JP3520098B2 - ダイヤモンド被覆切削工具 - Google Patents
ダイヤモンド被覆切削工具Info
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Description
削工具に関し、さらに詳しくは、導電性の基材の刃先部
分に予め特定の加工を施した後、気相法により、刃先部
分に重点的にダイヤモンド被覆を行なうことによって耐
摩耗性が著しく向上したダイヤモンド被覆切削工具に関
する。
ンドは現存する物質のなかで最も高い硬度を有する。し
たがって、切削工具用基材の表面にダイヤモンド膜を被
覆してなる切削工具が注目されている。
削を可能とするためには、切削工具におけるダイヤモン
ド膜の耐摩耗性を向上させる必要がある。耐摩耗性は、
ダイヤモンドの基材への密着力が十分であるときには、
ダイヤモンド膜の膜質、結晶粒径、結晶方位および膜厚
によって決定される。これらの中でも最も支配的な因子
は膜厚であり、耐摩耗性を向上させ、長寿命化をはかる
ためには、すり減りにくい膜を厚く設けることが最も有
効な手段である。
に全体の膜厚を厚くすると、所謂コーティング時間が長
く必要となり、コーティングコストの上昇を招くので、
好ましくない。そこで、刃先部分に重点的にダイヤをコ
ーティングすることが考えられる。この場合にはチップ
のすくい面の平坦性が損なわれ、この様な刃先(エッ
ヂ)部分での盛り上がりの程度が大きくなりすぎると、
チップをホルダーに取り付けた時に、締付圧によってチ
ップを破損したり、チップの固定が悪くなり切削時にチ
ップに振動(所謂ビビリ)が生じ、仕上面を荒くした
り、チップを欠損させたりする等の問題が生じる。
製の基材上にマイクロ波プラズマCVD法によってダイ
ヤモンドをコーティングする際には、基材のエッヂ部の
ダイヤモンドが他の部分より厚くなりやすい。換言すれ
ば、刃先部のすくい面上の盛り上りが生じやすいという
問題があった。
良に関しては、特開昭62ー271605号公報におい
て、基材のすくい面と逃げ面との交線にあたる切刃稜に
幅0.2〜0.8μmの面取りを施すことにより、「慣
らし切削」を必要としない切削工具を得ている。
取りでは、気相法によるダイヤモンド薄膜形成のプラズ
マの集中に伴う刃先部分への過度のダイヤモンド生成に
よる刃先部のダイヤモンドの盛り上がりを解消すること
はできない。
いても、刃先部の母材に0.01〜0.08mmの面取
りをする方法を提案しているが、上記の場合と同様にダ
イヤモンドの刃先部での盛り上がりによる、ホルダーへ
の取り付け不安定性は解消することができない。
研究した結果、基材の形状を研削や反りによって予め好
適に変形したのちに、刃先部に重点的にダイヤモンド被
覆を行なうことによって、刃先部を膜厚化でき、しかも
チップ全体としては平坦にダイヤモンド被覆することが
でき、その結果切削寿命の著しく長期化することのでき
たダイヤモンド被覆切削工具の得られることを見出し、
本発明を完成した。
しく長期化したダイヤモンド被覆切削工具を提供するこ
とにある。
めの請求項1に記載の発明は、超硬合金又はサーメット
からなる基材のすくい面から刃の稜線に向かって下降傾
斜する傾斜面を形成してなり、前記傾斜面の角度が、す
くい面に対して1〜30度であり、かつ前記傾斜面の長
さが0.25〜3mmである基材上に、気相法によるダ
イヤモンド合成を行ってダイヤモンド被覆を形成してな
ることを特徴とするダイヤモンド被覆切削工具であり、
請求項2に記載の発明は、超硬合金又はサーメットから
なる基材のすくい面から刃の稜線に向かって下降傾斜す
る湾曲面を形成してなり、前記刃の稜線から形成される
前記湾曲面のすくい面に向かう長さが0.25〜3mm
であり、かつその湾曲面のRが以下の式を満たす基材
に、気相法によるダイヤモンド合成を行ってダイヤモン
ド被覆を形成して成ることを特徴とするダイヤモンド被
覆切削工具であり、 △t=R{1−cos(L/R)} (ただし、△tは基材の刃先のすくい面の表面に被覆さ
れるダイヤモンド膜の厚みtと基材すくい面の中央部分
のダイヤモンド膜の厚みt0 との差を示し、Rは湾曲
面の曲率半径を示し、Lは湾曲面における刃先端からの
長さを示す。)請求項3に記載の発明は、前記傾斜面を
面取り加工により形成する請求項1または2に記載のダ
イヤモンド被覆切削工具であり、請求項4に記載の発明
は、前記傾斜面を反り加工により形成する請求項1〜3
の何れか一項に記載のダイヤモンド被覆切削工具であ
る。
工具を製造する際に、予めその刃先部分を面取り加工や
反り加工によって、その厚みが刃先方向に向かうに従っ
て、減少するように加工した基材を用い、この基材上に
ダイヤモンドを被覆する際に、刃先部分に重点的にコー
ティングすることを特長とする。
ればよく、超硬合金またはサーメット等を素材とするも
のを用いることができる。好ましいのは、例えばWC−
5%Co−2.5%TiC組成のJIS SPGN12
0308形状の切削チップである。
明の方法で使用することのできる前記超硬合金として
は、たとえば、W、Mo、Cr、Co、Ni、Fe、T
i、Zr、Hf、Nb、Ta、Al、B、Ga、Siな
どの一種または二種以上の金属からなる超硬合金類、こ
れらの金属一種または二種以上と、炭素、窒素酸素およ
び/またはホウ素等からなる各種の組成の超硬合金類
(具体的には、たとえば、WC、W−WC、WC−C、
W−WC−C等のW−C系、Co−C系、Co−WC、
Co−W−WC、Co−WC−C、Co−W−WC−C
等のCo−W−C系、TaCx 等のTa−C系、TiC
等のTi−C系、MoCx 、Mo−MoCx、MoCx
−C系等のMo−C系、SiC等のSi−C系、Fe−
FeCx 系等のFe−C系、TiC−Ni系等のTi−
Ni−C系、TiC−Co系等のTi−Co−C系、T
iN系等のTi−N系、TaNx 系等のTa−N系、W
C−TaC−Co−C系等のW−Ta−Co−C系、W
C−TiC−Co−C系等のW−Ti−Co−C系、W
C−TiC−TaC−Co−C系等のW−Ti−Ta−
Co−C系、W−Ti−C−N系、W−Co−Ti−C
−N系など)など多種多様の超硬合金を挙げることがで
きる。これらの中でも、特に好ましい例として、たとえ
ば、切削工具用などに好適なWC系超硬合金(具体的に
は、たとえば、JIS B 4053において使用分類
記号P01、P10、P20、P30、P40、P50
等のP種、M10、M20、M30、M40等のM種、
K01、K10、K20、K30、K40等のK種など
の切削工具用等の超硬合金チップ、V1、V2、V3等
のV種などの線引ダイス用、センタ用、切削工具用等の
超硬合金チップなどのWC−Co系等のW−Co−C系
超硬合金、WC−TiC−TaC−Co系等のW−Ti
−Ta−Co−C系超硬合金、あるいはこれらのTaの
一部をNbに変えたもの等々)などを挙げることができ
る。なお、これらには、上記以外の他の元素や添加成分
を含有しているものであってもよい。どのような材質お
よび形状の超硬合金を採用するかは、使用目的等に応じ
て適宜に選択すればよい。
律表(IUPAC)の第IVA族、第VA族および第V
IA族に属する金属並びにSiから選択される一種また
は二種以上の金属を含有する炭化タングステン系超硬合
金を挙げることができる。
体例としては、WC、W−WC、WC−C、W−WC−
C等のW−C系、WC−Co、WC−Co−W、WC−
Co−C、WC−Co−W−C等のW−Co系、WC−
TaC−Co、WC−TaC−Co−C等のW−Ta−
Co系、WC−TiC−Co、WC−TiC−Co、W
C−TiCN−Co等のW−Ti−Co系、WC−Ta
C−Co、WC−TiC−TaC−Co−C等のW−T
i−Ta−Co−C系、WC−Nb−Co等の超硬合金
を挙げることができる。炭化タングステン系超硬合金
は、上記のように炭化タングステン、炭化タンタル、炭
化チタン等から得ることができる。本発明に用いられる
炭化タングステン系超硬合金としては、Ti、Co、T
a、Mo、Cr、Ni等の金属を含有しているものが好
ましい。
化タングステン系超硬合金の内、好ましい組成の具体例
としては、WC−TiC−Co、WC−TaC−Co及
びWC−Co、WC−Nbc−Coの超硬合金を挙げる
ことができる。
金としては、炭化タングステン50〜95重量%、好ま
しくは70〜94重量%と、炭化チタン1〜30重量
%、好ましくは2〜20重量%と、コバルト2〜20重
量%、好ましくは4〜10重量%とを有するものを挙げ
ることができる。
金としては、炭化タングステン80〜93重量%、好ま
しくは85〜92重量%と、炭化タンタル1〜20重量
%、好ましくは2〜10重量%と、コバルト3〜10重
量%、好ましくは4〜6重量%とを有するものを挙げる
ことができる。
は、炭化タングステン90〜98重量%、好ましくは9
4〜97重量%と、コバルト2〜10重量%、好ましく
は3〜6重量%とを有するものを挙げることができる。
具等に使用されるものなどを使用することができ、具体
的には、WC、WCx(但し、xは1以外の正の実数を
表わし、通常、このxは1より大きいかあるいは1より
小さい数である。)で表わされる定比化合物および不定
比化合物、あるいはこれらに酸素等の他の元素が結合、
置換または侵入したもの等を挙げることができる。これ
らの中でも、通常、WCが特に好適に使用される。
く、二種以上を併合してもよく、あるいは二種以上の混
合物、固溶体との組成物等として用いてもよい。
く、通常の合金を製造するのに用いられるものを使用す
ることができる。具体的には、TiC、TiCy(但
し、yは1以外の正の実数を表わし、通常、このyは1
より大きいかあるいは1より小さい数である。)で表わ
される定比化合物および不定比化合物、あるいはこれら
に酸素等の他の元素が結合、置換または侵入したもの等
を挙げることができる。これらの中でも、通常、TiC
が特に好適に使用される。
く、通常の合金を製造するのに用いられるものを使用す
ることができる。具体的には、TaC、TaCz(但
し、zは1以外の正の実数を表わし、通常、このzは1
より大きいかあるいは1より小さい数である。)で表わ
される定比化合物および不定比化合物、あるいはこれら
に酸素等の他の元素が結合、置換または侵入したもの等
を挙げることができる。これらの中でも、通常、TaC
が特に好適に使用される。
が、単体金属を好適に使用することができる。
前記炭化タンタルおよび前記コバルトは、特に純粋であ
る必要はなく、本発明の目的を達成するのに支障のない
範囲であれば不純物を含有していてもよい。
は、微量の過剰炭素、過剰金属、酸化物等の不純物等を
含有していてもよい。
例えば、Ti、W、Mo、Cr、Ta、Nb、V、Z
r、Hf等の炭化物および窒化物に、Co、Ni、C
r、Mo、Fe等の金属を燒結助材として含有している
サーメット材を挙げることができ、一般にサーメット材
として知られているものであれば、特に制限なく用いる
ことができる。
C2 、TaC、NbC、VC、TiC、ZrC、Hf
C、TaN、NbN、VN、TiN、ZrN、HfN、
Ta(C,O)、Ti(C,O)、Ti(N,O)、
(W,Ti)C、(W,Ta,Ti)C、(W,Ta,
Nb,Ti)C、Ti(C,N)、Ti(C,N,
O)、(Ti,Zr)C、(Ti,Zr)(C,N)等
に、燒結助材としてCoおよび/またはNiや、Coお
よび/またはNiの他にCr,Mo,Fe等を含有した
もの等を挙げることができる。
とすれば、次のような記述も可能である。すなわち、本
発明に使用することのできるサーメットとしては、Ti
CにWCやTaCやTiNを添加し、結合相としてNi
やMoを添加したものを言い、例えばTiC−TaC−
Ni、TiC−TaC−Mo、TiC−TaC−Ni−
Mo、TiC−TiN−Ni、TiC−TiN−Mo、
TiC−TiN−Ni−Mo、TiC−TiN−TaC
−WC−Ni、TiC−TiN−TaC−WC−Mo、
TiC−TiN−TaC−WC−Ni−Mo、TiN−
TaN−Ni、TiN−TaN−Mo、TiN−TaN
−Ni−Mo、TiC−TaN−Ni、TiC−TaN
−Mo、TiC−TaN−Ni−Mo、TiC−Ni、
TiC−Mo、TiC−Ni−Mo、TiC−Ni、T
iC−Mo、TiC−Ni−Mo、TiC−TaN−N
i、TiC−TaN−Mo、TiC−TaN−Ni−M
o等を挙げることができる。なお、これらはその他の元
素またはその炭化物を含有していても良い。
ステンおよび窒化チタン系のサーメットが好適に使用さ
れる。特に好ましいものとしては、TiC、TiN、T
iCN等にNi、CoあるいはMoを燒結助材として用
いたサーメット材を挙げることができる。
形状に加工される。
は反り加工あるいはこれらの組みあわせにより行なうこ
とができる。
部分の断面図である図1を参照して説明する。
くい面2と逃げ面3のなす刃稜部分に所謂チャンファー
ホーニングを施すもので、すくい面に対する角度θ1
が、1〜30°、好ましくは3〜20°であり、かつ、
刃先端からの寸法(図1中、L1で示す。)が0.25
〜3mm、好ましく0.5〜2mmである傾斜面4をす
くい面上に形成する。すくい面に対する角度θ1が1°
未満であると、すくい面の平坦性を保持するためには、
薄いダイヤモンド膜しか被覆することができないために
切削寿命が短くなり、30°を越えると、これを相殺し
て平坦化するには、必要以上に刃先を厚膜化する必要が
あり、そのためコーティングが長時間となるため、製造
コストの上昇を招くため好ましくない。また、刃先部か
らの寸法L1が0.25mm未満であると基材全体とし
ての平坦性を損なわずに刃先のみを厚膜化する場合の厚
膜化できる部位が小さくなりすぎて、刃先厚膜化の効果
が十分に得られないという問題があり、逆に3mmより
大であっても、これ以上の部分を厚膜化しても寿命の延
長効果がそれ以上は得られないため好ましくない。
示す様にすくい面と逃げ面の両方に施してもよい。この
場合、逃げ面に形成した傾斜面5は、逃げ面に対し、
0.05〜15°、好ましくは0.1〜10°の傾きを
もち(図2中角度θ2で表わす。)、かつ刃先端からの
寸法(図2中L2で示す。)が0.05〜1.5mm、
好ましくは0.25〜1mmである傾斜面を形成する。
逃げ面に対する角度が0.05°未満であると面取り加
工するための機械加工が困難であり、15°より大であ
ると基材全体としての逃げ角が変化するので好ましくな
い。また、刃先部からの寸法が0.05mm未満である
とダイヤモンド膜の膜厚化の相殺効果がなくなり、逆に
1.5mmより大であると基材全体としての逃げ角が変
化するため好ましくない。
1の様に直線で構成されていなくてもよく、図3に示す
ように、曲線であっても良い。この場合、円弧の長さL
は0.25〜3mmであり、曲率半径Rは被覆するダイ
ヤモンド膜の刃先部での膜厚tによっても異なるが、例
えば△t=R{1ーcos(L/R)}の関係から求め
ることができる(ただし、△tは基材の刃先のすくい面
の表面に被覆されるダイヤモンド膜の厚みtと基材すく
い面の中央部分のダイヤモンド膜の厚みt0 との差を示
し、Rは湾曲面の曲率半径を示し、Lは湾曲面における
刃先端からの長さを示す。)。
い面に形成する方法としては、前述の面取り加工以外
に、反り加工によるもの、さらにその組み合わせの方法
であってもよい。また本発明において「式を満たす」と
は加工時多少の誤差も生じるため、本発明の技術的効果
に支障のない程度の誤差をも含んだ意味で用いる。
生じさせ、前述の面取り加工と同様な効果を得るもので
る。すなわち、基材の刃先部からの寸法が0.25〜
3.0mmの部分をすくい面に対して、下降傾斜する湾
曲面を形成するが、その際の湾曲面の曲率半径はRが下
記式を満足する値となるように反り加工する。
れるダイヤモンド膜の厚みtと基材すくい面の中央部分
のダイヤモンド膜の厚みt0 との差を示し、Rは湾曲面
の曲率半径を示し、Lは反り加工により生じた湾曲面に
おける刃先端からの長さを示す。) この反り加工においても、基材の刃先部からの寸法L
が、0.25mm未満であると、基材全体としての平坦
性を損なわずに刃先のみを厚膜化する場合の厚膜化でき
る部位が小さくなりすぎて、刃先厚膜化の効果が十分に
得られなくなり、また、これを3.0mmより大として
も、基材の寿命の延長効果の向上は期待できない。
面を形成しさえすれば、その方法は限定されないが、例
えば熱処理が挙げられる。
の不活性ガス雰囲気下に、耐熱性容器中において、所定
の物質で形成された敷板もしくは粉末の上で、基材を所
定の温度に所定時間加熱する方法を挙げることができ
る。
ウムなどの稀ガスおよび窒素ガスなどを挙げることがで
きる。これらの不活性ガス等はその一種単独を使用する
こともできるし、またその二種以上を併用することもで
きる。
orr〜2,000気圧(ゲージ圧)であり、好ましく
は1Torr〜100気圧(ゲージ圧)である。
しては、基材の材質や形状によって好ましい物質が異な
るが、例えば、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、窒
化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化珪素、炭
化ホウ素および炭素等を挙げることができる。具体的な
例としては、基材の材質としてチタンを含む超硬合金を
用いる場合には、敷板の材質にアルミナを用いると変形
量が小さくて適していないが、窒化珪素、窒化ホウ素を
用いると適度な変形が得られ、反り加工に好都合であ
る。
末を構成する物質と同様の物質から形成された容器を挙
げることができる。
0℃の範囲から選択され、好ましくは1,000〜1,
600℃の範囲から選択される。
程度であるが、これに限らず、基材の種類、大きさ等に
応じて適宜に決定するのが良い。
0-3〜2,000気圧の窒素とアルゴンの混合ガス(た
だし、窒素ガス1〜760Torr)雰囲気などの不活
性ガス雰囲気中において、BN敷板を用いたBN製のる
つぼ中で1,350〜1,800℃にて、0.5〜5時
間処理する方法が好ましく、好適な反りを生じさせるこ
とができる。
る前処理としての密着性向上処理をする必要はなくな
る。この反り加工によって、同時にダイヤモンド膜の密
着性向上効果が奏されるからである。
した基材に、ダイヤモンド被覆を施す前に、以下に示す
前処理をすることが望ましい。
には、基材に対して加熱処理またはエッチング処理を行
うのが好ましい。
ましくは特定の敷板の上に載置した基材を所定の雰囲気
下で所定の温度に加熱することにより基材自体の表面を
変質させるものであって、所定の雰囲気下で所定の温度
に加熱することにより、基材の表面に凹凸を有する固溶
体が形成される。
800℃の範囲から選択され、好ましくは1,000〜
1,600℃の範囲から選択される。加熱温度範囲が上
記範囲内にあると、基材表面の改質が十分に促進され
る。なお、加熱温度範囲が1,800℃よりも高いと、
温度を上昇することに見合う基材の改質効果が見られな
いことがある。
0-3Torr〜2,000気圧(ゲージ圧)であり、好
ましくは1Torr〜100気圧(ゲージ圧)である。
圧力が前記範囲内にあると基材の改質効果を一段と良く
達成することができる。
高真空下であっても良いのであるが、少量の窒素ガスの
存在する減圧下に行うか、あるいは低い窒素ガス分圧と
なるような窒素ガスとアルゴンなどの不活性ガスとの混
合ガス雰囲気下であるのが、基材表面の改質効果殊にこ
の加熱処理後の基材に対するダイヤモンド等の薄膜を形
成させた際のこれらの間の密着性の向上効果が大きいこ
とから、好適である。
上に寄与する窒素ガスの量としては、基材の種類や加熱
温度、処理時間などにより好適な量が異なるので、一義
的に決めることはできないが、通常1〜760Torr
の範囲から適宜に選択され、好ましくは1〜200To
rrである。
時間程度であるが、これに限らず、基材の種類、大きさ
等に応じて適宜に決定するのが良い。
の材質からなる敷板の上に載置して加熱処理をすると、
その理由は明確ではないが、基材自体の変形や寸法変化
を生じることなくダイヤモンドなどの薄膜との密着性が
向上する。
素およびアルゴン混合ガス(内窒素ガス100Tor
r)雰囲気中において、1,400℃、1時間処理する
のが好ましい。
チング処理する方法としては、例えば、ウェットエッチ
ングやドライエッチングを挙げることができる。
ッチング処理や電解エッチングなどを挙げることができ
る。
としては、特に限定はないが、例えば、硝酸、硫酸、塩
酸、フッ酸等を挙げることができる。また、上記酸を、
一種単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いても
よい。
酸、フッ化水素と硝酸とから得られる混酸が特に好まし
い。
て、硝酸とフッ酸との混酸もしくはフッ化水素と硝酸と
から得られる混酸を使用する場合について詳細に記載す
る。ただし、本発明における酸によるエッチング処理
は、これに限定されない。
製するときのフッ化水素としては、フッ化水素そのもの
を使用することができるし、フッ化水素の水溶液である
フッ化水素酸の形態で使用することもできる。
化水素と硝酸とから得られる混酸中、フッ化水素が分解
していないと仮定した場合のそのフッ化水素の含有量
は、通常5〜50モル%、好ましくは10〜40モル%
である。また、この混液中における硝酸濃度としては、
通常5〜65モル%であり、好ましくは15〜60モル
%ある。上記の範囲内で混酸中にフッ化水素と硝酸とが
含有されていると、そのような混酸で処理した基材層上
に密着性良く被覆層を形成することができる。
ようにするには、フッ化水素酸を使用するときには、1
0〜50%、好ましくは20〜46%のフッ化水素を含
有するフッ化水素酸が好ましい。また、硝酸としては、
濃度が30〜70%、特に30〜61%である硝酸が好
ましい。実際的見地からすると、フッ化水素と硝酸とか
ら得られる混酸としては、実質的にフッ化水素酸と硝酸
とからなる混合物が好ましく、必要に応じて他の無機
酸、例えば硫酸等を混合してなる混合物を使用すること
もできる。実質的にフッ化水素酸と硝酸とからなる混合
物を採用する場合、フッ化水素および硝酸が前述した含
有量になるようにフッ化水素酸および硝酸それぞれの濃
度を調製するのがよい。
前記酸中に基材を浸漬する手法、基材の表面に前記酸を
スプレイする手法等、各種の方法を採用することができ
る。要するに、中間層を設けるべき基材の所定表面を前
記酸と接触させることができればよいのである。
は、特に限定はないが、例えば、上記混酸を使用する場
合には、通常20〜100℃が好ましく、特に50〜9
5℃が好ましい。処理温度が20℃より低い場合には、
エッチングに時間がかかるため、Co等が十分にエッチ
ングされないことがある。また、処理温度が100℃よ
り高い場合には、基材の表面のエッチングが激しく進行
するため制御性が悪くなる。
は、十分にエッチングが施される限り特に限定はない
が、例えば、上記混酸を使用する場合には、通常0.5
秒〜300秒が好ましく、特に1秒〜120秒が好まし
い。処理時間が0.5秒より短い場合には、エッチング
処理が不十分になる場合がある。また、300秒より長
い場合には、エッチング処理が進み過ぎて基板の強度が
低下する場合がある。
液としては、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸などの無
機酸およびアルコールなどを挙げることができる。これ
らは単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いて
もよい。
アルコールとを有する溶液が本発明の方法には好適であ
る。
る溶液を調製するときのフッ化水素としては、フッ化水
素そのものを使用することができるし、フッ化水素の水
溶液であるフッ化水素酸の形態で使用することもでき
る。
とアルコールとを含有する溶液としては、アルコールに
フッ化水素酸と硫酸とを混合してなる混合物が好まし
く、必要に応じて他の無機酸、例えば硝酸、塩酸等を混
合することもできる。
液をフッ化水素と硫酸とアルコールとを含有する溶液と
した場合について詳細に記載する。ただし、本発明の方
法において採用される電解エッチングは、これに限定さ
れない。
有する溶液におけるフッ化水素の濃度は、通常1〜3モ
ル%であり、好ましくは、1〜2モル%である。
と硫酸とアルコールとからなる溶液を調製する場合、混
合後のフッ化水素の濃度が上記濃度範囲になるようにフ
ッ化水素酸を調製して用いるのがよい。
なる溶液における硫酸濃度としては、通常5〜10モル
%であり、好ましくは6〜8モル%である。
を阻害しない限りにおいては特に制限はないが、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル等を挙げることができる。その中でも、特にメタノー
ルが好ましい。
酸とアルコールとからなる溶液中に、前記基材が正極
に、対向電極が負極になるように、対向電極を設けて前
記基材の表面の電解エッチングを行なう。
中に基材の表面を阻害するような物質例えばガスを発生
するものでなければよく、特に制限はないが、例えば、
ステンレス等を挙げることができる。
3〜10Vが好ましく、特に、4〜10Vが好ましい。
電圧が3Vよりも低い場合には、エッチングの速度が遅
く非能率的である。また、電圧が10Vより高い場合に
は、エッチングの速度が早くなり過ぎて制御性が悪く、
必要以上にエッチングすることがある。
面積当たりの電流が0.01〜5A/cm2 であるのが
好ましく、特に、0.1〜1A/cm2 が好ましい。単
位面積当たりの電流が0.01A/cm2 より小さい場
合には、エッチングが十分に行われない。また、単位面
積当たりの電流が5A/cm2 より大きい場合には、エ
ッチングが進み過ぎて基板の強度の低下を招くことがあ
る。
前記基材の形状および前記電流の大きさ等により一概に
決定することはできないが、通常0.1〜60分である
のが好ましく、特に1〜30分であるのが好ましい。
ズマによるエッチング処理を挙げることができる。
ては、例えば、アルゴン、窒素ガス等の不活性ガス、四
フッ化炭素、水素ガス、酸素ガス、一酸化炭素ガス、二
酸化炭素ガス、メタノールガス、水蒸気、あるいはこれ
らの混合物等のプラズマを挙げることができる。そのな
かでも、特にアルゴン、水素ガスおよび酸素ガスが好ま
しい。
なく、一般的なダイヤモンドあるいはダイヤモンド膜の
気相合成法に利用されるプラズマ化法等の各種の方法に
よるプラズマ処理法が適用可能である。具体的には、例
えば、マイクロ波プラズマCVD法、高周波プラズマC
VD法、熱フィラメント法、ECR法等、あるいこれら
の組み合わせ法等を挙げることができる。これらの中で
も、特に、マイクロ波プラズマCVD法、高周波プラズ
マCVD法等が好ましい。また、後述するダイヤモンド
の気相合成に際して採用されるCVD法と同じCVD法
を採用すると、装置構成上便利である。
合の反応条件としては、従来通りの条件によって行うこ
とができる。例えば、処理圧力としては、10〜100
torrの範囲内が好ましい。圧力が前記の範囲より高
いと処理の制御性が悪く、また、低いと処理に時間がか
かる。中間層の表面の温度としては、500〜1,10
0℃の範囲内、好ましくは700〜900℃である。温
度が前記の範囲より高いと処理の制御性が悪く、再現性
が悪いし、また、低いと処理に時間がかかる。処理時間
は、1分〜200分、好ましくは60分である。
ッチング処理を行なうことにより、基材上にダイヤモン
ド膜を形成する際に有害な結合相を作る原因になるコバ
ルト等の金属が除去され、しかも基材の表面に凹凸や細
孔が生じる。その結果、後述する気相法によるダイヤモ
ンド膜の合成時に、生成するダイヤモンド膜が表面の凹
凸や細孔に入り込み、基材への密着性に優れたダイヤモ
ンド膜を合成することができるのである。
能な方法であれば特に制限はないが、例えば、研磨剤を
アセトン等の有機溶媒中に分散させ、その溶液に基板を
入れて超音波洗浄を行なう方法、研磨剤を塗布した支持
台上に基板を置き、手動で基板と研磨剤とを擦り合せる
手研磨法等を挙げることができる。
は、例えば、ダイヤモンド粉、SiC粉等を挙げること
ができる。その中でも、特にダイヤモンド粉が好まし
い。
における前記研磨剤の分散濃度としては、0.05〜1
0g/100ccであるのが好ましい。研磨剤の分散濃
度が0.05g/100ccより小さい場合には、傷付
の効果が十分ではない。また、研磨剤の分散濃度を10
g/100ccより大きくしても、それ以上の効果は得
られない。
は、通常15秒〜2時間が好ましく、特に30秒〜60
分が好ましい。洗浄時間が15秒よりも短い場合には、
基板の表面を十分に傷付けることができないことがあ
る。また、洗浄時間が2時間より長い場合には、その効
果が2時間洗浄を行なった場合に得られる効果と同等で
あり、長く行なったことによる更なる効果は得られない
ことがある。
洗浄を行なった後、基板をアセトン等の有機溶媒で数分
間洗浄し、基板上に付着した研磨剤を除去するのが良
い。
は、水もしくはアルコール等の有機溶媒に研磨剤を分散
させ、得られた分散溶液をガラス等の支持台上に塗布す
る。その後、前記分散溶液が塗布された支持台上に基板
をのせ、手動により基板と分散溶液とを擦りあわせて研
磨する。
常10秒〜5分が好ましい。研磨時間が10秒より短い
場合には、十分な表面処理を行なうことができない。研
磨時間が5分より長い場合には、必要以上に基板の表面
が傷つき、基板が削りとられることがある。
の薄層を被覆する。
ンドの他に、ダイヤモンド状炭素を一部において含有す
るダイヤモンドおよびダイヤモンド状炭素を含む。
は、従来から各種の方法が知られており、特に限定はな
いが、本発明の方法においては、以下に示すように、炭
素源ガスを使用する気相合成法を好適に採用することが
できる。
ン、エタン、プロパン、ブタン等のパラフィン系炭化水
素;エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン系
炭化水素;アセチレン、アリレン等のアセチレン系炭化
水素;ブタジエン、アレン等のジオレフィン系炭化水
素;シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、
シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;シクロブタジエ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン等の芳
香族炭化水素;アセトン、ジエチルケトン、ベンゾフェ
ノン等のケトン類;メタノール、エタノール等のアルコ
ール類;このほかの含酸素炭化水素;トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン等のアミン類;このほかの含窒素
炭化水素;炭酸ガス、一酸化炭素、過酸化炭素等を挙げ
ることができる。また前記各種の化合物を混合して使用
することもできる。
タン、プロパン等のパラフィン系炭化水素、エタノー
ル、メタノール等のアルコール類、アセトン、ベンゾフ
ェノン等のケトン類、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン等のアミン類、炭酸ガス、一酸化炭素であり、特に
一酸化炭素が好ましい。
二種以上を混合ガス等として併用してもよい。
ム、アルゴン、ネオン、キセノン、窒素等の不活性ガス
と混合して用いても良い。
知の方法、例えば、CVD法、PVD法、PCVD法、
あるいはこれらを組み合わせた方法等、各種のダイヤモ
ンド類薄層気相合成法を使用することができ、これらの
中でも、通常、EACVD法を含めた各種の熱フィラメ
ント法、熱プラズマ法を含めた各種の直流プラズマCV
D法、熱プラズマ法を含めたマイクロ波プラズマCVD
法等を好適に使用することができる。
は、特に制限はなく、前記の気相合成法に通常用いられ
る反応条件を適用することができる。
〜103 Torrが好ましく、特に1〜800Torr
の範囲内であるのが好ましい。
には、ダイヤモンド類の薄層の形成速度が遅くなること
がある。また、103 Torrより高い場合には、10
3 Torrの時に得られる効果に比べて、それ以上の効
果がない。
スの活性化手段等により異なるので、一概に規定するこ
とはできないが、通常、300〜1,000℃、好まし
くは、450〜950℃の範囲内にするのがよい。
結晶性のダイヤモンド類の薄層の形成が不十分になるこ
とがある。また、温度が1,000℃を超える場合にお
いては、炭素源ガスの濃度等にもよるが、形成されたダ
イヤモンド類の薄層のエッチングおよびダイヤモンドの
グラファイト化が生じ易くなる。
ヤモンド類の薄層が所望の厚みとなるように、ダイヤモ
ンド類の薄層の形成速度に応じて適宜に設定するのが好
ましい。
類の薄層の厚みは、ダイヤモンド類被覆部材の使用目的
等により異なるので一律に定めることはできないが、工
具の場合、通常は5μm以上、好ましくは、10〜50
μm以上が適当である。ダイヤモンド類の薄層が薄すぎ
る場合には、基材の表面を十分に被覆することができな
いことがある。
ダイヤモンド類被覆部材を製造することができる。
iC組成のJIS SPGN120308シャープエッ
ヂ形状の切削チップを基材として、実施例1〜3および
比較例についてそれぞれ基材加工および密着性改良処理
を施した。
先部分を機械加工することにより、基材の刃先部分にお
いてすくい面に対して2度の角度で下降するところの、
刃先先端からの寸法(L1)が2mmの傾斜平坦面を形
成し、窒素とアルゴンとを含有する不活性ガス雰囲気
(N2 とArとの混合ガス。ただし、N2 100Tor
r。全圧10気圧)で1,400℃に1時間かけて密着
性向上のための加熱処理をした。
械加工することにより、基材の刃先部分においてすくい
面に対して2度の角度で下降するところの、刃先先端か
らの寸法(L1)が、1mmの傾斜平坦面と、基材の刃
先部分において逃げ面に対して5度の角度で傾斜すると
ころの、刃先先端からの寸法(L2)が1mmの傾斜面
とを形成し、窒素とアルゴンとを含有する不活性ガス雰
囲気(N2 とArとの混合ガス。ただし、N2 100T
orr。全圧10気圧)で1,400℃に1時間かけて
密着性向上処理をした。
械加工せず、BNのるつぼ中に載置したBN敷板上に前
記基材を収容し、窒素とアルゴンとを含有する不活性ガ
ス雰囲気(N2 とArとの混合ガス。ただし、N2 70
Torr。全圧10気圧)で1,400℃に1時間かけ
て加熱し、刃先からの寸法Lが19.7mmの部分に曲
率半径が5,000mmとなるように反り加工を施し
た。比較例1においては、基材に特に加工をせず、窒素
とアルゴンとを含有する不活性ガス雰囲気(N2 とAr
との混合ガス。ただし、N2 100Torr。全圧10
気圧)で1,400℃に1時間かけて密着性向上処理を
した。
イクロ波プラズマCVD法により、基材の表面にダイヤ
モンド被覆を行なった。マイクロ波プラズマCVD法の
条件を以下に示す。
m下げる。
いてすくい面の盛り上がりの分布、ダイヤモンド膜の厚
みおよび切削寿命について評価した。以下各評価項目に
ついて説明する。
上がりの高さが、全く同じであるとしても、その分布が
異なれば切削寿命に及ぼす影響は同じではない。
る。
い面に同じ高さの盛り上がりが生じたダイヤモンド被覆
切削チップの断面図である(図面の表示を簡潔にする目
的でダイヤモンド膜と基材との断面の区別は省略してあ
る。また、ダイヤモンド膜の盛り上がりは、説明のため
に、チップに比べ誇張して示してある。さらに、図4お
よび図5中には、説明のため平坦な板6を示してあ
る)。
すると、図4のチップの方が明らかに図5のチップに比
べ、より欠けやすいなどの問題を有するため好ましくな
い。
に評価するために次式で示される平坦度率を定義し、盛
り上がりの分布を評価した。
圧紙に、すくい面を下にして、チップを押し付けたとき
の変色域の面積であり、SO は、すくい面が平坦なチッ
プを押し付けたときの変色域の面積で代用することので
きるすくい面の面積の計算値である。aは正負の符合を
付けるために用いたパラメータであり、変色域が中心部
の外側にあるとき、すなわちエッヂが中央より盛り上が
っている場合には+1とし、変色域が中心部にある場
合、すなわちが、中心部がエッヂより盛り上がっている
場合にはー1とした。なお、完全に平坦な場合はときに
は、平坦度率100%とした。
して示した。
SEM観察によりチップ刃先部のダイヤの膜厚を測定し
た。結果を表1中に刃先ダイヤ膜厚として示した。
るため、ダイヤモンド被覆チップを工具ホルダーに取り
付け、アルミ合金の円筒長手方向旋削を行なった。切削
速度760m/分、送り0.2mm/rev、切込み
0.7の条件で切削し、逃げ面摩耗幅が最大である30
0μmに達したときの切削距離を測定した。
その4つの切削距離の平均値を切削寿命として表1中に
示した。
刃先部を、予め特定な形状に加工しておくことにより、
気相法によるダイヤモンド被覆に際し、刃先部のすくい
面に盛り上がりを生じさせることなく、刃先部に重点的
にダイヤモンド被覆をすることができる。その結果、耐
摩耗性およびホルダー等への取り付け安定性に優れ、切
削寿命が著しく向上したダイヤモンド被覆切削工具を得
ることができる。
図である。
す説明図である。
示す説明図である。
評価方法の説明図である。
評価方法の説明図である。
・・・すくい面に形成した面取り、5・・・逃げ面に形
成した面取り、6・・・板、7・・・ダイヤモンド被覆
切削チップ
Claims (4)
- 【請求項1】 超硬合金又はサーメットからなる基材の
すくい面から刃の稜線に向かって下降傾斜する傾斜面を
形成してなり、前記傾斜面の角度が、すくい面に対して
1〜30度であり、かつ前記傾斜面の長さが0.25〜
3mmである基材上に、気相法によるダイヤモンド合成
を行ってダイヤモンド被覆を形成して成ることを特徴と
するダイヤモンド被覆切削工具。 - 【請求項2】 超硬合金又はサーメットからなる基材の
すくい面から刃の稜線に向かって下降傾斜する湾曲面を
形成してなり、前記刃の稜線から形成される前記湾曲面
のすくい面に向かう長さが0.25〜3mmであり、か
つその湾曲面のRが以下の式を満たす基材に、気相法に
よるダイヤモンド合成を行ってダイヤモンド被覆を形成
して成ることを特徴とするダイヤモンド被覆切削工具。 △t=R{1−cos(L/R)} (ただし、△tは基材の刃先のすくい面の表面に被覆さ
れるダイヤモンド膜の厚みtと基材すくい面の中央部分
のダイヤモンド膜の厚みt0 との差を示し、Rは湾曲
面の曲率半径を示し、Lは湾曲面における刃先端からの
長さを示す。) - 【請求項3】 前記傾斜面を面取り加工により形成する
請求項1または2に記載のダイヤモンド被覆切削工具。 - 【請求項4】 前記傾斜面を反り加工により形成する請
求項1〜3の何れか一項に記載のダイヤモンド被覆切削
工具。
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JP16484093A JP3520098B2 (ja) | 1993-07-02 | 1993-07-02 | ダイヤモンド被覆切削工具 |
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Family
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Family Applications (1)
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-
1993
- 1993-07-02 JP JP16484093A patent/JP3520098B2/ja not_active Expired - Fee Related
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