JP3513041B2 - 流量センサ - Google Patents

流量センサ

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JP3513041B2
JP3513041B2 JP01526999A JP1526999A JP3513041B2 JP 3513041 B2 JP3513041 B2 JP 3513041B2 JP 01526999 A JP01526999 A JP 01526999A JP 1526999 A JP1526999 A JP 1526999A JP 3513041 B2 JP3513041 B2 JP 3513041B2
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rate sensor
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智也 山川
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01PMEASURING LINEAR OR ANGULAR SPEED, ACCELERATION, DECELERATION, OR SHOCK; INDICATING PRESENCE, ABSENCE, OR DIRECTION, OF MOVEMENT
    • G01P5/00Measuring speed of fluids, e.g. of air stream; Measuring speed of bodies relative to fluids, e.g. of ship, of aircraft
    • G01P5/10Measuring speed of fluids, e.g. of air stream; Measuring speed of bodies relative to fluids, e.g. of ship, of aircraft by measuring thermal variables

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば内燃機関の
吸入空気等の流体の流速あるいは流量を計測する流量セ
ンサに関するもので、特に、発熱体を備え、発熱体ある
いは発熱体によって加熱された部分から流体への熱伝達
現象に基づいて、流体の流量を計測する流量センサに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図13(a),(b)は、例えば特開平
4−230808号公報に開示された従来の流量センサ
に用いられる流量検出素子(ダイアフラムセンサー)5
1の構成を示す図で、(a)は平面図、(b)図は
(a)図のD−D断面図である。同図において、1はシ
リコン半導体より成る平板状基材で、この平板状基材1
の背面中央部には、例えば異方性エッチングにより、表
面に連通しない断面が台形状の開口(キャビティ)12
が形成されており、このキャビティ12の底部側、すな
わち平板状基材1の表面側には薄肉状のダイアフラム1
3が平板状基材1に一体的に形成されている。このダイ
アフラム13の表面中央部には薄膜の発熱体3が形成さ
れ、発熱体3を挟む両側には所定距離離間して薄膜の測
温抵抗体52,53が対称に配列して形成されている。
また、発熱体3と測温抵抗体52,53との間には、そ
の長手方向に沿って上記ダイアフラム13を貫通する帯
状の穴から成るスリット部54a,54bが穿設され、
更に測温抵抗体52,53の外側にも長手方向に沿って
ダイアフラム13を貫通する複数の角穴を断続的に連結
したスリット部55a,55bが穿設されている。同様
に発熱体3及び測温抵抗体52,53の長手方向両端側
には、それぞれ、ダイアフラム13を貫通する穴から成
るスリット部56c,56d及び57c,57dが穿設
されている。これらのスリット部54a〜57dは、通
常のフォトリソグラフイ技術及びウェットもしくはドラ
イエッチング技術により形成されている。なお、上記図
13では、発熱体3と測温抵抗体52,53の各電極
と、平板状基材1上に形成されている発熱体3,測温抵
抗体52,53のそれぞれの通電路を形成する薄膜の導
体パターンについては省略してある。
【0003】次に、上記従来の流量検出素子51の動作
について説明する。計測流体の流路に、上記流量検出素
子51の表面(発熱体3側)を上記流体の流れに平行に
しかつ発熱体3と測温抵抗体52,53の長手方向を上
記流体の流れに直角になるように配置し、発熱体3の温
度が上記流体の温度より所定温度だけ高くなるように発
熱体3への通電電流を制御する。測温抵抗体52,53
は発熱体3に対して対称に形成されているので、流体の
移動が無い場合(流速がゼロのとき)には、上記測温抵
抗体52,53の温度は等しくなる。矢印Vの方向に流
体の移動が生じた場合には、上流側に位置する測温抵抗
体52は冷却されて、その温度が流速がゼロのときに比
べて低くなる。また、上記測温抵抗体52温度の下がり
方は流速が速くなるにしたがって大きくなる。一方、下
流側に位置する測温抵抗体53は、発熱体3の下流側に
位置しているため、同一流速時においては、上記測温抵
抗体53の温度は上流側の測温抵抗体52程には低くな
らなので、上流側の測温抵抗体52と下流側の測温抵抗
体53との間には流体の流速に応じた温度差が生ずる。
そこで、上記温度差に相当する測温抵抗体52と測温抵
抗体53との抵抗値の差を、例えば、測温抵抗体52,
53を組み込んだ図示しないホイートストンブリッジ回
路等の検出手段により検出することにより、上記流体の
流速を計測することができる。
【0004】このように、上記従来例では、平板状基材
1の背面側にキャビティ12を形成して薄肉状のダイア
フラム13を形成することにより、ダストの付着による
出力変動を小さくするようにしている。また、ダイアフ
ラム13にスリット部54a〜57dを設けることによ
り発熱体3から測温抵抗体52,53への熱流を小さく
して、測温抵抗体52,53の温度上昇を小さくすると
ともに、発熱体3から平板状基材1に伝導する熱流を少
なくして感度を向上させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ダイアフラム構造を有する流量検出素子において良好な
感度や応答性を得るためには、スリット部の有無に関わ
らず、ダイアフラム13の厚さを薄くして、ダイアフラ
ム13の熱応答性を高める必要がある。しかしながら、
ダイアフラム13の厚さを薄くしてゆくと、ダイアフラ
ム13の厚さと、発熱体3や測温抵抗体52,53を構
成している感熱抵抗膜の膜厚との比が大きくなってく
る。このため、ダイアフラム13の厚さを薄くするに従
って、ダイアフラム13上において、感熱抵抗膜がある
部分と無い部分との厚さ方向の材料構成の差が顕著にな
り、感熱抵抗膜とキャビティを形成した時点で既にダイ
アフラム13に変形(初期変形)が生じてしまう。この
変形は、膜として溝成された部材の内部応力差に起因し
ている。ダイアフラム13に初期変形がある場合は、発
熱体3を通電加熱すると、ダイアフラム13を構成する
材料(ここでは、基板材料であるシリコン)と、その上
に形成されたの発熱体3等の感熱抵抗膜を構成する材料
(例えば、白金等の金属材料)との熱的なあるいは機械
的な物性値の差によって変形が更に大きくなる。このよ
うな変形が大きい場合には、ダイアフラム13と感熱抵
抗膜との間に大きな応力が発生し、発熱体3や測温抵抗
体52,53を構成している感熱抵抗膜がダイアフラム
13の表面から剥離してしまうなどして、流量センサと
しての検出特性に悪影響を与えるといった問題点があっ
た。更には、ダイアフラム13に大きな変形がある場合
は、膜の熱的あるいは機械的な物性のバラツキによって
流量センサとして動作しているときの膜の変形量にバラ
ツキを生じ、これが流量検出特性に影響を与え、正確な
流量検出ができなくなる恐れがあった。また、薄膜パタ
ーンの形成時,通電加熱時のいずれの場合でも、上述し
た変形がダイアフラム13の面内において非対称であれ
ば、膜の剥離や変形のバラツキは更に大きくなり、流量
センサとしての検出特性を悪化させるといった問題点が
あった。
【0006】本発明は、従来の問題点に鑑みてなされた
もので、ダイアフラムの変形を抑制して、応答性,感度
及び信頼性に優れ、流量検出精度の高い流量センサを得
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の流量センサは、流量検出素子の平板状基材に設けられ
たダイアフラム上の面内に形成された感熱抵抗膜よりな
る発熱体と、上記平板状基材上に設けられた発熱体の電
極部と、この電極部から上記ダイアフラム近傍まで延長
されるリードパターンと、少なくとも一部が上記ダイア
フラム上に形成され、上記リードパターンと上記発熱体
のパターンとの間を接続する接続パターンとを有する流
量検出素子を備え、上記発熱体に通電しその通電量に基
づいて上記流量検出素子上を通過する流体の流量を計測
する流量センサにおいて、上記発熱体のパターンに接続
されるとともに、上記ダイアフラム上で上記接続パター
ンとほぼ対称となるように、上記ダイアフラム上に付加
パターンを設けたことを特徴とするものである。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】請求項に記載の流量センサは、接続パタ
ーンと付加パターンとを、ともに、発熱体のパターンの
隅部とダイアフラムの隅部とを結ぶ線上を通るように形
成したものである。
【0013】請求項に記載の流量センサは、接続パタ
ーンを発熱体のパターンの少なくとも一部を囲むように
形成したものである。
【0014】請求項に記載の流量センサは、接続パタ
ーンと付加パターンのダイアフラム上に占める面積の和
が、ダイアフラム表面の発熱体のパターンを除く領域の
面積の半分以上を占めるようにしたものである。
【0015】請求項に記載の流量センサは、接続パタ
ーンと付加パターンとを連結し一体化するようにしたも
のである。
【0016】
【0017】請求項に記載の流量センサは、発熱体の
パターンと接続パターンと付加パターンとを同一の金属
層により形成したものである。
【0018】請求項に記載の流量センサは、発熱体の
パターンと接続パターンと付加パターンのそれぞれの厚
さを、ダイアフラムの厚さの1/5以下としたものであ
る。
【0019】また、請求項に記載の流量センサは、ダ
イアフラムの通電路以外の領域に設けられ、発熱体の通
電に寄与しない第1のダミーパターンを有し、上記第1
ダミーパターンをダイアフラム上でほぼ対称となるよ
うな位置に形成したものである
【0020】請求項に記載の流量センサは、ダイアフ
ラム外周部に形成される第ダミーパターンと、上記
ダミーパターンと上記第2のダミーパターンと
連結する連結パターンを設けるとともに、この連結パタ
ーンの幅を、上記連結パターンのダイアフラム境界線に
おける距離の総和がダイアフラム境界線全周の半分以下
であるように設定したものである。なお、以下、上記付
加パターンを第1の付加パターン、上記第1のダミーパ
ターンを第2の付加パターン、上記第2のダミーパター
ンを第3の付加パターンという。
【0021】請求項10に記載の流量センサは、第3の
付加パターンを発熱体のパターンと接続せず、流量検出
回路のグランドまたは流量センサのシールド部材に接続
するようにしたものである。
【0022】請求項11に記載の流量センサは、上記連
結パターンをダイアフラムの隅部を通るように形成した
ものである。
【0023】請求項12に記載の流量センサは、上記第
2の付加パターンを、発熱体のパターンの少なくとも一
部を囲むように形成したものである。
【0024】請求項13に記載の流量センサは、上記第
2の付加パターンのダイアフラム上に占める面積が、ダ
イアフラム表面の発熱体のパターンを除く領域の面積の
半分以上を占めるようにしたものである。
【0025】請求項14に記載の流量センサは、発熱体
のパターンと上記第2の付加パターンとを同一の金属層
により形成したものである。
【0026】請求項15に記載の流量センサは、発熱体
のパターンと上記第2の付加パターンのそれぞれの厚さ
を、ダイアフラムの厚さの1/5以下としたものであ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づき説明する。 実施の形態1.図1(a),(b)は、本発明の実施の
形態1に係わる流量センサに用いられる流量検出素子2
1の構成を示す図で、(a)図は平面図、(b)図はそ
のA−A断面図である。同図において、1は例えば厚さ
的0.4mmのシリコンより成る平板状基材、2はこの
平板状基材の表面にスパッタ法あるいはCVD法等によ
り形成された、例えば厚さ1μmの窒化シリコン等より
成る絶縁性の支持膜、3は上記支持膜2上に蒸着法ある
いはスパッタ法等により形成された、例えば厚さ0.2
μmの白金等の感熱抵抗膜より構成された発熱体であ
る。この発熱体3は、支持膜2上に上記感熱抵抗膜を形
成した後、フォトリソグラフィ及びウェットあるいはド
ライエッチング等の方法を用いて発熱体3のパターン
(以下、発熱パターンという)を形成することにより形
成される。上記パターンニングによって形成された発熱
体3の発熱部の大きさは、例えば幅方向の長さが0.5
mm、長手方向の長さがl.5mmである。上述した発
熱パターンを形成するのと同様の手法で、上記発熱体3
に通電するためにリードパターン4a,4bと、発熱体
3とリードパターン4a,4bとを接続する接続パター
ン5a,5bとを形成するとともに、上記発熱体3を挟
んで、上記接続パターン5a,5bの反対側に上記第1
の付加パターン6a,6bを形成する。なお、上記第1
の付加パターン6a,6bは発熱体3の発熱に寄与する
通電路とはなっていないダミーパターンである。また、
同様の手法で、感熱抵抗膜より成る流体温度測温体7
と、この流体温度測温体7に通電するためのリードパタ
ーン4c,4dとが形成される。上記発熱体3及び上記
流体温度測温体7の上には、更に、例えば厚さ1μmの
窒化シリコン等より成る絶縁性の保護膜8がスパッタ法
あるいはCVD法等により形成される。また、発熱体3
及び流体温度測温体7とは、上記各リードパターン4a
〜4dにより、流量検出素子21の外部との電気的接続
を行うための電極9a〜9dと接続されている。なお、
上記電極9a〜9dの部分はワイヤボンド等の方法で外
部と電気的に接続するために上記保護膜3は除去されて
いる。
【0028】一方、平板状基材1の支持膜2が形成され
ている面と反対側の面は、はじめに裏面保護膜10を形
成し、フォトリソグラフィ及びウェットあるいはドライ
エッチング等の方法によりエッチングホール11を形成
する。その後、上記平板状基材1に対して上記エッチン
グホール11を通して、例えばアルカリエッチング等を
施すことによって、平板状基材1の一部を裏面側から除
去し、表面に連通しない断面が台形状のキャビティ12
を形成することにより、このキャビティ12の底部側、
すなわち上記平板状基材1の表面側に薄肉状のダイアフ
ラム13を形成する。なお、上記ダイアフラム13の大
きさは、例えば0.9mm×2mmである。上記ダイア
フラム13が形成されることによって、図1(a)の斜
線部に示すように、第1の付加パターン6a,6bと接
続パターン5a,5bとは、ダイアフラム13上におい
て、ダイアフラム13の幅方向の中心軸(あるいはダイ
アフラム13の中心)に対してほぼ対称の位置関係に形
成されることになる。したがって、第1の付加パターン
6a,6bを設けたことにより、ダイアフラム13上に
形成される薄膜のパターンは、上記ダイアフラム上で、
ダイアフラム13の長手方向及び幅方向の中心軸に対し
てほぼ対称となる。また、図1(a)の矢印Vは計測流
体の流れの方向を示すもので、流量検出素子21は、上
記流体の流路に、平板状基材1の発熱体3側(表面側)
を上記流体の流れに平行にかつ発熱体3の長手方向を流
れに直角になるようにして配置される。なお、図1にお
いては、流量検出素子21の構成をわかりやすくするた
め、例えば発熱体3のパターン幅を太くするなど、各部
分の寸法比を実際とは異なって表現している。これは、
以下に示す他の実施の形態おいても同様である。
【0029】図2(a),(b)は上記流量検出素子2
1用いた流量センサ20の構成を示す図で、(a)図は
正面図、(b)図はそのB−B断面図である。同図にお
いて、21は流量検出素子、22は検出管路、23は流
体の通路である主通路、24は制御回路基板25が収納
されたケース、26は流量センサ20に電源を供給した
り出力を取り出すためのコネクタで、流量検出素子21
は上記検出管路22に配置された板状のホルダ27の表
面に装着されている。また、28は流量検出素子21と
制御回路基板25とを電気的に接続しているリード線
で、29は制御回路基板25を電磁波などの外乱ノイズ
から保護するためのシールド部材である。なお、図2に
示した流量センサ20の構成は、以下に述べる他の実施
の形態においても同様である。
【0030】図3は、流量検出素子21の発熱体3を所
定の平均温度となるような抵抗値に制御する制御回路3
0の構成を示す回路図である。制御回路30は、流体温
度測温体7と発熱体3とを含むブリッジ回路となってお
り、31〜35はそれぞれ抵抗値Rl,R2,R3,R
4,R5を有する固定抵抗、36,37は演算増幅器、
38,39はトランジスタ(Trl,Tr2)、40は
電源である。発熱体3と流体温度測温体7とを除く制御
回路30の構成部品は、図2の制御回路基板25上に構
成される。制御回路30は、図3に示したa点とb点と
の電位を略等しくするように、発熱体3に通電される加
熱電流Ihを制御するように構成されており、計測流体
の流速が早くなると、発熱体3から計測流体への熱伝達
が多くなるため発熱体3の平均温度を所定の値に保つ時
の加熱電流Ihは増加する。この加熱電流の大きさを抵
抗33(R3)の両端の電圧Voutとして検出すること
により、計測流体の流速あるいは所定の通路断面積を有
する通路内を流れる計測流体の流量を検出することがで
きる。すなわち、発熱体3の抵抗値をRh,発熱体3の
平均温度をTh,計測流体の温度をTa,所定の通路断面
積を有する通路内を流れる流量をQとすると、以下の式
(1)が成り立つ。 Ih 2×Rh=(a+b×Qn)×(Th−Ta)‥‥(1) ここで、a,b,nは流量検出素子21の形態によって
決まる定数である。詳細には、aは流量Qに依存しない
熱量に相当する係数であり、その大部分は発熱体3から
平板状基材1へ伝わる熱伝導損失で、bは強制対流熱伝
達に相当する係数である。また、nは発熱体3の近傍の
流れの様相によって決まる値で、その値は0.5程度と
なる。
【0031】上記式(1)より明らかなように、aの係
数に相当する熱量は流量検出に寄与しない。したがっ
て、流量センサ20の感度を向上させるには、発熱体3
から平板状基材1へ伝わる熱伝導損失を小さくしてやる
必要があることがわかる。また、流量Qが変化したとき
の流量センサ20の出力の追従性、すなわち応答性は、
発熱体3が形成されているダイアフラム13の厚さを薄
くしてダイアフラム13の熱容量を小さくすることによ
り向上させることができる。更に、流量センサ20に電
源を供給して起動してから、流量センサ20が正確な流
量信号を出力するまでの時間は、発熱体3から熱容量の
大きな平板状基材1に流れる熱流が少ない程短くなる。
そこで、本実施の形態1では、発熱体3から平板状基材
1への熱流を小さくするために、ダイアフラム13の厚
さを2μm(パターン形成部で2.2μm)と薄くして
いる。
【0032】ダイアフラム13上には、膜層方向(厚み
方向)において、パターンがある部分とない部分とが存
在するが、本実施の形態1においては、図1(a)に示
すように、薄膜のパターンをダイアフラム13の面内に
おいてほぼ対称なるように形成したので、支持膜2や保
護膜8を構成する窒化シリコン膜と、上記薄膜のパター
ンを構成する白金膜との間の内部応力や機械的あるいは
熱的物性の差によるダイアフラム13の変形は抑制され
る。また、変形が生じた場合でも、その変形形状は対称
形状に単純化されるので、変形によって膜間に発生する
応力は低くなり、膜間の剥離を防止することができる。
更に、ダイアフラム13の変形量を小さくし、変形形状
を対称形状に単純化できるので、発熱体3への通電時に
おいても変形のバラツキは小さく、したがって、流量セ
ンサ20の流量検出特性が揃い、精度の高い流量センサ
を得ることができる。
【0033】更に、本実施の形態1では、ダイアフラム
の厚さを1としたときの発熱体3のパターン厚と接続パ
ターン5a,5b及び第1の付加パターン6a,6bの
パターン厚とをそれぞれ0.1と薄くしたので、ダイア
フラム13の膜層構造におけるパターン厚の影響を小さ
くすることができ、薄膜のパターンがダイアフラム13
の面内において完全に対称な形状でなくとも、ほぼ対称
であればダイアフラム13の変形を十分抑制することが
できる。なお、発熱体3のパターンと接続パターン5
a,5b及び第1の付加パターン6a,6bのパターン
厚は、ダイアフラムの厚さの1/5倍以下であれば、ダ
イアフラム13の変形を十分抑制することができる。。
また、本実施の形態1では、発熱体3のパターンと接続
パターン5a,5b及び付加パターン6a,6bとを同
一の白金等の金属層により構成したので、製造時に一度
に膜を形成することがでる。したがって、製造工程を単
純にでき、流量センサ20のコストを低減することがで
きる。
【0034】実施の形態2.図4は、本発明の実施の形
態2に係わる流量検出素子21のダイアフラム近傍の構
成を示す図である。本実施の形態2は、上記図1(a)
に示した実施の形態1の第1の付加パターン6a,6b
を発熱体3のパターンと連結して、第1の付加パターン
6a,6bの形状を接続パターン5a,5bの形状と完
全に対称になるようにしたものである。これにより、ダ
イアフラム13の上に形成された薄膜パターンの対称性
をより高くすることができ、ダイアフラム13の変形を
更に抑制することができる。
【0035】実施の形態3.図5は、本発明の実施の形
態3に係わる流量検出素子21の構成を示す平面図であ
る。同図において、接続パターン5a,5bは、下側
(流体温度測温体7側)で発熱体3を囲むように形成さ
れ、第1の接続パターン6a,6bは、上側から発熱体
3を囲むように、上記接続パターン5a,5bと対称な
位置に形成されている。また、第1の接続パターン6
a,6bは、発熱体3の通電に寄与しないダミーパター
ンで、発熱体3とは電気的につながっておらず、平板状
基材1において発熱体3や流体温度測温体7の通電路を
除く部分に広く構成されたリードパターン4eによって
電極9eに接続されている。この電極9eは、ワイヤボ
ンディング等の手段により、図2に示し制御回路基板2
5のグランドあるいは流量センサ20のシールド部材2
9に接続される。なお、図5では上記電極9eの接続状
態については省略した。このように、発熱体3や流体温
度測温体7の通電路の周りに、グランドあるいはシール
ド部材に接続されたパターンを設けたことにより、流量
検出素子21が、電磁波などの外乱ノイズに曝された場
合でも、ノイズのAC成分を除去することができ、流量
センサの誤動作や誤出力を防止することができる。
【0036】実施の形態4.図6は、本発明の実施の形
態4に係わる流量検出素子21のダイアフラム近傍の構
成を示す図である。本実施の形態4では、接続パターン
5a,5bと、第1の付加パターン6a,6bとが、そ
れぞれ、発熱体3のパターンの隅部3zとダイアフラム
13の隅部13zとを結ぶ線上を通るように形成したも
ので、これにより、ダイアフラム13の四隅の部位にお
いて膜層構造がほぼ等しくなるため、ダイアフラム13
の変形量の抑制や変形形状の単純化の効果を更に高める
ことができる。なお、図6では、第1の付加パターン6
a,6bは発熱体3のパターンとがつながっている例を
示したが、つながっていなくても、ダイアフラム13の
変形量の抑制や変形形状の単純化の効果を十分高めるこ
とができる。
【0037】実施の形態5.図7は、本発明の実施の形
態5に係わる流量検出素子21のダイアフラム近傍の構
成を示す図である。本実施の形態5では、接続パターン
5a,5bと第1の付加パターン6a,6bとを、ダイ
アフラム13上において発熱体3のパターン以外の部分
を広く覆うように形成するとともに、発熱部3を構成す
る発熱パターンを囲むように形成し、更に、上記接続パ
ターン5a,5bと第1の付加パターン6a,6bの面
積の和がダイアフラム13上に占める割合を、ダイアフ
ラム13上の発熱パターンを除く領域の半分以上を占め
るようにしたものである。これにより、ダイアフラム1
3上の多くの部分がパターンを構成する膜を含む膜層構
造となり、ダイアフラム13の膜層構造がほぼ均一と見
なせるようになるため、ダイアフラム13の変形量の抑
制や変形形状の単純化の効果を更に高めることができ
る。
【0038】実施の形態6.図8は、本発明の実施の形
態6に係わる流量検出素子21のダイアフラム近傍の構
成を示す図である。本実施の形態6は、ダイアフラム1
3上の発熱体3のパターン以外の下側(流体温度測温体
7側)の部分を広く覆った接続パターン5a,5bと、
上記接続パターン5a,5bとダイアフラム13上で対
称に形成され、ダイアフラム13上の発熱体3のパター
ン以外の上側の部分を広く覆った第1の付加パターン6
a,6bとを、接続パターン5aと第1の付加パターン
6a及び接続パターン5bと第1の付加パターン6bと
を連結し一体化することにより接続パターン5A,5B
を構成し、更に、上記接続パターン5A,5Bを、発熱
体3のパターンの隅部とダイアフラムの隅部とを結ぶ線
上を通るようにしたものである。また、上記接続パター
ン5A,5Bがダイアフラム13上の面積が、ダイアフ
ラム13上の発熱パターンを除く領域の半分以上を占め
るようにした。これにより、ダイアフラム13上では、
接続パターン5a,5bと第1の付加パターン6a,6
bとの境界がなくなり、ダイアフラム13の面方向のパ
ターンは単純化される。したがって、膜層構造が不連続
であるために生ずる強度や変形の不連続性を軽減できる
ので、変形量の抑制や変形形状の単純化の効果をより高
めることができ、信頼性の高い流量センサを得ることが
できる。
【0039】実施の形態7.図9は、本発明の実施の形
態7に係わる流量検出素子21のダイアフラム近傍の構
成を示す図である。本実施の形態7は、第1の付加パタ
ーン6a,6bを発熱体3の電流路とするとともに、第
1の付加パターン6a,6bのパターン幅を発熱体3の
パターン幅よりも広く形成したもので、これにより、接
続パターン5a,5bと第1の付加パターン6a,6b
との発熱量をほぼ等しくすることができる。したがっ
て、形状に加え、温度的にも対称な構造のダイアフラム
13を構成することができ、ダイアフラム13の変形量
の抑制や変形形状の単純化の効果をより高めた流量セン
サを得ることができる。
【0040】実施の形態8.図10は、本発明の実施の
形態8に係わる流量検出素子21の構成を示す平面図
で、上記実施の形態2(図4)の発熱体3のパターンと
接続パターン5a,5bと第1の付加パターン6a,6
bとに加え、ダイアフラム13上の通電路以外の領域に
おいて、互いがほぼ対称となるような位置に、発熱体3
の通電に寄与しないダミーパターンである第2の付加パ
ターン14a,14b,14c,14dを形成したもの
である。すなわち、発熱体3のパターンと接続パターン
5a,5b及び第1の付加パターン6a,6bのダイア
フラム13上に形成された部分とを、幅方向から挟むよ
うに、広い面積の第2の付加パターン14a,14bを
形成し、接続パターン5a,5bとの間隙と第1の付加
パターン6a,6bとの間隙とに、上記各間隙を埋める
ように、それぞれ第2の付加パターン14c,14dと
を形成することにより、ダイアフラム13上の薄膜のパ
ターンをほぼ対称とするとともに、ダイアフラム13上
の多くの部分がパターンを構成する膜を含む膜層構造と
した。これにより、ダイアフラム13上の膜層構造を、
ほぼ一様にでき、ダイアフラム13の変形量の抑制や変
形形状の単純化の効果を更に高めることができる。ま
た、上記第2の付加パターン14a,14b,14c,
14dは、ダイアフラム13上のみに存在し、平板状基
材1の他の部分にはないので、発熱部3の熱は平板状基
材1に逃げにくく、したがって、流量センサの応答性や
感度を向上させることができる。なお、上記第2の付加
パターン14a,14b,14c,14dは発熱体3と
同一の白金等の金属層により構成され、そのパターン厚
はダイアフラム13の厚さの1/5以下に設計されてい
るので、製造工程を単純にでき、流量センサ20のコス
トを低減することができるとともに、ダイアフラム13
の変形を十分抑制することができる。
【0041】実施の形態9.図11は、本発明の実施の
形態9に係わる流量検出素子21のダイアフラム近傍の
構成を示す図である。本実施の形態9は、上記実施の形
態8(図10)の発熱体3のパターン,接続パターン5
a,5b,第1の付加パターン6a,6b,第2の付加
パターン14a,14b,14c,14dとに加えて、
上記第2の付加パターン14a,14bの外側でダイア
フラム13の外周部に第3の付加パターン15a,15
bを設けるとともに、接続パターン5a,5bとの間隙
と第1の付加パターン6a,6bとの間隙のダイアフラ
ム13の外周部に形成された部分に、上記各間隙を埋め
るように、それぞれ第3の付加パターン14c,14d
とを形成し、更に、上記第2の付加パターン14aと第
3の付加パターン15a、上記第2の付加パターン14
bと第3の付加パターン15bとをそれぞれ連結する複
数の連結パターン16a,16bを設けたものである。
また、上記連結パターン16a,16bのパターン幅
を、ダイアフラム13の境界線における上記連結パター
ン16a,16bの距離の総和が上記境界線全周の半分
以下となるように設定している。これにより、ダイアフ
ラム13上の膜層構造をほぼ一様にできるとともに、ダ
イアフラム13の境界部に、ダイアフラム13を橋絡す
るように連結パターン16a,16bが形成されている
ので、ダイアフラム13の境界部の膜層構造の不連続性
を緩和することができ、ダイアフラム13の境界部近傍
の強度低下を抑制することができる。更に、ダイアフラ
ム13の境界線における上記連結パターン16a,16
bの距離の総和が、上記境界線全周の半分以下になるよ
うに、上記連結パターン16a,16bのパターン幅を
設定したので発熱部3から平板状基材1に逃げる熱が抑
制され、流量センサの応答性や感度を向上させることが
できる。
【0042】実施の形態10.上記実施の形態9では、
ダイアフラム13の外周部に、第3の付加パターン15
a,15bを設け、接続パターン5a,5bとの間隙と
第1の付加パターン6a,6bとの間隙に第3の付加パ
ターン14c,14dと設けるとともに、連結パターン
16a,16bを設けて、上記第2の付加パターン14
a,14bと第3の付加パターン15a,15bとを連
結する構成としたが、本実施の形態10では、平板状基
材1において流体温度測温体7の通電路を囲むようなリ
ードパターン4fを形成し、このリードパターン4fと第
3の付加パターン15a,15bとを一体化するととも
に、発熱体3の流体温度測温体7とは反対側の第2の付
加パターン14a,14bと第3の付加パターン15
a,15bとを一体化し、更に第2の付加パターン14
c,14dも一体化したリードパターン17を構成し、
このリードパターン17により、発熱体3及び流体温度
測温体7の通電路の周りを囲むようにしたものである。
上記リードパターン17は電極9eに接続され、この電
極9eは、ワイヤボンディング等の手段により、図2に
示し制御回路基板25のグランドあるいは流量センサ2
0のシールド部材29に接続される。なお、図12では
上記電極9eの接続状態については省略した。これによ
り、流量検出素子21が、電磁波などの外乱ノイズに曝
された場合でも、ノイズのAC成分を除去することがで
き、流量センサの誤動作や誤出力を防止することができ
る。
【0043】なお、上記実施の形態8,9,10では、
接続パターン5a,5bと対称な第1の付加パターン6
a,6bに加えて、第2の付加パターン14a,14
b,14c,14dを形成した場合について説明した
が、上記第1の付加パターン6a,6bがなくても、ダ
イアフラム13の表面に形成される薄膜のパターンが、
上記ダイアフラム上でほぼ対称となるように、第2の付
加パターン14a,14b,14c,14dなどの付加
パターンを設けることにより、ダイアフラム13の変形
を抑制することができることは言うまでもない。このと
き、上記付加パターンの面積がダイアフラム13上に占
める割合を、ダイアフラム13上の発熱パターンを除く
領域の半分以上を占めるようにすれば、ダイアフラム1
3の膜層構造がほぼ均一と見なせるようになり、ダイア
フラム13の変形量の抑制や変形形状の単純化の効果を
更に高めることができる。また、上記例では、ダイアフ
ラム13上に発熱体3を設け、平板状基材1の上記発熱
体3から離れたダイアフラム13の外側に流体温度測温
体7を設けた構成の流量検出素子21を用いた流量セン
サについて説明したが、上述した従来例のように、ダイ
アフラム13上に発熱体3と測温抵抗体52,53とを
備えた流量検出素子51のようなタイプの流量検出素子
を用いた流量センサにおいても、スリット部の有無に関
わらず、流量検出素子のダイアフラムの表面に形成され
る薄膜のパターンが上記ダイアフラム上でほぼ対称とな
るように付加パターンを設けることにより、ダイアフラ
ムの変形を抑制することができ、良好な感度と応答性能
を有する流量センサが得ることができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、流量検出素子の平板状基材に設けられた
ダイアフラム上の面内に形成された発熱体のパターンに
接続されるとともに、上記ダイアフラム上で上記発熱体
に通電するための接続パターンとほぼ対称となるよう
に、上記ダイアフラム上に付加パターンを設けたので、
接続パターンによるダイアフラム上のパターンの偏りを
軽減することができる。したがって、発熱部への通電
時,非通電時を問わず、ダイアフラムの変形量を小さく
することできるとともに、変形形状を対称化し単純化す
ることができるので、再現性及び信頼性に優れた流量セ
ンサを得ることができる。
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】請求項に記載の発明によれば、接続パタ
ーンと付加パターンとを、ともに、発熱体のパターンの
隅部とダイアフラムの隅部とを結ぶ線上を通るように形
成したので、ダイアフラムの隅の部位における膜層構造
がほぼ等しくなり、ダイアフラムの変形量の抑制や変形
形状の単純化の効果を高めることができる。
【0050】請求項に記載の発明によれば、接続パタ
ーンを発熱体のパターンの少なくとも一部を囲むように
形成したので、発熱体近傍の膜層構造を均一にでき、ダ
イアフラムの変形を抑制することができる。
【0051】請求項に記載の発明によれば、接続パタ
ーンと付加パターンのダイアフラム上に占める面積の和
が、ダイアフラム表面の発熱体のパターンを除く領域の
面積の半分以上を占めるようにし、ダイアフラム上の多
くの部分がパターンを構成する膜を含む膜層構造となる
ようにしたので、ダイアフラムの膜層構造をほぼ均一と
することができ、ダイアフラムの変形量の抑制や変形形
状の単純化の効果を更に高めることができる。
【0052】請求項に記載の発明によれば、接続パタ
ーンと付加パターンとを連結し一体化するようにしたの
で、接続パターンと付加パターンとの境界がなくなり、
ダイアフラムの面方向のパターンが単純化されるととも
に、膜層構造が不連続であるために生ずる強度や変形の
不連続性を軽減できるので、変形量の抑制や変形形状の
単純化の効果をより高めることができる。
【0053】
【0054】請求項に記載の発明によれば、発熱体の
パターンと接続パターンと付加パターンとを同一の金属
層により形成したので、製造工程を単純にでき、流量セ
ンサのコストを低減することができる。
【0055】請求項に記載の発明によれば、発熱体の
パターンと接続パターンと付加パターンのそれぞれの厚
さを、ダイアフラムの厚さの1/5倍以下とし、ダイア
フラム膜層構造におけるパターン厚の影響を小さくする
ようにしたので、薄膜のパターンがダイアフラムの面内
において完全に対称な形状でなくとも、ほぼ対称であれ
ばダイアフラムの変形を十分抑制することができる。
【0056】また、請求項に記載の発明によれば、ダ
イアフラムの通電路以外の領域に設けられ、発熱体の通
電に寄与しない第1のダミーパターンを有し、上記第1
ダミーパターンをダイアフラム上でほぼ対称となるよ
うな位置に形成したので、ダイアフラム上の膜層構造を
ほぼ一様にすることができるとともに、発熱部の熱を平
板状基材に逃げにくくすることができ、流量センサの応
答性や感度を更に向上させることができる。
【0057】請求項に記載の発明によれば、ダイアフ
ラム外周部に形成される第ダミーパターンと、上記
ダミーパターンと上記第2のダミーパターンとを
連結する連結パターンを設けるとともに、この連結パタ
ーンの幅を、上記連結パターンのダイアフラム境界線に
おける距離の総和がダイアフラム境界線全周の半分以下
であるように設定したので、ダイアフラムの境界部の膜
層構造の不連続性が緩和することができ、ダイアフラム
の境界部近傍の強度低下を抑制することができるととも
に、発熱部から平板状基材に逃げる熱を抑制することが
できるので、流量センサの応答性や感度を更に向上させ
ることができる。
【0058】請求項10に記載の発明によれば、第
ダミーパターンを発熱体のパターンと接続せず、流量検
出回路のグランドまたは流量センサのシールド部材に接
続するようにしたので、流量検出素子が電磁波などの外
乱ノイズにさらされた場合でも、ノイズのAC成分を除
去することができ、流量センサの誤動作や誤出力を防止
することができる。
【0059】請求項11に記載の発明によれば、上記連
結パターンをダイアフラムの隅部を通るように形成した
ので、ダイアフラムの隅の部位において膜層構造がほぼ
等しくでき、ダイアフラムの変形量の抑制や変形形状の
単純化の効果を更に高めることができる。
【0060】請求項12に記載の発明によれば、第
ダミーパターンを、発熱体のパターンの少なくとも一部
を囲むように形成したので、発熱体近傍の膜層構造を均
一にでき、ダイアフラムの変形を抑制することができ
る。
【0061】請求項13に記載の発明によれば、第
ダミーパターンのダイアフラム上の面積が、ダイアフラ
ム表面の発熱体のパターンを除く領域の面積の半分以上
を占めるようにしたので、ダイアフラム上の多くの部分
で、パターンを構成する膜を含む膜層構造となり、ダイ
アフラムの膜層構造をほぼ均一にすることができる。
【0062】請求項14に記載の発明によれば、発熱体
のパターンと第ダミーパターンとを同一の金属層に
より形成したので、製造工程を単純にでき、流量センサ
のコストを低減することができる。
【0063】請求項15に記載の発明によれば、発熱体
のパターンと第ダミーパターンのそれぞれの厚さ
を、ダイアフラムの厚さの1/5倍以下としたので、ダ
イアフラム膜層構造におけるパターン厚の影響を小さく
することができ、ダイアフラムの変形を十分抑制するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係わる流量センサに
用いられる流量検出素子の構成を示す図である。
【図2】 本実施の形態1に係わる流量センサの構成を
示す図である。
【図3】 本実施の形態1に係わる流量センサの制御回
路の構成を示す図である。
【図4】 本実施の形態2に係わる流量検出素子のダイ
アフラム近傍の構成を示す図である。
【図5】 本実施の形態3に係わる流量検出素子の構成
を示す平面図である。
【図6】 本実施の形態4に係わる流量検出素子のダイ
アフラム近傍の構成を示す図である。
【図7】 本実施の形態5に係わる流量検出素子のダイ
アフラム近傍の構成を示す図である。
【図8】 本実施の形態6に係わる流量検出素子のダイ
アフラム近傍の構成を示す図である。
【図9】 本実施の形態7に係わる流量検出素子のダイ
アフラム近傍の構成を示す図である。
【図10】 本発明の実施の形態8に係わる流量センサ
に用いられる流量検出素子の構成を示す平面図である。
【図11】 本実施の形態9に係わる流量検出素子のダ
イアフラム近傍の構成を示す図である。
【図12】 本実施の形態10に係わる流量検出素子の
構成を示す平面図である。
【図13】 従来の流量検出素子の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 平板状基材、2 支持膜、3 発熱体、4a〜4f
リードパターン、5a,5b,5A,5B 接続パタ
ーン、6a,6b 第1の付加パターン、7 流体温度
測温体、8 保護膜、9a〜9e 電極、10 裏面保
護膜、11 エッチングホール、12 キャビティ、1
3 ダイアフラム、14a〜14d 第2の付加パター
ン、15a〜15d 第3の付加パターン、16a,1
6b 連結パターン、17 リードパターン、20 流
量センサ、21 流量検出素子、22 検出管路、23
主通路、24 ケース、25 制御回路基板、26
コネクタ、27 ホルダ、28 リード線、29 シー
ルド部材、30 制御回路、31〜35 抵抗、36,
37 演算増幅器、38,39 トランジスタ、40
バッテリ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01F 1/692 G01P 5/12 G01K 7/16 G01K 7/18 G01K 7/22 G01L 1/22

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状基材を部分的に除去して形成され
    るダイアフラムと、上記ダイアフラム上の面内に形成さ
    れた感熱抵抗膜よりなる発熱体と、上記平板状基材上に
    設けられた発熱体の電極部と、この電極部から上記ダイ
    アフラム近傍まで延長されるリードパターンと、少なく
    とも一部が上記ダイアフラム上に形成され、上記リード
    パターンと上記発熱体のパターンとの間を接続する接続
    パターンとを有する流量検出素子を備え、上記発熱体に
    通電しその通電量に基づいて上記流量検出素子上を通過
    する流体の流量を計測する流量センサにおいて、上記発
    熱体のパターンに接続されるとともに、上記ダイアフラ
    ム上で上記接続パターンとほぼ対称となるように、上記
    ダイアフラム上に付加パターンを設けたことを特徴とす
    る流量センサ。
  2. 【請求項2】 接続パターンと付加パターンとを、とも
    に、発熱体のパターンの隅部とダイアフラムの隅部とを
    結ぶ線上を通るように形成したことを特徴とする請求項
    記載の流量センサ。
  3. 【請求項3】 接続パターンを、発熱体のパターンの少
    なくとも一部を囲むように形成したことを特徴とする請
    求項記載の流量センサ。
  4. 【請求項4】 接続パターンと付加パターンのダイアフ
    ラム上に占める面積の和が、 ダイアフラム表面の発熱体のパターンを除く領域の面積
    の半分以上を占めるようにしたことを特徴とする請求項
    記載の流量センサ。
  5. 【請求項5】 接続パターンと付加パターンとを連結し
    一体化したことを特徴とする請求項記載の流量セン
    サ。
  6. 【請求項6】 発熱体のパターンと接続パターンと付加
    パターンとを同一の金属層により形成したことを特徴と
    する請求項記載の流量センサ。
  7. 【請求項7】 発熱体のパターンと接続パターンと付加
    パターンのそれぞれの厚さを、ダイアフラムの厚さの1
    /5以下としたことを特徴とする請求項記載の流量セ
    ンサ。
  8. 【請求項8】 イアフラムの通電路以外の領域に設け
    られ、発熱体の通電に寄与しない第1のダミーパターン
    を有し、上記第1のダミーパターンをダイアフラム上で
    ほぼ対称となるような位置に形成したことを特徴とする
    請求項1記載の流量センサ。
  9. 【請求項9】 ダイアフラム外周部に形成される第
    ダミーパターンと、上記第ダミーパターンと上記
    2のダミーパターンとを連結する連結パターンを設ける
    とともに、この連結パターンの幅を、上記連結パターン
    ダイアフラム境界線における距離の総和がダイアフラ
    ム境界線全周の半分以下であるように設定したことを特
    徴とする請求項記載の流量センサ。
  10. 【請求項10】 第ダミーパターンは、発熱体のパ
    ターンと接続されておらず、 流量検出回路のグランドまたは流量センサのシールド部
    材に接続されていることを特徴とする請求項記載の流
    量センサ。
  11. 【請求項11】 連結パターンを、ダイアフラムの隅部
    を通るように形成したことを特徴とする請求項記載の
    流量センサ。
  12. 【請求項12】 上記第1のダミーパターンを、発熱体
    のパターンの少なくとも一部を囲むように形成したこと
    を特徴とする請求項記載の流量センサ。
  13. 【請求項13】 上記第1のダミーパターンのダイアフ
    ラム上に占める面積が、ダイアフラム表面の発熱体のパ
    ターンを除く領域の面積の半分以上を占めるようにした
    ことを特徴とする請求項記載の流量センサ。
  14. 【請求項14】 発熱体のパターンと上記第1のダミー
    パターンとを同一の金属層により形成したことを特徴と
    する請求項記載の流量センサ。
  15. 【請求項15】 発熱体のパターンと上記第1のダミー
    パターンのそれぞれの厚さを、ダイアフラムの厚さの1
    /5以下としたことを特徴とする請求項記載の流量セ
    ンサ。
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