JP3555827B2

JP3555827B2 - スケーリングチップ

Info

Publication number: JP3555827B2
Application number: JP28584497A
Authority: JP
Inventors: 勝茶谷; 薫臼井; 雅基中川
Original assignee: 株式会社長田中央研究所
Priority date: 1997-10-17
Filing date: 1997-10-17
Publication date: 2004-08-18
Anticipated expiration: 2017-10-17
Also published as: JPH11113927A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯科治療において、歯牙と歯肉との間に存在する歯石，盲嚢等を除去するのに好適なスケーリングチップに関する。
【０００２】
【従来の技術】
歯科治療においては、周知のように、歯間，或いは、歯牙と歯肉との間に付着している歯石を除去するために、手動の、或いは、超音波駆動によるスケーラを使用する。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のスケーラは、先端部が針状に尖ったものであり、特に、歯牙と歯肉の間の深いところに存在する歯石や盲嚢等を除去する場合、先端が尖っているため危険であり、また、線状であるため、歯牙に接する面積が小さく、除去効率が悪かった。
【０００４】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、特に、歯牙と歯肉の間の深いところに存在する歯石や盲嚢を効果的に除去できるスケーリングチップを提供することを目的としてなされたものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は、先端部を歯牙と歯肉の間に挿入して歯牙と歯肉の間に存在する歯石或いは盲嚢を除去するスケーリングチップにおいて、前記先端部が長手方向に対して直角の方向にかつ歯牙側を凹面側とする弧状に形成されていることを特徴とし、もって、歯牙に接する面積を大きくして、効率よく歯垢や盲嚢を除去できるようにし、更に、前凹面側に上部に開口する噴水口、及び、該噴水口より先端側に前記凹面側より反対側の裏面に貫通する貫通孔を有することをも特徴とし、これによって、歯牙に当る部分及び歯肉に当る部分を冷却可能にしたものである。
【００１１】
【発明の実施の形態】
図１は、本発明が適用される患部（歯牙周辺部）の様子を示す図（図１（Ａ））及び本発明によるスケーリングチップによって該患部を治療する様子を示す図（図１（Ｂ））で、図中、１は歯牙、２は該歯牙１に付着した歯垢、３は盲嚢、５は歯肉で、本発明は、図１（Ａ）に示すように、歯牙１と歯肉５の間の（特に、深いところに存在する）歯垢，盲嚢を除去するのに適したスケーリングチップ１０に関するもので、該スケーリングチップ１０を、図１（Ｂ）に示すように、歯牙１と歯肉５との間に挿入して、前記歯垢２，盲嚢３を効果的に除去するようにし、更には、歯根部近傍の歯肉５に刺激（超音波振動）を与えて血流をよくし、歯肉の治療をも効果的に行えるようにしたスケーリングチップに関するものである。
【００１２】
図２は、本発明によるスケーリングチップ１０の一例を示す斜視図（図２（Ａ）及び図２（Ｂ））、及び、図２（Ｂ）に示した例の使用時の先端部のＣ−Ｃ線断面図（図２（Ｃ））、凹部のＤ−Ｄ線断面図（図２（Ｄ））で、該スケーリングチップ１０は、把持部２０を一体的に或いは着脱自在に有し、手動で、或いは、超音波振動によって駆動される。超音波振動にて駆動される場合は、周知のように、把持部２０内に超音波振動子を具備し、該超音波振動子の振動がスケーリングチップ１０に伝えられるようになっている。スケーリングチップ１０の先端部は、手動操作によって、或いは、超音波駆動されながら矢印Ａ方向に往復動され、歯牙１に付着している歯垢２や盲嚢３を除去する。ただし、超音波駆動する時は、過熱を抑えるために、冷却水を供給する必要があるが、これは、治療部に手動で水をかけるようにしてもよいが、把持部２０よりスケーリングチップ１０内を通して水を供給し、スケーリングチップ１０の上方に設けられた開口１１より水を噴射させ、スケーリングチップの接触部に該水を供給し、該スケーリングチップと歯肉或いは歯牙との接触部に水を供給して、該接触部を冷却する。
【００１３】
本発明によるスケーリングチップ１０は、前述のようにして使用するものであるが、本発明においては、チップ先端部表面側は、図２（Ａ）に示すように、歯牙１に接触しやすいように前記往復動（Ａ）方向に直角の方向に弧状に形成され、或いは、図２（Ｂ）に示すように、歯牙１側が長手方向（Ａ方向）に対して直角の方向に弧状に窪み、歯肉５側が凸状に膨んだ形状（匙のような形状）に形成され、その先端部１３（斜線にて示す部分）を、歯牙１に接触させ、該接触部を手動にて、或いは超音波を加えながら、矢印Ａ方向に往復動させ、歯牙１に付着している歯垢や盲嚢を除去する。また、スケーリングチップ１０の歯牙と歯肉との間に入れる挿入角を変えることにより、スケーリングチップ１０の裏側（凸部側）を歯肉５に当てて、該歯肉を刺激して該歯肉を活性化する。
【００１４】
前述のように、本発明においては、より広い面積を歯牙に当てて該歯牙に付着している歯垢をより効果的に除去するものであるが、歯牙に当る部（図２（Ａ），図２（Ｂ）において、斜線を施した部分）にダイヤモンド，その他剛性の粉末を付着させ、或いは、該部分を粗面（ヤスリ面）に形成することにより、より効果的に歯垢を除去することができる。
【００１５】
更に、本発明によるスケーリングチップを超音波駆動させて使用する場合は、前述のように、該スケーリングチップとの接触部が過熱するので、この部分を冷却する必要がある。図２（Ａ）において、１１は冷却水を噴射するための開口で、該開口１１は該スケーリングチップ１０内に設けられた通路を通して把持部２０に連通し、該把持部２０を通して供給される水を噴射する。開口１１より噴出された水はスケーリングチップ１０の歯肉に当る部分、すなわち、スケーリングチップ１０の裏側に当り、歯肉の過熱を防止し、生体組織の壊疽を防ぐ。
【００１６】
図２（Ｂ）は、冷却水を放出する他の例を示す図で、この例は、スケーリングチップ１０内に水を通す通路を設け、該通路の開口１１より水を噴射するようにしたもので、この例の場合、噴射された水の一部は、スケーリングチップ１０の上面（凹面側）を流れ落ちて、歯牙１とスケーリングチップ１０との接触部に至り、該接触部を冷却するが、残りの一部は、該スケーリングチップ１０の凹部に設けられた孔１２を通して該スケーリングチップ１０の裏側に流れ落ち、該スケーリングチップ１０の裏側（凸側）と歯肉５との接触部を冷却する。
【００１７】
更に、図２（Ｂ）に示した実施例においては、スケーリングチップ１０の先端部は、凹面（表面）側に凹部１４を有し、凸面（裏面）側をより効果的に膨らまし、歯肉との接触を効果的にするとともに、該凹部１４の上方に前記噴水口１１を設け、下方部に貫通孔１２を設けることによって、スケーリングチップ１０の裏側にも、より効果的に冷却水を供給するようにしているが、本発明は、図示実施例に限定されるものではない。
【００１８】
【発明の効果】
本発明は、先端部を歯牙と歯肉の間に挿入して歯牙と歯肉の間に存在する歯石或いは盲嚢を除去するスケーリングチップにおいて、前記先端部が長手方向に対して直角の方向にかつ歯牙側を凹面側とする弧状に形成されているので、歯牙と歯肉の間の深いところに存在する歯垢や盲嚢を効果的に除去することができ、更には、前凹面側の上方部に開口する噴水口、及び、該噴水口の下方に前記凹面側より反対側の面に貫通する貫通孔を有するので、歯肉との接触箇所をも効果的に冷却することのできる超音波駆動に適したスケーリングチップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるスケーリングチップの一使用形態を説明するための概略構成図である。
【図２】本発明によるスケーリングチップの実施形態を説明するための図である。
【符号の説明】
１…歯牙、２…歯垢、３…盲嚢、５…歯肉、１０…スケーリングチップ、１１……噴水口、１２…貫通孔、１３…凹面側接触部、１４…凹部、１５…凸部、２０…把持部。

Claims

先端部を歯牙と歯肉の間に挿入して歯牙と歯肉の間に存在する歯石或いは盲嚢を除去するスケーリングチップにおいて、前記先端部が長手方向に対して直角の方向にかつ歯牙側を凹面側とする弧状に形成され、前記凹面側の上方部に開口する噴水口、及び、前記凹面側より反対側の面に貫通する貫通孔を有することを特徴とするスケーリングチップ。