JP3527635B2 - 重質油の水素化脱硫方法 - Google Patents

重質油の水素化脱硫方法

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JP3527635B2 JP14366098A JP14366098A JP3527635B2 JP 3527635 B2 JP3527635 B2 JP 3527635B2 JP 14366098 A JP14366098 A JP 14366098A JP 14366098 A JP14366098 A JP 14366098A JP 3527635 B2 JP3527635 B2 JP 3527635B2
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重質油の水素化脱
硫方法に関するものである。さらに詳しくは、触媒の一
部として再生触媒を用いた、重質油の水素化脱硫方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】石油精製においては各種の留分を水素化
により精製する工程は多数ある。ナフサ、灯油、軽油等
の脱硫や、重質軽油の脱硫、分解、さらには残油、重油
の脱硫などがある。そのうちでも、比較的沸点が低く、
バナジウム等の金属不純物含有量のほとんどないナフサ
や灯油、軽油を処理する水素化脱硫工程に用いられる触
媒は使用による劣化の度合いが少ない。
【0003】また、これらの触媒は使用による劣化はほ
とんど少量の炭素質の蓄積によるものであり、これを燃
焼等により除去してやれば再使用可能であった。さらに
炭素質の除去についても、触媒上の炭素質の量が少ない
ため厳密な燃焼制御は必要としないで再使用可能な触媒
がえられる。また、一旦使用した触媒でも劣化の度合い
が少ない触媒もあり、このようなものはそのまま再使用
できる。これらの触媒は特別の注意を払うことなく再度
ナフサ、灯油、軽油等の脱硫に用いられている。
【0004】また、最近は重質軽油や減圧軽油の水素化
処理触媒についても、再生等により再使用をしている
が、その再生、使用方法についても確立されている。こ
れらの水素化処理に用いられた触媒は、処理原料油中に
金属不純物がないので触媒上にも原料に起因するバナジ
ウム等の金属の堆積は少ない。また、炭素質の堆積も少
ないだけでなく、炭素質の質も燃焼させ易いものであり
燃焼による再生時にも触媒表面はそれほど高温になら
ず、触媒担体の細孔構造や活性金属相の担持状態等の変
化も小さく、再度重質軽油や減圧軽油等の留出油の処理
に使用することはできていた。
【0005】しかし、残渣油のようなさらに沸点の高
い、あるいは蒸留できない留分を含む重質油の水素化処
理においては、原料油中に含まれる金属不純物やアスフ
ァルテン分等の炭素質化し易い成分が多く、これらが使
用済み触媒上に多量の金属分や炭素質を堆積させる。ま
た、質的にも金属分と炭素質が同時に蓄積した使用済み
触媒は簡単には炭素質の燃焼除去ができなかった。(S
tadies in Surface and Cat
alysis vol.88 P199(1994),
Catal.Today vol.17 No.4 P
539(1993),Catal.Rev.Sci.E
ng.33(3&4)P281(1991))このた
め、これらの使用済み触媒は再利用されることはなく処
分されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、重質油等の
水素化処理プロセスにおいて使用により失活し、利用さ
れていなかった触媒を再生処理し、有効に活用する重質
油の水素化脱硫方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、重質油等の水素化処理プロセスにおいて使用によ
り失活した触媒を再生処理し、同時に使用する新触媒と
の配置方法を最適化することにより好適な脱硫効果が得
られること、さらには失活した触媒に付着した不純物量
や物理性状を制御することが有効であることを見出し、
この知見に基づいて本発明を完成したものである。
【0008】すなわち、本発明の要旨は下記のとおりで
ある。 (1) 触媒を充填した反応ゾーンで重質油を水素化脱
硫するにあたり、脱メタルゾーン、脱スケールゾーン以
外の脱硫反応ゾーンの前段側に新触媒を、後段側に再生
触媒を配置することを特徴とする重質油の水素化脱硫方
法。 (2) 前記の脱硫反応ゾーンにおける再生触媒の充填
量が5〜80体積%、新触媒の充填量が20〜95体積
%である(1)記載の水素化脱硫方法。 (3) 再生触媒のバナジウム含有量が再生触媒基準で
酸化物として35重量%以下である(1)または(2)
記載の水素化脱硫方法。 (4) 再生触媒の炭素含有量が再生触媒基準で15重
量%以下である(1)〜(3)のいずれかに記載の水素
化脱硫方法。 (5) 再生触媒の比表面積が60〜200m2/gで
ある(1)〜(4)のいずれかに記載の水素化脱硫方
法。 (6) 再生触媒の細孔容積が0.3〜1.0cc/g
である(1)〜(5)のいずれかに記載の水素化脱硫方
法。 (7) 再生触媒が、酸化物担体にモリブデン、タング
ステン、コバルトまたは、ニッケルのうち少なくとも一
種類の金属種を担持した触媒を水素化処理プロセスで使
用した後、再生処理したものである(1)〜(6)のい
ずれかに記載の水素化脱硫方法。 (8) 酸化物担体がアルミナで担持金属種がニッケル
およびモリブデンである(7)記載の水素化脱硫方法。 (9) 酸化物担体が、リン、ほう素、けい素の酸化物
のうち少なくとも一種類を含むアルミナで、担持金属種
がニッケルまたはコバルト、およびモリブデンである
(7)記載の水素化脱硫方法。 (10) 担持金属種であるニッケルまたはコバルトの
含有量が再生触媒基準で酸化物として0.1〜10重量
%、およびモリブデンの含有量が再生触媒基準で酸化物
として0.1〜25重量%の範囲内にある、(7)〜
(9)のいずれかに記載の水素化脱硫方法。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につき
説明する。本発明は、触媒を充填した反応ゾーン中で重
質油を水素化脱硫するにあたり、再生触媒と新触媒を特
定の組み合わせで使用することを特徴としている。すな
わち、少なくとも一部の反応ゾーン中に充填する触媒の
配置を、前段側に新触媒、後段側に再生触媒、とする組
合せとすることである。 なお、ここで反応ゾーン中に
充填する触媒とは脱硫反応のみを目的としているものを
言うだけでなく、脱スケール、脱金属を主目的としてい
る触媒も含む。それ故、反応ゾーンとは、いわゆる狭義
の脱硫反応ゾーンはもちろん、脱メタルゾーン、脱スケ
ールゾーンなどを含んだ脱硫プロセスの反応帯域全体の
触媒層のことを言う。
【0010】そのうち、すくなくとも一部の反応ゾーン
とは反応ゾーン全体であってもよいが、上記狭義の脱硫
反応ゾーン、脱メタルゾーン、脱スケールゾーンなどの
いずれか、あるいはそれらの一部であってもよく、各種
反応ゾーンに跨がるものでもよい。また、一つの反応器
であったり、反応器中の一つのベッド部分であってもよ
い。さらに、ひとつの反応器の下流部と次の反応器の上
流部にわたるものでもよい。すなわち、目的の主従を問
わずいくぶんかでも脱硫反応が起こっているひとつのま
とまった部分を言うものである。
【0011】少なくとも一部の反応ゾーンの典型的な態
様としては、脱メタルゾーンのみの場合や、脱メタルゾ
ーン、脱スケールゾーンを除いた狭義の脱硫ゾーン、そ
の脱硫ゾーンの中のひとつあるいは複数の反応器、また
は反応器中のひとつあるいは複数のベットの場合があ
る。触媒の配置において、少なくとも一部の反応ゾーン
の前段側には新触媒、後段側には再生触媒を配置するこ
とが重要である。これは、重質油の脱硫反応においては
最初に原料重質油をできるだけ水素化反応させ、この水
素化された反応中間体をさらに水素化反応させて脱硫油
と硫化水素にする反応方法が有効な脱硫方法であると考
えられる。そのためには、相対的に水素化活性の高い新
触媒を前段側に、活性の少し低い再生触媒を後段側に配
置することで良い結果を得ることができる。
【0012】水素化脱硫プロセスの少なくとも一部の反
応ゾーン(以下「特定ゾーン」という)においてこの効
果を十分に期待するには、新触媒を特定ゾーンの20%
(触媒の充填状態での特定ゾーンの全触媒に対する体積
%を言う、以下同じ)以上、できれば40%以上使用す
ることが好ましい。逆に再生触媒を特定ゾーンの5%以
上、好ましくは10%以上使用していないと触媒の配置
による脱硫効果の向上は顕著ではない。触媒の配置にお
ける前段側、後段側と言うのは反応物の流れの上流、下
流を表しており、相対的に上流側にあるものを前段側、
下流側にあるものを後段側としている。
【0013】また、本発明における重質油とは常圧残
油、減圧残油などの蒸留残渣分を含むものを言い、灯
油、軽油、減圧軽油などの留出油のみからなるものは含
まない。通常、重質油中には硫黄分1重量%以上、窒素
分200重量ppm以上、残炭分5重量%以上、バナジ
ウム5ppm以上、アスファルテン分0.5%以上が含
まれている。たとえば、前記常圧残油等の他原油、アス
ファルト油、熱分解油、タールサンド油あるいはこれら
を含む混合油などがあげられる。なお、本発明の対象と
する水素化脱硫プロセスとは固定床反応器を用いるもの
を言い、移動床や沸騰床などの反応形式のプロセスは対
象外である。ただし、反応物の流れとしては上昇流でも
下降流でもよい。
【0014】つぎに、新触媒、再生触媒および再生処理
につき説明する。まず、新触媒とは通常、重質油等の水
素化脱硫触媒として製造されたものを言うが、脱メタ
ル、脱窒素、分解などの水素化処理触媒として製造され
たものでも、脱硫機能を合わせ持っているものでもよ
い。これらは、一般に市販されている脱硫触媒、脱メタ
ル触媒などや、特別に脱硫触媒として製造した触媒を含
んでいる。さらに、一度も水素化処理に使用されていな
いものはもちろん、一旦水素化処理に使用されたが装置
上のトラブル等のため短期間で使用を中断し、再度その
まま使用するものも含む。すなわち、一時的に使用され
ても特別の賦活処理をしなくとも、当初から想定されて
いる脱硫活性がまだ十分にある触媒も含まれる。
【0015】再生触媒とは、上記新触媒を一旦重質油等
の水素化処理に使用し、そのままでは十分な脱硫活性が
得られなくなった触媒(使用済み触媒と言う。)を再生
処理により賦活したものである。水素化処理される重質
油等とは常圧残油、減圧残油などの重質油はもちろん、
減圧軽油、重質軽油、分解軽油などやこれらの混合油も
含む。また、水素化処理は脱硫処理が一般的であるが、
脱金属、脱窒素、脱芳香族などの処理でもよい。
【0016】再生処理には溶剤洗浄による油分等の除
去、炭素質の燃焼による除去、塊状化したり細粒化した
触媒の除去による正常な形状の触媒の選別などがある
が、本発明における再生処理とは、酸化による炭素質の
除去、好ましくは反応器外での酸化による炭素質の除
去、を含む処理を言う。代表的な態様としての再生処理
としては、使用済み触媒をまず溶剤洗浄する。溶剤とし
てはトルエン、アセトン、アルコールや、ナフサ、灯
油、軽油などの石油類が好ましい。その他の溶剤でも、
使用済み触媒上に付着した有機物を溶かし易い溶剤であ
れば良い。この洗浄処理は触媒が水素化処理反応器中に
あるうちに軽油を循環させて洗浄し、その後50〜20
0℃程度の窒素ガス等を流通させて乾燥させることでも
達成できる。あるいは、軽油を循環させて洗浄した後そ
のまま抜き出し、発熱や自然発火を防ぐため軽油で濡れ
た状態にしておき必要な時に乾燥してもよい。また、反
応器から抜き出した使用済み触媒から塊状物を粉砕した
り、粉化触媒、スケール等を除去し、これを軽油で洗浄
しさらにナフサで洗浄して乾燥し易くする方法もある。
少量の場合は、トルエンで洗浄する方法が油分を完全に
除去するのに適している。
【0017】洗浄により油分および不純物を除去した触
媒に十分な活性を発揮させるには、さらに酸化処理によ
り炭素質を除去することが必要である。酸化処理は一般
には雰囲気温度および酸素濃度を制御した燃焼処理によ
り行う。雰囲気温度が高すぎたり、酸素濃度が高すぎる
と触媒表面が高温になり、担持金属の結晶形や担持状態
が変化したり、担体の細孔が減少し触媒活性が低下して
しまう。また、雰囲気温度が低すぎたり、酸素濃度が低
すぎると燃焼による炭素質の除去が不十分となり十分な
活性回復が望めない。望ましい雰囲気温度としては20
0〜800℃、特に望ましくは300〜600℃であ
る。
【0018】酸素濃度は1〜21%の範囲で制御するこ
とが望ましいが、燃焼方法、特に燃焼ガスと触媒との接
触状態に対応して制御することが好ましい。雰囲気温
度、酸素濃度、雰囲気ガスの流速などを調製して触媒の
表面温度を制御し、再生後の触媒の比表面積や細孔容量
の低下を防ぎ、水素化活性金属であるニッケルやモリブ
デンなどの結晶構造や結晶粒子の担持状態の変化を抑え
ることが重要である。
【0019】燃焼処理した触媒は粉化したもの等を除去
し正常な形状のもののみを再生触媒として使用すること
が望ましい。この操作をしないと初期活性は十分望める
場合もあるが、触媒層で詰まりや偏流を起こしたり反応
器中での流体の圧力損失を大きくし正常な運転が継続で
きなくなることがある。
【0020】つぎに、再生触媒の組成、物性について説
明する。水素化処理プロセスでの使用による劣化の指標
として、バナジウムと炭素質がある。バナジウムは通
常、触媒成分としては含まれていないが水素化処理され
る原料油中に含まれる微量不純物に起因するものであ
り、使用による劣化の指標とすることができる。バナジ
ウム含有量は再生触媒基準で35%(触媒中の金属分含
有量は、対象触媒を測定前に400℃以上で減量しなく
なるまで酸化処理したものを基準として、その金属の酸
化物としての重量%で表わすものとする、以下金属含有
量については同じ)以下、好ましくは25%以下、さら
に好ましくは15%以下であることが望ましい。バナジ
ウム含有量が35%を超えると再生触媒の活性が低すぎ
て全体としての脱硫反応が十分進まない。なお、バナジ
ウム含有量が2%より少ない場合は再生触媒自身に活性
が十分に残っており、触媒の配置による脱硫効果の差は
小さくなることが多い。よって、バナジウム含有量2〜
35%のときに触媒配置による再生触媒の活性の引出し
効果は最も良くなる。
【0021】なお、バナジウム等の元素分析については
650℃で1時間焼成した後、Mo,P,Vについては
灰分を酸で溶解後、誘導結合プラズマ発光吸光分析法に
て、また、Co,Ni,Alについては灰分と四ほう酸
リチウムの混合物を高周波過熱でビードを作り、蛍光X
線分析法で分析した。炭素含有量についても、15%
(触媒中の炭素分含有量は、対象触媒を400℃以上で
減量しなくなるまで酸化処理したものを基準として、対
象触媒中の炭素の重量%で表わすものとする、以下同
じ)以下好ましくは10%以下とすることが望ましい。
炭素含有量は使用済み段階では10〜70%程度である
ことが多いが、再生処理により炭素分を触媒上から除去
しその含有量を低減できる。炭素分が多すぎるとこれが
触媒表面を覆い触媒活性を低下させるが、再生処理によ
り炭素含有量を減少させれば活性を回復させることがで
きる。なお、炭素、硫黄の分析は粉砕試料をC−S同時
分析計で分析した。
【0022】しかし、再生処理では酸化処理とくに一般
的な方法としては燃焼処理を伴うので、そのときに触媒
表面が過熱して触媒の細孔構造や担持金属の担持状態が
変化し、触媒活性が低下してしまうことがある。これら
を評価する指標として触媒の比表面積と細孔容量があ
る。触媒の比表面積や細孔容量は水素化処理反応での使
用中にも不純物の付着や反応中の熱による劣化等により
徐々に減少するが、再生触媒として使用可能であるため
には、再生後の触媒に使用前の新触媒であった時のおよ
そ70%の比表面積および細孔容量が残っていることが
好ましい。これを、再生触媒の物性としてみればそれぞ
れ比表面積60〜200m2/g、好ましくは100〜20
0m2/g、細孔容積0.3〜1.0cc/gであることが望ま
しい。なお、これらの測定法は窒素吸着法である。
【0023】この再生触媒は重質油の水素化脱硫に使用
する触媒であるので、もともと水素化脱硫能力のある触
媒である必要がある。そのための基本的な触媒構成とし
て酸化物担体、たとえばアルミナやアルミナ/りん、ア
ルミナ/ほう素担体、アルミナ/けい素担体などに、モ
リブデン、タングステン、コバルトまたはニッケルの酸
化物を担持したものが好適に使用される。この中でも、
アルミナ担体/ニッケル、モリブデン担持触媒、アルミ
ナ、りん担体/ニッケル、モリブデン担持触媒やアルミ
ナ、ほう素担体/コバルト、モリブデン担持触媒、アル
ミナ、けい素担体/ニッケル、モリブデン担持触媒がと
くに好ましい。さらに、重質油処理であるので担持金属
であるコバルトまたはニッケルを0.1〜10%、モリ
ブデンを0.2〜25%含有することが好ましい。りん
の含有量については、0.1〜15%(金属含有量と同
じ基準)が好ましい。
【0024】つぎに、本発明の触媒配置による重質油水
素化脱硫を具体的に説明する。上記の触媒配置方法をと
れば、反応条件はとくに制限されるものではないが一般
的な条件で説明する。重質油として前記で説明したよう
なものでよいが、常圧残油が好適に使用される。この場
合の反応温度は300〜450℃好ましくは350〜4
20℃、水素分圧7.0〜25.0Pa好ましくは1
0.0〜15.0Pa、液空間速度0.01〜10h-1
好ましくは0.1〜5h-1、水素/原料油比500〜2
500Nm3/kl好ましくは500〜2000Nm3/klの範囲
の条件が好適である。
【0025】生成油の硫黄含有量、金属分含有量(ニッ
ケル、バナジウム)の調整は上記の反応条件のうちから
必要な条件たとえば反応温度を適宜選択して調整すれば
よい。以上のようにして本発明の重質油水素化脱硫方法
を用いれば、従来使用できないと考えられていた使用済
み触媒を有効に活用し、残油等の脱硫が可能となる。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によりなんら制限される
ものではない。 〔実施例1〕市販のアルミナ担体ニッケル、モリブデン
担持触媒(新触媒1と言う)を用いた残油水素化脱硫装
置に8000時間中東系の常圧残油を通油した。生成油
中の主成分(343℃以上の沸点留分)の硫黄分を一定
になるよう反応温度を調整しながら水素化脱硫処理を続
け、使用済み触媒を得た。通油した代表的な常圧残油の
性状を表1に、脱硫装置での反応条件を表2に示す。
【0027】この使用済み触媒を反応器から取り出し、
トルエンで十分洗浄した後乾燥させた。(洗浄触媒1と
言う)この洗浄触媒を500℃で3時間空気気流中で酸
化処理した。(再生触媒1と言う)それぞれの触媒の組
成、物性を表3に示す。小型高圧固定床反応器(容量2
00cc)の前段側に新触媒1を50cc、後段側に再
生触媒1を50cc充填した。これを、硫化剤であるD
MDSを添加し硫黄濃度を2.5%に調整した軽質軽油
を、135kg/cm3水素気流中、250℃で、24時間通
油し予備硫化処理をした。その後、前記常圧残油を用い
て脱硫反応を行った。脱硫処理条件を表6に、生成油の
性状を表7に示す。
【0028】〔実施例2〕小型高圧固定床反応器(容量
200cc)の前段側に新触媒1を75cc、後段側に
再生触媒1を25cc充填した以外は〔実施例1〕と同
様の操作を行った。得られた生成油の性状を表7に示
す。
【0029】〔実施例3〕市販のアルミナ/りん担体ニ
ッケル、モリブデン担持触媒(新触媒2と言う)を用い
て、〔実施例1〕と同様の操作により洗浄触媒2、再生
触媒2を得た。それぞれの触媒の組成、物性を表4に示
す。小型高圧固定床反応器(容量200cc)の前段側
に新触媒2を50cc、後段側に再生触媒2を50cc
充填した以外は〔実施例1〕と同様の操作を行った。得
られた生成油の性状を表7に示す。
【0030】〔実施例4〕〔実施例1〕において、新触
媒1を減圧軽油水素化脱硫装置にて8000時間中東系
減圧軽油を通油した。生成油中の主成分(360℃以上
の沸点留分)の硫黄分を一定になるよう反応温度を調整
しながら水素化脱硫処理を続け、使用済み触媒を得た。
減圧軽油の性状を表1に、脱硫装置での反応条件を表2
に示す。この使用済み触媒より、〔実施例1〕と同様の
操作により洗浄触媒3、再生触媒3を得た。それぞれの
触媒の組成、物性を表5に示す。小型高圧固定床反応器
(容量200cc)の前段側に新触媒1を50cc、後
段側に再生触媒3を50cc充填した以外は〔実施例
1〕と同様の操作を行った。得られた生成油の性状を表
7に示す。
【0031】〔比較例1〕小型高圧固定床反応器(容量
200cc)の前段側に再生触媒1を50cc、後段側
に新触媒1を50cc充填した以外は〔実施例1〕と同
様の操作を行った。得られた生成油の性状を表7に示
す。 〔比較例2〕小型高圧固定床反応器(容量200cc)
の前段側に再生触媒1を25cc、後段側に新触媒1を
75cc充填した以外は〔実施例2〕と同様の操作を行
った。得られた生成油の性状を表7に示す。 〔比較例3〕小型高圧固定床反応器(容量200cc)
の前段側に再生触媒2を50cc、後段側に新触媒2を
50cc充填した以外は〔実施例3〕と同様の操作を行
った。得られた生成油の性状を表7に示す。 〔比較例4〕小型高圧固定床反応器(容量200cc)
の前段側に再生触媒3を50cc、後段側に新触媒1を
50cc充填した以外は〔実施例4〕と同様の操作を行
った。得られた生成油の性状を表7に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】
【発明の効果】本発明の触媒の配置方法による重質油水
素化脱硫方法においては、残油等を通常の新触媒を使用
した脱硫と同じような条件で良好な脱硫反応を行うこと
ができ、使用済み触媒の有効利用方法として優れた効果
を表している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10G 45/00 - 45/72 C10G 65/00 - 65/18

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒を充填した反応ゾーンで重質油を水素
    化脱硫するにあたり、脱メタルゾーン、脱スケールゾー
    ン以外の脱硫反応ゾーンの前段側に新触媒を、後段側に
    再生触媒を配置することを特徴とする重質油の水素化脱
    硫方法。
  2. 【請求項2】前記の脱硫反応ゾーンにおける再生触媒の
    充填量が5〜80体積%、新触媒の充填量が20〜95
    体積%である請求項1記載の水素化脱硫方法。
  3. 【請求項3】再生触媒のバナジウム含有量が再生触媒基
    準で酸化物として35重量%以下である請求項1または
    2記載の水素化脱硫方法。
  4. 【請求項4】再生触媒の炭素含有量が再生触媒基準で1
    5重量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の水
    素化脱硫方法。
  5. 【請求項5】再生触媒の比表面積が60〜200m2
    gである請求項1〜4のいずれかに記載の水素化脱硫方
    法。
  6. 【請求項6】再生触媒の細孔容積が0.3〜1.0cc
    /gである請求項1〜5のいずれかに記載の水素化脱硫
    方法。
  7. 【請求項7】再生触媒が、酸化物担体にモリブデン、タ
    ングステン、コバルトまたは、ニッケルのうち少なくと
    も一種類の金属種を担持した触媒を水素化処理プロセス
    で使用した後、再生処理したものである請求項1〜6の
    いずれかに記載の水素化脱硫方法。
  8. 【請求項8】酸化物担体がアルミナで担持金属種がニッ
    ケルおよびモリブデンである請求項7記載の水素化脱硫
    方法。
  9. 【請求項9】酸化物担体が、リン、ほう素、けい素の酸
    化物のうち少なくとも一種類を含むアルミナで、担持金
    属種がニッケルまたはコバルト、およびモリブデンであ
    る請求項7記載の水素化脱硫方法。
  10. 【請求項10】担持金属種であるニッケルまたはコバル
    トの含有量が再生触媒基準で酸化物として0.1〜10
    重量%、およびモリブデンの含有量が再生触媒基準で酸
    化物として0.1〜25重量%の範囲内にある、請求項
    7〜9のいずれかに記載の水素化脱硫方法。
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