混合して調製した水酸化クロムのスラリーを濾別し、純水でよく洗浄した後、110℃で12時間乾燥した。得られた固体を粉砕したもの50gを攪拌しつつ、GaCl水溶液(純水25gにGaCl 0.43gを溶解したもの)をゆっくり滴下した。湿潤した粉体を再度110℃で12時間乾燥した後、黒鉛と混合して、打錠成型機でペレット化した。以下の操作は調製例1に従って、フッ素化処理を行った。処理後のペレットの組成を以下に示す。
【0031】
Ga:0.39 Cr:57.5 O:18.0 F:21.0
分析結果から、Ga/Cr比は0.005であった。
【0032】
(比較触媒調製例1)
水酸化クロムのスラリーに滴下する水溶液にGa(NO・nHOを加えないこと以外は調製例1に従って、Gaを含まない触媒前駆体を調製し、調製例1と同じ条件でフッ素化処理を行った。処理後のペレットの組成を以下に示す。
【0033】
Cr:58.9 O:18.5 F:20.6
【0034】
(比較触媒調製例2)
水酸化クロムのスラリーに滴下する水溶液にGa(NO・nHOを18.4g加えること以外は調製例1に従って、Ga添加量の多い触媒前駆体を調製し、調製例1と同じ条件でフッ素化処理を行った。処理後のペレットの組成を以下に示す。
【0035】
Ga:12.4 Cr:46.5 O:16.7 F:21.4
分析結果から、Ga/Cr比は0.2であった。
【0036】
(触媒調製例3)
調製例1で成型したペレットをN気流中400℃で焼成する以外は調製例1と同様にして触媒を調製した。分析結果から求めたGa/Cr比は0.01であった。
【0037】
(触媒調製例4)
Cr(NO・9HO75gとGa(NO・nHO0.69gを純水200mlに溶かした溶液と28重量%のアンモニア水50mlとを純水100mlを入れた11の容器の中にかくはんしながら、反応溶液のpHが7.5〜8.5の範囲内になるように2種の水溶液の流量をコントロールして約20分かけて滴下した。得られたスラリーを濾別し、純水でよく洗浄した後、110℃で12時間乾燥した。以降の操作は調製例1に従って、触媒を調製した。分析結果から求めたGa/Cr比は0.01であった。
【0038】
(触媒調製例5)
CrCl・6HO110g、GaCl0.58gを純水78gに溶解し、活性アルミナ100gを浸漬して触媒液を全量吸収させた。これを120℃で12時間乾燥した後、ガラス性焼成管に充填してまず、空気気流下350℃で3時間、続いて、H気流下400℃で4時間焼成した。この前駆体をインコネル製反応管に充填し、大気圧においてN希釈した20 vol%のHF気流下350℃で、続いてNの供給を断ち100 vol%のHF気流下で、さらに100%のHF気流下で昇圧して3kg/cmGでフッ素化処理を行った。
【0039】
分析結果から求めたGa/Cr比は0.008であった。
【0040】
(触媒調製例6)
調製例1でGaとCrを含んだ水溶液にZn(NO・6HO 2.97gを追加してGaとCrとZnを含んだ水溶液を用いる以外は調製例1に従って触媒を調製した。
分析結果から求めたGa/Cr比は0.01、Zn/Cr比は0.04であった。
【0041】
(反応例1)
触媒調製例1で調製した触媒を粉砕、分級し、0.71mm以上1mm以下の顆粒2.5mlをインコネル製反応管に充填し、以下の活性評価条件でHCFC−133aのフッ素化反応を行い、HFC−134a収率を測定した。その後、反応条件を以下の劣化し易い条件(以下、加速劣化条件と略す)に変更し、15時間放置したが、HFC−134a収率は約11%と一定であった。その後、再度反応条件を先の活性評価条件に戻して、活性の低下度合いを計測した。表1に加速劣化前後のHFC−134a収率と前後の収率比を示す。
【0042】
活性評価条件
温度:320℃、圧力:大気圧、HF/HCFC−133aモル比:8、SV:1500h−1
加速劣化条件
温度:360℃、圧力:大気圧、HF/HCFC−133aモル比:1、SV:2000h−1
【0043】
(反応例2)
触媒調製例2で調製した触媒を使用する以外は反応例1に従って加速劣化による活性の低下度合いを計測した。結果を表1に示す。
【0044】
(比較反応例1)
比較触媒調製例1で調製した触媒を使用する以外は反応例1に従って加速劣化による活性の低下度合いを計測した。結果を表1に示す。
【0045】
(比較反応例2)
比較触媒調製例1で調製した触媒を使用する以外は反応例1に従って加速劣化による活性の低下度合いを計測した。結果を表1に示す。
【0046】
Figure 0003558385
表中、収率はHFC−134aの収率を、収率比は加速劣化前後の収率の比を表す。
【0047】
以上の結果からGaを添加した触媒では劣化し易い反応条件に触媒を曝してもコーキングし難いため活性低下の度合いが小さいことがわかる。また、比較反応例2からGaの添加量が多すぎると触媒の活性が低下して好ましくないことがわかる。
【0048】
(反応例3〜6)
触媒調製例3〜で調製した触媒を使用する以外は反応例1に従って加速劣化による活性の低下度合いを計測した。加速劣化前後のHFC−134a収率比を表2に示す。
【0049】
Figure 0003558385
表中、収率はHFC−134aの収率を、収率比は加速劣化前後の収率の比を表す。
【0050】
(反応例7)
触媒調製例1で調製した触媒を反応例1にならって、以下の条件でHCFC−123のフッ素化反応を行い、活性の低下度合いを計測した。
活性評価条件
温度:320℃、圧力:大気圧、HF/HCFC−133aモル比:4、SV:1000h−1
加速劣化条件
温度:370℃、圧力:大気圧、HF/HCFC−133aモル比:1、SV:1000h−1
加速劣化前後のHFC−125の収率比は0.48であった。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るフッ素化触媒は寿命が長いため、生産性よくハイドロフルオロカーボンを製造することができる。

Claims (6)

  1. クロム、ガリウム、酸素及びフッ素を必須の構成元素として含み、クロムに対するガリウムの原子比が0.001〜0.15の範囲内であり、触媒全重量に対する酸素の含有量が1〜25重量%であり、触媒全重量に対するフッ素の含有量が15〜45重量%であることを特徴とする含水素ハロゲン化炭化水素のフッ素化用クロム系触媒
  2. クロムに対するガリウムの原子比が0.003〜0.05の範囲内である請求項1記載のクロム系触媒
  3. コバルト、ニッケル、亜鉛、カドミウムから選ばれる少なくとも1種の元素をさらに含有する請求項1又は2記載のクロム系触媒
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のクロム系触媒の存在下、気相でフッ化水素と含水素ハロゲン化炭化水素とを接触させることを特徴とする含水素ハロゲン化炭化水素のフッ素化方法。
  5. 該含水素ハロゲン化炭化水素がジクロロメタン、クロロフルオロメタン、1−クロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタンからなる群から選ばれることを特徴とする請求項記載のフッ素化方法。
  6. 該含水素ハロゲン化炭化水素が1−クロロ−2,2,2−トリフルオロエタンであることを特徴とする請求項記載のフッ素化方法。
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