JP3514601B2 - 含浸用組成物、並びに、レジンコンクリート用プライマー組成物、その塗布方法及びそれを使用した複合躯体 - Google Patents

含浸用組成物、並びに、レジンコンクリート用プライマー組成物、その塗布方法及びそれを使用した複合躯体

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JP3514601B2
JP3514601B2 JP04184197A JP4184197A JP3514601B2 JP 3514601 B2 JP3514601 B2 JP 3514601B2 JP 04184197 A JP04184197 A JP 04184197A JP 4184197 A JP4184197 A JP 4184197A JP 3514601 B2 JP3514601 B2 JP 3514601B2
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resin concrete
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメントコンクリ
ート表面に塗布することにより、コンクリート躯体表面
が緻密化し、水や二酸化炭素が内部へ浸透することを防
ぐ含浸用組成物に関する。又、レジンコンクリートをセ
メントコンクリート下地面に塗布する際、セメントコン
クリート下地面とレジンコンクリートとの接着強度を向
上させるレジンコンクリート用プライマー組成物に関す
る。特に湿潤状態のセメントコンクリート下地との接着
強度を向上させるレジンコンクリート用プライマー組成
物に関する。尚、本発明でいうセメントコンクリートと
は、無機系のコンクリート又はモルタルをいう。
【0002】
【従来の技術】セメントコンクリートは耐久性に優れて
いるために、建物の床や道路の舗装等といった土木や建
築の分野で広く使用されている。しかしながら、セメン
トコンクリートは雨風、下水、二酸化炭素及び化学薬品
等によって浸食されやすいために、セメントコンクリー
ト下地面を樹脂組成物で含浸や被覆をして、セメントコ
ンクリートを保護することが望ましい。セメントコンク
リートを保護する方法としては、含浸用組成物を使用す
る方法やレジンコンクリートを使用する方法が挙げられ
る。
【0003】含浸用組成物を使用する方法とは、セメン
トコンクリート中の空隙に含浸用組成物を含浸させて水
や二酸化炭素に対する耐蝕性をもたせる方法である。含
浸用組成物としては、エポキシ樹脂系やアクリル樹脂系
等が挙げられる。
【0004】又、レジンコンクリートを使用する方法と
は、セメントコンクリート下地面をレジンコンクリート
で被覆や塗布をして、化学薬品に対する耐蝕性や耐磨耗
性をもたせる方法が挙げられる。特に、レジンコンクリ
ートは優れた耐薬品性や高強度の特徴を活かして、近年
急速に普及されつつある。これらの中ではエポキシ樹脂
系、ウレタン樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系及びア
クリル樹脂系等のレジンコンクリート等がよく使用され
おり、これらの各種レジンコンクリートはその主成分と
なる樹脂の性質によって様々な特徴を有している。これ
らのレジンコンクリートの中では、不飽和ポリエステル
樹脂系及びアクリル樹脂系等のラジカル重合性レジンコ
ンクリートが低温施工性が良好なために注目されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の含浸用組成物は常温で反応しなかったり、高粘度だっ
たりして、加熱重合しなければならず、作業が繁雑にな
ってしまうという課題があった。又、常温で含浸する含
浸用組成物として、1分子中にジシクロペンタジエン構
造を有する単官能(メタ)アクリレートを含有する含浸
性組成物が提案されている(特開平5−254960号
参照)。しかしながら、この含浸用組成物は加圧含浸し
なければならず、作業が繁雑になってしまうという課題
があった。
【0006】一方、これらのレジンコンクリートも水で
濡れたセメントコンクリートのような湿潤面下地に対し
ては接着強度が不十分であるという欠点があり、レジン
コンクリートを施工する前にセメントコンクリート下地
面を十分乾燥させると、作業が繁雑になってしまうとい
う課題があった。又、セメントコンクリート下地面に塗
布して、該下地面とレジンコンクリートとの接着強度を
向上させるプライマーとして、1分子中にジシクロペン
タジエン構造を有する単官能(メタ)アクリレートを含
有するプライマーが提案されている(特開平4−224
184号参照)。しかしながら、このプライマーも未だ
湿潤下地面とレジンコンクリートとの接着強度が十分で
なく、プライマーの硬化体が脆くて耐久性が悪いという
課題があった。
【0007】本発明者は、これらの課題を改良すべく、
常圧で含浸できる含浸用組成物や、セメントコンクリー
ト湿潤下地面に対しても十分な接着性を示すレジンコン
クリート用プライマー組成物を鋭意検討した結果、特定
の構造を有する重合性化合物を添加した含浸用組成物を
該下地面に対して塗布することにより、該湿潤下地面に
対して十分な含浸性や接着性を示すことを見いだし本発
明に到達した。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、(a)
分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有し、
かつ、当該1分子中にメタクリロイル基又はアクリロイ
ル基を2個以上有するものであって、当該エチレン性不
飽和二重結合が、カルボニル基と隣接しないエチレン性
不飽和二重結合である多官能(メタ)アクリレート、
(b)単官能(メタ)アクリレート、(c)重合開始剤
及び(d)分解促進剤を含有してなることを特徴とする
含浸用組成物である。又、(a)1分子中に2個以上の
エチレン性不飽和二重結合を有し、かつ、当該1分子中
にメタクリロイル基又はアクリロイル基を2個以上有す
るものであって、当該エチレン性不飽和二重結合が、カ
ルボニル基と隣接しないエチレン性不飽和二重結合であ
多官能(メタ)アクリレート、(b)単官能(メタ)
アクリレート、(c)重合開始剤及び(d)分解促進剤
を含有することを特徴とするレジンコンクリート用プラ
イマー組成物であり、(a)1分子中に2個以上のエチ
レン性不飽和二重結合を有し、かつ、当該1分子中にメ
タクリロイル基又はアクリロイル基を2個以上有するも
のであって、当該エチレン性不飽和二重結合が、カルボ
ニル基と隣接しないエチレン性不飽和二重結合である
官能(メタ)アクリレート、(b)単官能(メタ)アク
リレート、(c)重合開始剤、(d)分解促進剤及び
(e)1分子中に2個以上のカルボニル基と隣接しない
エチレン性不飽和二重結合を有しない多官能(メタ)ア
クリレートを含有することを特徴とするレジンコンクリ
ート用プライマー組成物であり、該分解促進剤が有機酸
の金属塩及び/又は有機金属キレート化合物を含有する
ことを特徴とするレジンコンクリート用プライマー組成
物である。そして、該レジンコンクリート用プライマー
組成物の硬化体であり、該レジンコンクリート用プライ
マー組成物をセメントコンクリートに塗布してなること
を特徴とするレジンコンクリート用プライマー組成物の
塗布方法である。さらに、該レジンコンクリート用プラ
イマー組成物をセメントコンクリートに塗布してなる表
面に、レジンコンクリートを塗布してなることを特徴と
するセメントコンクリートとレジンコンクリートとの複
合躯体であり、該レジンコンクリートがラジカル重合性
レジンコンクリートであることを特徴とするセメントコ
ンクリートとレジンコンクリートとの複合躯体であり、
該レジンコンクリート用プライマー組成物をセメントコ
ンクリートに塗布してなる表面に、レジンコンクリート
を塗布してなることを特徴とするセメントコンクリート
とレジンコンクリートとの複合躯体の製造方法であり、
該レジンコンクリートがラジカル重合性レジンコンクリ
ートであることを特徴とするセメントコンクリートとレ
ジンコンクリートとの複合躯体の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明における(a)1分子中に2個以上のエチレ
ン性不飽和二重結合を有する多官能(メタ)アクリレー
トとは、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結
合を有し、かつ、1分子中にメタクリロイル基又はアク
リロイル基を2個以上有するものをいう。ここでいうエ
チレン性不飽和二重結合とは、カルボニル基と隣接(共
役)しないエチレン性不飽和二重結合を有するものをい
い、いわゆるα、β−不飽和カルボニル基をいわない。
この(a)成分は湿潤状態のセメントコンクリートに塗
布した場合に強固な接着強度を得るという効果を有す
る。
【0010】例えば(a)1分子中に2個以上のエチレ
ン性不飽和二重結合を有し、かつ、当該1分子中にメタ
クリロイル基又はアクリロイル基を2個以上有するもの
であって、当該エチレン性不飽和二重結合が、カルボニ
ル基と隣接しないエチレン性不飽和二重結合である多官
能(メタ)アクリレートとしては、両末端メタクリル変
性液状ポリブタジエン「TE−2000」(日本曹達社
製)、両末端アクリル変性液状ポリアクリロニトリルブ
タジエン「HycarVTBNX」(宇部興産社製)、
両末端メタクリル変性液状部分水素添加ポリブタジエン
「TEAI−1000」(日本曹達社製)及び両末端ア
クリル変性液状ポリブタジエン「BAC−45」(大阪
有機社製)等が挙げられる。
【0011】これらの(a)成分の使用量は、接着性及
び硬化性を考慮に入れると、(a)成分及び(b)成分
の合計100重量部中、1〜90重量部が好ましく、3
〜80重量部がより好ましい。1重量部未満では含浸性
や接着性が低下するおそれがある。90重量%を越える
とセメントコンクリートへの含浸性や接着性が低下する
おそれがある。
【0012】本発明における(b)単官能(メタ)アク
リレートは、1分子中にメタクリロイル基又はアクリロ
イル基を1個有するものである。この(b)成分はセメ
ントコンクリートへよく含浸や接着ができ、含浸性や接
着性を向上させるという効果を有する。
【0013】例えば単官能(メタ)アクリレートとして
は、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレ−
ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、プロピル(メタ)ア
クリレ−ト、ブチル(メタ)アクリレ−ト、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレ−ト、イソオクチル(メタ)
アクリレ−ト、イソデシル(メタ)アクリレ−ト、ラウ
リル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリ
レ−ト、フェニル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレ−ト、ジシクロペンタニル(メタ)
アクリレ−ト、イソボルニル(メタ)アクリレ−ト、メ
トキシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレ−ト、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレ−ト、3−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ルモノ
(メタ)アクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルモノ
(メタ)アクリレ−ト、アルキルオキシポリエチレング
リコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、アルキルオキシポ
リプロピレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、フ
ェノキシポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ
−ト、フェノキシポリプロピレングリコ−ルモノ(メ
タ)アクリレ−ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)ア
クリレ−ト、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル
(メタ)アクリレ−ト、グリシジル(メタ)アクリレ−
ト、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メ
タ)アクリレ−ト、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレ−ト、N,N−ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレ−ト、t−ブチルアミノエチル(メ
タ)アクリレ−ト、モルホリン(メタ)アクリレ−ト、
エトキシカルボニルメチル(メタ)アクリレ−ト、エチ
レンオキシド変性フタル酸(メタ)アクリレ−ト、エチ
レンオキシド変性コハク酸(メタ)アクリレ−ト、トリ
フロロエチル(メタ)アクリレ−ト、テトラフロロプロ
ピル(メタ)アクリレ−ト及び2−ヒドロキシ−3−
(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモ
ニウムクロリド等の1分子中にエチレン性不飽和二重結
合を有しない単官能(メタ)アクリレートが好ましく用
いられる。
【0014】これらの中では、(a)成分と相溶性が良
い点で、1分子中にエチレン性不飽和二重結合を有しな
い単官能(メタ)アクリレートエステルが好ましく、炭
素数1〜12個のアルキルモノ(メタ)アクリレート及
び/又は炭素数1〜12個のヒドロキシアルキルモノ
(メタ)アクリレートがより好ましい。
【0015】他にも、ジシクロペンテニルアクリレー
ト、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペン
テニロキシエチルアクリレート及びジシクロペンテニロ
キシエチルメタクリレート等の1分子中にエチレン性不
飽和二重結合を1個有する単官能(メタ)アクリレート
を本発明の目的を損なわない程度に使用してもよい。
【0016】これらの(b)成分の使用量は、接着性及
び硬化性を考慮に入れると、(a)成分及び(b)成分
の合計100重量部中、10〜99重量部が好ましく、
20〜97重量部がより好ましい。10重量部未満では
セメントコンクリートへの含浸性や接着性が低下し、9
9重量部を越えると含浸性や接着性が低下するおそれが
ある。
【0017】本発明における(c)重合開始剤はいわゆ
るラジカル重合開始剤の働きを有し、例えば次のような
有機過酸化物が挙げられる。
【0018】(1)ケトンパーオキサイド類:メチルエ
チルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキ
サイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパー
オキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、
メチルアセトアセテートパーオキサイド及びアセチルア
セトンパーオキサイド等。
【0019】(2)パーオキシケタール類:1,1−ビ
ス(ターシャリーブチルパーオキシ)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(ターシャリー
ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(タ
ーシャリーブチルパーオキシ)オクタン、ノルマルブチ
ル−4,4−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)バ
レレート及び2,2−ビス(ターシャリーブチルパーオ
キシ)ブタン等。
【0020】(3)ハイドロパーオキサイド類:ターシ
ャリーブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロ
パーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパー
オキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、
2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオ
キサイド及び1,1,3,3−テトラメチルブチルハイ
ドロパーオキサイド等。
【0021】(4)ジアルキルパーオキサイド類:ジタ
ーシャリーブチルパーオキサイド、ターシャリーブチル
クミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,
α’−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ−メタ−イ
ソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサン及び2,5
−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3等。
【0022】(5)ジアシルパーオキサイド類:アセチ
ルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、オクタ
ノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラ
ウリノイルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘ
キサノイルパーオキサイド、サクシニックアシッドパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジク
ロロベンゾイルパーオキサイド及びメタ−トルオイルパ
ーオキサイド等。
【0023】(6)パーオキシジカーボネート類:ジイ
ソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチル
ヘキシルパーオキシジカーボネート、ジノルマルプロピ
ルパーオキシジカーボネート、ビス(4−ターシャリー
ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ
−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメ
トキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3
−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネ
イト及びジアリルパーオキシジカーボネート等。
【0024】(7)パーオキシエステル類:ターシャリ
ーブチルパーオキシアセテート、ターシャリーブチルパ
ーオキシイソブチレート、ターシャリーブチルパーオキ
シピヴァレート、ターシャリーブチルパーオキシネオデ
カノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、ター
シャリーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、ターシャリーブチルパーオキシ−3,3,5−トリ
メチルヘキサノエート、ターシャリーブチルパーオキシ
ラウレート、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエー
ト、ジターシャリーブチルパーオキシイソフタレート、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキ
シ)ヘキサン、ターシャリーブチルパーオキシマレイッ
クアシッド、ターシャリーブチルパーオキシイソプロピ
ルカーボネート、クミルパーオキシオクトエート、ター
シャリーヘキシルパーオキシネオデカノエート、ターシ
ャリーヘキシルパーオキシピヴァレート、ターシャリー
ブチルパーオキシネオヘキサノエート、ターシャリーヘ
キシルパーオキシネオヘキサノエート及びクミルパーオ
キシネオヘキサノエート等。
【0025】(8)その他の有機過酸化物:アセチルシ
クロヘキシルスルフォニルパーオキサイド及びターシャ
リブチルパーオキシアリルカーボネート等。
【0026】又、有機過酸化物以外の重合開始剤には例
えば次のようなアゾ化合物が挙げられる。
【0027】(9)アゾニトリル化合物類:アゾビスイ
ソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ
−2,4−ジメチルヴァレロニトリル)、1,1’−ア
ゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−
[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミ
ド及び2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメ
チルヴァレロニトリル等。
【0028】(10)アゾアミジン化合物類:2,2’
−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイド
ロクロライド等。
【0029】(11)サイクリックアゾアミジン化合物
類:2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2
−イル)プロパン]等
【0030】(12)アゾアミド化合物:2,2’−ア
ゾビス{2−メチル−ノルマル−[1,1−ビス(ヒド
ロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンア
ミド}及び2,2’−アゾビス{2−メチル−ノルマル
−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピ
オンアミド}等。
【0031】(13)アルキルアゾ化合物類:2,2’
−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等。こ
れらの1種又は2種以上を使用することができる。重合
開始剤の中では硬化性の点で有機過酸化物が好ましい。
【0032】(c)の使用量は、(a)成分、(b)成
分及び必要に応じて使用する後述の(e)成分の合計1
00重量部に対し、0.2〜10重量部が好ましい。
0.2重量部未満では硬化が遅くなり、10重量部を越
えても硬化速度等は向上せず、むしろ接着性の低下等が
生ずるおそれがある。
【0033】本発明における(d)分解促進剤は、重合
開始剤の分解を促進させる化合物であり、例えば次のよ
うなものが挙げられる。
【0034】(1)チオ尿素誘導体:ジエチルチオ尿
素、ジブチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、テトラメチ
ルチオ尿素、メルカプトベンゾイミダゾール及びベンゾ
イルチオ尿素等。
【0035】(2)アミン類:N,N−ジエチル−p−
トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,
N−ジイソプロパノール−p−トルイジン、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン、エチルジエタノ−ルアミ
ン、N,N−ジメチルアニリン、エチレンジアミン、ト
リエタノールアミン及びアルデヒド−アミン縮合反応物
等。
【0036】(3)有機酸金属塩:ナフテン酸コバル
ト、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバル
ト、オクチル酸銅及びオクチル酸亜鉛等。
【0037】(4)有機金属キレート:銅アセチルアセ
トネート、チタンアセチルアセトネート、マンガンアセ
チルアセトネート、クロムアセチルアセトネート、鉄ア
セチルアセトネート、バナジニルアセチルアセトネート
及びコバルトアセチルアセトネート等。これらの1種又
は2種以上を使用することができる。
【0038】これらの中では、含浸性、接着性及び硬化
性、特に湿潤したセメントコンクリート下地面での接着
性の向上の点から、チオ尿素誘導体、有機酸金属塩及び
有機金属キレート化合物が好ましく、有機酸金属塩及び
/又は有機金属キレート化合物がより好ましい。
【0039】(d)成分の使用量は、(a)成分、
(b)成分及び必要に応じて使用する後述の(e)成分
の合計100重量部に対し、0.1〜10重量部が好ま
しい。0.1重量部未満では硬化が遅くなり、10重量
部を越えても硬化速度等は向上せず、むしろ含浸性や接
着性の低下等が生ずるおそれがある。
【0040】更に、本発明では(e)1分子中に2個以
上のエチレン性不飽和二重結合を有し、かつ、当該1分
子中にメタクリロイル基又はアクリロイル基を2個以上
有するものであって、当該エチレン性不飽和二重結合
が、カルボニル基と隣接しないエチレン性不飽和二重結
合である多官能(メタ)アクリレートを使用することが
好ましい。(e)1分子中に2個以上のエチレン性不飽
和二重結合を有し、かつ、当該1分子中にメタクリロイ
ル基又はアクリロイル基を2個以上有するものであっ
て、当該エチレン性不飽和二重結合が、カルボニル基と
隣接しないエチレン性不飽和二重結合である多官能(メ
タ)アクリレートを併用することにより、硬化速度や樹
脂物性の調節が容易になるという効果を有する。
【0041】例えば1分子中に2個以上のエチレン性不
飽和二重結合を有し、かつ、当該1分子中にメタクリロ
イル基又はアクリロイル基を2個以上有するものであっ
て、当該エチレン性不飽和二重結合が、カルボニル基と
隣接しないエチレン性不飽和二重結合である多官能(メ
タ)アクリレ−トとしては、ポリエチレングリコ−ルジ
(メタ)アクリレ−ト、ポリグリセロ−ルジ(メタ)ア
クリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルジ(メタ)アク
リレ−ト、ポリブチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ
−ト、1,4−ブタンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−
ト、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−
ト、ネオペンチルグリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、
トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、ペ
ンタエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペ
ンタエリスリト−ルヘキサ(メタ)アクリレ−ト、トリ
ス(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアヌレ−
ト、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキ
シエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリ
ロキシテトラエトキシフェニル)プロパン、エポキシア
クリレート「ビスコート#540」(大阪有機化学工業
社製)、エポキシアクリレート「エポキシエステル30
00M」(共栄社化学社製)及びウレタンアクリレート
「アロニックスM−1100」(東亜合成化学社製)等
が挙げられる。これらの1種又は2種以上を使用するこ
とができる。
【0042】これらの(e)成分の使用量は、含浸性、
接着性及び硬化性を考慮に入れると、(a)成分、
(b)成分及び(e)成分の合計100重量部中、50
重量部以下が好ましく、1〜30重量部以下がより好ま
しい。50重量部を越えると含浸性や湿潤下地面におけ
る接着性が低下するおそれがある。
【0043】更に、本発明では(f)カップリング剤を
使用することが好ましい。(f)カップリング剤はセメ
ントコンクリート下地面に含まれる水分と反応するた
め、セメントコンクリート下地面と、含浸性組成物やレ
ジンコンクリート用プライマー組成物との含浸性や接着
性を向上させる効果を有する。カップリング剤として
は、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤
等が挙げられる。
【0044】シランカップリング剤としては、γ−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N
−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン及びγ−ユレイドプロピルトリエトキシ
シラン等が挙げられる。
【0045】チタネートカップリング剤としては、イソ
プロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプ
ロピルトリス(ジオクチルバイロホスフェート)チタネ
ート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイ
ト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホ
スファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオ
キシ−1−ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)
チタネート、ビス(ジオクチルバイロホスフェート)オ
キシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルバイロホ
スフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオ
クタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソ
ステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイ
ルジアクリルチタネート、イソプロピルイソトリ(ジオ
クチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリク
ミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミ
ノエチル−アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニ
ルオキシアセテートチタネート及びジイソステアロイル
エチレンチタネート等が挙げられる。
【0046】これらのカップリング剤の中では、効果が
大きい点で、シランカップリング剤が好ましく、(a)
成分、(b)成分及び(e)成分と共重合できる点でγ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプ
トシラン系、ビニルトリエトキシシランやビニル−トリ
ス(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニルシラン系
及びγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の
(メタ)アリルシラン系のシランカップリング剤がより
好ましい。
【0047】これらの(f)成分の使用量は、含浸性、
接着性及び硬化性を考慮に入れると、(a)成分、
(b)成分及び必要に応じて使用する(e)成分の合計
100重量部に対し、0.001〜5重量部が好まし
い。0.001重量部未満だと効果がなく、5重量部を
越えると接着性や含浸性が低下するおそれがある。
【0048】本発明においては、無機充填材や有機充填
材を使用し、チクソ性を調整してもよい。無機充填材と
しては、結晶シリカ粉、溶融シリカ粉、球状シリカ粉及
びヒュームドシリカ等のシリカ粉、珪砂、カ−ボンブラ
ック、フォラストナイト、クレ−、酸化チタン、酸化マ
グネシウム、酸化鉄、ベントナイト、マイカ、クロム酸
鉛、ニッケルスラグ、水酸化アルミニウム、球状のもの
を含むアルミナ粉、ステンレス粉、炭化珪素粉、窒化珪
素粉、窒化ほう素粉、タルク粉、炭酸カルシウム粉、ガ
ラスビーズ、シラスバルーン、アルミニウム粉、並び
に、チタン粉等が挙げられる。有機充填材としては、ポ
リエチレン粉末、コ−ルタ−ル、ウレタン樹脂粉、(メ
タ)アクリル樹脂粉、シリコーン樹脂粉、フッ素樹脂
粉、フェノール樹脂粉、木粉及び再生ゴム粉等が挙げら
れる。
【0049】これらの無機充填材や有機充填材の使用量
は、含浸性、接着性及び硬化性を考慮に入れると、
(a)成分、(b)成分及び必要に応じて使用する
(e)成分の合計100重量部に対し、3〜150重量
部が好ましい。3重量部未満だと効果はなく、150重
量部を越えると含浸性や接着性が低下するおそれがあ
る。
【0050】本発明の含浸用組成物やレジンコンクリー
ト用プライマー組成物には、その貯蔵安定性向上のため
少量の重合禁止剤を使用することができる。例えば重合
禁止剤としては、メチルハイドロキノン、ハイドロキノ
ン、カテコール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、
モノターシャリーブチルハイドロキノン、2,5−ジタ
ーシャリーブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、
2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジタ
ーシャリーブチル−p−ベンゾキノン、ピクリン酸、フ
ェノチアジン、ターシャリーブチルカテコール、2−ブ
チル−4−ヒドロキシアニソール及び2,6−ジターシ
ャリーブチル−p−クレゾール等が挙げられる。
【0051】これらの重合禁止剤の使用量は、(a)成
分、(b)成分及び必要に応じて使用する(e)成分の
合計100重量部に対し、0.001〜3重量部が好ま
しく、0.01〜2重量部がより好ましい。0.001
重量部未満では貯蔵安定性が低下し、3重量部を越える
と含浸性や接着性が低下しやすく、硬化時間が長くなる
おそれがある。
【0052】本発明の含浸用組成物やレジンコンクリー
ト用プライマー組成物には、本発明の目的を損なわない
範囲で、一般に使用されている各種エラストマー、溶
剤、増量材、補強材、可塑剤、増粘剤、チクソトロピー
付与剤、キレート化剤、染料、顔料、難燃剤及び界面活
性剤等の添加剤を使用してもよい。
【0053】本発明では、含浸用組成物をセメントコン
クリートに含浸することにより、耐蝕性を有するセメン
トコンクリートが得られる。又、レジンコンクリート用
プライマー組成物をセメントコンクリートに塗布した後
に、さらにレジンコンクリートを塗布して、セメントコ
ンクリートとレジンコンクリートとの複合躯体とし、セ
メントコンクリート表面を保護する。レジンコンクリー
ト用プライマーを使用することによりセメントコンクリ
ート湿潤下地面に対してレジンコンクリートが十分な接
着性を示すことができる。
【0054】レジンコンクリートは優れた耐薬品性や高
強度の特徴を有し、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂といった樹脂組成
物に、砂、砂利及び前述の無機充填材等の骨材を、コン
クリートミキサーやハンドミキサーで混合することによ
り得られる。樹脂組成物と骨材の混合比率は、樹脂組成
物及び骨材の合計100重量部中、樹脂組成物:骨材=
5〜95重量部:95〜5重量部が好ましく、樹脂組成
物:骨材=8〜30重量部:92〜70重量部がより好
ましい。樹脂組成物が5重量部未満又は骨材が95重量
部を越えると接着強度が低下するおそれがあり、樹脂組
成物が95重量部を越えると又は骨材が5重量部未満だ
と粘度が高くなって作業性が悪くなり、又樹脂組成物を
多く使用するためにコスト高になるおそれがある。
【0055】これらのレジンコンクリートの中では、低
温施工性が良好で、本発明のレジンコンクリート用プラ
イマー組成物と同じラジカル重合性である点で、ラジカ
ル重合性の不飽和ポリエステル樹脂系及びアクリル樹脂
系レジンコンクリートが好ましく、アクリル樹脂系レジ
ンコンクリートがより好ましい。
【0056】本発明の含浸用組成物の含浸方法として
は、(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分
及び必要に応じて使用する(e)成分と(f)成分を一
括混合して調製した含浸用組成物をセメントコンクリー
ト下地面上に含浸させる方法等が挙げられる。本発明の
含浸用組成物は、常温、常圧で含浸でき、作業性が容易
である。含浸用組成物の使用量は特に制限はないが、通
常含浸前のセメントコンクリートに対して10〜30重
量部が好ましく、15〜20重量部がより好ましい。
【0057】本発明のレジンコンクリート用プライマー
組成物の塗布方法としては、(a)成分、(b)成分、
(c)成分、(d)成分及び必要に応じて添加する
(e)成分と(f)成分を一括混合して調製した含浸用
組成物やレジンコンクリート用プライマー組成物をセメ
ントコンクリート下地面上に厚さ0.1〜0.5mm程
度に塗布し、次いでその表面にレジンコンクリートを塗
布することにより、セメントコンクリートとレジンコン
クリートとの複合躯体を製造する方法が挙げられる。で
きれば、塗布したレジンコンクリート用プライマー組成
物の硬化体表面にレジンコンクリートを塗布することが
好ましい。
【0058】本発明の含浸用組成物、レジンコンクリー
ト用プライマー組成物及びレジンコンクリートの塗布
は、スプレーや刷毛塗り等の通常の塗料を塗布する方法
で行うことができる。又、(a)成分、(b)成分及び
必要に応じて使用する(e)成分と(f)成分の混合物
を2液に分け、一方の液に(c)重合開始剤を、他方の
液に(d)分解促進剤を別々に添加しておき、現場で両
液を混合することもできる。
【0059】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。セメントコンクリート下地としてはJIS A5
304に定めるコンクリート製歩道板を使用した。
【0060】乾燥状態のセメントコンクリート下地面と
しては、上記のコンクリート製歩道板の表面をサンドペ
ーパーAA−80番(ベルスター社製)で研磨し、20
℃、相対湿度65%の雰囲気下に1週間放置したものを
使用した。湿潤状態のセメントコンクリート下地面とし
ては、上記のコンクリート製歩道板の表面をサンドペー
パーAA−80番で研磨し、恒温槽中で20℃水中に1
日間浸漬し、その後恒温槽中の水を一部抜き取り、歩道
板表面から5mm下までを20℃、相対湿度80%の雰
囲気下に露出させた状態で使用した。
【0061】又、レジンコンクリートとしては以下のも
のを使用した。ポリメチルメタクリレート樹脂30重量
部、メチルメタクリレート64.5重量部、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート5重量部及びN,N−
ジメチル−p−トルイジン0.5重量部を均一に混合し
たもの100重量部に対し、ベンゾイルパーオキサイド
1.5重量部を添加してレジンコンクリート用樹脂溶液
を調製した。一方、骨材は砂80重量部及びシリカヒュ
ーム20重量部を混合したものを使用した。こうして得
られたレジンコンクリート用樹脂溶液20重量部と骨材
80重量部を混合してレジンコンクリートを得た。
【0062】(使用材料) 砂:大井川産川砂、粒径5mm以下 シリカヒューム:市販のシリカヒューム、比表面積14
2 /g (実施例及び比較例)市販品を使用して、表1〜表6に
示す組成のレジンコンクリート用プライマー組成物を調
製した。但し、比較例3ではレジンコンクリート用プラ
イマー組成物を使用せず、比較例4ではレジンコンクリ
ート用プライマー組成物としてコニシ社製「ボンドE8
10」(脂肪族系エポキシ、ポリアミン硬化剤系)を、
比較例5では東燃社製「FP−NS」(脂肪族系エポキ
シ、ポリアミン硬化剤系)をそれぞれ使用した。
【0063】次に乾燥状態のセメントコンクリート下地
面に表1〜表6に示す組成で混合したレジンコンクリー
ト用プライマー組成物を厚さ約0.3mmに刷毛塗りし
て塗布し、20℃、65%相対湿度の雰囲気下に5時間
放置して硬化させた。その後、レジンコンクリート用プ
ライマー組成物の硬化体上に幅40mm×40mm、厚
さ30mmの型枠を配置し、その型枠内にレジンコンク
リートを流し込んで塗布し、20℃、相対湿度65%の
雰囲気下に3日間養生硬化させた。
【0064】一方、湿潤状態のセメントコンクリート下
地面に対しては、20℃、相対湿度80%の雰囲気下に
レジンコンクリート用プライマー組成物を塗布硬化し、
その後、同雰囲気下でアクリル樹脂系レジンコンクリー
トを養生硬化させたこと以外は乾燥状態のセメントコン
クリート下地面と同様に試験した。
【0065】その後、レジンコンクリートの表面に幅4
0mm×40mm、厚さ25mmの鋼製治具をエポキシ
樹脂で接着し、建研式接着力試験機を使用して鋼製治具
を引っ張り、セメントコンクリート下地面とレジンコン
クリートとの接着強度を測定し、その破壊状態を観察し
た。結果を表1〜表6に示した。
【0066】(使用材料) ビスフェノールAジグリシジルエーテル−ジメタクリレ
ート:エポキシエステル3000M(共栄社化学社製) 両末端メタクリル変性液状ポリブタジエン:TE−20
00(日本曹達社製) 両末端アクリル変性液状ポリアクリロニトリルブタジエ
ン:HycarVTBNX(宇部興産社製) 両末端メタクリル変性液状部分水素添加ポリブタジエ
ン:TEAI−1000(日本曹達社製) 両末端アクリル変性ポリブタジエン:BAC−45(大
阪有機社製)
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】(実施例22)レジンコンクリート用樹脂
溶液として市販の不飽和ポリエステル樹脂を使用したこ
と以外は、実施例8と同様に行った。結果を表7に示し
た。
【0074】(比較例6)レジンコンクリート用樹脂溶
液として市販の不飽和ポリエステル樹脂を使用したこと
以外は、比較例4と同様に行った。結果を表7に示し
た。
【0075】
【表7】
【0076】(実施例23)実施例8の組成のレジンコ
ンクリート用プライマー組成物を含浸用組成物として使
用した。JIS R 5201 10.4(1992)
により調製した乾燥状態のモルタル供試体表面に含浸用
組成物を1m2 当たり300gを刷毛塗りして塗布し、
硬化させた。その後、含浸用組成物を塗布したモルタル
供試体を20℃水中に所定の期間浸漬し、浸漬前と浸漬
後の重量差を吸水量とした。結果を表8に示した。
【0077】
【表8】
【0078】(比較例7)含浸用組成物を使用しなかっ
たこと以外は実施例23と同様に行った。結果を表8に
示した。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の含浸用組
成物を使用することにより、常温、常圧で塗布できるた
めに作業性に優れ、水や二酸化炭素に対する耐久性にも
優れたセメントコンクリートが得られる。又、レジンコ
ンクリート用プライマー組成物を使用することにより、
乾燥状態下は勿論、湿潤状態下でのセメントコンクリー
トの下地面と、レジンコンクリートとの間に優れた接着
性を得ることができる。特に土木構造物をレジンコンク
リートにより補強や補修をする場合や、セメントコンク
リートとレジンコンクリートの複合躯体を製造する場合
には、本発明のレジンコンクリート用プライマー組成物
は従来にない優れた特性を発揮できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−322724(JP,A) 特開 平2−137784(JP,A) 特開 平1−164779(JP,A) 特開 平8−310847(JP,A) 特開 昭62−36085(JP,A) 特開 昭61−31434(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 41/00 - 41/72

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)1分子中に2個以上のエチレン性不
    飽和二重結合を有し、かつ、当該1分子中にメタクリロ
    イル基又はアクリロイル基を2個以上有するものであっ
    て、当該エチレン性不飽和二重結合が、カルボニル基と
    隣接しないエチレン性不飽和二重結合である多官能(メ
    タ)アクリレート、(b)単官能(メタ)アクリレー
    ト、(c)重合開始剤及び(d)分解促進剤を含有して
    なることを特徴とする含浸用組成物。
  2. 【請求項2】(a)1分子中に2個以上のエチレン性不
    飽和二重結合を有し、かつ、当該1分子中にメタクリロ
    イル基又はアクリロイル基を2個以上有するものであっ
    て、当該エチレン性不飽和二重結合が、カルボニル基と
    隣接しないエチレン性不飽和二重結合であるエチレン性
    不飽和二重結合を有する多官能(メタ)アクリレート、
    (b)単官能(メタ)アクリレート、(c)重合開始剤
    及び(d)分解促進剤を含有することを特徴とするレジ
    ンコンクリート用プライマー組成物。
  3. 【請求項3】(a)1分子中に2個以上のエチレン性不
    飽和二重結合を有し、かつ、当該1分子中にメタクリロ
    イル基又はアクリロイル基を2個以上有するものであっ
    て、当該エチレン性不飽和二重結合が、カルボニル基と
    隣接しないエチレン性不飽和二重結合である多官能(メ
    タ)アクリレート、(b)単官能(メタ)アクリレー
    ト、(c)重合開始剤、(d)分解促進剤及び(e)1
    分子中に2個以上のカルボニル基と隣接しないエチレン
    性不飽和二重結合を有しない多官能(メタ)アクリレー
    トを含有することを特徴とするレジンコンクリート用プ
    ライマー組成物。
  4. 【請求項4】請求項2又は請求項3記載の分解促進剤が
    有機酸の金属塩及び/又は有機金属キレート化合物を含
    有することを特徴とするレジンコンクリート用プライマ
    ー組成物。
  5. 【請求項5】請求項2、請求項3又は請求項4記載のレ
    ジンコンクリート用プライマー組成物の硬化体。
  6. 【請求項6】請求項2、請求項3又は請求項4記載のレ
    ジンコンクリート用プライマー組成物をセメントコンク
    リートに塗布してなることを特徴とするレジンコンクリ
    ート用プライマー組成物の塗布方法。
  7. 【請求項7】請求項2、請求項3又は請求項4記載のレ
    ジンコンクリート用プライマー組成物をセメントコンク
    リートに塗布してなる表面に、レジンコンクリートを塗
    布してなることを特徴とするセメントコンクリートとレ
    ジンコンクリートとの複合躯体。
  8. 【請求項8】請求項7記載のレジンコンクリートがラジ
    カル重合性レジンコンクリートであることを特徴とする
    セメントコンクリートとレジンコンクリートとの複合躯
    体。
  9. 【請求項9】請求項2、請求項3又は請求項4記載のレ
    ジンコンクリート用プライマー組成物をセメントコンク
    リートに塗布してなる表面に、レジンコンクリートを塗
    布してなることを特徴とするセメントコンクリートとレ
    ジンコンクリートとの複合躯体の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項9記載のレジンコンクリートがラ
    ジカル重合性レジンコンクリートであることを特徴とす
    るセメントコンクリートとレジンコンクリートとの複合
    躯体の製造方法。
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