JPH0623431B2 - 硬質被膜被覆切削工具部材 - Google Patents

硬質被膜被覆切削工具部材

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JPH0623431B2
JPH0623431B2 JP8409388A JP8409388A JPH0623431B2 JP H0623431 B2 JPH0623431 B2 JP H0623431B2 JP 8409388 A JP8409388 A JP 8409388A JP 8409388 A JP8409388 A JP 8409388A JP H0623431 B2 JPH0623431 B2 JP H0623431B2
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diamond
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cutting
coated
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JP8409388A
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一隆 神田
精己 竹端
昇一 吉田
憲一郎 山岸
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Fujikoshi KK
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は非鉄金属、セラミックスおよび複合材料の切削
において高い耐摩耗性と耐溶着性を示す硬質被膜被覆切
削工具部材に関する。
(従来の技術) 従来、切削工具基材としては拘束度工具鋼、炭化タング
ステン基超硬合金、サーメットないしはセラミックスが
一般に用いられており、さらに近年はそれらにより高い
耐摩耗性を付与せしめるため、例えば特公昭54-24914あ
るいは特公昭62-56231に示されるごとく、それらの表面
にチタンの窒化物、炭化物、炭窒化物および酸化アルミ
ニウムの単層ないしは複層から成る硬質層を被覆した切
削工具部材も用いられている。
しかし、これらの工具部材は、例えば Al-Si合金、 FRP
などのようにその材料内に硬質物質を含む材料を高速で
切削した場合には耐摩耗性の不足から工具寿命が短く、
より高い耐摩耗性を持つ切削工具が求められていた。
これに対し、単結晶ダイヤモンドまたは焼結ダイヤモン
ド切削工具はダイヤモンドが現存する物質中で最高の高
度を持つことから上記の被削材の切削においても非常に
高い耐摩耗性を持つことが知られており、また被削材の
溶着も少ないという特徴を持っている。しかし、これら
のダイヤモンド切削工具は高価でありまた複雑形状に加
工することが難しい。
近年ダイヤモンドの気相合成技術が進展し、熱フィラメ
ント法、直流放電 CVD法、マイクロ波放電法あるいは高
周波放電法などでダイヤモンドないしはダイヤモンド状
硬質炭素膜(以下ダイヤモンド膜と総称する)の合成が
行われるようになり、切削工具への応用も試みられてい
る。しかしながら、ダイヤモンド膜は従来のセラミック
ス硬質被膜に較べ基材との間の密着性が不足しているた
め、切削時に膜に強い応力がかかった場合、膜が基材か
ら剥離してしまうという問題点があった。
(本発明が解決しようとする課題) ダイヤモンド膜は従来のセラミックス膜に較べ、工具基
材との間の密着性が低く剥離しやすいと言われている。
これはダイヤモンドが工具用基材との間で相互拡散層を
作りにくいこと、熱膨張係数が母材と大きく異なるため
ダイヤモンド合成時の基材の温度 700℃〜1200℃から室
温まで冷却した場合ダイヤモンド膜に大きな圧縮応力が
残っているためと考えられる。
本発明者らがダイヤモンド被覆を施した切削工具を用い
て種々の条件にて Al-Si合金の切削試験を行いダイヤモ
ンド膜の剥離の様子を調べた結果、刃先にかかる応力が
大きい場合および被削材の切削工具刃先への溶着の起こ
りやすい条件下でダイヤモンド膜の剥離が起きやすい傾
向のあることが判った。次いで、この試験で用いた切削
工具上のダイヤモンド膜を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、ダイヤモンド膜は自形面を持った多結晶から成り起
状の激しい表面構造を持っていた。
ダイヤモンド膜の成長過程を観察した場合、核発生後の
ダイヤモンド粒は時間とともに成長し、やがて付近のダ
イヤモンド粒と接触し膜を形成する。そして、膜となっ
た後はダイヤモンド粒の選択的な成長が起こり、膜の表
面から観察したダイヤモンド粒の平均粒径は増大し表面
粗さも増すのであるが、その過程の途中で新たなダイヤ
モンド粒の核発生が起こり、表面粗さの急激な増加は抑
えられる。しかし、自形面を持った高硬度のダイヤモン
ドから成る膜を合成する場合にはある程度膜の表面が粗
くなるのは避けがたい。
本発明者らはダイヤモンド膜がその表面に激しい起状を
持っているため、被削材の流れに対する摩擦抵抗が大き
くなり、膜が剥離しやすくなっているとともに被削材の
溶着をも助長していると判断した。そこで膜表面の起状
を少なくするため切削工具基体上へダイヤモンドの被覆
を行った後ダイヤモンドの微粉末を用いて基体表面をラ
ッピングにより鏡面に研磨し切削試験を行った。その結
果、切削工具刃先への被削材の溶着が焼結ダイヤモンド
と同じ程度となり切削工具寿命も格段に延びることが判
った。しかし、ダイヤモンド膜を被覆後切削工具表面を
さらに鏡面研磨する方法はダイヤモンド膜を研磨中に剥
離させる危険が大きく、また複雑な形状の工具にはこの
方法は適用できないなどの欠点があり実用化する上で問
題が多い。
(課題を解決するための手段) ダイヤモンド膜の表面の起状を小さくすることによって
切削工具刃先への被削材の溶着が減少し耐剥離性が向上
することから、本発明者らは切削工具基体表面に先ず自
形面を持った高硬度の多結晶ダイヤモンド膜を被覆し、
次いでその外層に自形面を持たないアモルファス硬質炭
素膜を被覆することによってその表面を平滑にすること
を考案するに到った。
ダイヤモンドのビッカース硬度が 7000〜10000kg/mm2
あるのに対し、アモルファス硬質炭素膜はその合成条件
によって硬度が大きく変わり、そのビッカース硬度は10
00 kg/mm2 以下から約7000kg/mm2まで分布し、合成雰囲
気中に水素が含まれる場合には合成温度が低いほど膜内
に水素を多く含むようになる。また、ラマン分光器を用
いてラマンスペクトルを測定した場合、ダイヤモンドな
いしはダイヤモンド状硬質炭素膜がスペクトル中に少な
くとも1330cm-1付近にシヤープなピークを持つのに対
し、アモルファス硬質炭素膜は1450〜1660cm-1に最大値
を持つ半価幅の広いピークを有する。本発明のねらいと
するアモルファス硬質炭素膜はこのうちビッカース硬度
が2000kg/mm2以上のものでi-カーボンあるいはアモルフ
ァスダイヤと呼ばれ、切削工具に用いても十分に高い耐
摩耗性を示すものである。
アモルファス炭素膜はまた自形面を持たない状態で合成
されるため、切削工具内層に被覆された自形面をダイヤ
モンド膜の起状を平滑にする効果があり、被削材の溶着
の減少および被削材と硬質被膜との間の摩擦抵抗の減少
が期待される。
超硬合金基体から成る切削工具上にダイヤモンド膜を被
覆して切削工具の寿命延長効果が認められるのは膜の厚
さが0.5μm以上の場合であるが、100μmを越えてダイ
ヤモンド膜を被覆しようとすると、超硬合金とダイヤモ
ンドの熱膨張係数が違うことからダイヤモンド膜を被覆
後部材を室温まで冷却する途中で膜が基体から剥離して
しまう。
そこで本発明者らは、この範囲内の厚さで超硬合金母材
から成る切削工具上へ直流防電 CVD法およびマイクロ波
放電法により自形面を持つダイヤモンド膜を合成し観察
した。その結果、ダイヤモンド粒の大きさと膜表面の粗
さは合成条件、基材上の位置および合成時間すなわち膜
厚によって変化するのであるが、膜厚をパラメータとし
て膜表面の粗さを与えると膜厚が2μm付近における起
状の幅は 0.1〜1μm、膜厚 10μm付近では 0.5〜2μ
m、膜厚が50μm付近では 2〜5μmであった。次い
で、これらのダイヤモンド膜の外層に高周波CVD 法にて
アモルファス硬質炭素膜をダイヤモンド膜の 1/2の厚さ
を目標に被覆したところ、その表面粗さがアモルファス
硬質炭素膜を被覆する前の膜 1/3以下に減少した。
ダイヤモンド膜の外層に被覆するアモルファス硬質炭素
膜の厚さはダイヤモンド膜の表面粗さによって変えられ
るべきものであり、ダイヤモンド膜の表面粗さが0.5μ
mであればアモルファス硬質炭素膜の厚さは0.5μmで
基体表面が十分に滑らかとなるが、ダイヤモンド膜の厚
さが100μm付近ではその表面粗さが約5μmとなりこれ
を平滑にするためには25μmのアモルファス硬質炭素膜
を被覆する必要がある。
以下に本発明の具体的な実施例を示す。
(実施例) メタンおよび水素の混合ガスを真空槽内に導入し、該真
空槽内に備えたフィラメントと陽極の間に直流放電プラ
ズマを発生させた。陽極上に置いたWC-Co基超硬合金か
ら成るSNGA120408型の切削用チップにダイヤモンド膜の
被覆を行った。このときのダイヤモンドの合成条件はメ
タンの流量が10SCCM、水素の流量が 500SCCM、フィラメ
ントと基材の距離が 3cm、フィラメントの温度が約2100
℃、フィラメントと陽極間の電流が 3Aで 3時間合成を
行った。この試料を光学顕微鏡で調べたところダイヤモ
ンドは自形面を持った多結晶から成っており、その表面
粗さが約1μmであった。
次いで、この基体上にメタンを原料とし、容量結合型高
周波プラズマ CVD装置を用いて150Wの出力で 3時間アモ
ルファス硬質炭素膜を被覆し観察したところ起状差が0.
5μm以下の滑らかな表面が得られた。
この本発明被覆切削用チップと前記の条件でダイヤモン
ド膜のみを被覆した切削用チップを用いて以下の条件で
切削試験を行った。
被削材 Al-Si合金(Siを13%含有) 切削速度 800m/min 切込み深さ 0.2mm 送り速度 0.15mm/rev 切削方式 乾式連続切削 この結果、ダイヤモンド膜のみを被覆した超硬チップが
1時間切削後刃先のダイヤモンド膜が剥離し逃げ面摩耗
が進行していたのに対し、本発明切削用チップは3時間
切削後も刃先の硬質被膜が残っており、刃先への被削材
の溶着もダイヤモンド膜のみを被覆した切削用チップに
較べて少なかった。
切削試験の後、これらの切削用チップを切断しダイヤモ
ンド膜およびアモルファス硬質炭素膜の厚さを調べたと
ころ、本発明切削用チップはダイヤモンド膜の厚さが約
8μm、アモルファス硬質炭素膜の厚さが3μmであり、
ダイヤモンド膜のみを被覆した比較用チップの膜厚は約
8μmであった。
本実施例ではダイヤモンド膜の被覆を直流放電プラズマ
法にて行ったが、これは熱フィラメントを用いた CVD
法、マイクロ波ないしは高周波を用いた CVD法などの公
知の手段によって行うことができ、またアモルファス硬
質炭素膜の被覆も本実施例の他に直流放電法、マイクロ
波放電法などの公知の方法によって行うことができる。
(効果) 本発明による硬質被膜被覆切削工具は、高い耐摩耗性を
持つダイヤモンド膜を内層に被覆し、外層にアモルファ
ス硬質炭素膜を被覆し表面を平滑にしたことにより耐溶
着性および耐剥離性が増し非鉄金属、焼結セラミック
ス、 FRPなどの複合材料の切削において長時間にわたり
優れた切削性能を維持することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬質被膜を被覆した切削工具部材におい
    て、基材に接する最内層の被膜が自形面を持つ多結晶ダ
    イヤモンドないしはダイヤモンド状炭素膜から成り、該
    被膜の外層に自形面を持たないアモルファス状硬質炭素
    膜を被覆したことを特徴とする硬質被膜被覆切削工具部
    材。
  2. 【請求項2】自形面を持つダイヤモンドないしはダイヤ
    モンド状炭素膜の厚さが 0.5〜100μmであり、アモル
    ファス状硬質炭素膜の厚さが0.5μm〜25μmであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の硬質被膜被覆切削工具部
    材。
  3. 【請求項3】上記切削工具部材の基体が炭化タングステ
    ンを主成分とする超硬合金であることを特徴とする請求
    項1記載の硬質被膜被覆切削工具。
JP8409388A 1988-04-07 1988-04-07 硬質被膜被覆切削工具部材 Expired - Lifetime JPH0623431B2 (ja)

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JP5488878B2 (ja) * 2009-09-17 2014-05-14 三菱マテリアル株式会社 硬質炭素膜被覆切削工具
JP5590334B2 (ja) * 2011-02-28 2014-09-17 三菱マテリアル株式会社 ダイヤモンド被覆切削工具
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