JP4066081B2 - コンクリートプライマー樹脂組成物及びその構造体 - Google Patents

コンクリートプライマー樹脂組成物及びその構造体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート防食塗装においてプライマーとして使用する樹脂組成物に関するものであり、基材との接着性に優れ、さらに後工程に用いるアクリル系樹脂等のラジカル硬化型樹脂との接着性にも優れるため、耐久性に優れた防食施工システムを提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート防食ライニング材用樹脂は、多数存在するが、中でもラジカル常温硬化型の不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル系樹脂は速硬化性で、冬場の低温でも硬化可能であるため需要が伸びている。ライニング材を施工する前のコンクリート表面には、接着性を高めるためにプライマーを塗布工程が通常行われている。しかし、従来前記の樹脂を溶剤、重合性単量体等で低粘度化したプライマーは、コンクリートとの接着性、耐久性に問題がある。よって一般的には、プライマーにはイソシアネート化合物が用いられている。
【0003】
また、従来のプライマーの接着性能は、基材のコンクリートの表面状態、水分の存在状況に大きく左右される。特に打設直後、降雨後等の湿潤状態では既存のプライマーでは、塗布不可能または、十分な接着強度が得られないため、最表面が乾燥状態になるまで施工日時を延期するのが普通であった。特に、イソシアネート化合物は、水分等で自己架橋するのみで基材との化学的結合に乏しく、多量の水分で発泡したりして、界面剥離を起こす傾向がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの問題を解決する湿潤面プライマーとして幾つか市販されているが、我々がテストした結果、乾燥接着に比べ湿潤時接着強度が極めて低く実用性が乏しいことが判明した。
【0005】
また、ラジカル重合型プライマーとして特開平1−113471号公報、特開平1−113469号公報で不飽和シラン化合物、不飽和イソシアネート化合物を主成分とするアクリル系樹脂組成物が提案されている。これは、アルコキシシラン化合物が加水分解後、基材と化学的に結合するという公知の技術を利用したものだが、これも我々が実際にテストした結果、湿潤接着強度が低く、さらに樹脂の嫌気性のため、表面が十分硬化せず次工程に進めない等作業性に問題が有ることが判明した。また、これはシラン化合物を多量に使用するため極めて高価であり、残念ながら実用性の低いものであった。さらに別の試みとして、特開平−2−150466号公報では、不飽和ポリエステル樹脂等と水硬化性珪酸塩の混合物に硬化剤として水と有機過酸化物を添加し複合硬化する施工法が提案されている。
【0006】
この方法は、配合成分が多く現場施工での厳密な管理が必要である。よって市場では、施工の簡単な一液もしくは、二液タイプの硬化性樹脂が望まれている。加えて長期の耐久性が有り、接着性能の安定した信頼性ある材料が求められている。
【0007】
即ち、本発明の目的は、乾燥時、湿潤時コンクリートとの接着性、硬化性に優れる、後工程の樹脂との接着性にも優れるコンクリートプライマー樹脂組成物、及びそのコンクリート構造体にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために鋭意研究した結果、空乾性付与成分含有不飽和エポキシエステル樹脂 (A)と、無機物と化学結合するアルコキシシラン基含有不飽和単量体 (B)と、接着界面の水分を吸収する水酸基含有不飽和単量体 (C)と、粘度調節と水分排除のために添加する、沸点120℃以下の親水性水性有機溶剤 (D)からなる樹脂組成物を施工現場でラジカル重合により硬化させるプライマーが実用上十分な空乾性を有し、且つ高い接着強度、耐久性等に優れた特性を有することを見いだし本発明をするに至った。
【0009】
即ち、本発明は、(A) 空乾性付与型不飽和エポキシエステル樹脂と、(B) アルコキシシラン基含有エチレン性不飽和単量体と、(C) 水酸基含有エチレン性不飽和単量体、(D) 沸点が、120℃以下の親水性有機溶剤を含むことを特徴とするコンクリートプライマー樹脂組成物、(A):(B)+(C) の割合が、90〜60:10〜40重量%、且つ(B):(C)の割合が、25〜75:75〜25重量%であること、空乾性付与型不飽和エポキシエステル樹脂 (A)が、芳香族エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸と、(メチル)テトラヒドロフタル酸もしくは、モノエステル化合物とをエステル化して得られること、いづれか記載の樹脂組成物に硬化剤を添加して、基材に塗布してなることを特徴とするコンクリート構造体を提供するものである。
【0010】
また、本発明のプライマーは、コンクリート表面が乾燥、湿潤状態に関わらず安定した高い接着強度を示し、次工程に塗布するスチレン系ビニルエステル樹脂、アクリル系樹脂何れに対しても安定した二次接着性を発揮する。
【0011】
【発明の実施形態】
本発明の空乾性付与型不飽和エポキシエステル樹脂(A)とは、芳香族多官能エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応物と、空乾性付与成分とを反応することからなる。空乾性付与成分とは、好ましくは(メチル)テトラヒドロフタル酸及びそのモノエステル化合物から選ばれる化合物との反応生成物を指称するものである。
【0012】
不飽和エポキシエステル樹脂の合成に用いる芳香族多官能エポキシ化合物としては、代表的なもののみ例示するに止むれば、ビスフェノールA、F型及びノボラック型、臭素化ビスフェノール型、ビスフェノールA、Fのアルキレンオキサイド付加物等がある。樹脂粘度が低く、靱性の優れたビスフェノール型が好ましく、望ましいエポキシ当量は、150〜1000g/eqの範囲である。
【0013】
エポキシ化合物と反応する不飽和モノカルボン酸化合物としては、特に代表的のものを例示するに止むれば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸モノエステル、マレイン酸モノエステル、クロトン酸である。これらは単独使用でも2種以上の併用であってもよいが、耐水性、硬化性の点よりメタクリル酸の使用が望ましい。
【0014】
前記した(メチル)テトラヒドロフタル酸及びモノエステル化合物として代表的なものにみ例示すれば、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸ペンタエリスリトールトリアリルエーテルモノエステル、テトラヒドロフタル酸トリメチロールプロパンジアリルエーテルモノエステル等である。これらは単独使用でも2種以上の併用であってもよいが、表面硬化性の点より3−メチルテトラヒドロフタル酸の使用が望ましい。
【0015】
本発明を構成するアルコキシシラン基含有エチレン性不飽和単量体(B) とは、同一分子内にアルコキシシラン基と(メタ)アクリル基もしくは、ビニル基を含有する化合物であり、前記の(A) 不飽和エポキシエステル樹脂とラジカル共重合可能な単量体である。これらの化合物(B) は、シランカップリング剤として市販されているものが使用可能である。それらの代表的なもののみ例示すれば、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルプロピルトリエトキシシラン等である。これらは単独使用でも2種類以上の併用であってもよいが、共重合性のよいメタクリル基含有アルコキシシラン単量体の使用が望ましい。
【0016】
本発明を構成する水酸基含有不飽和単量体(C)とは、同一分子内に1個以上の水酸基と(メタ)アクリル基もしくは、ビニル基を含有する化合物であり、前記の不飽和エポキシエステル樹脂(A) とラジカル共重合性のある単量体である。
【0017】
それらの代表的なもののみ例示するに止むれば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル等である。これらは単独の使用でも2種類以上の併用であってもよいが、共重合性と耐水性の点より、メタクリル基含有単量体の使用が望ましく希釈性能の優れたものがさらによい。接着性の点より、水酸基価が300〜800KOHmg/gの範囲の単量体を用いるのが望ましい。
【0018】
本発明の樹脂組成物を希釈減粘する、沸点120度以下の親水水性有機溶剤(D)としては、ケトン系、エーテル系、エステル系、アルコール系有機溶剤が挙げられる。これらは単独に使用でも2種類以上の併用であってもよいが希釈性に優れ、沸点が70℃以上のものが作業性が安定している。
【0019】
さらに樹脂の保存安定性の優れているものが望ましい。例えば、ケトン系有機溶剤のメチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン等である。
【0020】
前記の成分 (A),(B),(C)は、最適の混合比率のもとに樹脂を調製することが肝要である。まず(A):(B)+(C)の割合が、好ましくは90〜60:10〜40重量%である。特に好ましくは、85〜65:15〜35重量%である。この割合で得られる樹脂組成物は、表面硬化性、作業性、接着性が良好である。さらに、基材コンクリートの表面付近の状態が、乾燥、湿潤状態を問わず良好な接着性能を発揮するためには、成分(B),(C) の混合比率が極めて重要な因子である。安定した性能を発揮するように設計すると、(B):(C)の割合が、好ましくは25〜75:75〜25重量%となる。基材の種類、水分状態等により最適比率は変化するが、特に好ましくは、50:50重量%付近であり、接着性、表面硬化性が安定している。
【0021】
また、成分(D) の併用が望ましい。成分(A),(B),(C) のみで十分粘度が低く作業性に問題がなければ、添加の必要はないが、粘度が高い場合には、(D) 水溶性有機溶剤により粘度調節することが望ましい。水溶性有機溶剤を用いることにより、減粘効果の他に、湿潤状態での基材表面の水分をすばやく樹脂内に吸収し、硬化後大気に放出する効果が認められる。
【0022】
沸点120℃ を越える溶剤では、低温で短時間で揮散し難く表面硬化性が悪くなり、次工程に速やかに進めない等の問題がある。さらに作業性、安全性の点より、特に沸点が70℃以上の溶剤の使用が好ましい。一方、疎水性有機溶剤では、沸点が120℃ 以下であっても湿潤状態の基材に均一に塗布することが難しく、接着性も低い。
【0023】
成分(D) の種類及び添加量は、主成分の(A),(B),(C) との兼ね合いにより適宜選択、決定される。基材の湿潤状態に関わらず、作業性、硬化性、接着性の高度のバランスを発揮できるように設計するものである。
【0024】
本発明での樹脂組成物は、樹脂液 (A+B+C)と親水性有機溶剤 (D)とを70〜90重量部:30〜10重量部を相互溶解したものが硬化性、作業性上好ましい。
【0025】
本発明の樹脂組成物には、重合禁止剤を添加するのが好ましい。該重合禁止剤としては、ハイドロキノン、モノ-t-ブチルハイドロキノン、1,4-ナフトキノン、パラベンゾキノン、トルハイドロキノン、p-t-ブチルカテコール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、フェノチアジン、ナフテン酸銅、酢酸第二銅等が挙げられ、適宜選択使用される。その使用量は樹脂組成物中100〜2000ppmが好ましい。
【0026】
本発明の樹脂組成物は、通常硬化剤を添加して硬化する。添加し得る硬化剤としては、熱硬化剤、紫外線硬化剤、電子線硬化剤から選択される1種類以上のものが挙げられる。硬化剤の使用量は、樹脂組成物100重量部に対して通常0.1から10重量部、好ましくは1から5重量部である。さらに硬化促進剤を併用することが望ましい。
【0027】
熱硬化剤とは、有機過酸化物が挙げられ、具体的にはジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル系、パーカーボネート系等の公知の物が使用され、混練条件、養生温度等で適宜選択される。
【0028】
紫外線硬化剤とは、光増感性物質であり、その具体的なものとしては、ベンゾインアルキルエーテルのようなベンゾインエーテル系、ベンゾフェノン、ベンジル、メチルオルソベンゾイルベンゾエートなどのベンゾフェノン系、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンなどのアセトフェノン系、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドなどのアシルフォスフィンオキシド系などが挙げられる。
【0029】
電子線硬化剤とは、ハロゲン化アルキルベンゼン、ジサルファイド系化合物等が挙げられる。光硬化剤とは、ヒドロキシアルキルフェノン系化合物、アルキルチオキサントン系化合物、スルホニウム塩系化合物が挙げられる。
【0030】
また、硬化促進剤としては、ナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルトなどの有機金属塩が挙げられ、またアミン類にはジエチルアニリン、N,Nジメチルパラトルイジン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)パラトルイジン、N,N−ジ(ヒドロキシプロピル)パラトルイジン、N,Nジメチルパラ安息香酸エステル、フェニルモルホリン等が挙げられ、硬化剤に合わせて適宜選択、使用される。表面硬化性を向上させるためにコバルト等の金属ドライヤーの使用が望ましい。好ましい添加量は、樹脂組成物に対し0.1〜2重量部である。
【0031】
本発明の樹脂組成物には、必要に応じてその他のエチレン性不飽和単量体、例えば、スチレン、メチルメタクリレート、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル化合物等を少量なら添加可能である。しかし、基材が湿潤状態の使用において、疎水性不飽和単量体の添加は、接着性に悪影響を及ぼす。また著しく高い親水性不飽和単量体の添加は、長期の耐水接着性に悪影響を及ぼすことがあるよって充分試験した後、その他の不飽和単量体の添加量を決定する必要がある。
【0032】
本発明の組成物にガラス繊維、炭素繊維、有機繊維、金属繊維等を補強剤として10〜100重量%添加して成形物とすることができる。本発明の組成物に炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー、シリカパウダー、コロイダルシリカ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ガラス粉、ガラスビーズ、砂、珪砂等の充填剤を配合してパテ、シーリング剤や被覆材として使用することができる。同様に充分試験した後、添加量を決定する必要があるのは言うまでもない。
【0033】
<作用>
本発明の樹脂組成物とその他の添加剤、骨材その他充填剤を配合した配合物は乾燥、湿潤状態のコンクリート、モルタル等の基材にプライマーとして幅広く塗工が可能で良好な基材接着性を示す。さらに次工程で塗工する、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂との接着性も良好であるため、耐久性に優れた防食塗装システムを提供できる。
【0034】
【実施例】
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また文章中「部」とあるのは、重量部を示すものである。
【0035】
(製造例1) 不飽和エポキシエステル樹脂 (VE−1)の製造
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた1リットルの四つ口フラスコにビスフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製エピクロン830、エポキシ当量174)を696部、3メチルテトラヒドロ無水フタル酸83部、蒸留水9部、トリス(ジメチルアミノ)フェノール1.5部を仕込み窒素雰囲気下110℃で2時間反応した。酸価が1以下になったのを確認して、メタクリル酸を253部、ハイドロキノン0.8部加え、空気雰囲気下110℃で6時間反応した。酸価が15以下となったのでトルハイドロキノン 0.1部とナフテン酸銅0.1部とメチルエチルケトンを254部を加え、不揮発分80重量%、ガードナー粘度S、ガードナーカラー4の樹脂液(中間体)を得た。
【0036】
(製造例2) 不飽和エポキシエステル樹脂 (VE−2)の製造
製造例1の製造方法に準じてビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製エピクロン850、エポキシ当量187)を748部、3メチルテトラヒドロ無水フタル酸83部、蒸留水9部、トリス(ジメチルアミノ)フェノール1.5部を仕込み窒素雰囲気下110℃で2時間反応した。酸価が1以下になったのを確認して、メタクリル酸を253部、ハイドロキノン0.8部加え、空気雰囲気下110℃で6時間反応した。酸価が15以下となったのでトルハイドロキノン0.1部とナフテン酸銅0.1部とメチルエチルケトンを273部を加え、不揮発分80重量%、ガードナー粘度U、ガードナーカラー4の樹脂液(中間体)を得た。
【0037】
(製造例3) 不飽和エポキシエステル樹脂 (VE−3)の製造
製造例1の製造方法に準じてビスフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製エピクロン830、エポキシ当量174)を696部、ヘキサヒドロ無水フタル酸77部、蒸留水9部、トリス(ジメチルアミノ)フェノール 1.5部を仕込み窒素雰囲気下110℃で2時間反応した。酸価が1以下になったのを確認して、メタクリル酸を253部、ハイドロキノン0.8部加え、空気雰囲気下110℃で6時間反応した。酸価が15以下となったのでトルハイドロキノン0.1部とナフテン酸銅0.1部とメチルエチルケトンを257部を加え、不揮発分80重量%、ガードナー粘度T、ガードナーカラー5の樹脂液(中間体)を得た。
【0038】
(製造例4) 不飽和エポキシエステル樹脂 (VE−4)の製造
製造例1の製造方法に準じてビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製エピクロン850、エポキシ当量174)を748部、メタクリル酸301部、トリス(ジメチルアミノ)フェノール2部、ハイドロキノン1.0部を仕込み空気雰囲気下110℃で4時間反応した。酸価が40以下になったのを確認して、テトラヒドロフタル酸ペンタエリスリトールトリアリルエーテルモノエステルを149部を加えさらに110℃で4時間反応した。酸価が15以下となったのでトルハイドロキノン0.12部とナフテン酸銅0.12部とメチルエチルケトンを300部を加え、不揮発分80重量%、ガードナー粘度R、ガードナーカラー5の樹脂液(中間体)を得た。
【0039】
配合例1〜6と実施例1〜8及び比較例1〜6
上記で製造した不飽和エポキシエステル樹脂液(VE−1〜4)80部と、エチレン性不飽和単量体20部を配合した樹脂液100部に対し、6%ナフテン酸コバルトを0.5部、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)パラトルイジンを0.2部を添加したプライマー樹脂を調整した。詳細な配合例を表−1に示す。得られた樹脂を用いてコンクリート用プライマーとしての下記の評価試験を行い、結果を表−2、−3に示した。 プライマー樹脂組成物評価結果(試験法−1)、 プライマー樹脂組成物評価結果(試験法−2)
【0040】
なお、試験方法は、以下の通りである。
1)乾燥コンクリート面への接着性評価 ( 実施例1〜4及び比較例1〜3)
配合例1〜6で得られた樹脂100部に50%ベンゾイルパーオキサイドを 2.0部添加、均一攪拌後、市販のJISコンクリート歩道板(30cm×30cm×6cm)に厚さ約0.1mmになるようにプライマーを塗布し、室温で約12時間放置した。塗布後、歩道板の上部より下約5mmまでの水位になるように水槽に浸積して保存した。約12時間後、表面硬化性を確認した後、次工程のライニング剤2種類A、B半分づつ施工した。ライニング材は以下の通りである。
【0041】
A−アクリル系ビニルエステル樹脂(ディオバーVU180)のみライニング
B−スチレン系ビニルエステル樹脂(アトラック580J)とガラス繊維 (450 番)を2枚のFRPライニング
(上記何れも、大日本インキ化学工業(株)製の熱硬化性樹脂。使用している不飽和単量体は、メチルメタクリレート、スチレン等で市販の防食用樹脂に一般的に使用されているものである。)
ライニング剤施工後2日以上放置し、プライマーの接着強度を測定した。
【0042】
接着強度は、4cm×4cmの鉄製治具をエポキシ樹脂で表面を研磨したライニング剤に接着して室温で約1日静置した後、市販の油圧式引っ張り試験機(モトフジ製、プルゲージ)を用いて、室温で載荷速度1kgf/cm2/secで試験した。その結果を表−2に示した。さらに長期保存して接着耐久性も評価した。
【0043】
試験1と同様にして基材の水分状態を変化させて評価した。
2)湿潤コンクリート面への接着性評価 ( 実施例5〜8及び比較例3〜6)
実施例、比較例で得られた樹脂100部に50%ベンゾイルパーオキサイド 2.0部添加、均一攪拌後、7日間室温で水中に浸積させておいた市販の歩道板を水中より引き上げ、ゴム製ヘラで表面の浮き水を除き、表面が濡れ色状態である間に速やかに、厚さ約0.1mmになるようにプライマーを塗布し、室温で約12時間放置した。同様に塗布後、歩道板の上部より下約5mmまでの水位になるように水槽に浸積して保存した。約12時間後、表面硬化性を確認した後、次工程のライニング剤2種類A、B半分づつ施工した。ライニング剤施工後2日以上放置し、プライマーの接着強度を同様にして測定した。さらに同様に長期の接着耐久性も評価した。その結果を表−3に示した。
【0044】
表面硬化状態の評価
12時間後のプライマー表面を指触により評価した。
◎:粘着性がなく、完全に硬化している (歩行可能)
○:僅かに粘着性があるが、十分硬化している(歩行可能)
△:粘着性があり、硬化が不十分 (歩行は難しい)
×:ほとんど液状で、硬化していない (歩行不可)
【0045】
プライマー性能の総合評価(1−乾燥面、2−湿潤面)
◎:アクリル、スチレン系樹脂とも使用可能、耐久性、硬化性も良好
○:アクリル、スチレン系樹脂とも使用可能、耐久性は良好
△:アクリル、スチレン系樹脂とも使用可能、耐久性、硬化性が不十分
×:プライマーとしての使用は、かなり難しい
【0046】
実用上の評価基準としては、まず最大でもプライマー塗布約12時間で歩行可能で次工程に移れること。接着性では、乾燥、湿潤に関わらず高い接着強度を有すること。(最低でも 20 Kgf/cm2以上) さらに、長期の耐水接着試験において安定した強度を示し、必要最低以上の値を保持していることである。
【0047】
【表1】
Figure 0004066081
【0048】
表−1中の原料の略号は、以下の通りである。
Figure 0004066081
【0049】
【表2】
Figure 0004066081
【0050】
【表3】
Figure 0004066081
【0051】
上表から判るように、乾燥、湿潤状態のどちらのコンクリート基材に対しても安定した硬化性、接着性能を示すのは、実施例のみである。
【0052】
【本発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、各成分が高度に調和しており、作業性の優れた2液硬化型のコンクリートプライマーを提供できる。基材の水分状態に関わらず、安定した硬化性と接着性を示す。さらに、次工程に塗布するライニング材とも良好な二次接着性を有し、耐水接着性等の長期の耐久性も実用上十分である、このプライマーからなる防食層は、長期にわたりコンクリート構造物の劣化を防止することができる。

Claims (4)

  1. (A) 空乾性付与型不飽和エポキシエステル樹脂と、
    (B) アルコキシシラン基含有エチレン性不飽和単量体と、
    (C) 水酸基含有エチレン性不飽和単量体と、
    (D) 沸点が、120℃以下の親水性有機溶剤を含むことを特徴とするコンクリートプライマー樹脂組成物。
  2. (A):(B)+(C) の割合が、90〜60:10〜40重量%、且つ(B):(C)の割合が、25〜75:75〜25重量%であることを特徴とする請求項1記載のコンクリートプライマー樹脂組成物。
  3. 空乾性付与型不飽和エポキシエステル樹脂 (A)が、芳香族エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸と、(メチル)テトラヒドロフタル酸もしくは、モノエステル化合物とをエステル化して得られることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1〜いずれかに記載の樹脂組成物に硬化剤を添加して、基材に塗布してなることを特徴とするコンクリート構造体。
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