JP3473976B2 - アラニルグルタミンの製造法 - Google Patents

アラニルグルタミンの製造法

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JP3473976B2 JP26697293A JP26697293A JP3473976B2 JP 3473976 B2 JP3473976 B2 JP 3473976B2 JP 26697293 A JP26697293 A JP 26697293A JP 26697293 A JP26697293 A JP 26697293A JP 3473976 B2 JP3473976 B2 JP 3473976B2
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義之 山田
和美 天津
幸輝 三村
康範 中口
浩行 新村
康幸 小野
豊 大澤
彰一 水滝
政次 河西
新二 富岡
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協和醗酵工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアラニルグルタミンの製
造法およびその中間体であるN−(2−置換)−プロピ
オニルグルタミン誘導体の製造法並びに該方法により製
造される新規N−(2−置換)−プロピオニルグルタミ
ン誘導体に関する。L−アラニル−L−グルタミンは、
L−グルタミンに比べて安定であり、且つ水に対する溶
解度が高いことから、L−グルタミンの安定誘導体とし
て輸液用原末等に用いられる。
【0002】
【従来の技術】アラニルグルタミンの製造法としては、
保護基を用いる方法、例えば、N−ベンジルオキシカ
ルボニルアラニン(以下、Z−アラニンと称する)と保
護グルタミンをジシクロヘキシルカルボジイミド(DC
C)で縮合し、脱保護して合成する方法〔Bull.Chem.So
c.Jpn., 34,739(1961)、Bull.Chem.Soc.Jpn., 35,1966
(1962) 〕、Z−アラニンと保護グルタミン酸−γ−メ
チルエステルをDCCで縮合し、脱保護後、アンモニア
と反応させて合成する方法〔Bull.Chem.Soc.Jpn.,37,20
0(1964)〕、Z−アラニンの活性エステルと無保護のグ
ルタミンを反応させ、脱保護して合成する方法〔欧州特
許第311057号〕等、N−カルボキシ無水物を経由する
方法〔ドイツ特許第3206784 号〕、2−ブロモプロピ
オニルクロリドを原料とし、2−ブロモプロピオニルグ
ルタミンを中間体として合成する方法〔Hoppe-Seyler's
Z.Physiol.Chem., 105 ,58(1919) 〕等が知られてい
る。
【0003】の保護基を用いる方法は脱保護が必要で
あり、操作が煩雑で安価にアラニルグルタミンを製造す
ることができない。の方法は、アラニンのN−カルボ
キシ無水物を用いる方法で保護基を必要としないが、ト
リぺプチド等の副生物が多く生成するため収率が低
く、また精製が困難である。の方法は、2−ブロモプ
ロピオニルクロリドとグルタミンとの反応において、水
との反応性の高い酸クロリドをグルタミンの水溶液に添
加しているため、目的の反応以外に酸クロリドの加水分
解反応が進行し、副生物が生成して収率が低い。ま
た、当該方法においては、生成した2−ブロモプロピオ
ニルグルタミンを有機溶媒を用いた抽出法で精製してい
るため収率が低く、かつ光学純度も低い。さらに、当該
方法においては、2−ブロモプロピオニルグルタミンの
アンモノリシスを高温で行っているため、副生成物が多
くかつ生成するアラニルグルタミンの光学純度も低下す
る傾向がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、工業
上、安価かつ高純度なアラニルグルタミンの製造法およ
びその中間体であるN−(2−置換)−プロピオニルグ
ルタミン誘導体の製造法並びに該方法により製造される
新規N−(2−置換)−プロピオニルグルタミン誘導体
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、式(II)
【0006】
【化5】
【0007】〔式中、Xはハロゲン原子、アルキルスル
ホニルオキシまたは置換もしくは非置換のアリールスル
ホニルオキシ基を表し、Halはハロゲン原子を表す〕
で表される2−置換−プロピオニルハライド〔以下、化
合物(II)と称する〕とグルタミンのアルカリ水溶液
とを、水と混和しない有機溶媒存在下に反応させること
を特徴とする式(I)
【0008】
【化6】
【0009】〔式中、Xは前記と同義である〕で表され
るN−(2−置換)−プロピオニルグルタミン誘導体
〔以下、化合物(I)と称する〕の製造法並びに化合物
(I)を60℃以下でアンモニアと反応せしめること特
徴とするアラニルグルタミンの製造法に関する。式
(I)および式(II)の定義中、アルキルスルホニル
オキシ基のアルキル部分としては、炭素数1〜6の直鎖
もしくは分岐状アルキル基、例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブ
チル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等が包含さ
れ、アリールスルホニルオキシのアリール部分として
は、フェニル、ナフチル等が、置換アリールとしては、
トリル等がそれぞれ包含される。また、ハロゲン原子と
しては、塩素、臭素、ヨウ素の各原子が包含される。
【0010】本発明の化合物(I)の製造法において、
水と混和しない有機溶媒としては、エーテル、トルエ
ン、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、酢
酸エチル等が単独もしくは混合して用いられるが、トル
エン、クロロホルム、塩化メチレンが好適に用いられ
る。有機溶媒は、グルタミンのアルカリ水溶液に対し
て、0.1〜5倍量、好ましくは0.3〜1倍量用いら
れる。グルタミンのアルカリ水溶液としては反応を阻害
しないものであればとくに制限はなく、例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム等の無機アルカリ水溶液、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の有機ア
ルカリ水溶液があげられるが、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチ
ルアミンの水溶液が好適に用いられる。グルタミンは、
化合物(II)に対して、0.5〜2.0当量用いられ
るが、当量用いるのが好ましい。アルカリ水溶液に含ま
れるグルタミンの量としては、0.01〜3M、好まし
くは0.1〜1Mである。反応は、−5〜40℃、好ま
しくは、0〜10℃で行われ、0.1〜5時間、好まし
くは、0.5〜2時間で終了する。反応中、アルカリ水
溶液のpHは7〜11、好ましくは9〜10.5であ
る。反応の進行に伴いハロゲン化水素が生成するため、
反応液のpHは低下する。従って、反応中、反応液に塩
基を加えることにより、反応液のpHを上記の範囲に設
定することが好ましい。用いられる塩基は、反応を阻害
しない限りとくに制限はなく、例えば、水酸化ナトリウ
ム等の無機塩基、トリエチルアミン等の有機塩基等が用
いられる。
【0011】上記反応で使用した有機溶媒を分液等によ
り除去後、アルカリ水溶液に塩を加え、塩酸、硫酸等の
強酸でpH0.1〜4、好ましくはpH0.5〜2.5
に調整し、塩析することにより化合物(I)の結晶を収
率よく得ることができる。用いられる塩としては、例え
ば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等が
あげられるが、塩化ナトリウムが好適に用いられる。添
加する塩の量はとくに制限はないが、アルカリ水溶液が
その塩の飽和溶液になる量が好ましい。
【0012】本発明の化合物(I)のうち、下記式
(I’)
【0013】
【化7】
【0014】〔式中、X1 は塩素原子、ヨウ素原子、ア
ルキルスルホニルオキシまたは置換もしくは非置換のア
リールスルホニルオキシ基を表す〕で示される化合物
〔以下、化合物(I’)と称する〕およびその塩は、新
規化合物である。化合物(I’)の塩としては、化合物
(I’)のナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、
アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルア
ンモニウム等のアンモニウム塩、ピリジニウム塩等があ
げられる。
【0015】本発明のアラニルグルタミンの製造法にお
いて、化合物(I)またはその塩を60℃以下の温度で
アンモニアと、溶媒中で反応させることにより、収率よ
くアラニルグルタミンを得ることができる。
【0016】
【化8】
【0017】〔式中、Xは前記と同義である。〕
【0018】上記反応で使用される溶媒としては、メタ
ノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類も
しくは水または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ水溶液があげられるが、水が好適に用いられ
る。酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモ
ニウム、臭化アンモニウム、炭酸アンモニウム等のアン
モニウム塩を添加することにより反応性が向上すること
がある。反応温度は通常0〜60℃である。反応は常圧
または加圧下に1〜100時間好ましくは4〜50時間
で終了する。アンモニアは化合物(I)に対し1〜20
0当量、好ましくは、10〜50当量用いられる。反応
時の化合物(I)の濃度は0.01〜2M、好ましくは
0.1〜0.6Mである。反応の進行は高速液体クロマ
トグラフィー(HPLC)で追跡する。反応終了を確認
後、減圧濃縮等により、過剰のアンモニアと水を除きア
ルコール類、好ましくはメタノール、エタノール、2−
プロパノールを加えることにより高純度のアラニルグル
タミンを収率よく得ることができる。化合物(I)にお
いてXが臭素原子である場合は、反応を20〜30℃で
行うことにより、高生成率でかつラセミ化をおこすこと
なく、有利に高純度のアラニルグルタミンを収率よく得
ることができる。
【0019】光学活性なアラニルグルタミンを所望の場
合は、光学活性な化合物(II)およびグルタミンを使
用して得ることもできるが、光学不活性な化合物(I
I)および光学活性なグルタミンを用い、化合物(I)
あるいはアラニルグルタミンのジアステレオマー混合物
を得、これを常法に従い、分離、精製すればよい。以下
に、本発明の実施例を示す。
【0020】
【実施例】
実施例1 N−(2−D−クロロ)プロピオニル−L
−グルタミンの合成 水300mlとトルエン150mlに室温下、L−グル
タミン48.2g(0.33モル)を加え0〜5℃に冷
却し、5規定水酸化ナトリウム66ml(0.33モ
ル)を添加しL−グルタミンを溶解させた。この溶液に
2−D−クロロプロピオニルクロリド42.0g(0.
33モル、光学純度;92.8%ee)を含むトルエン
90mlと5規定水酸化ナトリウム74mlを0〜5℃
で、pH10に保ちながら2時間かけて加えた。0〜5
℃で1時間撹拌後、トルエンを分液して除去し、室温
下、水層に塩化ナトリウム60gを加えた。この溶液に
室温下、濃塩酸22mlを加えてpH2.5に調整後、
種晶し30分間撹拌した。さらに濃塩酸8mlを加えて
pH1.0に調整し、室温下1時間晶析した。得られた
結晶を瀘取し、減圧下乾燥することにより、N−(2−
D−クロロ)プロピオニル−L−グルタミンを71.6
g〔収率;85.3%(純度;92.9%)、光学純
度;99.4%de、融点;148℃(分解)〕得た。
【0021】N−(2−D−クロロ)プロピオニル−L
−グルタミンの理化学的性質は以下の通りである。1 H-NMR(300MHz,DMSO-d6) δ(ppm); 1.54(3H,d,J=6.6H
z), 1.70 〜2.10(2H,m),2.14(2H,t,J=7.1Hz), 4.13〜4.
23(1H,m), 4.59(1H,q,J=6.7Hz), 6.82(1H,s), 7.37(1H,
s), 8.60(1H,d,J=7.7Hz)13 C-NMR(75.5MHz,DMSO-d6)δ(ppm); 21.7, 26.6, 31.2,
51.9, 54.1, 168.9, 172.8, 173.5 MS(CI,m/e); 237(M + +1) IR(KBr,cm -1); 1738, 1662
【0022】実施例2 N−〔2−D−(p−トルエ
ンスルホニルオキシ)〕プロピオニル−L−グルタミン
の合成 水300mlとトルエン150mlに室温下、L−グル
タミン47.4g(0.32モル)を加え0〜5℃に冷
却し、5規定水酸化ナトリウム66ml(0.32モ
ル)を添加しL−グルタミンを溶解させた。この溶液に
2−D−(p−トルエンスルホニルオキシ)プロピオニ
ルクロリド91.0g(0.32モル)を含むトルエン
90mlと5規定水酸化ナトリウム75mlを0〜5℃
で、pH10に保ちながら2時間かけて加えた。0〜5
℃で1時間撹拌後、トルエンを分液して除去し、水層に
室温下、塩化ナトリウム59gを加えた。この溶液に室
温下、濃塩酸25mlを加えてpH2.5に調整後、種
晶し30分間撹拌した。さらに濃塩酸8mlを加えてp
H1.0に調整し、室温下1時間晶析した。得られた結
晶を瀘取し、減圧下乾燥することにより、N−〔2−D
−(p−トルエンスルホニルオキシ)〕プロピオニル−
L−グルタミンを76.9g〔収率;63.8%、光学
純度;99.6%de、融点;102℃〕得た。N−
〔2−D−(p−トルエンスルホニルオキシ)〕プロピ
オニル−L−グルタミンの理化学的性質は以下の通りで
ある。1 H-NMR(300MHz,DMSO-d6) δ(ppm); 1.35(3H,d,J=6.7H
z), 1.72 〜1.98(2H,m),2.03(2H,t,J=6.6Hz), 2.43(3H,
s), 4.07〜4.14(1H,m), 4.90(1H,q,J=6.7Hz), 6.83(1H,
s), 7.31(1H,s), 7.48(2H,d,J=8.1Hz), 7.82(2H,d,J=8.
1Hz), 8.44(1H,d,J=7.8Hz)13 C-NMR(75.5MHz,DMSO-d6-D2O)δ(ppm); 19.8, 22.1, 2
7.4, 31.9, 52.3, 76.9,128.6, 131.1, 133.4, 146.4,
169.4, 173.6, 175.2 MS(SIMS,m/e); 373(M + +1) IR(KBr,cm -1); 1712, 1675
【0023】実施例3 N−(2−D−メタンスルホ
ニルオキシ)プロピオニル−L−グルタミンの合成 水185mlとトルエン92mlに室温下、L−グルタ
ミン29.2g(0.20モル)を加え0〜5℃に冷却
し、5規定水酸化ナトリウム40ml(0.20モル)
を添加しL−グルタミンを溶解させた。この溶液に2−
D−メタンスルホニルプロピオニルクロリド38.0g
(0.20モル)を含むトルエン20mlと5規定水酸
化ナトリウム50mlを0〜5℃で、pH10に保ちな
がら2時間かけて加えた。0〜5℃で1時間撹拌後、ト
ルエンを分液して除去し、室温下、水層に塩化ナトリウ
ム76gを加えた。この溶液に室温下、濃塩酸21ml
を加えてpH0.9に調整後、150mlのクロロホル
ム/2−プロパノール(1:1)で2回抽出した。有機
層を分取し、濃縮乾固させることにより、N−(2−D
−メタンスルホニルオキシ)プロピオニル−L−グルタ
ミンを27.2g〔収率;45.8%、光学純度;9
5.8%de〕得た。
【0024】N−(2−D−メタンスルホニルオキシ)
プロピオニル−L−グルタミンの理化学的性質は以下の
通りである。1 H-NMR(300MHz,DMSO-d6) δ(ppm); 1.47(3H,d,J=6.6H
z), 1.77 〜2.12(2H,m),2.15(2H,t,J=7.5Hz), 3.23(3H,
s), 4.17〜4.24(1H,m), 5.07(1H,q,J=6.6Hz), 6.84(1H,
s), 7.35(1H,s), 8.60(1H,d,J=7.7Hz)13 C-NMR(75.5MHz,DMSO-d6)δ(ppm); 19.4, 25.6, 31.5,
51.9, 62.6, 75.9, 169.2, 173.2, 174.4 MS(SIMS,m/e); 297(M + +1)
【0025】実施例4 N−(2−D−ブロモ)プロ
ピオニル−L−グルタミンの合成 水300mlとトルエン75mlに室温下、L−グルタ
ミン21.9g(0.15モル)を加え、0〜5℃に冷
却し、5規定水酸化ナトリウム30ml(0.15モ
ル)を添加し、L−グルタミンを溶解させた。この溶液
に2−D−ブロモプロピオニルクロリド25.7g
(0.15モル)を含むトルエン30mlを、0〜5℃
で、5規定水酸化ナトリウム25mlを滴下することに
より、pH10に保ちつつ2時間かけて加えた。0〜5
℃で1時間攪拌後、トルエンを分液して除去し、室温
下、水層に塩化ナトリウム40gを加えた。この溶液に
室温下、濃塩酸15mlを加えてpH1.0に調整し、
室温下1時間晶析した。得られた結晶を濾取し、減圧下
乾燥することにより、N−(2−D−ブロモ)プロピオ
ニル−L−グルタミンを40.4g(収率;95.8
%、光学純度;97.9%de、融点;142℃)得
た。
【0026】実施例5 N−(2−D−クロロ)プロ
ピオニル−L−グルタミンを原料としたL−アラニル−
L−グルタミンの合成 1リットルのガラスオートクレイブにN−(2−D−ク
ロロ)プロピオニル−L−グルタミン60.0g(純
度;92.9%、0.24モル)と28%アンモニア水
600mlを加え室温下溶解させた。この溶液を60℃
へ昇温し、内圧約2kg/cm2 で8時間反応させた。
室温へ冷却後、減圧下濃縮し、得られた残渣に水30m
lを加え全量を150gとした。この溶液に室温下、メ
タノール450mlを1時間かけて滴下した。2時間晶
析後、析出した結晶を瀘取し、減圧下乾燥することによ
りL−アラニル−L−グルタミンの粗成物を35.4g
(収率;69.0%、光学純度;97.6%de)得
た。
【0027】このL−アラニル−L−グルタミンの粗成
物30gを、水50mlに溶解させ、活性炭0.6gを
加え、室温下10分間撹拌した。活性炭を瀘別し、瀘液
に30℃でメタノール42mlを加えた後種晶し、2時
間晶析した。さらにメタノール138mlを、30℃で
1時間かけて添加した後2時間撹拌した。析出した結晶
を瀘取し、減圧下乾燥することによりL−アラニル−L
−グルタミンを26.38g〔収率;88%、光学純
度;99.9%de、融点;216℃(分解)、比旋光
度;〔α〕20 D =−3.49°(c=10,1N−HC
l)〕得た。
【0028】実施例 N−(2−D−ブロモ)プロ
ピオニル−L−グルタミンを原料としたL−アラニル−
L−グルタミンの合成 N−(2−D−ブロモ)プロピオニル−L−グルタミン
20.0g(0.07モル)に28%アンモニア水30
0mlを加え室温下溶解させ、室温下20時間反応させ
た。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣に水約6m
lを加え、全量を40gとした。その溶液に室温下、メ
タノール126mlを1時間かけて滴下した後、2時間
晶析した。得られた結晶を濾取後、減圧下乾燥し、L−
アラニル−L−グルタミンの粗成物を12.1g(収
率;78.1%、光学純度;98.9%de)得た。
【0029】このL−アラニル−L−グルタミンの粗成
物11.0gを水18.3mlに溶解させ、活性炭0.
22gを加え、室温下10分間撹拌した。活性炭を瀘別
し、得られた瀘液に30℃でメタノール15.4mlを
加えた後種晶し、2時間晶析した。さらにメタノール5
0.6mlを30℃で1時間かけて添加し、2時間撹拌
した。得られた結晶を瀘取後、減圧下乾燥し、L−アラ
ニル−L−グルタミンを9.84g(収率;89.5
%、光学純度;99.8%de)得た。
【0030】実施例 N−〔2−D−(p−トルエ
ンスルホニルオキシ)〕プロピオニル−L−グルタミン
を原料としたL−アラニル−L−グルタミンの合成 N−〔2−D−(p−トルエンスルホニルオキシ)〕プ
ロピオニル−L−グルタミン30.0g(0.08モ
ル)に28%アンモニア水300mlを加え室温下溶解
させ、室温下24時間反応させた。反応混合物を減圧濃
縮し、得られた残渣に水約1mlを加え、全量を50g
とした。その溶液に室温下、メタノール200mlを1
時間かけて滴下した後、2時間晶析した。得られた結晶
を濾取後、減圧下乾燥し、L−アラニル−L−グルタミ
ンの粗成物を8.6g(収率;49.1%、光学純度;
99.3%de)得た。
【0031】このL−アラニル−L−グルタミンの粗成
物8gを水13.3mlに溶解させ、活性炭0.16g
を加え、室温下10分間撹拌した。活性炭を瀘別し、得
られた瀘液に30℃でメタノール11.2mlを加えた
後種晶し、2時間晶析した。さらにメタノール36.8
mlを30℃で1時間かけて添加し、2時間撹拌した。
得られた結晶を瀘取後、減圧下乾燥し、L−アラニル−
L−グルタミンを7.41g(収率;92.6%、光学
純度;99.9%de)得た。
【0032】実施例 N−(2−D−メタンスルホ
ニルオキシ)プロピオニル−L−グルタミンを原料にし
たL−アラニル−L−グルタミンの合成 N−(2−D−メタンスルホニルオキシ)プロピオニル
−L−グルタミン15.6g(0.053モル)に28
%アンモニア水156mlを加え室温下溶解させ、46
時間反応させた。反応混合物を減圧下濃縮し、得られた
残渣に水約7mlを加え全量を35gとした。これにメ
タノール100mlを室温下、1時間かけて滴下した
後、2時間晶析した。得られた結晶を濾取し、減圧下乾
燥しL−アラニル−L−グルタミンの粗成物を5.78
g(収率;50.5%、光学純度;96.4%de)得
た。
【0033】このL−アラニル−L−グルタミンの粗成
物5.0gを水8.3mlに溶解させ、活性炭0.1g
を加え、室温下10分間撹拌した。活性炭を瀘別し、得
られた瀘液に30℃でメタノール7.0mlを加えた後
種晶し、2時間晶析した。さらにメタノール23.0m
lを30℃で1時間かけて添加し2時間撹拌した。得ら
れた結晶を瀘取後、減圧下乾燥し、L−アラニル−L−
グルタミンを4.30g(収率;86.0%、光学純
度;99.0%de)得た。
【0034】実施例 N−(2−D−ブロモ)プロ
ピオニル−L−グルタミンのアミノ化反応 実施例と同様にN−(2−D−ブロモ)プロピオニル
−L−グルタミン300mg(1.07ミリモル、光学
純度;97.9%de)に28%アンモニア水3mlを
加え室温下溶解させ、室温下20時間反応させた。反応
混合物を減圧濃縮しアンモニアを留去し、以下の条件に
よるHPLCによる分析を行い、L−アラニル−L−グ
ルタミン202mg(収率;87.1%、光学純度;9
8.2%de)の生成を確認した。
【0035】HPLCの条件 カラム; YMC−pack ODS−AQ313 移動相; 0.01M KH2 PO4 検出 ; UV210nm
【0036】一方、N−(2−D−ブロモ)プロピオニ
ル−L−グルタミンのアミノ化反応をHoppe-Seyler's
Z.Physiol.Chem., 105 ,58(1919)に記載の方法に従っ
て行った。すなわち、N−(2−D−ブロモ)プロピオ
ニル−L−グルタミン300mg(1.07ミリモル、
光学純度;97.9%de)に26.7%アンモニア水
2mlを加え室温下溶解させた。この溶液を100℃の
水浴中で1時間反応させた。反応混合物を減圧濃縮しア
ンモニアを留去した後に、上記と同様の条件によるHP
LCによる分析を行い、L−アラニル−L−グルタミン
147mg(収率;63.4%、光学純度;96.8%
de)の生成を確認した。
【0037】
【発明の効果】本発明により、工業上、安価かつ高純度
なアラニルグルタミンの製造法およびその中間体N−
(2−置換)−プロピオニルグルタミン誘導体の製造法
並びに該方法により製造される新規N−(2−置換)−
プロピオニルグルタミン誘導体が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 康幸 神奈川県伊勢原市高森1540白金山団地2 −205 (72)発明者 大澤 豊 千葉県市川市中山3−14−26 (72)発明者 水滝 彰一 大阪府河内長野市美加ノ台1−37−1− 401 (72)発明者 河西 政次 神奈川県藤沢市鵠沼松ヶ岡3−12−15 (72)発明者 富岡 新二 和歌山県橋本市隅田町下兵庫690−4 (56)参考文献 Hoppe−Seyler’s Z. Phisiol. Chem., (1919), Vol.105, No.58, p.58−82 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 5/062 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 〔式中、Xはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ
    または置換もしくは非置換のアリールスルホニルオキシ
    基を表す〕で表されるN−(2−置換)−プロピオニル
    グルタミン誘導体を、アンモニアと60℃以下で反応せ
    しめることを特徴とするアラニルグルタミンの製造法。
  2. 【請求項2】 Xが塩素原子である請求項1記載のアラ
    ニルグルタミンの製造法。
  3. 【請求項3】 Xが臭素原子である請求項1記載のアラ
    ニルグルタミンの製造法。
  4. 【請求項4】 式(I') 【化2】 〔式中、X1は塩素原子、ヨウ素原子、アルキルスルホ
    ニルオキシまたは置換もしくは非置換のアリールスルホ
    ニルオキシ基を表す〕で表されるN−(2−置換)−プ
    ロピオニルグルタミン誘導体またはその塩。
  5. 【請求項5】 X1が塩素原子である請求項4記載のN
    −(2−置換)−プロピオニルグルタミン誘導体または
    その塩。
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