JP3553596B2 - 流体作動式ブレーキアクチュエータのためのスプリング室隔離システム - Google Patents
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Description
発明の背景
発明の分野
この発明は車両用の流体作動式ブレーキアクチュエータに関するもので、より具体的には直列に組合わされ、スプリングブレーキアクチュエータを有する常用及びスプリングブレーキアクチュエータに関するものである。
従来技術の状況
バス、トラックその他のような車両用エアブレーキシステムは典型的に圧縮空気等のような流体の選択的適用により動作するアクチュエータ組立体により作動されるブレーキシューとドラムを有している。在来のエアブレーキアクチュエータは、通常の運転状況で圧縮空気の適用によりブレーキを作動させる常用ブレーキアクチュエータと、空気圧が開放されてしまった時ブレーキの作動を起させるスプリングブレーキ又は緊急ブレーキアクチュエータとの双方を有している。緊急ブレーキアクチュエータは空気が開放された時ブレーキの適用を強制する強力な圧縮バネを有している。これはしばしばスプリングブレーキともいわれる。典型的に、スプリングブレーキアクチュエータは、常用ブレーキアクチュエータと直列に配置されている。
スプリングブレーキアクチュエータは典型的にゴム製ダイアフラムと圧力板によって隔てられた2つの室に分割され、一方の室内のスプリングはスプリングブレーキハウジングと圧力板の間で作用する。全圧力が反対の室にかけられると、ダイアフラムと圧力板に対し作用する空気圧がスプリングを圧縮する。多くの用途において、スプリングブレーキアクチュエータ杆は比較的小さい戻りバネによって後退位置に保持される。より新しい応用においては、スプリングブレーキアクチュエータ杆は圧力板と一体で、空気圧により後退位置に保持される。
両方の設計において、スプリングブレーキアクチュエータ杆はブレーキの通常動作に影響を与えない。常用ブレーキ室は典型的にダイアフラムによって2つの室に分割される。通常運転動作においてブレーキペダルを踏むと、圧縮空気が常用ブレーキアクチュエータの1つに導入され、これがダイアフラムに作用して、反対の室内の常用ブレーキの押杆を伸長させ、常用ブレーキアクチュエータ内の空気圧に比例した適用力でブレーキを働かせる。
空気圧が消失したりスプリングブレーキアクチュエータからの空気を意図的に消失させた場合には、強力な圧縮スプリングがスプリングブレーキアクチュエータ杆に作用し、これが次に常用ブレーキ押杆に作用してブレーキをかける。こうしてスプリングブレーキ部分はパーキングブレーキとしても緊急ブレーキとしても使える。
直列アクチュエータ組立体において、スプリングブレーキ押杆は典型的にスプリングブレーキ部分の1つの室からスプリングブレーキアクチュエータを常用ブレーキアクチュエータから隔てている壁の孔を通って常用ブレーキ部分の中へ延びている。結合している室の少なくとも一方が通常加圧されているから、孔のところで押杆の周りには孔を取り巻く壁内の環状溝に配した1個又はそれ以上のOリングから成るシールが設けられる。
スプリングブレーキアクチュエータから圧が解放されると、スプリングとダイアフラムは著しく延びて、スプリングを入れているスプリングブレーキアクチュエータ室の容積を膨張させる。この膨張した室の容積に空気を入れさせる手段を設けなければならない。逆に、スプリングが後退させられて室の容積が収縮したときには、この室から空気を排出せる手段を設けなければならない。多くの従来のブレーキアクチュエータにおいて、スプリングを含んでいる室は室ハウジングのポートを通じて単に大気に開いている。しかし、これは、塵、塩、水分、その他望ましくない物質をポートから室内に入れさせてしまう。ケージング(caging)工具を含んでいる中空アクチュエータ杆の出現で、アクチュエータ杆の内に異物が存在することはブレーキ設計者の大きな関心事となってきた。
或る従来の設計は、米国特許第4,960,036号(ガンマーほか)におけるように、常用ブレーキアクチュエータの押杆室とスプリングブレーキアクチュエータのスプリング室との間に給気管を設けることによりこの問題に対処しようと試みた。この設計において、常用ブレーキアクチュエータの押杆室はブレーキの通常適用のためには大気に通気させなければならない。押杆室の通気は別個の通気孔か又は押杆を支持している外部の開口かのいずれかを通じて行なわれる。こうしてスプリングブレーキアクチュエータのスプリング室は大気に開放したままとなり、完全に通気しているスプリング室よりは長い通路を経るとはいえ、依然として水分、塵及びよごれに曝されることになる。この長い通路はまたシールされた、又はより完全に通気しているスプリング室と同様に有効に乾燥するのを妨げることになる。
発明の概要
本発明のブレーキアクチュエータはこれら制約を克服するものである。
車両用ブレーキアクチュエータは常用ブレハウジングと直列なスプリングブレーキハウジングとから成る。常用ブレーキハウジング内に配置された第1の可動部材がその内部を第1常用ブレーキ室と第2常用ブレーキ室とに区分している。この部材は第1常用ブレーキ室への加圧流体の送給と排出とに応答してその中を往復運動できる。ブレーキアクチュエータ押杆が第2常用ブレーキ室から延びて、ブレーキの作動のため第1可動部材とともに働くように連結している。第2の可動部材がスプリングブレーキハウジング内に配置され、その内部を第1スプリングブレーキ室と第2スプリングブレーキ室とに分けている。第2部材は第2スプリングブレーキ室への加圧流体の送給と排出に応答してその中で往復運動することができる。スプリングブレーキハウジングは第1スプリングブレーキ室と大気との間の連通を設定する孔を有している。第1スプリングブレーキ室に配置された強力スプリングが、第2スプリングブレーキ室から流体が排出されると第2可動部材を移動させる。中空アクチュエータ杆が第2可動部材と共に伸長位置と後退位置との間を往復運動するように第2可動部材に取付けられその中に延びる近端を有している。アクチュエータ杆の遠端は、第2可動部材が動いたとき第1可動部材を動かす位置で第1常用ブレーキ室の中に配置されている。
本発明によれば、一方向弁がスプリングブレーキハウジングの孔に取付けられるから、大気から第1スプリングブレーキ室への流体の流れは拘束される。アクチュエータ杆はその近端と遠端で開いているから、第1スプリングブレーキ室はアクチュエータ杆を通じて第1常用ブレーキ室と流体連通している。制御弁がアクチュエータ杆の中に取付けてあって、その開放モードでは第1スプリングブレーキ室が第1常用ブレーキ室と開通する。制御弁の閉鎖モードでは、第1スプリングブレーキ室は第1常用ブレーキ室とは連通しない。アクチュエータ杆が後退位置にあるとき、閉鎖手段が制御弁を閉鎖モードにする。流体は、アクチュエータ杆が排出位置に動いたとき第1常用ブレーキ室から第1スプリングブレーキ室へ送り出され、第1スプリングブレーキ室は大気からの流体の進入から隔離される。
好適に一方向弁は、孔の中に配した軸部と、軸部についていて孔より大きくスプリングブレーキハウジングの外にある頭部とをもつプラグから成る。強圧手段が頭部をスプリングブレーキハウジングの外表面と所定の力でシール当接するように弾力押圧しているので、第1スプリングブレーキ室内の圧が所定の力を越えた時、プラグの頭部は外表面から離れるように動き、流体が孔から大気へ逃げる。強圧手段は好適に第1スプリングブレーキ室の中の或る点で軸部から延びスプリングブレーキハウジングの内表面に当接する少なくとも1個の可撓性突起から成る。可撓性突起は変形されて、その変形がプラグの頭部をスプリングハウジングにシール係合させるように弾力押圧しようとする。好適に、所定の力は1〜2psigである。頭部の環状リングがスプリングブレーキハウジングと接触してシールを形成する。
好適に、制御弁がアクチュエータ杆の遠端の中に取付けられる。ケージング工具がアクチュエータ杆の中へその近端を経て延び、ケージング工具の端部のバルブピンから成る閉鎖手段がアクチュエータ杆が後退位置にある時制御弁の部分を押圧するようにされている。
制御弁は好適にアクチュエータ杆の遠端内に配置した筒状本体から成る。この本体内のピストン室は部分的に開放した第1端と開放した第2端を有する。主ピストンがピストン室内に往復運動するように配置されている。主ピストンは開放位置においてピストン室の第1端をピストン室の第2端と連通させ、閉鎖位置においてはピストンがピストン室の第1端と第2端の間の連通をブロックする。開放位置及び閉鎖位置はそれぞれ弁の開放及び閉鎖モードに対応する。
スプリングが主ピストンをその開放位置へ押圧する。主ピストンは、開放遠端及び閉鎖近端を備えている、同軸の内孔を有する。遠端はピストン室の部分的に開放した第1端に向いている。少なくとも1個の径方向通路が内孔から径方向外方へ主ピストンの本体を貫通して出口開口へ延びている。出口開口は、主ピストンが開放位置にあるときにはピストン室の外側にあり、主ピストンが閉鎖位置にあるときにはピストン室の内側にある。バルブピンはピストン室の中へその第2端を経て延び、アクチュエータ杆が後退位置にある時主ピストンをその閉鎖位置に保持する。ピストン室第1端はピストン内孔と径方向通路を通じてピストン室第2端と連通する。この連通は開放制御弁が開放位置にある時だけ起る。
過圧停止弁を設けることができる。停止弁は主ピストン第2室の中を開放位置と後退位置の間で動くことができる圧力板から成る。圧力板強圧手段が圧力板を開放位置の方へ押圧している。圧力板は、後退位置において、内室のシールリップと当接して内室を通る流れを制限する。圧力板は開放位置でシールリップから離される。
好適に、圧力板は浮動ピストンから成り、強圧手段は浮動ピストンと内室の閉鎖端との間のスプリングから成り、シールリップは内室の内側表面上の環状肩から成る。浮動ピストンには小さい限流孔を設けることができる。
これと異なる態様では、圧力板が流通孔を貫通させてあるバネ金属ダイアフラムから成る。シールリップは内室の中の同軸小柱の端部上の環状リップから成る。強圧手段はダイアフラムから成り、その休止形状では流通孔が環状リップから離れる。ダイアフラムはまたダイアフラムを通じる所定圧力勾配の下で変形形状をとり、その時ダイアフラムは環状リップと接触し、ダイアフラム流通孔は小柱により閉鎖される。
好適に、アクチュエータ杆はその遠端に外側面をもち、少なくとも1個の溝がアクチュエータ杆の遠端の開口から径方向縁部へ径外方に延びている。第1常用ブレーキ室は加圧空気源に接続されるようにしたエアポートをもつ。常用ブレーキハウジング内のチャネルがエアポートから溝に延びていて、第1可動部材がアクチュエータ杆の遠端の開口とエアポートの間でスプリングブレーキハウジングの部分と接触していても、アクチュエータ杆の遠端の開口がエアポートと連通したままであるようにする。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る空気抜きと制御弁をもつ空気作動式ブレーキアクチュエータの断面図である。
第2図は第1図の空気抜きの拡大部分断面図である。
第3図は第1図の制御弁の部分拡大断面図である。
第4図は第1図4−4線における横断面図である。
第5図は第3図の制御弁の正常動作条件における拡大部分断面図である。
第6図は第3図の制御弁の追加動作条件における拡大部分断面図である。
第7図は本発明に係る制御弁の第2実施例の拡大部分断面図である。
第8図は第7図の制御弁の正常動作条件における拡大部分断面図である。
第9図は第7図の制御弁の追加動作条件における拡大部分断面図である。
第10図は本発明に係る制御弁の第3実施例の拡大部分断面図である。
実施例の詳細な説明
第1図は公知の一般的な形状を有する流体作動式ブレーキアクチュエータ10を示している。流体作動式ブレーキアクチュエータ10は常用ブレーキアクチュエータ14と直列に取付けられたスプリングブレーキ又は緊急ブレーキアクチュエータ16とから成る。常用ブレーキ押杆12が常用ブレーキアクチュエータ14から後退位置と伸長位置との間で往復運動するように延び、標準方式で普通のブレーキシステム(図示せず)に結合するようにした二股17を備えている。常用ブレーキ押杆12の往復運動によりブレーキは交互に作動と解放を行う。
常用ブレーキアクチュエータ14はカップ状常用ハウジング18及び二重カップ状アダプタハウジング20をクランプ22で連結して常用ブレーキ室23を形成して成る。アダプタハウジング20はフランジケースとしても知られる。
第1のエラストマーダイアフラム24(常用ブレーキダイアフラムとしても知られる)が常用ブレーキ室23内に吊り下げられ、その周縁でカップ状常用ハウジング18とアダプタハウジング20の間にクランプ22により流体密に固着されている。第1エラストマーダイアフラム24はこうして常用ブレーキ室23を2つの部分、すなわち第1常用室部分26と第2常用室部分28に分ける。第1常用室部分26はアダプタハウジング20の常用エアポート42を介して加圧空気源(図示せず)に連通している。第2常用室部分28はカップ状常用ハウジング部分18の少なくとも1個の開口30を介して大気に通じている。第1図において第1常用室部分26は排気されたものとして示されていて、第1エラストマーダイアフラム24は第2常用室部分28内のスプリング46からの力でアダプタハウジング20に対し押しつけられている。
常用ブレーキ押杆12はカップ状常用ハウジング部分18の中央開口30を通じて延び、第2常用室部分28内でその端部に圧力板44を有している。圧力板44は第1エラストマーダイアフラム24に当接する。圧力板44とカップ状常用ハウジング部分18の内表面との間に圧縮スプリング46が延びている。環状座部40をもつ押杆ガイド34が中央開口30内に配置されて、中央開口30内の常用ブレーキ押杆12の往復運動を案内すると共に、圧縮スプリング46の端部を受け入れて、これを中央開口30の周りの位置に保持する。こうして圧縮スプリング46は圧力板44と常用ブレーキ押杆12を第1図に示すような完全に後退した位置に押圧する。
常用ブレーキを作動させるため、圧縮空気が常用エアポート42を通って第1常用室部分26内へ導入され、圧縮スプリング46の力に打ち勝つのに十分な第1エラストマーダイアフラム24と圧力板44とに対する力を造出し、それにより常用ブレーキが作動される時に下方常用室区間23からの急速な空気の排出を開口32が可能にしている。流体作動式ブレーキアクチュエータ10を車両(図示せず)に取付けるため取付けボルト47が設けられている。
スプリング室又は緊急ブレーキアクチュエータ16はアダプタハウジング20のスプリング側とほぼ円筒形のヘッド48又はスプリング室により区画され、これはクランプ50によりアダプタハウジング20のスプリング側に締結されてスプリングブレーキ室51を形成する。第2のエラストマーダイアフラム52(スプリングダイアフラムともいう)がスプリングブレーキ室51の中に吊るされ、その周縁は円筒形ヘッド48とアダプタハウジング20のスプリング側の間にクランプ50により流体密に固着される。こうして第2エラストマーダイアフラム52はスプリングブレーキ室51を2つの部分、すなわち第1スプリング室部分62と第2スプリング室部分63とに分ける。第2スプリング室部分63は緊急ブレーキが第1図に示すようにその正常解放位置にある時アダプターハウジング20の常用エアポート54から供給される加圧空気で満たされる。
アダプターハウジング20は、結合している常用ブレーキ室23とスプリングブレーキ室51を分けている分割壁35を有している。スプリングブレーキアクチュエータ杆56は常用ブレーキ押杆12と軸線一致していて、その一端はスプリングブレーキ室51から分割壁35の中央開口38を通って後退位置と作動位置との間で中央開口38を通る往復運動をするように延びている。1個又はそれ以上のOリングシール37が中央開口38に設けられ、これを通じてスプリングブレーキアクチュエータ杆56が往復する。
スプリングブレーキアクチュエータ杆56の遠端55は第1常用室部分26内の反動板66で終わっており、この反動板66はスプリングブレーキアクチュエータ杆56が第1図に示すように後退位置にある時環状座部40内に受け入れられている。アクチュエータ杆56の反対端(近端)57は第2エラストマーダイアフラム52の開口53を通って延び、強力圧縮スプリング60の端部に当る圧力板58で終わっている。圧力板58の筒状部分61は圧縮スプリング60の軸線に沿ってほゞ軸方向に延びる。圧力板58の筒状部分61は、スプリングブレーキアクチュエータ杆56の近端にプレス嵌めされ、圧力板58とスプリングブレーキアクチュエータ杆56とがそれらの間に固着された第2エラストマーダイアフラム52と一体ユニットを形成する。
流体作動式ブレーキアクチュエータ10の正常動作中、スプリングブレーキアクチュエータ杆56は、第2スプリング室部分63内に維持される圧縮空気によって第1図に示すような完全に後退した位置にある。圧縮空気が第2スプリング室部分63から排気されると、圧縮スプリング60は、その一端が円筒形ヘッド48の外端壁に当接していて、一体的な圧力板58とスプリングブレーキアクチュエータ杆56とを常用ブレーキ押杆12の方向へ強圧する。圧縮スプリング60の力はスプリングブレーキアクチュエータ杆56を中央開口38を通って伸長させるから、反動板66が第1エラストマーダイアフラム24とブレーキアクチュエータ14の圧力板44とに力を加えるようになる。この作用により常用ブレーキ押杆12は作動位置の方へ伸長され、ブレーキ(図示せず)をかける。スプリングブレーキアクチュエータ16を解放すべき時は、再び圧縮空気が第2スプリング室部分63に導入され、圧縮スプリング60の力を克服するのに十分な圧とされる。第2エラストマーダイアフラム52に対する圧縮空気の力により圧力板58、スプリングブレーキアクチュエータ杆56、そして圧縮スプリング60は第1図に示した位置に戻される。
図示の実施例において、スプリングブレーキアクチュエータ杆56は中空管又はロッドであって、中にブレーキ解放杆又はケージング工具70を収容する中央内孔68を備えている。スプリングブレーキアクチュエータ杆56の中央内孔68は、円筒形ヘッド48、圧力板58、及びスプリングブレーキアクチュエータ杆56それぞれの整列した孔69、73及び75を通って延びるケージング工具70を受け入れる。ケージング工具70はネジを切った細長いシャフト71から成り、その一端は拡大頭部72となり、バルブピン74で終わっている。ケージング工具70の反対端は円筒形ヘッド48に固定的に取付けたヘッドナット76にネジ込まれ、それに六角ヘッドナット78が固着される。
ケージング工具70は主として強力圧縮スプリング60の手動後退を可能にするのに役立つ。六角ヘッドナット78を回すと、シャフト71がヘッドナット76の中で回り、工具70が円筒形ヘッド48に対し軸方向に移動する。拡大頭部72はアクチュエータ杆56の内孔68内で自由に滑動し、それでもアクチュエータ杆近端57で内向き環状フランジ80により拘束されている。こうして、六角ヘッドナット78を回してケージング工具70を引き抜くと、拡大頭部72がフランジ80に当接し、圧力板58とスプリング60を後退させる。安全のため、スプリング60はブレーキアクチュエータ10の修繕中及び出荷中は典型的に後退させておく。
円筒形ヘッド48は、第1スプリング室部分62と大気の間の連通状態を確立する1個又はそれ以上のポート(又は孔)65を有している。各ポート65に嵌め込んだ一方向空気抜き100がポートを通る空気の流れを制御する。
第2図に移ると、空気抜き100は、第1スプリング室部分62の外にあるキノコ形キャップ102と、ポート65内に受け入れられる軸部104と、第1スプリング室62の内側の地点からキャップ102の方へ外向きに開いている多数の可撓性タブ106とから成ることが見られる。タブ106は円筒形ヘッド48の内表面108に当接し、空気抜きキャップ102を円筒形ヘッド48の外表面110に対し強圧させている。
こうして空気抜き100は空気や大気中の汚染物がポート65から第1スプリング室部分62に入るのを防いでいる。1個又はそれ以上のキャップの同心リング112が円筒形ヘッド48の外表面110に接触して、キャップ102とヘッド48の間のシールを強めている。第1スプリング室部分62内の圧が高まるとタブ106と空気抜きキャップ102の強圧力に打ち勝って、第1スプリング室部分62内の空気がポート65を通って排気されるのを許す。好適に、タブ106の強圧力は第1スプリング室部分内の圧が1〜2psigを越えるまでは空気抜き100が開くのを防ぐものとし、それにより第1スプリング室部分62内にわずかにプラスの圧を維持するようにする。スプリング60の解放により第1スプリング室部分62内の容積が膨張した時、ポート65を通って大気から室へ流入しようとする空気が空気抜き100によりブロックされることは明かであろう。
第1図に戻って、スプリング60及びダイアフラム52の伸長に応じた第1スプリング室部分62への空気流入はアクチュエータ杆56を通じてくるもので、これはアクチュエータ杆56の遠端55内の制御弁120により制御される。制御弁120は第1常用室部分26から第1スプリング室部分62への空気の流れを後に詳しく説明するように制御する。
第3図を参照すると、制御弁120は反動板66と一体に形成された円筒形本体122から成り、その中に円筒形弁室124がある。反動板66は弁室の閉端126を形成する。反対端は開いている。制御弁本体122はアクチュエータ杆56の遠端55にプレス嵌めされ、本体122の周りの円周溝132内にあるOリングシール130によりシールされている。
主ピストン134が弁室124の中に軸方向往復運動するように取付けられている。反動板66と主ピストン134の間に配したスプリング136が主ピストン134を反動板66から遠ざける方向へ強圧する。主ピストン134の外方運動は弁室開放端128にある多数の径内向き突起138により拘束される。突起138のすぐ近くで弁室124の壁に環状溝140が設けられる。
主ピストン134を構成する円筒形本体142は、第1円筒形内壁143と端壁146とを有し、円筒形内室144を形成している。第2円筒形内壁147は大径の円筒形外室148を形成している。外室148は一端で弁室124に開いて、反対端で内室144に開いている。円錐形つなぎ壁150が第1内壁143と第2内壁147とを分けている。
台形円盤状の浮動ピストン152が外室148内で往復運動するように配置され、これは円錐形つなぎ壁150と合わさる環状の面取り縁部154と、軸方向に延びる小さい中央孔156を有している。内室端壁146と浮動ピストン152の間に入れたスプリング158が浮動ピストン152を端壁146から離す方向へ強圧する。多数の内向き突起160、又はスナップリング又はワッシャが浮動ピストン152の外方運動を拘束する。
主ピストン本体142の外表面の一対の環状溝162が一対のOリングシール164を保持している。多数の通路166が内室144から第1円筒壁143を通って径外方へ延び、環状シール164の間の地点165でピストン本体142から出る。主ピストン134が第3図に示すように突起138に当接している時、通路166は環状溝140と揃ってアクチュエータ杆56の中央内孔68を主ピストン134の内室144と流体連通させる。
浮動ピストン152の外室148内における位置にかかわらず、内室144は弁室124と流体連通し、弁室閉端126を形成する反動板66の中央孔168を経て最終的には第1常用室部分26(第3図には示してない)に連通する。浮動ピストン152の面取り縁部154が円錐形つなぎ壁150と当接してこれをシールする時(第6図参照)、外室148を経て内室144への流体流入は中央孔156経由でのみ可能である。しかし、浮動ピストン152が第3図に示すように内向き突起160に当っている時は浮動ピストン152の周りを通っても流体は流れ得る。制御弁120、弁ピストン134及び浮動ピストン152の作用は後に詳述する。
第4図を参照すると、反動板66の面内の多数の径方向溝170は中央孔168から周縁172に通じている。壁35の面内の別の溝174はアダプタハウジング20の環状座部40から常用エアポート(第1図)へ通じている。こうして第1常用室部分が排気され、第1エラストマーダイアフラム24が第1図にしめすようにアダプタハウジング20に押圧された時でも、弁室124は溝170、174を通じて常用エアポート42と流体連通したままである。
第1図に戻ると、制御弁120は常用エアポート42からアクチュエータ杆56の中央内孔68、及びアクチュエータ杆56の近端57と圧力板58の孔75、73を通って第1スプリング室62への空気の流れを制限する。制御弁120は或る動作条件では流れを制限又はブロックし、他の条件では流れを許容する。
スプリングブレーキが作動していない正常動作条件は第1図に示され、この条件の時の制御弁120の詳細は第5図に示されている。この条件においてケージング工具70はスプリング室51内へ完全に延びている。しかし、第2スプリング室部分63は加圧されているからダイアフラム52と圧力板58はスプリング60とアクチュエータ杆56を後退に保つ。第1常用室26へ加圧空気を選択的に適用すると、押杆12を伸長させブレーキ(図示せず)を正常にかけることになる。
スプリング60とダイアフラム52が後退したままであるから、第1スプリング室部分62は静止であり、制御弁120を通じての空気の流入を要しない。従って制御弁120は第5図に示すような閉じた位置にある。開いた制御弁120だと、ブレーキ(図示せず)をかけるため加圧空気を第1常用室部分26へ導入するたびに、中央孔168、制御弁120、アクチュエータ杆56の中央内孔68を経て第1スプリング室部分62へ、そして空気抜き100を経て大気へと排気することにより、空気を抜いてしまうであろう。
ケージング工具70のバルブピン74は弁室開放端128の中へ延びていて、弁ピストン134を反動板66の方へ押しているから、径方向通路166はもはや弁室環状溝140と一致しない。径方向通路166は弁室124の壁と当接しシール164がピストン内室144から弁室124の上部へ空気が逃げるのを防止している。こうして制御弁120は閉じ、それを通じる空気の流れを防止する。
第2の条件、すなわちスプリングブレーキがかかる時は、第2スプリング室部分63も第1常用室部分26も加圧されていない時に起る。システムの故障か又は手動解放かのいずれかにより第2スプリング室部分63内の圧が失われると、スプリング60とアクチュエータ杆56が伸長し、アクチュエータ杆56の端部の内の制御弁120をバルブピン74から離すように動かす。この条件は第3図に示してある。バルブピン74が制御弁120の端壁146から離れると、スプリング136が弁ピストン134を押して径内向き突起138に当接させ、径方向通路166を環状溝140に合致させる。開いた制御弁120は、空気を常用エアポート42から制御弁120を通り中空アクチュエータ杆56を通り第1スプリング室62の膨張した容積内へ流入させる。スプリング158は浮動ピストン152を内向き突起160と当接に保ち、浮動ピストン152を通って自由に空気を流れさせる。
第3の条件は、スプリングブレーキを作動又は解放する前に常用ブレーキがかかっている時に起こる。この第3条件(詳細は第6図に示す)において、圧は第1スプリング室部分62内の方が第1常用室部分26内より低い(運転者が常用ブレーキをかけたまま第2スプリング室63を減圧してパーキングブレーキをセットすることにより第1常用室部分26を加圧したような時)。その結果の浮動ピストン152を通じる圧力差が浮動ピストン152の面取り縁部154を円錐形つなぎ壁150にシール係合させるので、浮動ピストン152の周りの流れは阻止される。
円錐形弁120を通る流れは浮動ピストン152の小さい中央孔156を通過しなければならない。この孔156は、例えばスプリングブレーキがかかっている時などに第1スプリング室部分62の膨張した容積を満たす或る流れを許容するが、そうではなくて空気抜き100から大気へ排気されるような過剰な流れは制限する。もちろん、常用ブレーキが解放されていて、第1常用室部分26から圧が除かれ、浮動ピストン152を通じる圧力差が解消されている時、浮動ピストン152は第3図の位置へ戻る。
第2図に関し前述したように、ダイアフラム52とスプリング60が後退して第1スプリング室部分62の容積を減少させている時は空気抜き100が過剰な空気の大気への排出を許容する。第1スプリング室部分62内の1〜2psigの正圧がブレーキアクチュエータの常用環境から異物がポート65を経て第1スプリング室62へ入るのを禁止する。
本発明に係る第2の実施例の制御弁200が第7図から第9図に示されている。同じ部品は同じ数字の符合を付してある。まず第7図を参照すると、制御弁200は第1の実施例120について前述した弁本体122と実質的に同様な弁本体122aを使用している。弁本体122a内に往復運動するように受け入れられたピストン202を構成する円筒形本体204の円筒形内室206は端壁208と、弁室124aに開く開放端210とを有する。内室206の短い円錐形部分211は開放端210へ向かって外方へ延びている。複数の径方向通路216が、内室206から径方向外方へ延びており、ピストン200が内向き突起138aと当接する時環状溝140aと一致する所でピストン本体204から出る。径方向通路216の両側のピストン外壁の周りの一対の環状溝212は環状シール214を有している。ピストン202は前述した第1実施例のピストン134と同様に機能する。
内室206の開放端210における環状溝218はやゝ凸のバネ金属ダイアフラム220を保持し、これは中央孔222を有している。小柱224が内室206内を端壁208から金属ダイアフラム220の方へ同軸に延びている。小柱224の自由端へ同軸に延びる内孔226が軸方向に延びる環状リップ228を形成している。
第1図及び第7〜9図の各々を参照してブレーキアクチュエータ10の3つの動作条件における制御弁200の作用を説明する。ブレーキアクチュエータが第8図に示すように第1の条件(正常動作、第2スプリング室部分63加圧)にある時は、ケージング工具71aのバルブピン74aがピストン202を弁本体122aの中へ押し込むから、径方向通路216とシール214は環状溝140aより内側になる。この位置でピストン202は制御弁200を閉じる。
ブレーキアクチュエータが第7図に示すように第2の条件(第2スプリング室部分63、第1常用室部分26とも減圧)にある時、ピストン202は内側の径方向突起138aと当接し、その結果内室206はアクチュエータ杆56aの中央内孔68aと連通する。内室206は金属ダイアフラム220の中央孔222を通じて第1常用室部分26へ開いている。金属ダイアフラム220と小柱224は前述した浮動ピストン152と実質的に同じ機能を行う。ブレーキアクチュエータ10が第9図に示すように第3の条件にある時(第2スプリング室部分63減圧、第1常用室部分26加圧)、金属ダイアフラム220はこれに係る圧力差で小柱224の方へ変形し、リップ228と係合する。金属ダイアフラム220の中央孔222は小柱内孔226と一致するから、この位置における孔222を通る流れは大いに減少する。金属ダイアフラム220のバネ定数は大きいから、第1常用室部分26内で約35psig以上の圧力差がダイアフラム220を変形させて小柱224と接触させる。
主ピストン134又は202の運動を拘束する手段の変形例が第10図に示されている。第1、第2実施例の径内方へ向いた突起138又は138aはスナップリング300に代えられている。スナップリング300は環状溝140bの環状スナップリング溝302内に受け入れられて、その溝302から主ピストン134bの端壁146bに当接するのに十分な距離だけ径内方へ突出している。主ピストン134bがスナップリング300に当接すると、内室144bは径方向通路166bを通じて環状溝140bと連通する。環状溝304はその最上縁部で制御弁本体122bの外側を取り巻いている。環状溝140bは、そこから環状溝304へ通じている多数の軸方向通路306を経てアクチュエータ杆56bの中央内孔68bへ常時流体連通している。
好適に、弁本体122、反動板66、主ピストン134、202、及び浮動ピストン152はプラスチック製とする。
以上の開示の範囲内において合理的な変形及び修正が請求の範囲に規定する本発明の趣旨を逸脱することなく可能である。例えば本発明は上述した可撓性プラグ(空気抜き)100に限定されるものではなく、第1スプリング室部分62から大気へ空気を通すが、動作環境から第1スプリング室への空気の流れを遮断するその他の手段、例えばフラップ弁などを設けることもできる。
同様に、上述の制御弁120、200の代わりにアクチュエータ杆56が後退位置にある時それを通じる空気流を阻止する変形手段を設けることができる。例えば、アクチュエータ杆56が後退している時ヘッド48の端部に対しシールするようにアクチュエータ杆56を作ることができるし、或いはアクチュエータ杆56の遠端55にケージング工具70のヘッド部分72を受け入れる狭い径の受け入れ体を形成し、それによりヘッド部分72がアクチュエータ杆56を有効にシールするようにすることができる。本発明は例示の目的でのみダイアフラム形のスプリングブレーキアクチュエータに関して説明してきたが、本発明はピストン形ブレーキアクチュエータにも同じく適用し得るであろう。
発明の分野
この発明は車両用の流体作動式ブレーキアクチュエータに関するもので、より具体的には直列に組合わされ、スプリングブレーキアクチュエータを有する常用及びスプリングブレーキアクチュエータに関するものである。
従来技術の状況
バス、トラックその他のような車両用エアブレーキシステムは典型的に圧縮空気等のような流体の選択的適用により動作するアクチュエータ組立体により作動されるブレーキシューとドラムを有している。在来のエアブレーキアクチュエータは、通常の運転状況で圧縮空気の適用によりブレーキを作動させる常用ブレーキアクチュエータと、空気圧が開放されてしまった時ブレーキの作動を起させるスプリングブレーキ又は緊急ブレーキアクチュエータとの双方を有している。緊急ブレーキアクチュエータは空気が開放された時ブレーキの適用を強制する強力な圧縮バネを有している。これはしばしばスプリングブレーキともいわれる。典型的に、スプリングブレーキアクチュエータは、常用ブレーキアクチュエータと直列に配置されている。
スプリングブレーキアクチュエータは典型的にゴム製ダイアフラムと圧力板によって隔てられた2つの室に分割され、一方の室内のスプリングはスプリングブレーキハウジングと圧力板の間で作用する。全圧力が反対の室にかけられると、ダイアフラムと圧力板に対し作用する空気圧がスプリングを圧縮する。多くの用途において、スプリングブレーキアクチュエータ杆は比較的小さい戻りバネによって後退位置に保持される。より新しい応用においては、スプリングブレーキアクチュエータ杆は圧力板と一体で、空気圧により後退位置に保持される。
両方の設計において、スプリングブレーキアクチュエータ杆はブレーキの通常動作に影響を与えない。常用ブレーキ室は典型的にダイアフラムによって2つの室に分割される。通常運転動作においてブレーキペダルを踏むと、圧縮空気が常用ブレーキアクチュエータの1つに導入され、これがダイアフラムに作用して、反対の室内の常用ブレーキの押杆を伸長させ、常用ブレーキアクチュエータ内の空気圧に比例した適用力でブレーキを働かせる。
空気圧が消失したりスプリングブレーキアクチュエータからの空気を意図的に消失させた場合には、強力な圧縮スプリングがスプリングブレーキアクチュエータ杆に作用し、これが次に常用ブレーキ押杆に作用してブレーキをかける。こうしてスプリングブレーキ部分はパーキングブレーキとしても緊急ブレーキとしても使える。
直列アクチュエータ組立体において、スプリングブレーキ押杆は典型的にスプリングブレーキ部分の1つの室からスプリングブレーキアクチュエータを常用ブレーキアクチュエータから隔てている壁の孔を通って常用ブレーキ部分の中へ延びている。結合している室の少なくとも一方が通常加圧されているから、孔のところで押杆の周りには孔を取り巻く壁内の環状溝に配した1個又はそれ以上のOリングから成るシールが設けられる。
スプリングブレーキアクチュエータから圧が解放されると、スプリングとダイアフラムは著しく延びて、スプリングを入れているスプリングブレーキアクチュエータ室の容積を膨張させる。この膨張した室の容積に空気を入れさせる手段を設けなければならない。逆に、スプリングが後退させられて室の容積が収縮したときには、この室から空気を排出せる手段を設けなければならない。多くの従来のブレーキアクチュエータにおいて、スプリングを含んでいる室は室ハウジングのポートを通じて単に大気に開いている。しかし、これは、塵、塩、水分、その他望ましくない物質をポートから室内に入れさせてしまう。ケージング(caging)工具を含んでいる中空アクチュエータ杆の出現で、アクチュエータ杆の内に異物が存在することはブレーキ設計者の大きな関心事となってきた。
或る従来の設計は、米国特許第4,960,036号(ガンマーほか)におけるように、常用ブレーキアクチュエータの押杆室とスプリングブレーキアクチュエータのスプリング室との間に給気管を設けることによりこの問題に対処しようと試みた。この設計において、常用ブレーキアクチュエータの押杆室はブレーキの通常適用のためには大気に通気させなければならない。押杆室の通気は別個の通気孔か又は押杆を支持している外部の開口かのいずれかを通じて行なわれる。こうしてスプリングブレーキアクチュエータのスプリング室は大気に開放したままとなり、完全に通気しているスプリング室よりは長い通路を経るとはいえ、依然として水分、塵及びよごれに曝されることになる。この長い通路はまたシールされた、又はより完全に通気しているスプリング室と同様に有効に乾燥するのを妨げることになる。
発明の概要
本発明のブレーキアクチュエータはこれら制約を克服するものである。
車両用ブレーキアクチュエータは常用ブレハウジングと直列なスプリングブレーキハウジングとから成る。常用ブレーキハウジング内に配置された第1の可動部材がその内部を第1常用ブレーキ室と第2常用ブレーキ室とに区分している。この部材は第1常用ブレーキ室への加圧流体の送給と排出とに応答してその中を往復運動できる。ブレーキアクチュエータ押杆が第2常用ブレーキ室から延びて、ブレーキの作動のため第1可動部材とともに働くように連結している。第2の可動部材がスプリングブレーキハウジング内に配置され、その内部を第1スプリングブレーキ室と第2スプリングブレーキ室とに分けている。第2部材は第2スプリングブレーキ室への加圧流体の送給と排出に応答してその中で往復運動することができる。スプリングブレーキハウジングは第1スプリングブレーキ室と大気との間の連通を設定する孔を有している。第1スプリングブレーキ室に配置された強力スプリングが、第2スプリングブレーキ室から流体が排出されると第2可動部材を移動させる。中空アクチュエータ杆が第2可動部材と共に伸長位置と後退位置との間を往復運動するように第2可動部材に取付けられその中に延びる近端を有している。アクチュエータ杆の遠端は、第2可動部材が動いたとき第1可動部材を動かす位置で第1常用ブレーキ室の中に配置されている。
本発明によれば、一方向弁がスプリングブレーキハウジングの孔に取付けられるから、大気から第1スプリングブレーキ室への流体の流れは拘束される。アクチュエータ杆はその近端と遠端で開いているから、第1スプリングブレーキ室はアクチュエータ杆を通じて第1常用ブレーキ室と流体連通している。制御弁がアクチュエータ杆の中に取付けてあって、その開放モードでは第1スプリングブレーキ室が第1常用ブレーキ室と開通する。制御弁の閉鎖モードでは、第1スプリングブレーキ室は第1常用ブレーキ室とは連通しない。アクチュエータ杆が後退位置にあるとき、閉鎖手段が制御弁を閉鎖モードにする。流体は、アクチュエータ杆が排出位置に動いたとき第1常用ブレーキ室から第1スプリングブレーキ室へ送り出され、第1スプリングブレーキ室は大気からの流体の進入から隔離される。
好適に一方向弁は、孔の中に配した軸部と、軸部についていて孔より大きくスプリングブレーキハウジングの外にある頭部とをもつプラグから成る。強圧手段が頭部をスプリングブレーキハウジングの外表面と所定の力でシール当接するように弾力押圧しているので、第1スプリングブレーキ室内の圧が所定の力を越えた時、プラグの頭部は外表面から離れるように動き、流体が孔から大気へ逃げる。強圧手段は好適に第1スプリングブレーキ室の中の或る点で軸部から延びスプリングブレーキハウジングの内表面に当接する少なくとも1個の可撓性突起から成る。可撓性突起は変形されて、その変形がプラグの頭部をスプリングハウジングにシール係合させるように弾力押圧しようとする。好適に、所定の力は1〜2psigである。頭部の環状リングがスプリングブレーキハウジングと接触してシールを形成する。
好適に、制御弁がアクチュエータ杆の遠端の中に取付けられる。ケージング工具がアクチュエータ杆の中へその近端を経て延び、ケージング工具の端部のバルブピンから成る閉鎖手段がアクチュエータ杆が後退位置にある時制御弁の部分を押圧するようにされている。
制御弁は好適にアクチュエータ杆の遠端内に配置した筒状本体から成る。この本体内のピストン室は部分的に開放した第1端と開放した第2端を有する。主ピストンがピストン室内に往復運動するように配置されている。主ピストンは開放位置においてピストン室の第1端をピストン室の第2端と連通させ、閉鎖位置においてはピストンがピストン室の第1端と第2端の間の連通をブロックする。開放位置及び閉鎖位置はそれぞれ弁の開放及び閉鎖モードに対応する。
スプリングが主ピストンをその開放位置へ押圧する。主ピストンは、開放遠端及び閉鎖近端を備えている、同軸の内孔を有する。遠端はピストン室の部分的に開放した第1端に向いている。少なくとも1個の径方向通路が内孔から径方向外方へ主ピストンの本体を貫通して出口開口へ延びている。出口開口は、主ピストンが開放位置にあるときにはピストン室の外側にあり、主ピストンが閉鎖位置にあるときにはピストン室の内側にある。バルブピンはピストン室の中へその第2端を経て延び、アクチュエータ杆が後退位置にある時主ピストンをその閉鎖位置に保持する。ピストン室第1端はピストン内孔と径方向通路を通じてピストン室第2端と連通する。この連通は開放制御弁が開放位置にある時だけ起る。
過圧停止弁を設けることができる。停止弁は主ピストン第2室の中を開放位置と後退位置の間で動くことができる圧力板から成る。圧力板強圧手段が圧力板を開放位置の方へ押圧している。圧力板は、後退位置において、内室のシールリップと当接して内室を通る流れを制限する。圧力板は開放位置でシールリップから離される。
好適に、圧力板は浮動ピストンから成り、強圧手段は浮動ピストンと内室の閉鎖端との間のスプリングから成り、シールリップは内室の内側表面上の環状肩から成る。浮動ピストンには小さい限流孔を設けることができる。
これと異なる態様では、圧力板が流通孔を貫通させてあるバネ金属ダイアフラムから成る。シールリップは内室の中の同軸小柱の端部上の環状リップから成る。強圧手段はダイアフラムから成り、その休止形状では流通孔が環状リップから離れる。ダイアフラムはまたダイアフラムを通じる所定圧力勾配の下で変形形状をとり、その時ダイアフラムは環状リップと接触し、ダイアフラム流通孔は小柱により閉鎖される。
好適に、アクチュエータ杆はその遠端に外側面をもち、少なくとも1個の溝がアクチュエータ杆の遠端の開口から径方向縁部へ径外方に延びている。第1常用ブレーキ室は加圧空気源に接続されるようにしたエアポートをもつ。常用ブレーキハウジング内のチャネルがエアポートから溝に延びていて、第1可動部材がアクチュエータ杆の遠端の開口とエアポートの間でスプリングブレーキハウジングの部分と接触していても、アクチュエータ杆の遠端の開口がエアポートと連通したままであるようにする。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る空気抜きと制御弁をもつ空気作動式ブレーキアクチュエータの断面図である。
第2図は第1図の空気抜きの拡大部分断面図である。
第3図は第1図の制御弁の部分拡大断面図である。
第4図は第1図4−4線における横断面図である。
第5図は第3図の制御弁の正常動作条件における拡大部分断面図である。
第6図は第3図の制御弁の追加動作条件における拡大部分断面図である。
第7図は本発明に係る制御弁の第2実施例の拡大部分断面図である。
第8図は第7図の制御弁の正常動作条件における拡大部分断面図である。
第9図は第7図の制御弁の追加動作条件における拡大部分断面図である。
第10図は本発明に係る制御弁の第3実施例の拡大部分断面図である。
実施例の詳細な説明
第1図は公知の一般的な形状を有する流体作動式ブレーキアクチュエータ10を示している。流体作動式ブレーキアクチュエータ10は常用ブレーキアクチュエータ14と直列に取付けられたスプリングブレーキ又は緊急ブレーキアクチュエータ16とから成る。常用ブレーキ押杆12が常用ブレーキアクチュエータ14から後退位置と伸長位置との間で往復運動するように延び、標準方式で普通のブレーキシステム(図示せず)に結合するようにした二股17を備えている。常用ブレーキ押杆12の往復運動によりブレーキは交互に作動と解放を行う。
常用ブレーキアクチュエータ14はカップ状常用ハウジング18及び二重カップ状アダプタハウジング20をクランプ22で連結して常用ブレーキ室23を形成して成る。アダプタハウジング20はフランジケースとしても知られる。
第1のエラストマーダイアフラム24(常用ブレーキダイアフラムとしても知られる)が常用ブレーキ室23内に吊り下げられ、その周縁でカップ状常用ハウジング18とアダプタハウジング20の間にクランプ22により流体密に固着されている。第1エラストマーダイアフラム24はこうして常用ブレーキ室23を2つの部分、すなわち第1常用室部分26と第2常用室部分28に分ける。第1常用室部分26はアダプタハウジング20の常用エアポート42を介して加圧空気源(図示せず)に連通している。第2常用室部分28はカップ状常用ハウジング部分18の少なくとも1個の開口30を介して大気に通じている。第1図において第1常用室部分26は排気されたものとして示されていて、第1エラストマーダイアフラム24は第2常用室部分28内のスプリング46からの力でアダプタハウジング20に対し押しつけられている。
常用ブレーキ押杆12はカップ状常用ハウジング部分18の中央開口30を通じて延び、第2常用室部分28内でその端部に圧力板44を有している。圧力板44は第1エラストマーダイアフラム24に当接する。圧力板44とカップ状常用ハウジング部分18の内表面との間に圧縮スプリング46が延びている。環状座部40をもつ押杆ガイド34が中央開口30内に配置されて、中央開口30内の常用ブレーキ押杆12の往復運動を案内すると共に、圧縮スプリング46の端部を受け入れて、これを中央開口30の周りの位置に保持する。こうして圧縮スプリング46は圧力板44と常用ブレーキ押杆12を第1図に示すような完全に後退した位置に押圧する。
常用ブレーキを作動させるため、圧縮空気が常用エアポート42を通って第1常用室部分26内へ導入され、圧縮スプリング46の力に打ち勝つのに十分な第1エラストマーダイアフラム24と圧力板44とに対する力を造出し、それにより常用ブレーキが作動される時に下方常用室区間23からの急速な空気の排出を開口32が可能にしている。流体作動式ブレーキアクチュエータ10を車両(図示せず)に取付けるため取付けボルト47が設けられている。
スプリング室又は緊急ブレーキアクチュエータ16はアダプタハウジング20のスプリング側とほぼ円筒形のヘッド48又はスプリング室により区画され、これはクランプ50によりアダプタハウジング20のスプリング側に締結されてスプリングブレーキ室51を形成する。第2のエラストマーダイアフラム52(スプリングダイアフラムともいう)がスプリングブレーキ室51の中に吊るされ、その周縁は円筒形ヘッド48とアダプタハウジング20のスプリング側の間にクランプ50により流体密に固着される。こうして第2エラストマーダイアフラム52はスプリングブレーキ室51を2つの部分、すなわち第1スプリング室部分62と第2スプリング室部分63とに分ける。第2スプリング室部分63は緊急ブレーキが第1図に示すようにその正常解放位置にある時アダプターハウジング20の常用エアポート54から供給される加圧空気で満たされる。
アダプターハウジング20は、結合している常用ブレーキ室23とスプリングブレーキ室51を分けている分割壁35を有している。スプリングブレーキアクチュエータ杆56は常用ブレーキ押杆12と軸線一致していて、その一端はスプリングブレーキ室51から分割壁35の中央開口38を通って後退位置と作動位置との間で中央開口38を通る往復運動をするように延びている。1個又はそれ以上のOリングシール37が中央開口38に設けられ、これを通じてスプリングブレーキアクチュエータ杆56が往復する。
スプリングブレーキアクチュエータ杆56の遠端55は第1常用室部分26内の反動板66で終わっており、この反動板66はスプリングブレーキアクチュエータ杆56が第1図に示すように後退位置にある時環状座部40内に受け入れられている。アクチュエータ杆56の反対端(近端)57は第2エラストマーダイアフラム52の開口53を通って延び、強力圧縮スプリング60の端部に当る圧力板58で終わっている。圧力板58の筒状部分61は圧縮スプリング60の軸線に沿ってほゞ軸方向に延びる。圧力板58の筒状部分61は、スプリングブレーキアクチュエータ杆56の近端にプレス嵌めされ、圧力板58とスプリングブレーキアクチュエータ杆56とがそれらの間に固着された第2エラストマーダイアフラム52と一体ユニットを形成する。
流体作動式ブレーキアクチュエータ10の正常動作中、スプリングブレーキアクチュエータ杆56は、第2スプリング室部分63内に維持される圧縮空気によって第1図に示すような完全に後退した位置にある。圧縮空気が第2スプリング室部分63から排気されると、圧縮スプリング60は、その一端が円筒形ヘッド48の外端壁に当接していて、一体的な圧力板58とスプリングブレーキアクチュエータ杆56とを常用ブレーキ押杆12の方向へ強圧する。圧縮スプリング60の力はスプリングブレーキアクチュエータ杆56を中央開口38を通って伸長させるから、反動板66が第1エラストマーダイアフラム24とブレーキアクチュエータ14の圧力板44とに力を加えるようになる。この作用により常用ブレーキ押杆12は作動位置の方へ伸長され、ブレーキ(図示せず)をかける。スプリングブレーキアクチュエータ16を解放すべき時は、再び圧縮空気が第2スプリング室部分63に導入され、圧縮スプリング60の力を克服するのに十分な圧とされる。第2エラストマーダイアフラム52に対する圧縮空気の力により圧力板58、スプリングブレーキアクチュエータ杆56、そして圧縮スプリング60は第1図に示した位置に戻される。
図示の実施例において、スプリングブレーキアクチュエータ杆56は中空管又はロッドであって、中にブレーキ解放杆又はケージング工具70を収容する中央内孔68を備えている。スプリングブレーキアクチュエータ杆56の中央内孔68は、円筒形ヘッド48、圧力板58、及びスプリングブレーキアクチュエータ杆56それぞれの整列した孔69、73及び75を通って延びるケージング工具70を受け入れる。ケージング工具70はネジを切った細長いシャフト71から成り、その一端は拡大頭部72となり、バルブピン74で終わっている。ケージング工具70の反対端は円筒形ヘッド48に固定的に取付けたヘッドナット76にネジ込まれ、それに六角ヘッドナット78が固着される。
ケージング工具70は主として強力圧縮スプリング60の手動後退を可能にするのに役立つ。六角ヘッドナット78を回すと、シャフト71がヘッドナット76の中で回り、工具70が円筒形ヘッド48に対し軸方向に移動する。拡大頭部72はアクチュエータ杆56の内孔68内で自由に滑動し、それでもアクチュエータ杆近端57で内向き環状フランジ80により拘束されている。こうして、六角ヘッドナット78を回してケージング工具70を引き抜くと、拡大頭部72がフランジ80に当接し、圧力板58とスプリング60を後退させる。安全のため、スプリング60はブレーキアクチュエータ10の修繕中及び出荷中は典型的に後退させておく。
円筒形ヘッド48は、第1スプリング室部分62と大気の間の連通状態を確立する1個又はそれ以上のポート(又は孔)65を有している。各ポート65に嵌め込んだ一方向空気抜き100がポートを通る空気の流れを制御する。
第2図に移ると、空気抜き100は、第1スプリング室部分62の外にあるキノコ形キャップ102と、ポート65内に受け入れられる軸部104と、第1スプリング室62の内側の地点からキャップ102の方へ外向きに開いている多数の可撓性タブ106とから成ることが見られる。タブ106は円筒形ヘッド48の内表面108に当接し、空気抜きキャップ102を円筒形ヘッド48の外表面110に対し強圧させている。
こうして空気抜き100は空気や大気中の汚染物がポート65から第1スプリング室部分62に入るのを防いでいる。1個又はそれ以上のキャップの同心リング112が円筒形ヘッド48の外表面110に接触して、キャップ102とヘッド48の間のシールを強めている。第1スプリング室部分62内の圧が高まるとタブ106と空気抜きキャップ102の強圧力に打ち勝って、第1スプリング室部分62内の空気がポート65を通って排気されるのを許す。好適に、タブ106の強圧力は第1スプリング室部分内の圧が1〜2psigを越えるまでは空気抜き100が開くのを防ぐものとし、それにより第1スプリング室部分62内にわずかにプラスの圧を維持するようにする。スプリング60の解放により第1スプリング室部分62内の容積が膨張した時、ポート65を通って大気から室へ流入しようとする空気が空気抜き100によりブロックされることは明かであろう。
第1図に戻って、スプリング60及びダイアフラム52の伸長に応じた第1スプリング室部分62への空気流入はアクチュエータ杆56を通じてくるもので、これはアクチュエータ杆56の遠端55内の制御弁120により制御される。制御弁120は第1常用室部分26から第1スプリング室部分62への空気の流れを後に詳しく説明するように制御する。
第3図を参照すると、制御弁120は反動板66と一体に形成された円筒形本体122から成り、その中に円筒形弁室124がある。反動板66は弁室の閉端126を形成する。反対端は開いている。制御弁本体122はアクチュエータ杆56の遠端55にプレス嵌めされ、本体122の周りの円周溝132内にあるOリングシール130によりシールされている。
主ピストン134が弁室124の中に軸方向往復運動するように取付けられている。反動板66と主ピストン134の間に配したスプリング136が主ピストン134を反動板66から遠ざける方向へ強圧する。主ピストン134の外方運動は弁室開放端128にある多数の径内向き突起138により拘束される。突起138のすぐ近くで弁室124の壁に環状溝140が設けられる。
主ピストン134を構成する円筒形本体142は、第1円筒形内壁143と端壁146とを有し、円筒形内室144を形成している。第2円筒形内壁147は大径の円筒形外室148を形成している。外室148は一端で弁室124に開いて、反対端で内室144に開いている。円錐形つなぎ壁150が第1内壁143と第2内壁147とを分けている。
台形円盤状の浮動ピストン152が外室148内で往復運動するように配置され、これは円錐形つなぎ壁150と合わさる環状の面取り縁部154と、軸方向に延びる小さい中央孔156を有している。内室端壁146と浮動ピストン152の間に入れたスプリング158が浮動ピストン152を端壁146から離す方向へ強圧する。多数の内向き突起160、又はスナップリング又はワッシャが浮動ピストン152の外方運動を拘束する。
主ピストン本体142の外表面の一対の環状溝162が一対のOリングシール164を保持している。多数の通路166が内室144から第1円筒壁143を通って径外方へ延び、環状シール164の間の地点165でピストン本体142から出る。主ピストン134が第3図に示すように突起138に当接している時、通路166は環状溝140と揃ってアクチュエータ杆56の中央内孔68を主ピストン134の内室144と流体連通させる。
浮動ピストン152の外室148内における位置にかかわらず、内室144は弁室124と流体連通し、弁室閉端126を形成する反動板66の中央孔168を経て最終的には第1常用室部分26(第3図には示してない)に連通する。浮動ピストン152の面取り縁部154が円錐形つなぎ壁150と当接してこれをシールする時(第6図参照)、外室148を経て内室144への流体流入は中央孔156経由でのみ可能である。しかし、浮動ピストン152が第3図に示すように内向き突起160に当っている時は浮動ピストン152の周りを通っても流体は流れ得る。制御弁120、弁ピストン134及び浮動ピストン152の作用は後に詳述する。
第4図を参照すると、反動板66の面内の多数の径方向溝170は中央孔168から周縁172に通じている。壁35の面内の別の溝174はアダプタハウジング20の環状座部40から常用エアポート(第1図)へ通じている。こうして第1常用室部分が排気され、第1エラストマーダイアフラム24が第1図にしめすようにアダプタハウジング20に押圧された時でも、弁室124は溝170、174を通じて常用エアポート42と流体連通したままである。
第1図に戻ると、制御弁120は常用エアポート42からアクチュエータ杆56の中央内孔68、及びアクチュエータ杆56の近端57と圧力板58の孔75、73を通って第1スプリング室62への空気の流れを制限する。制御弁120は或る動作条件では流れを制限又はブロックし、他の条件では流れを許容する。
スプリングブレーキが作動していない正常動作条件は第1図に示され、この条件の時の制御弁120の詳細は第5図に示されている。この条件においてケージング工具70はスプリング室51内へ完全に延びている。しかし、第2スプリング室部分63は加圧されているからダイアフラム52と圧力板58はスプリング60とアクチュエータ杆56を後退に保つ。第1常用室26へ加圧空気を選択的に適用すると、押杆12を伸長させブレーキ(図示せず)を正常にかけることになる。
スプリング60とダイアフラム52が後退したままであるから、第1スプリング室部分62は静止であり、制御弁120を通じての空気の流入を要しない。従って制御弁120は第5図に示すような閉じた位置にある。開いた制御弁120だと、ブレーキ(図示せず)をかけるため加圧空気を第1常用室部分26へ導入するたびに、中央孔168、制御弁120、アクチュエータ杆56の中央内孔68を経て第1スプリング室部分62へ、そして空気抜き100を経て大気へと排気することにより、空気を抜いてしまうであろう。
ケージング工具70のバルブピン74は弁室開放端128の中へ延びていて、弁ピストン134を反動板66の方へ押しているから、径方向通路166はもはや弁室環状溝140と一致しない。径方向通路166は弁室124の壁と当接しシール164がピストン内室144から弁室124の上部へ空気が逃げるのを防止している。こうして制御弁120は閉じ、それを通じる空気の流れを防止する。
第2の条件、すなわちスプリングブレーキがかかる時は、第2スプリング室部分63も第1常用室部分26も加圧されていない時に起る。システムの故障か又は手動解放かのいずれかにより第2スプリング室部分63内の圧が失われると、スプリング60とアクチュエータ杆56が伸長し、アクチュエータ杆56の端部の内の制御弁120をバルブピン74から離すように動かす。この条件は第3図に示してある。バルブピン74が制御弁120の端壁146から離れると、スプリング136が弁ピストン134を押して径内向き突起138に当接させ、径方向通路166を環状溝140に合致させる。開いた制御弁120は、空気を常用エアポート42から制御弁120を通り中空アクチュエータ杆56を通り第1スプリング室62の膨張した容積内へ流入させる。スプリング158は浮動ピストン152を内向き突起160と当接に保ち、浮動ピストン152を通って自由に空気を流れさせる。
第3の条件は、スプリングブレーキを作動又は解放する前に常用ブレーキがかかっている時に起こる。この第3条件(詳細は第6図に示す)において、圧は第1スプリング室部分62内の方が第1常用室部分26内より低い(運転者が常用ブレーキをかけたまま第2スプリング室63を減圧してパーキングブレーキをセットすることにより第1常用室部分26を加圧したような時)。その結果の浮動ピストン152を通じる圧力差が浮動ピストン152の面取り縁部154を円錐形つなぎ壁150にシール係合させるので、浮動ピストン152の周りの流れは阻止される。
円錐形弁120を通る流れは浮動ピストン152の小さい中央孔156を通過しなければならない。この孔156は、例えばスプリングブレーキがかかっている時などに第1スプリング室部分62の膨張した容積を満たす或る流れを許容するが、そうではなくて空気抜き100から大気へ排気されるような過剰な流れは制限する。もちろん、常用ブレーキが解放されていて、第1常用室部分26から圧が除かれ、浮動ピストン152を通じる圧力差が解消されている時、浮動ピストン152は第3図の位置へ戻る。
第2図に関し前述したように、ダイアフラム52とスプリング60が後退して第1スプリング室部分62の容積を減少させている時は空気抜き100が過剰な空気の大気への排出を許容する。第1スプリング室部分62内の1〜2psigの正圧がブレーキアクチュエータの常用環境から異物がポート65を経て第1スプリング室62へ入るのを禁止する。
本発明に係る第2の実施例の制御弁200が第7図から第9図に示されている。同じ部品は同じ数字の符合を付してある。まず第7図を参照すると、制御弁200は第1の実施例120について前述した弁本体122と実質的に同様な弁本体122aを使用している。弁本体122a内に往復運動するように受け入れられたピストン202を構成する円筒形本体204の円筒形内室206は端壁208と、弁室124aに開く開放端210とを有する。内室206の短い円錐形部分211は開放端210へ向かって外方へ延びている。複数の径方向通路216が、内室206から径方向外方へ延びており、ピストン200が内向き突起138aと当接する時環状溝140aと一致する所でピストン本体204から出る。径方向通路216の両側のピストン外壁の周りの一対の環状溝212は環状シール214を有している。ピストン202は前述した第1実施例のピストン134と同様に機能する。
内室206の開放端210における環状溝218はやゝ凸のバネ金属ダイアフラム220を保持し、これは中央孔222を有している。小柱224が内室206内を端壁208から金属ダイアフラム220の方へ同軸に延びている。小柱224の自由端へ同軸に延びる内孔226が軸方向に延びる環状リップ228を形成している。
第1図及び第7〜9図の各々を参照してブレーキアクチュエータ10の3つの動作条件における制御弁200の作用を説明する。ブレーキアクチュエータが第8図に示すように第1の条件(正常動作、第2スプリング室部分63加圧)にある時は、ケージング工具71aのバルブピン74aがピストン202を弁本体122aの中へ押し込むから、径方向通路216とシール214は環状溝140aより内側になる。この位置でピストン202は制御弁200を閉じる。
ブレーキアクチュエータが第7図に示すように第2の条件(第2スプリング室部分63、第1常用室部分26とも減圧)にある時、ピストン202は内側の径方向突起138aと当接し、その結果内室206はアクチュエータ杆56aの中央内孔68aと連通する。内室206は金属ダイアフラム220の中央孔222を通じて第1常用室部分26へ開いている。金属ダイアフラム220と小柱224は前述した浮動ピストン152と実質的に同じ機能を行う。ブレーキアクチュエータ10が第9図に示すように第3の条件にある時(第2スプリング室部分63減圧、第1常用室部分26加圧)、金属ダイアフラム220はこれに係る圧力差で小柱224の方へ変形し、リップ228と係合する。金属ダイアフラム220の中央孔222は小柱内孔226と一致するから、この位置における孔222を通る流れは大いに減少する。金属ダイアフラム220のバネ定数は大きいから、第1常用室部分26内で約35psig以上の圧力差がダイアフラム220を変形させて小柱224と接触させる。
主ピストン134又は202の運動を拘束する手段の変形例が第10図に示されている。第1、第2実施例の径内方へ向いた突起138又は138aはスナップリング300に代えられている。スナップリング300は環状溝140bの環状スナップリング溝302内に受け入れられて、その溝302から主ピストン134bの端壁146bに当接するのに十分な距離だけ径内方へ突出している。主ピストン134bがスナップリング300に当接すると、内室144bは径方向通路166bを通じて環状溝140bと連通する。環状溝304はその最上縁部で制御弁本体122bの外側を取り巻いている。環状溝140bは、そこから環状溝304へ通じている多数の軸方向通路306を経てアクチュエータ杆56bの中央内孔68bへ常時流体連通している。
好適に、弁本体122、反動板66、主ピストン134、202、及び浮動ピストン152はプラスチック製とする。
以上の開示の範囲内において合理的な変形及び修正が請求の範囲に規定する本発明の趣旨を逸脱することなく可能である。例えば本発明は上述した可撓性プラグ(空気抜き)100に限定されるものではなく、第1スプリング室部分62から大気へ空気を通すが、動作環境から第1スプリング室への空気の流れを遮断するその他の手段、例えばフラップ弁などを設けることもできる。
同様に、上述の制御弁120、200の代わりにアクチュエータ杆56が後退位置にある時それを通じる空気流を阻止する変形手段を設けることができる。例えば、アクチュエータ杆56が後退している時ヘッド48の端部に対しシールするようにアクチュエータ杆56を作ることができるし、或いはアクチュエータ杆56の遠端55にケージング工具70のヘッド部分72を受け入れる狭い径の受け入れ体を形成し、それによりヘッド部分72がアクチュエータ杆56を有効にシールするようにすることができる。本発明は例示の目的でのみダイアフラム形のスプリングブレーキアクチュエータに関して説明してきたが、本発明はピストン形ブレーキアクチュエータにも同じく適用し得るであろう。
Claims (17)
- 車両用のブレーキアクチュエータであって、
内部空間を有している常用ブレーキハウジングと、
内部空間を有している、常用ブレーキハウジングと直列のスプリングブレーキハウジングと、
常用ブレーキハウジング内に配置されている第1可動シール部材であって、常用ブレーキハウジングの内部空間を第1常用ブレーキ室と第2常用ブレーキ室とに分割しているものと、
スプリングブレーキハウジング内に配置されている第2可動シール部材であって、スプリングブレーキハウジングの内部空間を第1スプリングブレーキ室と第2スプリングブレーキ室とに分割しているものと、
第1スプリングブレーキ室内において、スプリングブレーキハウジングと第2可動シール部材との間に配置されているパワースプリングであって、第2可動シール部材を常用ブレーキハウジングに向けて付勢しているものと、
遠端部と近端部とを有している中空のアクチュエータ杆であって、近端部は、伸長位置と後退位置との間の往復運動を第2可動シール部材と共に行なうべく、第2可動シール部材に装着され且つこの第2可動シール部材を貫通して延びていると共に、遠端部は、第1常用ブレーキ室内に配置されている、ものと、
を具備しているものにおいて、
前記スプリングブレーキハウジングが、
壁部であって、大気に曝されている外面と、第1スプリングブレーキ室に曝されている内面と、この壁部を貫通している孔とを有しているものと、
孔において壁部に装着されている一方向逆止弁であって、前記第1スプリングブレーキ室内の流体の圧力が所定値を超えたときにのみ、第1スプリングブレーキ室から大気へと流体が流れるのを許容するものと、
を具備しており、
アクチュエータ杆は、その近端部及び遠端部において開いており、そして、第1スプリングブレーキ室は、アクチュエータ杆を通して、第1常用ブレーキ室と連通しており、
前記スプリングブレーキハウジングが、更に、
アクチュエータ杆を通る流体の流れを制御する、そのアクチュエータ杆に装着されている制御弁であって、第1スプリングブレーキ室が第1常用ブレーキ室との開放連通状態になるところの開放モードと、第1スプリングブレーキ室と第1常用ブレーキ室との間の流体の流れが塞がれるところの閉塞モードとを有しているものと、
制御弁に接続されている弁アクチュエータであって、アクチュエータ杆が後退位置にあるときには制御弁を閉塞モードに置くと共に、アクチュエータ杆が後退位置から伸長位置に向かって移動するにつれて制御弁を開放モードに置くものと、
を具備しており、
もって、伸長位置に向けてのアクチュエータ杆の運動の際に、流体が、第1常用ブレーキ室から第1スプリングブレーキ室へ送られる、
ことを特徴とするブレーキアクチュエータ。 - 一方向逆止弁が、プラグから成っており、このプラグは、孔内に配置されている軸部と、軸部上の頭部であって、孔よりも大きく且つスプリングブレーキハウジングの外側に位置させられているものと、プラグに接続されている付勢手段であって、第1スプリングブレーキ室内の流体の圧力が所定値未満であるときに、スプリングブレーキハウジングの外面とのシール当接状態へと頭部を付勢するものとを有している請求項1に記載のブレーキアクチュエータ。
- 軸部が、第1スプリングブレーキ室内へ延入しており、且つ、付勢手段が、スプリングブレーキハウジングの内面に向かって軸部から延出しており且つその内面に変形可能に当接している少なくとも1つの可撓性の突起から成っており、そして、突起の変形が、スプリングブレーキハウジングとのシール当接状態へとプラグの頭部を駆動する請求項2に記載のブレーキアクチュエータ。
- 所定の圧力が、2psigである請求項2に記載のブレーキアクチュエータ。
- 頭部が、スプリングブレーキハウジングと接触してシールを形成する環状リングを有している請求項2に記載のブレーキアクチュエータ。
- 制御弁が、アクチュエータ杆の遠端部内に装着されている請求項1に記載のブレーキアクチュエータ。
- 近端部を通ってアクチュエータ杆内へ延入しているケージング工具を更に具備しており、且つ、弁アクチュエータが、ケージング工具の端部であって、アクチュエータ杆が後退位置にあるときに制御弁の部分と係合すべく構成されているものから成っている請求項6に記載のブレーキアクチュエータ。
- 制御弁が、
アクチュエータ杆の遠端部内に配置されている管状本体であって、管状本体は、その中にピストン室を有しており、ピストン室は、部分的に開いている遠位端部と開いている近位端部とを有している、ものと、
ピストン室内に配置されており且つピストン室内で往復運動する主ピストンであって、主ピストンは、ピストン室の遠位端部がピストン室の近位端部と連通するところの開放位置と、ピストン室の遠位端部とピストン室の近位端部との間の連通を遮断するところの閉塞位置とを有しており、開放位置及び閉塞位置は、それぞれ、開放モード及び閉塞モードと対応しており、主ピストンは、更に、開いている遠端部と閉じている近端部とを備えている同軸の内腔を有しており、内腔の遠端部は、ピストン室の遠位端部に向けられている、ものと、
主ピストンをその開放位置に向けて付勢するスプリングと、
少なくとも1つの半径方向通路であって、主ピストンの本体を貫通して、内腔から出口開口部へと半径方向外方に延びており、出口開口部は、主ピストンが開放位置にあるときにはピストン室の外側にあり且つ主ピストンが閉塞位置にあるときにはピストン室の内側にある、ものと、
を具備しており、
弁アクチュエータは、ピストン室の近位端部を通ってピストン室内へ延入し、アクチュエータ杆が後退位置にあるときには、主ピストンをその閉塞位置に保持し、
もって、ピストン室の遠位端部は、開放位置においてのみ、主ピストンの内腔と少なくとも1つの半径方向通路とを通してピストン室の近位端部と連通する、
請求項1に記載のブレーキアクチュエータ。 - 主ピストンが、内腔の遠端部にシールリップを有しており、且つ、前記ブレーキアクチュエータが、更に、過圧停止弁を具備しており、
過圧停止弁は、
ピストン室内で開放位置と制限位置との間を移動可能なシール素子と、
その開放位置に向けてシール素子を付勢するスプリングと、
を有しており、
シール素子は、制限位置において、内腔を通る流れを制限すべくシールリップと当接し、且つ、シール素子は、開放位置において、シールリップから離隔させられる、
請求項8に記載のブレーキアクチュエータ。 - シール素子が、浮動ピストンから成っており、スプリングが、浮動ピストンと内腔の閉じている近端部との間に装着されており、且つ、シールリップが、環状肩部から成っている請求項9に記載のブレーキアクチュエータ。
- 浮動ピストンが、この浮動ピストンを貫通する小径の同軸孔を有している請求項10に記載のブレーキアクチュエータ。
- 小柱が、内腔内において、内腔の近端部から同軸に延出しており、且つ、シール素子が、スプリングダイアフラムであって、このスプリングダイアフラムを貫通している流孔を有しているものから成っており、スプリングダイアフラムは、流孔が小柱から離れているところの休止形状を有しており、スプリングダイアフラムは、このスプリングダイアフラムが小柱と接触することになるところの、スプリングダイアフラムを横切る所定の圧力勾配の下での変形が可能であり、もって、スプリングダイアフラムの流孔を通る流体の流れが、小柱によって遮断される請求項9に記載のブレーキアクチュエータ。
- アクチュエータ杆が、その遠端部における外面であって、アクチュエータ杆の遠端部における開口部からその半径方向縁部まで半径方向外方に延びている、少なくとも1つの溝を備えているものを有しており、且つ
第1常用ブレーキ室が、加圧空気源に接続されるべく構成されている空気ポートと、常用ブレーキハウジング内のチャンネルであって、空気ポートから少なくとも1つの溝に通じているものとを有しており、もって、第1可動シール部材が、アクチュエータ杆の遠端部における開口部と空気ポートとの間のスプリングブレーキハウジングの部分と接触している場合においても、アクチュエータ杆の遠端部における開口部は、空気ポートと連通したままである、
請求項1に記載のブレーキアクチュエータ。 - 車両用のブレーキアクチュエータであって、
常用ブレーキアクチュエータハウジング及びスプリングブレーキアクチュエータハウジングであって、各々、内部空間を有しているものと、
スプリングブレーキアクチュエータハウジング内に配置されている第1可動シールであって、そのスプリングブレーキアクチュエータハウジングの内部空間を第1スプリングブレーキアクチュエータ室と第2スプリングブレーキアクチュエータ室とに分割しているものと、
常用ブレーキアクチュエータハウジング内に配置されている第2可動シールであって、その常用ブレーキアクチュエータハウジングの内部空間を第1常用ブレーキアクチュエータ室と第2常用ブレーキアクチュエータ室とに分割しているものと、
第1可動シールに接続されているアクチュエータ杆であって、スプリングブレーキアクチュエータハウジングの内部空間内にアクチュエータ杆全体が存在するところの第1位置と常用ブレーキアクチュエータハウジングの内部空間内へアクチュエータ杆が延入するところの第2位置との間の往復運動を行なうべく、第1可動シールと共に移動可能であるものと、
を具備しているものにおいて、
前記ブレーキアクチュエータが、第1スプリングブレーキアクチュエータ室における、スプリングブレーキアクチュエータハウジングを貫通する孔と、この孔における一方向逆止弁とを具備しており、そして、一方向逆止弁は、第1スプリングブレーキアクチュエータ室からの流体の流れを許容し且つ孔を通しての第1スプリングブレーキアクチュエータ室内への流体の流れを防止し
アクチュエータ杆は、このアクチュエータ杆を通って延びている通路を有しており、第1スプリングブレーキアクチュエータ室は、アクチュエータ杆を通して第1常用ブレーキアクチュエータ室と連通しており、
前記ブレーキアクチュエータが、アクチュエータ杆の通路における第1弁であって、アクチュエータ杆が第1位置から第2位置に向かって移動するときにのみ、アクチュエータ杆の通路を通る流体の流れを確立すべく構成されているものを具備している、
ことを特徴とするブレーキアクチュエータ。 - 第1可動シールが、ダイアフラムから成っている請求項14に記載のブレーキアクチュエータ。
- 第1弁が、アクチュエータ杆の通路を通る流体の流れを第1弁が許容するところの開放モードと、アクチュエータ杆の通路を通る流体の流れを第1弁が禁止するところの閉塞モードと、制御手段であって、アクチュエータ杆が第1位置にあるときには第1弁を閉塞モードに置き、アクチュエータ杆が第1位置から離れているときには第1弁を開放モードに置くものとを有している請求項15に記載のブレーキアクチュエータ。
- 制御手段が、第1弁内に弁内腔を画成している内腔壁と、弁内腔内で摺動可能なピストンと、ピストンを貫通しているチャンネルと、スプリングブレーキアクチュエータハウジングに接続されている当接面とを具備しており、アクチュエータ杆が第1位置にあるときに、当接面が、ピストンと当接してピストンを弁内腔の内方へ押圧し、これにより、内腔壁が、チャンネルを遮断する請求項16に記載のブレーキアクチュエータ。
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