JP3541392B2 - アンチロックブレーキ制御装置 - Google Patents

アンチロックブレーキ制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3541392B2
JP3541392B2 JP32430991A JP32430991A JP3541392B2 JP 3541392 B2 JP3541392 B2 JP 3541392B2 JP 32430991 A JP32430991 A JP 32430991A JP 32430991 A JP32430991 A JP 32430991A JP 3541392 B2 JP3541392 B2 JP 3541392B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
braking device
auxiliary braking
auxiliary
locked state
wheels
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32430991A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05155325A (ja
Inventor
正人 吉野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP32430991A priority Critical patent/JP3541392B2/ja
Publication of JPH05155325A publication Critical patent/JPH05155325A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3541392B2 publication Critical patent/JP3541392B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はアンチロックブレーキ制御装置に関するものであり、特に、摩擦ブレーキ等からなる主制動装置の他に、排気ブレーキ、各種のリターダ等からなる補助制動装置を備える車両において、主制動装置の作動状態等に応じて補助制動装置の作動を禁止又は許可し、好適なアンチロックブレーキ制御の実現を図るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より大型自動車、鉄道等では摩擦ブレーキ等からなる主制動装置の他に補助制動装置を備えるのが一般的である。
【0003】
上記主制動装置は、長時間の使用の際に発生する摩擦熱により制動力が低下してしまう。そのため、上記補助制動装置は、通常摩擦を利用しないタイプのブレーキ装置が採用されている。即ち、大型自動車用としては、排気ブレーキ、電磁式又は永久磁石式のエディカレントリターダ、流体式リターダ等が採用され、鉄道用としては発電制動ブレーキ等が採用されている。また、自動車におけるエンジンブレーキも広い意味で補助制動装置の範疇に入る。
【0004】
一方、従来より種々のアンチロックブレーキ制御装置が提供されている。これらのアンチロッブレーキ制御装置では、車輪がロック状態に向かった場合に、主制動装置のブレーキ力を低減させて車輪の回転の回復を図るものが殆どである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記アンチロックブレーキ制御装置を上記した種々のタイプの補助制動装置を備えた車両に適用した場合、下記のような問題を生じる。
【0006】
例えば、凍結した路面を走行する自動車では主制動装置を作動させなくても、補助制動装置の作動のみにより車輪がロック状態となってしまうことがある。このような場合、主制装置に対してアンチロックブレーキ制御装置を作動させて、主制動装置のブレーキ力を低減させても、車輪の回転は回復しない。更に、この場合、アンチロックブレーキ制御装置による作動音が運転者に不快感を与えると共に、該装置の作動のために無駄なエネルギーが消費されることになる。
【0007】
これに対して、ロック発生時には、エンジンブレーキ、エディカレントリターダの作動を禁止する構成としたアンチロックブレーキ制御装置が提案されている。(特開平1−95962号、特開平2−169358号公報参照)
【0008】
しかしながら、上記した従来のアンチロックブレーキ制御装置は、車輪がロックした場合には、常に、主制動装置に対してアンチロック制御を行うと共にエンジンブレーキ等の作動を禁止する構成としている。そのため、例えば、主制動装置が非作動状態であって、補助制動装置の制動力のみによって車輪がロックした状態であり、補助制動装置の作動のみを禁止すれば足りる場合にも、主制動装置にアンチロック制御を行うことになる。この場合、主制動装置を制御するアンチロックブレーキ制御装置の作動のために無駄な電力を費やすことになる。
【0009】
また、上記補助制動装置の制動力は、主制動装置と比べると比較的小さいため、坂道等では作動状態のまま保持されることが多い。また、この補助制動装置は、通常、作動、非作動の二値的に作動し、制動力を段階的に調整できないものが多い。
【0010】
そのため、坂道等で補助制動装置を作動状態に保持している際に、更に、主制動装置も作動させたことにより車輪にロックが生じた場合には、上記のように主制動装置にアンチロック制御を行い、かつ、補助制動装置を禁止するのでは、好適な制御を行うことが困難である。
【0011】
更に、上記の状態からロックが解消した直後に、再び補助制動装置を作動させると、上記したように補助制動装置は二値的に作動するため、直ちに車輪がロック状態となってしまう可能性がある。
【0012】
本発明は上記のような従来の補助制動装置を備えた車両等に用いるアンチロックブレーキ制御装置における問題を解決するためになされたものであって、主制動装置の作動、非作動等の条件に応じて好適なアンチロックブレーキ制御を達成することを目的としてなされたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明は、主制動装置と、補助制動装置を備える車両において、上記主制動装置が作動状態か否かを検出する作動検出手段と、上記主制動装置の制動力を調整する制動力調整手段と、上記補助制動装置の作動を禁止又は許可する補助制動装置制御手段と、車輪がロック状態か否かを検出すると共に、該検出結果及び上記作動検出手段からの信号に基づき、上記制動力調整手段及び補助制動装置制御手段に対して制御信号を出力する処理手段とを備え、該処理手段は、作動検出手段が主制動装置の作動を検出せず、かつ、補助制動装置の作用が及ぶ車輪のロック状態が検出された場合に、少なくとも予め定めた所定時間内はロック状態が検出された補助制動装置の作用が及ぶ車輪に対する制動力低減を禁止する制御信号を制動力調整手段に出力し、かつ、補助制動装置の作動の禁止を命令する制御信号を補助制動装置制御手段に出力し、ロック状態が上記所定時間を超えても解消されない場合に、上記ロック状態が検出された補助制動装置の作用が及ぶ車輪に対する制動力低減を禁止する制御信号を制動力調整手段に出力せず、かつ、補助制動装置の作動の禁止を命令する制御信号を補助制動装置制御手段に出力する構成としていることを特徴とするアンチロックブレーキ制御装置を提供するものである(請求項1)。なお、本明細書において、「作動を禁止」とは、すでに作動が開始されている場合にはその作動を解除ないしは排除し、まだ作動が開始されていない場合にはその作動の開始を不可とすることをいう。
【0014】
上記補助制動装置は具体的には、例えば、排気ブレーキ、電磁式又は永久磁石式のエディカレント・リターダ、流体式リターダ等を使用することが好ましい。
【0015】
また、上記処理手段は、補助制動装置の作用が及ぶ車輪がロック状態でないことを検出すると、補助制動装置の作動の許可を命令する制御信号を補助制動装置制御手段に出力する構成とすることが好ましい(請求項2)
【0016】
上記処理手段は、補助制動装置の作用が及ぶ車輪がロック状態でないことを所定の時間以上継続して検出した場合に、補助制動装置の作動の許可を命令する制御信号を補助制動装置制御手段に出力する構成であってもよい(請求項3)
【0017】
更に、上記処理手段は、上記作動検出手段が主制動装置の作動を検出し、かつ、補助制動装置の作用が及ぶ車輪のロック状態が検出された場合に、少なくとも予め定めた所定時間内は補助制動装置の作動を禁止せず制動力調整手段のみを作動する一方、ロック状態が所定時間を越えても解消されない場合に、補助制動装置制御手段に対して補助制動装置の作動を禁止する制御信号を出力する構成とすることが好ましい(請求項4)
【0018】
【作用】
本発明に係るアンチロックブレーキ制御装置では、上記のような構成としているため、主制動装置の非作動時にロック状態が検出されると、補助制動装置の作動が禁止され、補助制動装置の制動力のみにより、ロック状態が発生した場合には、この補助制動装置の作動の禁止によりロック状態を解除することができる(請求項1)
【0019】
また、上記のようなロック状態が検出された場合にも、所定時間内は制動力調整手段による制動力低減を禁止し、補助制動装置制御手段の作動のみを禁止するので、不要な制動力調整手段の作動を回避することができる(請求項)。
【0020】
また、主制動装置の作動時に補助制動装置の作用が及ぶ車輪のロック状態が検出されると所定時間内は、補助制動装置の作動を禁止せず、制動力調整手段のみを作動する一方、ロック状態が所定時間を越えても解消されない場合に、補助制動装置制御手段に対して補助制動装置の作動を禁止する制御信号を出力することで、運転者が補助制動装置をオンの状態に保持する場合にも、円滑にアンチロックブレーキ制御を行うことができる(請求項)。
【0021】
上記処理手段は、補助制動装置の作用が及ぶ車輪がロック状態でないことを検出すると補助制動装置の作動を許可してもよいが(請求項2)、補助制動装置の作用が及ぶ車輪がロック状態でないことを所定時間以上継続して検出した場合に補助制動装置の作動を許可 することによりロック回復後すぐに新たなロック状態となるのを防止することができる(請求項)。
【0022】
【実施例】
次に、図面に示す実施例に基づき本発明について詳細に説明する。図1に示す本発明の実施例は、エアブレーキからなり自動車の車輪1に対して摩擦力による制動力を与える主制動装置2、及び、自動車の所定の車輪1に対して上記主制動装置2の制動力に加えて制動力を与える排気ブレーキからなる補助制動装置3を備え、アンチロックブレーキ装置(以下、ABS装置4と略称する。)により上記主制動装置2に対してアンチロックブレーキ制御を行うと共に、上記補助制動装置3の作動を禁止、許可する構成としている。
【0023】
上記主制動装置2は、ブレーキペダル5を踏み込むと、ポンプ手段6によりタンク7内に充填されたエアが後述する制動力調整手段32及びエアマスタ8を介して油圧に変換されてブレーキパッド9側に送られ、この圧力によりブレーキパッド9を作動して摩擦力により車輪1に対して制動力を加える構成としている。また、上記ブレーキペダル5の位置、即ち、主制動装置2の作動状態はブレーキ・スイッチからなる作動検出手段10を介して電気信号としてABS装置4に送信される構成としている。尚、図1では主制動装置2は一つの車輪1に対応する系統のみ示しているが、実施例の自動車は前後に2輪づつの4輪車であって、各車輪1に対して主制動装置2を設けている。
【0024】
上記補助制動装置3では、電源13を手動スイッチ14及び後述するリレー35を介してソレノイドバルブ15に接続している。このソレノイドバルブ15に電源13からの電流を供給して開弁すると、タンク17内のエアがサージポンプ18A、18Bに供給される。
【0025】
サージポンプ18Aは自動車のエンジン(図示せず)の排気管19内に設けた排気ブレーキ弁20と接続しており、サージポンプ18Aにエアが供給されると排気ブレーキ弁20が閉弁して排気管19内の断面積を減少させる構成としている。
【0026】
一方、サージポンプ18Bはインジェクションポンプ21内の噴射燃料制限手段(図示せず)に接続しており、サージポンプ18Bにエアが供給されるとインジェクションポンプ21からエンジンに供給される燃料が減少する構成としている。
【0027】
実施例の補助制動装置3では、上記のような構成としているため、ソレノイドバルブ15に電流が供給されると、エンジンの排気及び噴射燃料が制限され、よって、駆動輪に対して上記主制動装置2の制動力に加えて補助的な制動力を与えることができる。尚、実施例では、駆動輪は後輪の二輪であり、これらが補助制動の対象となる。
【0028】
上記ABS装置4は、車輪1の速度を検出する車輪速検出手段24を備え、この車輪速検出手段24からの信号を車輪速入力インターフェイス(車輪速入力I/F25)を介して中央処理装置(以下、CPU26と略称する。)に出力する構成としている。
【0029】
また、CPU26には、上記作動検出手段10からの信号をブレーキ・スイッチ・インターフェイス(以下、ブレーキ・スイッチI/F28と略称する。)を介して入力する構成とすると共に、ROM29を接続している。
【0030】
CPU26には第1ドライバ31を介して制動力調整手段32を接続している。実施例の制動力調整手段32は3ポート2位置弁又は3ポート3位置弁又はこれらに相当する2ポート2位置弁の組み合わせからなるソレノイド弁装置33を備えている。上記第1ドライバ31はCPU26から送信された制御信号に応じて、制動力調整手段32のソレノイド弁装置33を駆動し、よって、ブレーキパッド9側に供給するエアの圧力を調整して車輪1に対する制動力を調整する構成としている。
【0031】
CPU26には、第2ドライバ34を介して補助制動装置制御手段を構成するリレー35を接続している。このリレー35は常閉であって、上記したように補助制動装置3の電源13及び手動スイッチ14側とソレノイドバルブ15の間に介在し、補助制動装置3の作動の禁止、許可を制御する構成としている。
【0032】
即ち、第2ドライバ34から電流が供給されずリレー35が閉じている状態では、手動スイッチ14をオンすれば、電源13からの電流がソレノイドバルブ15に供給されて補助制動装置3が作動する一方、第2ドライバ34から電流が供給されてリレー35が開いている状態では、手動スイッチ14をオンしてもソレノイドバルブ15は作動せず、補助制動装置3の作動は禁止される構成としている。
【0033】
更に、CPU26は、上記車輪速検出手段24からの信号を公知の方法により処理して車輪速度、車輪加速度及び推定車体速度等を計算し、これらに基づき各車輪1について、ロック状態にあるか否かを検出し、車輪状態に応じた加圧、減圧、保持信号を第1ドライバ31を介して、制動力調整手段32に出力する構成としている。
【0034】
また、CPU26は補助制動装置3の作動を禁止する必要がある場合、リレー35に電流を供給して、このリレー35を開く命令に相当する制御信号を第2ドライバ34に出力する構成としている。
【0035】
一方、CPU26は補助制動装置3の作動を許可する場合は、リレー35に対する電流供給を停止して、このリレー35を閉じる命令に相当する制御信号を第2ドライバ34に出力する構成としている。
【0036】
尚、上記車輪速入力I/F25、CPU26、ブレーキ・スイッチI/F28、並びに、第1及び第2ドライバ31、34が処理手段36を形成している。
【0037】
次に、実施例のCPU26の作動を図2から図5に示すフローチャートを参照して説明する。まず、図2はメインプログラムであり、作動開始時には、イニシャルチェックの後、システム診断を行う無限ループに入る。
【0038】
実施例では、図3に示す処理を所定の時間間隔で割り込ませるようにしている。まず、ステップ#2で車輪速検出手段24からの信号を入力し、ステップ#3で作動検出手段10からの信号を入力する。
【0039】
次に、ステップ#4において上記車輪速検出手段24からの信号に基づいて、車輪速度、車輪加速度、推定車体速度等を計算する。上記の処理が終了した後、ステップ#5において、主制動装置2の制動力の調整及び補助制動装置3の作動の制御を行う。
【0040】
図4及び図5は上記ステップ#5の詳細を示し、まず、ステップ#6において、フラッグFに初期値0を代入する。このフラッグFは、補助制動装置3の作用が及ぶ車輪のうち少なくとも1個の車輪についてロック状態が検出されれば「1」であり、補助制動装置3の作用が及ぶ全車輪についてロック状態が検出されなければ「0」となる。
【0041】
また、図4のステップ#6において、フラッグGに初期値「0」を代入する。このフラッグGは、主制動装置が作動状態の場合には「1」、非作動状態の場合には「0」となる。即ち、ステップ#10においてロック状態が検出された車輪が補助制動の対象車輪である場合には、ステップ#15において上記したブレーキ・スイッチ10の信号から主制動装置2が作動状態か否かを検出し、作動状態の場合にはフラッグGに「1」を代入する。
【0042】
次に、ステップ#7において、上記車輪速度、推定車体速度等から車輪がロック状態か否かを判別し、ステップ#8においてロック状態か否かにより異なる処理を行う。即ち、ロック状態でなければ、ステップ#9に直接移る。一方、ロック状態であればステップ#10において当該ロック状態の車輪が補助制動の対象車輪か否かを判別し(上記したように、本実施例では後輪が補助制動の対象車輪である。)、対象車輪でなければステップ#9に直接移り、対象車輪であればステップ#15を経てフラッグFを「1」とする。
【0043】
ステップ#9では4輪の全てに対して上記の処理を行ったか否かを判断し、4輪の全てについて終了していない場合には、上記ステップ#7に戻る。
【0044】
尚、図2のステップ#1において、後述する所定時間TR1を設定すると共に、カウンタTをクリアする。
【0045】
のステップ#16では、フラッグFが「0」か否かを判断する。フラッグFが「0」即ち、補助制動装置3の作用が及ぶ車輪のいずれについてもロック状態が検出されない場合は、カウンタTをクリアして、ステップ#17において、補助制動装置3の作動を許可する。一方、フラッグFが「1」の場合には、カウンタTに1を加算してステップ#18に移る。ステップ18では、カウンタTを予め設定した所定時間TR1と比較してカウンタTが所定時間TR1以上、即ち、ロック状態が所定時間TR1以上継続している場合には、ステップ#19において補助制動装置3の作動を禁止する。カウンタTが所定時間TR1未満の場合、即ち、ロック状態が所定時間TR1を継続していない場合には、ステップ#20に移る。
【0046】
ステップ#20では、フラッグGが「0」か否か、即ち、主制動装置2が作動状態か否かを判断する。フラッグGが「1」即ち、主制動装置2が作動状態の場合には、上記ステップ#17において、補助制動装置の作動を許可する。一方、フラッグGが「0」即ち、主制動装置2が非作動中の場合には、ステップ#20’において制動力調整手段32に対して補助制動対象車輪に対する減圧指令の出力を禁止する制御信号を出力しステップ#19において、補助制動装置3の作動を禁止する。
【0047】
次に、ステップ#21において、減圧指令の出力を禁止された車輪に対して加圧指令を出力し、ステップ#22において減圧指令の出力を禁止されていない車輪に対して車輪状態に応じた、減圧、加圧、又は、保持指令を出力する。
【0048】
実施例では、上記のような構成としているため、図で示すように、主制動装置2の作動状態が作動検出手段10により検出されず、かつ、ロック状態が検出された場合には、まず、補助制動装置3により車輪がロックしたと推定できることから、ロック状態が検出された補助制動装置3の作用が及ぶ車輪に対する減圧を禁止する制御信号を制動力調整手段32に出力し、かつ、補助制動装置3の作動を禁止する。(図のステップ#16,#18,#20,#20’,#19,#21,#22)。そして、所定時間TR1を経過後もロックが解消しない場合には、作動検出手段10の故障等の原因により実際は主制動装置2は作動しているものと判断して、ロック状態が検出された補助制動装置3の作用が及ぶ車輪に対する減圧を禁止することなく制動力調整手段32を作動させるようにしている(図のステップ#16,#18,#19,#21,#22)。このように、本実施形態では、作動検出手段10が主制動装置2の作動を検出せず、かつ、CPU26が補助制動装置3の作用する車輪にロック状態を検出した場合に、補助制動装置3の作動の禁止を 命令する制御信号をリレー35に出力する構成としているため、補助制動装置3の作動禁止によりロック状態が解消した場合には、主制動装置2に対してアンチロック制御は行われず、ABS装置4の無駄な作動に費やす電力を節約することができると共に、該無駄な作動の際の作動音の発生を防止することができる。また、本実施例では、作動検出手段10等の故障が発生した場合にも好ましい制動力調整効果を得ることができる。
【0049】
また、実施例では、上記のような構成とすることにより、図に示すように、上記作動検出手段10が主制動装置2の作動を検出し、かつ、車輪のロック状態が検出された場合には、まず、所定時間TR1内は補助制動装置3の作動を許可して制動力調整手段32のみにより主制動装置2の制動力を調整し(図のステップ#18,#20,#17,#21,#22)、この所定時間TR内にロック状態が解消しないときには、補助制動装置3の作動を禁止するようにしている(図のステップ#18,#19,#21,#22)。そのため、実施例では、坂道等で運転者が補助制動装置3の手動スイッチ14をオン状態に保持している場合でも、好適なアンチロック制御を行うことができ、補助制動装置3の効果を失うことがない。
【0050】
尚、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本実施例のステップ#17の代わりに、図に示すような処理を行う構成としてもよい。
【0051】
まず、ステップ#31において、前回割り込み時にF=0か否かを判断し、前回割り込み時のフラッグFが「1」の場合、即ち、前回の割り込み時にロック状態が検出されていた場合には、カウンタT’をクリアしてステップ#32において補助制動装置の作動を禁止する。
【0052】
一方、前回割り込み時のフラッグFが「0」の場合、即ち、前回の割り込み時にロック状態が検出されていなかった場合には、カウンタT’に1を加算して、ステップ33に移る。
【0053】
ステップ33では、カウンタT’と予め定めた所定時間TR2を比較する。カウンタT’が所定時間TR2以上である場合、即ち、ロック状態が検出されない状態が所定時間TR2以上継続した場合には、ステップ#34において、補助制動装置3の作動を許可する。一方、カウンタT’が所定時間TR2を下回る場合、即ち、ロック状態が検出されない状態が所定時間TR2以上継続していない場合には、ステップ#32において、補助制動装置3の作動を禁止する。
【0054】
即ち、この変形例では、図に示すように、ロック状態が発生して補助制動装置3の作動が禁止された後に、再びロック状態が検出されなくなっても、直ちに補助制動装置3の作動を許可するのではなく、所定の時間遅れTR2をもたせて再作動を許可する構成としている。
【0055】
そのため、この変形例では、アンチロック回復後に直ちに補助制動装置3を作動させることにより、直ぐに再度ロック状態となるのを防止することができる。
【0056】
また、本発明では、上記補助制動装置は排気ブレーキに限定されるものではない。例えば、電磁式リターダを使用することができる。この電磁式リターダは車軸と連動して回転する導体からなるディスクと電磁石を備えている。該電磁石に電流を供給すると上記ディスクは磁場中を運動するため抵抗を受け、これにより制動力を得ることができる。従って、この電磁石をソレノイドバルブ15の部分に配置すれば、上記実施例と同様の構成を得ることができる。
【0057】
更に、流体式リターダ、永久磁石式のリターダ等を使用してもよく、この場合も、上記電磁式リターダの場合と同様に、電流の供給を受けると制動力を生じる部分を上記実施例のソレノイドバルブ15の部分に配置すればよい。
【0058】
更に、主制動装置2は上記したエアブレーキに限定されるものではなく、油圧ブレーキ等の他の種類のブレーキであってもよい。制力調整手段32も油圧を調整するように構成しても良い。
【0059】
【効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項1に係るアンチロックブレーキ制御装置によれば、作動検出手段が主制動装置の作動を検出していないときに補助制動装置の作用が及ぶ車輪のロック状態を検出した場合には、補助制動装置の作動を禁止する構成としているため、主制動装置の制力調整手段を作動させることによる無駄な電力の消費を回避することができると共に、この制動力調整手段の作動音により運転者に不快感を与えることがない。そのため、例えば、凍結した路面を走行する自動車等において好適なアンチロックブレーキ制御を行うことができる。
【0060】
また、請求項1に係るアンチロックブレーキ制御装置では、主制動装置が非作動の状態でロック状態が検出された場合に、まず、補助制動装置の作動を禁止して、所定時間経過後に制動力調整手段を作動させる構成としているので、作動検出手段の故障等により主制動装置が作動しているにもかかわらず、上記主制動装置が非作動状態と判断されている場合にも、ロック状態を早期に回復することができ安全性を確保することができる。
【0061】
また、主制動装置が作動の状態でロック状態が検出された場合に、まず、制動力調整手段を作動させ、所定時間経過後に補助制動装置の作動を禁止する構成(請求項4)とした場合には、坂道等において運転者が補助制動装置をオンの状態のままに保持する場合にも好適なアンチロックブレーキ制御と補助制動装置の作動の両立を達成することができる。
【0062】
更に、本発明では、補助制動装置の作用が及ぶ車輪がロック状態でないことを検出すると補助制動装置の作動を許可してもよいが(請求項2)、ロック状態が回復した後に所定時間経過後に補助制動装置の作動を許可する構成(請求項3)とした場合には、摩擦係数の低い路面等において、運転者がロック回復後に直ちに補助制動装置を作動させることにより再びロック状態となるのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】施例の構成を示す概略図である。
【図2】施例のCPUの作動を示すフローチャートである。
【図3】施例のCPUの作動を示すフローチャートである。
【図4】施例のCPUの作動を示すフローチャートである。
【図5】施例のCPUの作動を示すフローチャートである。
【図6】施例の具体的作動の一例を示す線図である。
【図7】実施例の具体的作動の一例を示す線図である。
【図8】変形例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車輪
2 主制動装置
3 補助制動装置
10 作動検出手段
15 ソレノイドバルブ
26 CPU
32 制動力調整手段
35 リレー

Claims (4)

  1. 主制動装置と、補助制動装置を備える車両において、上記主制動装置が作動状態か否かを検出する作動検出手段と、上記主制動装置の制動力を調整する制動力調整手段と、上記補助制動装置の作動を禁止又は許可する補助制動装置制御手段と、車輪がロック状態か否かを検出すると共に、該検出結果及び上記作動検出手段からの信号に基づき、上記制動力調整手段及び補助制動装置制御手段に対して制御信号を出力する処理手段とを備え、該処理手段は、作動検出手段が主制動装置の作動を検出せず、かつ、補助制動装置の作用が及ぶ車輪のロック状態が検出された場合に、少なくとも予め定めた所定時間内はロック状態が検出された補助制動装置の作用が及ぶ車輪に対する制動力低減を禁止する制御信号を制動力調整手段に出力し、かつ、補助制動装置の作動の禁止を命令する制御信号を補助制動装置制御手段に出力し、ロック状態が上記所定時間を超えても解消されない場合に、上記ロック状態が検出された補助制動装置の作用が及ぶ車輪に対する制動力低減を禁止する制御信号を制動力調整手段に出力せず、かつ、補助制動装置の作動の禁止を命令する制御信号を補助制動装置制御手段に出力する構成としていることを特徴とするアンチロックブレーキ制御装置。
  2. 上記処理手段は、補助制動装置の作用が及ぶ車輪がロック状態でないことを検出すると、補助制動装置の作動の許可を命令する制御信号を補助制動装置制御手段に出力する構成としていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 上記処理手段は、補助制動装置の作用が及ぶ車輪がロック状態でないことを所定の時間以上継続して検出した場合に、補助制動装置の作動の許可を命令する制御信号を補助制動装置制御手段に出力する構成としていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  4. 上記処理手段は、上記作動検出手段が主制動装置の作動を検出し、かつ、補助制動装置の作用が及ぶ車輪のロック状態が検出された場合に、少なくとも予め定めた所定時間内は補助制動装置の作動を禁止せず制動力調整手段のみを作動させる一方、ロック状態が所定時間を越えても解消されない場合に、補助制動装置制御手段に対して補助制動装置の作動を禁止する制御信号を出力する構成としていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
JP32430991A 1991-12-09 1991-12-09 アンチロックブレーキ制御装置 Expired - Fee Related JP3541392B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32430991A JP3541392B2 (ja) 1991-12-09 1991-12-09 アンチロックブレーキ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32430991A JP3541392B2 (ja) 1991-12-09 1991-12-09 アンチロックブレーキ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05155325A JPH05155325A (ja) 1993-06-22
JP3541392B2 true JP3541392B2 (ja) 2004-07-07

Family

ID=18164367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32430991A Expired - Fee Related JP3541392B2 (ja) 1991-12-09 1991-12-09 アンチロックブレーキ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3541392B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3359761B2 (ja) * 1994-10-11 2002-12-24 日野自動車株式会社 エンジンブレーキ装置
WO2006070842A1 (ja) 2004-12-27 2006-07-06 Equos Research Co., Ltd. 車輪制御装置及び制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05155325A (ja) 1993-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2956008B2 (ja) 車両の意図しない走り去りを防止する方法
JP2001191903A (ja) 制動トルク制御装置
JPS63154456A (ja) 車輪ロツク防止装置
JPS61218463A (ja) アンチスキツド型液圧ブレ−キ装置
JP4333190B2 (ja) 車両用制動装置
JPH02220954A (ja) 自動車用流体ブレーキ回路
JP2000344084A (ja) 車輌用トラクション制御装置
JPH09240451A (ja) 車両のブレーキ制御装置
JP3541392B2 (ja) アンチロックブレーキ制御装置
JPH11198786A (ja) 電動車両の制動制御装置
JP4702946B2 (ja) アンチロック・ブレーキ制御装置、該アンチロック・ブレーキ制御装置を備えたアンチロック・ブレーキ・システム
JP4507354B2 (ja) 車両用液圧ブレーキシステムの制御方法
JP2004196246A (ja) 車両用アンチロック制御装置
JPH1198608A (ja) 車両の制動装置および制動方法
JPH1024826A (ja) ブレーキ制御装置
JP2004196245A (ja) 車両用アンチロック制御装置
JP3502747B2 (ja) アンチロックブレーキ制御装置
JP2900887B2 (ja) アンチロックブレーキ機構のバルブチェック制御装置
JP4590676B2 (ja) 車両の制動力配分制御方法
JPH08258676A (ja) 車両の制動装置
JP2660344B2 (ja) 車両のスリップ制御装置
JPH04143155A (ja) ブレーキ液圧装置
JP3275373B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP2572704Y2 (ja) 車両のブレーキ液圧制御装置
JP3546923B2 (ja) 車両のブレーキ圧力保持制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030708

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040309

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040322

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080409

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080409

Year of fee payment: 4

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090409

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090409

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090409

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees