JP3553888B2 - 車椅子の起立補助装置及び起立補助装置を有する車椅子 - Google Patents

車椅子の起立補助装置及び起立補助装置を有する車椅子 Download PDF

Info

Publication number
JP3553888B2
JP3553888B2 JP2001009211A JP2001009211A JP3553888B2 JP 3553888 B2 JP3553888 B2 JP 3553888B2 JP 2001009211 A JP2001009211 A JP 2001009211A JP 2001009211 A JP2001009211 A JP 2001009211A JP 3553888 B2 JP3553888 B2 JP 3553888B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheelchair
pair
standing
assisting
bar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001009211A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002119545A (ja
Inventor
功 根本
英正 重浦
Original Assignee
根本企画工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 根本企画工業株式会社 filed Critical 根本企画工業株式会社
Priority to JP2001009211A priority Critical patent/JP3553888B2/ja
Publication of JP2002119545A publication Critical patent/JP2002119545A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3553888B2 publication Critical patent/JP3553888B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Invalid Beds And Related Equipment (AREA)
  • Handcart (AREA)

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、車椅子の起立補助装置及び起立補助装置を備えた車椅子に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】
要介護者を、車椅子に乗降させる際に問題となるのは、介護者の肉体的負担である。要介護者の全体重を支えなければならないことが多く、介護者の腰痛その他の原因となる。
【0003】
【発明の目的】
本発明は、要介護者を車椅子に乗降させる際の介護者の肉体的負担を軽減することができる起立補助装置を得ることを目的とする。
【0004】
【発明の概要】
本発明は、要介護者を車椅子から降ろすとき、車椅子自体を前輪の床面との接触部を中心に前方に傾動させれば、要介護者を立たせるための力を与えることができるという着想に基づき、車椅子自体を傾動させる機構を、既存の車椅子に対する僅かな付加または改変で実現させたものである。
【0005】
すなわち、本発明は、車椅子の起立補助装置の態様では、前輪と後輪を有する車椅子フレームの後輪側に上下方向に進退可能に支持される起立補助体;及びこの起立補助体を、その下端部が床面に接触しない退避位置と、該下端部が床面を押して車椅子の後輪側を上昇させ前輪側の床面との接触部分を中心に前方に傾動させる傾動位置との間で駆動する、車椅子フレームに取り付けられる傾動機構;を有することを特徴としている。
【0006】
また、本発明は、起立補助装置を有する車椅子の態様では、前輪と後輪とを有する車椅子;この前輪と後輪を支持するフレームの後輪側に一体に形成された昇降案内部;この昇降案内部に昇降可能に支持される起立補助体;及びこの起立補助体を、その下端部が床面に接触しない退避位置と、該下端部が床面を押して車椅子の後輪側を上昇させ前輪側の床面との接触部分を中心に前方に傾動させる傾動位置との間で駆動する傾動機構;を有することを特徴としている。
【0007】
起立補助体は、非折畳式の車椅子では、左右の後輪の中央部に比較的幅の大きい(安定して車椅子を傾動させることができる幅の)単一体から構成することが可能である。一方、左右の車輪の間隔を縮めるように折り畳むことのできる折畳式の車椅子では、起立補助体を、例えば、長手方向に沿うラックを有する左右一対の起立補助バーから構成し、傾動機構は、この一対の起立補助バーのラックと噛み合う一対のピニオンと、この一対のピニオンを同時に同方向に回転駆動する駆動源とから構成することができる。また、傾動機構は、車椅子フレームの左右に取り付けられた一対の従動プーリと、一端部が起立補助バーに止着されるとともに、他端部が従動プーリに止着されたワイヤと、従動プーリを回転駆動させる駆動源とを備えるものとすることもできる。
【0008】
この駆動源は、例えば、各ピニオン(従動プーリ)と同軸一体のプーリ(駆動プーリ)と、各プーリ(駆動プーリ)に一端部が固定され、他端部が共通の駆動バーの両端部に固定された一対のワイヤ(駆動ワイヤ)とから構成すると、人力によって駆動できる簡単な機構を提供できる。また、起立補助体が傾動位置方向へ移動するのを許し、退避位置方向へ移動するのを阻止する一方向ブレーキ機構を設けることが好ましい。
【0009】
起立補助体は、付勢手段によって、退避位置方向に移動付勢することが好ましい。
【0010】
傾動機構の駆動源は、ラックピニオン機構やプーリとワイヤを用いた機構を使用すると否とを問わず、電動モータ、空圧機構または油圧機構から構成してもよいことは勿論である。電動モータを用いる場合、例えば送りねじ(ボールスクリュー)機構等のラックピニオン機構以外の直進移動機構により起立補助体を直進移動させてもよい。電動モータは、電動車椅子のバッテリ、あるいは商用電源で駆動することができる。空圧機構または油圧機構を用いる場合、そのポンプを電動駆動する他、足踏み式の簡易ポンプを用いることができる。
【0011】
また、車椅子フレームに、前輪より前方に位置させて、下端部が床面に接触しない退避位置と、床面と接触して該接触部が車椅子の傾動動作の中心となる作用位置との間を昇降しうる支持体を設けることもできる。
【0012】
【発明の実施形態】
以下、本発明の第1の実施形態について、図1〜図6を参照しながら説明する。車椅子10は、左右のフレーム11を備え、左右のフレームの前端下部の間には要介護者の足を載せるためのステップ11aが設けられ、左右のフレーム11にそれぞれ、前輪(キャスター)12と、後輪(大輪)13が回転自在に支持されている。また、左右のフレーム11の間には、シート14とシートバック15(図3)が張られている。左右のフレーム11は、周知のように複数の折り畳みリンクによって折り畳み(接離)可能に結合されていて、シート14とシートバック15は、この折り畳みを妨げない柔軟な材質からなっている。シート14とシートバック15は、別体でも一連の部材でもよい。
【0013】
以上の基本構造を有する折畳式の車椅子10に対し、左右のフレーム11の垂直材11Vの下部にはそれぞれ、上下に位置を異ならせて固定したブラケット20の間に、断面T字型の昇降ガイドバー21が支持されており、この昇降ガイドバー21に、起立補助バー22が昇降自在に支持されている。起立補助バー22は、その前面に昇降ガイドバー21を嵌める凹部22a(図6)を有し、後面に長手方向に沿ってラック23を一体に備えている。凹部22aに嵌めた昇降ガイドバー21は、脱落防止ナット22bにより抜け止められる。昇降ガイドバー21、起立補助バー22及びその関連機構は原則として左右に同一構造が一対備えられているが、以下の説明では、一方のみを説明する。
【0014】
フレーム11の下部水平材11Hには、ブラケット24を介して、ピニオン25とプーリ26を同軸一体に備えた回転体27が回転自在に支持されている。ピニオン25は、起立補助バー22のラック23と噛み合っており、ピニオン25(回転体27)を回転駆動することで、起立補助バー22が昇降運動する。
【0015】
回転体27のプーリ26には、ワイヤ28の一端部が固定されている。このワイヤ28の他端部は、複数のワイヤガイド29を介して、フレーム11の下部水平材11Hに沿って前方に導かれ、共通の駆動バー30の両端部に固定されている。この駆動バー30は、左右に共通の部材である。駆動バー30は、図3に明らかなように、水平位置に保持されており、水平状態を維持したまま下方へ移動させると、プーリ26を介してピニオン25が回転する結果、ピニオン25と噛み合うラック23を有する起立補助バー22が下方に移動する。起立補助バー22は、下方に移動すると(傾動位置に位置すると)、床面を押して車椅子10の後輪13側を上昇させ(後輪13を床面から離間させ)、該車椅子10をその前輪12と床面との接触部を中心に前方に傾動させる(図2)。
【0016】
フレーム11には垂直材11Vの上方に、ブラケット34を介して巻取スプリング31が固定されている。この巻取スプリング31は、ドラム32に巻取方向に付勢した帯状体33を巻回したもので、その自由端部がブラケット35を介して起立補助バー22の上端部に固定されている。起立補助バー22は、この巻取スプリング31による付勢力で常時は、その下端部が床面と接触しない上方の移動端(退避位置)に位置する(図1)。
【0017】
起立補助バー22のこの退避位置では、駆動バー30は上昇位置にある。駆動バー30をこの上昇位置から下方の移動端に移動させると、ワイヤ28、回転体27(ピニオン25及びプーリ26)を介して起立補助バー22が下降端(傾動位置)に達し、車椅子10を前方に傾動させる。図2は、前方への中間傾動状態を示している。起立補助バー22とピニオン25のギヤ比、ピニオン25とプーリ26の有効径の比等の要素は、この車椅子10の前方への傾動によって、車椅子10上の要介護者を立ち上がらせ、あるいは立ち上がりを容易にさせるように設定する。
【0018】
回転体27には、図4ないし図6に示すように、一方向ブレーキ機構40が備えられている。この一方向ブレーキ機構40は回転体27と同軸に回転自在にブレーキバー41を回転自在に支持し、このブレーキバー41の一端部に起立補助バー22のラック23に噛み合うストッパピン42を設け、他端部にウエイト43を設けてなっている。このブレーキバー41は、ストッパピン42を、ピニオン25とラック23との噛合位置より下方において、起立補助バー22のラック23に噛み合わせた位置が一方向ブレーキ位置であり(図5参照)、この一方向ブレーキ位置では、ウエイト43の力により、ブレーキバー41はストッパピン42がラック23と噛み合う方向(図5の反時計方向)に回動付勢される。一方、ブレーキバー41を、図5の状態から時計方向にウエイト43が下方に位置するまで回動させると、ウエイト43の重量により、ストッパピン42はウエイト43の直上に位置し、ラック23との非干渉位置に保持される。
【0019】
左右のフレーム11にはそれぞれ、前輪12より前側の上下2個所に位置させてブラケット80が固着されており、このブラケット80を介して、上下両面が開口する案内筒81が固定されている。案内筒81の側面には、上下方向を向くとともに、上下両端部に係止部82、83が設けられた案内溝84が形成されている。案内筒81の内部には支持バー(支持体)85が昇降自在に嵌合しており、支持バー85の側面に突設されたレバー86を案内溝84の上端部の係止部82に係合することにより、支持バー85は下端部が床面に接触しない退避位置(図1及び図2の実線の位置)に保持され、レバー86を案内溝84に沿って下降させて下端部の係止部83に係合することにより、支持バー85は、その下端部が床面に接触する作用位置(図1の仮想線の位置、及び図3の実線の位置)に保持される。
【0020】
上記構成の本装置は、次のように使用する。通常の走行状態では、駆動バー30を自由状態にする。すると、起立補助バー22は、巻取スプリング31の付勢力により上昇位置(退避位置)に保持される。一方向ブレーキ機構40のブレーキバー41は、起立補助バー22が退避位置にあれば、ストッパピン42をラック23に噛み合わせた状態でも噛み合わせない状態でもよい。以上の状態では通常走行に支障はない(図1)。
【0021】
車椅子10上の要介護者を立ち上がらせるときには、安全のためにまず、一方向ブレーキ機構40のストッパピン42を、ピニオン25とラック23との噛合位置より下方において該ラック23に噛み合わせる。この一方向ブレーキ機構40のセット状態において、駆動バー30を水平状態に保持したまま、下方に押圧移動させる。この動作は、例えば、駆動バー30を足で踏み込むことで行うことができる。すると、ワイヤ28が引かれる結果、プーリ26を介してピニオン25(回転体27)が回転し、ピニオン25と噛み合うラック23を有する起立補助バー22が下方に移動する。起立補助バー22は、その下方移動に伴い、床面を押して車椅子10の後輪13側を上昇させ、前輪12と床面との接触部を中心に車椅子10全体を前方に傾動させる(図2)。従って、車椅子10の後方が持ち上がることによって、車椅子10上の要介護者には立ち上がり補助力が与えられる。車椅子10の前方への傾動角度は、駆動バー30の踏込量によって調整できる。立ち上がり、あるいは中間まで立ち上がった要介護者は、介護の必要度に応じ、別の介護者が要介護者を抱きかかえることで、立たせた状態にすることができる。要介護者の全体重を介護者が支えて立ち上がらせる場合と比較すれば、本起立補助装置の有用性が理解される。
【0022】
また、図3に示すように、支持バー85を利用して車椅子10を前方に傾動させることもできる。この場合は、起立補助バー22を下方に移動させる前に、支持バー85を作用位置に移動させて、レバー86を係止部83に係合して支持バー85を作用位置に保持する。この後、起立補助バー22を下方に移動させると、支持バー85と床面との接触部を中心に車椅子10が前方に傾動し始め、前輪12が床面から浮き上がる。
【0023】
このように支持バー85を利用して車椅子10を前方に傾動させると、支持バー85を利用しない場合に比べてステップ11aと床面との隙間が大きくなるので(ステップ11aと床面との隙間が小さくならないので)、ステップ11aと床面の間に介護者の足が挟まれるおそれがない。
【0024】
以上の起立補助動作において、一方向ブレーキ機構40は次のように動作する。ピニオン25が起立補助バー22を下降させようとする方向に回動すると、ラック23の各歯がストッパピン42を乗り越えてブレーキバー41が図6の時計方向に回転する。しかし、ブレーキバー41は、ウエイト43によって図6の反時計方向に回動付勢されているので、ラック23の各歯がストッパピン42を乗り越えた瞬間に反時計方向に回動する。つまり、ラック23の各歯がストッパピン42を乗り越える度に、ブレーキバー41は時計方向への回動と反時計方向への回動とを繰り返す。従って、起立補助バー22が下方に移動する動作は妨げられない。
【0025】
一方、起立補助バー22を上昇させようとする力(つまり車椅子10の後部を下降させようとする力)が加わると、ストッパピン42がラック23に深く噛み合う方向にブレーキバー41に回動力が加わり、同方向へのブレーキバー41の回動はピニオン25とラック23との噛合部分が阻止するので、起立補助バー22が同方向に移動することがない。つまり、起立補助バー22を車椅子10に対して相対的に押し上げようとする力に対しては、ブレーキが働くので、一旦持ち上げた車椅子10が不用意に下降することがなく、安全が確保される。
【0026】
次に、本発明の第2の実施形態について、図7〜図11を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同じ部材には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。左右のフレーム11の垂直材11Vの下端部の内側面には、上下一対のブラケット50を介して側面視ほぼJ字形をなす取付板51が固定されており、この取付板51の内側面に固定された上下2個の水平な支持部材52、53の支持孔52a、53aには、上下方向を向くとともに断面形状が円形をなす管状の起立補助バー54が昇降自在に遊嵌している。
【0027】
この起立補助バー54には、ブレーキ部材55が備えられている。このブレーキ部材55は、その内径が起立補助バー54の外径より若干大であるリング部56と、リング部56の前後両面に突設した前片57と後片58とを有し、リング部56は、上下の支持部材52、53の間において起立補助バー54に遊嵌し、後片58は、正面視H字形をなすリンク材59を介して、下側の支持部材53の後端突部に、左右方向の軸回りに回転自在に連結されている。
【0028】
前片57の通孔57aに挿入されたピン60と、上側の支持部材52の孔52bに挿入されたピン61どうしは、引張りばね62により連結されているため、ブレーキ部材55は、常時、前片57が上方に持ち上がるように付勢されている。ピン60の端部には、ブレーキ解除ワイヤ63の一端部が取り付けられており、ブレーキ解除ワイヤ63は、支持部材53に突設された垂直な通孔53bを通って支持部材53の下方に引き出されている。また、これらブレーキ部材55、引張りばね62、及びブレーキ解除ワイヤ63により、一方向ブレーキ機構64が構成されている。
【0029】
垂直材11Vの上端部に固定されたブラケット65には、起立補助バー54の内部を貫通する引張りばね66の上端部が止着されている。起立補助バー54の下端部には、キャップ(石突き)67が設けられている。このキャップ67は、起立補助バー54の外径より径が大きいキャップ本体68の上面に円柱状の嵌合部69が突設され、かつ嵌合部69の上面に取付部70が設けられたキャップであり、引張りばね66の下端部が取付部70の孔に係止されるとともに、嵌合部69は起立補助バー54の下端開口部に嵌合されており、引張りばね66の上向きの付勢力によって、キャップ67は起立補助バー54と一体となっている。
【0030】
取付板51の下端部には、起立補助バー54を避けるようにして平面視ほぼU字形をなすストッパ71が固定されている。このストッパ71の下面に、キャップ本体68の上面周縁部が当接することにより、起立補助バー54の上昇端が規制される。
【0031】
小径の駆動プーリ72の側面に突設された軸73は、取付板51と軸受部74の軸孔75を貫通しており、軸73の遊端部には、大径の従動プーリ76が駆動プーリ72と同軸かつ一体をなすように固定されている。
【0032】
起立補助バー54の上端部に設けられた環状のフランジ54aにはワイヤ77の上端部が止着されており、ワイヤ77は、支持部材52、53に設けられたワイヤ挿通用の溝52c、53c及びリング部56と起立補助バー54との隙間を通って下向きに延びており、ワイヤ77の下端部は従動プーリ76に止着されている。一方、駆動プーリ72には前後方向を向く駆動ワイヤ78の後端部が止着されており、駆動ワイヤ78の前端部はワイヤガイド29を通って下向きに垂れ下がり、駆動バー30の左右両端部に止着されている。
【0033】
以上のような構成からなる本実施形態では、図7に示す状態において、足で駆動バー30を踏み込み、駆動プーリ72と一体となっている従動プーリ76を回転させて、ワイヤ77を下向きに引張ると、起立補助バー54が引張りばね66に抗して下降し床面を押圧するので(図8参照)、車椅子10の後部が持ち上げられ、車椅子10を要介護者が乗り降りし易い体勢にすることができる。
【0034】
また、図11に拡大して示すように、この時、ブレーキ部材55のリング部56の内周面が傾斜した状態で起立補助バー54の外周面に圧接し、起立補助バー54の上昇を阻止しているので、車椅子10が使用者の意に反して急降下することがなく、要介護者の安全を確保することができる。
【0035】
なお、ブレーキ解除ワイヤ63を引張り、ブレーキ部材55を引張りばね62の付勢力に抗して平行状態(図示略)となるまで回動させて、起立補助バー54とリング部56とを非接触状態とすることにより、起立補助バー54を引張りばね66の付勢力によって上昇させ、車椅子10を図7に示す走行可能な状態に戻すことができる。
【0036】
このような本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、従動プーリ76、駆動プーリ72、ワイヤ77等からなる傾動機構の構成が、第1の実施形態のそれに比して簡素化されているので、傾動機構の製造コストを低くすることができ、ひいては車椅子10全体の製造コストをも低くすることができるというメリットがある。
【0037】
なお、第2の実施形態においても、支持バー85を利用して車椅子10を傾動させることができるのは言うまでもない。
【0038】
本発明は、車椅子10の構造の細部を問わないことは明らかであり、折り畳み式であると否とも問わない。さらに、以上の実施形態では、既存の車椅子に事後的に構築できる構成としたが、車椅子に標準装備することも勿論可能であり、この場合には、フレーム11に直接、起立補助バー22の昇降ガイドや、回転体27の軸受を設けることができる。
【0039】
以上の実施形態では、車椅子10を前輪12と床面との接触部分を中心に前方に傾動させるとしたが、前輪12とは別に、前輪12の近傍において床面に対して接離する傾動支点バーを設け、傾動動作時に、この傾動支点バーを床面に当接させる態様も可能である。傾動支点バーを別に設けると、前輪12のように回転しないので車椅子が安定し、あるいは前輪12に回転止めを施す必要がないという利点がある。
【0040】
さらに、以上の実施形態は、場所を問わずに利用できるように、人力利用の実施形態としたが、バッテリや商用電源が使用できる環境下であれば、回転体27や従動プーリ76を電動駆動する態様が勿論可能である。さらに、ラックピニオン機構やプーリとワイヤを用いた機構に限らず、ボールスクリュー機構(送りねじ機構)その他によって起立補助バー22(起立補助体)を進退させる構成を採用することもできる。さらに、空圧機構や油圧機構によって起立補助バー22(起立補助体)を直進進退させることも可能である。このような変形は、当業者容易であり、本発明の範囲に含まれる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、要介護者を車椅子に乗降させる際の介護者の肉体的負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による起立補助装置を有する車椅子の第1の実施形態を示す側面図である。
【図2】図1の車椅子を前方に若干傾動させた状態を示す側面図である。
【図3】図1の車椅子を支持バーを利用して前方に若干傾動させた状態を示す側面図である。
【図4】前輪、起立補助バー及びその関連機構を除いて描いた図1の正面図である。
【図5】起立補助バー及びその関連機構の分解斜視図である。
【図6】一方向ブレーキ機構の拡大側面図である。
【図7】図6のVII矢視図である。
【図8】本発明による起立補助装置を有する車椅子の第2の実施形態を示す側面図である。
【図9】図8の車椅子を前方に若干傾動させた状態を示す側面図である。
【図10】前輪、起立補助バー及びその関連機構を除いて描いた図8の正面図である。
【図11】起立補助バー及びその関連機構の分解斜視図である。
【図12】一方向ブレーキ機構の拡大側面図である。
【図13】図12のXIII−XIII線矢視図である。
【符号の説明】
10 車椅子
11 フレーム
11aステップ
11V 垂直材
11H 下部水平材
12 前輪
13 後輪
20 24 34 ブラケット
21 昇降ガイドバー
22 起立補助バー
23 ラック
24 ブラケット
25 ピニオン
26 プーリ
27 回転体
28 ワイヤ
29 ワイヤガイド
30 駆動バー
31 巻取スプリング
32 ドラム
33 帯状体
40 一方向ブレーキ機構
41 ブレーキバー
42 ストッパピン
43 ウエイト
50 ブラケット
51 取付板
52 支持部材
52a 支持孔
52b 孔
52c 溝
53 支持部材
53a 支持孔
53b 通孔
53c 溝
54 起立補助バー
54a フランジ
55 ブレーキ部材
56 リング部
57 前片
57a 通孔
58 後片
59 リンク材
60 ピン
61 ピン
62 引張りばね
63 ブレーキ解除ワイヤ
64 一方向ブレーキ機構
65 ブラケット
66 引張りばね
67 キャップ
68 キャップ本体
69 嵌合部
70 取付部
71 ストッパ
72 駆動プーリ
73 軸
74 軸受部
75 軸孔
76 従動プーリ
77 ワイヤ
78 駆動ワイヤ
80 ブラケット
81 案内筒
82 係止部
83 係止部
84 案内溝
85 支持バー
86 レバー

Claims (20)

  1. 前輪と後輪を有する車椅子フレームの後輪側に上下方向に進退可能に支持される起立補助体;及び
    この起立補助体を、その下端部が床面に接触しない退避位置と、該下端部が床面を押して車椅子の後輪側を上昇させ前輪側の床面との接触部分を中心に前方に傾動させる傾動位置との間で駆動する、車椅子フレームに取り付けられる傾動機構;
    を有することを特徴とする車椅子の起立補助装置。
  2. 請求項1記載の起立補助装置において、上記起立補助体は、長手方向に沿うラックを有する左右一対の起立補助バーからなり、上記傾動機構は、この一対の起立補助バーのラックと噛み合う一対のピニオンと、この一対のピニオンを同時に同方向に回転駆動する駆動源とから構成されている車椅子の起立補助装置。
  3. 請求項2記載の起立補助装置において、上記駆動源は、各ピニオンと同軸一体のプーリと、各プーリに一端部が固定され、他端部が共通の駆動バーの両端部に固定された一対のワイヤとから構成されている車椅子の起立補助装置。
  4. 請求項1記載の起立補助装置において、上記起立補助体が、上下方向を向く左右一対の起立補助バーからなり、かつ、上記傾動機構が、車椅子フレームの左右に取り付けられた一対の従動プーリと、一端部が上記起立補助体に止着されるとともに、他端部が従動プーリに止着されたワイヤと、従動プーリを回転駆動させる駆動源とを備えている車椅子の起立補助装置。
  5. 請求項4記載の起立補助装置において、上記駆動源が従動プーリと同軸かつ一体をなす駆動プーリと、一端部が駆動プーリに止着されるとともに、他端部が駆動バーに止着された一対の駆動ワイヤとを備えている車椅子の起立補助装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項記載の起立補助装置において、さらに、車椅子フレームに取り付けられ、上記起立補助体を退避位置方向に移動付勢する付勢手段が備えられている車椅子の起立補助装置。
  7. 請求項2ないし6のいずれか1項記載の起立補助装置において、起立補助体が傾動位置方向へ移動するのを許し、退避位置方向へ移動するのを阻止する一方向ブレーキ機構を備えている車椅子の起立補助装置。
  8. 請求項1ないし3記載の起立補助装置において、傾動機構の駆動源は、電動モータ、空圧機構または油圧機構から構成されている車椅子の起立補助装置。
  9. 請求項1ないし8記載の起立補助装置において、車椅子フレームに、前輪より前方に位置させて、下端部が床面に接触しない退避位置と、床面と接触して該接触部が車椅子の傾動動作の中心となる作用位置との間を昇降しうる支持体を設けた車椅子の起立補助装置。
  10. 請求項9記載の起立補助装置において、上記支持体が左右一対の支持バーからなる車椅子の起立補助装置。
  11. 前輪と後輪とを有する車椅子;
    この前輪と後輪を支持するフレームの後輪側に一体に形成された昇降案内部;
    この昇降案内部に昇降可能に支持される起立補助体;及び
    この起立補助体を、その下端部が床面に接触しない退避位置と、該下端部が床面を押して車椅子の後輪側を上昇させ前輪側の床面との接触部分を中心に前方に傾動させる傾動位置との間で駆動する傾動機構;
    を有することを特徴とする起立補助装置を有する車椅子。
  12. 請求項7記載の起立補助装置において、上記起立補助体は、長手方向に沿うラックを有する左右一対の起立補助バーからなり、上記傾動機構は、この一対の起立補助バーのラックと噛み合う一対のピニオンと、この一対のピニオンを同時に同方向に回転駆動する駆動源とから構成されている起立補助装置を有する車椅子。
  13. 請求項8記載の起立補助装置において、上記駆動源は、各ピニオンと同軸一体のプーリと、各プーリに一端部が固定され、他端部が共通の駆動バーの両端部に固定された一対のワイヤとから構成されている起立補助装置を有する車椅子。
  14. 請求項7記載の起立補助装置を有する車椅子において、上記起立補助体が、上下方向を向く左右一対の起立補助バーからなり、上記傾動機構が、車椅子の左右に取り付けられた一対の従動プーリと、一端部が上記起立補助体に止着されるとともに、他端部が従動プーリに止着されたワイヤと、従動プーリを回転駆動させる駆動源とを備えている起立補助装置を有する車椅子。
  15. 請求項12記載の起立補助装置を有する車椅子において、上記駆動源が、従動プーリと同軸かつ一体をなす駆動プーリと、一端部が駆動プーリに止着されるとともに、他端部が駆動バーに止着された一対の駆動ワイヤとを備えている起立補助装置を有する車椅子。
  16. 請求項9ないし11のいずれか1項記載の起立補助装置を有する車椅子において、上記起立補助体を退避位置方向に移動付勢する付勢手段が備えられている起立補助装置を有する車椅子。
  17. 請求項10ないし14のいずれか1項記載の起立補助装置を有する車椅子において、起立補助体が傾動位置方向へ移動するのを許し、退避位置方向へ移動するのを阻止する一方向ブレーキ機構を備えている起立補助装置を有する車椅子。
  18. 請求項7ないし9記載の起立補助装置を有する車椅子において、上記傾動機構の駆動源は、電動モータ、空圧機構または油圧機構から構成されている起立補助装置を有する車椅子。
  19. 請求項11ないし18記載の起立補助装置を有する車椅子において、車椅子フレームに、前輪より前方に位置させて、下端部が床面に接触しない退避位置と、床面と接触して該接触部が車椅子の傾動動作の中心となる作用位置との間を昇降しうる支持体を設けた起立補助装置を有する車椅子。
  20. 請求項19記載の起立補助装置を有する車椅子において、上記支持体が左右一対の支持バーからなる起立補助装置を有する車椅子。
JP2001009211A 2000-08-09 2001-01-17 車椅子の起立補助装置及び起立補助装置を有する車椅子 Expired - Fee Related JP3553888B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001009211A JP3553888B2 (ja) 2000-08-09 2001-01-17 車椅子の起立補助装置及び起立補助装置を有する車椅子

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000241686 2000-08-09
JP2000-241686 2000-08-09
JP2001009211A JP3553888B2 (ja) 2000-08-09 2001-01-17 車椅子の起立補助装置及び起立補助装置を有する車椅子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002119545A JP2002119545A (ja) 2002-04-23
JP3553888B2 true JP3553888B2 (ja) 2004-08-11

Family

ID=26597665

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001009211A Expired - Fee Related JP3553888B2 (ja) 2000-08-09 2001-01-17 車椅子の起立補助装置及び起立補助装置を有する車椅子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3553888B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112137808A (zh) * 2020-09-25 2020-12-29 霍普(南京)生命科学研究院有限公司 基于5g物联网居家养老服务***

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002119545A (ja) 2002-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003019055A (ja) 昇降椅子
KR101437374B1 (ko) 가변형 휠체어
US20060162069A1 (en) Lifting and transfer apparatus
JP2000140041A (ja) 移動型リフト
KR101186959B1 (ko) 차량용 캐리어
KR101965161B1 (ko) 보조기구 부착 착좌장치
JP2012153162A (ja) 車両用シート装置
JP6091853B2 (ja) ベッド類の昇降装置及びこれを組み込んだストレッチャ
US20100207353A1 (en) Wheelchair Apparatus with Assistant Function
JP3553888B2 (ja) 車椅子の起立補助装置及び起立補助装置を有する車椅子
KR20220019875A (ko) 승강과 이동이 가능한 하지마비 환자용 자동 승강-이동 체어 장치
JP2001029392A (ja) 介助装置
JP4339474B2 (ja) 車椅子の起立補助装置及び起立補助装置を有する車椅子
JPH10137294A (ja) 介護装置
WO2019144911A1 (zh) 楼梯升降装置
JP2005319280A (ja) 身体障害者車両用リフト装置
JP2004238097A (ja) リフト装置
JP2003235902A (ja) 起立補助座椅子
JP2004238098A (ja) リフト装置
JP7510578B1 (ja) 昇降装置
JP2003305087A (ja) 介助機能付車椅子
JP2012024401A (ja) 車椅子
JP2013000554A (ja) 車椅子用起立補助装置
JP3698430B2 (ja) 被介護者用の車両乗降装置
JP2000288033A (ja) 車椅子ないし歩行補助器のブレーキ装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040406

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040430

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080514

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110514

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees