JP3548382B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を採用した画像形成装置に関し、詳しくは像担持体のクリーニング技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下に、電子写真技術を用いた従来のカラー画像形成装置の概略を説明する。
【0003】
一般に、現像剤で現像される静電潜像を保持する像担持体は、複数層構造の感光層を表面に有した金属ドラムあるいは金属ベルトで作られている。この像担持体を、プリント開始の信号により一定方向に回転駆動し、そして像担持体に隣接したコロナ帯電器あるいは帯電ローラにバイアスを印加して、像担持体の表面を一定の電位まで帯電(チャージアップ)する。ついで、帯電された像担持体にコントローラからの信号に基づいて特定波長の光を照射して像露光すると、像担持体表面の光照射部分は帯電量(電位)が低下するので、像担持体表面に第1色目、たとえばイエロー用の静電潜像が形成される。
【0004】
この像担持体上の静電潜像を、像担持体に対置したイエロー色の現像剤を充填した現像装置により現像して可視化する。現像は、現像装置に一定のバイアスを印加して、所定の電荷が付与されている現像剤を静電潜像に転移することにより、潜像を現像してトナー像として可視化する。つづいて、像担持体に隣接して配置され、像担持体と略同速度で移動するドラム、ベルト等の中間転写体に像担持体上の現像剤と逆極性のバイアスを印加することにより、像担持体上のトナー像が中間転写体に転写される(1次転写)。
【0005】
現在の技術では、上記の転写過程において、トナーを像担持体から中間転写体に100%移し替えることはできず、転写工程後も像担持体上にはトナーが一部残ってしまう。そこで、像担持体に隣接してクリーニング部材を配置し、像担持体上の残余の現像剤を除去することが行なわれている。クリーニング部材としては、弾性ブレード、ファーブラシ、弾性ローラ等が用いられ、この中でも、ポリウレタンゴムを使用した弾性ブレードは最もクリーニング性能に優れており、現在のクリーニング部材の主流になっている。弾性ブレードを像担持体の駆動方向に対してカウンタ方向で当接させることにより、機械的に残余の現像剤を剥ぎ取ることができる。
【0006】
以上の工程をマゼンタ、シアン、ブラックの各色で繰り返すことにより、中間転写体上に4色を重畳したトナー像が得られる。その後、中間転写体に対向して配置したローラ、コロナ帯電器等の2次転写手段にトナーと逆極性のバイアスを印加し、その状態で、中間転写体と2次転写手段の間に転写材を通紙させることにより、中間転写体上に担持された4色の現像剤を一括して転写材に転写する(2次転写)。このときの中間転写体上の残余のトナーは、中間転写体用のクリーナ部材により除去する。中間転写体のクリーニングには、中間転写体に弾性ブレードやファーブラシを当接させて、機械的に残余のトナーを剥ぎとる方法や、残余のトナーを逆帯電して、像担持体との当接部において像担持体に戻す方法などがある。
【0007】
トナー像が転写された転写材は、2本のローラで構成された定着装置へ搬送して、トナー像および転写材を加熱加圧し、トナー像を転写材上に永久固定する。
【0008】
以下、現像剤について説明する。カラー現像剤として非磁性1成分のカラー現像剤、つまりカラーの非磁性トナーがあるが、近年になって、そのカラーの非磁性トナーを、従来の粉砕法ではなく懸濁重合法で作製するようになってきた。これは、トナーの核にワックスを内包するように非磁性トナーを作製する方法で、従来と異なり、トナーが層構成を持つことになる。以後、本明細書では、このように懸濁重合法で作製された非磁性トナーを重合トナーと呼ぶ。重合トナーはその作製法上、形状係数SF1が100〜120程度の球形に近い形状となるという特徴を有している。
【0009】
この重合トナーの一番の利点は、埋め込まれたワックスの効果により、定着過程においてトナーの定着ローラとの離型性が増すということにある。従来の粉砕型のトナーでは、溶融したトナーが定着ローラにくっつき、転写材がローラに巻きつくことがあった。そのため、定着ローラにオイルを塗布するなどの処置が必要であったが、この重合トナーを用いればその必要がなくなる。
【0010】
しかしながら、従来、重合トナーのような略球形のトナーに対しては、前述の像担持体のクリーニング手段の弾性ブレードは、その性能を確保することが困難であった。これは、像担持体の駆動回転時に、弾性ブレードにびびり(弾性ブレードの先端部が像担持体の表面を摩擦により引っ掛かりながら引き摺られるときに生じる断続的な変動ないし振動)が起こり、弾性ブレードと像担持体との間に隙間が生じて、その隙間に球形トナーが入り込みやすいからである。
【0011】
本発明者らは、検討の結果、ポリウレタンゴムの弾性ブレードが重合トナーに対するクリーニング性を確保するためには、弾性ブレードの像担持体との当接圧を線圧で55〜95g/cmに規定することが必要であることを既に見出している(特願平8−335006)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
重合トナーを用いたカラー画像形成装置の使用が最も多いと予想されるオッフィス環境下(温度15〜30℃、湿度10〜80%)では、装置本体が十分に暖まった下での連続通紙および間欠通紙をする通常使用や、装置本体立ち上げ時の間欠通紙をする使用に対しては、上記のように、像担持体への弾性ブレードの当接圧を55〜95g/cmにすることにより、十分なクリーニング性能を確保することができる。
【0013】
しかしながら、たとえば温度15〜18℃、湿度10〜20%のような低温低湿環境下で、装置本体立ち上げ直後に連続通紙を行なった場合は、弾性ブレードの当接圧が上記の条件を満足しても、十分なクリーニング性能を確保することができないことが明らかになった。低温低湿環境下では、弾性ブレードの材料のポリウレタンゴムの弾性力が弱まって、弾性ブレードのびびりが大きくなり、また像担持体に対するトナーの付着力が大きくなるためである。低温低湿環境下でも、装置本体が電源オンの状態で放置されて十分に暖まっている場合には、弾性ブレードも暖まっているので、連続通紙してもクリーニング不良は生じない。
【0014】
弾性ブレードによる他のクリーニング不良の例として、トナーから遊離した外添剤に対する問題もある。トナーの表面には、トナーの帯電性、現像性および耐久性の向上を目的として、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化アルミ、酸化コバルト、二酸化マンガン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム等の外添剤が添加されている。重合トナーのような略球形トナーは、その表面が粉砕トナーに比べて平滑なため、外添剤がトナー表面から遊離しやすい。これらの外添剤の粒径はトナーよりかなり小さく、トナー表面から遊離した外添剤は、像担持体の駆動回転時、びびりを生じている弾性ブレードと像担持体との間を擦り抜けてしまう。
【0015】
このため、像担持体の帯電部材として、ローラやブラシ等の像担持体と接触する部材を使用していると、擦り抜けた外添剤がこれらの帯電部材に付着する。
【0016】
以上は、像担持体上に形成したトナー像を転写する転写像担持部材として中間転写体を設けて、像担持体上に各色のトナー像が形成されるたびに、そのトナー像を一旦中間転写体に転写することを繰り返し、その後、再度、トナー像を複数色分まとめて転写材に転写して、転写材に複数色のトナー像を重畳したカラー画像を得る方式の画像形成装置を例にとって、像担持体のクリーニングの問題を説明した。
【0017】
画像形成装置には、転写像担持部材として直接、転写材を用い、その転写材を転写ドラム上に担持し、像担持体上に各色のトナー像が形成されるたびに、トナー像を転写材に直接転写することを繰り返し、転写材に複数色のトナー像を重畳したカラー画像を得る方式も知られており、このトナー像を直接転写材に転写するように使用される像担持体についても、同様なクリーニング不良の問題が生じる。
【0018】
本発明の目的は、形状係数SF1が100〜120の略球形状の1成分現像剤のトナーを用い、たとえば温度15〜18℃、湿度10〜20%のような低温低湿環境下において、画像形成装置本体立ち上げ直後に連続通紙して画像形成を行なっても、弾性クリーニング部材による像担持体のクリーニング不良を生じることがない画像形成装置を提供することである。
【0019】
本発明の他の目的は、トナーの表面から遊離した外添剤が弾性クリーニング部材と像担持体との隙間を擦り抜けるのを防止して、像担持体の帯電手段として接触帯電部材を採用しても、その接触帯電部材に外添剤が付着するのを抑制できる画像形成装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明にかかる画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、少なくとも電荷発生層およびその上の電荷輸送層からなる感光層を表面に有する回転する像担持体と、前記像担持体表面に接触してこれを均一に帯電する帯電ローラと、前記像担持体上に形成された静電潜像を1成分現像剤である外添剤が添加されたトナーにより現像して、トナー像として可視化する現像手段と、前記像担持体に転写像担持部材を介して当接して、前記トナー像を転写像担持部材に転写する転写手段と、前記像担持体の表面に当接して、像担持体表面に残留した転写残りのトナーを除去する弾性クリーニング部材とを有する画像形成装置において、前記トナーは形状係数SF1が100〜120であり、前記像担持体の電荷輸送層はフッ素樹脂粒子を5〜20wt%含有し、前記弾性クリーニング部材は像担持体表面の移動方向に対してカウンタ方向に当接しており、弾性クリーニング部材の像担持体に対する当接圧をA(g/cm)、当接ニップ長をd(mm)および倒れ角をθ(°)としたとき、
F=(A/d)×{4−(θ/90)}
で表される弾性クリーニング部材の先端圧密度指数F、および前記当接圧Aが、
700<F<1200、かつ、65<A
の範囲内にあることを特徴とする画像形成装置である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0026】
参考例
本発明の画像形成装置の一参考例を図1〜図6により説明する。
【0027】
本画像形成装置は、図1に示すように、略中央部に像担持体として感光ドラム1を有する。本参考例では、感光ドラム1は、図2に示すように、アルミシリンダ1a上に感光層を塗布してなっており、感光層は、電荷発生層1bおよびその上の電荷輸送層1cからなる2層構造に形成されている。感光層は、通常、絶縁体であり、特定波長の光を吸収すると、導電体となる特性を有している。感光層の電荷発生層1bは、フタロシアニン化合物により厚さ0.2μmに形成され、電荷輸送層1cは、ヒドラゾン化合物を分散したポリカーボネートにより厚さ25μmに形成されている。電荷輸送層1cには、クリーニングブレード11に対する摩擦力を低減させる目的で、フッ素樹脂粒子、具体的にはテフロン(商品名)の樹脂粒子(粒径0.3μm)を分散してある。
【0028】
上記の電荷輸送層1c中のテフロン粒子の含有量が多すぎると、感光ドラム1の表面に電荷輸送層1cを塗布により均一に形成することが難しく、感光ドラム1の表面に突起を生じたり、テフロン粒子が後述するレーザ光の照射を散乱して、シャープな潜像を形成するのに障害となる。クリーニングブレード11に対する摩擦力の低減効果を確保しつつ、このような問題の発生を抑制するためには、電荷輸送層1cのテフロン粒子の含有量は5〜20wt%程度とするのがよい。本参考例では、テフロン粒子の含有量を10wt%とした。
【0029】
参考例では、感光ドラム1の帯電部材として、図1に示すように、コロナ帯電器2を使用した。このコロナ帯電器2は感光ドラム1に隣接して配置され、コロナ帯電器2に高電圧を印加してコロナ放電を発生させることにより、感光ドラム1の表面を一様に均一に帯電する。本参考例では、コロナ放電により感光ドラム1の表面を−700Vに帯電した。この感光ドラム1の表面電位(−700V)が暗部電位で符号Vd で表す。
【0030】
感光ドラム1は、コロナ帯電器2により表面電位Vd に帯電された後、露光装置7により像露光され、第1色目、たとえばイエロー用の静電潜像が形成される。露光装置7はコントローラからの信号に基づいて光源をON/OFF制御しながら、感光ドラム1の表面を走査露光し、これにより感光ドラム表面の光照射された部分が導電体となって表面電位の絶対値が下がり、静電潜像が表面電位の下がった部分として形成される。本参考例では、露光装置7の光源に半導体レーザを用い、感光ドラム1の光照射部分の表面電位が−100Vとなるように、半導体レーザの光量を制御した。この感光ドラム1の表面電位(−100V)が明部電位で符号Vl で表す。
【0031】
感光ドラム1上に形成した静電潜像は、回転現像装置8のイエロー現像器8aにより現像する。回転現像装置8は、ロータリー16の周方向に間隔を開けて4色分の現像器8a、8b、8cおよび8dを搭載してなっており、現像器8a〜8dは、ロータリー16の回転により感光ドラム1と対置した現像位置に順次移動され、まず、イエロー現像器8aが現像位置に位置される。
【0032】
このイエロー現像器8a内には非磁性トナーのイエロートナーが貯蔵されており、トナーは現像器8a内の撹拌部材等の部材との摩擦により、負極性に帯電されている。負に帯電したトナーは、感光ドラム1と対向して位置された現像スリーブ9の表面上に薄層状にコートされる。現像スリーブ9は金属ローラからなり、感光ドラム1の回転方向に対して対向部が同方向に移動する向きの順方向に回転して、コートされたトナーを感光ドラム1と対向した現像領域に搬送し、感光ドラム1上の静電潜像の現像に供する。
【0033】
このとき、現像スリーブ9に暗部電位Vd と明部電位Vl との間の適当な電位のバイアス(現像バイアス)を印加する。これにより、感光ドラム1と現像スリーブ9との間に電界を発生し、感光ドラム1上の電位Vl の部分に、これに対応する現像スリーブ9上のトナーを飛翔して付着させる。かくして、明部電位Vl の部分、つまり潜像が現像され、イエロートナー像として可視化される。
【0034】
しかしながら、DC電圧だけを印加する現像方式を採ると、感光ドラム1上の電位Vd の部分にも余分にトナーが付着することがある。これを、現像バイアスのDC電圧と同時にAC電圧を印加するようにすると、トナーを現像スリーブ9と感光ドラム1の間を何度も往復させながら、明部電位Vl に収束させることができ、現像バイアスとしてDC電圧だけを印加したときよりも、潜像を鮮明に現像することができる。つまり、現像バイアスとしてDC電圧にAC電圧を同時に印加した方が、感光ドラム1上の暗部電位Vd の部分に余分にトナーが付着するのを抑制することができる。したがって、通常は、現像バイアスにAC電圧+DC電圧の重畳バイアスを用いる。
【0035】
参考例では、感光ドラム1からのトナー像を転写する転写像担持部材として、感光ドラム1に対し中間転写ベルト4が当接配設されている。感光ドラム1上に形成されたイエロートナー像は、感光ドラム1との当接部の中間転写ベルト4の裏面に当接した1次転写ローラ12に、トナーの帯電(負極性)と逆極性の正のDCバイアスを印加することにより、中間転写ベルト4の表面に転写される(1次転写)。
【0036】
上記の中間転写ベルト4は、テンションローラ13、駆動ローラ14および2次転写対向ローラ15の3本のローラに支持して、適当なテンションを維持した状態で回転駆動される。中間転写ベルト4の回転の方向は、感光ドラム1との当接部が同方向に移動する向きの順方向である。中間転写ベルト4としては、ゴム材料あるいは樹脂材料製のものが主に使用される。中間転写ベルト4の代表的なものは、ゴム製の基層上に中抵抗の表層をコートして構成され、このゴム層には伸縮防止のために、金属の芯体を埋め込むことができる。1次転写ローラ10は、金属の芯金を10 Ωcm以下の低抵抗の弾性体で被覆してなっている。
【0037】
前述したように、現在の技術では、感光ドラム1上のトナー像の1次転写により、感光ドラム1からそのトナーを中間転写ベルト4に100%移し替えることができない。感光ドラム1上に残留した転写残りのトナーは、このまま放置すると、感光ドラム1の次回転目の1次転写時に中間転写ベルト4に転移して、画像の乱れを発生する。これを防止するために、本参考例では、感光ドラム1の表面に前記のクリーニングブレード11を感光ドラム回転方向に対してカウンターの向きで当接して、感光ドラム1の表面から転写残りのトナーを機械的に除去している。感光ドラム1から除去されたトナーは、クリーニングブレード11を収容した廃トナー容器6に回収される。
【0038】
クリーニングブレード11と感光ドラム1との当接条件の詳細については後述する。なお、本参考例では、感光ドラム1、コロナ帯電器2、クリーニングブレード11および廃トナー容器6は、一体に組合せてカートリッジ(CRG)に構成されている。以下、必要に応じ、ドラムカートリッジと呼ぶ。
【0039】
上記の工程をさらに3回繰り返し、現像器4bにより現像したマゼンタトナー像(2色目)、現像器4cにより現像したシアントナー像(3色目)、現像器4dにより現像したブラックトナー像(4色目)を、トナー像が形成される都度、感光ドラム1から中間転写体5の表面に重ね合わせて転写することにより、中間転写体5上にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色を積層したトナー像が得られる。
【0040】
中間転写ベルト4上に積層された4色のトナー像は、中間転写ベルト4に供給された転写材の表面に一括して転写される(2次転写)。この2次転写は、前記の2次転写対向ローラ15と中間転写ベルト4を挟んで表面側に離接自在に配設された、2次転写ローラ10によって行なわれる。2次転写ローラ10は、金属製の芯金を弾性体で被覆した構成とされる。
【0041】
2次転写ローラ10を中間転写ベルト4に当接させ、これと同時にトナーと逆極性の正のバイアスを印加し、その状態で中間転写ベルト4と2次転写ローラ10との間に転写材を通紙させることにより、中間転写ベルト4上の4色のトナー像が一所に転写材の表面に転移し、2次転写が行なわれる。
【0042】
この2次転写の際、4色のトナーの帯電量に違いがあると、各色での転写性が異なってくることがあるので、2次転写前にコロナ帯電器等で中間転写ベルト4上の4色のトナーを再帯電して、各色のトナーの帯電量を揃えることを行なうようにしてもよい。
【0043】
中間転写ベルト4上に2次転写で残留した転写残りのトナーは、クリーニングローラ17等により除去する。クリーニングローラ17は、中間転写ベルト4を挟んで2次転写対向ローラ15と対向配置され、2次転写の開始と同時にクリーニングローラ17を中間転写ベルト4の表面に当接し、ローラ17に放電開始しきい値以上の正のDCバイアスを印加して、転写残りのトナーを正に帯電するように使用される。正に帯電された転写残りのトナーは、感光ドラム1と中間転写ベルト4の当接部において、感光ドラム1の表面電位と1次転写ローラ12に印加する正のDCバイアスとによって作られる電界により、感光ドラム1に転移し、その後、感光ドラム1のクリーニングブレード11により除去、回収される。
【0044】
クリーニングローラ17は、金属の芯金を中抵抗の弾性ゴム層で覆った構造をしている。実用的には、過電流の流れ込みや中間転写ベルト4との固着など、中間転写ベルト4に対するダメージ防止のための層を幾層かに設けたものを用いるのがよい。
【0045】
4色のトナー像が2次転写された転写材は、定着ローラおよび加圧ローラで構成された定着器18へとベルト搬送され、これらローラで転写材を加熱および加圧して、トナー像をフルカラーの永久像として転写材に固定する。
【0046】
参考例で用いたカラートナーについて説明する。本参考例において、カラートナーは、懸濁重合法で製造された粒径5〜7μmの非磁性1成分カラー現像剤であり、特徴的なことは、極性樹脂および重合性単量体の合計量に対し5〜30wt%の低軟化点物質を添加して重合したことである。
【0047】
図3に示すように、この重合トナー3は、エステル系ワックスが内包されたコア3aと、それを包むスチレン−ブチルアクリレートからなる樹脂層3bと、その上のスチレン−ポリエステルからなる表層3cとから構成されている。本重合トナー3は、コア3aに内包したワックスの効果でトナーの定着ローラとの離型性が増すため、本重合トナー3を用いることにより、従来、必要としていた定着ローラおよび加圧ローラへのオイル塗布を省略できるようになった。
【0048】
また本重合トナー3は、形状が球形に近い特徴を有している。球状物質の形状の丸さの割合を示す数値である形状係数SF1は、本重合トナー3では100〜120になる。この形状係数SF1は、図4に示すように、球状物質を2次元平面上に投影してできる楕円状図形の最大長MXLNGの2乗を図形面積AREAで割って、100π/4を乗じた値で示される。
すなわち、
SF1={(MXLNG) /AREA}×(100π/4)
である。
【0049】
参考例におけるクリーニングブレード11について説明する。本参考例において、クリーニングブレード11は、図5に示すように、ブレード本体11aと、これを支持した金属の板金11bとからなり、ブレード本体11aの基部は厚めに作られ、その基部に板金11bの先端を一定量だけ食い込ませて、ブレード本体11aを板金11bに支持している。このように、ブレード本体11aは、その先端部と基部との厚さを変えることにより、厚さの変わる部分でショックを吸収できるような構成としており、これにより、ドラムカートリッジの振動が板金11bを介してブレード本体11aと感光ドラム1の接触部分に直接伝わらないようにしてある。本参考例では、ブレード本体11aは、ウォーレス硬度69°のポリウレタンゴムで形成している。板金11bには、強度を確保するために折曲部が設けられている。
【0050】
このクリーニングブレード11は、図6に示すように、感光ドラム1に対して設定角φ、侵入量δを満たすように、ドラムカートリッジのモールド部分にビス止めして位置設定している。
【0051】
クリーニングブレード11の設定角φとは、ポリウレタンゴム製のブレード本体11aの先端部が変形せずにそのまま感光ドラム1に侵入したと仮想したときの、ブレード本体11aの先端面と感光ドラム1とが交わる点の接線とブレード本体11aの軸線とがなす角度であり、侵入量δとは、ブレード本体11aの先端面の侵入側端部と上記の交点との間の距離のことである。
【0052】
本実施例のクリーニングブレード11は、ポリウレタンゴムのブレード本体11aの金属板金11bへの食い込み量を調節することにより、感光ドラム1に対するクリーニングブレード11、つまりブレード本体11aの当接圧A、ニップ長dおよび倒れ角θを変化させることができる。
【0053】
ポリウレタンゴム製ブレード本体11aの当接圧、ニップ長および倒れ角について説明すると、クリーニングブレード11を1cm幅に切断し、切断したブレード11を所定の設定角φ、侵入量δで、荷重センサの受荷面である平行金属板に当接させる。そのときの荷重がブレード本体11aの当接圧A[g/cm]である。また、図7に示すように、切断したブレード11を平行金属板100に当接させたときの、ブレード本体11aの当接部の長さがニップ長d[mm]であり、ブレード本体11aの先端面と平行金属板100とがなす角度をブレード本体11aの倒れ角θ[°]であると定義する。ブレード本体11aの当接圧A、ニップ長dおよび倒れ角θは、本体11aの形状、板金11bの厚さ、本体11aへの板金11bの食い込み量、本体11aのポリウレタンゴムの硬度、本体11aの設定角φおよび侵入量δ等によって変化する。
【0054】
参考例では、ポリウレタンゴムのブレード本体11aの先端面を原点として、そこから金属板金11bへの方向にX方向をとって、ブレード本体11aのX方向におけるおよその当接圧の密度分布を表す目安として、ブレード本体11aの当接圧A、ニップ長dおよび倒れ角θを用いた以下のような関係式F(X)を定義する。
【0055】
Figure 0003548382
【0056】
式1の関数F(X)は、X=0からdの範囲で積分したときの積分面積がAに等しくなるような関数であり、倒れ角θが小さいときほど、ブレード本体11aの先端部(Xの値が小さいところ)で大きな値となるよう、すなわち、当接圧密度が大きくなるように重みづけしてある。この関数F(X)のX=0のときの値F、
F=F(0)=(A/d)×(4−θ/90) ・・・(式2)
を、ブレード本体11a先端部の圧密度指数(先端圧密度指数)と定義する。
【0057】
参考例では、Fが下記の条件1の範囲内となるように、ブレード本体11aの当接圧A、ニップ長dおよび倒れ角θを規定した。
【0058】
500<F<1700 ・・・(条件1)
【0059】
ドラムカートリッジの振動にともなうクリーニングブレード11の振動や、感光ドラム1の真円からの振れ、感光ドラムの駆動むら等の要因により、Fの値が小さい状態、すなわち、ポリウレタンゴムのブレード本体11a先端部の圧密度が小さい状態では、ブレード本体11aの先端部が、長期間の使用中に感光ドラム1ときちんと接触せず、いわゆる浮いた状態になることがある。特にブレード本体11aの材料のポリウレタンゴムの弾性力が弱くなる、たとえば気温15〜18℃、湿度10〜20%の低温低湿環境下で、画像形成装置本体の立ち上げ直後に、この傾向が強くなる。
【0060】
ブレード本体11aの先端部に浮いた状態が生じると、ブレード本体先端部と感光ドラム1との間に感光ドラム1上の転写残りのトナーが入り込み、先端部と感光ドラム1との間に隙間が生じることを招く。このトナーの入り込みやすさは、使用されるトナーの形状および粒径によって決まり、トナーの球形に近いほど、粒径が小さいほど、入り込みやすい。ブレード本体11a先端部と感光ドラム1との間にトナーが入り込み蓄積して、その間の隙間が広がって許容範囲を超えると、感光ドラム1上の転写残りのトナーがブレード本体11aを擦り抜けて、クリーニング不良が発生する。また低温低湿環境(温度15〜18℃、湿度10〜20%)は、トナーと感光ドラム1との付着力が大きいため、環境的にクリーニングに不利である。
【0061】
参考例のドラムカートリッジ、重合トナー3を使用した場合には、先端圧密度指数Fの値を500以上とすることにより、温度15〜18℃、湿度10〜20%のような低温低湿環境下でブレード本体11a先端の浮きを、トナーの入り込みが起きない程度までに抑制できることが分かった。
【0062】
Fの値が大きな状態、すなわちブレード本体11a先端部の圧密度が大きい状態では、ブレード本体11aと感光ドラム1との間に大きな摩擦力が生じる。この摩擦力は、感光ドラム1の表面の電荷輸送層1cに分散したテフロン粒子の量にも依存する。いずれにせよ、ブレード本体11aと感光ドラム1との間の摩擦力が過剰になると、ブレード本体11a先端部にストレスがかかり、場合によってはびびりが発生する。このびびりは、ブレード本体11aのポリウレタンゴムの弾性力が弱くなる低温低湿環境下で装置本体立ち上げ直後において、とりわけ発生しやすい。ブレード本体11aの先端部にびびりが起こると、ブレード本体11aと感光ドラム1との間に感光ドラム1上の転写残りのトナーが入り込み、そのトナーがブレード本体11aの先端を擦り抜けるので、感光ドラム1にクリーニング不良が生じる。
【0063】
参考例の感光ドラム1、重合トナー3を使用した場合には、先端圧密度指数Fの値を1700以下とすることにより、低温低湿環境下(温度15〜18℃、湿度10〜20%)におけるポリウレタンゴム製のブレード本体11aの先端部のびびりを、トナーの擦り抜けが起きない程度までに抑制できることが分かった。
【0064】
たとえば金属板金11bへのブレード本体11aの食い込み量を2.5mm、ブレード本体11a先端部の厚さを先端面で1.6mmとしたクリーニングブレード11を採用した場合、表1に示すように、ブレード本体11aの設定角φを25°〜29°、侵入量δを1.1〜1.5mmの範囲とすることにより、上記の条件1が満足される。
【0065】
【表1】
Figure 0003548382
【0066】
この条件で温度15℃、湿度10%の環境下、画像形成の耐久試験を行なったところ、装置本体の立ち上げ直後においても、クリーニングブレード11による感光ドラム1のクリーニングに不良が発生しなかった。
【0067】
参考例は、以上のように構成されるので、略球形の重合トナーを用いても、温度15℃、湿度10%のような低温低湿環境下において、装置本体立ち上げ直後の感光ドラムのクリーニング不良を防止することができる。
【0068】
参考例
本発明の他の参考例について図8により説明する。本参考例は、感光ドラム1の構成が異なるだけで、画像形成装置のその他の構成は図1等を参照して説明した参考例1と同じである。従って、必要に応じて図1等を参照して説明を加える。
【0069】
参考例では、像担持体として図8の構成の感光ドラム1を使用した。この感光ドラム1は、アルミシリンダ1a上に、電荷発生層1b、その上の電荷輸送層1cおよびその上の表面離型層1dからなる感光層を塗布した構造に形成されている。電荷発生層1bは、参考例1と同様、フタロシアニン化合物により厚さ0.2μmに形成され、電荷輸送層1cは、ヒドラゾン化合物を分散したポリカーボネートにより形成され、本参考例では厚さ15μmとした。本参考例で設けた表面離型層1dは、アクリル樹脂層を紫外線で硬化して厚さ4μmに形成されている。
【0070】
表面離型層1dは、紫外線硬化したアクリル樹脂で形成しているため、長期間の使用による削れが少ないので、膜厚を薄くしてある。感光層に表面離型層1dを設ける利点は、感光層表層の削れが小さくなることであり、長期間の使用を通じて均一な画像を提供するのに資する。この表面離型層1dには、クリーニングブレード11に対する摩擦力を低減させる目的で、テフロン(商品名)の樹脂粒子(粒径0.3μm)を分散してある。参考例1とは異なり、テフロン粒子を分散した層(表面離型層1d)の厚さが薄いため、テフロンによるレーザ光の散乱が緩和されるので、その分散量を参考例1の場合よりも多くしても、シャープな潜像形成が阻害されることはない。表面離型層1dのテフロンの分散量(含有量)は20〜45wt%程度とするのがよい。本参考例では、テフロンの含有量を35wt%とした。
【0071】
参考例では、前述の参考例1で説明したブレード本体11aの先端圧密度指数F(前述の式2)が、下記の条件2の範囲内となるように、ブレード本体11aの当接圧A、ニップ長dおよび倒れ角θを規定した。
【0072】
500<F<2500 ・・・(条件2)
【0073】
参考例では、ドラムカートリッジ自体および重合トナーは、参考例1で使用したものと同一とした。本参考例においても、参考例1に記載したのと同一の理由により、ブレード本体11aの先端圧密度指数Fを500以上とすることにより、温度15〜18℃、湿度10〜20%のような低温低湿環境下において、ブレード本体11a先端の浮きをトナーの入り込みが起きない程度までに抑制でき、感光ドラム1のクリーニング不良を防止できる。
【0074】
ここで、先端圧密度指数Fの上限値について説明する。ブレード本体11a先端部と感光ドラム1と間の摩擦力は、感光ドラム表面の感光層の表面離型層1dに分散したテフロン粒子量に依存する。本参考例では、参考例1に比べてテフロン粒子を多く分散させているため、摩擦係数が低く摩擦力が小さくなっているので、参考例1よりも、Fの値を、すなわちポリウレタンゴムのブレード本体11a先端部の圧密度をある程度大きくしても、ブレード本体先端部のびびりの発生を抑制することができる。具体的には、本参考例における感光ドラム1、重合トナー3を使用した場合、Fの値が最大2500まで、低温低湿環境下でブレード本体先端部のびびりを、トナーの擦り抜けが発生しない程度まで抑え込めることが分かった。従って、Fの上限値は2500以下とする。
【0075】
参考例において、クリーニングブレード11の金属板金11bへのブレード本体11aの食い込み量を2.5mm、ブレード本体11a先端部の厚さを先端面で1.6mmとすると、表2に示すように、設定角φを25°〜32°、侵入量δを1.1〜1.5mmの範囲とすることにより、上記の条件2が満足される。
【0076】
【表2】
Figure 0003548382
【0077】
この条件で温度15℃、湿度10%の環境下、画像形成の耐久試験を行なったところ、装置本体の立ち上げ直後においても、クリーニングブレード11による感光ドラム1のクリーニングに不良が発生しなかった。
【0078】
参考例は、以上のように構成され、テフロン粒子を多く含有する表面離型層1dを設けた感光層を有する感光ドラム1を用いたので、略球形の重合トナーを用いても、温度15℃、湿度10%のような低温低湿環境下において、装置本体立ち上げ直後にも、感光ドラム1のクリーニング不良を防止できるとともに、そのクリーニング条件の設定範囲が広がり、クリーニングブレードの性能安定化、組立性向上を図ることができる。
【0079】
実施例
本発明の実施例を図9〜図10により説明する。
【0080】
図9に示す本実施例の画像形成装置は、感光ドラム1の表面の帯電部材として帯電ローラ5を用いている。この帯電ローラ5は、図10に示すように、金属の芯金5aを低抵抗の弾性ゴム層5bで被覆し、さらに中抵抗の表層5cで被覆した構造をしている。表層5cには外添剤等が付着しにくい材料、たとえばフッ素樹脂などの材料を用いている。この帯電ローラ5は、その芯金5aの両端部をバネで感光ドラム1方向に加圧して、感光ドラム1に5g/cmの当接圧で当接しており、感光ドラム1の回転により従動回転する。
【0081】
帯電ローラ5の芯金5aにしきい値以上のDCバイアスを印加すると、帯電ローラ5と感光ドラム1の当接部のニップ近傍で放電が発生する。これにより、感光ドラム1は帯電ローラ5に印加したバイアスと同極性に帯電する。このとき、同時にACバイアスを印加すると、感光ドラム1の表面をより均一に帯電することができる。また環境が変動すると、帯電ローラ5の表層5cの電気抵抗が変化するので、常に感光ドラム1の表面を均一に帯電するためには、ACバイアスを定電流制御することがよい。
【0082】
本実施例では、帯電ローラ5にACバイアスを、周波数1200Hz、電流値1200μAで印加した。このとき、常温常湿環境下において、ACバイアスのピークツウピーク電圧は1.8kVとなった。またDCバイアスは−710Vを印加した。本実施例の帯電ローラ5を用いると、帯電により感光ドラム1の表面の電位を、印加したDCバイアスとほぼ同程度の−700Vに収束することができる。
【0083】
次に、本実施例で用いる重合トナーに添加する外添剤を説明する。重合トナー3自体は、参考例1で述べたものと同一であり説明を省略する。トナーの帯電性、現像性、耐久性、クリーニング性、転写性および定着性の向上等を目的として、通常、トナーには数種類の外添剤が添加される。本実施例では、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムのなかから、必要に応じて2〜3種類の外添剤をトナー100重量部に対し0.1〜3重量部添加した。シリカ、アルミナは、シランカップリング剤、シリコーンオイルで表面処理したものをも使用した。
【0084】
重合トナーのような球形に近いトナーは、粉砕トナーに比べてその表面が平滑なため、外添剤がトナー表面から遊離しやすい。
【0086】
そこで、本実施例では、クリーニングブレード11により、感光ドラム1上の転写残りトナーのみならず、トナーから遊離した外添剤もクリーニングできるようにした。以下、遊離外添剤をクリーニングするのに必要なクリーニングブレード11の当接条件について説明する。クリーニングブレード11の構成は実施例1と同じである。
【0087】
本実施例では、ブレード本体11aの先端密度指数Fおよび当接圧Aの値が、下記条件3の範囲となるように、当接圧A、ニップ長dおよび倒れ角θを規定した。
【0088】
500<F<1700、かつ60<A ・・・(条件3)
【0089】
参考例1に記したように、Fが条件1(500<F<1700)の範囲内にあれば、ブレード本体11a先端部の浮き上がりおよびびびりを抑えて、感光ドラム1上の転写残りのトナーをある程度、クリーニングブレード11を擦り抜けないように掻き取ることができる。この掻き取ったトナーは、感光ドラム1上にクリーニングブレード11の手前で壁を作ることになるので、遊離した外添剤がクリーニングブレード11に達するのをかなり防止することができる。
【0090】
しかしながら、遊離外添剤がクリーニングブレード11に達するのを完全に防止できるわけではなく、遊離外添剤の一部はクリーニングブレード11に達して、ブレード本体11aと感光ドラム1との間に入り込み、クリーニングブレード11を擦り抜けてしまう。
【0091】
そこで、本実施例では、上記の条件3、つまりクリーニングブレード11の先端圧密度指数Fを条件1の500<F<1700とすることに加え、当接圧Aを60以上として、クリーニングブレード11を感光ドラム1に対して強く抑え込むようにした。これにより、クリーニングブレード11と感光ドラム1との間に入り込んだ遊離外添剤がその間を一気に通過するのを阻止でき、単位時間当たりの擦り抜ける遊離外添剤の量を、帯電ローラ5の表層5cの付着防止作用が有効に働き得る程度にまで低減することができる。
【0092】
本実施例において、クリーニングブレード11の金属板金11bへのブレード本体11aの食い込み量を3.0mm、ブレード本体11a先端部の厚さを先端面で1.6mmとすると、表3に示すように、設定角φを25°〜28°、侵入量δを1.2〜1.5mmの範囲とすることにより、条件3が満足される。上記のように、本実施例では、ブレード本体11aへの板金11bの食い込み量を実施例1に比べて0.5mm延ばすことにより、当接圧Aを増加させた。
【0093】
【表3】
Figure 0003548382
【0094】
この条件で、温度15℃、湿度10%の環境下、長手方向にベタ黒が2ライン、ベタ白が3ラインのライン画像の形成を繰り返す耐久試験を行なったところ、帯電ローラ5の遊離外添剤による汚れに起因した帯電不良は発生しなかった。
【0095】
本実施例の作用効果を一層向上して発揮させるには、下記の条件4にすればよい。
【0096】
700<F<1200、かつ65<A ・・・(条件4)
【0097】
本実施例のドラムカートリッジを用いる場合、先端圧密度指数Fの値を700以上にすることにより、クリーニングブレード11の先端部の浮きをほぼ0にすることができ、また、本実施例の感光ドラム1(実施例1と同一構成)を用いる場合には、Fを1200以下とすることにより、クリーニングブレード11のびびりをほぼ0にすることができる。従って、クリーニングブレード11と感光ドラム1との間に隙間が発生しなくなり、たとえ遊離外添剤がクリーニングブレード11に到達しても、遊離外添剤がクリーニングブレード11と感光ドラム1との間に入り込むのをかなりの程度で防止できる。
【0098】
また当接圧Aを65以上とすることにより、クリーニングブレード11を感光ドラム1に対してより強く抑え込むことができ、クリーニングブレード11と感光ドラム1との間に入り込んだ遊離外添剤が、その間を通過するのをかなりの程度で防止できる。
【0099】
表3に示すように、条件設定が容易という分けには行かないが、遊離外添剤の擦り抜け防止、遊離外添剤のクリーニングが良好に行なえる。
【0100】
以上から、本実施例によれば、遊離外添剤がクリーニングブレード11を擦り抜けて、帯電ローラ5に付着するのをほぼ確実に抑えることができる。
【0101】
帯電不良が画像に欠陥として最も現れやすいとされる1ドットパターンの画像形成を繰り返す耐久試験を、上記条件4を満たした下で行なったところ、帯電ローラ5の汚れによる帯電不良に起因した画像欠陥は生じなかった。
【0102】
以上の参考例1、2及び実施例1では当接圧Aの下限を示したが、当接圧Aの上限は感光ドラム1の表面の消ずれ量の低減、異音発生防止のために、最大で95g/cm以下とされる。
【0103】
参考例2に示した感光ドラムを使用する場合は、先端圧密度指数Fおよび当接圧Aが下記の条件5、望ましくは条件6を満たすことにより、本実施例と同様の効果が得られる。
【0104】
500<F<2500、かつ、60<A ・・・(条件5)
700<F<2000、かつ、65<A ・・・(条件6)
【0105】
上記の条件5、さらには条件6のクリーニング構成を採用することにより、形状係数SF1が100〜120である略球形のトナーを用い、感光ドラム1の帯電部材として帯電ローラ5を採用した場合においても、遊離した外添剤をクリーニングブレード11により良好にクリーニングでき、遊離外添剤が帯電ローラ5に付着するのを防止して、感光ドラム1の帯電不良を防ぐことができる。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、トナーのみならず遊離外添剤の擦り抜け防止、遊離外添剤のクリーニングを良好に行うことができ、遊離外添剤が弾性クリーニング部材を擦り抜けて、帯電ローラに付着するのをほぼ確実に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一参考例を示す概略構成図である。
【図2】図1の画像形成装置における感光ドラムの層構成を示す断面図である。
【図3】本発明で使用する重合トナーの層構成を示す断面図である。
【図4】本発明で好適に使用するトナーの丸さの程度を示す形状係数SF1の説明図である。
【図5】図1の画像形成装置における感光ドラムのクリーニングブレードの構成を示す断面図である。
【図6】図5のクリーニングブレードの感光ドラムに対する侵入量および設定角を示す説明図である。
【図7】図5のクリーニングブレードの倒れ角およびニップ長の測定法を示す説明図である。
【図8】本発明の他の参考例における感光ドラムの層構成を示す断面図である。
【図9】本発明の画像形成装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図10】図9の装置における感光ドラムの帯電ローラの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
1a 芯金
1b 電荷発生層
1c 電荷輸送層
1d 表面離型層
3 重合トナー
4 中間転写ベルト
5 帯電ローラ
11 クリーニングブレード(弾性ブレード)
11a ブレード本体
11b 金属板金

Claims (1)

  1. 少なくとも電荷発生層およびその上の電荷輸送層からなる感光層を表面に有する回転する像担持体と、前記像担持体表面に接触してこれを均一に帯電する帯電ローラと、前記像担持体上に形成された静電潜像を1成分現像剤である外添剤が添加されたトナーにより現像して、トナー像として可視化する現像手段と、前記像担持体に転写像担持部材を介して当接して、前記トナー像を転写像担持部材に転写する転写手段と、前記像担持体の表面に当接して、像担持体表面に残留した転写残りのトナーを除去する弾性クリーニング部材とを有する画像形成装置において、前記トナーは形状係数SF1が100〜120であり、前記像担持体の電荷輸送層はフッ素樹脂粒子を5〜20wt%含有し、前記弾性クリーニング部材は像担持体表面の移動方向に対してカウンタ方向に当接しており、弾性クリーニング部材の像担持体に対する当接圧をA(g/cm)、当接ニップ長をd(mm)および倒れ角をθ(°)としたとき、
    F=(A/d)×{4−(θ/90)}
    で表される弾性クリーニング部材の先端圧密度指数F、および前記当接圧Aが、
    700<F<1200、かつ、65<A
    の範囲内にあることを特徴とする画像形成装置。
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