JP3520741B2 - めっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents

めっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用防錆鋼板
として多用されている合金化溶融亜鉛めっき鋼板および
その製造方法に関し、特に、めっき密着性に優れた合金
化溶融亜鉛めっき鋼板に関するものである。 【0002】 【従来の技術】現在、自動車用防錆鋼板としてその優れ
た犠牲防食能から亜鉛系の溶融めっき鋼板、電気めっき
鋼板が開発、実用化されている。なかでも、合金化溶融
亜鉛めっき鋼板は製造コストが低廉でかつ高耐食性を有
することから、亜鉛めっき鋼板のうち特に実車に多用さ
れている。 【0003】しかし、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、溶
融亜鉛めっきした後、通常500 ℃近傍の温度域で合金化
処理を施し地鉄(:素地鋼板)とめっき層である亜鉛と
の相互拡散によりZn-Fe の金属間化合物を生成させると
いう方法によって製造するため、電気系の亜鉛めっき鋼
板に比較して、めっき層と素地鋼板との密着性に劣ると
いう問題を有している。 【0004】溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板の場合、上記した問題点の改善策として、めっき
浴中に適当量のAlを添加することによりめっき密着性を
改善する方法が以前から知られており、現在工程的に生
産されている亜鉛系溶融めっき鋼板はAl含有亜鉛浴にて
めっきが施されている。しかしながら、上記方法のみで
は自動車用鋼板として要求されているめっき層の密着性
を常に確保するには不十分であり、合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板の場合、例えば合金化温度の適正化などによって
良好なめっき密着性を確保しようとする技術が開示され
ている。 【0005】また、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の場合、
既往の研究から、めっき層の密着性とめっきの相構造と
の間には密接な関係があり、めっき層/地鉄界面に形成
される鉄含有率の高い金属間化合物Γ相の存在が多くな
ると密着性が劣化することが示されている。これに対し
て、先にも述べたように、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の
めっき層は、亜鉛めっき層と素地鋼板との相互拡散によ
り形成されるものであるから、通常の方法では、めっき
浴にAlが存在していてもめっき層/素地鋼板(地鉄)界
面に不可避的にΓ相が生成してしまう。 【0006】すなわち、先に述べた浴中Al濃度の管理や
合金化温度の適正化によって、ある程度までΓ相生成の
抑制は可能であるものの、その生成を完全に抑制するこ
とはできず、製品性能であるめっき密着性も相対的には
良好であっても十分な水準に到達したとは言いがたい。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の問題点を解決し、めっき密着性に優れた合金化
溶融亜鉛めっき鋼板を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、鋼板の少なく
とも片面に合金化溶融亜鉛めっき層を有し、 該めっき層
直下の素地鋼板表層の平均フェライト結晶粒径d1 と素
地鋼板板厚中心部の平均フェライト結晶粒径d2 との比
〔:d1 /d2 〕が下記式(1) を満足し、前記素地鋼板
表層の平均フェライト結晶粒径d 1 が13μm以上であ
ことを特徴とするめっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛
めっき鋼板である。 【0009】d1 /d2 <0.8 ………(1) 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明者らは、前記した点に鑑み、合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の性状について研究した結果、合金化溶融
亜鉛めっき鋼板製造工程のうち素材鋼板を焼鈍する前
に、鋼板表面に歪みを付与することで、合金化後のめっ
き層直下の素地鋼板表層の結晶粒径を素地鋼板板厚中心
部の結晶粒径より小さくすることによって、母材(素地
鋼板)の機械的性質を損なうことなくめっき層の密着性
を飛躍的に向上させることが可能であることを見いだし
た。 【0011】前記したように、本発明は、めっき層直下
の素地鋼板表層の平均フェライト結晶粒径(以下素地鋼
板表層の結晶粒径とも記す)d1 と素地鋼板の板厚中心
部の平均フェライト結晶粒径(以下素地鋼板板厚中心部
の結晶粒径とも記す)d2 との比〔:d1 /d2 〕が下
記式(1) を満足し、素地鋼板表層の平均フェライト結晶
粒径d 1 が13μm以上であるめっき密着性に著しく優れ
た合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供するものである。 【0012】d1 /d2 <0.8 ………(1) めっき層直下の素地鋼板表層の結晶粒径を制御すること
によってめっき密着性が向上する理由は、下記のとおり
である。先ず、前記したように、合金化溶融亜鉛めっき
の密着性は、めっき層と素地鋼板との界面のめっき相構
造に大きく影響され、界面に生成されるΓ相が多くなる
とめっき密着性は劣化する。 【0013】このΓ相の生成と合金化条件とは密接な関
係があり、合金化温度を一定温度以下に制御することで
良好なめっき密着性が確保される。通常、例えば素地鋼
板が極低炭素軟鋼の場合、合金化溶融亜鉛めっき鋼板
は、合金化温度が500 ℃近傍の温度域で生産されること
が多いが、一般に合金化温度はライン速度と合金化炉の
炉長で決定してしまい、生産性を上げようとすると合金
化温度を上げなくてはならず、結果的にめっき密着性が
劣化してしまうという問題がある。 【0014】また、素地鋼板がSi,Mn,P などを多く含有
する高張力鋼板の場合、当該鋼中成分は合金化を遅延す
る作用を有するため、一定の生産性を確保するためには
さらに一層合金化温度を上げなくてはならず、前記した
と同様の理由でめっき密着性はさらに劣化してしまう。
従って、合金化速度を何らかの方法で上げることが可能
になれば上記問題は解決される。 【0015】溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層の合金化過
程において、一般に合金化溶融亜鉛めっき層はめっき層
の亜鉛と素地鋼板との相互熱拡散によって生成され、全
体の合金化速度は素地鋼板からの鉄の拡散に大きく支配
される。通常の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造条件に
おいては、素地鋼板結晶粒界からの鉄の拡散が支配的で
あり、従って亜鉛と接する粒界が多いほど合金化速度は
速くなる。 【0016】従って、めっき直前の素地鋼板表面の結晶
粒径が小さいほど合金化促進という観点からは有利にな
り、生産性を落とさずに比較的低い温度で合金化が可能
となり、結果的にΓ相の少ない密着性の良好なめっき層
を得ることが可能となる。さらに、めっき密着性は界面
の相構造だけでなく界面の形状にも影響され、界面の凹
凸が多いほど密着性には有利である。 【0017】本発明で開示するめっき層直下の素地鋼板
表層の結晶粒径を小さく規定した鋼板は、界面の凹凸も
通常の鋼板に比較して多くなり、いわゆる投錨効果が発
現しめっき密着性を格段に向上させることができる。以
上述べたように、本発明は、素地鋼板表面の結晶粒径を
小さくすることにより、合金化を促進させることでめっ
き層の界面構造を密着性に有利なΓ相の少ないものと
し、さらに投錨効果によりめっき密着性を著しく良好に
するものである。 【0018】しかしながら、通常、鋼板のフェライト結
晶粒径は熱処理条件、圧下率、鋼中成分などによって決
まるものであり、またこれらの条件は素材が要求される
機械的特性によって必然的に決定される。言い換えれ
ば、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき密着性のみ向上
させるために結晶粒径を小さくすると、要求される鋼板
の機械的特性を満足させることができなくなる。 【0019】本発明者らは上記問題点を解決するために
鋭意検討した結果、合金化促進に寄与するのは鋼板表
面、厳密に言うと合金化溶融亜鉛めっき層直下の素地鋼
板表層の結晶粒までであり、この領域の結晶粒径を制御
することにより素材の機械的性質を変化させずにめっき
密着性を向上させることが可能であることを見いだし
た。 【0020】定量的には、めっき層直下の素地鋼板表層
の結晶粒径d1 と素地鋼板板厚中心部の結晶粒径d2
の比〔:d1 /d2 〕をd1 /d2 <0.8 とすることに
よって、素地鋼板の機械的特性を損なうことなくめっき
密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供するこ
とができる。本発明において前記した両者の比によって
規定した理由は、下記の通りである。 【0021】前記したように、素地鋼板板厚中心部の結
晶粒径は素材に要求される機械的特性から決定されるの
で、素地鋼板によっては良好な伸び、深絞り性を発現さ
せるために大きな結晶粒径を有する素材もあり、単純に
結晶粒径を一定値以下に規定する場合、素材の機械的特
性および素材の合金化促進の両立の観点から意味がな
い。 【0022】合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層直下
の素地鋼板表層の結晶粒径d1 と素地鋼板板厚中心部の
結晶粒径d2 との比〔:d1 /d2 〕をd1 /d2 <0.
8 とした本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、連続溶
融亜鉛めっき設備(CGL) で行われる再結晶焼鈍前に、素
地鋼板表面に局部的に歪みを付与することにより実現可
能となる。 【0023】すなわち、素地鋼板の表層のみに付与され
た歪みによって、再結晶焼鈍時に、素地鋼板の表層の結
晶粒径が素地鋼板板厚中心部の結晶粒径より細かくな
り、前記した理由で合金化促進効果が発現する。素地鋼
板の表層に歪みを与える具体的方法としては、冷延鋼板
を素材とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板であれば、冷延
後、めっき前、すなわち焼鈍前に鋼板表面を研削する方
法が例示される。 【0024】本発明で必要とする鋼板性状とするために
は、鋼板を、表層から、好ましくは1 〜100g/m2 、より
好ましくは1〜10g/m2研削することによって、その後の
焼鈍過程で、前記したような表層が中心部より細かい結
晶粒を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造すること
ができる。この場合、研削方法は特に限定するものでな
く、研削手段としてはスコッチブライト、セラミックロ
ールなどによる研削が可能である。 【0025】また、素地鋼板が冷延鋼板の場合、研削以
外に冷間圧延時のロールの表面粗さを粗くするような方
法によって素地鋼板表面に局部的に歪みを導入すること
が可能である。上記方法によって鋼板表面に歪みが導入
された鋼板は、連続溶融亜鉛めっきラインでめっき前に
焼鈍されるが、本発明においては焼鈍時の雰囲気の露点
は−10℃以下、より望ましくは−20℃以下であることが
必要である。 【0026】この理由は、ラジアントチューブによる加
熱炉を有する連続溶融亜鉛めっきラインにおいては、通
常、水素を数%含有する還元ガス中で焼鈍されるが、露
点が−10℃を超えると、鋼中に不可避的に存在するか、
または合金元素として意図的に添加しているPが鋼板表
面に濃化し、合金化速度を著しく遅延させることになる
ためである。 【0027】上記した方法によって素地鋼板表層に歪み
を導入し、めっき前の焼鈍により素地鋼板表層の結晶粒
を微細化した後の合金化溶融亜鉛めっきの方法は、以下
のとおりである。まず、溶融めっき時のめっき浴のAl濃
度は、これを浴中の総Al濃度から総鉄濃度を引いた値と
定義した場合、この濃度で0.06〜0.15wt%であることが
必要である。 【0028】浴中Al濃度を上記のように規定したのは、
Al濃度が0.06wt%未満では他条件をいかに限定しても合
金化後の鋼板/めっき界面にはΓ相が多量に生成してし
まい、十分な密着性が確保できないためである。また、
Al濃度の上限を規定した理由は、Al濃度が0.15wt%を超
えてしまうと合金化速度が著しく遅くなり、鋼板の結晶
粒径を制御して合金化速度を促進させることにより密着
性を向上させるという本来の目的には合わなくなってし
まうからである。 【0029】溶融めっき後の合金化条件に関しては、め
っき相構造の観点から合金化温度は可及的に低温である
ことが望ましく、まためっき層中の鉄含有率もη相が残
存しない範囲で低い方が望ましい。すなわち、合金化温
度としては、520 ℃以下、より好ましくは490 ℃以下、
めっき層中の鉄含有率は11wt%以下、より好ましくは10
wt%以下、7wt%以上が目標値として与えられる。 【0030】本発明では素地鋼板の対象としては主に冷
延鋼板としているが、鋼板組成は特にこれを限定するも
のではない。具体的には、近年合金化溶融亜鉛めっき鋼
板の素材として多用されており優れた機械的特性、特に
延び、深絞り性を有するTi系、Nb系、Ti-Nb 系極低炭素
鋼板をはじめ、低炭素鋼板、さらにこれらに合金元素と
してMn,Si,P などの元素を添加した高張力鋼板などを挙
げることができる。 【0031】また、本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板
においては、前記したように、合金化溶融亜鉛めっき鋼
板のめっき層直下の素地鋼板表層の平均フェライト結晶
粒径d1 と素地鋼板板厚中心部の平均フェライト結晶粒
径d2 との比〔:d1 /d2〕がd1 /d2 <0.8 を満
足すればよいが、さらには、当該比率〔:d1 /d2
がd1 /d2 ≧0.1 を満足することが、より好ましい。 【0032】これは、d1 /d2 <0.1 の場合、合金化
速度が異常に促進され、溶融亜鉛めっき時にも合金化が
生じ、溶融亜鉛めっき時に合金層が厚く成長してしま
い、一般的に行われているガスワイピングノズルによる
めっき付着量の制御が困難になるためである。また、本
発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき付着量は特に
制限するものではないが、めっき付着量=10〜100g/m2
であることが、より好ましい。 【0033】これは、めっき付着量が10g/m2未満の場
合、耐食性が低下し、逆に100g/m2 超えの場合、耐食性
の向上効果が実用的に飽和し経済的でないためである。 【0034】 【実施例】以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。表1に示す組成の板厚:0.7mm の冷延鋼板の表面
に、実験室的にスコッチブライトによる研削を施した
(実施例1〜、比較例1〜3)。研削時の重量法によ
り求めた研削量を表2に示す。 【0035】研削を施した鋼板(実施例1〜、比較例
1〜3)および末研削で素地鋼板表面に歪を付与しない
冷延鋼板(比較例4〜6)を素材として、実験室で堅型
溶融めっき装置を用い、アルカリ電解脱脂、塩酸酸洗に
引き続き下記の条件で焼鈍、溶融亜鉛めっきを行った。 (焼鈍条件:) 雰囲気ガス;組成:5vol%H2−N2、露点:−40℃ 昇温速度 ;10℃/sec 焼鈍温度 ;800 〜850 ℃ 焼鈍時間 ;20sec 冷却速度 ;10℃/sec (溶融亜鉛めっき条件:) めっき浴組成; Al:0.14wt%、Fe:0.04wt %、Pb:0.008
wt%、残:Zn 浴温 ; 475℃ 侵入板温 ; 475℃ 侵漬時間 ; 1sec めっき付着量; 50g/m2 以上の方法で製造した溶融亜鉛めっき鋼板を、直接通電
加熱炉にて大気雰囲気中で昇温し、表2に示す合金化温
度で合金化処理を行った後、窒素ガスを吹き付けること
により冷却し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を作製した。 【0036】上記のようにして得られた合金化溶融亜鉛
めっき鋼板(:GA)のめっき層をインヒビター入りの
塩酸に溶解させ、溶解液をICP発光分析によって分析
し、めっき付着量、めっき層の鉄含有率を求めた。得ら
れためっき付着量、めっき層の鉄含有率を、表2に示
す。また、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の結晶粒径を、下
記方法に従って測定した。 【0037】先ず、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(:G
A)のめっき層をインヒビター入りの塩酸で溶解除去
し、その後、素地鋼板の組織が観察できるように鋼板表
面を研磨厚み約5μm で研磨し、ナイタール腐食後、組
織写真を撮影した。得られた組織写真から、素地鋼板の
圧延方向の任意の線分LL およびこれに直交する線分L
C によってそれぞれ切り取られる結晶粒の数をそれぞれ
nL ,nCとし、フェライト結晶粒径dL、dCをdL
=LL /nL ,dC=LC /nC によって求め、両者の
平均を求めd11とし、視野を10回変えて同様の方法で求
めたそれぞれの値を平均し、素地鋼板表層の平均フェラ
イト結晶粒径d1 を求めた。 【0038】なお、線分の長さの選択は、線分中の結晶
の数が少なくとも20個以上になるようにその長さを決め
た。また、素地鋼板の板厚方向の中心部の結晶粒径に関
しては、素地鋼板の板厚が半分になるまで片側研磨し、
研磨面に関して上記と全く同様の方法で素地鋼板板厚中
心部の平均フェライト結晶粒径d2 を求めた。 【0039】このようにして求めたd1 、d2 および両
者の比d1 /d2 を表2に示す。さらに、めっき層の性
能試験として、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の試験片につ
いて、下記に示すパウダリング性試験を行い、蛍光X線
分析にて測定したZnのカウント数(CPS) を、めっき剥離
量の指標であるパウダリング指数とした。得られたZnの
カウント数(CPS) であるパウダリング指数を表2に示
す。 【0040】<パウダリング性試験:> 試験片サイズ;幅40mm×長さ100mm 90度曲げもどし→テープ剥離→テープ剥離面を蛍光X線
分析 表2に示すように、本発明によれば、焼鈍前の素地鋼板
表面に歪みを付与し、合金化溶融亜鉛めっき層直下の素
地鋼板表層の平均フェライト結晶粒径d1 と、素地鋼板
板厚中心部の平均フェライト結晶粒径d2 との比〔:d
1 /d2 〕を、d1 /d2 <0.8 とし、かつ素地鋼板表
層の平均フェライト結晶粒径d 1 が13μm以上とするこ
とによって、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき密着性
を飛躍的に向上することが可能となった。 【0041】 【表1】【0042】 【表2】【0043】 【発明の効果】本発明によれば、母材の機械的特性を損
なうことなく、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき密着
性を飛躍的に向上することが可能となった。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 301 C23C 2/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 鋼板の少なくとも片面に合金化溶融亜鉛
    めっき層を有し、 該めっき層直下の素地鋼板表層の平均
    フェライト結晶粒径d1 と素地鋼板板厚中心部の平均フ
    ェライト結晶粒径d2 との比〔:d1 /d2 〕が下記式
    (1) を満足し、前記素地鋼板表層の平均フェライト結晶
    粒径d 1 が13μm以上であることを特徴とするめっき密
    着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。 記 d1 /d2 <0.8 ………(1)
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