JP2001048938A - 新規重合体およびその用途 - Google Patents

新規重合体およびその用途

Info

Publication number
JP2001048938A
JP2001048938A JP11222637A JP22263799A JP2001048938A JP 2001048938 A JP2001048938 A JP 2001048938A JP 11222637 A JP11222637 A JP 11222637A JP 22263799 A JP22263799 A JP 22263799A JP 2001048938 A JP2001048938 A JP 2001048938A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
formula
polymerization
general formula
viscosity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11222637A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideyuki Nishibayashi
秀幸 西林
Masaya Yamamoto
匡哉 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP11222637A priority Critical patent/JP2001048938A/ja
Publication of JP2001048938A publication Critical patent/JP2001048938A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高濃度の塩や多価の金属イオンが存在する系
に添加処理や混合処理しても、その系において安定的に
高い増粘性や、粘着性を維持することのできる粘性改良
剤や、粘度調整剤、増粘剤あるいは土壌改良剤等を提供
する事にある。また上記の粘性改良剤、粘度調整剤、増
粘剤、土壌改良剤等に最適に用いる事のできる新規な重
合体を得ることである。 【解決手段】実質的にN−ビニルラクタム系繰り返し単
位(1)およびカルボン酸系繰り返し単位(2)からな
り、その比率がモル比で5/95〜95/5であり、か
つ重量平均分子量が200万以上である共重合体を用い
てその各種剤を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は新規重合体に関し、
特に増粘剤、粘着剤等に有用な重合体とその重合体を含
む各種剤を提供するものである。特に、使用する際に、
その使用する系中に高濃度の塩や、多価の金属イオンが
存在しても、増粘性や、粘着性を失う事のない新規な各
種剤に関する。 【0002】また、これらの各種剤に最適に用いる事の
できる新規な重合体に関する。 【0003】 【従来の技術】一般式(1)および(2)で構成される
重合体のうち、ISP社よりアクリリドンという商品名
で上市されている、N−ビニルピロリドンとアクリル酸
の共重合体が広く知られている。しかしながらこれら共
重合体の重量平均分子量は25万以下であり、増粘剤と
しては充分な性能を有するものではない。また、特開平
3−215546号公報、特開平7−42087号公報
にはN−ビニルピロリドンと他の不飽和単量体との共重
合体の開示があり、他の不飽和単量のひとつとして(メ
タ)アクリル酸(塩)の開示が成されている。しかしな
がら、N−ビニルピロリドンと(メタ)アクリル酸
(塩)の共重合体であって、かつ分子量が明確に示され
ているものはいずれの場合も重量平均分子量200万未
満であり、特に高濃度の塩や、多価の金属イオンの存在
下においては、これらの重合体では、増粘性、粘着性を
充分に発現できず、その使用が制限されるのが現状であ
る。 【0004】また、アクリル酸ナトリウムのホモポリマ
ーでは、重量平均分子量200万以上のものが知られて
いるが、特に高濃度の塩や、多価の金属イオンの存在下
においては、増粘性、粘着性凝集性を充分に発現できな
いという問題点がある。また、このような問題の少ない
ものとして、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース等のセルロースポリマーやバイオポリ
マー等の増粘剤が知られているが、この場合においては
水溶液として使用するため腐敗が起こりやすく、長期間
その効果を維持する事が困難であるだけでなく、合成系
のポリマーに比べ高分子量のものを得ることが困難であ
るという問題点がある。 【0005】 【本発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状
に鑑みてなされたものであり、高濃度の塩や多価の金属
イオンが存在する系に添加処理や混合処理しても、その
系において安定的に高い増粘性や、粘着性を維持するこ
とのできる粘性改良剤や、粘度調整剤、増粘剤あるいは
土壌改良剤等を提供することにある。また上記の粘性改
良剤、粘度調整剤、増粘剤、土壌改良剤等に最適に用い
る事のできる新規な重合体を得ることである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、実質的に、繰り返し単位として、下記一
般式(1) 【0007】 【化3】 【0008】(但し、R1は水素またはメチル基を表
し、nは2〜4の整数を表す。)で示される繰り返し単
位および下記一般式(2) 【0009】 【化4】 【0010】(但し、式中R2は水素原子またはメチル
基を表し、Mは水素、一価金属、二価金属、アンモニウ
ム基または有機アミン基を表す。)で示される繰り返し
単位からなり、重合体中の一般式(1)に由来する構造
単位と一般式(2)に由来する構造単位の比率がモル比
で5/95〜95/5であり、かつ重量平均分子量が20
0万以上である水溶性重合体が、非常に少量の添加量で
優れた増粘性、粘着性等の機能を発現する事を見出し、
本発明を完成させた。 【0011】また、本発明の上記重合体の物性を評価
し、該重合体を含む増粘剤や土壌改良剤が物性として好
ましい事を見出した。 【0012】 【発明の実施形態】本発明の重合体は実質的に前記一般
式(1)で示される繰り返し単位を与える単量体と前記
一般式(2)を与える単量体からなる単量体混合物を共
重合することで得ることができる。 【0013】前記一般式(1)で示される繰り返し単位
を与える単量体として好ましく使用できる単量体は、N
−ビニルラクタム類である。具体的には、N−ビニルピ
ロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドン、N−ビ
ニルピペリドン、N−ビニル−6−メチルピペリドン、
N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−7−メチルカ
プロラクタム等を挙げることができ、これらから選択さ
れる少なくとも1以上の単量体の混合物であってもよ
い。これらの中でも、N−ビニルピロリドン、N−ビニ
ルカプロラクタムが好ましく、特にN−ビニルピロリド
ンが好ましい。 【0014】前記一般式(2)で示される繰り返し単位
を与える単量体として好ましく使用できる単量体は、
α、β−不飽和モノ(ジ)カルボン酸(またはその塩)
である。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸および
これらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有
機アミン塩等が挙げることができ、これらから選択され
る少なくとも1以上の単量体の混合物であってもよい。
これらの中でもアクリル酸およびその一価金属塩、アン
モニウム塩が好ましい。 【0015】本発明は、実質的には前記一般式(1)お
よび(2)で示される繰り返し単位からなる共重合体が
好ましく、共重合体中の一般式(1)に由来する構造単
位と一般式(2)に由来する構造単位の比率はモル比で
5/95〜95/5であり、好ましくは10/90〜9
0/10であり、より好ましくは15/85〜85/1
5である。モル比がこの範囲から外れると、高濃度の塩
や多価の金属イオンの存在下での増粘性、粘着性が低下
する。 【0016】また、前記一般式(1)および(2)以外
の構造単位が所定量以上、共重合体成分に入ってくる
と、所望の重合性を示さなくなる場合があり、所定の高
分子量の重合体がえられ難い場合がある。 【0017】なお、本発明の重合体はその効果(増粘
性、粘着性等)を損なわない範囲内で、具体的には10
モル%未満、より好ましくは5モル%、さらに好ましく
は3%未満であれば他の繰り返し単位を含むことはかま
わない。さらに好ましくは、該重合体を1%濃度以下の
希薄重合体水溶液とした際、濁りが認められない様な水
溶性を維持する範囲内であれば他の繰り返し単位を含む
ことができる。このような繰り返し単位を与える単量体
としては、特に限定されるものではないが、例えばマレ
イン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、クロト
ン酸などのエチレン系不飽和カルボン酸およびこれらの
塩、炭素数3〜8個のエチレン系不飽和カルボン酸のエ
ステル、アミド、ニトリル、例えば(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸−2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸−2
−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプ
ロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等のアク
リル酸エステル類、マレイン酸モノメチル、マレイン酸
ジメチル、マレイン酸エチル、マレイン酸ジエチルのマ
レイン酸誘導体類、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノ
エチル及びその塩ならびに4級化物、(メタ)アクリル
アミド、(メタ)アクリロニトリル、スルホン基を有す
るエチレン性不飽和単量体およびその塩、例えばビニル
スルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスル
ホン酸、(メタ)アクリル酸−3−スルホプロピル、2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およ
びその塩等を挙げることができ、これらの1種又は2種
以上を用いることができる。 【0018】また、本発明の重合体を必須に含む粘度調
整剤、増粘剤や粘性改良剤や土壌改良剤等の各種添加剤
や調整剤は、実質的に本発明の重合体からなる事が好ま
しいが、本発明の効果を阻害しない限りにおいては、本
発明の重合体以外のその他の重合体であっても含むこと
ができる。その時に併用できるその他の重合体の種類等
は特に限定はない。またその併用することのできる量
は、好ましくは、20重量%以下であり、さらに好まし
くは10重量%以下である。より好ましくは、5重量%
以下である。 【0019】上述した、その他の重合体としては、特に
限定しないが、例えば、以下に例示される単量体を含む
単量体組成物を重合してなる重合体である。具体的に
は、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン
酸、クロトン酸などのエチレン系不飽和カルボン酸およ
びこれらの塩、炭素数3〜8個のエチレン系不飽和カル
ボン酸のエステル、アミド、ニトリル、例えば(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸−2−エチルへキシル、(メタ)ア
クリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブ
チル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マ
レイン酸エチル、マレイン酸ジエチル、(メタ)アクリ
ル酸ジメチルアミノエチル及びその塩ならびに4級化
物、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリ
ル、スルホン基を有するエチレン性不飽和単量体および
その塩、例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスル
ホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸−3
−スルホプロピル、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸およびその塩等の単量体を挙げること
ができ、これらの1種又は2種以上をその単量体組成物
に用いることができる。また、ビニルピロリドンやアク
リル酸、メタクリル酸等をその単量体組成物として併用
した重合体であってもよい。 【0020】本発明の共重合体の重量平均分子量は20
0万以上でありより好ましくは250万〜1000であ
る。重量平均分子量が200万より小さいと増粘性、粘
着性に劣り、1000万を超える場合には溶解等の取扱
性が煩雑になる場合がある。より好ましくは250万〜
800万である。もっとも好ましくは300万〜700
万である。 【0021】なお、本願発明における重量平均分子量
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)により測定し、ポリアクリル酸ナトリウムを標準と
した重量平均分子量で表わしたものである。この測定に
より、確実に所定の重量平均分子量を持つ重合体が製造
されていることを確認する事ができる。 【0022】本願発明の共重合体の製造は公知の方法、
例えばラジカルを形成する重合開始剤の存在下、溶液重
合、沈殿重合、逆相懸濁重合、逆相乳化重合、塊状重合
により行うことができるが、溶液重合のうちでも水溶液
での静置重合が好ましく、また逆相懸濁重合も好まし
い。 【0023】重合する際の水溶液中のモノマー濃度とし
ては20重量%以上が好ましく、30重量%以上が高分
子量の共重合体を得るのにより好ましい。上述のモノマ
ー濃度の設定は、特に、本発明の重合体である、実質的
に、繰り返し単位として上述の一般式(1)と一般式
(2)からなる重合体で、重量平均分子量が200万以
上の重合体を得るのに特に好ましい重合条件である。 【0024】また、所定の高分子量でかつ高い反応率で
重合を達成させるためには、重合する際の溶液中の酸素
濃度は1ppm以下が好ましく、0.5ppm以下がよ
り好ましい。さらに好ましくは重合開始前に、重合用装
置や重合用原料を十分に窒素置換等で、酸素濃度を所定
量以下に調節した上で、重合を開始することが好まし
い。より好ましくは、重合中にこの酸素濃度を維持する
ことである。上述の酸素濃度条件も本発明の重合体であ
る、実質的に、繰り返し単位として上述の一般式(1)
と一般式(2)からなる重合体で、重量平均分子量が2
00万以上の重合体を得るのに特に好ましい重合条件で
ある。 【0025】酸素濃度を調整する方法は特に限定しない
が、上記の窒素置換等の不活性ガスでの置換や、酸素ト
ラップ剤等の添加がある。所望により選択して適応させ
ることができる。 【0026】特に、本願の特定の繰り返し単位として上
述の一般式(1)と一般式(2)を与える特定の単量体
混合物である、N−ビニルラクタム類と、α、β−不飽
和モノ(ジ)カルボン酸(またはその塩)からなる単量
体混合物を重合させる時に、上述のモノマー濃度と、重
合する際の溶液中の酸素濃度条件を採用することで、好
ましく重量平均分子量が200万以上の本発明の重合体
を製造する事ができる。 【0027】また、ラジカルを形成させる方法として
は、熱、レドックス、紫外線照射等が挙げられる。重合
系に添加することのできる重合開始剤の具体例として
は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’
−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,
2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)
プロパン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチルア
ミド二水和物等のアゾ系開始剤、過酸化水素、過硫酸ア
ンモニウム等の過硫酸塩、クメンハイドロパーオキサイ
ド等の過酸化物系、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫
酸ナトリウム、硫酸第一鉄アンモニウム、L−アスコル
ビン酸、トリエタノールアミン等の還元剤と前記過酸化
物との組み合わせになるレドックス系開始剤、ベンゾフ
ェノン、ベンゾイン、ベンゾインヒドロキシプロピルエ
ーテル等の光重合開始剤等が挙げられる。 【0028】重合温度は開始剤により適宜最適な温度を
決めればよいが、通常0〜200℃、好ましくは20〜
120℃の範囲である。 【0029】本願発明の共重合体を製造するにあたり、
重合や乾燥工程での架橋による水不溶性の重合体生成を
抑制するため、エチレングリコール、グリセリン、イソ
プロパノール等の水溶性アルコール類、次亜リン酸ナト
リウム等の次亜リン酸塩、尿素、チオ尿素等の尿素化合
物を重合の際に添加することもできる。これら添加剤の
配合量は、特に限定されるものではないが、重合させる
単量体総量に対し0.001〜5重量%が好ましい。 【0030】逆相懸濁重合、逆相乳化重合において使用
する界面活性剤としは公知のものを使用する事ができる
が、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノステアレ
ート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレー
ト、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、グリ
セロールモノステアレート等のノニオン界面活性剤を挙
げることができる。また、分散媒となる疎水性有機溶媒
としては、脂肪族または芳香族炭化水素、植物性または
動物性の油やこれらの変性油等があり、ノルマルパラフ
ィン、イソパラフィン、シクロヘキサン、トルエン、キ
シレン、ケロシン等が挙げられる。 【0031】このようにして得られた本発明の共重合体
は、一般的には乾燥、必要に応じて粉砕・分級し粉末と
する事が、貯蔵・運搬等を考えると好ましい。 【0032】本発明の共重合体の用途については特に限
定するものではないが繊維用糊剤、捺染用糊剤、製紙用
の濾水性・歩留り向上剤、視力増強剤、土壌改良剤、パ
ップ剤用粘着剤、石油三次回収用の増粘剤、水中コンク
リート等の土木用増粘剤、廃水の凝集剤等に好適に用い
る事ができる。これらの中で、特に好ましくは、増粘剤
や、粘着剤や、土壌改良剤である。 【0033】上述の各種用途の剤中に含まれる、本発明
の重合体の含有量は特に限定しない。例えば、その含有
量は1〜100重量%である。より好ましくは5〜10
0重量%で、さらに好ましくは10〜100重量%であ
る。また本発明の上述の各種用途の剤である、増粘剤
や、粘着剤や、土壌改良剤等の各種改良剤には、それぞ
れの目的により公知の各種添加剤を添加することもでき
る。その種類や配合量等は特に限定されるものではな
く、それぞれの目的により適宜設定する事ができる。 【0034】また本発明の、特定の重合体を必須成分と
して含む上述の各種用途の剤は、用いる系の塩の濃度
や、系中に存在する多価の金属イオン量によって、その
増粘効果や、凝集効果が影響されないので、非常に好ま
しい。また本発明の重合体を必須成分として含む剤を使
用することで、高濃度の塩が系中に含まれていたり、多
価の金属イオンが存在していたりする系での各種処理に
おいても、好ましく適応することができる処理方法や使
用方法を提案することができる。 【0035】 【実施例】以下に実施例をあげて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 【0036】なお、GPCによる重量平均分子量(M
w)の測定は以下の条件にて行った。 【0037】・カラム:Shodex OHpak ・溶離液:0.005Mホウ酸+0.05M塩化カリウ
ム(水酸化ナトリウムでpH9.0に調製) ・検出器:RI検出器 <実施例1>セパラブルフラスコに、N−ビニルピロリ
ドン11.1g(0.1mol)、37%アクリル酸ナ
トリウム水溶液25.4g(0.1mol)および水2
1gを仕込み、窒素雰囲気下、所定の酸素濃度に調整し
た。その後昇温し、液温が45℃に達したとき2,2’
−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロ
パン〕二塩酸塩の0.5%水溶液1gを加えた。重合が
開始した段階で攪拌を止め、重合開始4時間後に内温が
70℃になるよう昇温しさらに4時間重合を継続した。
ゲル状の重合体が得られた。得られた重合体の組成は1
H−NMRよりN−ビニルピロリドン(VP)/アクリ
ル酸ナトリウム(SA)=50/50(mol比)、重
量平均分子量Mwは350万であった。この時の重合溶
液中の酸素濃度は0.3ppmであった。なお重合反応
は窒素雰囲気下で継続して行った。 【0038】<実施例2>セパラブルフラスコに、シク
ロヘキサン150g、ソルビタンモノステアレート0.
6gを入れ溶解させ、窒素雰囲気下、所定の酸素濃度に
調整した。その後昇温し、液温が50℃に達したとき、
窒素通気により溶存酸素を除去したN−ビニルピロリド
ン17.8g(0.16mol)、37%アクリル酸ナト
リウム水溶液10.2g(0.04mol)、2,2’
−アゾビス〔2−(2−イミダゾ、リン−2−イル)プ
ロパン〕二塩酸塩の0.5%水溶液0.7g、2,2’
−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩の0.5
%水溶液0.3gおよび水25gの混合溶液を加え重合
反応を行った。重合開始5時間後から昇温し、共沸脱水
を行った。共沸脱水終了後、冷却し濾過により内容物か
ら重合体を分離した。重合体を50℃減圧乾燥機で24
時間乾燥したところ、白色重合体粉末を得た。 【0039】得られた重合体の組成は1H−NMRより
VP/SA=80/20(mol比)、重量平均分子量
Mwは300万であった。この時の重合溶液中の酸素濃
度は0.4ppmであった。なお重合反応は窒素雰囲気
下で継続して行った。 【0040】<実施例3>セパラブルフラスコに、N−
ビニルピロリドン4.4g(0.04mol)、37%
アクリル酸ナトリウム水溶液40.7g(0.16mo
l)、次亜リン酸ナトリウム0.5%水溶液0.4gお
よび水9gを仕込み、窒素雰囲気下、所定の酸素濃度に
調整した。その後昇温し、液温が45℃に達したとき
2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イ
ル)プロパン〕二塩酸塩の0.5%水溶液0.5gを加
えた。重合が開始した段階で攪拌を止め、重合開始4時
間後に内温が70℃になるよう昇温しさらに4時間重合
を継続した。ゲル状の重合体が得られた。得られた重合
体の組成は1H−NMRよりVP/SA=20/80
(mol比)、重量平均分子量Mwは500万であっ
た。この時の重合溶液中の酸素濃度は0.2ppmであ
った。なお重合反応は窒素雰囲気下で継続して行った。 【0041】<比較例1>実施例1において水21gを
167gとした以外は同様の条件で重合を行った。得ら
れた重合体の組成は1H−NMRよりN−ビニルピロリ
ドン(VP)/アクリル酸ナトリウム(SA)=50/
50(mol比)、重量平均分子量Mwは100万であ
った。 【0042】増粘剤としての評価を実施例1〜3、比較
例1で得られた重合体およびポリアクリル酸ナトリウム
(重量平均分子量300万)、ポリビニルピロリドン
(重量平均分子量120万)について以下の評価を行っ
た。その結果を表1に示す。 【0043】 【表1】 【0044】本発明の重合体に比べ分子量が小さい比較
例1の重合体は増粘効果が小さい。また、一般式(1)
由来の構造単位を全く含まないポリアクリル酸ナトリウ
ムは、水の増粘効果は大きいものの塩化カルシウム存在
下ではその効果を失い、1重量%塩化カルシウム水溶液
では水だけの粘度に比べ1/500以下の粘度となる。
一方、一般式(2)由来の構造単位全く含まないポリビ
ニルピロリドンでは、水の増粘効果が劣り10cps以
下である。 【0045】また、表2に、本発明の重合体の効果とし
て、土壌処理剤性能(増粘性)を、所定量のポリマーを
添加した系で、25℃において、3重量%のベントナイ
トを含んだ懸濁液の粘度をファンネル粘度計にて評価し
た結果を示す。一般にファンネル粘度とは、逆円錐状の
容器から、ベントナイト等を含んだ懸濁液や泥水の50
0mlが流出する時間である。本発明では、この流出時
間を測定することで、所定の増粘性を保有した重合体で
あるかどうかを評価した。 【0046】 【表2】 【0047】いずれの結果も、本発明の特定の重合体を
用いる事により、良好な増粘特性並びに、土壌改良効果
が得られる事が判る。また例えば、各種条件で使用する
ことのできる増粘剤や土壌改質剤が、本発明の重合体の
有効な用途である事も判る。このファンネル粘度によ
り、本発明の重合体をベントナイトや土を含む溶液に添
加した場合、非常に良好な増粘特性を示すことがわか
る。また、本発明では、実施例1〜3の重合体のGPC
測定によって、確実に所定の重量平均分子量を持つ重合
体が得られたことの確認を行った。また、合せて上述の
様に重合体の物性の評価をする事で、確かにその重合体
が、その重量平均分子量と組成に由来する、顕著で特異
的な物性を示す事が判った。また、特定の単量体組成に
対して、特定の重合条件(酸素濃度、単量体濃度)を採
用して重合する方法が、本発明の重合体を得る上で効果
的な重合方法である事もわかった。 【0048】 【発明の効果】以上述べたように、本発明による高分子
量の共重合体は増粘性、粘着性に優れ、高濃度の塩や多
価金属イオンが存在してもその特徴を失う事がない。よ
って繊維用糊剤、捺染用糊剤、製紙用の濾水性・歩留り
向上剤、視力増強剤等、土壌改良剤、パップ剤用粘着
剤、石油三次回収用の増粘剤、水中コンクリート等の土
木用増粘剤、廃水の凝集剤等に好適に用いる事ができ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】実質的に、繰り返し単位として、下記一般
    式(1) 【化1】 (但し、R1は水素またはメチル基を表し、nは2〜4
    の整数を表す。)で示される繰り返し単位および下記一
    般式(2) 【化2】 (但し、式中R2は水素原子またはメチル基を表し、M
    は水素、一価金属、二価金属、アンモニウム基または有
    機アミン基を表す。)で示される繰り返し単位からなる
    重合体であって、その重合体中の一般式(1)の構造単
    位と一般式(2)の構造単位の比率がモル比で5/95
    〜95/5であり、かつその重量平均分子量が200万以
    上である事を特徴とする重合体。 【請求項2】重合体の繰り返し単位である、一般式
    (1)の構造単位が、N−ビニルラクタム類由来の構造
    単位であって、一般式(2)の構造単位がα、β−不飽
    和モノ(ジ)カルボン酸(または塩)由来の構造単位で
    あることを特徴とする請求項1記載の重合体。 【請求項3】請求項1または2記載の重合体を含む増粘
    剤。 【請求項2】請求項1または2記載の重合体を含む土壌
    改良剤。
JP11222637A 1999-08-05 1999-08-05 新規重合体およびその用途 Pending JP2001048938A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11222637A JP2001048938A (ja) 1999-08-05 1999-08-05 新規重合体およびその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11222637A JP2001048938A (ja) 1999-08-05 1999-08-05 新規重合体およびその用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001048938A true JP2001048938A (ja) 2001-02-20

Family

ID=16785586

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11222637A Pending JP2001048938A (ja) 1999-08-05 1999-08-05 新規重合体およびその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001048938A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004010831A (ja) * 2002-06-10 2004-01-15 Nippon Shokubai Co Ltd (メタ)アクリル酸(塩)系重合体及びその用途
EP1582537A1 (en) 2004-03-24 2005-10-05 Nippon Shokubai Co., Ltd. N-Vinyl amide polymer and production method thereof
US8747702B2 (en) 2009-12-29 2014-06-10 Cheil Industries, Inc. Conductive polymer, conductive polymer composition, conductive polymer layer, and organic photoelectric device including the conductive polymer layer
JP2017171829A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 株式会社日本触媒 ビニルピロリドン系重合体の製造方法
JP2017186256A (ja) * 2016-03-31 2017-10-12 株式会社日本触媒 保湿剤用ポリマー
JP2020139015A (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 株式会社日本触媒 保湿剤用ポリマー

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004010831A (ja) * 2002-06-10 2004-01-15 Nippon Shokubai Co Ltd (メタ)アクリル酸(塩)系重合体及びその用途
EP1582537A1 (en) 2004-03-24 2005-10-05 Nippon Shokubai Co., Ltd. N-Vinyl amide polymer and production method thereof
US7214753B2 (en) 2004-03-24 2007-05-08 Nippon Shokubai Co., Ltd. N-vinyl amide polymer and production method thereof
US8747702B2 (en) 2009-12-29 2014-06-10 Cheil Industries, Inc. Conductive polymer, conductive polymer composition, conductive polymer layer, and organic photoelectric device including the conductive polymer layer
JP2017171829A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 株式会社日本触媒 ビニルピロリドン系重合体の製造方法
JP2017186256A (ja) * 2016-03-31 2017-10-12 株式会社日本触媒 保湿剤用ポリマー
JP2020139015A (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 株式会社日本触媒 保湿剤用ポリマー
JP7349796B2 (ja) 2019-02-27 2023-09-25 株式会社日本触媒 保湿剤用ポリマー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4901756B2 (ja) 陽イオン性ポリマー分散液、前記分散液の調製方法およびその使用
RU2394846C2 (ru) Дисперсия полимера и способ получения дисперсии полимера
JP2005144346A (ja) 凝集処理剤及びその使用方法
CA2060042C (en) Water soluble block copolymers and methods of use thereof
JPH11116762A (ja) 新規な会合型ポリマーと、逆相乳化重合によるその製造方法
WO2002100944A1 (en) Amphoteric water-soluble polymer dispersion and use thereof
JP4126931B2 (ja) 高分子凝集剤及び汚泥の脱水方法
ES2280028T3 (es) Empleo de polimeros cationicos reticulados solubles en agua para controlar la deposicion de residuos y pegajosidades en la fabricacion de papel.
JP3247795B2 (ja) 両性高分子汚泥脱水剤及びこれを用いた汚泥脱水方法
JP3712946B2 (ja) 両性水溶性高分子分散液
JP2001048938A (ja) 新規重合体およびその用途
JPH0615299A (ja) 汚泥脱水剤
JP2013215708A (ja) 両性水溶性高分子凝集剤およびそれを用いる汚泥の脱水方法
JP4277124B2 (ja) 掘削泥水用添加剤及びそれを用いた掘削泥水
JP2009024125A (ja) 安定な水溶性重合体分散液およびその製造方法
EP0955315B1 (en) Process for the production of acrylamide polymer dispersion
JP5940881B2 (ja) 両性高分子凝集剤及びその製造方法並びにこれを用いる汚泥の脱水方法
JPH03189000A (ja) 汚泥脱水剤
JP4058621B2 (ja) 組成物、高分子凝集剤及び汚泥の脱水方法
JP4109145B2 (ja) 高分子凝集剤及びその製造方法
JP4142319B2 (ja) 高分子凝集剤組成物
JP2004075784A (ja) 水溶性重合体
JPH0317870B2 (ja)
JPH0450209A (ja) 水溶性増粘剤・凝集剤
JP3431835B2 (ja) アクリルアミド系重合体組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060316

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080716

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080723

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080909

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20080909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090804

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091201