JP3518819B2 - チアゾール誘導体結晶 - Google Patents

チアゾール誘導体結晶

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、新規なチアゾール誘導
体結晶に関する。 【0002】 【従来の技術】2−(2−アミノチアゾール−4−イ
ル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸及びその誘導体のよう
な、一般式(II) 【0003】 【化2】 (但し、Rは水素原子またはアルコキシカルボニル基で
ある)で示されるチアゾール誘導体は、医薬品製造の中
間体として有用であり、例えばセフェム系、セファロス
ポリン系等の抗生物質の側鎖として用いられる重要な化
合物である。 【0004】上記チアゾール誘導体は、β−ラクタム系
化合物、例えば7−アミノセファロスポラン酸等とアミ
ド化反応によって結合され、抗生物質の基本骨格が作ら
れる。その際、上記化合物のヒドロキシイミノ基は反応
性が高いため、何らかの保護基で保護しておく必要があ
る。ヒドロキシイミノ基の保護基としては、トリフェニ
ルメチル基が好適である。 【0005】かかるヒドロキシイミノ基を保護したチア
ゾール誘導体を得る方法としては、2−(2−t−ブト
キシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−ヒ
ドロキシイミノ酢酸を塩化トリフェニルメチルと反応さ
せて、2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノチアゾ
ール−4−イル)−2−トリフェニルメチルオキシイミ
ノ酢酸を含む反応液を得、次いで、この反応液から該化
合物を酢酸エチルで抽出した後濃縮し、得られた残留液
とジクロロメタンとを混合してこの化合物を晶析させる
方法が知られている(特開平5−59066号公報)。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明者等が上記方法
を追試したところ、電子顕微鏡による観察で、結晶構造
が図4に示されるような板状結晶からなるチアゾール誘
導体が得られた。ところが、かかる板状結晶からなるチ
アゾール誘導体結晶は、晶析液からの結晶の濾過及び続
く濾過された結晶の洗浄の操作性が極端に悪く、濾過時
間が長くかかる上に、濾過物がブロック状に固まって堅
い塊となるものであった。従って、大量スケールで合成
を行う場合には、結晶の取り出し操作が、粉砕を伴う非
常に煩雑なものとなり、工業的なプロセスとしては満足
できるものではなかった。 【0007】以上の背景にあって本発明は、晶析液から
の濾過性が良好で、得られた結晶の取扱い性も良好な上
記チアゾール誘導体結晶を開発することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討した。その結果、特定のX線回折像を有
するチアゾール誘導体結晶により、上記の課題が解決で
きることを見いだし本発明を完成するに至った。 【0009】即ち、本発明は、面間隔d=2.1nm付
近、1.1nm付近、0.72nm付近、0.61nm
付近及び0.45nm付近に回析ピークを持ち、面間隔
d=0.69nm付近、0.38nm付近及び0.36
nm付近に回析ピークを持たないX線回折像を有する一
般式(I) 【0010】 【化3】 (但し、Rは水素原子またはアルコキシカルボニル基で
ある)で示されるチアゾール誘導体結晶である。 【0011】一般式(I)で示されるチアゾール誘導体
においてRは、水素原子またはアルコキシカルボニル基
である。 【0012】本発明において好適に用いられるアルコキ
シカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エト
キシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、t−
ブトキシカルボニル基等のアルコキシ基部の炭素数が1
〜4の基を挙げることができる。中でも保護反応の簡便
さ、及び脱保護後の精製の容易さを考慮すると、t−ブ
トキシカルボニル基を好適に採用することができる。 【0013】本発明に用い得る上記一般式(I)で示さ
れるチアゾール誘導体を具体的に例示すると、例えば、
2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−トリフ
ェニルメチルオキシイミノ酢酸、2−(2−メトキシカ
ルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−トリフェ
ニルメチルオキシイミノ酢酸、2−(2−エトキシカル
ボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−トリフェニ
ルメチルオキシイミノ酢酸、2−(2−i−プロポキシ
カルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−トリフ
ェニルメチルオキシイミノ酢酸、2−(2−t−ブトキ
シカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−トリ
フェニルメチルオキシイミノ酢酸等を挙げることができ
る。 【0014】なお、上記式(I)で示されるチアゾール
誘導体において、オキシイミノ基に関して理論的にシン
およびアンチの両異性体が存在し得るが、本発明におい
ては両者とも同様に用いることができる。 【0015】本発明において、上記一般式(I)で示さ
れるチアゾール誘導体は、面間隔d=2.1nm付近、
1.1nm付近、0.72nm付近、0.61nm付近
及び0.45nm付近に回析ピークを持ち、面間隔d=
0.69nm付近、0.38nm付近及び0.36nm
付近に回析ピークを持たないX線回折像を有する結晶の
形態にある。図1に、一般式(I)で示されるチアゾー
ル誘導体の代表的化合物である2−(2−t−ブトキシ
カルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−トリフ
ェニルメチルオキシイミノ酢酸について、本発明の結晶
構造にあるもののX線回折像を示す。また、図2に、前
記した特開平5−59066号公報の方法により得られ
た従来の該化合物の結晶のX線回折像を示す。 【0016】図1に示される本発明のチアゾール誘導体
結晶のX線回折像は、面間隔d=2.1nm付近、1.
1nm付近、0.72nm付近、0.61nm付近及び
0.45nm付近にそれぞれ明確に回析ピークが認めら
れる。これらの各回析ピークは、図2に示される従来の
チアゾール誘導体結晶のX線回折像においても、対応す
る面間隔dの付近に認められ、このことから該回析ピー
クがかかるチアゾール誘導体の結晶が備える特徴的なピ
ークであることが解る。なお、本発明のチアゾール誘導
体結晶は、このX線回折像における0.45nm付近の
回析ピークの半価幅が、0.03〜0.05nmと大き
い値にある。 【0017】一方、図2に示される従来のチアゾール誘
導体結晶のX線回折像では、面間隔d=0.69nm付
近、0.38nm付近及び0.36nm付近にも、それ
ぞれ回析ピークが認められる。これに対して、図1に示
される本発明のチアゾール誘導体結晶のX線回折像で
は、これに対応する各面間隔dには回析ピークは認めら
れない。このように、本発明のチアゾール誘導体結晶
は、上記面間隔d=0.69nm付近、0.38nm付
近及び0.36nm付近に回析ピークを持たない点に特
異性を有するものである。 【0018】なお、本発明において、回析ピークとは、
明確に結晶性ピークとして認められるだけの強度を有す
るものであり、ノイズに属する微弱なものや過度にブロ
ードに広がってピークとして突出していないものは除外
する。 【0019】以上のX線回折像を有する本発明のチアゾ
ール誘導体結晶は、晶析液からの結晶の濾過性が良く、
また、濾過物も堅く固化せず取扱い性が極めて良好であ
る。このチアゾール誘導体結晶は、電子顕微鏡により、
図3に示す如く柱状結晶として観察され、外観上も、前
記の如く板状結晶として観察される従来のチアゾール誘
導体結晶と明確に相違する。この柱状結晶は、通常、長
さが15〜50μm、アスペクト比が10〜60であ
る。本発明のチアゾール誘導体結晶は、こうした長さ及
びアスペクト比にある柱状結晶から実質的になる結晶の
集合物として得られる。 【0020】本発明のチアゾール誘導体結晶は、如何な
る方法により得られたものであっても良い。好適には、
一般式(I) 【0021】 【化4】 (但し、Rは水素原子またはアルコキシカルボニル基で
ある)で示されるチアゾール誘導体の溶液と、比誘電率
が4.5以下の有機溶媒とを混合し、上記チアゾール誘
導体を晶析させることにより簡単に得られる。 【0022】ここで、上記一般式(I)で示されるチア
ゾール誘導体を溶解させる良溶媒としては、該化合物に
対して溶解性を有する有機溶媒が何等制限なく使用でき
る。例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン
等のアミド類;アセトニトリル等のニトリル類;1,4
−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ア
セトン、メチルエチルケトン、メチル−i−ブチルケト
ン等のケトン類;メタノール、エタノール等のアルコー
ル類が好適に使用される。溶解されるチアゾール誘導体
の濃度としては、通常、0.1〜80重量%、好ましく
は1〜70重量%、更に好ましくは5〜50重量%の範
囲から採用するのが好適である。 【0023】一方、この一般式(I)で示されるチアゾ
ール誘導体の溶液から該化合物を晶析させるための貧溶
媒として用いる比誘電率が4.5以下の有機溶媒として
は、特に制限されるものではないが、具体的にはジエチ
ルエーテル、ジ−i−プロピルエーテル、ジ−n−プロ
ピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−i−アミ
ルエーテル等の対称エーテル類;アニソール、エチルベ
ンジルエーテル等の非対称エーテル類;トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素類;ヘプタン等の炭化水素類等
を挙げることができる。このうちジ−i−プロピルエー
テルを用いるのが最も好ましい。これらの有機溶媒は、
単独で使用しても良いし、2種類以上の有機溶媒を混合
して使用しても一向に差し支えない。 【0024】使用する上記比誘電率を有する有機溶媒の
量としては特に制限されないが、あまり少ないと攪拌に
影響を及ぼし、あまり多いと生産効率が下がるため、一
般には、上記比誘電率を有する有機溶媒が、晶析させる
一般式(I)で示されるチアゾール誘導体に対して、
0.1ml/g〜100ml/g、好ましくは1ml/
g〜20ml/gの範囲が好適である。 【0025】ここで、ジクロロメタン等の比誘電率が
4.5より大きい有機溶媒を用いて晶析を行った場合、
得られる上記チアゾール誘導体結晶は、前記の様に板状
結晶からなる、本発明のものとは異なるX線回折像を有
するものとなり、濾過性が悪く濾過時間が長くかかる上
に、濾過物がブロック状に固まって堅い塊となる。ま
た、比誘電率が更に大きい有機溶媒、例えば、N,N−
ジメチルホルムアミド及びメタノール等を用いた場合、
該チアゾール誘導体の溶解度が大きいために収率が低く
なり、晶析条件によってはチアゾール誘導体が有機溶媒
中に溶解したまま晶析されなくなる。 【0026】本反応における晶析温度としては特に制限
されないが、あまり温度が低いと分離効率が悪くなり、
逆に温度が高いと目的物の収率が下がるため、通常−2
0℃〜60℃の範囲、好ましくは−10〜40℃の範囲
で行うのがよい。 【0027】晶析した結晶の分離は、公知の固液分離方
法が何等制限されず採用される。例えば、自然濾過、加
圧濾過、吸引濾過等の公知の濾過方法、デカンテーショ
ン、あるいは遠心分離等の方法を採用することができ
る。 【0028】本発明において、こうした一般式(I)で
示されるチアゾール誘導体結晶の晶析は、該化合物を合
成し、この化合物が溶解する反応液、或いはこの反応液
からの該化合物の抽出液に対して施すのが一般的であ
る。このチアゾール誘導体の合成は、如何なる方法によ
り行われたものであっても良いが、通常は、一般式(I
I) 【0029】 【化5】 (但し、Rは水素原子またはアルコキシカルボニル基で
ある。)で示されるチアゾール誘導体を、ハロゲン化ト
リフェニルメチルと反応させて、そのヒドロキシイミノ
基を保護する方法が好適である。 【0030】上記一般式(II)中、Rは一般式(I)と
同様である。上記一般式(II)で示されるチアゾール誘
導体を具体的に例示すると、例えば、2−(2−アミノ
チアゾール−4−イル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸、
2−(2−メトキシカルボニルアミノチアゾール−4−
イル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸、2−(2−エトキ
シカルボニルアミノチアゾール−4−イル)−2−ヒド
ロキシイミノ酢酸、2−(2−i−プロポキシカルボニ
ルアミノチアゾール−4−イル)−2−ヒドロキシイミ
ノ酢酸、2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノチア
ゾール−4−イル)−2−ヒドロキシイミノ酢酸等を挙
げることができる。 【0031】一方、ハロゲン化トリフェニルメチルは、
特に限定されるものではないが、好適には、塩化トリフ
ェニルメチル、臭化トリフェニルメチルが挙げられる。 【0032】このハロゲン化トリフェニルメチルは、原
料であるチアゾール誘導体に対して等量以上用いれば特
に制限されるものではない。ただ、あまり過剰に使用す
ると経済的に有利でなく、原料に対して3倍当量までの
範囲であることが好ましく、更には2倍当量までの範囲
であることが好ましい。ここで、ハロゲン化トリフェニ
ルメチルは、細かく粉砕して用いたり、溶媒に溶解させ
て添加したり、適宜分割投与したりしてもよい。 【0033】反応溶媒は、通常、前記したチアゾール誘
導体の良溶媒として例示したものが制限なく好適に使用
される。 【0034】反応系中には、反応によって発生するハロ
ゲン化水素を中和するために、塩基を存在させることが
好ましい。塩基としては特に限定されるものではない
が、トリエチルアミン、ピリジン、4−N,N−ジメチ
ルアミノピリジン等の有機アミン類;炭酸カリウム等の
無機塩基が好適に挙げられる。 【0035】塩基の使用量としては、ハロゲン化トリフ
ェニルメチルに対して1.0〜3.0倍当量、さらには
1.0〜2.0倍当量の範囲であることが好ましい。 【0036】反応温度は、あまり高すぎると副生成物が
増加し、逆にあまり低すぎると反応速度が遅くなるた
め、−30℃〜60℃、好ましくは−10℃〜40℃の
範囲の温度を採用することが好ましい。 【0037】以上の反応終了後、必要に応じて残留する
塩基を中和等の手段で除くことにより、一般式(I)で
示されるチアゾール誘導体が溶解する反応液が得られ
る。本発明では、かかる反応液に前記比誘電率が4.5
以下の有機溶媒を混合し、このチアゾール誘導体を晶析
させても良い。通常は、得られる上記チアゾール誘導体
の精製度を向上させるため、この反応液から該化合物を
前記した良溶媒に抽出し、この抽出液に上記比誘電率の
有機溶媒を混合することで晶析させるのが好ましい。こ
の場合、反応溶媒が、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチル
エチルケトン、メチル−i−ブチルケトン等の水と非相
溶性であるチアゾール誘導体の良溶媒である場合、該抽
出は、この反応液に水を混合することで容易に実施でき
る。また、この反応溶媒が、N,N−ジメチルホルムア
ミド等の水と相溶性のものである場合は、この反応液を
水と混合した後、得られた混合液に前記した水と非相溶
性であるチアゾール誘導体の良溶媒を混合することで、
容易に抽出することができる。 【0038】なお、このようにして得られた抽出液に
は、未反応の塩化トリフェニルメチルが水との接触によ
り加水分解されて生成したトリフェニルメチルアルコー
ルが共存している。そして、このトリフェニルメチルア
ルコールは、親油性が高く、親水性が低いため、上記チ
アゾール誘導体と分離するのが一般には困難である。こ
れに対して、本発明では、かかる抽出液に前記比誘電率
の有機溶媒を混合するに際し、該有機溶媒として特に比
誘電率が2.0〜4.5のものを用いれば、この抽出液
から、チアゾール誘導体のみを選択的に晶析させ、該ト
リフェニルメチルアルコールの混入が抑制されたチアゾ
ール誘導体結晶を得ることが可能になる。 【0039】また、こうしたチアゾール誘導体の反応液
や抽出液を、かかる晶析操作に供すに際しては、前記し
たチアゾール誘導体の好適な濃度でまで濃縮しておくの
が好ましい。 【0040】 【発明の効果】本発明のチアゾール誘導体結晶は、晶析
液からの濾過性が良く短時間に濾過できる。また、濾過
物は、堅く固化することがなく採取時等の取扱い性が極
めて良好である。従って、こうした性状は、該化合物を
工業的に大量に製造する場合においては、極めて有用で
ある。 【0041】 【実施例】以下、実施例および比較例を掲げて本発明を
説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるもので
はない。 【0042】なお、実施例および比較例において、濾過
物の性状の評価は、得られた濾過物が固化せず取り出し
が容易なるものを○、濾過物が堅く固化したものを×と
して評価した。 【0043】また、チアゾール誘導体結晶のX線回折像
は、X線回折装置(理学電機(株)製、RINT−14
00(商品名))を用い、CuKαで、2θを5度〜5
0度で測定した。測定条件は、管電圧50kV、管電流
200mA、サンプリング幅0.020度、走査速度
0.500度/min、発散スリット1/2度、散乱ス
リット1/2度、受光スリット0.15mm、モノクロ
メーター受光スリット0.45mmとした。 【0044】実施例1 攪拌器、温度計を備えた四つ口フラスコに、2−(2−
t−ブトキシカルボニルアミノチアゾール−4−イル)
−2−ヒドロキシイミノ酢酸57.5g(0.2mo
l)、炭酸カリウム61.6g(0.45mol)及び
N,N−ジメチルホルムアミド400mlを加え、更に
塩化トリフェニルメチル66.9g(0.24mol)
を添加して、25℃で3日間攪拌した。この反応液を氷
水1lに注ぎ、内温が10℃以下になるように保ちなが
ら濃塩酸74mlを加えた。酢酸エチル500mlで2
回抽出し、抽出液を水500ml、5%炭酸水素ナトリ
ウム水溶液500ml、2%塩酸、及び5%食塩水の順
で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残
渣にジ−i−プロピルエーテル(比誘電率3.9)10
00mlを加えて結晶化させた後、結晶を濾別し、ジ−
i−プロピルエーテル200mlで洗浄した。濾過は、
桐山ロート及び、5種B(No.5B、寸法95mm、
厚さ0.22mm))の桐山ロート用定量セルロース濾
紙(桐山製作所(有)製)を用い、水流ポンプで吸引す
ることにより行った。この時、反応液を移し始めてか
ら、ロートの濾過物上に液状部分がなくなるまでの時間
(以後この時間を濾過時間と称する)は5分50秒であ
った。また、得られた濾過物の性状を評価したところ○
であった。その後濾過物を取り出して乾燥することによ
り、白色固体88.9gを得た(収率84.0%)。 【0045】得られた結晶を高速液体クロマトグラフィ
ー(以下HPLCと略する)で定量したところ、99.
8%の純度で2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ
チアゾール−4−イル)−2−トリフェニルメチルオキ
シイミノ酢酸が得られた。この時、塩化トリフェニルメ
チルに由来するトリフェニルメチルアルコールは検出さ
れなかった。 【0046】また、この結晶を走査型電子顕微鏡(日本
電子(株)製、JSM−5400(商品名))によって
10000倍に拡大して観察したところ、図3に示す写
真の如くの柱状結晶が観察された。 【0047】さらに、この結晶のX線回折像を測定した
ところ、図1の回析像が得られた。この回折像による
と、上記結晶は、面間隔d(nm)=2.112nm、
1.133nm、0.720nm、0.609nm、及
び0.453nmに回折ピークを持ち、且つ0.69n
m付近、0.38nm付近及び0.36nmに回折ピー
クを持たないものであった。更に0.453nmの回折
ピークの半価幅が0.040nmであった。 【0048】比較例1 実施例1と同様の反応を行った後、反応液を氷水1lに
注ぎ、内温が10℃以下になるように保ちながら濃塩酸
74mlを加えた。酢酸エチル500mlで2回抽出
し、抽出液を水500ml、5%炭酸水素ナトリウム水
溶液500ml、2%塩酸、及び5%食塩水の順で洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残渣にジ
クロロメタン(比誘電率7.8)400mlを加えて結
晶化させた後、結晶を濾別した。この時の濾過時間は、
16分50秒もかかった。また、得られた濾過物の性状
を評価したところ×であった。その後ジクロロメタン2
00mlで洗浄、次いで乾燥することによって、白色固
体93.6gを得た(収率88.4%)。 【0049】得られた結晶をHPLCで定量したとこ
ろ、99.2%の純度で2−(2−t−ブトキシカルボ
ニルアミノチアゾール−4−イル)−2−トリフェニル
メチルオキシイミノ酢酸が得られた。この時、塩化トリ
フェニルメチルに由来するトリフェニルメチルアルコー
ルは検出されなかった。 【0050】また、生成物を走査型電子顕微鏡によって
10000倍に拡大して観察したところ、図3に示す写
真の如くの板状結晶が観察された。 【0051】さらに、この結晶のX線回折像を測定した
ところ、図2の回析像が得られた。この回折像による
と、上記結晶は、面間隔d(nm)=2.185nm、
1.197nm、1.156nm、0.723nm、
0.598nm及び0.450nmに回折ピークを持つ
上に、0.689nm、0.375nm及び0.364
nmにも回折ピークを持つものであった。更に、0.4
50nmの回折ピークの半価幅は0.010nmであっ
た。 【0052】実施例2〜5 表1に示した各種の原料を使用したこと以外は実施例1
と同様に操作し、その結果を表1及び表2に示した。 【0053】 【表1】【0054】 【表2】実施例6〜13 表2に示した各種の有機溶媒を使用したこと以外は実施
例1と同様に操作し、その結果を表3及び表4に示し
た。 【0055】 【表3】【0056】 【表4】
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のチアゾール誘導体結晶のX線回折像で
ある。 【図2】従来のチアゾール誘導体結晶のX線回折像であ
る。 【図3】本発明のチアゾール誘導体結晶の結晶構造を示
す写真である。 【図4】従来のチアゾール誘導体結晶の結晶構造を示す
写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 277/00 - 277/84 C07B 63/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】面間隔d=2.1nm付近、1.1nm付
    近、0.72nm付近、0.61nm付近及び0.45
    nm付近に回析ピークを持ち、面間隔d=0.69nm
    付近、0.38nm付近及び0.36nm付近に回析ピ
    ークを持たないX線回折像を有する一般式(I) 【化1】 (但し、Rは水素原子またはアルコキシカルボニル基で
    ある)で示されるチアゾール誘導体結晶。
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