JP3521063B2 - 水溶性フィルムで包装された水面展開性農薬製剤包装体 - Google Patents

水溶性フィルムで包装された水面展開性農薬製剤包装体

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JP3521063B2 JP03823299A JP3823299A JP3521063B2 JP 3521063 B2 JP3521063 B2 JP 3521063B2 JP 03823299 A JP03823299 A JP 03823299A JP 3823299 A JP3823299 A JP 3823299A JP 3521063 B2 JP3521063 B2 JP 3521063B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水面展開性の農薬製
剤を水溶性のフィルムで包装したものを、水田などの有
害生物を防除する必要のある水系に投げ込むことによ
り、散布機を使用しないで簡便に薬剤処理ができ、しか
も水溶性フィルムが水に溶解した後、農薬活性成分(以
下、活性成分と記す)が水面に展開するため、通常の散
布と同様に活性成分を水田などの全面に行き渡らすこと
のできる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水面展開性農薬製剤は土壌との接触を少
なくして活性成分の土壌吸着による効力の低下を防ぎ、
水面に一様に活性成分を展開させ、水中あるいは水面上
(例えば植物等)に生息する有害生物を効率よく防除す
る目的で使用され、古くは灯油や機械油等の石油系溶剤
に活性成分を溶解して水面に拡展処理をしていたことが
知られており、これまで多数の研究が実施されている。
例えば液状製剤の場合、特公昭41−10036、特公
昭41−10037では薬害を軽減するための組成物
が、また、固体状では活性成分を軽比重の溶剤や界面活
性剤等と一緒に溶解して水面展開性を持たせ、これを粒
状物等の固形物に保持させる方法が開示されている(特
開昭63−17802、特開平1−254604)。ま
た、水溶性フィルムを使用した農薬製剤の包装は水和剤
等の粉立ちする製剤を水で希釈して散布用薬液を作ると
きに使用者が粉末を吸い込んだり、直接薬剤に触れない
ようにする目的で使用されている。一方、水溶性フィル
ムでの包装体を水系に投げ込んで簡便に処理する考えは
従来よりあったが(特開昭53−99327)、水系に
浮遊している状態で風の影響を強く受けてしまうなど、
実用化にほど遠く、農薬産業上で利用されているものは
ない。本発明のように水面で展開性のよい製剤を包装し
て直接水系に投げ込んで簡便で衛生的に使用し、薬剤の
担体への吸着や風などによる水系での片寄りにより活性
を損なわれることのないようにした包装体の技術はまだ
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】農薬製剤の水系への散
布は一般的に散布機を使用するか手撒きで行うが、現在
広く使用されている散布者が背負ったり持ったりして散
布する小型散布機は水系の中でも操作する必要があるた
め作業しにくく、より簡便に散布できる製剤が望ましい
し、また、小型散布機にしても手撒きにしても散布者が
薬剤に接触する機会が多いので、より簡便にかつ衛生的
に処理できる薬剤が望まれている。勿論、このような便
利さを求めるために、薬剤の活性が損なわれるのではこ
の技術の価値が半減してしまうので、製剤技術開発の基
本である薬剤の活性を最大限に発揮させることも考えな
ければならない。本発明はこのような要望に答える技術
を開発したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記したよ
うな要望に答える技術を鋭意研究した結果、本発明に至
ったものである。即ち本発明は、有害生物を防除するた
めの水面展開性農薬製剤として活性成分を溶剤や界面
活性剤等と一緒に溶解して水面展開性を持たせた比重1
以下の油状製剤、この油状物を比重1以上の粒状物に
保持させた農薬製剤を、水田に散布したあと粒状物から
遊離した油状物を水面に展開させる固体状製剤、農薬
活性成分を水に浮遊する粒状物に、粉状物等の固形物に
保持させ水面を浮遊する固体状製剤等の農薬製剤を、使
用する油状物と相溶性の無い水溶性フィルムで包装した
包装体およびこの包装体を水田などの水系に直接投げ込
み、薬剤の活性を損なわずむしろ向上させ、簡便でかつ
衛生的に農薬製剤を処理する方法を提供する。
【0005】本発明の包装体を水系に入れると、まず水
溶性フィルムが水に溶解して活性成分を含んだ油状物が
そのまま或いは固形物から離脱して水面に展開して広が
るが、全面を覆わせるためには油状物の展開性能、活性
成分の効力によって包装単位や単位面積当たりの投げ込
み個数を決定する必要がある。水面展開性農薬製剤に使
用する活性成分は難水溶性或いは非水溶性のものが望ま
しく、水面施用により有害生物を防除する活性のあるも
のなら何でも良く、例えば農業、園芸、水産等の分野や
非耕地(雑草地、森林等)などの水が溜まっている場所
に生息し、有用植物にあるいは人間や施設に害を及ぼす
昆虫、雑草、病害を防除する活性を有するものである。
例えば以下のものが挙げられる。
【0006】(殺虫剤) 1. 1−ナフチル−N−メチルカーバメート(NA
C) 2. メタトリル−N−メチルカーバメート(MTM
C) 3. 2−イソプロピルフェニル−N−メチルカーバメ
ート(MIPC) 4. 2−セカンダリーブチルフェニル−N−メチルカ
ーバメート(BPMC) 5. 3,4−キシリル−N−メチルカーバメート(M
PMC) 6. 2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラ
ン−7−イル(ジブチルアミノチオ)メチルカルバマー
ト(カルボスルファン) 7. O−n−ブチル−O’−(2,2−)ジメチル−
2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−イル)−N,N’
−チオ−ジカルバマート(フラチオカルブ) 8. (RS)α−シアノ−3−フェノキシベンジル=
(RS)−2,2−1−(4−エトキシフェニル)シク
ロプロパンカルボキシラート(シクロプロトリン)
【0007】9. 2・タ・シャリ・ブチルイミノ・3
・イソプロピル・5・フェニル・3,4,5,6・テト
ラヒドロ・2H・1,3,5・チアジアジン・4・オン
(ブプロフェジン) 10. 2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロ
ピル=3−フェノキシベンジルエーテル(エトフェンプ
ロックス) 11. O,O−ジメチル−O−(メチル−4−ニトロフ
ェニル)チオフォスフェート(MEP) 12. (2−イソプロピル−4−メチルピリミジル−
6)−ジエチルチオフォスフェート(ダイアジノン) 13. S,S’−[2−(ジメチルアミノ)トリメチレ
ン]ビス−ベンゼンチオォネート(ベンスルタップ)
【0008】(殺菌剤) 14. O,O−ジイソプロピル−S−ベンジルチオフォ
スフェート(IBP) 15. 3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾー
ル−1,1−ジオキシド(プロペナゾール)16. O−
エチル−S,S−ジフェニルジチオフォスフェート(E
DDP) 17. ジイソプロピル−1,3−ジチオラン−2−イリ
デン−マロネート(イソプチオラン) 18. 3−イソプロポキシ−2−メチルベンズアニリド
(メプロニル) 19. (E,Z)−4,6−ジメチル−2−[1−(O
−トリル)−1−エチリデン−ヒドラジノ]ピリミジン
(メフェリムゾン) 20. 1−(4−クロロベンジル)−1−シクロペンチ
ル−3−フェニル尿素(ペンシクロン)
【0009】(除草剤) 21. 2−クロロ−2’,6’−ジエチル−N−(2−
プロポキシエチル)アセトアニリド(プレチラクロー
ル) 22. αー(2ーナフトキシ)プロピオンアニリド(ナ
プロアニリド) 23. 2−メチルチオ−4,6−ビス(エチルアミノ)
−S−トリアジン(シメトリン) 24. S−ターシャリーブチル−3−(2,4−ジクロ
ロ−5−イソプロポキシフェニル)−1,3,4−オキ
サジアゾリン−2−オン(オキサジアゾン) 25. S−(2−メチル−1−ピペリジル−カリボニル
メチル−O,O−ジ−n−プロピルジチオホスフェート
(ピペロホス) 26. 3−イソプロピル−2,1,3−ベンゾ−チアジ
アノン−(4)−2,2−ジオキシド(ベンタゾン) 27. 2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(1,
2−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリアジン(ジメ
タメトリン)。
【0010】これらは、有機溶剤等や必要に応じて界面
活性剤、分解防止剤等とともに溶解して水面展開性油状
物質を得、これをそのまま、あるいは固体状物質に保持
させて水面展開性農薬製剤とするが、上記活性成分に限
定されるものでもない。また、水面展開性農薬製剤の活
性成分の量は、その活性成分の性能および物性によって
配慮されなければならないが、油状製剤で0.1〜95
%(重量)、固体状製剤では0.01〜60%(重量)
程度が適当である。
【0011】使用する溶剤は混合・溶解したときの油状
溶液の粘度を低下させたり、比重を下げたりまた固体の
活性成分を溶解して水面で展開しやすくするために用い
る。具体的性状としては活性成分と相溶し(活性成分が
固体の場合は溶解し)、難水溶性か、非水溶性で比重が
1以下の高沸点溶剤(沸点が200℃以上)が望まし
い。具体的には例えばアジピン酸ジオクチル、アジピン
酸ジイソデシル、アジピン酸ジイソノニル、フタル酸ジ
イソデシル、フタル酸ジラウリル、フタル酸ジイソノニ
ル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシ
ル等の主にプラスチックスの可塑剤として使用されるも
の、脂肪族あるいは芳香族の石油系高沸点溶剤、アルキ
ルベンゼン、メチルナフタレン等の合成化合物溶剤、動
植物油等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用
するがこれらに限定されるものではなく、使用量も活性
成分の物理性、防除効力等を考慮していかようにもで
き、活性成分が低粘性の場合は敢えて使用しないでもよ
い。また、界面活性剤は活性成分を含む水面の油状物が
油滴として局在する場合に一様に展開させる作用がある
ため、使用されるが、具体的には例えばポリオキシエチ
レンとポリオキシエチレンのブロックポリマー、ポリオ
キシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンド
デシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエステ
ル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンソルビタンモノオレート、等の非イオン
界面活性剤、ドデシルベンゼンスルフォン酸金属塩(以
下、Na塩、Ca塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属
を示す)、オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸の金属塩、
ジアルキルスルホコハク酸エステル、ナフタレンスルホ
ン酸重縮合物の金属塩、アルキルナフタレンスルホン酸
金属塩、ポリカルボン酸金属塩、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテルサルフェート金属塩、等の陰イ
オン界面活性剤など数多くの種類の界面活性剤の中から
1種あるいは2種以上を、使用する活性成分や溶剤に合
わせて使用すれば良く。また、これらに限定されるもの
ではない。
【0012】固体状製剤に使用される固体状担体として
は一般的に水面施用農薬粒剤や粉剤に用いられる鉱物質
担体や無機塩またはこれを加工して粒状物にした物等は
勿論のこと、植物性担体(おがくず、コーンコブ等)、
プラスチックス等、水面展開性油状物質を保持するもの
なら特に限定されないが。活性炭のような活性成分を強
く吸着して水面への展開を阻害する物質や、発泡スチロ
ールのように軽いために体積のほとんどを水面に出して
浮遊し、極端に風の影響を受けやすい合成樹脂発泡体な
どはあまり好ましくなく、実用的でない。尚、使用する
固体状担体が水系に処理されたとき沈降したままの場合
はこれに保持させる水面展開性油状物質は比重が1以下
に調整されなければならない。また、固体状担体が水面
に浮遊する場合は水面展開性油状物質の比重は必ずしも
1以下でなくてもよいが1に近いかそれ以下が望まし
い。本発明の包装体の技術は固体状内容物が水底に沈降
するタイプのもの、つまり、水溶性フィルムが水に溶解
して内容物が沈降し、土壌表面に定着して、その担体か
ら比重1以下の油状活性成分が水面に浮上して展開する
製剤の製造は特に難しくなく、沈降性の担体活性成分を
含む比重1以下の水面展開性油状物質を吸着させたり、
被覆させたりして保持させ、これを後述の水溶性フィル
ムで包装体にすればよい。以上に本発明の包装体の内容
物として特に適している沈降性タイプの製剤について述
べたが、本発明に用いる農薬製剤は上記のものに限定さ
れるわけでもなく、活性成分を水面に展開させる農薬製
剤であれば特に限定されない。
【0013】使用できる水溶性フィルムは水に溶解し、
一定の強度を持ち、使用する水面展開性油状物質を透過
したり、溶けたりしないフィルムなら何でもよく、中に
入れる水面展開性製剤の性質に合わせて選択すれば良い
が、一般的にはポリビニルアルコール、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドン、ポリアクリル酸およびその塩、デンプ
ン、ゼラチン等の1種または2種以上によってフィルム
化したものから選択される。また、水溶性フィルム形成
物質を水によって繊維がほぐれやすい紙等の材質中に組
み込んだ繊維状のフィルムも本発明の包装体の包装材料
となる。さらに、フィルムの厚さも水面展開性製剤の種
類やフィルムの材質によって実用に供し得る範囲で選択
され特に限定はされないが、例えば耐薬品性、強度、経
済性等のよいポリビニルアルコールを通常の水面展開性
粒剤および粉剤に使用する場合、5μm以上がよく、経
済性や強度から特に望ましくは10μm〜80μm程度
が良い。本発明の1個の包装体の重量は単位面積当りの
投入薬量によって決まるが、一方で水系に投げ込みやす
い量の範囲に設計する必要がある。即ち軽すぎても、重
すぎても投げ込みにくく、例えば数グラムから1kg程
度が適当である。また、包装体の形状は投げやすい形に
すべきであるが、同時に加工時の経済性も重視する必要
があり、円筒、球形、角袋状等が好ましい。但し、これ
らの形状に限定されるわけではない。尚、水溶性フィル
ムは湿気に弱いのでこのような包装体は1個ずつあるい
は数個まとめて更に防湿性の包材で包装したほうがよ
い。使用に際しては活性成分の防除効果に合わせて単位
面積当たりに処理する薬量を決定し、また、その薬量の
包装体の投げ込み個数は使用する水面展開性薬剤の水面
展開能力に合わせて決定するが、通常の展開性を有する
製剤であれば、10アール当たり40個以下で十分であ
り、この範囲であれば通常の散布に比較してかなり簡便
な散布ができる。本発明は、散布者が薬剤を直接身体に
触れることなく、水田などに入らないで畦畔から清潔に
薬剤処理ができることも大きな利点である。更に、本発
明の包装体の中でも水田等に処理された場合に内容物が
水底の土壌に接触するタイプのものは、その内容物が一
様に散布された場合より活性成分の水面展開量が多くな
り、有害生物の防除効果も高まる傾向にあることが確認
された。以上のように本発明の包装体は優れた点が多
く、農業分野・防疫分野などでの利用価値が大きい。
【0014】
【実施例】次に実施例と試験例の若干例を示すが、本発
明はこれらのみに限定されるものではない。尚、「部」
は重量部を、「%」は重量%を示す。 実施例1 シクロプロトリン 4 部 アジピン酸ジイソデシル 15 部 ニューカルゲン3429PB 1 部(竹本油脂社製界面活性剤) を溶解し、シクロプロトリンの20%水面展開性油状製
剤を得た。この30gを厚さ0.04mmのハイセロン
C−200(ポリビニルアルコ−ルフィルム;日合フィ
ルム社製)で作成した5cm×7cmの角袋に入れ、ヒ
−トシ−ルをして水田2ア−ル用のシクロプロトリンの
殺虫剤包装体を得た。
【0015】 実施例2 ダイアジノン 5.0 部 日石ハイゾール200(日本石油社製石油系溶剤) 3.8 部 ポリオキシエチレン(N=3)ステアリルエーテル 1.0 部 エポキシ化大豆油 0.2 部 を溶解し、ダイアジノンの50%水面展開性油状製剤を
得た。この30gを実施例1と同様に厚さ0.04mm
のハイセロンC・200の角袋に入れてヒ−トシ−ルを
し、水田2ア−ル用のタイアジノンの殺虫剤包装体を得
た。
【0016】 実施例3 クレー粉末 79.6部 クニボンド(クニミネ工業製) 15.0部 リグニンスルフォン酸ナトリウム 5.0部 ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム 0.4部 を均一に混合し、18部の水を加えて混練し、孔径0.
8mmのスクリーンの押し出し造粒機にて造粒した後、
乾燥して篩分し、12〜32メッシュの粒状物を得た。
この粒状物85部に実施例1の水面展開性油状製剤15
部を吸着させてシクロプロトリン3%の水面展開性粒状
製剤を得、この100gを厚さ0.03mmのハイセロ
ンC−200で作成した8cm×10cmの角袋に入
れ、ヒ−トシ−ルをして水田1ア−ル用のシクロプロト
リンの殺虫剤包装体を得た。
【0017】 実施例4 クレー粉末 85 部 カープレックス#80(塩野義製薬製) 15 部 を均一に混合し、この90部に実施例2の水面展開性油
状製剤10部とともに混合・粉砕し、ダイアジノン5%
の水面展開性粉状製剤を得、この100gを厚さ0.0
4mmのハイセロンC−200で作成した8cm×15
cmの角袋に入れ、ヒ−トシ−ルをして水田1ア−ル用
のダイアジノンの殺虫剤包装体を得た。
【0018】 実施例5 MCPB 30 部 フタル酸ジエチルヘキシル 70 部 を溶解し、MCPBの30%水面展開性油状製剤を得
た。この10部を実施例3の水面浮上性粒状物の90部
に吸着させMCPB3%の水面展開性粒状製剤を得、こ
の100gを厚さ0.04mmのハイセロンC−200
で作成した8cm×12cmの角袋に入れ、ヒ−トシ−
ルをして水田1ア−ルのMCPBの除草剤包装体を得
た。
【0019】 対照例1 クレー粉末 79.6部 クニボンド(クニミネ工業製) 15.0部 リグニンスルフォン酸ナトリウム 5.0部 ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム 0.4部 を均一に混合し、18部の水を加えて混練し、孔径0.
8mmのスクリーンの押し出し造粒機にて造粒した後、
乾燥して篩分し、12〜32メッシュの粒状物を得た。
この粒状物94部にシクロプロトリンの50%リン酸ト
リクレシル油状溶液6部を吸着させてシクロプロトリン
3%の粒状製剤を得た。この粒状製剤は水系に投入した
とき沈降したままであり、また、該シクロプロトリン油
状溶液は比重が1より大きいため本粒剤は水面展開性が
ない製剤である。
【0020】[試験例] 活性成分のイネミズゾウムシ防除効果および水面展開性 実施例1、実施例3、実施例4、対照例1の包装体を2
アールに仕切った水田に投入し(対照例は手撒き散
布)、1日後の水面のシクロプロトリン量を定量した。
また、イネミズゾウムシ成虫の生息数を調べ、防除効果
を調査した。尚、包装体1個の場合はほゞ中央に、2個
の場合は中央地点を挟んだ2点に投入した。 イネミズゾウムシの効力試験方法;薬剤投入前および投
入1日後、3日後、7日後に100株当たりに生息する
イネミズゾウムシの成虫数を数え、防除効果を調査し
た。
【0021】水面展開性の試験方法;水田の対角線上の
4当分点の3点の水面に直径11cmのロ紙(95cm
2)を静かに浮かべてロ紙に付着したシクロプロトリン
量をアセトンで抽出して液体クロマトグラフィーで分析
した。 試験結果
【0022】 効力試験 ; 試験区 薬 量 イネミズゾウムシ成虫数/100株 個数(成分量)/2a 散布前 1日後 3日後 7日後 実施例1 1個(6g) 56 0 0 0 実施例3 2個(6g) 61 1 2 5 対照例1 手撒(6g) 35 20 31 29 無散布 − 55 65 61 47
【0023】 水面展開性; 試験区 薬 量 水面展開量(μg/95cm2 ) 個数(成分量)/2a 1 2 3 平均 実施例1 1個(6g) 247 253 221 240 実施例3 2個(6g) 112 133 105 117 対照例1 手撒(6g) 6 6 5 6
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、対照例に比較してイネ
ミズゾウムシ成虫に対する効力はいずれの実施例でも良
く、また水面展開量も多く、特に実施例1、実施例3で
は対照例1より顕著であり、かつ水面全体に拡散してい
た。水田への処理に関しては本発明の包装体は対照例の
ように水田に入って時間をかけて散布する必要がなく、
また、直接薬剤に手を触れることなく簡便にかつ清潔に
取り扱うことができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 25/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】農薬活性成分を溶剤及び/又は界面活性剤
    を用いて溶解し、水面展開性をもたせた比重1以下の油
    状製剤を水溶性フィルム(但し、ラミネートフィルムを
    除く)で包装したことを特徴とする直接投げ込み用水面
    展開性農薬製剤包装体。
  2. 【請求項2】農薬活性成分を溶剤及び/又は界面活性剤
    を用いて溶解し、水面展開性をもたせた比重1以下の油
    状製剤を水溶性フィルムで包装した包装体を、有害生物
    を防除する必要のある水系に直接投げ込み、活性成分を
    水面に拡散させることを特徴とする農薬の簡便散布方
    法。
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