JP3547478B2 - 流体封入型防振支持装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車のエンジンマウント等に使用する流体封入型防振支持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の流体封入型防振支持装置にあっては、入力振動の振動数が高くなるほどばね定数が上がる特性を有している。これは、振動数が上がれば流体室間を連絡するオリフィス通路が目詰り状態となり、流体の存在がかえってばねの硬さを引き起こすからであると考えられる。従って、このままでは車両走行時に発生す中高周波振動の振動伝達率が上がり、車内騒音の問題が発生する。
【0003】
このため、中高周波振動でもばね定数を上げない工夫が求められ、本出願人は、この要請に応えるものとして流体室内に内筒から突出する突出体と、この突出体が一定の間隙を有して突入する凹陥ポットとを設ける案件を先に特願平1−009231号及び特開平5−164184号として提案している。突出体と凹陥ポットとの間隙が流体の逃げ場を構成し、その結果、流体の共振が発生してばね定数の上昇を抑制する効果が確認されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらはいずれも突出体を内筒から一体的に突出させたものであるから、製作金型が複雑になったり、溶接工数等を必要としたりしてコストが高くなる欠点がある。一方で、本出願人は、主流体室の側壁の外方への膨出を抑えて流体の移動量を増す目的の下、両側壁間を一部を質量体で置換された連結帯で連結した案件を特開平5−087182号として提案している。そこで、この二つの案件を結び付けて本課題を解決できないかと種々検討したところ、連結帯及び凹陥ポットにある種の工夫を施すことでこれが達成できることを見出したのが本発明である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内筒と外筒との間に、筒軸に直角な二枚の側壁と、内筒を含んで両側壁間に筒軸に平行に架橋する隔壁とを有するゴム弾性筒を張装し、側壁と隔壁とで二つに隔成される空間部に非圧縮性流体を封入して主流体室と従流体室とする他、主流体室に、筒軸に平行に両側壁間に架橋する一部を質量体で置換されたゴム弾性材の連結帯を設け、主流体室と従流体室とをゴム弾性筒の外周に嵌着されるオリフィス構造体に形成されるオリフィス通路で連通した流体封入型防振支持装置において、連結帯の両側に、連結帯と所定の間隙を有する塊状体をオリフィス構造体に一体的に取り付けて配置したものであって、上記間隙が、ばね常数の上昇を抑制するために抑制しようとする周波数に応じて調整されるものであることを特徴とする流体封入型防振支持装置を提供したものである。
【0006】
【作用】
上記の手段をとることにより、振動が入力されるに伴って主従流体室は当然に容積が変わり、圧縮された流体室の流体はオリフィス通路を通って膨張された流体室に流れるが、このとき、主流体室内の流体は連結帯と塊状体との間隙を通って流体室内でも流動でき、これが所謂ばねの軟らかさを現出し、ばね定数の上昇を抑制する。そして、これを可能にするには、連結帯の両側に、連結帯と一定の間隙を有する塊状体をオリフィス構造体に一体的に取り付けて配置すれば達成できるから、製作が容易であって、コストを低減する。
【0007】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1は本発明に係る流体封入型防振支持装置の横断面図、図2は縦断面図、図3は外筒及びオリフィス構造体を外したものの側面図であるが、この流体封入型防振支持装置は、同心若しくは偏心させて平行に配置した金属製の内筒10と外筒12との間に、筒軸に直角な二枚の側壁14と、内筒10を含んで両側壁14間に筒軸に平行に架橋する隔壁16とを有するゴム弾性筒18を張装したものである。尚、ゴム弾性筒18の外周付近には、側壁14と隔壁16とで上下二つに隔成される空間部20、22の一部を切り欠いて両側壁14間に架橋する金属製の補強リング24を巻装してある。
【0008】
空間部20、22には非圧縮性流体が封入され、下方のものを主流体室20、上方のものを従流体室22とするとともに、主流体室20と従流体室22とはオリフィス通路26で連通される。尚、従流体室22の底壁28は隔壁16との間に貫通部30を有する薄いダイヤフラムで構成し、変形し易くして流体の移動を促進する構造にしてある。更に、底壁28の中央部(静荷重を受ける方向)は、外方の一部が外筒12に接触するまで膨出し、内方も空間部30に相当程度突出した塊部32を形成しており、内筒10が上方へ過大に変位するときのストッパとなっている。
【0009】
主流体室20の中央部の外周側には補強リング24が両側壁14間を架橋しているが、これと一体的に内筒10側に僅かに突出するゴム弾性材の架橋体34も形成されている。又、主流体室20の中央部の中程には両側壁14を連結するゴム弾性材の連結帯36が筒軸と平行に設けられている。尚、この連結帯36の中には金属体等の質量体38が封設されている。この連結帯36は、主流体室20の圧縮時、側壁14が外方へ膨らむのを防止するとともに、架橋体34と協動して内筒10が下方に過大変位するときのストッパとなるものである。更に、質量体38はダイナミックダンパとしても機能し、防振性能の向上に寄与する。
【0010】
主流体室20と従流体室22とはオリフィス通路26で連通される。本例のオリフィス通路26は以下のオリフィス構造体40に形成される。図4はオリフィス構造体40の底面図、図5は側面図、図6はオリフィス構造体40をゴム弾性筒18に装着する状態を示す横断面図、図7は装着後の側面図であるが、このオリフィス構造体40は、主流体室20において補強リング24及び架橋体34の外周に嵌着される金属とゴム弾性材との複合体の半円形のリングであり、外周にオリフィス通路26が形成されたものである。尚、オリフィス構造体40は、樹脂の成形品によるものであってもよい。
【0011】
但し、オリフィス通路26は一端から出て他端で折り返して再度一端側に戻る往復路からなるもので、流路を長くとって流動抵抗を増し、減衰性能を高める工夫がしてある。尚、一端側の戻り路の最終端には孔42が形成されており、主流体室20と連通している。更に、隔壁16には往き路のオリフィス通路26と連絡する溝44が形成されており、従流体室22と連通している。
【0012】
本発明は、主流体室20において、連結帯34の両側にゴム弾性材の塊状体46を金属、ゴム複合体のオリフィス構造体40に加硫接着等で一体的に取り付けて配置したものである。この塊状体46は連結帯36よりはやや背が高いものであり、連結帯36との間に一定の間隙48が確保される。尚、塊状体46及びオリフィス構造体40は共に樹脂であってもよく、その場合は両者を一体に成形すればよい。
【0013】
以上により、今、外筒12を固定し、内筒10を振動体に連結すると、振動によって内筒10自体が振動するが、このとき、主従流体室20、22に容積変化が起こり、流体は移動し、振動は減衰される。同時にゴム弾性筒18によって振動伝達も遮断され、減衰性及び振動遮断性共に優れた防振支持装置となる。尚、過大に変位があったときには、塊部32と連結帯36及び架橋体34とがそれぞれストッパとして機能する。
【0014】
このとき、連結帯36と塊状体46との間には間隙48が設けられるから、この間隙48が流体の逃げ場となって流体に共振を発生させ、ばね定数の上昇を抑制する。図9は塊状体46が存するものと存しないものとの上下方向(静荷重方向)の周波数ー絶対ばね定数曲線、図10は同じく前後方向(軸方向)の周波数ー絶対ばね定数曲線であるが、これをみてもわかるように、塊状体46が存することによって500Hz前からの高周波数域での絶対ばね定数の上昇が抑制されている(塊状体46が存在しないものではこの付近で絶対ばね定数が急激に上昇する)。これにより、車内騒音等がカットされ、快適な乗り心地が得られる。
【0015】
そして、この間隙48を調整することにより、周波数に対するばね定数のピーク位置を変えることができるから、これがチューニング要素となり、チューニングの幅を広げる。更に、この塊状体46はストッパの機能を補助する補助的なストッパの役割も果たす。
【0016】
一方、本発明に係る流体封入型防振支持装置では、主流体室20の内筒10側の側壁14の肉厚を荷重方向で厚く、荷重方向から外れた側で薄くすることがある。図8はそれを示す図1のAーA断面図であるが、荷重方向から外れた側、即ち内筒10の投影面を外れた位置の肉を抉る等して薄くしたものである。
【0017】
静荷重方向(上下方向)は当然ながら振動体の重量を支えなければならないから、そのばね定数は大きくしなければならないが、その他の左右方向、前後(筒軸)方向(当然ながらこの方向の振動も入力される)ではばね定数が小さいほど防振上の見地から好ましいからである。この点、ゴム弾性筒18に形成される空間部30を主流体室20の中まで入り込ませて左右、前後方向のばね定数を小さくしたものに比べ、主流体室20の容積を狭めず、減衰性能の低下を防ぐといった意義がある。
【0018】
【発明の効果】
以上、本発明は前記したとおりのものであるから、即ち、連結帯の両側にこれと一定の間隙を確保して塊状体を設けたものであるから、この間隙が一種の流体の逃げ場を構成し、流体の共振を惹起させてばね定数の上昇を抑制するとともに、減衰性能も向上させる。そして、この塊状体はオリフィス構造体に一体的に取り付けられから、内筒等に工作しなくてもよく、製作を容易にしてコスト低減に寄与する。更に、これら間隙はばね定数を調整するチューニング要素ともなるから、その幅が広がり、設計がより楽になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】流体封入型防振支持装置の横断面図である。
【図2】流体封入型防振支持装置の縦断面図である。
【図3】外筒及びオリフィス構造体を外した状態の流体封入型防振支持装置の側面図図である。
【図4】オリフィス構造体の底面図である。
【図5】オリフィス構造体の側面図である。
【図6】オリフィス構造体をゴム弾性筒に組み付ける状態を示す横断面である。
【図7】オリフィス構造体をゴム弾性筒に組み付けた状態を示す側面図である。
【図8】図1のAーA断面図である。
【図9】上下方向の周波数ー絶対ばね定数曲線である。
【図10】前後方向の周波数ー絶対ばね定数曲線である。
【符号の説明】
10 内筒
12 外筒
14 側壁
16 隔壁
18 ゴム弾性筒
20 主流体室(空間部)
22 従流体室(空間部)
26 オリフィス通路
36 連結帯
38 質量体
40 オリフィス構造体
46 塊状体
48 間隙
Claims (2)
- 内筒と外筒との間に、筒軸に直角な二枚の側壁と、内筒を含んで両側壁間に筒軸に平行に架橋する隔壁とを有するゴム弾性筒を張装し、側壁と隔壁とで二つに隔成される空間部に非圧縮性流体を封入して主流体室と従流体室とする他、主流体室に、筒軸に平行に両側壁間に架橋する一部を質量体で置換されたゴム弾性材の連結帯を設け、主流体室と従流体室とをゴム弾性筒の外周に嵌着されるオリフィス構造体に形成されるオリフィス通路で連通した流体封入型防振支持装置において、連結帯の両側に、連結帯と所定の間隙を有する塊状体をオリフィス構造体に一体的に取り付けて配置したものであって、上記間隙が、ばね常数の上昇を抑制するために抑制しようとする周波数に応じて調整されるものであることを特徴とする流体封入型防振支持装置。
- オリフィス構造体及び塊状体を樹脂で一体成形したことを特徴とする請求項1の流体封入型防振支持装置。
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JP7258994A JP3547478B2 (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | 流体封入型防振支持装置 |
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JP7258994A JP3547478B2 (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | 流体封入型防振支持装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07259921A JPH07259921A (ja) | 1995-10-13 |
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JP7258994A Expired - Fee Related JP3547478B2 (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | 流体封入型防振支持装置 |
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1994
- 1994-03-16 JP JP7258994A patent/JP3547478B2/ja not_active Expired - Fee Related
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