JP3545956B2 - ポリエチレン−アミン、ピペラジンおよび脱アミン化されたビス−(p−アミノシクロヘキシル)メタンの混合物をベースとするポリアミドキュアリング剤 - Google Patents
ポリエチレン−アミン、ピペラジンおよび脱アミン化されたビス−(p−アミノシクロヘキシル)メタンの混合物をベースとするポリアミドキュアリング剤 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の分野】
本発明は接着剤製品を製造するのに有用な、エポキシ樹脂のためのポリアミド硬化剤に関する。
【0002】
【発明の背景】
周囲温度での硬化および熱硬化に応用するように企図された多くのエポキシ接着剤には、単独のあるいはいくつかの場合には他のキュアリング剤と組み合わされたポリアミドがキュアリング剤として使用される。ポリアミドは二量体酸を主成分とする重合された脂肪酸(ポリマー脂肪酸ともいう)およびポリエチレンアミンならびに、通常ただし必要に応じて、単量体脂肪酸の反応生成物からなる。ポリマー脂肪酸はある種の単量体脂肪酸、通常はトール油脂肪酸(TOFA)のオリゴマー化によって製造されるが、時には別な植物酸で代替される。商業的製品は一般にほとんど(>70%)が二量体からなり、残りは少量の(一般に5%より少ない)単量体脂肪酸とともに三量体および高級なオリゴマーからなる。ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、またはペンタエチレンヘキサミン(PEHA)のようなより高級な任意のポリエチレンアミンがポリアミドの製造に使用できるが、実際の商業的実施で最も普通に使用されるポリエチレンアミンはTETAである。
【0003】
ポリアミドが使用されるのはそれが、出発物質の脂肪族的性質によって付与される疎水性におそらく基づく優れた可撓性、接着性および耐水性を有する接着剤の処方を可能とするためである。それにもかかわらず、ポリアミドキュアリング剤のいくつかの特性は改善によって有利なものとなるであろう。
接着剤に応用するのに好適なポリアミドキュアリング剤は比較的大きな粘度を有する。多くの理由のため、接着剤中に使用されるエポキシ樹脂バインダーの粘度は低下させる必要がある。第1の理由には塗布の容易さおよび接着剤処方物中に使用される充填材の量を増大できる能力が含まれる。ポリアミドキュアリング剤の粘度を低下させるための試みには、低粘度ポリアミドキュアリング剤並びに低粘度可塑化剤および変性剤の使用が含まれる。しかしながらこれらの変改はこのような物質を用いる接着剤処方物の特性に悪影響を与える。
【0004】
US 2,450,940およびUS 2,705,223はともに、二量体化されたまたは重合された脂肪酸をエチレンジアミン(EDA)およびDETAのようなポリエチレンアミンと縮合することによる、エポキシ樹脂を硬化するのに有用なポリアミドの製造について記載している。
US 5,021,482は重合脂肪酸と、ポリアルキレンポリアミンおよびN−アミノアルキルピペラジン、望ましくはN−アミノエチルピペラジン(AEP)からなるアミンの混合物とからのポリアミドの製造について記載している。ポリアミドはPVCプラスチゾルのための接着促進剤として利用される。このような接着促進剤中のアミンの含有率が高いとこのようなプラスチゾルに施されるトップコート中で使用される酸触媒がそこなわれるので、この発明では約225より小さいアミン価を有するポリアミドの調製が指向されている。この低いアミン価を達成するために利用されるアミンの重量百分率は30%より少なく、望ましくは25%より少ない。US 5,021,482において製造されるまぜもののないポリアミドの粘度は報じられていないが、実施例1の生成物の粘度は、組成物中の重合された脂肪酸295gにつき1モルの水が失われると仮定すると、計算上の固形物がただの50%のとき25℃で8,880cpである。従ってこの生成物の粘度は極めて大きく、環境規制上の要求のため限定された量の溶媒しか最終的コーティング処方物中で利用できない現今のコーティングへの応用ではほとんど価値がない。
【0005】
CS 266519は、カルボン酸(平均分子量146〜150)を、20〜90%の脂肪族ポリアミンH2N(CH2CH2NHCH2CH2)1−4NH2と10〜80%の複素環ポリアミンH2N(CH2CH2NH)0−4CH2CH2Z(CH2CH2N)0−4Hからなるポリアミンと縮合することにより製造される極めて広汎な範囲のポリアミド樹脂を開示している。
【0006】
【発明の概要】
脂肪モノ−酸、二量体酸を主成分とする重合された脂肪酸、ポリエチレンアミンおよび、ピペラジンおよびN−アミノアルキルピペラジンからなる群から選択されるピペラジン環を含むポリアミンの反応生成物からなるポリアミド組成物中に、脱アミン化されたビス−(p−アミノシクロヘキシル)メタン組成物(DeAms)に配合すると、現有技術のポリアミドよりも粘度が著しく低くまた同等な接着性を有するエポキシ接着剤組成物となるポリアミドキュアリング剤組成物が生成する。さらにまた、このポリアミド/DeAms組成物をエポキシ接着剤をエポキシ接着剤組成物に配合すると現有技術のポリアミドより乾燥速度が大きくまた湿潤性が改良されている接着剤が得られる。
【0007】
【発明の詳述】
本発明で使用される脂肪モノ−酸は0〜約4単位の不飽和を含むC12〜C22のモノカル
ボン酸から主としてなるものである。このような脂肪酸は通常、天然産品のトリグリセリドから誘導される混合物であろう。ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの純粋な脂肪酸またはその混合物もまた、これらの脂肪酸のいずれかの様々なエステル特にグリセロールおよび脂肪酸のC1〜C4エステルおよびトリグリセリドエステルと同様に使用されることができる。同様に単量体酸としても知られるイソステアリン酸も有用である。単量体酸は、ポリマー脂肪酸の製造から得られるほとんどC18脂肪族のモノ−酸画分である。
好ましい脂肪酸はトール油脂肪酸および大豆脂肪酸である。最も好ましい脂肪酸はトール油脂肪酸である。
【0008】
「二量体化された」または「二量体」または「重合された」脂肪酸とは不飽和脂肪酸から得られる重合された酸(ポリマー脂肪酸)を一般にさす。これは1993年、ニューヨークのWiley刊のJ.I. Kroschwitz編、 Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology 第4版、第8巻、223〜237ページのT.E. Breuerの「Dimer Acids」中に一層詳細に記載されている。これは加圧下で脂肪酸を重合させそして未反応の脂肪モノ−酸のほとんどを蒸溜によって除去することにより製造される。最終的なポリマー脂肪酸生成物は通常、いくらかの脂肪モノ−酸、ほとんどの二量体酸、そして三量体酸およびより高級な酸からなる。ポリマー脂肪酸生成物は脂肪モノ−酸の水準が様々に制御されるように製造することができる。二量体酸の三量体酸およびより高級な酸に対する比率は処理条件および不飽和酸供給原料の如何によって変化しうる。ポリマー脂肪酸は例えば水素化によってさらに処理されてもよく、これによって生成物の不飽和度および色が減少する。本発明の目的にとって好適なのはモノ−酸含有率が0〜約26wt%であり、二量体酸含有率が約30〜97wt%であり、そして三量体酸および重合度のより高い重合体酸の含有率が約3〜70wt%であるポリマー脂肪酸である。しかしながら三量体酸の量が増加するにつれ、当業者に知られているように三量体酸およびより高級な脂肪酸のより大きな官能性によって生成物の分枝がより多くなりまた分子量が増加するので、最終製品を所望の粘度に保つためにポリアミンの量および/または脂肪モノ−酸の量を増加させることが必要となりうる。ポリマー脂肪酸のエステル、特にC1〜C4アルキルエステルもまた本発明で使用されてよい。
【0009】
好ましいポリマー脂肪酸は、TOFA、大豆脂肪酸、菜種油脂肪酸などのような供給元から得られる不飽和脂肪酸、オレイン酸およびリノール酸などから例えばつくられる、二量体酸が75%〜90%の範囲にある組成物であり、また最も好ましいものはEmpol 1018およびEmpol 1019ポリマー脂肪酸(Henkel Corp.)、Sylvadym T-18ポリマー脂肪酸(Arizona Chem.)およびUnidyme 18ポリマー脂肪酸(Union Camp)である。
【0010】
反応混合物中の脂肪モノ−酸のポリマー脂肪酸との当量比は約0.001:1〜約1:1、望ましくは0.05:1〜0.35:1そして最も望ましくは0.15:1〜0.25:1で変化してよい。酸の当量は当業者の熟知するようにアルコール性水酸化物で滴定することによって得ることができる。
脂肪モノ−酸は別個に添加されうる、反応混合物の必要な成分であるが、この必須的な脂肪モノ−酸成分は、ポリマー脂肪酸成分がそれの製造の結果としていくらかの出発時の脂肪モノ−酸を含むことが大いにありうるであろうから、ポリマー脂肪酸成分中に存在してよい。さらに、ポリマー脂肪酸は必要とする当量の脂肪モノ−酸を供給するように処理されてよく、あるいは場合によっては追加的な脂肪モノ−酸が添加されてよい。
【0011】
本発明を実施するのに使用されるポリエチレンアミンは構造:
【化1】
(式中、nは1〜約6の範囲の整数である)
をもつものである。nが2またはそれ以上である商業的なポリエチレンアミンは純粋な生成物ではなく、分枝した同族体および環式の同族体もかなりの割合含有する混合物であることは当業者によって理解されよう。ここで同族体とは同数の複素原子、この場合は窒素を含む化学種をさす。従ってTETAは上記に示したn=2である線状構造のもののみならず、分枝した異性体:
【化2】
および以下の二つの環式同族体:
【化3】
を含む。
【0012】
ポリエチレンアミンの混合物も同様に使用することができる。ポリエチレンアミンの例にはDETA、TETA、TEPA、PEHAおよび高級なポリエチレンアミンがある。好ましいポリエチレンアミンは、TETAおよびTEPAである。
ピペラジン環を含む好適なポリアミンはピペラジンおよびアルキル鎖がC2〜C6アルキル鎖であるN−アミノアルキルピペラジンからなる。ピペラジン環を含む好ましいポリアミンはピペラジンおよびAEPである。AEPとカルボン酸との縮合は、第1級アミンに対して選択的に起き、エポキシ樹脂との反応のための活性水素をただ一つ残存させる。もしもピペラジンがカルボン酸とそのただ一つの末端で反応すると、同様にエポキシ樹脂との反応のための活性水素をただ一つ残存させる。このようにして、最終的ポリアミドの当量が増大し、高粘度のエポキシ樹脂とともに処方される場合、粘度が減少するという好ましい結果が生まれる。
【0013】
ピペラジン環を含むポリアミンとポリエチレンアミンとのモル比もまた本発明を実施するのに極めて重要である。上記から明らかなように、この比は最終的生成物のアミン水素当量(AHEW)に対してかなりの影響を及ぼす。凝縮を起こす湿度へ曝露された後の冷間圧延鋼(CRS)の基材への接着はピペラジン環を含むポリアミンをポリアミド組成物中に含ませることにより改善されることもまた確かめられている。ピペラジン環を含むポリアミンとポリエチレン−アミンとのモル比は約0.1:1〜約1:1、望ましくは0.3:1〜0.8:1の範囲ありうる。
【0014】
ポリアミン(ピペラジン環を含むポリアミンを含めて)の全体のモル数と酸の当量との比は得られるポリアミドの特性を決めるのに極めて重要なパラメータである。このパラメータは生成されるポリアミドの分子量、従って粘度に対して大きな影響を及ぼすであろう。実際、酸に対してアミンが十分に過剰でないならば、組成物は全体としてゲル化しうる。さらにまた、この比は最終生成物のAHEWにも影響を与え、また縮合反応の完結の後に存在する未反応のポリアミンの量に影響を及ぼす。ポリアミンのモル数と酸の当量との好適な比は約0.6:1〜約1.2:1、望ましくは0.9:1〜1.15:1の範囲にある。
所望ならば、この組成物は追加的なポリエチレンアミンまたは技術上知られた他のポリアミンを含ませることによって場合によっては変性することができる。
【0015】
本発明で使用されるポリアミドは当業者にとって知られた任意の数のプロセスによって製造されることができる。通常、アミンと酸とは凡そ室温から約100℃の範囲の温度で一緒にされる。次いで、反応混合物から水が縮合されるにつれ温度を上昇するように加熱が行われる。所望のイミダゾリン含有率およびアミド含有率を有する生成物を与える特定の量の水が除去されるまで加熱が通常続行される。場合によっては、特に工程の最後の段階において、混合物から水を除去するのを助けるために真空をかけることができる。特に、真空条件下で問題となりうる発泡を低減するためにポリアミド組成物に少量の消泡剤が添加されてよい。好適な消泡剤には、コポリマー組成の一部として2−エチルヘキシルアクリレートを含む種々のアクリルコポリマー、種々のポリシロキサンコポリマーなどがある。
【0016】
本発明のポリアミド/DeAms組成物中で使用されるポリアミド組成物を製造する別な方法は、上記したポリアミド組成物にとって必要な成分を使用して一つまたはそれ以上の生成物を別々につくり、次いでこの別個につくった生成物をおそらくは成分のいくつかと配合することにより、脂肪モノ−酸とポリマー脂肪酸との当量比、ピペラジン環を含むポリアミンとポリエチレンアミンとのモル比、そしてポリアミンの全体のモル数と酸の当量との比に関して前記に示した指針に合格する最終的混合物をつくることである。
【0017】
個々の成分を様々に反応することにより、例えば以下の反応生成物をつくることができよう:
・ポリエチレンアミンおよび二量体酸を主成分とする重合された脂肪酸;
・ピペラジンを含むポリアミンおよび二量体酸を主成分とする重合された脂肪酸;
・ピペラジンを含むポリアミンおよび脂肪モノ−酸;
・ポリエチレンアミンおよび脂肪モノ−酸;
・ポリエチレンアミン、ピペラジンを含むポリアミンおよび二量体酸を主成分とする重合された脂肪酸;
・ポリエチレンアミン、ピペラジンを含むポリアミンおよび脂肪モノ−酸;
・ポリエチレンアミン、ピペラジンを含むポリアミン、二量体酸を主成分とする重合された脂肪酸;および脂肪モノ−酸;
・ポリエチレンアミン、二量体酸を主成分とする重合された脂肪酸および脂肪モノ−酸;そして
・ピペラジンを含むポリアミン、二量体酸を主成分とする重合された脂肪酸および脂肪モノ−酸。
【0018】
これらの反応生成物は次いで一つまたはそれ以上の個々の成分を添加しあるいは添加せずにある範囲内で配合されて、本発明の範囲内にある組成物がつくられる。本発明で使用される上記したポリアミドの製造方法は、さらに配合される上記に示した反応生成物を製造するためにも用いることができる。
【0019】
上記のポリアミド組成物中に配合されるDeAms成分は、4−(メチルシクロヘキシル)シクロヘキシルアミン化合物を含む脱アミン化されたビス−(p−アミノシクロヘキシル)メタン組成物であり、この化合物は参照によって本明細書に加入されたUS 3,981,766中の開示に従って製造することができる。DeAmsはビス−(p−アミノシクロヘキシル)メタン(PACM)の製造するための貴金属触媒上でのメタンジアニリン(MDA)の水素化で副生物として製造することもでき、またPACMの精製からの蒸溜の前蒸溜分から得ることができる。DeAmsの蒸溜の留分は典型的にはアミン含有物質の複雑な混合物、例えば25〜40wt%の4−(メチルシクロヘキシル)シクロヘキシルアミン、30〜45wt%のPACMおよび15〜25wt%のパーヒドロジベンゾピリジンである。以下の諸実施例で使用されるDeAms組成物は蒸溜留分でありまた表Aに示す物質(ガスクロマトグラフィーによって決定された)からなる。
【0020】
【表1】
【0021】
本発明で使用されるDeAmsの量はポリアミド組成物の量に基づき2〜40wt%、望ましくは10〜25wt%である。
本発明の接着剤組成物をつくるために、ポリアミド/DeAms硬化剤組成物は1分子あたり一つより多くの1,2−エポキシ基を含むポリエポキシ化合物であるエポキシ樹脂と一緒にされる。このようなエポキシドはエポキシコーティング技術で十分知られておりまた、C.A. May編のEpoxy Resins Chemistry and Technology(Marcel Dekker, 1988)中のY. Tanakaの「Synthesis and Characteristics of Epoxides」に記載されている。実施例にはUS 5,599,855の5/6〜6/20欄に開示されている。好ましいポリエポキシ化合物は、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびビスフェノール下のジグリシジルエーテル、そしてDGEBAまたはDEGBFとBisphenol−Aの延長されたジグリシジルエーテルまたはエポキシノボラック樹脂のいずれかとのブレンドである。
【0022】
接着剤組成物を製造するために好適なエポキシ樹脂にはDER 331樹脂(Dow Chemical Co.)およびEpon 828樹脂(ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、EEW=190;Shell Chemical Co.)がある。接着剤エポキシ組成物のための一般的な処方物は以下の成分(重量部)からなるであろう。
【0023】
【表2】
【0024】
接着性を改善するために変性剤が、粘度を低下するために稀釈剤が、性能特性を変化させるために別なアミンを、硬化速度を増加するために促進剤をそしてペースト型の稠度を与えまた費用を減少するために充填剤が使用される。
本発明で使用するポリアミド/DeAmsの所与の処方物の粘度を官能性が1より大きいエポキシ樹脂を用いて低下させるために、1官能性エポキシドおよび/または2官能性エポキシドを少量用いて変性されてよい。このようにして粘度がさらに低下され、このことはある場合、例えば施用を容易にしつつ処方物中の充填剤の水準を増加するためあるいは分子量がより大きいエポキシ樹脂の使用を可能とするために有利であろう。有用なモノエポキシドの例にはスチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、そしてフェノール、クレゾール、第三−ブチルフェノールおよび他のアルキルフェノール、ブタノール、2−エチルヘキサノールおよびC8〜C14アルコールなどそれぞれのグリシジルエーテルがある。
【0025】
DeAmsおよびポリアミドからなる本発明のエポキシキュアリング剤組成物はエポキシ基とアミン水素との化学量論比を約1.5:1〜約1:1.5の範囲にしてエポキシ樹脂を用いて通常処方されるであろう。一層好ましいのは1.2:1〜1:1.2の範囲にありまた最も好ましいのは1.1:1〜1:1.1である。
いくつかの場合、本発明のポリアミドおよびDeAmsをベースとする処方物中でのエポキシ−アミンキュアリング反応のためにいわゆる促進剤を含ませるのが有利であろう。このような促進剤はニューヨークのMcGraw−Hill, 1967年刊、H. LeeおよびK. Nevill著の「Handbook of Epoxy Resins」中に記載されている。好適な促進剤には種々の酸、アルコール、フェノール、第3級アミン、ヒドロキシルアミンなどがある。特に有用な促進剤にはベンジルアルコール、フェノール、アルキル置換フェノール例えばノニルフェノール、オクチルフェノール、t−ブチルフェノール、クレゾールなど、ビスフェノール−A、サリシル酸、ジメチルアミノメチルフェノール、ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、およびトリス(ジメチルアミノメチル)フェノールがある。このような促進剤は通常、バインダーの全重量に基づき10%またはそれ以下、そして一層普通には5%より少ない水準で使用される。
【0026】
いくつかの場合、エポキシ−アミン網状構造のために可塑化剤を配合させるのが有利であろう。このことは、このような可塑化剤が存在しないと、耐溶媒性および耐化学薬品性および引張強度のようないくつかの要求を充足するのに必要な反応度に到達する以前に、組成物のガラス転移温度、Tgが周囲温度を著しく越える場合に特に役立つ。このような可塑化剤は当業者によって周知であり、またニューヨークのWiley、 1996年刊、 J.I. Kroschwitz編のKirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Tachnology, 第4版、第19巻の258〜290ページのD.F. CadoganおよびC.J. Howickの著の「Plasticizers」中に一層詳細に記載されている。特に有用な可塑化剤にはベンジルアルコール、ノニルフェノールおよびフタル酸の種々のエステルがある。エステル可塑化剤はアミンキュアリング剤との反応を最少にするためにエポキシ樹脂と同じ包装として通常含められる。
【0027】
本発明のポリアミド/DeAmsのキュアリング剤とエポキシ樹脂とからなる接着剤組成物は、溶媒、充填剤、顔料、顔料分散剤、レオロジー変性剤、チクソトロープ、流動および平坦体の助剤、消泡剤などを含めコーティング処方物の技術に熟達する者にとって周知の広汎な種類の成分を用いて処方されることができる。バインダー成分の溶解度を維持しつつ系の蒸発速度プロフィルを最良にするようにしばしば溶媒の混合物が選択されるであろう。好適な溶媒には芳香族、脂肪族、エステル、ケトン、エーテル、アルコール、グリコール、グリコールエーテルなどが含まれる。処方物中で特に有用なのは、乾燥速度をほとんどまたは全く犠牲にすることなくポットライフを改善するために使用できる、ある水準のケトン例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアシルケトン、メチルプロピルケトン、メチルアシルケトン、ジアセトンアルコールなどである。処方物中にエステル溶媒を含める場合、これらのアミンキュアリング剤との反応を最少にするために、エポキシ樹脂の入ったパッケージ中にこれを処方するのが通常必要である。
【0028】
本発明の接着剤は計器混合施用、噴霧、ブラシ、ローラー、ペイントミットなどを含めた任意の数の技術によって施すことができる。技術上十分に理解されているように、表面の適切な準備のもとに多数の基材が接着剤を施すのに好適である。このような基材には多種類の金属、特に鋼およびアルミニウム、ならびにコンクリートウッドおよびPVCが含まれるが、これらに限られはしない。
本発明の接着剤は約0°から約50℃の範囲の周囲温度で施されそして硬化されることができ、10℃〜40℃の温度が好ましい。所望ならこの接着剤は100℃またはそれ以上までの温度で強制的に硬化されてもよい。
【0029】
【実施例】
実施例1〜4
これらの実施例は本発明を実施するのに好適なポリアミドの製造を示す。
表1に記載する反応体を機械的撹拌機、温度計、Dean−Stark溜出物収集装置、窒素パージ管および加熱マントルを備えた1000mlの4つ口丸底フラスコに装入した。反応体を混合すると、採用する反応体比に基づいて60〜100℃の範囲の発熱が認められた。次いで反応混合物をゆっくりと加熱して縮合反応からの水を溜出して除去した。約160℃で水が反応混合物から溜出しだした。反応混合物の温度が250℃に達するまで加熱を続けた。この時点で加熱を停止しそして反応混合物を室温まで冷却しそして生成物を収集した。生成物の収率そして算出したアミン水素当量および生成物の粘度を表1に示す。以下の式を用いてアミン水素当量(AHEW)を算出した:
【0030】
【数1】
ただしここでイミダゾリンの当量とは生成する水のモル数からアミドのための水の理論的モル数を差し引いたものである。
【0031】
実施例5
本実施例は実施例1〜4の手順とは対照的な、本発明を実施するために好適なポリアミド混合物を製造する別法を示し、この場合すべての反応体を一緒に混ぜて反応した。この例では別個につくった二つのポリアミド反応生成物を配合した。
A.反応体である1110gのトール油脂肪酸(TOFA)および503gのアミノエチルピペラジン(AEP)を実施例1〜4と同様に装備した2000mlの4つ口の丸底フラスコに装入した。反応体を混合すると発熱が認められ、反応温度が120℃まで上昇した。次いで反応混合物をゆっくりと加熱して縮合反応からの水を溜出して除去した。約160℃で水が反応混合物から溜出しだした。反応混合物の温度が207℃に達するまで加熱を続けた。この温度で反応混合物は2.4mg KOH/gの酸価を有した。この時までに80.38gの水が収集された。加熱を停止しそして反応混合物を室温まで冷却した。収集したポリアミド生成物は重量が1531.5gであり、Gardnerカラー9、遊離AEP含有率3.07wt%、25℃での粘度404cpおよびAHEW 340を有した。
【0032】
B.反応体である41gのトール油脂肪酸(TOFA)、643gのポリマー脂肪酸および316gのトリエチレンテトラミン(TETA)を実施例1〜4と同様に装備した2
000mlの4つ口の丸底フラスコに装入した。反応体を混合すると発熱が認められ、反応温度が120℃まで上昇した。次いで反応混合物をゆっくりと加熱して縮合反応からの水を溜出して除去した。約160℃で水が反応混合物から溜出しだした。反応混合物の温度が200℃に達するまで加熱を続けたがこの時点で圧力は−27インチ(75ミリ)Hgまで低下した。反応混合物のイミダゾリンとアミドの比(IR比)が1.5に達するまで加熱を続けた。(IR比は百分率透過モードを用いる赤外線スペクトロスコピーによって決定しまた一般にIR比として記録する。イミダゾリン帯域の1600cm-1におけるピークの高さをアミドIの帯域の1670cm-1におけるピークの高さで除するとIR比が決まる)。加熱を停止しそして反応混合物を室温まで冷却した。収集したポリアミド生成物は重量が941.5gであり、Gardnerカラー7、25℃での粘度38,000cpおよびAHEW 120を有した。
5Aおよび5Bの反応生成物をそれぞれが25:75の重量比で一緒に混ぜて、表1で実施例5として示す組み合わせを得た。
【0033】
【表3】
【0034】
実施例6〜11
表2に示す重量を用い、実施例1〜4でつくったポリアミド組成物をDeAms(AHEW−74)と重量/重量比 82/18で混合しそして実施例5のそれをDeAmsと重量/重量比 80/20で混合した。混合物を1時間撹拌して混合を完全にした。得られる生成物は表2に示す粘度とAHEWとを有した。実施例11(対照物)は接着剤の施用で使用される標準的ポリアミド(Ancamide350Aキュアリング剤)の粘度を示す。
【0035】
【表4】
【0036】
実施例12〜17
実施例6〜10でつくったキュアリング剤配合物および実施例11の対照用のキュアリング剤を充填剤と一緒にしてキュアリング剤の部分をつくった。さらに、ビス−フェノールA(Epon 828樹脂)と充填剤とを一緒にしてエポキシの部分をつくった。それぞれ化学量論的な量のキュアリング剤部分をエポキシ部分と混合しそして、燐酸塩処理した冷間圧延鋼への接着について試験した。表3は処方および剪断強度および剥離強度としての結果を示す。剪断試験および剥離試験はASTM D−1002およびASTM D−1876に記載の方式に従って実施した。
表3のデータは実施例6〜10でつくったキュアリング剤配合物を使用する実施例12〜16の接着剤組成物が、実施例6〜10でつくったキュアリング剤配合物より著しく大きい粘度を有する標準的なポリアミドキュアリング剤を使用する対照物(実施例17)と同等であるかより良い性能をそれぞれ示したことを表す。
【0037】
【表5】
【0038】
【工業的応用に関する説明】
本発明はエポキシ樹脂接着剤組成物のためのポリアミド/DeAmsキュアリング剤を提供する。
【発明の分野】
本発明は接着剤製品を製造するのに有用な、エポキシ樹脂のためのポリアミド硬化剤に関する。
【0002】
【発明の背景】
周囲温度での硬化および熱硬化に応用するように企図された多くのエポキシ接着剤には、単独のあるいはいくつかの場合には他のキュアリング剤と組み合わされたポリアミドがキュアリング剤として使用される。ポリアミドは二量体酸を主成分とする重合された脂肪酸(ポリマー脂肪酸ともいう)およびポリエチレンアミンならびに、通常ただし必要に応じて、単量体脂肪酸の反応生成物からなる。ポリマー脂肪酸はある種の単量体脂肪酸、通常はトール油脂肪酸(TOFA)のオリゴマー化によって製造されるが、時には別な植物酸で代替される。商業的製品は一般にほとんど(>70%)が二量体からなり、残りは少量の(一般に5%より少ない)単量体脂肪酸とともに三量体および高級なオリゴマーからなる。ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、またはペンタエチレンヘキサミン(PEHA)のようなより高級な任意のポリエチレンアミンがポリアミドの製造に使用できるが、実際の商業的実施で最も普通に使用されるポリエチレンアミンはTETAである。
【0003】
ポリアミドが使用されるのはそれが、出発物質の脂肪族的性質によって付与される疎水性におそらく基づく優れた可撓性、接着性および耐水性を有する接着剤の処方を可能とするためである。それにもかかわらず、ポリアミドキュアリング剤のいくつかの特性は改善によって有利なものとなるであろう。
接着剤に応用するのに好適なポリアミドキュアリング剤は比較的大きな粘度を有する。多くの理由のため、接着剤中に使用されるエポキシ樹脂バインダーの粘度は低下させる必要がある。第1の理由には塗布の容易さおよび接着剤処方物中に使用される充填材の量を増大できる能力が含まれる。ポリアミドキュアリング剤の粘度を低下させるための試みには、低粘度ポリアミドキュアリング剤並びに低粘度可塑化剤および変性剤の使用が含まれる。しかしながらこれらの変改はこのような物質を用いる接着剤処方物の特性に悪影響を与える。
【0004】
US 2,450,940およびUS 2,705,223はともに、二量体化されたまたは重合された脂肪酸をエチレンジアミン(EDA)およびDETAのようなポリエチレンアミンと縮合することによる、エポキシ樹脂を硬化するのに有用なポリアミドの製造について記載している。
US 5,021,482は重合脂肪酸と、ポリアルキレンポリアミンおよびN−アミノアルキルピペラジン、望ましくはN−アミノエチルピペラジン(AEP)からなるアミンの混合物とからのポリアミドの製造について記載している。ポリアミドはPVCプラスチゾルのための接着促進剤として利用される。このような接着促進剤中のアミンの含有率が高いとこのようなプラスチゾルに施されるトップコート中で使用される酸触媒がそこなわれるので、この発明では約225より小さいアミン価を有するポリアミドの調製が指向されている。この低いアミン価を達成するために利用されるアミンの重量百分率は30%より少なく、望ましくは25%より少ない。US 5,021,482において製造されるまぜもののないポリアミドの粘度は報じられていないが、実施例1の生成物の粘度は、組成物中の重合された脂肪酸295gにつき1モルの水が失われると仮定すると、計算上の固形物がただの50%のとき25℃で8,880cpである。従ってこの生成物の粘度は極めて大きく、環境規制上の要求のため限定された量の溶媒しか最終的コーティング処方物中で利用できない現今のコーティングへの応用ではほとんど価値がない。
【0005】
CS 266519は、カルボン酸(平均分子量146〜150)を、20〜90%の脂肪族ポリアミンH2N(CH2CH2NHCH2CH2)1−4NH2と10〜80%の複素環ポリアミンH2N(CH2CH2NH)0−4CH2CH2Z(CH2CH2N)0−4Hからなるポリアミンと縮合することにより製造される極めて広汎な範囲のポリアミド樹脂を開示している。
【0006】
【発明の概要】
脂肪モノ−酸、二量体酸を主成分とする重合された脂肪酸、ポリエチレンアミンおよび、ピペラジンおよびN−アミノアルキルピペラジンからなる群から選択されるピペラジン環を含むポリアミンの反応生成物からなるポリアミド組成物中に、脱アミン化されたビス−(p−アミノシクロヘキシル)メタン組成物(DeAms)に配合すると、現有技術のポリアミドよりも粘度が著しく低くまた同等な接着性を有するエポキシ接着剤組成物となるポリアミドキュアリング剤組成物が生成する。さらにまた、このポリアミド/DeAms組成物をエポキシ接着剤をエポキシ接着剤組成物に配合すると現有技術のポリアミドより乾燥速度が大きくまた湿潤性が改良されている接着剤が得られる。
【0007】
【発明の詳述】
本発明で使用される脂肪モノ−酸は0〜約4単位の不飽和を含むC12〜C22のモノカル
ボン酸から主としてなるものである。このような脂肪酸は通常、天然産品のトリグリセリドから誘導される混合物であろう。ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの純粋な脂肪酸またはその混合物もまた、これらの脂肪酸のいずれかの様々なエステル特にグリセロールおよび脂肪酸のC1〜C4エステルおよびトリグリセリドエステルと同様に使用されることができる。同様に単量体酸としても知られるイソステアリン酸も有用である。単量体酸は、ポリマー脂肪酸の製造から得られるほとんどC18脂肪族のモノ−酸画分である。
好ましい脂肪酸はトール油脂肪酸および大豆脂肪酸である。最も好ましい脂肪酸はトール油脂肪酸である。
【0008】
「二量体化された」または「二量体」または「重合された」脂肪酸とは不飽和脂肪酸から得られる重合された酸(ポリマー脂肪酸)を一般にさす。これは1993年、ニューヨークのWiley刊のJ.I. Kroschwitz編、 Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology 第4版、第8巻、223〜237ページのT.E. Breuerの「Dimer Acids」中に一層詳細に記載されている。これは加圧下で脂肪酸を重合させそして未反応の脂肪モノ−酸のほとんどを蒸溜によって除去することにより製造される。最終的なポリマー脂肪酸生成物は通常、いくらかの脂肪モノ−酸、ほとんどの二量体酸、そして三量体酸およびより高級な酸からなる。ポリマー脂肪酸生成物は脂肪モノ−酸の水準が様々に制御されるように製造することができる。二量体酸の三量体酸およびより高級な酸に対する比率は処理条件および不飽和酸供給原料の如何によって変化しうる。ポリマー脂肪酸は例えば水素化によってさらに処理されてもよく、これによって生成物の不飽和度および色が減少する。本発明の目的にとって好適なのはモノ−酸含有率が0〜約26wt%であり、二量体酸含有率が約30〜97wt%であり、そして三量体酸および重合度のより高い重合体酸の含有率が約3〜70wt%であるポリマー脂肪酸である。しかしながら三量体酸の量が増加するにつれ、当業者に知られているように三量体酸およびより高級な脂肪酸のより大きな官能性によって生成物の分枝がより多くなりまた分子量が増加するので、最終製品を所望の粘度に保つためにポリアミンの量および/または脂肪モノ−酸の量を増加させることが必要となりうる。ポリマー脂肪酸のエステル、特にC1〜C4アルキルエステルもまた本発明で使用されてよい。
【0009】
好ましいポリマー脂肪酸は、TOFA、大豆脂肪酸、菜種油脂肪酸などのような供給元から得られる不飽和脂肪酸、オレイン酸およびリノール酸などから例えばつくられる、二量体酸が75%〜90%の範囲にある組成物であり、また最も好ましいものはEmpol 1018およびEmpol 1019ポリマー脂肪酸(Henkel Corp.)、Sylvadym T-18ポリマー脂肪酸(Arizona Chem.)およびUnidyme 18ポリマー脂肪酸(Union Camp)である。
【0010】
反応混合物中の脂肪モノ−酸のポリマー脂肪酸との当量比は約0.001:1〜約1:1、望ましくは0.05:1〜0.35:1そして最も望ましくは0.15:1〜0.25:1で変化してよい。酸の当量は当業者の熟知するようにアルコール性水酸化物で滴定することによって得ることができる。
脂肪モノ−酸は別個に添加されうる、反応混合物の必要な成分であるが、この必須的な脂肪モノ−酸成分は、ポリマー脂肪酸成分がそれの製造の結果としていくらかの出発時の脂肪モノ−酸を含むことが大いにありうるであろうから、ポリマー脂肪酸成分中に存在してよい。さらに、ポリマー脂肪酸は必要とする当量の脂肪モノ−酸を供給するように処理されてよく、あるいは場合によっては追加的な脂肪モノ−酸が添加されてよい。
【0011】
本発明を実施するのに使用されるポリエチレンアミンは構造:
【化1】
(式中、nは1〜約6の範囲の整数である)
をもつものである。nが2またはそれ以上である商業的なポリエチレンアミンは純粋な生成物ではなく、分枝した同族体および環式の同族体もかなりの割合含有する混合物であることは当業者によって理解されよう。ここで同族体とは同数の複素原子、この場合は窒素を含む化学種をさす。従ってTETAは上記に示したn=2である線状構造のもののみならず、分枝した異性体:
【化2】
および以下の二つの環式同族体:
【化3】
を含む。
【0012】
ポリエチレンアミンの混合物も同様に使用することができる。ポリエチレンアミンの例にはDETA、TETA、TEPA、PEHAおよび高級なポリエチレンアミンがある。好ましいポリエチレンアミンは、TETAおよびTEPAである。
ピペラジン環を含む好適なポリアミンはピペラジンおよびアルキル鎖がC2〜C6アルキル鎖であるN−アミノアルキルピペラジンからなる。ピペラジン環を含む好ましいポリアミンはピペラジンおよびAEPである。AEPとカルボン酸との縮合は、第1級アミンに対して選択的に起き、エポキシ樹脂との反応のための活性水素をただ一つ残存させる。もしもピペラジンがカルボン酸とそのただ一つの末端で反応すると、同様にエポキシ樹脂との反応のための活性水素をただ一つ残存させる。このようにして、最終的ポリアミドの当量が増大し、高粘度のエポキシ樹脂とともに処方される場合、粘度が減少するという好ましい結果が生まれる。
【0013】
ピペラジン環を含むポリアミンとポリエチレンアミンとのモル比もまた本発明を実施するのに極めて重要である。上記から明らかなように、この比は最終的生成物のアミン水素当量(AHEW)に対してかなりの影響を及ぼす。凝縮を起こす湿度へ曝露された後の冷間圧延鋼(CRS)の基材への接着はピペラジン環を含むポリアミンをポリアミド組成物中に含ませることにより改善されることもまた確かめられている。ピペラジン環を含むポリアミンとポリエチレン−アミンとのモル比は約0.1:1〜約1:1、望ましくは0.3:1〜0.8:1の範囲ありうる。
【0014】
ポリアミン(ピペラジン環を含むポリアミンを含めて)の全体のモル数と酸の当量との比は得られるポリアミドの特性を決めるのに極めて重要なパラメータである。このパラメータは生成されるポリアミドの分子量、従って粘度に対して大きな影響を及ぼすであろう。実際、酸に対してアミンが十分に過剰でないならば、組成物は全体としてゲル化しうる。さらにまた、この比は最終生成物のAHEWにも影響を与え、また縮合反応の完結の後に存在する未反応のポリアミンの量に影響を及ぼす。ポリアミンのモル数と酸の当量との好適な比は約0.6:1〜約1.2:1、望ましくは0.9:1〜1.15:1の範囲にある。
所望ならば、この組成物は追加的なポリエチレンアミンまたは技術上知られた他のポリアミンを含ませることによって場合によっては変性することができる。
【0015】
本発明で使用されるポリアミドは当業者にとって知られた任意の数のプロセスによって製造されることができる。通常、アミンと酸とは凡そ室温から約100℃の範囲の温度で一緒にされる。次いで、反応混合物から水が縮合されるにつれ温度を上昇するように加熱が行われる。所望のイミダゾリン含有率およびアミド含有率を有する生成物を与える特定の量の水が除去されるまで加熱が通常続行される。場合によっては、特に工程の最後の段階において、混合物から水を除去するのを助けるために真空をかけることができる。特に、真空条件下で問題となりうる発泡を低減するためにポリアミド組成物に少量の消泡剤が添加されてよい。好適な消泡剤には、コポリマー組成の一部として2−エチルヘキシルアクリレートを含む種々のアクリルコポリマー、種々のポリシロキサンコポリマーなどがある。
【0016】
本発明のポリアミド/DeAms組成物中で使用されるポリアミド組成物を製造する別な方法は、上記したポリアミド組成物にとって必要な成分を使用して一つまたはそれ以上の生成物を別々につくり、次いでこの別個につくった生成物をおそらくは成分のいくつかと配合することにより、脂肪モノ−酸とポリマー脂肪酸との当量比、ピペラジン環を含むポリアミンとポリエチレンアミンとのモル比、そしてポリアミンの全体のモル数と酸の当量との比に関して前記に示した指針に合格する最終的混合物をつくることである。
【0017】
個々の成分を様々に反応することにより、例えば以下の反応生成物をつくることができよう:
・ポリエチレンアミンおよび二量体酸を主成分とする重合された脂肪酸;
・ピペラジンを含むポリアミンおよび二量体酸を主成分とする重合された脂肪酸;
・ピペラジンを含むポリアミンおよび脂肪モノ−酸;
・ポリエチレンアミンおよび脂肪モノ−酸;
・ポリエチレンアミン、ピペラジンを含むポリアミンおよび二量体酸を主成分とする重合された脂肪酸;
・ポリエチレンアミン、ピペラジンを含むポリアミンおよび脂肪モノ−酸;
・ポリエチレンアミン、ピペラジンを含むポリアミン、二量体酸を主成分とする重合された脂肪酸;および脂肪モノ−酸;
・ポリエチレンアミン、二量体酸を主成分とする重合された脂肪酸および脂肪モノ−酸;そして
・ピペラジンを含むポリアミン、二量体酸を主成分とする重合された脂肪酸および脂肪モノ−酸。
【0018】
これらの反応生成物は次いで一つまたはそれ以上の個々の成分を添加しあるいは添加せずにある範囲内で配合されて、本発明の範囲内にある組成物がつくられる。本発明で使用される上記したポリアミドの製造方法は、さらに配合される上記に示した反応生成物を製造するためにも用いることができる。
【0019】
上記のポリアミド組成物中に配合されるDeAms成分は、4−(メチルシクロヘキシル)シクロヘキシルアミン化合物を含む脱アミン化されたビス−(p−アミノシクロヘキシル)メタン組成物であり、この化合物は参照によって本明細書に加入されたUS 3,981,766中の開示に従って製造することができる。DeAmsはビス−(p−アミノシクロヘキシル)メタン(PACM)の製造するための貴金属触媒上でのメタンジアニリン(MDA)の水素化で副生物として製造することもでき、またPACMの精製からの蒸溜の前蒸溜分から得ることができる。DeAmsの蒸溜の留分は典型的にはアミン含有物質の複雑な混合物、例えば25〜40wt%の4−(メチルシクロヘキシル)シクロヘキシルアミン、30〜45wt%のPACMおよび15〜25wt%のパーヒドロジベンゾピリジンである。以下の諸実施例で使用されるDeAms組成物は蒸溜留分でありまた表Aに示す物質(ガスクロマトグラフィーによって決定された)からなる。
【0020】
【表1】
【0021】
本発明で使用されるDeAmsの量はポリアミド組成物の量に基づき2〜40wt%、望ましくは10〜25wt%である。
本発明の接着剤組成物をつくるために、ポリアミド/DeAms硬化剤組成物は1分子あたり一つより多くの1,2−エポキシ基を含むポリエポキシ化合物であるエポキシ樹脂と一緒にされる。このようなエポキシドはエポキシコーティング技術で十分知られておりまた、C.A. May編のEpoxy Resins Chemistry and Technology(Marcel Dekker, 1988)中のY. Tanakaの「Synthesis and Characteristics of Epoxides」に記載されている。実施例にはUS 5,599,855の5/6〜6/20欄に開示されている。好ましいポリエポキシ化合物は、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびビスフェノール下のジグリシジルエーテル、そしてDGEBAまたはDEGBFとBisphenol−Aの延長されたジグリシジルエーテルまたはエポキシノボラック樹脂のいずれかとのブレンドである。
【0022】
接着剤組成物を製造するために好適なエポキシ樹脂にはDER 331樹脂(Dow Chemical Co.)およびEpon 828樹脂(ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、EEW=190;Shell Chemical Co.)がある。接着剤エポキシ組成物のための一般的な処方物は以下の成分(重量部)からなるであろう。
【0023】
【表2】
【0024】
接着性を改善するために変性剤が、粘度を低下するために稀釈剤が、性能特性を変化させるために別なアミンを、硬化速度を増加するために促進剤をそしてペースト型の稠度を与えまた費用を減少するために充填剤が使用される。
本発明で使用するポリアミド/DeAmsの所与の処方物の粘度を官能性が1より大きいエポキシ樹脂を用いて低下させるために、1官能性エポキシドおよび/または2官能性エポキシドを少量用いて変性されてよい。このようにして粘度がさらに低下され、このことはある場合、例えば施用を容易にしつつ処方物中の充填剤の水準を増加するためあるいは分子量がより大きいエポキシ樹脂の使用を可能とするために有利であろう。有用なモノエポキシドの例にはスチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、そしてフェノール、クレゾール、第三−ブチルフェノールおよび他のアルキルフェノール、ブタノール、2−エチルヘキサノールおよびC8〜C14アルコールなどそれぞれのグリシジルエーテルがある。
【0025】
DeAmsおよびポリアミドからなる本発明のエポキシキュアリング剤組成物はエポキシ基とアミン水素との化学量論比を約1.5:1〜約1:1.5の範囲にしてエポキシ樹脂を用いて通常処方されるであろう。一層好ましいのは1.2:1〜1:1.2の範囲にありまた最も好ましいのは1.1:1〜1:1.1である。
いくつかの場合、本発明のポリアミドおよびDeAmsをベースとする処方物中でのエポキシ−アミンキュアリング反応のためにいわゆる促進剤を含ませるのが有利であろう。このような促進剤はニューヨークのMcGraw−Hill, 1967年刊、H. LeeおよびK. Nevill著の「Handbook of Epoxy Resins」中に記載されている。好適な促進剤には種々の酸、アルコール、フェノール、第3級アミン、ヒドロキシルアミンなどがある。特に有用な促進剤にはベンジルアルコール、フェノール、アルキル置換フェノール例えばノニルフェノール、オクチルフェノール、t−ブチルフェノール、クレゾールなど、ビスフェノール−A、サリシル酸、ジメチルアミノメチルフェノール、ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、およびトリス(ジメチルアミノメチル)フェノールがある。このような促進剤は通常、バインダーの全重量に基づき10%またはそれ以下、そして一層普通には5%より少ない水準で使用される。
【0026】
いくつかの場合、エポキシ−アミン網状構造のために可塑化剤を配合させるのが有利であろう。このことは、このような可塑化剤が存在しないと、耐溶媒性および耐化学薬品性および引張強度のようないくつかの要求を充足するのに必要な反応度に到達する以前に、組成物のガラス転移温度、Tgが周囲温度を著しく越える場合に特に役立つ。このような可塑化剤は当業者によって周知であり、またニューヨークのWiley、 1996年刊、 J.I. Kroschwitz編のKirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Tachnology, 第4版、第19巻の258〜290ページのD.F. CadoganおよびC.J. Howickの著の「Plasticizers」中に一層詳細に記載されている。特に有用な可塑化剤にはベンジルアルコール、ノニルフェノールおよびフタル酸の種々のエステルがある。エステル可塑化剤はアミンキュアリング剤との反応を最少にするためにエポキシ樹脂と同じ包装として通常含められる。
【0027】
本発明のポリアミド/DeAmsのキュアリング剤とエポキシ樹脂とからなる接着剤組成物は、溶媒、充填剤、顔料、顔料分散剤、レオロジー変性剤、チクソトロープ、流動および平坦体の助剤、消泡剤などを含めコーティング処方物の技術に熟達する者にとって周知の広汎な種類の成分を用いて処方されることができる。バインダー成分の溶解度を維持しつつ系の蒸発速度プロフィルを最良にするようにしばしば溶媒の混合物が選択されるであろう。好適な溶媒には芳香族、脂肪族、エステル、ケトン、エーテル、アルコール、グリコール、グリコールエーテルなどが含まれる。処方物中で特に有用なのは、乾燥速度をほとんどまたは全く犠牲にすることなくポットライフを改善するために使用できる、ある水準のケトン例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアシルケトン、メチルプロピルケトン、メチルアシルケトン、ジアセトンアルコールなどである。処方物中にエステル溶媒を含める場合、これらのアミンキュアリング剤との反応を最少にするために、エポキシ樹脂の入ったパッケージ中にこれを処方するのが通常必要である。
【0028】
本発明の接着剤は計器混合施用、噴霧、ブラシ、ローラー、ペイントミットなどを含めた任意の数の技術によって施すことができる。技術上十分に理解されているように、表面の適切な準備のもとに多数の基材が接着剤を施すのに好適である。このような基材には多種類の金属、特に鋼およびアルミニウム、ならびにコンクリートウッドおよびPVCが含まれるが、これらに限られはしない。
本発明の接着剤は約0°から約50℃の範囲の周囲温度で施されそして硬化されることができ、10℃〜40℃の温度が好ましい。所望ならこの接着剤は100℃またはそれ以上までの温度で強制的に硬化されてもよい。
【0029】
【実施例】
実施例1〜4
これらの実施例は本発明を実施するのに好適なポリアミドの製造を示す。
表1に記載する反応体を機械的撹拌機、温度計、Dean−Stark溜出物収集装置、窒素パージ管および加熱マントルを備えた1000mlの4つ口丸底フラスコに装入した。反応体を混合すると、採用する反応体比に基づいて60〜100℃の範囲の発熱が認められた。次いで反応混合物をゆっくりと加熱して縮合反応からの水を溜出して除去した。約160℃で水が反応混合物から溜出しだした。反応混合物の温度が250℃に達するまで加熱を続けた。この時点で加熱を停止しそして反応混合物を室温まで冷却しそして生成物を収集した。生成物の収率そして算出したアミン水素当量および生成物の粘度を表1に示す。以下の式を用いてアミン水素当量(AHEW)を算出した:
【0030】
【数1】
ただしここでイミダゾリンの当量とは生成する水のモル数からアミドのための水の理論的モル数を差し引いたものである。
【0031】
実施例5
本実施例は実施例1〜4の手順とは対照的な、本発明を実施するために好適なポリアミド混合物を製造する別法を示し、この場合すべての反応体を一緒に混ぜて反応した。この例では別個につくった二つのポリアミド反応生成物を配合した。
A.反応体である1110gのトール油脂肪酸(TOFA)および503gのアミノエチルピペラジン(AEP)を実施例1〜4と同様に装備した2000mlの4つ口の丸底フラスコに装入した。反応体を混合すると発熱が認められ、反応温度が120℃まで上昇した。次いで反応混合物をゆっくりと加熱して縮合反応からの水を溜出して除去した。約160℃で水が反応混合物から溜出しだした。反応混合物の温度が207℃に達するまで加熱を続けた。この温度で反応混合物は2.4mg KOH/gの酸価を有した。この時までに80.38gの水が収集された。加熱を停止しそして反応混合物を室温まで冷却した。収集したポリアミド生成物は重量が1531.5gであり、Gardnerカラー9、遊離AEP含有率3.07wt%、25℃での粘度404cpおよびAHEW 340を有した。
【0032】
B.反応体である41gのトール油脂肪酸(TOFA)、643gのポリマー脂肪酸および316gのトリエチレンテトラミン(TETA)を実施例1〜4と同様に装備した2
000mlの4つ口の丸底フラスコに装入した。反応体を混合すると発熱が認められ、反応温度が120℃まで上昇した。次いで反応混合物をゆっくりと加熱して縮合反応からの水を溜出して除去した。約160℃で水が反応混合物から溜出しだした。反応混合物の温度が200℃に達するまで加熱を続けたがこの時点で圧力は−27インチ(75ミリ)Hgまで低下した。反応混合物のイミダゾリンとアミドの比(IR比)が1.5に達するまで加熱を続けた。(IR比は百分率透過モードを用いる赤外線スペクトロスコピーによって決定しまた一般にIR比として記録する。イミダゾリン帯域の1600cm-1におけるピークの高さをアミドIの帯域の1670cm-1におけるピークの高さで除するとIR比が決まる)。加熱を停止しそして反応混合物を室温まで冷却した。収集したポリアミド生成物は重量が941.5gであり、Gardnerカラー7、25℃での粘度38,000cpおよびAHEW 120を有した。
5Aおよび5Bの反応生成物をそれぞれが25:75の重量比で一緒に混ぜて、表1で実施例5として示す組み合わせを得た。
【0033】
【表3】
【0034】
実施例6〜11
表2に示す重量を用い、実施例1〜4でつくったポリアミド組成物をDeAms(AHEW−74)と重量/重量比 82/18で混合しそして実施例5のそれをDeAmsと重量/重量比 80/20で混合した。混合物を1時間撹拌して混合を完全にした。得られる生成物は表2に示す粘度とAHEWとを有した。実施例11(対照物)は接着剤の施用で使用される標準的ポリアミド(Ancamide350Aキュアリング剤)の粘度を示す。
【0035】
【表4】
【0036】
実施例12〜17
実施例6〜10でつくったキュアリング剤配合物および実施例11の対照用のキュアリング剤を充填剤と一緒にしてキュアリング剤の部分をつくった。さらに、ビス−フェノールA(Epon 828樹脂)と充填剤とを一緒にしてエポキシの部分をつくった。それぞれ化学量論的な量のキュアリング剤部分をエポキシ部分と混合しそして、燐酸塩処理した冷間圧延鋼への接着について試験した。表3は処方および剪断強度および剥離強度としての結果を示す。剪断試験および剥離試験はASTM D−1002およびASTM D−1876に記載の方式に従って実施した。
表3のデータは実施例6〜10でつくったキュアリング剤配合物を使用する実施例12〜16の接着剤組成物が、実施例6〜10でつくったキュアリング剤配合物より著しく大きい粘度を有する標準的なポリアミドキュアリング剤を使用する対照物(実施例17)と同等であるかより良い性能をそれぞれ示したことを表す。
【0037】
【表5】
【0038】
【工業的応用に関する説明】
本発明はエポキシ樹脂接着剤組成物のためのポリアミド/DeAmsキュアリング剤を提供する。
Claims (9)
- (A)(a) 脂肪モノ−酸、
(b) 二量体酸を主成分とする重合された脂肪酸、
(c) ポリエチレンアミン、および
(d) ピペラジンまたはN−アミノ−(C2〜C6)−アルキルピペラジンであるピペラジン含有ポリアミン
からなる混合物を、
(1) 二量体酸を主成分とする重合された脂肪酸の当量あたり0.001〜1:1当量の脂肪モノ−酸、
(2) ポリエチレンアミン1モルあたり0.1〜1:1モルのピペラジン含有ポリアミン;および
(3) 全部の酸の当量あたり0.6〜1.2:1モルの全部のポリアミン
の比率で反応させた生成物、と
(B) (A)に基づき2〜40wt%の、4−(メチルシクロヘキシル)シクロヘキシルアミンを含む脱アミン化されたビス−(p−アミノシクロヘキシル)メタン組成物
とからなる接着剤組成物のためのエポキシ硬化剤組成物。 - 成分(a)〜(d)を、
(1) 二量体酸の当量あたり0.05〜0.35:1当量の脂肪モノ−酸、
(2) ポリエチレンアミン1モルあたり0.3〜0.8:1モルのピペラジン含有ポリアミン、および
(3) 全部の酸の当量あたり0.9〜1.15:1モルの全部のポリアミン
という比率で反応させた請求項1記載のエポキシ硬化剤組成物。 - 脂肪モノ−酸がトール油および(または)大豆脂肪酸である請求項1ないし2に記載のエポキシ硬化剤組成物。
- ポリエチレンアミンがトリエチレンテトラミンおよび/またはテトラエチレンペンタミンである請求項1ないし3に記載のエポキシ硬化剤組成物。
- ピペラジンを含むポリアミンがピペラジンおよび/またはアミノエチルピペラジンである請求項1ないし4に記載のエポキシ硬化剤組成物。
- 成分(B)が(A)に基づき10〜25wt%である請求項1ないし5に記載のエポキシ硬化剤組成物。
- 脱アミン化されたビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン組成物(B)が25〜40wt%の4−(メチルシクロヘキシル)シクロヘキシルアミン、30〜45wt%のビス−(p−アミノシクロヘキシル)メタンおよび15〜25wt%のパーヒドロジベンゾピリジンを含む請求項1ないし6に記載のエポキシ硬化剤。
- 二量体酸を主成分とする重合された脂肪酸の当量あたり0.15〜0.25:1当量の脂肪モノ−酸を反応させた請求項1ないし7のエポキシ硬化剤組成物。
- ポリエポキシ樹脂と請求項1ないし8のいずれか1項のエポキシ硬化剤組成物とを含む接着剤組成物。
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