JP3542445B2 - 像加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁(磁気)誘導加熱方式の像加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
便宜上、複写機・プリンタ等の画像形成装置に具備させる、トナー画像を記録材に加熱定着させる像加熱装置(定着装置)を例にして説明する。
【0003】
画像形成装置において、電子写真プロセス・静電記録プロセス・磁気記録プロセス等の適宜の画像形成プロセス手段部で記録材(転写材シート・エレクトロファックスシート・静電記録紙・OHPシート・印刷用紙・フォーマット紙など)に転写方式あるいは直接方式にて形成担持させた目的の画像情報の未定着画像(トナー画像)を記録材面に永久固着画像として加熱定着させる定着装置としては熱ローラ方式の装置が広く用いられていた。近時はフィルム加熱方式の装置が実用化されている。また電磁誘導加熱方式の装置も提案されている。
【0004】
実開昭51−109739号公報には、磁束により定着ローラに電流を誘導させてジュール熱によって発熱させる誘導加熱定着装置が開示されている。これは、誘導電流の発生を利用することで直接定着ローラを発熱させることができて、ハロゲンランプを熱源として用いた熱ローラ方式の定着装置よりも高効率の定着プロセスを達成している。
【0005】
しかしながら、磁場発生手段としての励磁コイルにより発生した交番磁束のエネルギーが定着ローラ全体の昇温に使われるため放熱損失が大きく、投入エネルギーに対する定着エネルギーの密度が低く効率が悪いという欠点があった。
【0006】
そこで、定着に作用するエネルギーを高密度で得るために発熱体である定着ローラに励磁コイルを接近させたり、励磁コイルの交番磁束分布を定着ニップ部近傍に集中させたりして、高効率の定着装置が考案された。
【0007】
図13に、励磁コイルの交番磁束分布を定着ニップに集中させて効率を向上させた本発明の背景技術である電磁誘導加熱方式の定着装置の一例の概略構成を示した。
【0008】
10は電磁誘導発熱層(導電体層、磁性体層、抵抗体層)を有する電磁誘導発熱性の回転体としての円筒状の定着フィルムである。
【0009】
16は横断面略半円弧状樋型のフィルムガイド部材であり、円筒状定着フィルム10はこのフィルムガイド部材16の外側にルーズに外嵌させてある。
【0010】
15はフィルムガイド部材16の内側に配設した磁場発生手段であり、励磁コイル18とE型の磁性コア(芯材)17とからなる。
【0011】
30は弾性加圧ローラであり、定着フィルム10を挟ませてフィルムガイド部材16の下面と所定の圧接力をもって所定幅の定着ニップ部Nを形成させて相互圧接させてある。上記磁場発生手段15の磁性コア17は定着ニップ部Nに対応位置させて配設してある。
【0012】
加圧ローラ30は駆動手段Mにより矢示の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ30の回転駆動による該加圧ローラ30と定着フィルム10の外面との摩擦力で定着フィルム10に回転力が作用して、該定着フィルム10がその内面が定着ニップ部Nにおいてフィルムガイド部材16の下面に密着して摺動しながら矢示の時計方向に加圧ローラ30の回転周速度にほぼ対応した周速度をもってフィルムガイド部材16の外回りを回転状態になる(加圧ローラ駆動方式)。
【0013】
フィルムガイド部材16は、定着ニップ部への加圧、磁場発生手段15としての励磁コイル18と磁性コア17の支持、定着フィルム10の支持、該フィルム10の回転時の搬送安定性を図る役目をする。このフィルムガイド部材16は磁束の通過を妨げない絶縁性の部材であり、高い荷重に耐えられる材料が用いられる。
【0014】
励磁コイル18は不図示の励磁回路から供給される交番電流によって交番磁束を発生する。図14は定着ニップ部N付近での交番磁束の発生の様子を模式的に表したものである。磁束Cは発生した交番磁束の一部を表す。
【0015】
交番磁束(C)は定着ニップ部Nの位置に対応しているE型の磁性コア17により定着ニップ部Nに集中的に分布し、その交番磁束(C)は定着ニップ部Nにおいて定着フィルム10の電磁誘導発熱層に渦電流を発生させる。この渦電流は電磁誘導発熱層の固有抵抗によって電磁誘導発熱層にジュール熱を発生させる。ここでの発熱量Qは電磁誘導発熱層を通る磁束の密度によって決まり、図14のような分布を示す。図14のグラフは横軸に定着ニップ中心を0として、定着ニップ中心からの角度θにより定着フィルムの位置を表している。縦軸は定着フィルム10の電磁誘導発熱層での発熱量Qを表す。
【0016】
この定着フィルム10の電磁誘導発熱は交番磁束を集中的に分布させた定着ニップ部Nにおいて集中的に生じて定着ニップ部Nが高効率に加熱される。
【0017】
定着ニップ部Nの温度は、不図示の温度検知手段を含む温調系により励磁コイル18に対する電流供給が制御されることで所定の温度が維持されるように温調される。
【0018】
而して、加圧ローラ30が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着フィルム10がフィルムガイド部材16の外回りを回転し、励磁回路から励磁コイル18への給電により上記のように定着フィルム10の電磁誘導発熱がなされて定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態において、不図示の画像形成手段部から搬送された未定着トナー画像tが形成された記録材Pが定着ニップ部Nの定着フィルム10と加圧ローラ30との間に画像面が上向き、即ち定着フィルム面に対向して導入され、定着ニップ部Nにおいて画像面が定着フィルム10の外面に密着して定着フィルム10と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この定着ニップ部Nを定着フィルム10と一緒に記録材Pが挟持搬送されていく過程において定着フィルム10の電磁誘導発熱で加熱されて記録材P上の未定着トナー画像tが加熱定着される。記録材Pは定着ニップ部Nを通過すると回転定着フィルム10の外面から分離して排出搬送されていく。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
上述した図13のような電磁誘導方式の定着装置に関して、発熱域が定着ニップN内にあると、紙などの様に記録材に水分を吸収しているの場合、紙中の水分がニップ内で急激に加熱気化され、行き場のなくなった水蒸気が紙上に静電吸着しているトナーtを吹き飛ばしてしまう現象、いわゆる定着尾引きが発生し、これにより画像が乱れてしまうという問題が発生した。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、発熱層を有する回転体と、この回転体の内部に設けられている励磁コイル及び磁性コアを有し回転体の発熱層に渦電流を発生させるための磁束発生手段と、回転体と接触しており回転体との間に画像を担持する記録材を挟持搬送するニップ部を形成する加圧部材と、を有する像加熱装置において、前記磁性コアは前記回転体の回転方向に対し直交する方向に沿って設けられており、前記励磁コイルは前記磁性コアの長手方向周りに前記回転体の面に沿う形状に巻かれており、前記回転体の周方向で前記回転体の面に沿う前記励磁コイルの2つの領域はいずれも前記ニップ部に対向していないことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
(1)画像形成装置例
図1は画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の画像形成装置は電子写真カラープリンタである。
【0022】
101は有機感光体やアモルファスシリコン感光体でできた感光体ドラム(像担持体)であり、矢示の反時計方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
【0023】
感光体ドラム101はその回転過程で帯電ローラ等の帯電装置102で所定の極性・電位の一様な帯電処理を受ける。
【0024】
次いでその帯電処理面にレーザ光学箱(レーザスキャナー)110から出力されるレーザ光103による、目的の画像情報の走査露光処理を受ける。レーザ光学箱110は不図示の画像読み取り装置等の画像信号発生装置からの目的画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調(オン/オフ)したレーザ光103を出力して回転感光体ドラム101面に走査露光した目的画像情報に対応した静電潜像が形成される。109はレーザ光学箱110からの出力レーザ光を感光体ドラム101の露光位置に偏向させるミラーである。
【0025】
フルカラー画像形成の場合は、目的のフルカラー画像の第1の色分解成分画像、例えばイエロー成分画像についての走査露光・潜像形成がなされ、その潜像が4色カラー現像装置104のうちのイエロー現像器104Yの作動でイエロートナー画像として現像される。そのイエロートナー画像は感光体ドラム101と中間転写体ドラム105との接触部(或いは近接部)である1次転写部T1において中間転写体ドラム105の面に転写される。中間転写体ドラム105面に対するトナー画像転写後の回転感光体ドラム101面はクリーナ107により転写残りトナー等の付着残留物の除去を受けて清掃される。
【0026】
上記のような帯電・走査露光・現像・一次転写・清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画像の第2の色分解成分画像(例えばマゼンタ成分画像、マゼンタ現像器104Mが作動)、第3の色分解成分画像(例えばシアン成分画像、シアン現像器104Cが作動)、第4の色分解成分画像(例えば黒成分画像、黒現像器104BKが作動)の各色分解成分画像について順次実行され、中間転写体ドラム105面にイエロートナー画像・マゼンタトナー画像・シアントナー画像・黒トナー画像の都合4色のトナー画像が順次重ねて転写されて、目的のフルカラー画像に対応したカラートナー画像が合成形成される。
【0027】
中間転写体ドラム105は、金属ドラム上に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を有するもので、感光体ドラム101に接触して或いは近接して感光体ドラム101と略同じ周速度で矢示の時計方向に回転駆動され、中間転写体ドラム105の金属ドラムにバイアス電位を与えて感光体ドラム101との電位差で感光体ドラム101側のトナー画像を該中間転写体ドラム105面側に転写させる。
【0028】
上記の回転中間転写体ドラム105面に合成形成されたカラートナー画像は、該回転中間転写体ドラム105と転写ローラ106との接触ニップ部である二次転写部T2において、二次転写部T2に不図示の給紙部から所定のタイミングで送り込まれた記録材Pの面に転写されていく。転写ローラ106は記録材Pの背面からトナーと逆極性の電荷を供給することで中間転写体ドラム105面側から記録材P側へ合成カラートナー画像を順次に一括転写する。
【0029】
二次転写部T2を通過した記録材Pは中間転写体ドラム105の面から分離されて像加熱装置(定着装置)100へ導入され、未定着トナー画像の加熱定着処理を受けてカラー画像形成物として機外の不図示の排紙トレーに排出される。定着装置100については次の(2)項で詳述する。
【0030】
記録材Pに対するカラートナー画像転写後の回転中間転写体ドラム105はクリーナ108により転写残りトナー・紙粉等の付着残留物の除去を受けて清掃される。このクリーナ108は常時は中間転写体ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写体ドラム105から記録材Pに対するカラートナー画像の二次転写実行過程において中間転写体ドラム105に接触状態に保持される。
【0031】
また転写ローラ106も常時は中間転写体ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写体ドラム105から記録材Pに対するカラートナー画像の二次転写実行過程において中間転写体ドラム105に記録材Pを介して接触状態に保持される。
【0032】
白黒画像などモノカラー画像のプリントモードも実行できる。また両面画像プリントモード、或いは多重画像プリントモードも実行できる。
【0033】
両面画像プリントモードの場合は、像加熱装置100を出た1面目画像プリント済みの記録材Pは不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されて再び二次転写部T2へ送り込まれて2面に対するトナー画像転写を受け、再度、像加熱装置100に導入されて2面に対するトナー画像の定着処理を受けることで両面画像プリントが出力される。
【0034】
多重画像プリントモードの場合は、像加熱装置100を出た1回目画像プリント済みの記録材Pは不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されずに再び二次転写部T2へ送り込まれて1回目画像プリント済みの面に2回目のトナー画像転写を受け、再度、像加熱装置100に導入されて2回目のトナー画像の定着処理を受けることで多重画像プリントが出力される。
【0035】
本例においては、トナーは低軟化物質を含有させたものを用いている。
【0036】
(2)定着装置100
図2は本例の定着装置100の要部の横断側面模型図、図3は要部の正面模型図、図4は要部の縦断正面模型図、
本例装置100は図13の定着装置と同様に、円筒状の電磁誘導発熱性フィルムを用いた、加圧ローラ駆動方式、電磁誘導加熱方式の装置である。図13の装置と共通の構成部材・部分には同一の符号を付して再度の説明を省略する。
【0037】
磁性コア17a・17b・17cは高透磁率の部材であり、フェライトやパーマロイ等といったトランスのコアに用いられる材料がよく、より好ましくは100kHz以上でも損失の少ないフェライトを用いるのがよい。
【0038】
16bはフィルムガイド部材16aの上側に被せて配設した横断面略半円弧状樋型の上側フィルムガイド部材であり、フィルムガイド部材16aとこの上側フィルムガイド部材16bとで略円柱体が構成される。この上側フィルムガイド部材16bは省略することもできる。
【0039】
このフィルムガイド部材16aと上側フィルムガイド部材16bとのアセンブリの外側に、記録材と共に移動する移動体としての円筒状の電磁誘導発熱性フィルムである定着フィルム10をルーズに外嵌させてある。
【0040】
22は磁性コア17a・17b・17c及び励磁コイル18を配設したフィルムガイド16aの上面平面部に当接させて配設した横長の加圧用剛性ステイである。
【0041】
19は磁性コア18と加圧用剛性ステイ22の間を絶縁するための絶縁性部材である。
【0042】
23a・23bはフィルムガイド部材16aと上側フィルムガイド部材16bとのアセンブリの左右両端部に外嵌させて一固定して取り付けた、定着フィルム10の端部を規制・保持するフランジ部材である。
【0043】
加圧部材としての加圧ローラ30は、芯金30aと、該芯金周りに同心一体にローラ状に成形被覆させた、シリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂などの耐熱性・弾性材層30bとで構成されており、芯金30aの両端部を装置の不図示のシャーシ側板金間の回転自由に軸受け保持させて配設してある。
【0044】
この加圧ローラ30の上側に、上記のフィルムガイド部材16a、磁性コア17a・17b・17c、磁束を発生する磁束発生手段である励磁コイル18、上側フィルムガイド部材16b、加圧用剛性ステイ22、定着フィルム10、フランジ部材23a・23bからなる加熱手段ユニットがフィルムガイド部材16aの半円状底面側を下向きにして配設され、加圧用剛性ステイ22の両端部と装置シャーシ側のバネ受け部材29a・29bとの間にそれぞれ加圧バネ25a・25bを縮設することで加圧用剛性ステイ22に押し下げ力を作用させている。これによりフィルムガイド部材16aの下面と加圧ローラ30の上面とが定着フィルム10を挟んで圧接して所定幅の定着ニップ部Nが形成される。磁性コア17aの下面はフィルムガイド部材20の薄い底板部を隔てて定着ニップ部Nに対応位置している。
【0045】
加圧ローラ30は駆動手段Mにより矢示の反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ30の回転駆動による加圧ローラ30と定着フィルム10の外面との摩擦力で定着フィルム10に回転力が作用して、定着フィルム10がその内面が定着ニップ部Nにおいてフィルムガイド部材16aの下面に密着して摺動しながら矢示の時計方向に加圧ローラ30の回転周速度にほぼ対応した周速度をもってフィルムガイド部材16aと上側フィルムガイド部材16bの外回りを回転状態になる。
【0046】
この場合、定着ニップ部Nにおけるフィルムガイド部材16aの下面と定着フィルム10の内面との相互摺動摩擦力を低減化させるために定着ニップ部Nのフィルムガイド16aの下面と定着フィルム10の内面との間に耐熱性グリスなどの潤滑剤を介在させる、あるいはフィルムガイド部材16aの下面を潤滑部材で被覆するようにすることもできる。
【0047】
フィルムガイド部材16aは、定着ニップ部Nへの加圧、磁性コア17a・17b・17c及び励磁コイル18の支持、上側フィルムガイド部材21と共同して定着フィルム10を支持し、フィルム10の回転時の搬送安定性を図る役目をする。
【0048】
16e(図5)はフィルムガイド部材16aの側面にフィルムガイド部材長手に沿って間隔をおいて形成具備させた複数本の下側フィルムガイド周方向の凸リブ部である。この凸リブ部16eはフィルムガイド部材16aの側面と定着フィルム10の内面との接触摺動抵抗を低減させて定着フィルム10の回転負荷を少なくする作用をする。このような凸リブ部はフィルムガイド部材16bにも同様な形状に形成具備することができる。
【0049】
フィルムガイド部材16a内の励磁コイル18には給電部18a・18bに励磁回路27(図5)を接続してある。この励磁回路27は20kHzから500kHzの高周波をスイッチング電源で発生できるようになっている。
【0050】
フィルムガイド部材16a内の励磁コイル18は励磁回路27から供給される交番電流(高周波電流)によって交番磁束を発生する。
【0051】
図6は定着ニップ部N付近での交番磁束の発生の様子を模式的に表したものである。磁束Cは発生した交番磁束の一部を表す。
【0052】
磁性コア17a・17b・17cに導かれた交番磁束(C)は、磁性コア17aと17bとの間、17aと17cとの間、つまり定着ニップ部Nの前後に集中的に分布し、主として定着ニップ部Nの前後において定着フィルム10の電磁誘導発熱層1に渦電流を発生させる。この渦電流は電磁誘導発熱層1の固有抵抗によって電磁誘導発熱層1にジュール熱(渦電流損)を発生させる。ここでの発熱量Qは電磁誘導発熱層1を通る磁束の密度によって決まり、図6のグラフような分布を示す。図6のグラフは横軸に定着ニップ中心を0として、定着ニップ中心からの角度θにより定着フィルム10の位置を表している。縦軸は定着フィルム10の電磁誘導発熱層1での発熱量Qを表す。ここで、所定のP発熱域Hは最大発熱量をQとした場合、発熱量がQ/e以上の領域と定義する。これは、定着に必要な発熱量が得られる領域である。
【0053】
この定着ニップ部Nの温度は、不図示の温度検知手段を含む温調系により励磁コイル18に対する電流供給が制御されることで所定の温度が維持されるように温調される。26は加圧ローラ30の温度を検知するサーミスタなどの温度センサであり、本例においては温度センサ26を加圧ローラ30の温度情報も考慮いて定着ニップ部Nの温度を制御するようにしている。
【0054】
而して、加圧ローラ30が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着フィルム10がフィルムガイド部材16aと上側フィルムガイド部材16bの外回りを回転し、励磁回路27からフィルムガイド部材内の励磁コイル18への給電により上記のように定着フィルム10の電磁誘導発熱がなされて定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態において、画像形成手段部から搬送された未定着トナー画像tが形成された記録材Pが定着ニップ部Nの定着フィルム10と加圧ローラ30との間に画像面が上向き、即ち定着フィルム面に対向して導入され、定着ニップ部Nにおいて画像面が定着フィルム10の外面に密着して定着フィルム10と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この定着ニップ部Nを定着フィルム10と一緒に記録材Pが挟持搬送されていく過程において定着フィルム10の電磁誘導発熱で加熱されて記録材P上の未定着トナー画像tが加熱定着される。記録材Pは定着ニップ部Nを通過すると回転定着フィルム10の外面から分離して排出搬送されていく。記録材上の加熱定着トナー画像は定着ニップ部通過後、冷却して永久固着像となる。
【0055】
ここで、図14のように発熱域Hが定着ニップN内にあると、紙などの様に記録材Pに水分を吸収しているの場合、紙中の水分がニップ内で急激に加熱気化され水蒸気となり、行き場のなくなった水蒸気が紙上に静電吸着しているトナーtを吹き飛ばしてしまう現象、いわゆる定着尾引きが発生し、これにより画像が乱れてしまった。
【0056】
そこで、本実施の形態のように発熱域Hを定着ニップN外に設定することにより、定着ニップ部Nの前から発熱域Hの輻射熱により記録材Pがある程度加熱されるのと、定着ニップ部N内での発熱がないために記録材Pが急激に加熱されろことがなくなり、定着尾引きが発生することなく、良質な定着画像を得ることができた。
【0057】
図3に示すように、定着フィルム10の長さLFと加圧ローラの長さLRはフィルムエッジで加圧ローラに傷をつけてしまうことを防止するためにLF>LRとしている。
【0058】
フランジ部材23a・23bは定着フィルム10の回転時に該定着フィルム10の端部を受けて定着フィルムのフィルムガイド部材長手に沿う寄り移動を規制する役目をする。このフランジ部材23a・23bは定着フィルム10に従動で回転する構成にしてもよい。
【0059】
本実施の形態ではトナーtに低軟化物質を含有させたトナーを使用したため、定着装置にオフセット防止のためのオイル塗布機構を設けていないが、低軟化物質を含有させていないトナーを使用した場合にはオイル塗布機構を設けてもよい。また、低軟化物質を含有させたトナーを使用した場合にもオイル塗布や冷却分離を行ってもよい。
【0060】
ここで本実施の形態の構成要素についてさらに詳しく説明しておく。
【0061】
A)励磁コイル18
励磁コイル18はコイル(線輪)を構成させる導線(電線)として、一本ずつがそれぞれ絶縁被覆された銅製の細線を複数本束ねたもの(束線)を用い、これを複数回巻いて励磁コイルを形成している。本実施の形態では12ターン巻いて励磁コイル18を形成している。
【0062】
絶縁被覆は定着フィルム10の発熱による熱伝導を考慮して耐熱性を有する被覆を用いるのがよい。本実施の形態においてはポリイミドによる被覆を用いており耐熱温度は220℃である。
【0063】
ここで、励磁コイル18の外部から圧力をかけて密集度を向上さてもよい。
【0064】
励磁コイル18及び磁性コア17a,17b,17cで発生した磁界を定着フィルム10の発熱層に効率よく吸収させるためには、励磁コイル18及び磁性コア17a,17b,17cと定着フィルム10の発熱層1との距離はできる限り近い方がよい。
【0065】
そこで本実施の形態では図2のように、励磁コイル18の形状は発熱層の曲面に沿うようにしている。本実施の形態では定着フィルム10の発熱と励磁コイル18間の距離は略1mmになるように設定している。
【0066】
フィルムガイド部材16a・16bの材質としては、定着フィルム10との絶縁を確保するために絶縁性に優れ、耐熱性がよいものがよい。例えば、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂、LCP樹脂などを選択するとよい。
【0067】
磁性コア17a,17b,17c及び励磁コイル18と、定着フィルムの発熱層との間の距離はできる限り近づけた方が磁束の吸収効率が高いのであるが、この距離が5mmを越えるとこの効率が著しく低下するため5mm以内にするのがよい。また、5mm以内であれば定着フィルム10の発熱層と励磁コイル18の距離が一定である必要はない。
【0068】
励磁コイル18のフィルムガイド部材16aからの引出線即ち18a・18bについては、フィルムガイド部材16aから外の部分について束線の外側に絶縁被覆を施している。
【0069】
B)定着フィルム10
図7は本実施の形態における定着フィルム10の層構成模型図である。本実施の形態の定着フィルム10は、電磁誘導発熱性の定着フィルムの基層となる金属フィルム等でできた発熱層1と、その外面に積層した弾性層2と、その外面に積層した離型層3の複合構造のものである。発熱層1と弾性層2との間の接着、弾性層2と離型層3との間の接着のため、各層間にプライマー層(不図示)を設けてもよい。円筒状の定着フィルム10において発熱層1が内面側であり、離型層3が外面側である。前述したように、発熱層1に交番磁束が作用することで該発熱層1に渦電流が発生して該発熱層1が発熱する。その熱が弾性層2・離型層3を介して定着フィルム10を加熱し、定着ニップNに通紙される被加熱材としての記録材を加熱してトナー画像の加熱定着がなされる。
【0070】
a.発熱層1
発熱層1はニッケル、鉄、強磁性SUS、ニッケル−コバルト合金といった強磁性体の金属を用いるとよい。
【0071】
非磁性の金属でも良いが、より好ましくは磁束の吸収の良いニッケル、鉄、磁性ステンレス、コバルト−ニッケル合金等の金属が良い。
【0072】
その厚みは次の式で表される表皮深さより厚くかつ200μm以下にすることが好ましい。表皮深さσ〔m〕は、励磁回路の周波数f〔Hz〕と透磁率μと固有抵抗ρ〔Ωm〕で
σ=503×(ρ/fμ)1/2
と表される。
【0073】
これは電磁誘導で使われる電磁波の吸収の深さを示しており、これより深いところでは電磁波の強度は1/e以下になっており、逆にいうと殆どのエネルギーはこの深さまでで吸収されている(図9)。
【0074】
発熱層1の厚さは好ましくは1〜100μmがよい。発熱層1の厚みが1μmよりも小さいとほとんどの電磁エネルギーが吸収しきれないため効率が悪くなる。また、発熱層が100μmを超えると剛性が高くなりすぎ、また屈曲性が悪くなり回転体として使用するには現実的ではない。従って、発熱層1の厚みは1〜100μmが好ましい。
【0075】
b.弾性層2
弾性層2は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱性がよく、熱伝導率がよい材質である。
【0076】
弾性層2の厚さは10〜500μmが好ましい。この弾性層2は定着画像品質を保証するために必要な厚さである。
【0077】
カラー画像を印刷する場合、特に写真画像などでは記録材P上で大きな面積に渡ってベタ画像が形成される。この場合、記録材の凹凸あるいはトナー層の凹凸に加熱面(離型層3)が追従できないと加熱ムラが発生し、伝熱量が多い部分と少ない部分で画像に光沢ムラが発生する。伝熱量が多い部分は光沢度が高く、伝熱量が少ない部分では光沢度が低い。弾性層2の厚さとしては、10μm以下では記録材あるいはトナー層の凹凸に追従しきれず画像光沢ムラが発生してしまう。また、弾性層2が1000μm以上の場合には弾性層の熱抵抗が大きくなりクイックスタートを実現するのが難しくなる。より好ましくは弾性層2の厚みは50〜500μmがよい。
【0078】
弾性層2の硬度は、硬度が高すぎると被記録材あるいはトナー層の凹凸に追従しきれず画像光沢ムラが発生してしまう。そこで、弾性層2の硬度としては60゜(JIS−A)以下、より好ましくは45゜(JIS−A)以下がよい。
【0079】
弾性層2の熱伝導率λに関しては、
6×10-4〜2×10-3〔cal/cm・sec・deg.〕
がよい。
【0080】
熱伝導率λが6×10-4〔cal/cm・sec・deg.〕よりも小さい場合には、熱抵抗が大きく、定着フィルムの表層(離型層3)における温度上昇が遅くなる。
熱伝導率λが2×10-3〔cal/cm・sec・deg.〕よりも大きい場合には、硬度が高くなりすぎたり、圧縮永久歪みが悪化する。
よって熱伝導率λは6×10-4〜2×10-3〔cal/cm・sec・deg.〕がよい。より好ましくは8×10-4〜1.5×10-3〔cal/cm・sec・deg.〕がよい。
【0081】
c.離型層3
離型層3はフッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA、PTFE、FEP等の離型性かつ耐熱性のよい材料を選択することができる。
【0082】
離型層3の厚さは1〜100μmが好ましい。離型層3の厚さが1μmよりも小さいと塗膜の塗ムラで離型性の悪い部分ができたり、耐久性が不足するといった問題が発生する。また、離型層が100μmを超えると熱伝導が悪化するという問題が発生し、特に樹脂系の離型層の場合は硬度が高くなりすぎ、弾性層2の効果がなくなってしまう。
【0083】
また図8に示すように、定着フィルム10の層構成において、発熱層1の自由面側(発熱層1の弾性層2側とは反対面側)に断熱層4を設けてもよい。
【0084】
断熱層4としては、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂などの耐熱樹脂がよい。
【0085】
また、断熱層4の厚さとしては10〜1000μmが好ましい。断熱層4の厚さが10μmよりも小さい場合には断熱効果が得られず、また、耐久性も不足する。一方、1000μmを超えると磁性コア17a,17b,17c及び励磁コイル18から発熱層1の距離が大きくなり、磁束が十分に発熱層1に吸収されなくなる。
【0086】
断熱層4は、発熱層1に発生した熱が定着フィルムの内側に向かわないように断熱できるので、断熱層4がない場合と比較して被記録材P側への熱供給効率良くなる。よって、消費電力を抑えることができる。
【0087】
(第2の実施の形態)
本実施の形態においては、図10に示すように、定着フィルム10の発熱域Hを定着ニップN外に設けて、この発熱域Hの対向位置に温度検知素子であるサーミスタ26を配設している。サーミスタ26は定着フィルム10の発熱域Hに定着フィルム10の外面から当接させた。定着フィルム10の発熱域Hの温度は、不図示の温度検知手段を含む温調系により励磁コイル18に対する電流供給が制御されることで所定の温度が維持されるように温調される。これ以外は第1の実施の形態と同様の構成であり、定着フィルム10の発熱域Hを定着ニップN外に設ける方法としては、磁性コア17aに加えて、磁性コア17b,17cを設け、励磁コイルを定着フィルム10の発熱層に沿うように配設することにより実現した。
【0088】
本実施の形態のように定着フィルム10の発熱域Hにサーミスタ26を配設することにより、発熱域Hの温度を直接測定することができる。本構成の定着フィルム10は熱容量が小さくそれ自身が発熱するため、発熱域Hそのものの温度を制御することができ、設定温度に対する定着フィルム10の温度のバラつきは無視できるほど小さくできた。
【0089】
定着ニップNの外で一定温度に保たれた定着フィルム10が定着ニップ部N内へ入っていき、記録材Pを加熱するため、定着画像も安定したものが得られた。特に、温度設定に対する追従性が良好なため、設定温度を数段階に制御することにより定着画像の光沢度を簡単に変更することが可能となった。
【0090】
従来では、発熱箇所と温度検知箇所が離れていたために、温度検知が間に合わずオーバーシュートが発生したり、定着不良が発生したり、もしくは、これらの問題を回避するために複雑な温度制御のシーケンスを組まなければならなかったが、本実施の形態により簡単に、しかも、安定した制御が可能となった。
【0091】
本実施の形態では、温度検知素子としてのサーミスタ26を定着フィルム10の外面に当接させたが内面に当接させてもよい。また、非接触の温度検知素子を用いてもよい。また、温度検知素子の位置は定着ニップ部Nに対して前後どちらでもよく、前後ともに配設することも可能である。要は、定着フィルム10の発熱域Hが定着ニップN外にあり、発熱域Hの対向位置にサーミスタなどの温度検知素子を配設すればよい。
【0092】
(第3の実施の形態)
本実施の形態においては、図11に示すように、定着フィルム10の発熱域Hを定着ニップN外に設けて、この発熱域Hの対向位置に暴走時の励磁コイル18への給電を遮断するため温度検知素子であるサーモスイッチを配設している。
【0093】
これ以外は第1の実施の形態または第2の実施の形態と同様の構成であり、定着フィルム10の発熱域Hを定着ニップN外に設ける方法としては、磁性コア17aに加えて、磁性コア17b,17cを設け、励磁コイルを定着フィルム10の発熱層に沿うように配設することにより実現した。
【0094】
図12は本実施の形態で使用した安全回路の回路図である。温度検知素子であるサーモスイッチ40は+24VDC電源とリレースイッチ41と直列に接続されており、サーモスイッチ40が切れると、リレースイッチ41への給電が遮断され、リレースイッチ41が動作し、励磁回路27への給電が遮断されることにより励磁コイル18への給電を遮断する構成をとっている。サーモスイッチ40はOFFの温度を220℃に設定した。
【0095】
また、サーモスイッチ40は定着フィルム10の発熱域Hに対向して定着フィルム10の外面に非接触に配設した。サーモスイッチ40と定着フィルム10との間の距離は略2mmとした。
【0096】
本実施の形態によれば、装置故障による定着装置暴走時、例えば、定着ニップNに紙が挟まった状態で定着器が停止し、励磁コイル18に給電が続けられ定着フィルム10が発熱し続けた場合でも、紙が挟まっている定着ニップ部Nでは発熱していないために紙が直接加熱されることがない。また、発熱量が多い発熱域Hには、サーモスイッチ40が配設してあるため、サーモスイッチ40が220℃を感知して、サーモスイッチが切れた時点で、リレースイッチ41により励磁コイル18への給電が遮断される。
【0097】
本実施の形態によれば、紙の発火温度は約400℃近辺であるため紙が発火することなく、定着フィルムの発熱を停止することができた。
【0098】
本実施の形態では、温度検知素子としてサーモスイッチを用いたが、温度ヒューズを用いてもよい。また、温度検知素子を定着フィルムの外面に非接触で配設したが接触させてもよい。また、発熱域H内であれば温度検知素子を定着フィルム10の内面に配設することもできる。また、温度検知素子の位置は定着ニップ部Nに対して前後どちらでもよく、前後ともに配設することも可能である。要は、定着フィルムの発熱域Hが定着ニップN外にあり、発熱域Hの対向位置にサーモスイッチや温度ヒューズなどの温度検知素子を配設すればよい。
【0099】
尚、電磁誘導発熱性の定着フィルム10は、モノクロあるいは1パスマルチカラー画像などの加熱定着用の場合は弾性層2を省略した形態のものとすることもできる。発熱層1は樹脂に金属フィラーを混入して構成したものとすることもできる。発熱層単層の部材とすることもできる。
【0100】
また加熱装置としての定着装置100の装置構成は実施例の加圧ローラ駆動方式に限られるものではない。
【0101】
例えば、図15ののように、フィルムガイド16と、駆動ローラ31と、テンションローラ32との間に、電磁誘導発熱性のエンドレスベルト状の定着フィルム10を懸回張設し、フィルムガイド16の下面部と加圧部財としての加圧ローラ30とを定着フィルム10に挟んで圧接させて定着ニップ部Nを形成させ、定着フィルム10を駆動ローラ31によって回転駆動させる装置構成にすることもできる。この場合、加圧ローラ30は従動回転ローラである。
【0102】
また加圧部材30はローラ体に限らず、回動ベルト型など他の形態の部材にすることもできる。
【0103】
また加圧部材30側からも被記録材に熱エネルギーを供給するために、加圧部材30側にも電磁誘導加熱などの発熱手段を設けて所定の温度に加熱・温調する装置構成にすることもできる。
【0104】
また本発明の加熱装置は実施の形態の画像加熱定着装置としてに限らず、画像を担持した記録材を加熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置、仮定着する像加熱装置、その他、加熱材の加熱乾燥装置、加熱ラミネート装置など、広く被加熱材を加熱処理する手段・装置として使用できる。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電磁誘導加熱方式の加熱装置において、定着フィルムの発熱域を定着ニップ外に設定することにより、定着尾引きのない良好な定着画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の像加熱装置を用いた画像形成装置の概略構成図
【図2】加熱装置としての定着装置の要部の横断側面模型図
【図3】定着装置の正面模型図
【図4】定着装置の正面模型図
【図5】フィルムガイド部材と励磁コイル、磁性コアの斜視図
【図6】磁束と定着フィルムの発熱量の関係を示した図
【図7】電磁誘導発熱性の定着フィルムの層構成模型図
【図8】電磁誘導発熱性の定着フィルムの層構成模型図
【図9】発熱層深さと電磁波強度の関係を示したグラフ
【図10】第2の実施の形態における温度検知素子の配置図
【図11】第3の実施の形態における温度検知素子の断面図
【図12】第3の実施の形態における安全回路図
【図13】本発明の背景技術である電磁誘導加熱方式の加熱装置(定着装置)の一例の構成略図
【図14】磁束と定着フィルムの発熱量の関係を示した図
【図15】定着装置の他の構成形態例の概略図
【符号の説明】
1 発熱層
2 弾性層
3 離型層
4 断熱層
10 定着フィルム
16 フィルムガイド
17a〜17c 磁性コア
18 励磁コイル
23a・23b 定着フィルム端部の規制・保持用フランジ部材
25a・25b 加圧バネ部材
26 温度検知素子(サーミスタ)
30 加圧部材としての加圧ローラ
40 温度検知素子(サーモスイッチ)
41 リレースイッチ
Claims (3)
- 発熱層を有する回転体と、この回転体の内部に設けられている励磁コイル及び磁性コアを有し回転体の発熱層に渦電流を発生させるための磁束発生手段と、回転体と接触しており回転体との間に画像を担持する記録材を挟持搬送するニップ部を形成する加圧部材と、を有する像加熱装置において、
前記磁性コアは前記回転体の回転方向に対し直交する方向に沿って設けられており、前記励磁コイルは前記磁性コアの長手方向周りに前記回転体の面に沿う形状に巻かれており、前記回転体の周方向で前記回転体の面に沿う前記励磁コイルの2つの領域はいずれも前記ニップ部に対向していないことを特徴とする像加熱装置。 - 前記装置は更に、前記回転体の前記励磁コイルが対向している領域の温度を検知する温度検知素子と、この温度検知素子の検知温度が所定温度を維持するように前記励磁コイルへの通電を制御する制御手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
- 前記装置は更に、前記回転体の前記励磁コイルが対向している領域に設けられており前記回転体の前記励磁コイル対向領域の温度が過昇温した時に前記励磁コイルへの通電を遮断するための温度検知素子を有することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
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- 1996-09-27 JP JP25627696A patent/JP3542445B2/ja not_active Expired - Fee Related
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