JP3538822B2 - カチオン性ポリマーの水系分散液組成物 - Google Patents

カチオン性ポリマーの水系分散液組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カチオン性ポリマーの
水系分散液組成物に関する。さらに詳しくは、本発明
は、汚泥の凝集脱水剤、紙用添加剤などとして用いられ
る水溶性のカチオン性ポリマーを安定な水系分散液とす
ることにより、高濃度であっても低粘度を保ち、自動
化、省力化の点でハンドリング性に優れ、油中水型エマ
ルションポリマーのように油を使用することなく、粉末
状ポリマーのように粉塵の発生がなく、作業環境改善の
点でも優れたカチオン性ポリマーの水系分散液組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】N−ビニルホルムアミドまたはN−ビニ
ルアセトアミドを必須モノマー成分としてなるポリマー
を加水分解して得られるビニルアミン単位を有するポリ
マー(特開昭58−23809号公報、特開昭59−3
9400号公報)や、N−ビニルカルボン酸アミドとア
クリロニトリルを必須成分としてなるポリマーを加水分
解して得られるアミジン単位を有するポリマー(特開平
5−192513号公報)は、汚泥の凝集脱水剤や紙用
添加剤として良好な性能を示すことが知られている。こ
のような高分子凝集剤では、水中の2個以上の粒子に高
分子が橋かけ吸着して凝集が起こるが、吸着層厚さが大
きいほど橋かけ凝集に有利であるため、一般に高分子量
のものが要求される。さらに、このような高分子凝集剤
は、解離基が導入され電解質化されていて、水中で電離
基相互間の静電的反発が生じ、高分子鎖が大きく広がる
ために、低濃度の水溶液であっても高粘度となりやす
く、1N塩化ナトリウム水溶液を溶媒として測定した固
有粘度が10dl/gに達することも稀ではない。水溶液
の粘度が高くなると、取り扱いにさまざまな困難が生
じ、例えば、5重量%の水溶液のポンプ送りが不可能と
なる場合がある。カチオン性ポリマーからなる高分子凝
集剤のハンドリング性の改善のために、油中水型エマル
ションとすることが提案されている(特開平5−117
313号公報、特開平5−309208号公報)。カチ
オン性ポリマーを油中水型エマルションとすることで、
ハンドリング性が向上し省力化が可能となるが、油中水
型エマルションは分散媒として鉱物油を使用するため
に、作業上臭気や安全性の点で問題があり、また地球環
境保護の観点からも改善が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高濃度であ
っても低粘度を保ち、自動化、省力化の点でハンドリン
グ性に優れた、高分子量の水溶性カチオン性ポリマーの
安定な水系分散液を提供することを目的としてなされた
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アミン単位また
はアミジン単位を有するポリマーと特定の塩を組み合わ
せることにより、ポリマー濃度が高いにもかかわらず、
流動性の良好な水系分散液となし得ることを見いだし、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、 (1)(a)一般式[1]のアミン単位を有するポリマ
ー、または、一般式[2]もしくは[3]のアミジン単
位を有するポリマー10〜30重量%、(b)硝酸塩単
独または硝酸塩と他の無機塩との組み合わせよりなる無
機塩10〜30重量%、(c)ノニオン性またはカチオ
ン性の水溶性ポリマー0〜10重量%、(d)ノニオン
性またはカチオン性の界面活性剤0〜20重量%、およ
び、(e)水、を含有することを特徴とする流動性のあ
るカチオン性ポリマーの水系分散液組成物、
【化2】 (ただし、式中、R1およびR2は水素またはメチル基で
あり、X-は陰性イオンである。)を提供するものであ
る。さらに、本発明の好ましい態様として、 (2)アミン単位を有するポリマーが、N−ビニルホル
ムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−イソプロペニ
ルホルムアミドまたはN−イソプロペニルアセトアミド
を必須モノマー成分としてなるポリマーを加水分解して
得られるものである第(1)項記載のカチオン性ポリマー
の水系分散液組成物、 (3)アミジン単位を有するポリマーが、N−ビニルホ
ルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−イソプロペ
ニルホルムアミドまたはN−イソプロペニルアセトアミ
ドおよび(メタ)アクリロニトリルを必須モノマー成分
としてなるポリマーを加水分解およびアミジン化して得
られるものである第(1)項記載のカチオン性ポリマーの
水系分散液組成物、 (4)アミン単位を有するポリマーの全構造単位中に占
めるアミン単位の割合が35〜95モル%である第(1)
項または第(2)項記載のカチオン性ポリマーの水系分散
液組成物、 (5)アミジン単位を有するポリマーの全構造単位中に
占めるアミジン単位の割合が35〜95モル%である第
(1)項または第(3)項記載のカチオン性ポリマーの水系
分散液組成物、 (6)アミジン単位を有するポリマーがアミン単位をも
有し、全構造単位中に占めるアミジン単位とアミン単位
の合計量の割合が35〜95モル%である第(1)項、第
(3)項または第(5)項記載のカチオン性ポリマーの水系
分散液組成物、 (7)硝酸塩が硝酸ナトリウムである第(1)項〜第(6)
項記載のカチオン性ポリマーの水系分散液組成物、およ
び、 (8)他の無機塩が塩化ナトリウムまたは硫酸ナトリウ
ムである第(1)項〜第(7)項記載のカチオン性ポリマー
の水系分散液組成物、を挙げることができる。
【0005】本発明組成物に用いるアミン単位を有する
ポリマーは、一般式[4]で表されるN−ビニルホルム
アミド、N−ビニルアセトアミド、N−イソプロペニル
ホルムアミドまたはN−イソプロペニルアセトアミドを
必須モノマー成分としてなるポリマーを加水分解して得
ることができる。また、本発明組成物に用いるアミジン
単位を有するポリマーは、一般式[4]で表されるN−
ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−イ
ソプロペニルホルムアミドまたはN−イソプロペニルア
セトアミドおよび一般式[5]で表される(メタ)アク
リロニトリルを必須モノマー成分としてなるポリマーを
加水分解およびアミジン化して得ることができる。
【化3】 (ただし、式中、R1、R2およびR3は水素またはメチ
ル基である。) さらに、これらの加水分解に供するポリマーは、必須モ
ノマー成分以外に他の共重合可能なビニルモノマー成分
などを有していてもよい。このような共重合可能なビニ
ルモノマーなどとしては、例えば、(メタ)アクリルア
ミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル
(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、スチレン、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリル酸、ビニルスルホン酸、スチレン
スルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸、N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、その三級塩、その四級アンモニ
ウム塩、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミド、その三級塩、その四級アンモニウム塩、ジ
メチルジアリルアンモニウムクロライド、アリルアミン
などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0006】本発明において、上記の加水分解に供する
ポリマーを得るための重合方法には特に制限はなく、使
用するモノマーおよび生成するポリマーの溶解性などに
応じて、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などを選ぶこと
ができる。例えば、使用するモノマーも生成するポリマ
ーも水溶性であれば、水溶液重合が可能であり、モノマ
ーを水に溶解し、不活性ガスをバブリングし、所定温度
まで昇温したのち水溶性重合開始剤を添加することによ
ってポリマーを得ることができる。水溶液重合により得
られたポリマーは、そのまま、または単離したのち、加
水分解およびアミジン化反応に供することができる。ま
た、使用するモノマーの水への溶解度が小さいときは、
懸濁重合、乳化重合などを用いることができる。乳化重
合においては、水中にモノマー、乳化剤、水溶性の重合
開始剤などを加え、不活性ガス雰囲気中で撹拌下に加熱
することによりポリマーを得ることができる。重合開始
剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、
2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩な
ど、一般的な開始剤を用いることができるが、アゾ系化
合物が特に好ましい。本発明において、上記のポリマー
の水溶液を酸の存在下に加熱することにより、ポリマー
中の酸アミド単位を加水分解して一般式[1]で表され
るアミン単位とし、さらに(メタ)アクリロニトリルと
共重合したコポリマーの場合には、アミン単位と隣接す
るニトリル単位の反応により一般式[2]または[3]
で表されるアミジン単位を生成するアミジン化反応を行
う。加水分解およびアミジン化反応は2段階で行うこと
ができるが、通常は1段階で行うことが好ましい。ポリ
マーの構造と目的の加水分解率およびアミジン化率に応
じて、反応条件を選択することが可能である。通常は上
記のポリマーを5〜80重量%の水溶液または水分散液
とし、酸アミド単位に対し1〜5当量倍の酸を加え、4
0〜100℃に加熱することにより加水分解およびアミ
ジン化反応を行うことができる。加水分解およびアミジ
ン化反応に使用する酸には特に制限はなく、例えば、塩
酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、酢酸などを使用
することができる。また、上記のポリマーの水溶液の加
水分解およびアミジン化反応は、アルカリの存在下に加
熱することによっても同様に行うことができるが、この
ときはアミン単位およびアミジン単位は一般式[1]、
[2]および[3]で表されるアンモニウム塩型ではな
く、アミン型となる。本発明組成物において、一般式
[1]中、R1は水素またはメチル基であり、ポリマー
のR1がすべて水素またはメチル基であってもよく、あ
るいは、ポリマーのR1の一部が水素であって残部がメ
チル基であってもよい。本発明組成物において、一般式
[2]および[3]中、R1およびR2は水素またはメチ
ル基であり、それらは互いに同一であっても異なってい
てもよく、またポリマーのR1またはR2がすべて水素ま
たはメチル基であってもよく、あるいは、ポリマーのR
1またはR2の一部が水素であって残部がメチル基であっ
てもよい。R1またはR2が炭素数2以上のアルキル基で
あると、一般式[1]、[2]または[3]の構造を有
するポリマーの親水性が不足するおそれがある。本発明
組成物において、一般式[1]、[2]または[3]
中、X-は陰性イオンであり、陰性イオンとしては、例
えば、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硝酸イ
オン、酢酸イオンなどを挙げることができる。
【0007】本発明組成物において、アミン単位を有す
るポリマーの全構造単位中に占めるアミン単位の割合
は、本発明組成物を高分子凝集剤として用いるときは3
5〜95モル%であることが性能上好ましいが、本発明
組成物である水系分散液とする点ではアミン単位が全構
造単位中に占める割合には特に制限はなく、その割合に
は関係なく安定した水系分散液とすることができる。本
発明組成物において、アミジン単位を有するポリマーの
全構造単位中に占めるアミジン単位の割合は、本発明組
成物を高分子凝集剤として用いるときは35〜95モル
%であることが性能上好ましく、アミジン単位を有する
ポリマーが同時にアミン単位を有する場合には、アミジ
ン単位とアミン単位の合計量が全構造単位に対して35
〜95モル%であることが性能上好ましい。ただし、本
発明組成物である水系分散液とする点では、アミジン単
位またはアミジン単位とアミン単位の合計量が全構造単
位中に占める割合には特に制限はなく、その割合には関
係なく安定した水系分散液とすることができる。本発明
組成物において、アミン単位またはアミジン単位を有す
るポリマーは、本発明組成物を高分子凝集剤として用い
るときは高分子量であることが好ましく、分子量の指標
となる1N塩化ナトリウム水溶液を溶媒として30℃で
測定した固有粘度が1dl/g以上であることが性能上好
ましく、3dl/g以上であることがより好ましいが、本
発明組成物である水系分散液とする点では、固有粘度に
は関係なく安定した水系分散液とすることができる。本
発明組成物においては、アミン単位またはアミジン単位
を有するポリマーは、水系分散液組成物全量に対して1
0〜30重量%になるよう配合される。アミン単位また
はアミジン単位を有するポリマーの配合量が水系分散液
組成物全量に対して10重量%未満であっても、水系分
散液組成物の製造または性能上特に支障はないが、高濃
度かつ低粘度のカチオン性ポリマーの水系分散液組成物
を得るという本発明の目的は十分に達せられない。アミ
ン単位またはアミジン単位を有するポリマーの配合量が
水系分散液組成物全量に対して30重量%を超えると、
水系分散液組成物の粘度が増大しゲル化しやすくなるお
それがある。
【0008】本発明組成物においては、硝酸塩単独また
は硝酸塩と他の無機塩との組み合わせよりなる無機塩を
配合する。硝酸塩および他の無機塩は、水溶性であれば
特に制限なく使用することができる。このような硝酸塩
としては、例えば、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝
酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸アンモニウムな
どを挙げることができる。また、他の無機塩としては、
例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシ
ウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリ
ウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸アンモニウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素
カリウム、硫酸水素アンモニウム、りん酸ナトリウム、
りん酸カリウム、りん酸アンモニウム、りん酸水素二ナ
トリウム、りん酸二水素ナトリウム、りん酸水素二カリ
ウム、りん酸二水素カリウムなどを挙げることができ
る。水系分散液組成物にこれらの無機塩を配合すること
により、水中に析出したポリマー粒子の流動性が良好に
なる。本発明組成物においては、硝酸塩単独または硝酸
塩と他の無機塩との組み合わせよりなる無機塩は、水系
分散液組成物全量に対して10〜30重量%になるよう
配合する。無機塩の配合量が水系分散液組成物全量に対
して10重量%未満であると、ポリマーが析出しがたく
なり、水系分散液組成物の粘度が高くなるおそれがあ
る。無機塩の配合量が水系分散液組成物全量に対して3
0重量%を超えると、水系分散液組成物中において無機
塩が析出するおそれがあるとともに、ポリマー粒子が互
いに付着しやすくなる傾向が現れる。本発明組成物にお
いては、必要に応じてノニオン性またはカチオン性の水
溶性ポリマーを配合することができる。配合するノニオ
ン性またはカチオン性の水溶性ポリマーには特に限定は
なく、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、デンプン、グア
ーガム、キサンタンガム、ラムザンガム、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、グル
コマンナン、プルランなどの多糖類、カチオン化デンプ
ン、ポリアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレートの三級塩もしくは四級アンモニ
ウム塩の単独重合体またはアクリルアミドとの共重合
体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドの単独重
合体またはアクリルアミドとの共重合体、ポリエチレン
イミンなどが挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。ノニオン性またはカチオン性の水溶性ポリマー
の配合により、水系分散液組成物の分散安定性が向上す
る。ノニオン性またはカチオン性の水溶性ポリマーの配
合量は、水系分散液組成物全量に対して0〜10重量%
であり、水溶性ポリマーの配合量が10重量%を超える
と、水系分散液組成物の粘度が上昇し取り扱いにくくな
るおそれがある。
【0009】本発明組成物においては、必要に応じてノ
ニオン性またはカチオン性の界面活性剤を配合すること
ができる。配合するノニオン性またはカチオン性の界面
活性剤には特に制限はなく、ノニオン性界面活性剤とし
ては、例えば、アルキルポリオキシエチレンエーテル、
アルキルフェニルポリオキシエチレンエーテル、ポリエ
チレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪
酸エステル、N,N−ジ(アルカノール)アルカンアミ
ドなどを挙げることができ、カチオン性の界面活性剤と
しては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、
アルキルピリジニウム塩などを挙げることができる。ノ
ニオン性またはカチオン性の界面活性剤の配合により、
水系分散液組成物の分散安定性が向上する。ノニオン性
またはカチオン性の界面活性剤の配合量は、水系分散液
組成物全量に対して0〜20重量%であり、界面活性剤
の配合量が20重量%を超えても、配合量の増加に見合
った水系分散液組成物の分散安定性の向上は得られな
い。本発明組成物の製造方法には特に制限はなく、
(b)無機塩、(c)水溶性ポリマーおよび(d)界面
活性剤は製造の任意の段階で配合することができる。例
えば、N−ビニルホルムアミドなど、またはN−ビニル
ホルムアミドなどと(メタ)アクリロニトリルを重合す
るときに、無機塩、水溶性ポリマーおよび界面活性剤を
添加しておき、重合後に加水分解または加水分解とアミ
ジン化を行って本発明の水系分散液組成物とすることが
できる。また、N−ビニルホムルアミドなどのポリマ
ー、またはN−ビニルホムルアミドなどと(メタ)アク
リロニトリルのコポリマーに、無機塩、水溶性ポリマー
および界面活性剤を添加した後に加水分解または加水分
解とアミジン化を行うことができる。あるいは、加水分
解または加水分解とアミジン化により得られたアミン単
位またはアミジン単位を有するポリマーを乾燥して粉末
状にした後、これらの粉末状ポリマーに無機塩、水溶性
ポリマーおよび界面活性剤を混合し、水を加えて水系分
散液組成物とすることができる。無機塩、水溶性ポリマ
ーおよび界面活性剤の添加は同時である必要はなく、例
えば、重合時に無機塩を添加し、加水分解時に水溶性ポ
リマーを添加し、加水分解終了後に水溶性ポリマーを添
加するなど、任意な添加方法をとることができる。本発
明組成物においては、水溶液中でアミン基またはアミジ
ン基を有するポリマーは、硝酸イオンの存在下に高分子
鎖が収縮し、微粒子状に析出し、これによって不溶性の
ポリマーの分散液となる。また、この分散液を水により
希釈すると、ポリマーは容易に水に再溶解する。水溶性
ポリマーの添加は、水系分散液に粘性を与え、分散した
ポリマー粒子の沈降分離を防止する。さらに、界面活性
剤は分散したポリマー粒子の合着をおさえる作用を有す
る。このような効果により、本発明の水系分散液組成物
は、水中で分散状のカチオン性ポリマー粒子が合着した
り、沈降分離せず、安定な分散液となる。
【0010】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例および比較例にお
いて、水系分散液組成物の粘度は回転粘度計を用いて2
5℃において測定した。また、水系分散液組成物の水へ
の再溶解性は、カチオン性ポリマーの濃度が0.1重量
%になるように水系分散液組成物を水100gの中へ加
え、ゆるやかに撹拌したときの混合液の外観から判定し
た。 製造例1(アミン単位を有するポリマー) 撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管をつけた
500mlフラスコに、N−ビニルホルムアミド71.0
g(1.0モル)および水310gを入れ、雰囲気を窒
素で置換した。撹拌しつつ60℃に昇温し、2,2'−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の10%水溶
液1.0gを添加し、60℃を保ったまま5時間重合を
続けた。得られた粘稠なポリマー水溶液に濃塩酸98.
1g(塩化水素として1.0モル)を加え、加熱して還
流しつつ4時間反応し、ポリマーを加水分解した。加水
分解後のポリマー溶液をアセトン中に添加し、析出した
ポリマーを真空乾燥した。このカチオン性ポリマーの、
1N塩化ナトリウム水溶液を溶媒として30℃で測定し
た固有粘度は、4.5dl/gであった。また、このカチ
オン性ポリマーのコロイド当量は、pH=4において8.
9であった。このポリマーをポリマーAとする。 製造例2(アミジン単位を有するポリマー) 撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管をつけた
500mlフラスコに、N−ビニルホルムアミド35.5
g(0.5モル)、アクリロニトリル26.5g(0.5
モル)および水310gを入れ、雰囲気を窒素で置換し
た。撹拌しつつ60℃に昇温し、2,2'−アゾビス(2
−アミジノプロパン)二塩酸塩の10%水溶液1.0g
を添加し、60℃を保ったまま5時間重合を続けた。水
中にポリマーが析出した懸濁液に濃塩酸98.1g(塩
化水素として1.0モル)を加え、加熱して還流しつつ
4時間反応し、ポリマーをアミジン化した。得られたポ
リマー溶液をアセトン中に添加し、析出したポリマーを
真空乾燥した。このカチオン性ポリマーの、1N塩化ナ
トリウム水溶液を溶媒として30℃で測定した固有粘度
は、3.5dl/gであった。また、このカチオン性ポリ
マーのコロイド当量は、pH=4において6.5であっ
た。このポリマーをポリマーBとする。 実施例1 水67gの中へ、撹拌機で強く撹拌しながらポリマーA
の粉末10gを徐々に添加し、水中へ分散溶解したの
ち、そのまま一夜静置して高濃度の水溶液を調製した。
次いで、水溶液を撹拌機でゆっくり撹拌しながら、硝酸
ナトリウム15gと塩化ナトリウム8gの混合物を徐々
に添加し、水溶液中へこれらの無機塩を溶解したとこ
ろ、次第にポリマーが微細粒子となって析出しはじめ、
水溶液の粘度が低下してきた。無機塩をすべて添加し終
えたあと、8時間撹拌を続け、一夜静置し、翌日さらに
1時間撹拌して、白濁した流動状のスラリーである水系
分散液組成物を得た。この水系分散液組成物の粘度は、
6,500cPであった。また、この水系分散液組成物
1gを水100g中に加えてゆるやかに撹拌したとこ
ろ、再溶解して透明な水溶液となった。 実施例2 水60g、ポリマーBの粉末20gおよび硝酸ナトリウ
ム20gを用いて実施例1と全く同じ操作を繰り返し、
白濁した流動状のスラリーである水系分散液組成物を得
た。この水系分散液組成物の粘度は、1,250cPで
あった。また、この水系分散液組成物0.5gを水10
0g中に加えてゆるやかに撹拌したところ、再溶解して
透明な水溶液となった。 実施例3 水56g、ポリマーBの粉末20g、硝酸ナトリウム1
6gおよび塩化ナトリウム8gを用いて実施例2と全く
同じ操作を繰り返した。得られた白濁した流動状のスラ
リーの粘度は650cPであった。また、この水系分散
液組成物0.5gを水100g中に加えてゆるやかに撹
拌したところ、再溶解して透明な水溶液となった。 実施例4 水59.5gの中へ、撹拌機で強く撹拌しながらポリマ
ーBの粉末20gを徐々に添加し、水中へ分散溶解した
のち、そのまま一夜静置して高濃度の水溶液を調製し
た。次いで、水溶液を撹拌機でゆっくり撹拌しながら、
硝酸ナトリウム18g、硫酸ナトリウム2gおよびジメ
チルアミノエチルアクリレートの塩化メチル四級化物と
アクリルアミドのコポリマー(1N硝酸ナトリウムを溶
媒として30℃で測定した固有粘度8.9dl/g、pH=
4におけるコロイド当量4.0meq/g)0.5gの混合
物を徐々に添加し、水溶液中へこれらの無機塩および水
溶性ポリマーを溶解したところ、次第にポリマーが微細
粒子となって析出しはじめ、水溶液の粘度が低下してき
た。無機塩および水溶性ポリマーをすべて添加し終えた
あと、8時間撹拌を続け、一夜静置し、翌日さらに1時
間撹拌して、白濁した流動状のスラリーである水系分散
液組成物を得た。この水系分散液組成物の粘度は、1,
055cPであった。また、この水系分散液組成物0.
5gを水100g中に加えてゆるやかに撹拌したとこ
ろ、再溶解して透明な水溶液となった。 実施例5 水48.2gの中へ、撹拌機で強く撹拌しながらポリマ
ーBの粉末20gを徐々に添加し、水中へ分散溶解した
のち、そのまま一夜静置して高濃度の水溶液を調製し
た。次いで、水溶液を撹拌機でゆっくり撹拌しながら、
硝酸ナトリウム15g、塩化ナトリウム8g、ジメチル
アミンとエピクロルヒドリンの重縮合物8.3gおよび
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB1
4.5)0.5gの混合物を徐々に添加し、水溶液中へこ
れらの無機塩、水溶性ポリマーおよび界面活性剤を溶解
したところ、次第にポリマーが微細粒子となって析出し
はじめ、水溶液の粘度が低下してきた。無機塩、水溶性
ポリマーおよび界面活性剤をすべて添加し終えたあと、
8時間撹拌を続け、一夜静置し、翌日さらに1時間撹拌
して、白濁した流動状のスラリーである水系分散液組成
物を得た。この水系分散液組成物の粘度は、4,350
cPであった。また、この水系分散液組成物0.5gを
水100g中に加えてゆるやかに撹拌したところ、再溶
解して透明な水溶液となった。 実施例6 水42g、ポリマーBの粉末30g、硝酸ナトリウム2
0gおよび塩化ナトリウム8gを用いて実施例1と全く
同じ操作を繰り返し、白濁した流動状のスラリーである
水系分散液組成物を得た。この水系分散液組成物の粘度
は、13,500cPであった。また、この水系分散液
組成物0.33gを水100g中に加えてゆるやかに撹
拌したところ、再溶解して透明な水溶液となった。
【0011】比較例1 無機塩を配合しないこと以外は実施例1と全く同じ操作
をくりかえした。すなわち、水90gの中へ、撹拌機で
強く撹拌しながらポリマーAの粉末10gを徐々に添加
し、水中へ分散溶解したのち、そのまま一夜静置して高
濃度の水溶液を調製した。次いで、水溶液を撹拌機で8
時間ゆっくり撹拌を続け、一夜静置し、翌日さらに1時
間撹拌したところ、透明ゲル状の水系組成物が得られ
た。この水系組成物の粘度は、360,000cPと極
めて高粘度であった。また、この水系組成物1gを水1
00g中に加えてゆるやかに撹拌したところ、再溶解し
て透明な水溶液となり、再溶解性は良好であった。 比較例2 無機塩として硫酸ナトリウムのみを用い、実施例1と同
様な操作をくりかえした。すなわち、水70gの中へ、
撹拌機で強く撹拌しながらポリマーAの粉末10gを徐
々に添加し、水中へ分散溶解したのち、そのまま一夜静
置して高濃度の水溶液を調製した。次いで、水溶液を撹
拌機でゆっくり撹拌しながら、硫酸ナトリウム20gを
徐々に添加し溶解したところ、次第にポリマーが微細粒
子となって析出しはじめ、水溶液の粘度が低下してき
た。硫酸ナトリウムをすべて添加し終えたあと、8時間
撹拌を続け、一夜静置し、翌日さらに1時間撹拌して、
白濁したスラリーである水系分散液組成物を得た。この
水系分散液組成物の粘度は、650cPであった。ま
た、この水系分散液組成物1gを水100g中に加えて
ゆるやかに撹拌したが、ポリマーは再溶解せず白濁した
ままであった。硫酸イオンの存在下に高分子鎖が収縮し
て微粒子状に析出したポリマーは、再溶解性を有しない
ことが分かった。 比較例3 無機塩を配合しないこと以外は実施例2と全く同じ操作
をくりかえした。すなわち、水80gの中へ、撹拌機で
強く撹拌しながらポリマーBの粉末20gを徐々に添加
し、水中へ分散溶解したのち、そのまま一夜静置して高
濃度の水溶液を調製した。次いで、水溶液を撹拌機で8
時間ゆっくり撹拌を続け、一夜静置し、翌日さらに1時
間撹拌したところ、透明ゲル状の水系組成物が得られ
た。この水系組成物の粘度は、870,000cPと極
めて高粘度であった。また、この水系組成物0.5gを
水100g中に加えてゆるやかに撹拌したところ、再溶
解して透明な水溶液となり、再溶解性は良好であった。 比較例4 硝酸ナトリウムの添加量を減少して、その影響を調べ
た。すなわち、水75g、ポリマーBの粉末20gおよ
び硝酸ナトリウム5gを用いて実施例2と全く同じ操作
を繰り返したところ、微白濁したゲル状の水系分散液組
成物が得られた。この水系分散液組成物の粘度は、8
2,500cPであり、硝酸ナトリウムの配合量が少な
いと十分粘度が低下しないことが分かった。また、この
水系分散液組成物0.5gを水100g中に加えてゆる
やかに撹拌したところ、再溶解して透明な水溶液となっ
た。 比較例5 硝酸ナトリウムの代わりに、他の無機塩および界面活性
剤を用いて、その影響を調べた。すなわち、水59gの
中へ、撹拌機で強く撹拌しながらポリマーBの粉末20
gを徐々に添加し、水中へ分散溶解したのち、そのまま
一夜静置して高濃度の水溶液を調製した。次いで、水溶
液を撹拌機でゆっくり撹拌しながら、硫酸ナトリウム2
g、塩化ナトリウム18gおよびポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル(HLB14.5)1gの混合物
を徐々に添加し、水溶液中へこれらの無機塩および界面
活性剤を溶解した。無機塩および界面活性剤をすべて添
加し終えたあと、8時間撹拌を続け、一夜静置し、翌日
さらに1時間撹拌して、透明ゲル状の水系組成物を得
た。この水系組成物の粘度は、150,000cPと高
粘度であった。また、この水系組成物0.5gを水10
0g中に加えてゆるやかに撹拌したところ、再溶解して
透明な水溶液となった。 比較例6 硝酸ナトリウムを用いることなく、界面活性剤のみを使
用してその影響を調べた。すなわち、水89gの中へ、
撹拌機で強く撹拌しながらポリマーBの粉末10gを徐
々に添加し、水中へ分散溶解したのち、そのまま一夜静
置して高濃度の水溶液を調製した。次いで、水溶液を撹
拌機でゆっくり撹拌しながら、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル(HLB14.5)1gを徐々に添
加し、水溶液中へ溶解した。ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテルをすべて添加し終えたあと、8時間撹
拌を続け、一夜静置し、翌日さらに1時間撹拌して、透
明ゲル状の水系組成物を得た。この水系組成物の粘度
は、47,500cPと高粘度であり、界面活性剤のみ
では十分に粘度を低下することができないことが分かっ
た。また、この水系組成物1gを水100g中に加えて
ゆるやかに撹拌したところ、再溶解して透明な水溶液と
なった。実施例1〜6および比較例1〜6の配合および
結果をまとめて第1表に示す。
【0012】
【表1】
【0013】実施例7 水60gの中へ、撹拌機で強く撹拌しながらポリマーA
の粉末30gを徐々に添加し、水中へ分散溶解したの
ち、そのまま一夜静置して高濃度の水溶液を調製した。
次いで、水溶液を撹拌機でゆっくり撹拌しながら、硝酸
ナトリウム10gを徐々に添加し、溶解したところ、次
第にポリマーが微細粒子となって析出しはじめ、水溶液
の粘度が低下してきた。硝酸ナトリウムをすべて添加し
終えたあと、8時間撹拌を続け、一夜静置し、翌日さら
に1時間撹拌して、微濁高粘性流動液体である水系分散
液組成物を得た。この水系分散液組成物の粘度は、15
0,000cPであった。また、この水系分散液組成物
0.33gを水100g中に加えてゆるやかに撹拌した
ところ、再溶解して透明な水溶液となった。 実施例8 水80gの中へ、撹拌機で強く撹拌しながらポリマーB
の粉末10gを徐々に添加し、水中へ分散溶解したの
ち、そのまま一夜静置して高濃度の水溶液を調製した。
次いで、水溶液を撹拌機でゆっくり撹拌しながら、硝酸
ナトリウム10gを徐々に添加し、溶解したところ、次
第にポリマーが微細粒子となって析出しはじめ、水溶液
の粘度が低下してきた。無機塩をすべて添加し終えたあ
と、8時間撹拌を続け、一夜静置し、翌日さらに1時間
撹拌して、微濁した溶液状の水系分散液組成物を得た。
この水系分散液組成物の粘度は、1,850cPであっ
た。また、この水系分散液組成物1gを水100g中に
加えてゆるやかに撹拌したところ、再溶解して透明な水
溶液となった。 実施例9 実施例8のポリマーBの粉末の量を20gに増加し、水
の量を70gに減少した以外は、実施例8と全く同じ操
作を繰り返したところ、微濁粘性流動液体である水系分
散液組成物が得られた。この水系分散液組成物の粘度
は、9,800cPであり、また、この水系分散液組成
物0.5gを水100g中に加えてゆるやかに撹拌した
ところ、再溶解して透明な水溶液となった。 実施例10 実施例9の硝酸ナトリウム10gの代わりに、硝酸ナト
リウム15gおよび塩化ナトリウム5gを用い、さらに
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB1
4.5)10gを配合し、水の量を50gとして、実施
例9と全く同じ操作を繰り返したところ、白濁流動状ス
ラリーの水系分散液組成物が得られた。この水系分散液
組成物の粘度は、1,050cPであり、また、この水
系分散液組成物0.5gを水100g中に加えてゆるや
かに撹拌したところ、再溶解して透明な水溶液となっ
た。 実施例11 実施例10のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ルの代わりに、ジメチルアミノエチルアクリレートの塩
化メチル四級化物とアクリルアミドのコポリマー(1N
硝酸ナトリウムを溶媒として30℃で測定した固有粘度
8.9dl/g、pH=4におけるコロイド当量4.0meq/
g)5gおよびセチルトリメチルアンモニウムブロマイ
ド5gを用いて、実施例10と全く同じ操作を繰り返し
たところ、白濁流動状スラリーの水系分散液組成物が得
られた。この水系分散液組成物の粘度は、960cPで
あり、また、この水系分散液組成物0.5gを水100
g中に加えてゆるやかに撹拌したところ、再溶解して透
明な水溶液となった。 比較例7 無機塩を配合しないこと以外は実施例7と全く同じ操作
をくりかえした。すなわち、水70gの中へ、撹拌機で
強く撹拌しながらポリマーAの粉末30gを徐々に添加
し、水中へ分散溶解したのち、そのまま一夜静置して高
濃度の水溶液を調製した。次いで、水溶液を撹拌機で8
時間ゆっくり撹拌を続け、一夜静置し、翌日さらに1時
間撹拌したところ、ゴム状の水系組成物が得られた。こ
の水系組成物の粘度は、2,000,000cP以上であ
った。また、この水系組成物0.33gを水100g中
に加えてゆるやかに撹拌したところ、再溶解して透明な
水溶液となり、再溶解性は良好であった。 比較例8 実施例2の硝酸ナトリウム20gの代わりに、硝酸ナト
リウムの量を40gとし、水の量を60gから40gに
減少した以外は、実施例2と全く同じ操作を繰り返し
た。白濁流動状スラリーの水系分散液組成物が得られた
が、その中には、硝酸ナトリウムが一部不溶解のまま残
っていた。硝酸ナトリウムの配合量が多すぎると、均一
な水系分散液組成物が得られないことが分かった。この
水系分散液組成物の粘度は、825cPであり、また、
この水系分散液組成物0.5gを水100g中に加えて
ゆるやかに撹拌したところ、再溶解して透明な水溶液と
なった。 比較例9 カチオン性ポリマーの配合量を増加して、その影響を調
べた。すなわち、水40gの中へ、撹拌機で強く撹拌し
ながらポリマーBの粉末40gを徐々に添加し、水中へ
分散溶解したのち、そのまま一夜静置して高濃度の水溶
液を調製した。次いで、水溶液を撹拌機でゆっくり撹拌
しながら、硝酸ナトリウム15gと塩化ナトリウム5g
の混合物を徐々に添加し、水溶液中へこれらの無機塩を
溶解した。無機塩をすべて添加し終えたあと、8時間撹
拌を続け、一夜静置し、翌日さらに1時間撹拌した。得
られた水系分散液組成物はゴム状で、その粘度は2,0
00,000cP以上であった。カチオン性ポリマーの
配合量が多すぎると、流動性のある低粘度の水系分散液
組成物が得られないことが分かった。しかし、このゴム
状の水系組成物0.25gを水100ml中に加えてゆる
やかに撹拌したところ、再溶解して透明な水溶液となっ
た。実施例7〜11および比較例7〜9の結果をまとめ
て、第2表に示す。
【0014】
【表2】
【0015】
【発明の効果】アミン単位またはアミジン単位を有する
カチオン性ポリマーの水溶液に、硝酸塩を配合すること
により、高濃度かつ低粘度のカチオン性ポリマーの水系
分散液とすることが可能となった。本発明組成物は、高
濃度であるため小容量化が可能であり、運搬、保管など
についてハンドリング性と経済性に優れ、水系分散液で
あるため安全性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村野 正幸 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗 田工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−255565(JP,A) 特開 平5−192513(JP,A) 特開 平6−218400(JP,A) 特開 平6−123096(JP,A) 特開 昭58−11553(JP,A) 特開 平8−59740(JP,A) 特開 平7−256299(JP,A) 特開 平8−49190(JP,A) 特開 平7−223000(JP,A) 特開 平8−188983(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 39/00 B01D 21/01 107 C02F 11/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)一般式[1]のアミン単位を有する
    ポリマー、または、一般式[2]もしくは[3]のアミ
    ジン単位を有するポリマー10〜30重量%、(b)硝
    酸塩単独または硝酸塩と他の無機塩との組み合わせより
    なる無機塩10〜30重量%、(c)ノニオン性または
    カチオン性の水溶性ポリマー0〜10重量%、(d)ノ
    ニオン性またはカチオン性の界面活性剤0〜20重量
    %、および、(e)水、を含有することを特徴とする流
    動性のあるカチオン性ポリマーの水系分散液組成物。 【化1】 (ただし、式中、R1およびR2は水素またはメチル基で
    あり、X-は陰性イオンである。)
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