JP3527208B2 - 圧電磁器組成物およびそれを用いた圧電素子 - Google Patents

圧電磁器組成物およびそれを用いた圧電素子

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JP3527208B2 JP2001041994A JP2001041994A JP3527208B2 JP 3527208 B2 JP3527208 B2 JP 3527208B2 JP 2001041994 A JP2001041994 A JP 2001041994A JP 2001041994 A JP2001041994 A JP 2001041994A JP 3527208 B2 JP3527208 B2 JP 3527208B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電磁器組成物お
よびそれを用いた圧電素子に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電セラミック共振子などの圧電セラミ
ック素子に用いられる圧電磁器組成物としては、一般
に、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)またはチタン酸鉛
(PT)を主成分とする磁器組成物が用いられてきた。
【0003】近年、これらの磁器組成物に代わるものと
して、鉛を含まない磁器組成物の開発が進められてき
た。具体的には、高温でも使用できるセンサ・アクチュ
エータ用のセラミックスとして、ビスマス層状化合物を
主成分とする圧電磁器組成物が注目されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来か
ら報告されてきたビスマス層状化合物を主成分とする圧
電磁器組成物は、電気機械結合係数が十分に大きくない
という問題があり、実用されていなかった。
【0005】上記問題を解決するため、本発明は従来の
ビスマス層状化合物に比べて電気機械結合係数が大きい
圧電磁器組成物、およびそれを用いた圧電素子を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の圧電磁器組成物は、組成が式:Ca
XBi4-XTi4-X(Nb1-ATaAX15(ただし、M
はCa、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1つの
元素であり、0.0<A≦1.0、0.0<X≦0.
6)で表される材料を主成分を含む。言い換えれば、第
1の圧電磁器組成物は、主成分のみからなるか、または
主成分と副成分とからなる。上記第1の圧電磁器組成物
によれば、従来のビスマス層状化合物に比べて電気機械
結合係数が大きく、鉛を含まない圧電磁器組成物が得ら
れる。
【0007】上記第1圧電磁器組成物は、組成が式:C
aM X Bi 4-X Ti 4-X (Nb 1-A Ta A X 15 (ただし、
MはCa、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1つ
の元素であり、0.0<A≦1.0、0.0<X≦0.
6)で表される材料を主成分とし、副成分としてMnO
2をさらに含んでもよい。上記構成によれば、機械的品
質係数などの特性が良好な圧電磁器組成物が得られる。
【0008】上記第1圧電磁器組成物は、前記MnO2
の含有率が0.6質量%以下であってもよい。上記構成
によれば、分極が困難になることを防止できる。
【0009】また、本発明の第2の磁器組成物は、組成
が式:CaMYBi4-YTi4-Y(Nb1-BTaBY
15(ただし、MはCa、SrおよびBaから選ばれる少
なくとも1つの元素であり、0.0≦B≦1.0、0.
0<Y≦0.6)で表される材料を主成分として含み、
WO3を副成分として含む。上記第2の圧電磁器組成物
によれば、従来のビスマス層状化合物に比べて電気機械
結合係数が大きく、鉛を含まない圧電磁器組成物が得ら
れる。
【0010】上記第2の圧電磁器組成物では、前記WO
3の含有率が0.5質量%以下であってもよい。上記構
成によれば、分極が困難になることを防止できる。
【0011】上記第2の圧電磁器組成物では、副成分と
してMnO2をさらに含んでもよい。上記構成によれ
ば、機械的品質係数などの特性が良好な圧電磁器組成物
が得られる。
【0012】また、本発明の第1の圧電素子は、圧電磁
器組成物からなる圧電体を備える圧電素子であって、前
記圧電磁器組成物は、組成が式:CaMXBi4-XTi
4-X(Nb1-ATaAX15(ただし、MはCa、Srお
よびBaから選ばれる少なくとも1つの元素であり、
0.0<A≦1.0、0.0<X≦0.6)で表される
材料を主成分として含むことを特徴とする。上記第1の
圧電素子によれば、鉛を含まず電気的特性が良好な圧電
素子が得られる。
【0013】上記第1の圧電素子では、前記圧電磁器組
成物は、組成が式:CaM X Bi 4-X Ti 4-X (Nb 1-A
A X 15 (ただし、MはCa、SrおよびBaから選
ばれる少なくとも1つの元素であり、0.0≦A≦1.
0、0.0<X≦0.6)で表される材料を主成分と
し、副成分としてMnO2をさらに含んでもよい。ま
た、本発明の第2の圧電素子は、圧電磁器組成物からな
る圧電体を備える圧電素子であって、前記圧電磁器組成
物は、組成が式:CaMYBi4-YTi4-Y(Nb1-BTa
BY15(ただし、MはCa、SrおよびBaから選ば
れる少なくとも1つの元素であり、0.0≦B≦1.
0、0.0<Y≦0.6)で表される材料を主成分とし
て含み、WO3を副成分として含むことを特徴とする。
上記第2の圧電素子によれば、鉛を含まず電気的特性が
良好な圧電素子が得られる。
【0014】上記第1の圧電素子では、前記圧電磁器組
成物中の前記MnO2の含有率が0.6質量%以下であ
ってもよい。
【0015】上記第1の圧電素子では、前記圧電体を挟
んで対向するように前記圧電体上に形成された2つの振
動電極をさらに備え、前記圧電体の厚さtと前記振動電
極の面積Sとが、22≦S/t2の関係を満たしてもよ
い。上記構成によれば、設計および製造が容易な圧電共
振子が得られる。
【0016】上記第1の圧電素子では、前記振動電極が
円形であってもよい。
【0017】また、本発明の第2の圧電素子は、圧電磁
器組成物からなる圧電体を備える圧電素子であって、前
記圧電磁器組成物は、組成が式:CaMYBi4-YTi
4-Y(Nb1-BTaBY15(ただし、MはCa、Srお
よびBaから選ばれる少なくとも1つの元素であり、
0.0≦B≦1.0、0.0≦Y≦0.6)で表される
材料を主成分として含み、WO3を副成分として含むこ
とを特徴とする。上記第2の圧電素子によれば、鉛を含
まず電気的特性が良好な圧電素子が得られる。
【0018】上記第2の圧電素子では、前記圧電磁器組
成物中の前記WO3の含有率が0.5質量%以下であっ
てもよい。
【0019】上記第2の圧電素子では、前記圧電磁器組
成物が、副成分としてMnO2をさらに含んでもよい。
【0020】上記第2の圧電素子では、前記圧電体を挟
んで対向するように前記圧電体上に形成された2つの振
動電極をさらに備え、前記圧電体の厚さtと前記振動電
極の面積Sとが、22≦S/t2の関係を満たしてもよ
い。
【0021】上記第2の圧電素子では、前記振動電極が
円形であってもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0023】(実施形態1)実施形態1では、本発明の
第1の圧電磁器組成物について説明する。
【0024】実施形態1の圧電磁器組成物(以下、圧電
磁器組成物1という場合がある)は、組成が式:CaM
XBi4-XTi4-X(Nb1-ATaAX15(ただし、Mは
Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1つの元
素であり、0.0≦A≦1.0、0.0<X≦0.6)
で表される材料を主成分として含む。ここで、Aは、0
≦A≦0.4を満たすことがより好ましい。また、X
は、0.1≦X≦0.4を満たすことがより好ましい。
【0025】主成分となる材料は、たとえば、CaCO
3、SrCO3、BaCO3、Bi2 3、TiO2、Nb2
5、およびTa25といった化合物を、所定の割合で
混合することによって形成できる。
【0026】圧電磁器組成物1は、MnO2などを副成
分としてさらに含んでもよい。MnO2の含有率は、
0.6質量%以下であることが好ましく、0.01質量
%〜0.6質量%の範囲内であることがより好ましく、
0.2質量%〜0.5質量%の範囲内であることが特に
好ましい。
【0027】圧電磁器組成物1は、主成分のみから形成
されてもよい。圧電磁器組成物1が主成分のみからなる
場合、圧電磁器組成物1の組成は、以下の式で表すこと
が可能である。 CaMXBi4-XTi4-X(Nb1-ATaAX15 また、主成分と副成分とから形成されてもよい。この場
合、圧電磁器組成物1は、主成分を96質量%以上の含
有率で含む。圧電磁器組成物1が主成分と副成分とを含
む場合、両者を構成する出発原料を混合して焼成するこ
とによって圧電磁器組成物1を形成できる。副成分とし
てMnO2を含む圧電磁器組成物1の組成は、以下の式
で表すことが可能である。 [CaMXBi4-XTi4-X(Nb1-ATaAX15
100-L(MnO2L ここで、Lは、MnO2の含有率(mol%)を示し、
0より大きい値である。
【0028】圧電磁器組成物1は、3倍の高調波の厚み
縦振動に関する周波数定数N3tができるだけ大きいこと
が好ましい。たとえば、N3tが7300Hz・m以上で
あることが好ましい。この場合には、一般に、径方向の
広がりモードの周波数定数N pも、2500Hz・m以
上と大きくなる。
【0029】実施形態1の圧電磁器組成物1によれば、
鉛を含まず、電気機械結合係数が従来のビスマス層状化
合物に比べて大きい圧電磁器組成物が得られる。
【0030】(実施形態2)実施形態2では、本発明の
第2の圧電磁器組成物について説明する。
【0031】実施形態2の圧電磁器組成物(以下、圧電
磁器組成物2という場合がある)は、組成が式:CaM
YBi4-YTi4-Y(Nb1-BTaBY15(ただし、Mは
Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1つの元
素であり、0.0≦B≦1.0、0.0≦Y≦0.6)
で表される材料を主成分として含み、WO3を副成分と
して含む。ここで、Bは、0≦B≦0.4を満たすこと
がより好ましい。また、Yは、0.1≦Y≦0.4を満
たすことがより好ましい。
【0032】圧電磁器組成物2は、主成分を96質量%
以上の含有率で含む。主成分となる材料は、たとえば、
CaCO3、SrCO3、BaCO3、Bi23、Ti
2、Nb25、およびTa25といった化合物を、所
定の割合で混合することによって形成できる。
【0033】副成分であるWO3の含有率は、0.5質
量%以下であることが好ましく、0.01質量%〜0.
5質量%の範囲内であることがより好ましく、0.1質
量%〜0.4質量%の範囲内であることが特に好まし
い。
【0034】圧電磁器組成物2は、WO3に加えてMn
2などを副成分として含んでもよい。MnO2の含有率
は、0.6質量%以下であることが好ましく、0.01
質量%〜0.6質量%の範囲内であることがより好まし
く、0.2質量%〜0.5質量%の範囲内であることが
特に好ましい。
【0035】圧電磁器組成物2は、主成分と副成分とを
構成する出発原料を混合して焼成することによって形成
できる。副成分としてWO3とMnO2とを含む圧電磁器
組成物2の組成は、以下の式で表すことが可能である。 [CaMYBi4-YTi4-Y(Nb1-BTaBY15
100-L-N(MnO2L(WO3N ここで、LおよびNは、それぞれ、MnO2およびWO3
の含有率(mol%)を示し、0≦L、0<Nである。
【0036】圧電磁器組成物2は、3倍の高調波の厚み
縦振動に関する周波数定数N3tができるだけ大きいこと
が好ましい。たとえば、N3tが7300Hz・m以上で
あることが好ましい。この場合には、一般に、径方向の
広がりモードの周波数定数N pも、2500Hz・m以
上と大きくなる。
【0037】実施形態2の圧電磁器組成物2によれば、
鉛を含まず、電気機械結合係数が従来のビスマス層状化
合物に比べて大きい圧電磁器組成物が得られる。
【0038】(実施形態3)実施形態3では、本発明の
第1の圧電素子について説明する。
【0039】実施形態3の圧電素子(以下、圧電素子1
という場合がある)は、実施形態1で説明した圧電磁器
組成物1からなる圧電体を備える。
【0040】圧電素子1は、具体的には、たとえば、セ
ラミック発振子やフィルタといった圧電共振子、ブザー
やサウンダといった圧電振動体、アクチュエータなどの
変位素子である。
【0041】圧電素子1の一例として、圧電共振子10
の斜視図を図1に示す。図1を参照して、圧電共振子1
0は、圧電体11と、圧電体11の2つの主面上に形成
された電極12aおよび12bとを備える。電極12a
および12bには、それぞれ、リード12cおよび12
dが接続されている。
【0042】電極12aおよび12bは、円形の形状を
有する。ただし、円形に限らず、正方形や長方形といっ
た他の形状でもよい。電極12aおよび12bは、圧電
体11を挟んで対向するように同じ形状に形成される。
【0043】電極12a(電極12b)の面積Sと圧電
体11の厚さtとは、22≦S/t 2の関係を満たすこ
とが好ましい。言い換えれば、電極12a(電極12
b)の直径Dと圧電体11の厚さtとは、5.3≦D/
tの関係を満たすことが好ましい。
【0044】実施形態3の圧電素子1は実施形態1の圧
電磁器組成物1を用いているため、鉛を含まず、電気的
特性が良好である。
【0045】(実施形態4)実施形態4では、本発明の
第2の圧電素子について説明する。
【0046】実施形態4の圧電素子(以下、圧電素子2
という場合がある)は、実施形態3の圧電素子1と圧電
体の材料のみが異なるため、重複する説明は省略する。
圧電素子2の圧電体は、実施形態2の圧電磁器組成物2
からなる。
【0047】実施形態4の圧電素子2は実施形態2の圧
電磁器組成物2を用いているため、鉛を含まず、電気的
特性が良好である。
【0048】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0049】(実施例1)実施例1では、実施形態1お
よび2の圧電磁器組成物1および2を作製した一例につ
いて説明する。
【0050】実施例1では、CaCO3、SrCO3、B
aCO3、WO3、Mn34、Bi23、TiO2、Nb2
5、およびTa25を出発原料として、複数の圧電磁
器組成物を形成した。なお、Mn34は、焼成時の熱処
理によってMnO2となる。
【0051】具体的には、圧電磁器組成物の組成が表1
〜3に示す所定の比になるように出発原料を秤量し、こ
れらをボールミルで均一になるように十分混合した。次
に、出発原料の混合物を600℃〜800℃で2時間仮
焼し、化合物を形成した。この化合物を再びボールミル
で粉砕し、ポリビニルアルコールを加えて造粒し、圧電
磁器組成物の粉末を得た。
【0052】この粉末を70MPaの圧力で一軸プレス
成形することによって、直径13mmの円板を形成し
た。この円板を1100℃〜1200℃で2時間焼成
し、円板状の試料を形成した。この試料を0.3mmの
厚さになるように研磨した後、試料の上面および下面に
それぞれAgからなる電極を形成した。その後、この試
料に、150℃のシリコン油中において5kV/mm〜
10kV/mmの電界を30分間印加して分極処理を行
い、圧電セラミックス(圧電体)からなる円板を得た。
【0053】この圧電セラミックスからなる円板につい
て、1kHzにおける静電容量C、円板の厚さt、円板
の直径D、円板の厚み方向振動の共振周波数Fr、円板
の厚み方向振動の***振周波数Fa、円板の径方向振動
の共振周波数fr、円板の径方向振動の***振周波数f
a、ポアソン比σE、および共振抵抗Rを測定した。そ
して、これらの値から、比誘電率εr、円板の径方向広
がりモードの電気機械結合係数kp、厚み縦振動モード
の電気機械結合係数kt、機械的品質係数QM、径方向の
広がりモードの周波数定数Npを計算した。
【0054】計算結果を表1〜表3に示す。なお、表1
の主成分の組成は式:Ca1+TBi4-TTi4-T(Nb1-C
TaCT15で表され、表2の主成分の組成は、式:C
aSrTBi4-TTi4-T(Nb1-CTaCT15で表さ
れ、表3の主成分の組成は、式:CaBaTBi4-TTi
4-T(Nb1-CTaCT15で表される。表1〜3の主成
分の欄のCおよびTは、上記式中のCおよびTの値を示
す。また、表中、サンプルNo.の前の「*」は、比較
例であることを示す。なお、表1のサンプル No .2,
3,4は参考例である。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】圧電セラミックスを、3倍の高調波を含め
た厚み縦振動モードを利用する圧電素子の圧電体として
用いる場合、特に重要となるのは厚み縦振動モードの電
気機械結合係数ktである。表1〜3から明らかなよう
に、サンプル1の圧電セラミックス(CaBi4Ti4
15)に比べて、本発明の圧電セラミックスの電気機械結
合係数ktは大きかった。このように、CaBi4Ti4
15に、NbまたはTaと元素Mとを固溶させることに
よって、電気機械結合係数ktを大きくできた。また、
CaBi4Ti415にWO3を添加することによって、
電気機械結合係数ktを大きくできた。
【0059】特に、C=0.0で0.1≦T≦0.2の
圧電磁器組成物を用いることによって、電気機械結合係
数ktおよび機械的品質係数QMを大きくできた。
【0060】(実施例2)実施例2では、本発明の磁器
組成物を用いて圧電共振子10を作製した一例について
説明する。
【0061】実施例2の圧電共振子では、圧電体とし
て、実施例1のサンプル35の圧電磁器組成物を用い
た。圧電体は、分極後の円板試料をダイシングおよび研
磨することによって形成した。また、電極12aおよび
12bには、銀からなる円形の電極を用いた。電極は蒸
着によって形成した。
【0062】実施例2では、大きさが5.1×5.1m
mで厚さtが0.29mmの圧電体を用いた。そして、
Ag電極の直径Dを約1.2mmから約1.6mmまで
変化させて3種類の圧電共振子を作製した。この3種類
の圧電共振子のインピーダンス特性を図2に示す。ま
た、圧電体として従来の鉛系圧電セラミックスを用いた
圧電共振子について、同様にインピーダンス特性を測定
した結果を図3に示す。図2および図3には、電極の面
積Sと圧電体の厚さtとの関係も示す。
【0063】図2から明らかなように、共振周波数が約
25MHzの本発明の圧電共振子では、D/t=5.5
(S/t2=29.7)の場合でも、共振周波数と***
振周波数との間に不要振動が存在しなかった。また、本
発明の圧電共振子では、D/t=4.1(S/t2=1
7.5)、D/t=4.8(S/t2=23.1)、お
よびD/t=5.5(S/t2=29.7)のいずれの
場合でも、共振周波数と***振周波数との間に副共振が
現れなかった。
【0064】これに対して、鉛を含有する従来の圧電磁
器組成物を用いた圧電共振子では、5.3≦D/t(2
2≦S/t2)の場合に、副共振の振幅が***振周波数
付近で大きくなり、***振周波数付近でインピーダンス
の波形が大きくスプリットしてしまった。このように、
従来の圧電磁器組成物を用いた圧電共振子では、5.3
≦D/tとなる場合に実用的な圧電共振子を作製できな
かった。
【0065】以上のように、本発明の圧電磁器組成物を
用いた圧電共振子は、設計上の制約が少ない。また、大
きな電極を用いることができるため、2つの主面上の振
動電極の中心ずれが生じてもその影響が小さくなるた
め、製造上有利である。
【0066】以上、本発明の実施の形態について例を挙
げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定され
ず本発明の技術的思想に基づき他の実施形態に適用する
ことができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1およ
び第2の圧電磁器組成物によれば、従来のビスマス層状
化合物に比べて電気機械結合係数が大きく、鉛を含まな
い圧電磁器組成物が得られる。
【0068】また、本発明の第1および第2の圧電素子
によれば、鉛を含まず電気的特性が良好な圧電素子が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の圧電共振子について一例を示す斜視
図である。
【図2】 本発明の圧電共振子についてインピーダンス
特性の一例を示す図である。
【図3】 従来の圧電共振子についてインピーダンス特
性の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 圧電共振子(圧電素子) 11 圧電体 12a、12b 電極 D 直径 t 厚さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2001−192266(JP,A) 特開2001−130956(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/00 - 35/22 C04B 35/42 - 35/51 REGISTRY(STN) CA(STN)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成が式:CaMXBi4-XTi4-X(Nb
    1-ATaAX15(ただし、MはCa、SrおよびBa
    から選ばれる少なくとも1つの元素であり、0.0<A
    ≦1.0、0.0<X≦0.6)で表される材料を主成
    分として含む圧電磁器組成物。
  2. 【請求項2】組成が式:CaM X Bi 4-X Ti 4-X (Nb
    1-A Ta A X 15 (ただし、MはCa、SrおよびBa
    から選ばれる少なくとも1つの元素であり、0.0≦A
    ≦1.0、0.0<X≦0.6)で表される材料を主成
    分とし、副成分としてMnO2 を含む圧電磁器組成物。
  3. 【請求項3】前記MnO2の含有率が0.6質量%以下
    である請求項2に記載の圧電磁器組成物。
  4. 【請求項4】組成が式:CaMYBi4-YTi4-Y(Nb
    1-BTaBY15(ただし、MはCa、SrおよびBa
    から選ばれる少なくとも1つの元素であり、0.0≦B
    ≦1.0、0.0<Y≦0.6)で表される材料を主成
    分として含み、WO3を副成分として含む圧電磁器組成
    物。
  5. 【請求項5】前記WO3の含有率が0.5質量%以下で
    ある請求項4に記載の圧電磁器組成物。
  6. 【請求項6】副成分としてMnO2をさらに含む請求項
    4または5に記載の圧電磁器組成物。
  7. 【請求項7】圧電磁器組成物からなる圧電体を備える圧
    電素子であって、 前記圧電磁器組成物は、組成が式:CaMXBi4-XTi
    4-X(Nb1-ATaAX15(ただし、MはCa、Srお
    よびBaから選ばれる少なくとも1つの元素であり、
    0.0<A≦1.0、0.0<X≦0.6)で表される
    材料を主成分として含むことを特徴とする圧電素子。
  8. 【請求項8】圧電磁器組成物からなる圧電体を備える圧
    電素子であって、 前記圧電磁器組成物は、組成が式:CaM X Bi 4-X Ti
    4-X (Nb 1-A Ta A X 15 (ただし、MはCa、Srお
    よびBaから選ばれる少なくとも1つの元素であり、
    0.0≦A≦1.0、0.0<X≦0.6)で表される
    材料を主成分とし、 副成分としてMnO2 を含む圧電素
    子。
  9. 【請求項9】前記圧電磁器組成物中の前記MnO2の含
    有率が0.6質量%以下である請求項8に記載の圧電素
    子。
  10. 【請求項10】前記圧電体を挟んで対向するように前記
    圧電体上に形成された2つの振動電極をさらに備え、 前記圧電体の厚さtと前記振動電極の面積Sとが、22
    ≦S/t2の関係を満たす請求項7ないし9のいずれか
    に記載の圧電素子。
  11. 【請求項11】前記振動電極が円形である請求項10に
    記載の圧電素子。
  12. 【請求項12】圧電磁器組成物からなる圧電体を備える
    圧電素子であって、 前記圧電磁器組成物は、組成が式:CaMYBi4-YTi
    4-Y(Nb1-BTaBY15(ただし、MはCa、Srお
    よびBaから選ばれる少なくとも1つの元素であり、
    0.0≦B≦1.0、0.0<Y≦0.6)で表される
    材料を主成分として含み、WO3を副成分として含むこ
    とを特徴とする圧電素子。
  13. 【請求項13】前記圧電磁器組成物中の前記WO3の含
    有率が0.5質量%以下である請求項12に記載の圧電
    素子。
  14. 【請求項14】前記圧電磁器組成物が、副成分としてM
    nO2をさらに含む請求項12または13に記載の圧電
    素子。
  15. 【請求項15】前記圧電体を挟んで対向するように前記
    圧電体上に形成された2つの振動電極をさらに備え、 前記圧電体の厚さtと前記振動電極の面積Sとが、22
    ≦S/t2の関係を満たす請求項12ないし14のいず
    れかに記載の圧電素子。
  16. 【請求項16】前記振動電極が円形である請求項15に
    記載の圧電素子。
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