JP3541618B2 - 放電加工による曲がり穴加工方法及びその装置 - Google Patents

放電加工による曲がり穴加工方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極と被加工物との間の放電を利用してその被加工物に曲がり穴を加工する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
これに関する従来の曲がり穴加工装置が電気加工技術vol.25 No.50 に記載されており、その概略図が図9に示されている。
前記曲がり穴加工装置1は、複数の関節部品4を直列に連結した電極送り部材2を備えており、その電極送り部材2の先端に放電加工用の電極3が取付けられている。電極送り部材2は、電極3を被加工物wの穴wr内に送るための部材であり、その関節部品4は、銅パイプ4pと、その銅パイプ4pに鍔状に固定されたバネ固定治具4kとから構成されている。そして、隣合う前記関節部品4のバネ固定治具4k間に四本のコイルバネ4bが前記銅パイプ4pを囲んで前後左右に装着されている。
【0003】
前記コイルバネ4bは、形状記憶合金で製作されており、個々のコイルバネ4bに電源が接続されている。そして、前記コイルバネ4bに電流が流され、コイルバネ4bの温度が上昇すると、そのコイルバネ4bは縮む。逆に、コイルバネ4bの通電が解除されると温度が低下し、そのコイルバネ4bは元の長さに戻される。
したがって、個々のコイルバネ4bの通電状態を制御することにより、電極送り部材2を前後左右に曲げて曲率を変えることができる。このため、電極送り部材2の曲率を制御しながら電極3を送ることにより、被加工物wに電極送り部材2の曲率に応じた曲がり穴を加工することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した曲がり穴加工装置1は、隣合う関節部品4の間に装着された四本のコイルバネ4bをそれぞれ伸び縮みさせながら電極送り部材2の曲率を制御する方式であるため、電極送り部材2の外径が大きくなり、小径の曲がり穴を加工するのは困難である。
また、個々のコイルバネ4bの通電状態を制御するため制御手段が複雑であり、さらに、コイルバネ4bのメンテナンスも頻繁に必要となる。
【0005】
そこで、請求項1〜請求項4に記載された発明は、曲がり穴加工中における電極送り部材の曲率制御を不要にして機構を簡単にすることにより、電極送り部材の小型化を図り小径の曲がり穴を加工できるようにすること、また、メンテナンスの頻度も少なくすることをその目的とするものである。
また、請求項5に記載された発明は、請求項1〜請求項4に記載された発明の目的に加えて、曲がり穴の加工精度を向上させることをその目的とするものである。
また、請求項6に記載された発明は、請求項1〜請求項4に記載された発明の目的に加えて、電極送り部材の製作コストを低減させることをその目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、以下の特徴を有する放電加工による曲がり穴加工方法及びその装置によって解決される。
即ち、請求項1に記載された放電加工による曲がり穴加工方法は、電極と被加工物との間の放電を利用してその被加工物に曲がり穴を加工する方法において、
復元力で一定曲率の曲げ形状に戻ろうとする電極送り部材をガイド部材に収納して所定形状に保持し、
前記ガイド部材と電極送り部材とを一体で前進させながら、その電極送り部材の先端に装着されている電極を被加工物内の第1の位置まで送り、
そのガイド部材に対して前記電極送り部材を前進させながら、前記電極を第1の位置から第2の位置まで送ることを特徴とする。
【0007】
本発明によると、ガイド部材と電極送り部材とを一体で移動させながら電極を第1の位置まで送ることにより、被加工物には電極送り部材の形状に対応する所定形状の穴が加工される。また、電極を第1の位置まで送った後、その電極送り部材をガイド部材に対して前進させると、そのガイド部材から突出した電極送り部材の先端部分は復元力により一定曲率の曲げ形状に戻される。このため、その電極送り部材の先端に装着されている電極も電極送り部材の曲げ形状に倣って前進する。したがって、被加工物には、第1の位置から第2の位置まで電極送り部材の曲げ形状に等しい曲率の曲がり穴が形成される。
このように、電極送り部材を前進させてその先端部分をガイド部材から突出させることにより、一定曲率の曲がり穴を加工することができるため、曲がり穴の加工中に電極送り部材の曲率を制御する必要がなくなり、電極送り部材の構造を簡単にすることができる。
このため、電極送り部材を小型化でき、小径、かつ、曲率の大きな(Rの小さな)の曲がり穴を加工できるようになる。また、電極送り部材の構造が簡単になることからメンテナンス等もほとんど不要となる。
【0008】
また、請求項2に記載された放電加工による曲がり穴加工方法は、請求項1に記載された放電加工による曲がり穴加工方法において、
前記電極送り部材を可撓性を有するガイド部材に収納し、そのガイド部材と電極送り部材とを一体で前進させながら、その電極送り部材の先端に装着されている電極を被加工物の加工済曲がり穴を通して第1の位置まで送ることを特徴とする。
【0009】
本発明によると、ガイド部材は可撓性を有しているため、電極送り部材をガイド部材に収納した状態でそのガイド部材等を被加工物の加工済曲がり穴に挿入することにより、電極を第1の位置まで送ることができる。さらに、この状態から電極送り部材をガイド部材に対して前進させることにより、加工済曲がり穴の先に連続して一定曲率の曲がり穴を加工することができる。
【0010】
また、請求項3に記載された放電加工による曲がり穴加工装置は、電極と被加工物との間の放電を利用してその被加工物に曲がり穴を加工する装置において、
先端に電極を支持しており、一定曲率の曲げ形状に戻ろうとする復元力を受けている電極送り部材と、
前記電極送り部材を収納してその電極送り部材を前記復元力に抗して所定形状に保持するガイド部材と、
前記ガイド部材と電極送り部材とを一体で前進させながら、その電極送り部材の先端に装着されている電極を被加工物内の第1の位置まで送る第1送り機構と、
前記ガイド部材に対して電極送り部材を前進させながら、前記電極を第1の位置から第2の位置まで送る第2送り機構と、
を有している。
即ち、本発明により、請求項1に記載の発明を実施することができ、請求項1に記載の発明と同様の作用、効果を得ることができる。
【0011】
また、請求項4に記載された放電加工による曲がり穴加工装置は、請求項3に記載された放電加工による曲がり穴を加工装置において、
前記ガイド部材は可撓性を有しており、
第1送り機構は、そのガイド部材と電極送り部材とを一体で前進させながら、電極を加工済曲がり穴を通して第1の位置まで送ることを特徴とする。
即ち、本発明により、請求項2に記載の発明を実施することができ、請求項2に記載の発明と同様の作用、効果を得ることができる。
【0012】
また、請求項5に記載された放電加工による曲がり穴加工装置は、請求項3又は請求項4に記載された放電加工による曲がり穴加工装置において、
電極送り部材は、
一定曲率の曲げ形状から直線形状まで変形できるように、直列に連結された複数の関節部品と、
それらの関節部品の端面が相互に面接触して一定曲率の曲げ形状になるように、それらの関節部品の連結体に対して復元力を付与する機構と、
を有することを特徴とする。
本発明によると、電極送り部材は複数の関節部品を直列に連結した構造であり、さらに、それらの関節部品の端面が相互に面接触した状態で、電極送り部材は一定曲率の曲げ形状に保持される。このため、電極送り部材が復元力で元の形状に戻される際にその曲率がばらつくことはない。したがって、曲がり穴の曲率も変動することがなく、加工精度が高くなる。
【0013】
また、請求項6に記載された放電加工による曲がり穴加工装置は、請求項3又は請求項4に記載された放電加工による曲がり穴加工装置において、
電極送り部材は、一定曲率の曲げ形状に成形された弾性体であることを特徴とする。
本発明によると、電極送り部材は一定曲率の曲げ形状に成形された弾性体であるため、一体成形が可能であり、製作コストを低減させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕
以下、図1〜図7に基づいて、本発明の第1の実施の形態に係る放電加工による曲がり穴加工方法及びその装置の説明を行う。ここで、図1は本実施の形態に係る曲がり穴加工装置の要部縦断面図、図2は電極送り部材の先端部分の詳細図、図3は電極送り部材を構成する関節部品の斜視図、図4は前記曲がり穴加工装置の全体側面図である。なお、曲がり穴加工装置の幅方向をX軸方向、前後方向をY軸方向、高さ方向をZ軸方向として以下の説明を行う。
前記曲がり穴加工装置10は、被加工物wの内部に一定曲率の曲がり穴wrを放電加工するための装置であり、図4に示されるように、ベース11を備えている。
前記ベース11の上には、加工液を貯留する上部開放形の液槽12が設置されており、その液槽12内に被加工物wが収納される。また、前記液槽12の後方には、X軸,Y軸,Z軸移動機構13x,13y,13zを備えるロボット13が設置されている。
【0015】
前記Z軸移動機構13zは下部に突き出し軸13tを備えており、内蔵する送り制御装置(図示されていない)によりその突き出し軸13tの突出量を制御することができる。また、前記突き出し軸13tの先端には、後記する電極送り部材14の上端部が連結されている。
さらに、Z軸移動機構13zには前記突き出し軸13tと並んでL型のガイドフレーム15fが固定されており、そのガイドフレーム15fの水平部分に、前記電極送り部材14をZ軸方向にガイドするためのガイドパイプ15が縦に固定されている。
【0016】
この構造により、ロボット13のX軸,Y軸,Z軸移動機構13x,13y,13zが作動することにより、電極送り部材14とガイドパイプ15は一体でX軸、Y軸、Z軸方向に移動する。また、Z軸移動機構13z等が定位置に保持されている状態で、前記送り制御装置により突き出し軸13tの突出量を制御することにより、ガイドパイプ15に対して電極送り部材14を前進(下降)させたり後退(上昇)させたりすることが可能になる。
【0017】
前記電極送り部材14は絶縁材料で製作されており、図1に示されるように、直管部14pと九個の関節部品14eとから構成されている。前記直管部14pはその内部に加工液を流すための通路14yが形成された筒状部材であり、その上端が前述のように突き出し軸13tの先端(下端)に同軸に連結されている。さらに、前記直管部14pの下端には後下がり(図1において右下がり)の傾斜面14kが設けられており、その後端部に連結ピン14bが挿入される連結孔14aがX軸方向に形成されている。
前記直管部14pには、前記連結ピン14bと連結孔14aとによって関節部品14eがX軸回りに回動できるように連結されている。
【0018】
前記関節部品14eは、図2、図3に示されるように、半径R、幅Mのリングを角度θごとに等分した形状をしており、その関節部品14eの外周側の上下端に連結ピン14bが挿入される連結孔14aがX軸方向に形成されている。また、前記関節部品14eの中央部分には、上側の傾斜端面14uから下側の傾斜端面14uにかけて加工液を流すための縦貫通孔14zが形成されている(図3参照)。
前記関節部品14eは、相互にX軸回りに回動可能な状態で連結ピン14b及び連結孔14aにより直列に連結されており、先端に設けられた関節部品14eに前記電極16が同じく連結ピン14bと連結孔14a,16aを介して連結されている。なお、前記電極16内にも加工液を流すための縦貫通孔16z(図1
参照)が形成されている。
【0019】
各々の前記関節部品14eの縦貫通孔14zには、図1に示されるように、ワイヤー17が通されており、そのワイヤー17の一端が前記電極16に接続されている。また、前記ワイヤー17の他端は前記直管部14pの傾斜小孔14nを通ってその直管部14pの外部に引き出され、バネ17bを介して直管部14pの上端部に固定された引き止め金具17tに連結されている。
また、前記ワイヤー17には、給電子18tによって電源装置18から放電加工用の電力が供給される。
【0020】
前記バネ17bは、ワイヤー17に所定の張力を付与するためのものであり、そのバネ17bの力により前記電極16は直管部14p側に引っ張られる。このため、各々の関節部品14eも電極16に押圧力により前記直管部14pに引き寄せられ、連結ピン14b、連結孔14aの働きによりX軸回りに回動する。そして、前記電極16の傾斜端面16u及び関節部品14eの傾斜端面14uが相互に面接触し、電極送り部材14の関節部品14eの部分は、図2に示されるように、半径Rの曲率で曲げられる。なお、図2は電極送り部材14の先端部分を表している。
【0021】
ここで、半径Rの仮想円が関節部品14eの傾斜端面14uと交わる点をE,Fとし線分(E,F)の長さをLとすると、R=L÷(2 ×SIN θ/2) となる。このように、電極送り部材14は、ワイヤー17、バネ17b等の働きにより、半径Rの曲率に曲げられるような力を付与されている。したがって、電極送り部材14が前述のようにガイドパイプ15に収納され、前記バネ17bの力に抗して直線状に延ばされたとしても(図5(A)参照)、そのガイドパイプ15から押し出された電極送り部材14の一部は前記バネ力により速やかに半径Rの曲げ形状に戻される。 即ち、前記ワイヤー17やバネ17bが本発明の関節部品14eの連結体に対して復元力を付与する機構として機能する。
【0022】
次に、図4、図5に基づいて、本実施の形態に係る放電加工による曲がり穴加工方法の説明を行う。
先ず、加工前段階で、電極送り部材14及びガイドパイプ15が上限位置に保持され、さらに、Z軸移動機構13zに設けられた突き出し軸13tは突出量が最小値に保持される。このため、ガイドパイプ15に対して電極送り部材14は上限位置まで引き上げられており、図5(A)に示されるように、電極16のみがガイドパイプ15の先端から突出している。このため、電極送り部材14はバネ17bの力に抗して直線状に保持される。
【0023】
この状態で、前記液槽12内の所定位置に被加工物wが位置決めされると、ロボット13のX軸移動機構13x,Y軸移動機構13yが駆動されて、電極16等は被加工物w上の予め決められた位置に位置決めされる。次に、Z軸移動機構13zが駆動されて電極送り部材14及びガイドパイプ15が一体で下降し、被加工物wの上面が放電加工される。このとき、電極送り部材14及びガイドパイプ15の下降量は放電加工の状況に応じて制御される。なお、放電加工部位には、図示されていない加工液供給ポンプから電極送り部材14の通路14y、縦貫通孔14z等を介して加工液が供給される。
このようにして、電極送り部材14及びガイドパイプ15を一体で下降させることにより被加工物wには直線状の縦穴wsが加工される。
【0024】
そして、被加工物wの縦穴wsが予め決められた深さ(第1の位置)に達すると、Z軸移動機構13zがその高さに保持された状態で、送り制御装置が駆動されて、突き出し軸13tが下方に突出する。このとき、その突出量は放電加工の状況に応じて制御される。前記突き出し軸13tが突出することにより、ガイドパイプ15に対して電極送り部材14が前進(下降)し、電極送り部材14の先端部分はガイドパイプ15の先端から突出する。これにより、電極送り部材14の先端部分は、図5(B)に示されるように、前記バネ17bの力により半径Rの曲率で曲げられる。このようにして、ガイドパイプ15に対して電極送り部材14を前進させながら放電加工を行うことにより、被加工物wには、縦穴wsの先に連続して一定曲率(半径R)の曲がり穴wrが形成される(図1、図5(C)参照)。なお、前記縦穴wsは切削加工により予め製作しておいても良い。
【0025】
そして、電極が所定の位置(第2の位置)に到達したタイミングで放電加工が終了し、送り制御装置及びZ軸移動機構13zにより電極送り部材14及びガイドパイプ15が被加工物wから引き抜かれる。
なお、曲がり穴wrの曲率を変える場合には、曲率に応じた電極送り部材14を使用することにより、希望する曲率の曲がり穴wrを加工することができる。即ち、上述のガイドパイプ15が本発明のガイド部材に相当し、前記ロボット13が本発明の第1送り機構に相当する。また、前記突き出し軸13tの送り制御装置が本発明の第2の送り機構に相当する。
【0026】
このように、本実施の形態に係る放電加工による曲がり穴加工方法及びその装置によると、電極送り部材14をガイドパイプ15に対して前進させてその先端部分をガイドパイプ15から突出させることにより、一定曲率Rの曲がり穴を加工することができる。したがって、曲がり穴の加工中に、電極送り部材14の曲率を制御する必要がなくなり、電極送り部材14の構造を簡単にすることができる。このため、電極送り部材14を小型化でき、小径、かつ、曲率の大きな(Rの小さな)の曲がり穴wrを加工できるようになる。また、電極送り部材14の構造が簡単になることからメンテナンス等もほとんど不要となる。
【0027】
さらに、電極送り部材14は複数の関節部品14eを直列に連結した構造であり、それらの関節部品14eの傾斜端面14uが相互に面接触した状態で、その電極送り部材14は一定曲率の曲げ形状に保持される。このため、電極送り部材14が復元力で元の形状に戻される際にその曲率Rがほとんど変動することはない。したがって、曲がり穴の曲率Rも変動し難くなり、曲がり穴の加工精度が高くなる。
【0028】
ここで、本実施の形態においては、電極16に電力を供給する際にワイヤ17を使用したが、電極送り部材14を被覆付き導電性材料で製作し、電極送り部材14を介して電極16に電力を供給する方法も可能である。
また、本実施の形態においては、放電加工部位に電極送り部材14の通路14y、縦貫通孔14z等を介して加工液を供給する方法を使用したが、吸引ポンプ等により電極送り部材14の通路14y等を通して加工液を吸引することにより、放電加工部位に液槽12内の加工液を導く方法でも可能である。
さらに、本実施の形態においては、電極送り部材14を一定曲率の曲げ形状に復元するためにワイヤ17とバネ17bとを使用したが、加工液の吸引力により電極送り部材14を一定曲率の曲げ形状に復元することも可能である。
【0029】
また、本実施の形態においては、一本のワイヤ17と一個のバネ17bを使用して電極送り部材14を一方向に曲げる例を表したが、図6に示されるように、電極送り部材24の関節部品24eを左右対称形とし、一対のワイヤ27及びバネ27bを使用することにより、片側のワイヤ27に張力を加えて電極送り部材24を左右いずれか希望する方向に曲げることも可能である。
同様に、電極送り部材34の関節部品34eを前後左右対称形として各関節部品34eをボールジョイント37rで連結し、二対のワイヤ37及びバネ37bを使用することにより、一本のワイヤ37に張力を加えて電極送り部材34を前後左右いずれか希望する方向に曲げることも可能である。
【0030】
〔第2の実施の形態〕
以下、図8に基づいて、本発明の第2の実施の形態に係る放電加工による曲がり穴加工方法及びその装置の説明を行う。
本実施の形態に係る放電加工による曲がり穴加工装置40は、U字型の曲がり穴を加工した後、そのU字型の曲がり穴の先に逆U字型の曲がり穴を加工する装置であり、U字型の曲がり穴を加工する電極送り部材44、ガイドパイプ45及び逆U字型の曲がり穴を加工する電極送り部材144、ガイドパイプ145を備えている。
【0031】
ここで、前記電極送り部材44、144としては弾性材料を一定曲率の曲げ形状に成形したものが使用され、U字型の曲がり穴加工用のガイドパイプ45としては剛性を有する直管状のパイプが使用される。また、逆U字型の曲がり穴加工用のガイドパイプ145としては可撓性を有する直管状のパイプが使用される。なお、本実施の形態に係る曲がり穴加工装置40のその他の構造は、第1の実施の形態に係る曲がり穴加工装置10と同様である。このため、第1の実施の形態に係る放電加工による曲がり穴加工装置10と同じ構造の部材については同じ番号を使用して前記曲がり穴加工装置40の動作(曲がり穴加工方法)を説明する。
【0032】
本実施の形態に係る曲がり穴加工方法によると、先ず、剛性を有する直管状のガイドパイプ45がガイドフレーム15fに装着され、U字型の曲がり穴加工用の電極送り部材44がガイドパイプ45に通されてZ軸移動機構13zの突き出し軸13tに接続される。そして、前記突き出し軸13tがZ軸移動機構13zに収納されることにより、電極送り部材44はガイドパイプ45に対して後退し(上昇し)、弾性材料の復元力に抗して直線状に延ばされた状態でガイドパイプ45に収納される。これによって、電極送り部材44の先端に装着されている電極16のみがガイドパイプ45の先端から突出するようになる。
【0033】
この状態で、前記液槽12内の所定位置に被加工物wが位置決めされると、ロボット13のX軸移動機構13x,Y軸移動機構13yが駆動されて、電極16は被加工物w上の予め決められた位置に位置決めされる。次に、Z軸移動機構13zが駆動されて電極送り部材44及びガイドパイプ45が一体で下降することにより放電加工が行われて被加工物wには直線状の縦穴wsが加工される。
そして、被加工物wの縦穴wsが予め決められた深さに達すると、Z軸移動機構13zがその高さに保持された状態で、送り制御装置が駆動されて突き出し軸13tが下方に突出する。
【0034】
前記突き出し軸13tが突出することにより、電極送り部材44がガイドパイプ45に対して前進(下降)し、電極送り部材44の先端部分はガイドパイプ45の先端から突出する。これにより、図8(A)に示されるように、電極送り部材44の先端部分は弾性部材の復元力により所定の曲率で曲げられる。このようにして、ガイドパイプ45に対して電極送り部材44を前進させながら放電加工を行うことにより、被加工物wには縦穴wsの先に連続して一定曲率の曲がり穴wr(U字型の曲がり穴wr)が形成される。
【0035】
上記曲がり穴wrが加工されると、前記突き出し軸13tがZ軸移動機構13zに収納され、さらに、Z軸移動機構13zが上限位置まで上昇する。これによって、電極送り部材44及びガイドパイプ45が被加工物wの曲がり穴wr及び縦穴wsから引き抜かれる。
次に、使用済のガイドパイプ45が可撓性を有する直管状のガイドパイプ145に交換され、さらに、前記電極送り部材144が所定曲率で逆方向に曲がる別の電極送り部材144に取り替えられる。次に、前記突き出し軸13tがZ軸移動機構13zに収納されることにより、電極送り部材144はガイドパイプ145に対して後退し(上昇し)、弾性材料の復元力に抗して直線状に延ばされた状態でガイドパイプ145に収納される。これによって、電極送り部材144の先端に装着されている電極16のみがガイドパイプ145の先端から突出するようになる。
【0036】
次に、Z軸移動機構13zが再び駆動されて電極送り部材144及びガイドパイプ145が一体で下降することにより、電極16、電極送り部材144及びガイドパイプ145は、図8(B)に示されるように、既に加工した縦穴ws及び曲がり穴wrに挿入される。そして、電極16等が曲がり穴wrに倣って前進し、その曲がり穴wrの先端位置に到達した段階でZ軸移動機構13zがその高さに保持され、そのZ軸移動機構13zの送り制御装置が駆動される。これによって、Z軸移動機構13zの突き出し軸13tが下方に突出し、再び放電加工が開始されることにより、図8(C)に示されるように、電極送り部材144の先端部分は弾性部材の復元力により所定の曲率で逆方向に曲げられながら、被加工物wにはU字型の曲がり穴wrの先に連続して逆U字型の曲がり穴wxが形成される。
【0037】
このように、本実施の形態に係る放電加工による曲がり穴加工装置40によると、複数の曲がり穴を直列に加工することができるため、装置の利用範囲が広くなる。また、電極送り部材44,144として一定曲率の曲げ形状に成形された弾性材料が使用されるため、電極送り部材44,144を一体成形できるようになり、製作コストを低減させることができる。
なお、本実施の形態においては、縦穴ws、U字型の曲がり穴wr及び逆U字型の曲がり穴wxを加工する際に、弾性部材の電極送り部材44,144を使用したが、第1の実施の形態において表した左右対称形の電極送り部材24や前後左右対称形の電極送り部材34を使用しても加工することは可能である。
【0038】
また、逆U字型の曲がり穴wxを成形する際に可撓性を有するガイドパイプ145を使用したが、剛性を有する直管状のガイドパイプ45を使用しても、電極16及び電極送り部材144はU字型の曲がり穴wrを倣って移動できるため、逆U字型の曲がり穴wxの成形は可能である。ただし、ガイドパイプ145の厚み分だけ曲がり穴wrと電極送り部材24との間に隙間ができるため、加工精度は低下する。
【0039】
【発明の効果】
本発明によると、曲がり穴加工中に、電極送り部材の曲率を制御する必要がなくなるため、電極送り部材の構造を簡単にできる。このため、電極送り部材を小型化でき、小径、かつ、曲率の大きな(Rの小さな)の曲がり穴を加工できるようになる。また、電極送り部材の構造が簡単になることからメンテナンス等もほとんど不要となる。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る曲がり穴加工装置の要部縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る曲がり穴加工装置の電極送り部材の要部詳細図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る曲がり穴加工装置の電極送り部材を構成する関節部品の斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る曲がり穴加工装置の全体側面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る曲がり穴加工方法を表す側面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る曲がり穴加工装置の電極送り部材の全体斜視図である(図A)。電極送り部材の関節部品の斜視図である(図B)。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る曲がり穴加工装置の電極送り部材の全体斜視図である(図A)。電極送り部材の関節部品の斜視図である(図B)。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る曲がり穴加工方法を表す側面図である。
【図9】従来の曲がり穴加工方法を表す側面図である。
【符号の説明】
w 被加工物
wr U字型の曲がり穴
wx 逆U字型の曲がり穴
13 ロボット
13z Z軸移動機構(第1送り機構)
13t 突き出し軸(第2送り機構)
14 電極送り部材
14e 関節部品
15 ガイドパイプ(ガイド部材)
16 電極
17 ワイヤ
17b バネ
17t 引き止め金具

Claims (6)

  1. 電極と被加工物との間の放電を利用してその被加工物に曲がり穴を加工する方法において、
    復元力で一定曲率の曲げ形状に戻ろうとする電極送り部材をガイド部材に収納して所定形状に保持し、
    前記ガイド部材と電極送り部材とを一体で前進させながら、その電極送り部材の先端に装着されている電極を被加工物内の第1の位置まで送り、
    そのガイド部材に対して前記電極送り部材を前進させながら、前記電極を第1の位置から第2の位置まで送ることを特徴とする放電加工による曲がり穴加工方法。
  2. 請求項1に記載された放電加工による曲がり穴加工方法において、
    前記電極送り部材を可撓性を有するガイド部材に収納し、そのガイド部材と電極送り部材とを一体で前進させながら、その電極送り部材の先端に装着されている電極を被加工物の加工済曲がり穴を通して第1の位置まで送ることを特徴とする放電加工による曲がり穴加工装置。
  3. 電極と被加工物との間の放電を利用してその被加工物に曲がり穴を加工する装置において、
    先端に電極を支持しており、一定曲率の曲げ形状に戻ろうとする復元力を受けている電極送り部材と、
    前記電極送り部材を収納してその電極送り部材を前記復元力に抗して所定形状に保持するガイド部材と、
    前記ガイド部材と電極送り部材とを一体で前進させながら、その電極送り部材の先端に装着されている電極を被加工物内の第1の位置まで送る第1送り機構と、
    前記ガイド部材に対して電極送り部材を前進させながら、前記電極を第1の位置から第2の位置まで送る第2送り機構と、
    を有することを特徴とする放電加工による曲がり穴加工装置。
  4. 請求項3に記載された放電加工による曲がり穴を加工装置において、
    前記ガイド部材は可撓性を有しており、
    第1送り機構は、そのガイド部材と電極送り部材とを一体で前進させながら、電極を加工済曲がり穴を通して第1の位置まで送ることを特徴とする放電加工による曲がり穴加工装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載された放電加工による曲がり穴加工装置において、
    電極送り部材は、
    一定曲率の曲げ形状から直線形状まで変形できるように、直列に連結された複数の関節部品と、
    それらの関節部品の端面が相互に面接触して一定曲率の曲げ形状になるように、それらの関節部品の連結体に対して復元力を付与する機構と、
    を有することを特徴とする放電加工による曲がり穴加工装置。
  6. 請求項3又は請求項4に記載された放電加工による曲がり穴加工装置において、
    電極送り部材は、一定曲率の曲げ形状に成形された弾性体であることを特徴とする放電加工による曲がり穴加工装置。
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