JP3543669B2 - 絶縁膜形成用塗布液及び絶縁膜の形成方法 - Google Patents

絶縁膜形成用塗布液及び絶縁膜の形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐クラック性、耐熱性に優れ、緻密な絶縁膜を形成することが可能なポリ(フェニルシルセスキオキサン)ラダーポリマーを含有する絶縁膜形成用塗布液、及び本溶液を塗布して得られた塗膜を加熱することによる絶縁膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
LSI素子の高速化、高集積化が進むにつれ、配線間並びに層間の容量に起因する信号の遅延が問題になりつつある。一般に、配線遅延は絶縁材料の比誘電率の平方根に比例するので、配線遅延を減少させるためには、層間絶縁膜の比誘電率を下げることが有効な手段である。
【0003】
絶縁膜として現在様々な材料が用いられているが、それぞれに問題点があり、解決が急がれている。それを以下に概観する。
【0004】
第1に、層間絶縁膜として現状使用されているものに、CVD法を用いたCVD−SiO2膜や、ホウ素やリン等をドープしたボローホスホ・シリケート・ガラス(BPSG)膜などがあり、これらSiO2を主体とした層間絶縁膜は、比誘電率が約4程度である。
【0005】
この層間絶縁膜の比誘電率を低減する方法として、CVD法における酸化膜形成時にフッ素系ガスを混入させてSiOF膜とし、これを層間絶縁膜とする方法が採られている。このようなフッ素添加シリコン酸化膜は、酸化膜を構成するシリコン原子に分極率の小さいフッ素原子を結合させることで低誘電率化するというものである。
【0006】
このようなSiOF膜による層間絶縁膜は、フッ素の添加量が増すとそれ自体の吸湿性が増加するという欠点を有しており、フッ素の添加量に限界があるため、実質的には比誘電率として3.5程度が限界である。
【0007】
また、超LSIなどの製造は、高累積化・高機能化に伴って多層配線技術が必須であり、製造プロセスの配線パターン、絶縁膜形成の際、基板上に段差が生じる。
【0008】
この問題の解決のために平坦化技術が重要視されている。
平坦化法には、スピンオングラス法(Spin−On−Glass:SOG法)が一般的に実用化されている。これは有機溶剤に可溶なケイ素樹脂が用いられており、これをスピンコート法により基材表面に塗布し、段差の凹凸を埋め、熱処理を行うことにより、絶縁膜を形成し、平坦化する方法である。
【0009】
テトラエトキシシラン、トリエトキシシラン等のアルコキシシラン又はトリクロロシラン等のハロゲン化シラン等の塗布用の溶液は無機SOGと呼ばれ、これらにおいてはケイ素原子に直接結合する有機基を有しないため、加熱硬化させて得られる絶縁膜は完全に無機質であり、特性の信頼性が高く、これまで数多く検討されている。
【0010】
例えば、特公平6−42477号公報には、水素シルセスキオキサン樹脂の溶剤溶液を基材上に塗布し、溶剤を蒸発させた後、150〜1,000℃の温度条件下に加熱することによりセラミック状シリカ化し、電子デバイスをシリカ薄膜で被覆する方法が開示されている。
【0011】
ところが、一般に、水素シルセスキオキサン樹脂は無視できない程度の揮発性成分を含んでおり、これをこのような高温にさらすと膜厚の減少が起こり、膜中に内部応力が発生する等の問題点があり、また、揮発性成分の飛散による周辺機器への汚染が起こるという問題点があった。
【0012】
かかる問題点を解消するために、水素シルセスキオキサン樹脂中の低分子量成分を除去する方法が提案されている。例えば、特開平6−157760号公報には、合成された水素シルセスキオキサン樹脂に溶剤を加え、低分子量成分を除去する方法が提案されている。
【0013】
しかし、かかる方法で低分子量成分を除去した水素シルセスキオキサン樹脂は、基材に塗布したとき、被覆平坦性に劣るという欠点があった。また、このものは多層構造を有する電子デバイスの基材の段差への埋め込み性に劣るという欠点があり、十分に満足できるものではなかった。
【0014】
また、このような無機SOG膜は、極性基であるシラノール基を比較的多量に有するため、比誘電率は約4.0と一般に高い。
【0015】
そこで、高度に微細化されたLSIにおける層間絶縁膜としては、低い比誘電率を有する有機SOG膜又は有機絶縁膜の採用が考慮される。
【0016】
有機SOG膜は、メチル基やフェニル基などの有機成分を有するシラン又はシロキサンを含有する溶液が硬化することによって形成され、熱硬化後も膜中に有機成分が残存するため、約3程度の比較的低い比誘電率を有する。
【0017】
このような有機SOG膜は、薬液を回転塗布する工程と、塗布された薬液を熱硬化させる工程とを複数回ずつ行って形成されるので、多くの時間が必要で生産性が悪いという問題と、その薬液を回転塗布する際に大部分が無駄になるため、コストが高くなるという問題がある。
また、比誘電率においても3.5程度であり、不十分である。
【0018】
他の層間絶縁膜の比誘電率を低減する方法としては、膜中に微細な気孔を形成させる方法がある。
【0019】
例えば、SOGにトリフェニルシラノールを加えて、反応させた溶液をスピンナーで半導体ウェーハに塗布した後、熱処理によるSOGのシリル化を行い、更に加熱することで層間絶縁膜を形成する。このSOGシリル化工程で上述したスピンコート膜中より気泡が発生し、最終的に層間絶縁膜中に気孔が形成される。
【0020】
このようにして形成された層間絶縁膜の比誘電率は、気孔割合にもよるが、約2.3程度のものが得られる。
【0021】
しかしながら、多孔質膜は吸湿性などの問題があるため、通常の半導体素子や電子回路部品に使うことが難しい。
【0022】
本発明は、このような実状に鑑みなされたもので、耐クラック性、耐熱性に優れ、緻密で低い比誘電率を有する絶縁膜を形成できる絶縁膜形成用塗布液及び絶縁膜の形成方法を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、重量平均分子量が4,000〜100,000という比較的低分子量のポリ(フェニルシルセスキオキサン)ラダーポリマーを溶媒に溶解した塗布液を用いることにより、比誘電率として小さな値を示すと共に、回転塗布用の溶媒に対して高い溶解性を示すために、平坦性の高い均一な膜を形成することが可能であり、更に、このようにして形成された塗布膜は、加熱によって耐クラック性、耐熱性、更には耐水性、密着性、強度に優れ、しかも低い比誘電率を有する強靭な薄膜にすることが可能であることを知見し、本発明を完成した。
【0024】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の絶縁膜形成用塗布液は、重量平均分子量が4,000〜100,000であるポリ(フェニルシルセスキオキサン)ラダーポリマーを含有するものである。
【0025】
また、本発明の絶縁膜の形成方法は、この塗布液の塗膜を200〜1,000℃の温度に加熱するものである。
【0026】
ここで、上記塗布液の主成分として用いるポリ(フェニルシルセスキオキサン)ラダーポリマーについて説明すると、従来より、ポリ(フェニルシルセスキオキサン)樹脂は、耐熱性、電気絶縁性に優れているために、コーティング材、シーリング材、層間絶縁膜その他に利用されている。このような樹脂は、通常、例えばフェニルトリクロロシランやフェニルトリアルコキシシラン等の加水分解性基を有するシランを加水分解することによって合成されるが、このようにして得られる樹脂は、シロキサン同士がランダムに結合しあった構造を有する。
【0027】
このようなランダムに結合しあったポリ(フェニルシルセスキオキサン)は、縮合が不十分で、ケイ素原子上にシラノール基又はアルコキシ基が相当量残存する状態では、有機溶剤に対して溶解性を有するものの、高分子量化するために更に縮合を進めると、3次元架橋が進み、溶媒不溶なゲル状物になってしまうという欠点を有する。
【0028】
しかしながら、ポリ(フェニルシルセスキオキサン)は、三官能性であるため、下記式(2)で表されるようなラダーポリマーと呼ばれる梯子状の構造を形成することも可能であり、このようなポリマーは直線状の構造であるため、高度に縮合しているにも拘らず、有機溶剤に対して可溶性であるという特徴がみられる。
【0029】
【化2】
Figure 0003543669
(但し、式中Phはフェニル基を表し、nは正の整数を表す。)
【0030】
ところが、従来知られているポリ(フェニルシルセスキオキサン)ラダーポリマーは、高分子量領域では、ベンゼン、テトラヒドロフランなどの限られた溶媒に対しては溶解するものの、回転塗布に一般的に用いられるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルセロソルブアセテート等に殆ど全く溶解しないため、回転塗布に適さなかった。
【0031】
例えば、1960年GE社のブラウンらは、フェニルトリクロロシランを加水分解して得られるプレポリマーを、水酸化カリウムを縮合触媒として高沸点溶媒中で加熱縮合することによって、ラダーポリマーが合成できることを示している(J.Am.Chem.Soc.82,6194(1960))。
【0032】
この方法によって合成されたラダーポリマーは、ベンゼン、テトラヒドロフランに対しては溶解性を有するものの、トルエンをはじめ、先に挙げたプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはじめとする溶媒に対して殆ど溶解性を有しない。
【0033】
これに対し、本発明で用いる重量平均分子量が4,000〜100,000、好ましくは4,500〜50,000、より好ましくは5,000〜25,000のラダーポリマーは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの溶媒に溶解し、シラノール基などの極性基を最低限度しか有さず、比誘電率の低い緻密な絶縁膜を形成できるものであり、本発明の上記低分子量のラダーポリマーを含む絶縁膜形成用塗布液は、可溶性ケイ素樹脂を用いて電子デバイスを含む種々の基材にコーティングを施し、保護膜あるいは層間絶縁膜を形成する場合に有効である。
【0034】
ここで、上記重量平均分子量4,000〜100,000のラダーポリマーを得る方法については制限はなく、例えば、上記ブラウンらの方法によって得られたラダーポリマーは、上記プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の溶媒に対して一部溶解する部分があるので、ラダーポリマーにこのような溶媒を加え、不溶物を濾別した後、溶媒を留去するか、ポリマーを殆ど全く溶解しない溶媒、例えばヘキサンやメタノールを添加し、生成する沈澱を濾過することで可溶性の低分子量のポリ(フェニルシルセスキオキサン)ラダーポリマーを得るようにしてもよいが、この方法は非常に非効率的であるという欠点がある。
【0035】
このため、上記低分子量ラダーポリマーを得る方法としては、下記式(1)の1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン−1,3,5,7−テトラオールを原料として用い、溶媒中で脱水縮合させる方法が好適であり、この方法によれば、極めて緩和な条件下、溶媒中で脱水縮合が進行し、ラダーポリマーを合成することができる。
【0036】
【化3】
Figure 0003543669
(式中、Phはフェニル基を表す。)
【0037】
この方法で合成されるポリマーは、反応条件によるが、一般的に重量平均分子量で4,000〜100,000の分子量を有し、高分子量フェニルシルセスキオキサンラダーポリマーを溶解するベンゼン、テトラヒドロフランに対して溶解性を有するほか、高分子量ポリマーを殆ど溶解することができないプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルセロソルブアセテートなどに対して溶解する。
【0038】
なお、上記方法につき更に詳述すると、原料として用いる1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン−1,3,5,7−テトラオールの合成は、GE社のブラウンらによってJ.Am.Chem.Soc.87,4317(1965)に発表されており、そこに記載されている実験を再現することで、結晶性の粉末として単離することが可能である。この原料テトラオールを溶媒中に溶解して溶液とし、これに好ましくは塩基を添加して撹拌するもので、これにより徐々に脱水縮合が進み、ラダー構造の式(2)のシリコーン樹脂[ポリ(フェニルシルセスキオキサン)]が形成される。
【0039】
ここで、反応に用いられる溶媒としては、特に限定されるものではないが、1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン−1,3,5,7−テトラオールを溶解するものであればいずれのものも用いることができる。具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、アセトン、2−ブタノン、2−ヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸−1−ブチル、酢酸−イソブチル、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
【0040】
この場合、この時に用いる溶媒としては、原料の環状四量体は溶解するが、縮合によって形成されるラダーポリマーは溶解しにくいものである方が望ましく、アセトン、2−ブタノン、ジオキサン、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルアセトアミドなどが好ましい。
【0041】
脱水縮合反応は、溶液に極微量の塩基を加えることが好ましく、室温で撹拌することによって進行するが、塩基の添加量としては通常100ppmで十分である。但し、原料中に酸性物質が含まれるなどして反応系自体が酸性である場合は、中和するに十分な塩基が必要になる。通常、実際に用いられる塩基の量としては10〜5,000ppmの範囲が好ましいが、これに限定されるものではない。用いる塩基の量が多すぎる場合、原料の環状四量体自体の分解が一部生起し、溶媒に不溶性のゲル状物が形成するおそれがある。
【0042】
用いられる塩基は、塩基性物質であれば特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、N,N,N,N−テトラメチルアンモニウムハイドロキシドなどのアルカリや、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアニリン、ジ−iso−プロピルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン等のアミン類が具体例として挙げられる。
【0043】
生成するシリコーン樹脂は、通常、当初溶解していたものが分子量が大きくなることで溶解性が低下し、沈澱を形成する。この間に要する時間は、条件によって異なるが、数分〜数時間である。十分に反応を完結するために、反応時間は24〜100時間程度行い、濾過によって目的の樹脂を分離する。但し、用いる溶媒によっては沈澱を形成しないので、この場合は十分な反応時間の経過後、メタノールやヘキサンなどの樹脂を溶解しない溶媒を加えて不溶化してから、濾過によって分離する。このとき単離されるシリコーン樹脂は、収率としては殆ど定量的である。
【0044】
本発明の塗布液は、上記低分子量のポリ(フェニルシルセスキオキサン)ラダーポリマーを有機溶媒に溶解してなるものであるが、溶媒は用途等によって選定され、特に制限されるものではないが、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルセロソルブアセテート等の溶媒に溶解した溶液は、例えばシリコンからなる基板に対して回転塗布を行ったときに、ストリエーションを起こしにくく、極めて平坦性の高い薄膜を形成できるという特徴を有する。
【0045】
なお、本発明の塗布液において、上記ラダーポリマーの濃度も特に制限されないが、通常1〜50重量%、特に5〜30重量%とすることができ、塗布溶液の濃度と回転数等の条件を制御することで、所望の厚さの薄膜を形成することが可能であり、このようにして形成された薄膜は、加熱して溶媒を蒸発させたときにクラックを発生しないものである。
【0046】
本発明の絶縁膜の形成方法は、シリコン等の基材に上記塗布液を塗布して塗膜を形成し、必要により乾燥した後、200〜1,000℃、特に望ましくは300〜500℃に加熱するもので、これにより部分的に架橋が進み、強度の高い絶縁膜を形成する。
【0047】
なお、絶縁膜の厚さは、その用途等に応じて選定されるが、通常0.1〜10μm、特に0.5〜2μmである。
【0048】
また、上記加熱の時間は、通常10分〜3時間であり、より好ましくは20分〜1時間である。
【0049】
ここで、表面にアルミニウムをスパッタリングしたシリコンウェーハ上に本塗布液を回転塗布し、400℃で2時間加熱硬化した膜上にアルミニウム電極を乗せてCV測定を行うと、このようにして形成された絶縁膜の比誘電率は概ね2.0〜2.6となる。
【0050】
【実施例】
以下、製造例及び実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0051】
〔製造例1〕
1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン−1,3,5,7−テトラオールの結晶6.0gをアセトン300mlに溶解し、これにトリエチルアミン0.1gを加え、室温で撹拌した。約10分後、均一だった溶液は白濁し、約5時間後には生成した粘稠物のために撹拌は困難になった。このままの状態で48時間放置したところ、析出した固体は固化しており、粘着性はなくなっていた。これを物理的に粉砕し、粉末状にして濾過し、アセトンで洗浄、真空乾燥した。粉末状固体残渣として5.23gが得られた。これは完全に脱水縮合が進行したものと仮定した場合、収率93%に相当する。ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで分析したところ、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は約9,230、数平均分子量(Mn)は約5,161であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.79であった。また、本化合物は、赤外線吸収スペクトルにおいて3,450cm-1にSi−OHの吸収があり、1,043cm-1と1,132cm-1に***したシロキサン結合の吸収が現れており、これは本ポリマーがラダー構造を有することを示す。
【0052】
〔実施例1〕
製造例1によって合成されたポリマー各2gを用い、これに溶媒を加え、撹拌することで溶解するかどうかを調べた。12時間撹拌によって均一になったものを○、濁りが見られるが殆ど溶解しているものを△、固形物が残存しているものを×とし、評価した結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
Figure 0003543669
【0054】
〔実施例2〕
製造例1によって合成されたポリマー20gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて100gとし、室温で撹拌すると、均一な無色の溶液が得られた。これをメンブランフィルター(0.2μm)で濾過し、得られた溶液を用いて8インチシリコンウェーハ上にスピンコートし、100℃で90秒間保ち、薄膜を形成した。薄膜の膜厚を直線上に19点測定し、その平均値と最大値と最小値の差を測定した。結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
Figure 0003543669
【0056】
〔実施例3〕
実施例2で調製した溶液を、金属アルミニウムをスパッタリングによって表面に堆積させたシリコンウェーハ上にスピンコートし、平均膜厚8,350Åの薄膜を形成した。これを400℃で1時間加熱し、絶縁膜を形成した。このときの絶縁膜の膜厚は8,120Åであった。これを用いてCV測定を行い、その比誘電率を求めると2.3であった。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、耐クラック性、耐熱性に優れ、比誘電率の低い緻密な絶縁膜を形成し得る。

Claims (3)

  1. 下記式(1)
    Figure 0003543669
    (式中、Phはフェニル基を表す。)
    で表される1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン−1,3,5,7−テトラオールを原料として用い、溶媒中で脱水縮合させることにより得られた重量平均分子量が4,000〜100,000であるポリ(フェニルシルセスキオキサン)ラダーポリマーを含有する絶縁膜形成用塗布液。
  2. 得られる絶縁膜の比誘電率が2.6以下であることを特徴とする請求項1記載の塗布液。
  3. 請求項1又は2記載の塗布液の塗膜を200〜1,000℃で加熱することを特徴とする絶縁膜の形成方法。
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