JP3557846B2 - フォーカスサーボ装置及びフォーカスサーボ制御方法 - Google Patents

フォーカスサーボ装置及びフォーカスサーボ制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層構造の信号面を有するディスク状記録媒体に対応するディスクドライバにおいて、光学ヘッドの対物レンズから出力される光ビームのフォーカス制御を行うフォーカスサーボ装置、及びフォーカスサーボ制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばディスク状記録媒体として、近年開発されたDVD(Dijital Versataile disc)−ROMなどにおいては、いわゆる2層ディスクといわれる2層の信号面を有する構造のものが提案されている。このような2層ディスクの構造例を図16の断面図により示す。
【0003】
図16に示す2層ディスク100においては、ディスク表面108側からみて、光透過率が高くかつ耐機械的特性或いは耐化学特性を有する透明ポリカーボネイト樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、或いはアクリル樹脂等の透明な合成樹脂材料によってディスク基板(透明層)101が成形される。
この図において上記ディスク基板(透明層)101の上面とされる側には第1信号面102及びこの第1信号面102に対応する第1反射層103が形成されており、これら第1信号面102及び第1反射層103により第1層のデータ記録面(信号層)が形成される。また第2信号面104及びこの第2信号面104に対応する第2反射層105により第2層のデータ記録面(信号層)が形成される。第2反射層105の上は接着面106とされ、これを介してダミー板107が接着される。
【0004】
第1反射層103は半透明膜とされ、レーザ光の一定割合を反射させるように形成されている。これによってレーザ光が第1信号面102に焦点を当てれば第1反射層103による反射光から第1信号面102に記録された信号を読み取ることができ、またレーザ光を第2信号面104に焦点をあてさせる際は、そのレーザ光は第1反射層103を通過して第2信号面104に焦光され、第2反射層125による反射光から第2信号面104に記録された信号を読み取ることができる。
【0005】
ところで、上記のような構造による2層ディスクに対応して記録再生を行う場合において、第1層から第2層、あるいは第2層から第1層の信号層にその記録再生動作を切り換える場合には、これに伴うフォーカスサーボ制御として、光学ヘッドの対物レンズのフォーカス位置(合焦状態が得られるとされる位置状態)について、第1層から第2層、あるいは第2層から第1層に移行するようにフォーカスジャンプを行う必要がある。このようなフォーカスジャンプ制御について、図17を参照して概略的に述べる。
【0006】
図17には、2層ディスク100に対する対物レンズ2の位置関係が概念的に示されている。この図では、2層ディスク100のディスク表面108側に対して、実線による対物レンズ2と破線による対物レンズ2が示されているが、2層ディスク100に対して実線による対物レンズ2が位置するような状態では、対物レンズ2から出力される光ビームは、第1層に対応してフォース引き込みが可能な範囲(第1フォーカス引き込み範囲FL1)内にあって、フォーカスサーボループが閉じられた状態では第1信号面102に対して合焦するように収束可能な状態とされる。
また、破線による対物レンズ2が位置する状態では、第2層の第2信号面に対応する第2フォーカス引き込み範囲FL2内にあって、フォーカスサーボループが閉じられた状態では第2信号面104に対して合焦するように収束な状態と可能とされる。
【0007】
そして、例えばフォーカスジャンプ制御として、対物レンズ2のフォーカス位置を第1層から第2層に移行(ジャンプアップ)させるには、対物レンズ2が第1フォーカス引き込み範囲FL1にある状態のもとでフォーカスサーボループを開いて、所定レベルのキック(加速)信号をフォーカスドライバに印加して、対物レンズ2が図17の上方向に加速が与えられるようにして付勢させた状態で強制的に移動させる。このときのキック信号のレベルは、例えば対物レンズ2の合焦位置が確実に第1層を越えるようにすると共に、第2層の第2フォーカス引き込み範囲FL2を越えないようにする事を考慮して設定される。
そしてこの後、例えば適正タイミングにより上記キック信号を停止させた後に、所定レベルのブレーキ(減速)信号をフォーカスドライバに印加することにより、先に印加されたキック信号により慣性的に上方向に移動中の対物レンズ2に対して減速をかけるようにする。
【0008】
これまでの段階で、対物レンズ2はほぼ図17の第2フォーカス引き込み範囲FL2内に位置する状態が得られていると共に、上記ブレーキ信号の作用によって対物レンズ2に与えられた速度も十分小さいものとなっている。そこで、適切なタイミングでフォーカスサーボループを閉じる(フォーカス引き込みを行う)ことによって、以降は第2層の第2信号面104に対して光ビームが合焦するように収束するフォーカスサーボ制御動作に引き継がれる。このようにして、対物レンズ2のフォーカス位置が第1層から第2層に移行させるようにすることが可能になる。
【0009】
また、例えばフォーカスジャンプ制御として、対物レンズ2のフォーカス位置を第2層から第1層に移行(ジャンプダウン)させる場合にも、上記したジャンプアップ時の制御動作に準ずればよい。ただし、ジャンプダウン時には、少なくともジャンプアップ時とは異なる極性のキック信号及びブレーキ信号等が印加されることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えばDVDに対応するディスクドライバ自体や、このようなディスクドライバを搭載したパーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置では、ユーザが実際に使用している時の設置状態として必ずしも水平置きの状態におかれるとは限らない。
【0011】
図18は、ディスクドライバが搭載されたコンピュータ装置の設置形態例を示すものである。図18(a)には、コンピュータ装置200が水平置きにされた状態が示されている。このコンピュータ装置200の本体201内には、図のような状態でディスクドライバ0が搭載されている。この設置状態では、ディスクドライバ0内のディスクDは、例えばディスク表面108(図16参照)側が底面部と対向する状態で装填されることになり、従って、光学ヘッドの対物レンズ2は、ディスク表面側に位置することになると共に、対物レンズ2のフォーカス制御方向は矢印Aの方向に沿った本体201の高さ方向となる。つまり、図18(a)の設置状態では垂直方向となる。この際、光学ヘッドのトラッキング制御方向、つまりスレッド移動方向は本体201の奥行き方向であるものとする。
【0012】
図18(b)には本体201の左側面部を下側にして縦置き(左下縦置)にした状態が示されている。また、図18(c)には本体201の右側面部を下側にして縦置き(右下縦置)にした状態が示されている。これら図18(b)(c)に示す設置状態では、ディスクドライバ0に装填されるディスクDはディスク表面が垂直方向に沿った状態となり、矢印Aで示す対物レンズ2のフォーカス方向は水平方向に沿うことになる。
【0013】
実際のユーザの使用環境では、コンピュータ装置は上記図18(a)(b)(c)に示す設置状態となることが考えられる。そこで、このようなコンピュータ装置に搭載されるディスクドライバとしては、少なくとも図18(a)(b)(c)に示すような設置状態に伴う姿勢差の範囲内であれば、正常に記録再生が行われるようにその動作を保証することが好ましい。
【0014】
ところで、上記のようなディスクドライブの姿勢差に対する動作の保証について、先に図17にて説明した2層ディスクに対応するフォーカスジャンプ制御の観点からみた場合には、次のような問題が生じる。
例えば、図18(a)に示す水平置きの状態では、対物レンズ2のフォーカス移動方向(矢印A)に対して重力の影響がかかることになる。この場合、フォーカスジャンプ制御としてジャンプアップを行う場合には重力に逆らって対物レンズ2を層間移動させることになり、ジャンプダウンを行う場合には重力に従って対物レンズ2を層間移動させることになる。
【0015】
ここで、例えば図18(a)に示す水平置きの状態を前提として、ジャンプアップ時のフォーカスジャンプ制御が安定的に実現されるように、キック信号、ブレーキ信号の絶対値レベル、印加タイミング及びフォーカスサーボループを閉じるタイミング等の所要の制御パラメータが設定されているとする。具体的に、例えばキック信号であれば、そのレベルは重力に逆らって対物レンズ2が層間移動できるように比較的強めに設定される。
そして、ジャンプダウン時において、上記ジャンプアップ時に適合して設定された制御パラメータを使用したとすると、フォーカスジャンプが失敗する可能性が高くなる。つまり、比較的強めのキック信号によって重力に従う方向に対物レンズ2がキックされるために、加速度が過剰となって、その後のブレーキ制御によっても対物レンズ2を減速させることができず、サーボループを閉じるタイミングでは、対物レンズ2が第1フォーカス引き込み範囲FL1を越えてしまう現象が起こりやすくなる。
逆に、ジャンプダウン時に適正となるように設定された上記各種制御パラメータを利用してジャンプアップを行った場合には、対物レンズ2の最初の加速が不足となって第2フォーカス引き込み範囲FL2にまで到達せずに、第1フォーカス引き込み範囲FL1に戻るようにしてフォーカスジャンプが失敗する可能性が生じてくる。
つまり、水平置きの場合には、少なくともジャンプアップ時とジャンプダウン時とでは、それぞれの条件に適合するレベルのキック信号、ブレーキ信号を設定する必要があると共に、その印加タイミングやサーボループを閉じるタイミングなども適宜設定してやる必要があることになる。
【0016】
これに対して、図18(b)(c)に示すような縦置きの状態では、対物レンズ2のフォーカス移動方向(矢印A)に対して重力の影響はかからないことになるのであるが、例えば、図18(a)に示す水平置きの状態に対応してキック信号、ブレーキ信号のレベル、印加タイミングやサーボループを閉じるタイミング等が設定されているとして、図18(b)(c)に示すような縦置きの設置状態のもとでフォーカスジャンプが行われた場合には、やはり上記フォーカスジャンプ制御のための各種制御パラメータの設定値が条件に適合せずに、対物レンズが目標の信号層のフォーカス引き込み範囲に到達せずに戻る、あるいは越えるような現象が発生してフォーカスジャンプに失敗する可能性が高くなる。
このように、ディスクドライバの姿勢差の変化に対応して、常に安定的で確実なフォーカスジャンプ制御が実現されるようにして予め各種制御パラメータを固定的に設定することは難しい。
【0017】
また、仮にディスクドライバの姿勢差の変化に対応して常に安定的なフォーカスジャンプ制御が実現されるように制御パラメータを固定的に設定できたとしても、上記重力の条件の変化に加えて、例えば実際には、対物レンズ2を駆動する二軸ドライバ(フォーカスドライバ及びトラッキングドライバ)の感度のばらつきや、2層ディスクの層間距離のばらつきなどの要因が存在するため、これらの要因までも吸収して常に安定的で確実なにフォーカスジャンプ制御が可能なように各種設定条件を決定することは非常に困難なものとなる。
例えば、フォーカスジャンプが失敗した場合には、この動作をリトライすることになるのであるが、これは比較的時間を要するためにそれだけ再生待機時間が長くなり、それだけユーザにとってはストレスとなる。
【0018】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は上記した課題を解決するために、所定範囲のディスクドライバの姿勢差、及び二軸ドライバ(フォーカスドライバ及びトラッキングドライバ)の感度のばらつきや、2層ディスクの層間距離のばらつきなどの要因に関わらず、常に安定で確実なフォーカスジャンプ制御が行われるようにして、ディスクドライバとしての信頼性を向上させることを目的とする。
【0019】
このため、複数の信号層を有するディスク状記録媒体に対応するフォーカスサーボ制御として、光ビームを出力する対物レンズの位置について、これまでの信号層から他の目的の信号層に対して合焦するようにフォーカス引き込み制御を実行可能なフォーカスサーボ装置として、所定レベルによる移送制御信号を所定タイミングで出力することにより、上記対物レンズを上記目的の信号層のフォーカス引き込み可能範囲に到達できるように移送させる移送制御手段と、目的の信号層に対して合焦状態にあることを示す0クロス時点より以前の所定タイミングにおけるフォーカスエラー信号波形に基づいて、上記移送制御手段の駆動制御によって移動状態にあるとされる対物レンズの移動速度を検出する速度検出手段と、この度検出手段の検出結果に基づいて、対物レンズの速度が適正範囲内にあると判別した場合には、上記0クロス時点に対応する所定タイミングでフォーカスサーボループを閉じると共に上記移送制御信号を停止させる制御を実行し、対物レンズの速度が適正範囲よりも遅いと判別した場合には、0クロス時点より以前における所定時点から所定時間経過したとされるタイミングでフォーカスサーボループを閉じると共に移送制御信号を停止させる制御を実行し、対物レンズの速度が適正範囲よりも速いと判別した場合には、0クロス時点に対応する所定タイミングでフォーカスサーボループを閉じると共に、上記移送制御信号として対物レンズを減速させるための所定レベルの制御信号を所定期間出力するように構成されたフォーカス引き込み制御手段とを備えて構成することとした。
【0020】
また、複数の信号層を有するディスク状記録媒体に対応するフォーカスサーボ制御として、光ビームを出力する対物レンズの位置について、これまでの信号層から他の目的の信号層に対して合焦するようにフォーカス引き込み制御を実行可能なフォーカスサーボ制御方法として、所定レベルによる移送制御信号を所定タイミングで出力することにより、上記対物レンズを上記目的の信号層のフォーカス引き込み可能範囲に到達できるように移送させる移送制御処理と、目的の信号層に対して合焦状態にあることを示す0クロス時点より以前の所定タイミングにおけるフォーカスエラー信号波形に基づいて、上記移送制御処理の駆動制御によって移動状態にあるとされる対物レンズの移動速度を検出する速度検出処理と、この速度検出処理の検出結果に基づいて、対物レンズの速度が適正範囲内にあると判別した場合には、上記0クロス時点に対応する所定タイミングでフォーカスサーボループを閉じると共に移送制御信号を停止させる制御を実行し、対物レンズの速度が適正範囲よりも遅いと判別した場合には、0クロス時点より以前における所定時点から所定時間経過したとされるタイミングでフォーカスサーボループを閉じると共に移送制御信号を停止させる制御を実行し、対物レンズの速度が適正範囲よりも速いと判別した場合には、0クロス時点に対応する所定タイミングでフォーカスサーボループを閉じると共に、上記移送制御信号として対物レンズを減速させるための所定レベルの制御信号を所定期間出力するフォーカス引き込み制御処理とを実行するように構成することとした。
【0021】
上記構成によれば、例えば多層ディスクの層間移動のためのフォーカスジャンプ制御時において、目的の信号層の合焦位置に近づきつつあるようにして移動しているとされる対物レンズの速度状態に応じて、対物レンズが目的の信号層に対応するフォーカス引き込み可能範囲にある状態のもとで、ここから離脱しないような適正速度となるように制御したうえで、フォーカス引き込み制御を実行することが可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態のフォーカスサーボ装置は、例えばDVD−ROMとして、通常の1層ディスクに加えて図16に示すような構造の2層ディスクにも対応して再生が可能に構成されたディスクドライバに搭載されているものとされる。また本実施の形態としてのディスクドライバは、単体で利用されても構わないが、ここでは、例えば図18に示したようにしてコンピュータ装置に搭載されているものとして説明する。
なお、以降の説明は次の順序で行うこととする。
<1.本実施の形態のディスクドライバの構成>
(1−a.ディスクドライバの構成)
(1−b.RFアンプ内部の構成)
<2.本実施の形態のフォーカスジャンプ制御動作>
(2−a.ジャンプアップ/適正モード)
(2−b.ジャンプアップ/強制ループオンモード)
(2−c.ジャンプアップ/ブレーキ信号増加モード)
(2−d.ジャンプダウン/適正モード)
(2−e.ジャンプダウン/強制ループオンモード)
(2−f.ジャンプダウン/ブレーキ信号増加モード)
<3.本実施の形態のフォーカスジャンプ制御を実現するための処理動作>
(3−a.第1の処理動作例)
(3−b.第2の処理動作例)
【0023】
<1.本実施の形態のディスクドライバの再生系の構成>
(1−a.ディスクドライバの構成)
図1は、本実施の形態のディスクドライバの再生回路系及びサーボ系の要部の構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態としてのディスクドライバは、前述したDVD−ROMに対する再生動作の他に、所定種類のディスク状記録媒体に対応する記録動作が可能なように構成することも可能であるが、ここでは説明の便宜上、DVD−ROMの他、所定種類のディスクに対する再生が可能な再生装置として構成されているものとする。
この図においてディスクDは、ターンテーブル7に載せられて再生動作時においてスピンドルモータ6によって一定線速度(CLV)もしくは一定角速度(CAV)で回転駆動される。そして光学ピックアップ1によってディスクDの信号面に記録されているデータの読み出しが行われる。
【0024】
光学ピックアップ1は、レーザ光の光源となるレーザダイオード4と、偏向ビームスプリッタや対物レンズ2からなる光学系、及びディスクに反射したレーザ光を検出するためのフォトディテクタ5等が備えられて構成されている。ここで、対物レンズ2は、二軸機構3によってトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に支持されている。
【0025】
当該ディスクドライバの再生動作によって、ディスクDから反射されたレーザ光はフォトディテクタ5によって受光電流として検出される。そして、この受光電流をディスクから読み出した情報信号としてRFアンプ7に対して出力する。
RFアンプ7は、電流−電圧変換回路、増幅回路、マトリクス演算回路(RFマトリクスアンプ)等を備え、フォトディテクタ5からの信号に基づいて必要な信号を生成する。例えば再生データであるRF信号、サーボ制御のためのプッシュプル信号PP、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、いわゆる和信号であるプルイン信号PIなどを生成する。
【0026】
フォトディテクタ5としては図2(a)のような向きで、検出部A,B,C,Dから成る4分割ディテクタ5aが設けられており、この場合フォーカスエラー信号FEは検出部A,B,C,Dの出力について、(A+C)−(B+D)の演算により生成される。またプルイン信号PI=(A+B+C+D)となる。
また、この4分割ディテクタ5aでプッシュプル信号PPを生成する場合は、図2(b)に示すようにディテクタ5aの検出部A,B,C,Dの出力について、差動アンプ5bで(A+D)−(B+C)の演算を行うことにより生成することができる。
また、トラッキングエラー信号TEはいわゆる3ビーム方式を考えれば、図2に示した4分割ディテクタとは別にサイドスポット用のディテクタE,Fを用意し、E−Fの演算で生成してもよい。
【0027】
RFアンプ7で生成された各種信号は、2値化回路11、サーボプロセッサ14に供給される。即ちRFアンプ7からの再生RF信号は2値化回路11へ、プッシュプル信号PP、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、プルイン信号PIはサーボプロセッサ14に供給される。
【0028】
なお、本実施の形態のRFアンプ7においては、後述するフォーカスジャンプ制御のために、例えば、フォーカスエラー信号FEについて所要のレベルを検出するための2つのコンパレータが備えられ、その検出信号FCMP−H,FCMP−Lをシステムコントローラ10に供給するようにしている。本実施の形態では、上記検出信号FCMP−H,FCMP−Lに基づいてシステムコントローラ10が適切にフォーカスジャンプ制御を実行するように構成される。
【0029】
RFアンプ7で得られた再生RF信号は2値化回路11で2値化されることでいわゆるEFM+信号(8−16変調信号)とされ、デコーダ12に供給される。デコーダ12ではEFM+復調,CIRCデコード等を行いディスクDから読み取られた情報の再生を行う。そして、デコーダ12によりデコードされたデータはインターフェース部13を介してホストコンピュータなどに供給される。
【0030】
サーボプロセッサ14は、RFアンプ7からのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、プッシュプル信号PP等から、フォーカス、トラッキング、スレッド、スピンドルの各種サーボドライブ信号を生成しサーボ動作を実行させる。即ちフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEに応じてフォーカスドライブ信号FDR、トラッキングドライブ信号を生成し、二軸ドライバ16に供給する。
【0031】
二軸ドライバ16は、例えばフォーカスコイルドライバ16a、及びトラッキングコイルドライバ16bを備えて構成される。フォーカスコイルドライバ16aは、上記フォーカスドライブ信号FDRに基づいて生成した駆動電流を二軸機構3のフォーカスコイルに供給することにより、対物レンズ2をディスク面に対して接離する方向に駆動する。トラッキングドライバ16bは、上記トラッキングドライブ信号に基づいて生成した駆動電流を二軸機構3のトラッキングコイルに供給することで、対物レンズ2をディスク半径方向に沿って駆動する。これによって光学ピックアップ1、RFアンプ7、サーボプロセッサ14、二軸ドライバ16によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
ただし、例えば後述するフォーカスジャンプ制御時においてフォーカスサーボループが開いている状態では、上記フォーカスドライブ信号FDRとして対物レンズ2を加速的に移動させるためのキック信号や、移動中の対物レンズ2を減速させるためのブレーキ信号等がサーボプロセッサ14にて生成されてフォーカスドライバ16aに供給される。
【0032】
またサーボプロセッサ14は、後述するスピンドルモータドライバ17に対して、プッシュプル信号PPから生成したスピンドルドライブ信号を供給する。スピンドルモータドライバ17はスピンドルドライブ信号に応じて例えば3相駆動信号をスピンドルモータ6に印加し、スピンドルモータ6のCAV回転を実行させる。またサーボプロセッサ14はシステムコントローラ11からのスピンドルキック(加速)/ブレーキ(減速)信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータドライバ17によるスピンドルモータ6の起動または停止などの動作も実行させる。
【0033】
サーボプロセッサ14は、例えばトラッキングエラー信号TEの低域成分から得られるスレッドエラー信号や、システムコントローラ10からのアクセス実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成し、スレッドドライバ15に供給する。スレッドドライバ15はスレッドドライブ信号に応じてスレッド機構8を駆動する。スレッド機構8は光学ピックアップ1全体をディスク半径方向に移動させる機構であり、スレッドドライバ15がスレッドドライブ信号に応じてスレッドモータ8を駆動することで、光学ピックアップ1の適正なスライド移動が行われる。
【0034】
サーボプロセッサ14は、光学ピックアップ1におけるレーザダイオード4の発光駆動制御も実行する。レーザダイオード4はレーザドライバ18によってレーザ発光駆動されるのであるが、サーボプロセッサ14は、システムコントローラ10からの指示に基づいて再生時などにおいてレーザ発光を実行すべきレーザドライブ信号を発生させ、レーザドライバ18に供給する。これに応じてレーザドライバ18がレーザダイオード4を発光駆動することになる。
【0035】
以上のようなサーボ及びデコードなどの各種動作はマイクロコンピュータ等を備えて構成されるシステムコントローラ10により制御される。
例えば再生開始、終了、トラックアクセス、早送り再生、早戻し再生などの動作は、システムコントローラ10がサーボプロセッサ14を介して光学ピックアップ1の動作を制御することで実現される。
また、本実施の形態においては、後述するフォーカスジャンプ制御時において、RFアンプ9内のコンパレータのスレッショルドレベルを可変するためのスレッショルドレベル可変制御信号THVを所定タイミングで出力するように構成されている。
【0036】
(1−b.RFアンプ内部の構成)
次に、上記図1に示したRFアンプ9の内部構成として、本実施の形態のフォーカスジャンプ制御に関わる部位の構成例について図3を参照して説明する。
図3において、RFマトリクスアンプ20は、フォトディテクタ5から入力された検出信号に基づいて、前述したようにRF信号、プッシュプル信号PP、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、プルイン信号PIなどを生成して各機能回路部に出力する。
ここで、RFマトリクスアンプ20において生成されたフォーカスエラー信号FEに関しては、前述のようにサーボプロセッサ14に供給されると共に、図のように分岐してローパスフィルタ21,24に対して供給されて所定帯域以下の高周波成分が除去される。
【0037】
システムコントローラ10からは、スレッショルドレベル可変制御信号THVが、スレッショルドレベル設定回路23,26に対して出力される。スレッショルドレベル設定回路23,26では、予め固定して設定された基準レベルVrefと、上記スレッショルドレベル可変制御信号THVを加算して、スレッショルドレベルTH−H,TH−Lを設定する。
【0038】
コンパレータ22の反転入力にはスレッショルドレベルTH−Hが入力され、非反転入力にはローパスフィルタ21により帯域制限されたサーボエラー信号FEが入力される。これによりコンパレータ22は、サーボエラー信号FEが0レベルよりも高いとされる範囲で、サーボエラー信号FEのレベルとスレッショルドレベルTH−Hとについて比較を行い、サーボエラー信号FEのレベルのほうが高ければHレベルの検出パルスを検出信号FCMP−Hとして出力する。
また、コンパレータ25の反転入力にはローパスフィルタ24により帯域制限されたサーボエラー信号FEが入力され、非反転入力には、スレッショルドレベルTH−Lが入力される。これにより、コンパレータ22からはサーボエラー信号FEとして、0レベルよりも低いとされる範囲内で、サーボエラー信号FEの絶対値レベルとスレッショルドレベルTH−Lとを比較し、サーボエラー信号FEの絶対値レベルのほうが高ければHレベルの検出パルスを検出信号FCMP−Lとして出力する。
上記検出信号FCMP−H及びFCMP−Lは、システムコントローラ10に対して出力される。
【0039】
<2.本実施の形態のフォーカスジャンプ制御動作>
(2−a.ジャンプアップ/適正モード)
次に、上記構成による本実施の形態のディスクドライバにおいては、例えば図18に示したようなディスクドライバの姿勢差や、二軸ドライバの感度のばらつき、及び2層ディスクの層間距離のばらつきなどの条件の相違に関わらず、2層ディスクに対して常に安定的で確実なフォーカスジャンプ制御が実現可能なように構成される。そこで以降、図4〜図9を参照して、本実施の形態のフォーカスジャンプ制御として、フォーカスジャンプ時とフォーカスダウン時の場合における各動作モードについて説明する。
【0040】
なお、以降の説明においては、本実施の形態のディスクドライバの本体内におけるディスクDと対物レンズ2の配置形態及び両者の位置関係は、先に図18に示したものであることを前提とする。つまり、ディスクドライバ0(コンピュータ装置200)が平置きの状態であれば、ディスクDはそのディスク表面が接地面と対向するように位置すると共に、対物レンズ2は、ディスクDの下側においてそのフォーカス方向が垂直方向となるように位置することになる。
また、ここでいうジャンプアップとは、先に図17により説明したように、2層ディスクの第1層から第2層の信号面にフォーカスジャンプを行うことをいい、ジャンプダウンとは第2層から第1層の信号面に対してフォーカスジャンプを行うことをいうものである。以降においては、ディスクDは2層ディスクであるものとして説明を行っていく。
【0041】
図4(a)(d)には、それぞれジャンプアップ時の動作モードとして適正モードによりフォーカスジャンプが行われた場合の、フォーカスエラー信号FE、フォーカスドライブ信号FDR、コンパレータ22の検出信号FCMP−H、コンパレータ25の検出信号FCMP−Lの波形が時間軸に沿って示されている。また、図4(e)には、上記コンパレータ22,25のスレッショルドレベル(TH−H,TH−L)を可変するためにシステムコントローラ10から出力されるスレッショルドレベル可変制御信号THVが示されている。
図4において、時点t1以前は、フォーカスサーボループによるサーボ制御によってディスクDの第1層に対して対物レンズ2が合焦している状態が得られている。そして、時点t1において、これまで閉じていたサーボループを開いて、フォーカスドライブ信号FDRとして、図4(b)に示すようにキック信号の出力を開始する。このキック信号は、合焦位置を第1層から第2層に移行させるように対物レンズ2を移動させる方向に対応した極性と、少なくとも合焦位置が第1層から第2層に到達可能なだけの十分な加速度を対物レンズ2に与えることのできる電圧レベルが予め設定される。
【0042】
上記キック信号により、対物レンズ2が第1層から第2層側に強制的に移動されることにより、このときのフォーカスエラー信号FEとしては、図4(a)の時点t1以降に示すように、0レベルにクロス(0クロス)した時点から負極性のフォーカスサーチ波形が現れる。この波形部分は、対物レンズ2が第1層で合焦している状態から、第2層方向側に接近していくように移動していく状態に対応して現れる。なお、本明細書においては、フォーカスエラー信号FEが0レベルをクロスする状態(時点t5近傍)の他、ほぼ0レベルに接するされる状態から正極又は負極側にフォーカスサーチ波形が発生する遷移状態、及びフォーカスサーチ波形が0レベルに接していく状態も0クロスと見做すこととする。
コンパレータ25では、前述のように上記フォーカスエラー信号FEの負極側のフォーカスサーチ波形を検出するのであるが、そのスレッショルドレベルは比較的0レベル近傍に対して設定されている。これにより、上記時点t1以降のフォーカスエラー信号FEの負極性のフォーカスサーチ波形に対応して、コンパレータ25の検出信号FCMP−Lとしては図4(d)に示すように期間t2〜t3においてHレベルを出力する。
ここで、上記検出信号FCMP−LのHレベルが立ち下がるタイミングでは、例えば対物レンズ2の合焦位置が第1層からほぼ離脱して、第2層側に移行する状態とされる。そこで、検出信号FCMP−LのHレベルが立ち下がる時点t3のタイミングで、キック信号の出力を停止する。従って時点t3以降においては、対物レンズ2は、時点t3まで出力されていたキック信号により与えられた慣性によって第2層方向に移動している状態となる。なお、フォーカスエラー信号FEが期間t3〜t4においてほぼ0レベルとなっているのは、対物レンズ2の合焦位置がほぼ第1層と第2層の中間に位置している状態に対応している。
【0043】
そして、時点t3以降おいて対物レンズ2の合焦位置が第2層に近づいてくると、フォーカスエラー信号FEとしては、図4(a)の時点t4にほぼ対応する0クロス位置から正極性のフォーカスサーチ波形が最初に得られることになる。そして、コンパレータ22では、このフォーカスサーチ波形の出現を検出して、例えば図4(d)に示すように時点t4においてHレベルのパルスを検出信号FCMP−Hとして出力する。
そして、時点t4においては、上記検出信号FCMP−HのHレベルの立ち上がりタイミングに応じて、図4(b)に示すように、予め設定された所定レベルによるブレーキ信号の出力を開始する。このブレーキ信号は、前記したキック信号とは逆極性とされて、先のキック信号とは逆方向に対物レンズ2を駆動する作用を有する信号である。このブレーキ信号により、時点t4以降においては、これまである速度を有してディスク面に近づくようにして移動していた対物レンズ2に対して減速がかけられることになる。
上記時点t4以降、対物レンズ2はブレーキ信号により減速しされながら、更にディスク面側に近づくように移動することで、次第に第2層に対する合焦状態が得られる位置に近づいていく。
これにより、時点t4から現れたフォーカスエラー信号FEの正極性のフォーカスサーチ波形が0クロス(第2層の信号面に対して合焦しているとされる状態)した後に、負極性のフォーカスサーチ波形が現れるいわゆるS字カーブが得られることになるのであるが、ここでは、ほぼフォーカスエラー信号FEが0クロスするとされるタイミングの時点t5において、これまでHレベルとされていた検出信号FCMP−Hが立ち下がることになる。
【0044】
ここで、上記検出信号FCMP−HがHレベルとされている期間t4〜t5の時間Tが予め設定した所定時間LM1よりも短く、所定時間LM2よりも長い(LM2<T<LM1)とする。この場合には、次に説明する適正モードとしての動作が実行される。
上記時間TについてLM2<T<LM1となった場合、上記時点t5では、対物レンズ2は第2層に対応する第2フォーカス引き込み範囲FL2(図17参照)にあると共に、このとき与えられている速度は、フォーカス引き込みが可能な程度に十分に小さくなっている状態にあるとされる。そこで、適正モードの動作としては、時点t5において、時点t4から印加していたブレーキ信号を停止させると共に、これまで開いていたサーボループを閉じる。これにより、時点t5以降においては、図4(a)に示すフォーカスエラー信号FEに応答して、第2層に合焦するようにフォーカスサーボ制御が実行されることになる。
【0045】
なお、コンパレータ22,25は、それぞれ正極側と負極側とで、フォーカスエラー信号FEの0レベル近傍に対してスレッショルドレベルTH−H,TH−L(Vref+THV)が設定されているが、例えば実際には、図4(e)に示すようなタイミングにより段階的に可変されるスレッショルドレベル可変制御信号THVにより、スレッショルドレベル設定回路23,26において上記スレッショルドレベルTH−H,TH−Lが段階的に可変されるようになっている。つまり、期間t1〜t3ではレベルL1、期間t3〜t4ではレベルL2、期間t4以降はレベルL3によるスレッショルドレベル可変制御信号THVによりスレッショルドレベルTH−H,TH−Lが可変設定される。
なお、図4(e)に示すスレッショルドレベル可変制御信号THVは、基準レベル(電圧)Vrefに対して加算する電圧値として示されており、前述のようにシステムコントローラ10から出力される。
【0046】
これにより、例えば時点t3に対応する検出信号FCMP−LのHレベルの立ち下がりは、フォーカスエラー信号FEの負極性のフォーカスサーチ波形が0レベルから比較的離れたレベルのときに検出されるために、それだけ時点t3におけるキック信号の停止タイミングを速めに設定して、対物レンズ2に必要以上の加速が与えられることを防ぐようにしている。また、時点t4に対応する検出信号FCMP−HのHレベルの立ち上がりは、フォーカスエラー信号FEの正極性のフォーカスサーチ波形がほぼ0レベルのときに検出されることになるので、比較的迅速にブレーキ信号を出力開始することができるようにされている。更に、時点t5に対応する検出信号FCMP−HのHレベルの立ち下がりは、フォーカスエラー信号FEの正極性のフォーカスサーチ波形が0レベルから比較的離れたレベルのときに検出されることになるので、それだけフォーカスサーボループを閉じるタイミングが早く得られるようにされている。このようにして、コンパレータ22,25のスレッショルドレベルTH−H,TH−Lを可変制御することで、これより説明する動作モードによる制御と併せて、より確実にフォーカスジャンプ制御が行われるようにしている。
【0047】
(2−b.ジャンプアップ/強制ループオンモード)
図5(a)〜(d)には、それぞれジャンプアップ時の動作モードとして強制ループオンモードによりフォーカスジャンプが行われた場合の、フォーカスエラー信号FE、フォーカスドライブ信号FDR、コンパレータ22の検出信号FCMP−H、コンパレータ25の検出信号FCMP−Lの波形が示されている。
なお、スレッショルドレベル可変制御信号THVの可変タイミングは図4と同様となるため、ここでは図示を省略する。また、図5において、時点t4までの動作は図4の場合と同様であることから説明を省略する。
図5では、正極性のフォーカスサーチ波形に対応して得られた検出信号FCMP−HがHレベルとされている時間T(期間t4〜t6)が所定時間LM1を越えた状態(T>LM1)が示されている。これは、時点t5における対物レンズ2の状態として、先の期間t1〜t3において印加されたキック信号により与えられた加速が小さかったことなどにより、第2層で合焦する位置に到達する以前の段階で、ジャンプアップ方向に向かう移動速度が適正よりも遅い状態であることを示している。
【0048】
この状態のもとで、仮に適正モードを適用して、時点t6において検出信号FCMP−Hが立ち下がるタイミングを待って、フォーカスサーボループを閉じた場合、この時点t6においては、ブレーキ信号の作用によって、対物レンズ2が第2層の第2フォーカス引き込み範囲FL2から離脱して第1層側に戻ってしまっている可能性が高く、従って、フォーカス引き込みに失敗する可能性も高いことになる。そこで、時間TについてT≧LM1となった場合には、強制ループオンモードとしての制御を実行する。
強制ループオンモードでは、時点t4において検出信号FCMP−HがHレベルに立ち上がった時点から所定時間LM1が経過した場合には、時点t6において検出信号FCMP−Hが立ち下がるタイミングを待たずに、時点t4から所定時間LM1が経過した時点5において、図5(b)に示すようにブレーキ信号の印加を停止させるとともに、フォーカスサーボループを閉じるようにする。
例えば時点t5においては、対物レンズ2はフォーカス引き込み範囲FL2に位置しているとされることから、時点5においてフォーカスサーボループを閉じることにより、確実にフォーカス引き込みを行うことが可能になる。
【0049】
(2−c.ジャンプアップ/ブレーキ信号増加モード)
図6(a)〜(d)には、それぞれジャンプアップ時の動作モードとしてブレーキ信号増加モードによりフォーカスジャンプが行われた場合の、フォーカスエラー信号FE、フォーカスドライブ信号FDR、コンパレータ22の検出信号FCMP−H、コンパレータ25の検出信号FCMP−Lの波形が示されている。なお、図6においても、スレッショルドレベル可変制御信号THVの可変タイミングは図4と同様となるため、ここでは図示を省略する。更に、図6において、時点t4までの動作は図4及び図5と同様となることから説明を省略する。
図6においては、期間t4〜t5において検出信号FCMP−HがHレベルとされている時間Tについて、T≦LM2となる程度に短い状態が示されている。これは、時点t3においてブレーキ信号を印加したのにも関わらず、対物レンズ2の移動速度が必要までに減速されずに、相当に早いタイミングで第2層に合焦する位置に到達する状態であることが示されている。
ここで、仮に適正モード時と同様に、時点t5においてブレーキ信号の印加を停止すると共にフォーカスサーボループを閉じたとすると、対物レンズ2は、第2層の第2フォーカス引き込み範囲FL2を越えて更にジャンプアップ方向に移動を続ける状態が発生して、第2フォーカス引き込み範囲FL2でのフォーカス引き込みに失敗する可能性が高くなる。そこで、時間Tについて、T≦LM2となる状態となった場合には、ブレーキ信号追加モードによる制御を行う。
【0050】
上記時点t5においては、対物レンズ2は第2層の第2フォーカス引き込み範囲FL2内に位置しているものの、その移動速度は適正より高速で、そのままサーボループを閉じて収束させるには減速が不十分な状態である。そこで、ブレーキ信号追加モードでは、図6(b)に示すように、時点t5から所定時間dを経た時点t6の期間にわたって、所定レベルによるブレーキ信号を更に継続して印加すると共に、同じく時点t5においてフォーカスサーボループを閉じるように動作する。この場合、期間t5〜t6において追加して印加されるブレーキ信号は、先の期間t4〜t5において印加されていたブレーキ信号よりも所定量増加されたレベルを有するようにされている。
これにより、時点t5においては、そのレベルが増加されたブレーキ信号により強制的に対物レンズ2が減速させられる状態で、閉じられたフォーカスサーボループによって、第2層に対して合焦状態が得られるように収束していくように制御されることになる。なお、追加されたブレーキ信号が停止される時点t6以降においては、閉じられたフォーカスサーボループによって、フォーカスエラー信号FEに応答した通常のフォーカスサーボ制御が実行される。
【0051】
例えば、本実施の形態のディスクドライバのフォーカスジャンプ制御のための初期設定パラメータとして、このディスクドライバが搭載されたコンピュータ装置200が例えば図18(a)に示す水平置きとされた場合に、ほぼ適正モード(図4)でジャンプアップ制御が行われるように設定してあるとすると、このコンピュータ装置200を図18(a)(b)に示すような縦置きの状態にしたような場合、ジャンプアップ制御時の対物レンズ2には、必要以上の加速が与えられる可能性が高いのであるが、本実施の形態では、このような状態では自動的に図6に示したようなブレーキ信号追加モードにより動作することが可能とされ、安定的にフォーカスジャンプ制御を実行することが可能となる。
あるいは、コンピュータ装置200を図18(a)(b)に示すような縦置きの状態にしたような場合に、ほぼ適正モードでジャンプアップ制御が行われているような制御パラメータの設定状態であるとすると、図18(a)に示す水平置き状態にした場合には、ジャンプアップ制御時の対物レンズ2に与えられる加速が不十分となる可能性が高いが、本実施の形態では図5に示したような強制ループオンモードで自動的に動作することが可能となって、この場合にも安定的にフォーカスジャンプ制御を実行することが可能となる。
【0052】
(2−d.ジャンプダウン/適正モード)
図7(a)〜(d)には、それぞれジャンプダウン時の動作モードとして適正モードによりフォーカスジャンプが行われた場合の、フォーカスエラー信号FE、フォーカスドライブ信号FDR、コンパレータ22の検出信号FCMP−H、コンパレータ25の検出信号FCMP−Lの波形が時間軸に沿って示されている。
【0053】
また、図7(e)には、上記コンパレータ22,25のスレッショルドレベル(TH−H,TH−L)を可変するためにシステムコントローラ10から出力されるスレッショルドレベル可変制御信号THVが示されている。
ジャンプダウン時においては、対物レンズ2の合焦位置が第2層から第1層に移行するために、ジャンプダウン時のフォーカスエラー信号FEとしては、ジャンプアップ時とは逆極性のフォーカスサーチ波形が得られることになるため、第2層を通過するのに対応して得られるフォーカスエラー信号FE(正極性)は、コンパレータ22の検出信号FCMP−Hとして検出され、第1層に対応して得られるフォーカスエラー信号FE(負極性)は、コンパレータ25の検出信号FCMP−Lとして検出される点で、ジャンプアップ時とは異なる。
そこで、ジャンプダウン時のスレッショルドレベル可変制御信号THVとしては、図7(e)に示すように、ジャンプアップ時とは逆極性となるような信号を出力することになる。ただし、このときのスレッショルドレベル可変制御信号THVとしてのレベルL1,L2,L3は、実際のジャンプダウン制御に適合するようにジャンプアップ時とはなる絶対値レベルが設定されればよい。なお、このようにスレッショルドレベル可変制御信号THVを段階的に可変するのは、先に説明したジャンプアップ時と同様の動作が得られるようにするためのものであることから、ここでは詳しい説明は省略する。
【0054】
図7において時点t1以前は、フォーカスサーボループによるサーボ制御によってディスクDの第2層に対して対物レンズ2が合焦している状態が得られている。そして、時点t1において、これまで閉じていたサーボループを開いて、フォーカスドライブ信号FDRとして、図7(b)に示すようにキック信号の出力を開始する。このキック信号は、合焦位置を第2層から第1層に移行させるように対物レンズ2を移動させる方向(ダウン方向)に対応した極性(ジャンプアップ時とは逆極性となる)と、少なくとも合焦位置が第2層から第1層に到達可能なだけの十分な加速度を対物レンズ2に与えることのできる電圧レベルが予め設定される。
【0055】
上記キック信号により、対物レンズ2が第2層で合焦状態にあった位置から強制的にダウン方向に移動されることにより、このときのフォーカスエラー信号FEとしては、図7(a)の時点t1以降に示すように、対物レンズ2の合焦位置がダウン方向に向けて第2層から離れていくことを示す負極性のフォーカスサーチ波形が現れる。このフォーカスエラー信号FEに応答して、コンパレータ22からは、図7(d)に示す期間t2〜t3においてHレベルとなる検出信号FCMP−Hが得られる。
ここで、上記時点t3において上記検出信号FCMP−HのHレベルが立ち下がるタイミングでは、例えば、対物レンズ2の合焦位置が第2層からほぼ離脱して第1層側に移行する状態とされることから、この時点t3のタイミングでキック信号の出力を停止する。従って時点t3以降においては、対物レンズ2は、時点t3まで出力されていたキック信号により与えられた慣性によって第2層方向に移動している状態となる。
【0056】
この後、対物レンズ2のダウン方向への移動に伴って、合焦位置が第2層に近づいてくると、図7(a)のフォーカスエラー信号FEとしては、ほぼ時点t4において0クロスした状態から負極性のフォーカスサーチ波形が現れる。そして、コンパレータ25では、このフォーカスサーチ波形に応答して、図7(d)に示すように期間t4〜t5においてHレベルのパルスを検出信号FCMP−Lとして出力する。
【0057】
そして、時点t4においては、上記検出信号FCMP−LのHレベルの立ち上がりタイミングに応じて、図7(b)に示すように、予め設定された所定レベルによるブレーキ信号の出力を開始する。このブレーキ信号により、時点t4以降においては、これまである速度を有してダウン方向に移動していた対物レンズ2に対して減速がかけられることになる。
上記時点t4以降、対物レンズ2はブレーキ信号により減速しながら、更にダウン方向に移動することで、次第に第2層に対する合焦状態が得られる位置に近づいていく。
そして、時点t4から現れたフォーカスエラー信号FEの正極性のフォーカスサーチ波形がほぼ0クロス(第1層の信号面に対して合焦しているとされる状態)するタイミングとなる時点t5において、これまでHレベルとされていた検出信号FCMP−Lが立ち下がることになる。
【0058】
ここで、上記検出信号FCMP−LがHレベルとされている期間t4〜t5の時間Tが予め設定した所定時間LM1よりも短く、所定時間LM2よりも長い(LM2<T<LM1)とする。この場合には、次に説明する適正モードとしての動作が実行される。なお、上記時間T、LM1、LM2については、ジャンプダウン時に関わる条件に適合して安定したフォーカスジャンプ制御が実現されるように、ジャンプアップ時とは異なる値が設定されても構わない。
上記時間TについてLM2<T<LM1となった場合には、上記時点t5では、対物レンズ2は第1層に対応する第2フォーカス引き込み範囲FL2(図17参照)にあると共に、このとき与えられている速度も十分に小さくなっているものとされる。そこで、適正モードの動作としては、時点t5において、ブレーキ信号を停止させると共に、これまで開いていたサーボループを閉じる。これにより、時点t5以降においては、図7(a)に示すフォーカスエラー信号FEに応答して、第2層に合焦するようにフォーカスサーボ制御が実行されることになる。
【0059】
(2−e.ジャンプダウン/強制ループオンモード)
図8(a)〜(d)には、それぞれジャンプダウン時の動作モードとして強制ループオンモードによりフォーカスジャンプが行われた場合の、フォーカスエラー信号FE、フォーカスドライブ信号FDR、コンパレータ22の検出信号FCMP−H、コンパレータ25の検出信号FCMP−Lの波形が示されている。
なお、スレッショルドレベル可変制御信号THVの可変タイミングは図7と同様となるため、ここでは図示を省略する。また、図8において、時点t4までの動作は図7の場合と同様であることから説明を省略する。
【0060】
図8では、時点t4以降においてフォーカスエラー信号FEに対応して得られた検出信号FCMP−lがHレベルとされている時間T(期間t3〜t4)が所定時間LM1を越えた状態(T>LM1)が示されている。これは、期間t1〜t3において印加されたキック信号により与えられた加速が小さく、第2層で合焦する位置に到達する以前の段階で、ジャンプダウン方向に向かう対物レンズ2の速度が適正よりも遅い状態であることを示している。
【0061】
この状態のもとで、仮に適正モードを適用して、時点t6において検出信号FCMP−Lが立ち下がるタイミングを待って、フォーカスサーボループを閉じた場合、この時点t6においては、ブレーキ信号の作用によって、例えば対物レンズ2が第1層の第1フォーカス引き込み範囲FL2から離脱して第2層側に戻ってしまっている可能性が高く、従って、フォーカスジャンプ制御が失敗する可能性も高いことになる。そこで、時間TについてT>LM1となった場合には、強制ループオンモードとしての制御を実行する。
強制ループオンモードでは、時点t4において検出信号FCMP−LがHレベルに立ち上がった時点から所定時間LM1が経過した場合には、時点t6において検出信号FCMP−Hが立ち下がるタイミングを待たずに、時点t4から所定時間LM1が経過した時点5において、図8(b)に示すようにブレーキ信号の印加を停止させるとともに、フォーカスサーボループを閉じるようにする。
例えば時点t5においては、対物レンズ2はフォーカス引き込み範囲FL2に位置しているとされることから、時点5においてフォーカスサーボループを閉じることにより、確実にフォーカスジャンプ制御を行うことが可能になる。
【0062】
(2−f.ジャンプダウン/ブレーキ信号増加モード)
図9(a)〜(d)には、それぞれジャンプダウン時の動作モードとしてブレーキ信号増加モードによりフォーカスジャンプが行われた場合の、フォーカスエラー信号FE、フォーカスドライブ信号FDR、コンパレータ22の検出信号FCMP−H、コンパレータ25の検出信号FCMP−Lの波形が示されている。なお、図9においても、スレッショルドレベル可変制御信号THVの可変タイミングは図7と同様となるため、ここでは図示を省略する。更に、図9において、時点t4までの動作は図7及び図8と同様となることから説明を省略する。
図9においては、期間t4〜t5において検出信号FCMP−LがHレベルとされている時間Tが所定時間LM2以内とされている状態(T≦LM2)が示されている。これは、時点t3においてブレーキ信号を印加したのにも関わらず、時点t5に至っても、対物レンズ2の移動速度が必要なまでに減速されずに適正以上の速度を保っており、相当に早いタイミングで第1層に合焦する位置に到達する状態であることが示されている。
ここで、仮に適正モード時と同様に、時点t5においてブレーキ信号の印加を停止すると共にフォーカスサーボループを閉じたとすると、対物レンズ2は、第1層の第1フォーカス引き込み範囲FL2を越えて更にジャンプダウン方向に移動を続ける状態が発生して、第2層へのフォーカス引き込み制御に失敗する可能性が高くなる。そこで、時間Tについて、T≦LM2となる状態となった場合には、ブレーキ信号追加モードによる制御を行う。
【0063】
上記時点t5においては、対物レンズ2は第1層の第1フォーカス引き込み範囲FL2内に位置しているものの、そのままサーボループを閉じて収束させるには減速が不十分な状態である。そこで、ブレーキ信号追加モードでは、図9(b)に示すように、時点t5から所定時間dが経過する時点t6の期間にわたって、所定レベルによるブレーキ信号を更に継続して印加すると共に、時点t5においてフォーカスサーボループを閉じるように動作する。この場合も、期間t5〜t6において追加して印加されるブレーキ信号の絶対値レベルは、先の期間t4〜t5において印加されていたブレーキ信号よりも所定量増加された絶対値レベルを有するようにされている。なお、追加のブレーキ信号の印加期間である所定時間dについては、ジャンプダウン時に関わる条件に適合するように、ジャンプアップ時とは異なる値が設定されても構わない。
【0064】
これにより、時点t5においては、追加のブレーキ信号により強制的に対物レンズ2が減速させられる状態で、閉じられたフォーカスサーボループによって、第1層に対して合焦状態が得られるように収束していくように制御されることになる。なお、この場合も追加されたブレーキ信号が停止される時点t6以降においては、閉じられたフォーカスサーボループによって、フォーカスエラー信号FEに応答した通常のフォーカスサーボ制御が実行されることになる。
【0065】
このようにして、ジャンプダウン時においても対物レンズ2の速度状態に応じて適宜、適正モード、強制ループオンモード、ブレーキ信号追加モードの何れかが実行されるように構成されることで、ジャンプアップ時の場合として説明したのと同様に、図18に示すようなディスクドライブの姿勢差に関わらず、常に確実なフォーカスジャンプ制御が実現されることになる。
【0066】
<3.本実施の形態のフォーカスジャンプ制御を実現するための処理動作>
(3−a.第1の処理動作例)
つぎに、第1の処理動作例として、これまで説明してきた構成による本実施の形態のフォーカスジャンプ制御を実現するための処理動作について図10及び図11のフローチャートを参照して説明する。この処理動作はシステムコントローラ10により実行される。
【0067】
例えば、システムコントローラ10がフォーカスジャンプ制御を実行する場合には、先ず、図10のステップS101に進んでトラッキングサーボをオフ(サーボループを開く)とした後にステップS102において、フォーカスサーボをオフ(サーボループを開く)とする。
続いて、ステップS103においてジャンプ方向(ジャンプアップ又はジャンプダウン)に応じたコンパレータ22,25のスレッショルドレベルTH−H,TH−Lを設定するために、レベルL1(図4又は図7参照)のスレッショルドレベル可変制御信号THVを設定して出力し、ステップS104に進む。
【0068】
ステップS104においては、フォーカスドライブ信号としてジャンプ方向に応じたキック信号をフォーカスコイルドライバ16aに印加した後、ステップS105において予め設定された所定の待機時間aだけ待機して、ステップS106に進む。
ステップS106では、ジャンプアップ時であれば検出信号FCMP−LについてHレベルの立ち上がり→立ち下がりの状態遷移が検出されるまで待機し、ジャンプダウン時であれば検出信号FCMP−HについてHレベルの立ち上がり→立ち下がり遷移が検出されるまで待機する。つまり、図4〜図9に示した期間t2〜t3の検出信号FCMP−L(H)の状態が得られるか否かについて判別を行っている。
なお、上記のように、キック信号印加直後に所定時間待機(ステップS105)してからステップS106の判別処理に移行するのは、キック信号印加直後において発生し得るHレベルの検出信号FCMP−L(H)に対して、ステップS106の処理が反応するような誤動作を防止して、フォーカスジャンプ制御の安定性を更に高めるためである。
【0069】
ステップS106において肯定結果が得られる、即ち、時点t3のタイミングで検出信号FCMP−L(H)の立ち下がりが得られたことが検出されると、システムコントローラ10は、ステップS107に進んでキック信号の印加を停止する。そして、ステップS108において、ジャンプ方向に応じたコンパレータ22,25のスレッショルドレベルTH−H,TH−Lを変更設定するために、レベルL2のスレッショルドレベル可変制御信号THVを設定して出力し、ステップS109に進む。
【0070】
ステップS109では、予め設定された所定の待機時間bだけ待機した後、ステップS110に進む。ステップS110では、ジャンプアップ時であれば時点t4のタイミングに対応する検出信号FCMP−HのHレベルの立ち上がりが検出されるのを待機し、ジャンプダウン時であれば同じ時点t4のタイミングに対応する検出信号FCMP−LのHレベルの立ち上がりが検出されるのを待機する。
なお、ここで上記ステップS110の処理の前に、ステップS109の処理を実行するようにしているのは、ステップS105の場合と同様に、キック信号印加停止直後において、時点t4とされるタイミングよりも早く検出信号FCMP−H(L)がHレベルに立ち上がってしまったような状態に対して、ステップS110の処理が反応しないようにして、より安定的なフォーカスジャンプ制御を実現するためにである。
【0071】
上記ステップS110において、時点t4に対応する検出信号FCMP−H(L)の立ち上がりが検出されると、システムコントローラ10は、ステップS111に進んで、先ず、ジャンプ方向に応じたレベル3のスレッショルドレベル可変制御信号を出力して、コンパレータ22,25のスレッショルドレベルを更新設定し、続いてステップS112に進んでジャンプ方向に応じた所定レベルのブレーキ信号がフォーカスコイルドライバ16aに印加されるように、サーボプロセッサ14に対して制御を行う。そして、続くステップS113において、例えばシステムコントローラ10内に設けられたタイマーをスタートさせる。
つまり、このタイマーは、上記ブレーキ信号を印加開始した時点t4からその計時動作が開始されるものであり、従って、タイマーにより計時されるタイマー時間Tは、図4〜図9に示したように、時点t4以降において検出信号FCMP−H(L)がHレベルとされている時間Tに相当することになる。
【0072】
上記ステップS113の処理が終了した後は、図11に示すステップS114の処理に移行する。ステップS114においては、所定の待機時間cだけ待機した後に、ステップS115に進む。そして、ステップS115及びステップS116の処理によって、タイマー時間Tが所定時間LM1を越えない期間内においては、時点t4〜t5に対応する検出信号FCMP−H(L)のHレベルの立ち上がり→立ち下がり遷移が得られるのを待機することになる。
【0073】
ここで、上記ステップS115→S116の処理の結果、タイマー時間Tが所定時間LM1以上を越えても期間t4〜t5に対応する検出信号FCMP−H(L)のHレベルの立ち上がり→立ち下がり遷移が得られなかった場合には、ステップS115からステップS118に進む。ステップS118以降の処理は後述するが、ステップS115から直接ステップS118以降の処理に進む場合は、図5あるいは図8に示した強制ループオンモードとしての処理となる。
【0074】
これに対して、ステップS116において、期間t4〜t5に対応する検出信号FCMP−H(L)のHレベルの立ち上がり→立ち下がり遷移が検出された場合には、ステップS117に進むことになる。
ステップS117では、現在時点(時点t5:検出信号FCMP−H(L)のHレベルの立ち下がり時点)におけるタイマー時間Tと所定時間LM2について、T>LM2とされているか否かについて判別を行っており、ここで、T>LM2であると判別された場合には、ステップS118に進む。ステップS117からステップS118以降の処理に進む場合は、タイマー時間T(期間t4〜t5)についてLM2<T<LM1の結果が得られたということであり、従って、図4あるいは図7に示した適正モードによる処理動作になる。
これに対して、ステップS117において、T>LM2ではないと判別された場合には、ステップS121以降の処理に移行することで、ブレーキ信号追加モードとしての処理動作を実行することになる。
【0075】
ステップS118ではブレーキ信号をオフとする。そして、ステップS119においてフォーカスサーボゲインの周波数帯域を所定範囲拡大して設定した後に、ステップS120においてフォーカスサーボループを閉じる。
なお、上記ステップS119において、フォーカスサーボゲインの周波数帯域を拡大するのは、続くステップS120においてフォーカスサーボループを閉じたときに、確実に対物レンズ2を目的の信号層のフォーカス引き込み範囲に引き込んで、迅速に合焦状態が得られるようにするためである。例えば、図15にはフォーカスサーボゲインの帯域特性が示されているが、通常の帯域設定が曲線G2(実線)であるとすると、ステップS119においては、例えば曲線G1(破線)に示すような特性が得られるように設定を可変する処理を実行することになる。
上記ステップS118以降の処理は、適正モード時であれば図4又は図7の時点t5以降の動作に相当し、強制ループオンモード時であれば図5又は図8の時点t5以降の動作に相当する。
【0076】
ステップS120の処理が実行された後は、ステップS126に進んでトラッキングサーボループを閉じる。そして、続くステップS127において、通常の閉じられたフォーカスサーボループによるフォーカスサーボ制御に適合するように、先のステップS119において拡大設定されたフォーカスサーボゲインを通常帯域(例えば図15の曲線G2)に戻す処理を実行する。
【0077】
ブレーキ信号追加モードに移行することとなるステップS121においては、これまで出力していたブレーキ信号について所定レベル増加させて、更に継続して出力させるための処理を実行する。続いて、ステップS122においてフォーカスサーボゲインの周波数帯域を所定分拡大して設定した後に、ステップS123においてフォーカスサーボループを閉じる。上記ステップS121からS123までの処理が、図6又は図9の時点t5における動作に相当する。
【0078】
続くステップS124においては、予め設定された所定時間dが経過するのを待機する。ここで、所定時間dはステップS121の処理により追加して印加されるブレーキ信号を出力すべき時間長であり、図6又は図9に示す期間t5〜t6の時間dに相当する。
そして、例えば図6又は図9に示す時点t6に至って、ステップS124において所定時間dが経過経過したことが判別されると、ステップS125に進んでこれまで出力していたブレーキ信号をオフとする制御を実行した後、前述したステップS126及びS127の処理を実行することになる。
以上の処理動作が実行されることにより、図4〜図9により説明した本実施の形態のフォーカスジャンプ制御動作が実現されることになる。
【0079】
(3−b.第2の処理動作例)
上記第1の処理動作例として示したフォーカスジャンプ制御では、目的の信号層に対応して得られるフォーカスエラー信号FEとして0クロスするとされる時点とその直前に0クロスするとされる時点間の期間(図4〜図9では期間t4〜t5が相当する)のフォーカスサーチ波形をコンパレートして得られる検出信号FCMP−H、FCMP−L(ただし、前述のようにコンパレータ22,25のスレッショルドレベルは所定タイミング可変設定される)のパルス幅を時間情報として捉え、この時間情報に基づいて対物レンズ2の移動速度を判別して、フォーカスジャンプ制御の動作モード(適正モード、強制ループオンモード、ブレーキ信号追加モード)を設定していた。
【0080】
これに対して、以降説明する第2の処理動作例では、上記目的の信号層に対応してフォーカスエラー信号FEとして0クロスするとされる時点とその直前に0クロスするとされる時点間の期間(t4〜t5)内における所定期間のフォーカスサーチ波形についての微分値の情報を得て、この微分値の情報に基づいて、対物レンズ2の速度情報を得るように構成される。
この場合、フォーカスエラー信号FEのフォーカスサーチ波形から微分値を得るための構成が必要となるが、この構成例について、図14により概略的に説明する。
図14(a)においては、オペアンプ30と抵抗Rにより形成される微分回路が示されている。この場合には、フォーカスエラー信号FEがコンデンサCを通過してオペアンプ30の非反転入力に入力されることで、オペアンプ30からはフォーカスエラー信号FEを微分したフォーカスサーチ波形が出力される。オペアンプ30の出力はバッファアンプ31によりインピーダンス変換される。システムコントローラ10は、例えばバッファアンプ31の出力をA/D変換してデジタル信号として取り込むようにすることが考えられる。
図14(b)においては、フォーカスエラー信号FEがA/D変換器32に入力されてデジタル信号に変換されてデジタルフィルタ33に入力される。そして、この場合にはデジタルフィルタ33により所要の信号処理を施すことにより、デジタル信号としてのフォーカスエラー信号FEについての微分値を得るようにされる。システムコントローラ10は、デジタルフィルタ33にて得られた微分出力を取り込むようにすればよい。図14(b)に示すような構成は、例えば図1には示さないが、本実施の形態としてのディスクドライバが、例えばデジタルシグナルプロセッサを備えた構成を採る場合に好適とされる。即ち、デジタルシグナルプロセッサ内に備えられているデジタルフィルタを、上記デジタルフィルタ33として利用すればよい。
【0081】
システムコントローラ10では、上記のようにして得られるフォーカスエラー信号FEの微分値に基づいて所要の演算処理等を実行することで、対物レンズ2の速度情報を得ることができる。このときの速度情報の算出処理としては各種考えられるため、ここでは詳しい説明を省略するが、例えばシステムコントローラ10は、後述する所定期間内に得られたフォーカスエラー信号FEの微分値を積算して得られた値に基づいて対物レンズ2の速度情報を得るようにしてもよいし、所定期間内に得られたフォーカスエラー信号FEの微分値の平均値に基づいて対物レンズ2の速度情報を得るようにしてもよい。あるいは、上記所定時点で取り込んだフォーカスエラー信号FEの微分値に基づいて対物レンズ2の速度情報を得るようにすることも考えられる。
また、このシステムコントローラ10は、例えばフォーカスジャンプすべき目的の信号層に対応して得られるフォーカスエラー信号FEのフォーカスサーチ波形の0クロス時点とその直前の0クロス時点間の期間内(期間t4〜t5)において、時点t4に対応する0クロスの位置から、フォーカスエラー信号FEのフォーカスサーチ波形がピークとなるまでの期間(例えば、図4に期間Pとして示す)内の微分値の情報を取り込むことによって、このときの対物レンズ2の速度情報を得るように構成されているものとする。これにより、たとえば第1の処理動作例の場合よりも、対物レンズ2の速度情報に基づく動作モードの選択を早いタイミングで決定することが可能になり、それだけ、選択された動作モードに応じた制御を早期のタイミングで実行できることになるため、より安定的で確実なフォーカスジャンプ制御を期待することができる。
【0082】
図12及び図13は、第2の処理動作例としてのフォーカスジャンプ制御を実現するための一例としてのフローチャートである。なお、図12におけるステップS201〜S210までの処理動作は、図10におけるステップS101〜S110の処理動作と同様であることから説明を省略する。
【0083】
この場合、ステップS211〜S213は、時点t3に対応するタイミングの処理となる。ステップS211では、前述した期間Pにおけるフォーカスエラー信号FEのフォーカスサーチ波形の微分値情報を得るために、例えば図14により説明したようにして、デジタル情報としてのフォーカスエラー信号FE、又はフォーカスエラー信号FEの波形の微分値情報の取り込みを開始する処理を実行する。そして、続くステップS212においてジャンプ方向に応じて設定された極性とレベルによるブレーキ信号が出力されるように制御を実行した後に、ステップS213においてタイマー(タイマー時間T)の計時動作を開始させる。
【0084】
上記ステップS213の処理の後は、図13に示すステップS214の処理が実行される。ステップS214では、先のステップS211で取り込んだ情報に基づき、フォーカスエラー信号FEの波形の微分値から対物レンズ2の速度情報値vを算出する。この速度情報値vは、例えば図4に示した期間Pにおける対物レンズ2のフォーカス方向の移動速度を示すものである。例えば、上記ステップS214における算出処理として、期間Pにおいて所定タイミングで取り込んだフォーカスエラー信号FEの微分値についての平均値を算出しているとすれば、これに基づいて、期間Pにおける対物レンズ2の平均的な移動速度が速度情報値vとして得られることになる。
【0085】
そして、例えば時点t4から期間Pが経過して上記ステップS214において速度情報値vの算出処理が終了したとされると、システムコントローラ10はステップS215に進んで、速度情報値vと予め設定された速度値v1とについて、v≧v1であるか否かについて判別する。ここで、v≧v1である、つまり、期間Pにおける対物レンズ2の移動速度が速度値v1よりも速いと判別された場合には、ステップS216以降の処理に進むことによって、強制ループオンモードの動作に移行することになる。ステップS216においては、時点t5に対応するフォーカスエラー信号FEの0クロスのタイミングが検出するまで待機してステップS217に進む。
上記ステップS216の処理としては、例えば速度情報値vを利用して演算処理等を行うことによって上記0クロスタイミングに至るタイミングを推定するように構成することができる。また、先の第1の処理動作例の場合のように、時点t5に対応する検出信号FCMP−H(L)のHレベルの立ち下がりを監視してフォーカスエラー信号FEの0クロスタイミングを検出するようにしてもよい。ただしこの場合には、例えばステップS210の後で、図10に示したステップS111と同様の処理を実行しておき、コンパレータ22,25のスレッショルドレベルTH−H(L)を可変しておくことが好ましい。
【0086】
ステップS217以降の処理動作は、図11にて説明したステップS121以降の処理動作と同様となるため、ここでは説明を省略する。
また、処理ステップの図示は省略するが、他のブレーキ信号追加モードの動作として、例えば、ステップS214においてはフォーカスエラー信号FEの微分値を積算する等の処理を実行することで、現在時点における速度情報値vが得られるようにして、v≧v1の条件のもとでは、この速度情報値に追従して可変したレベルのブレーキ信号を印加する制御を実行するように構成することも可能である。
【0087】
一方、ステップS215においてv≧v1ではないと判別された場合には、ステップS222に進んで、速度情報値vと予め設定された所定の速度値v2(v1<v2)についてv≦v2とされているか否かについて判別し、v≦v2であると判別された場合、つまりv1≦v≦v2とされて対物レンズ2が適正とされる範囲内の移動速度であると判別された場合には、ステップS223に進むことにより適正モードの動作に移行することになる。ステップS223においては、時点t5に対応するフォーカスエラー信号FEの0クロスタイミングが検出されるのを待機して、ステップS225に進む。
これに対して、ステップS222においてv≦v2ではないと判別された場合には、ステップS224に進むことにより強制ループオンモードの動作に移行することになる。ステップS224においては、先のステップS213において計時動作が開始されたタイマーのタイマー時間Tが所定時間LM1(図5又は図8参照)に至るのを待機してステップS225に進む。
なお、ステップS225以降の処理は、先の第1の処理動作例におけるステップS118(図11)以降の処理と同様となるため、ここでは説明を省略する。
【0088】
なお、これまで説明してきた実施の形態としてのフォーカスジャンプ制御を実現するための一連の処理動作における、各処理ステップとしての動作や実行タイミング等は、実際の使用条件等に応じて適宜設定されるべきものであって、これまでの説明や図示してきた内容のみに限定されるものではない。例えば、本実施の形態では、対物レンズ2を目的の信号層にジャンプさせるための初期段階において、フォーカスドライブ信号FDRとしてキック信号→停止→ブレーキ信号となるように処理を行っているが、例えば、キック信号レベルの設定によっては、ブレーキ信号を出力する期間を設けずに、対物レンズ2の移動速度に応じた動作モードに移行させることなども考えられる。
また、本実施の形態としてのフォーカスサーボ装置は、2層ディスクのDVD−ROMに対応して再生が可能なディスクドライバに対して適用されるものとして説明したが、他の種類で2層構造を有するディスク状記録媒体に対応して記録再生が可能なディスクドライバに適用することが可能である。さらには、例えば将来的に2層以上の多層構造を有するディスク状記録媒体が存在するようになっても、本発明としてのフォーカスジャンプ制御を実行するフォーカス装置を適用することが可能とされる。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、多層構造のディスク状記録媒体に対応してフォーカスジャンプを行う際に、目的の信号層に対応してフォーカスエラー信号が0クロスする以前の所定タイミングにおいて検出した対物レンズの移動速度に基づいて、フォーカス引き込みのための制御動作モードを適宜切り換えるように構成したことで、例えばディスクドライバの姿勢差による対物レンズのフォーカス方向と重力方向の相違、対物レンズをフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動する二軸機構の感度差、及び多層ディスクの層間距離のばらつき等の要因を全て吸収して、常に安定的で確実なフォーカスジャンプ制御を実行することが可能になり、それだけディスクドライバの信頼性が向上されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としてのディスクドライバの構成例を示すブロック図である。
【図2】光学ピックアップのフォトディテクタによる検出動作を示す説明図である。
【図3】本実施の形態としてのRFアンプ内の構造例を示すブロック図である。
【図4】フォーカスジャンプ制御として、ジャンプアップ時における適正モードの動作を例を示すタイミングチャートである。
【図5】フォーカスジャンプ制御として、ジャンプアップ時における強制ループオンモードの動作例を示すタイミングチャートである。
【図6】フォーカスジャンプ制御として、ジャンプアップ時におけるブレーキ信号追加モードの動作を例を示すタイミングチャートである。
【図7】フォーカスジャンプ制御として、ジャンプダウン時における適正モードの動作を例を示すタイミングチャートである。
【図8】フォーカスジャンプ制御として、ジャンプダウン時における適正モードの動作を例を示すタイミングチャートである。
【図9】フォーカスジャンプ制御として、ジャンプダウン時におけるブレーキ信号追加モードの動作を例を示すタイミングチャートである。
【図10】本実施の形態のフォーカスジャンプ制御を実現するための第1の処理動作例を示すフローチャートである。
【図11】本実施の形態のフォーカスジャンプ制御を実現するための第1の処理動作例を、図10に続いて示すフローチャートである。
【図12】本実施の形態のフォーカスジャンプ制御を実現するための第2の処理動作例を示すフローチャートである。
【図13】本実施の形態のフォーカスジャンプ制御を実現するための第2の処理動作例を、図12に続いて示すフローチャートである。
【図14】フォーカスエラー信号の波形の微分出力を得るための微分回路の構成例を示すブロック図である。
【図15】本実施の形態において利用されるフォーカスサーボゲインの帯域を示す図である。
【図16】2層ディスクの構造例を示す断面図である。
【図17】2層ディスクと対物レンズの合焦位置との関係を概念的に示す説明図である。
【図18】ディスクドライバが搭載されたコンピュータ装置の姿勢差ごとの、フォーカス方向におけるディスクと対物レンズの位置関係を示す斜視図及び正面図である。
【符号の説明】
1 光学ピックアップ、2 対物レンズ、3 二軸機構、4 レーザダイオード、5 フォトディテクタ、5a 4分割ディテクタ、5b 差動アンプ、6 スピンドルモータ、7 ターンテーブル、8 スレッドモータ、9 RFアンプ、10 システムコントローラ、11 2値化回路、12 デコーダ、13 インターフェイス部、14 サーボプロセッサ、15 スレッドドライバ、16 二軸ドライバ、16a フォーカスコイルドライバ、16b トラッキングコイルドライバ、17 スピンドルモータドライバ、18 レーザドライバ、20 RFマトリクスアンプ、21,24 ローパスフィルタ、22,25 コンパレータ、23,26 スレッショルドレベル設定回路、FCMP−H(L) 検出信号、30 オペアンプ、31 バッファアンプ、32 A/D変換器、33 デジタルフィルタ

Claims (4)

  1. 複数の信号層を有するディスク状記録媒体に対応するフォーカスサーボ制御として、光ビームを出力する対物レンズの位置について、これまでの信号層から他の目的の信号層に対して合焦するようにフォーカス引き込み制御を実行可能なフォーカスサーボ装置として、
    所定レベルによる移送制御信号を所定タイミングで出力することにより、上記対物レンズを上記目的の信号層のフォーカス引き込み可能範囲に到達できるように移送させる移送制御手段と、
    上記目的の信号層に対して合焦状態にあることを示す0クロス時点より以前の所定タイミングにおけるフォーカスエラー信号波形に基づいて、上記移送制御手段の駆動制御によって移動状態にあるとされる対物レンズの移動速度を検出する速度検出手段と、
    上記速度検出手段の検出結果に基づいて、上記対物レンズの速度が適正範囲内にあると判別した場合には、上記0クロス時点に対応する所定タイミングでフォーカスサーボループを閉じると共に上記移送制御信号を停止させる制御を実行し、上記対物レンズの速度が適正範囲よりも遅いと判別した場合には、上記0クロス時点より以前における所定時点から所定時間経過したとされるタイミングでフォーカスサーボループを閉じると共に上記移送制御信号を停止させる制御を実行し、上記対物レンズの速度が適正範囲よりも速いと判別した場合には、上記0クロス時点に対応する所定タイミングでフォーカスサーボループを閉じると共に、上記移送制御信号として対物レンズを減速させるための所定レベルの制御信号を所定期間出力するように構成されたフォーカス引き込み制御手段と、
    を備えていることを特徴とするフォーカスサーボ装置。
  2. 上記速度検出手段は、上記フォーカスエラー信号の0クロス時点とその直前に得られるとされる0クロス時点間に対応する期間長に基づいて、上記対物レンズの移動速度を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフォーカスサーボ装置。
  3. 上記速度検出手段は、上記フォーカスエラー信号の0クロス時点とその直前に得られるとされる0クロス時点間における所定期間あるいは所定時点のフォーカスエラー信号波形を微分して得られる微分値情報に基づいて、上記対物レンズの移動速度を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフォーカスサーボ装置。
  4. 複数の信号層を有するディスク状記録媒体に対応するフォーカスサーボ制御として、光ビームを出力する対物レンズの位置について、これまでの信号層から他の目的の信号層に対して合焦するようにフォーカス引き込み制御を実行可能なフォーカスサーボ制御方法として、
    所定レベルによる移送制御信号を所定タイミングで出力することにより、上記対物レンズを上記目的の信号層のフォーカス引き込み可能範囲に到達できるように移送させる移送制御処理と、
    上記目的の信号層に対して合焦状態にあることを示す0クロス時点より以前の所定タイミングにおけるフォーカスエラー信号波形に基づいて、上記移送制御処理の駆動制御によって移動状態にあるとされる対物レンズの移動速度を検出する速度検出処理と、
    上記速度検出処理の検出結果に基づいて、上記対物レンズの速度が適正範囲内にあると判別した場合には、上記0クロス時点に対応する所定タイミングでフォーカスサーボループを閉じると共に上記移送制御信号を停止させる制御を実行し、上記対物レンズの速度が適正範囲よりも遅いと判別した場合には、上記0クロス時点より以前における所定時点から所定時間経過したとされるタイミングでフォーカスサーボループを閉じると共に上記移送制御信号を停止させる制御を実行し、上記対物レンズの速度が適正範囲よりも速いと判別した場合には、上記0クロス時点に対応する所定タイミングでフォーカスサーボループを閉じると共に、上記移送制御信号として対物レンズを減速させるための所定レベルの制御信号を所定期間出力するフォーカス引き込み制御処理と、
    を実行することを特徴とするフォーカスサーボ制御方法。
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