JP3512380B2 - 領域分離装置およびそれを用いた画像処理装置、ならびに領域分離方法 - Google Patents

領域分離装置およびそれを用いた画像処理装置、ならびに領域分離方法

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JP3512380B2 JP2000287504A JP2000287504A JP3512380B2 JP 3512380 B2 JP3512380 B2 JP 3512380B2 JP 2000287504 A JP2000287504 A JP 2000287504A JP 2000287504 A JP2000287504 A JP 2000287504A JP 3512380 B2 JP3512380 B2 JP 3512380B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、画像データに対
して、いわゆる擬似中間調処理を施す画像処理装置にお
いて好適に用いられ、個々の画素が写真領域に属するか
否か、または細線領域に属するか否かを判定する領域分
離装置および領域分離方法、ならびにこれらが適用され
た画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル複写機、プリンタおよびファ
クシミリなどの画像形成装置においては、濃度階調を表
す多値画像データを二値画像データに変換する際に、い
わゆる擬似中間調処理が施される。とくに、写真画像を
表す多値画像データは中間調を多く含んでいるから、擬
似中間調処理を欠かすことができない。このような擬似
中間調処理の1つに誤差拡散処理がある。
【0003】誤差拡散処理では、所定の閾値を用いて注
目画素の多値画像データを二値画像データに変換する際
に発生する発生誤差を注目画素の周辺にあって未だ二値
化されていない周辺画素に分配して周辺画素の多値画像
データを変更する処理が、繰り返し実行される。これに
より、画像形成部によって出力されるドットの密集状態
が制御され、擬似的に中間調を表現した出力画像が得ら
れる。画像形成部には、電子写真プロセスによって画像
を記録シート上に形成するものが適用される場合が多
い。
【0004】一般的な誤差拡散処理では、ドットがラン
ダムに分散されるため、孤立ドットが多く発生しやす
い。ところが、電子写真プロセスによる画像の形成で
は、個々のドットの大きさが必ずしも安定しないから、
孤立ドットの大きさを精度良く制御することができな
い。そのために、一般的な誤差拡散処理は、電子写真プ
ロセスに適用した場合に、階調表現の安定性が不充分で
あり、写真画像の表現には必ずしも適していない。
【0005】中間調処理の他の例として、組織的ディザ
処理がある。組織的ディザ処理は、同じ大きさのドット
を階調に応じて粗密配置するドット分散型のもの(周波
数変調方式)と、ドットの中心間隔を一定に保持する一
方で各ドットの径を階調に応じて増減するドット集中型
のもの(振幅変調方式)とに大別される。これらのう
ち、階調安定性の観点から、ドット集中型の方が電子写
真プロセスによる中間調の表現に適していると言われて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本願の出願人
は、先に提出した特願平11−352825号におい
て、二値化処理時の閾値を二次元方向に周期的に変動さ
せることによって、ドットの集中度を高めた改良型誤差
拡散処理を提案した。この改良型誤差拡散処理では、ド
ットが周期的に集中しやすくなるため、いわゆる網点化
処理を施すことができる。しかも、組織的ディザ処理で
は、文字画像や線画画像の解像性に問題があるのに対し
て、改良型誤差拡散処理では、文字画像や線画画像の解
像性をも満足することができる。
【0007】したがって、上記の改良型誤差拡散処理を
擬似中間調処理に用いることによって、画素がいずれの
種類の画像の領域に属するのかに応じて処理を変更する
必要がなく、画像処理を著しく簡単にすることができる
という利点が得られる。しかし、二値化閾値の周期変動
は、主として写真画像の階調表現の向上を目的としたも
のであって、これにより生じるドットの集中は、文字画
像領域や網点画像領域に対しては必ずしも良い影響を及
ぼさない。たとえば、低線数の網点領域(たとえば、1
50線以下の網点領域)では、二値化閾値の変動周期と
の干渉によって、いわゆるモアレ縞が生じる場合があ
る。
【0008】したがって、さらなる高画質化のために
は、特に写真領域とその他の領域(文字領域、線画領
域、低線数網点領域)とを正確に分離して、それぞれの
領域に対して最適化された中間調処理を施すことが好ま
しい。なお、ここでいう写真領域には、本来の写真画像
の領域のみならず、高線数の網点領域を含むものとす
る。高線数の網点領域とは、たとえば、約25センチメ
ートルの距離から肉眼で網点を識別することができない
程度の線数であり、一般的には、175線以上である。
175〜200線の網点画像は、美術書の印刷などに用
いられている。
【0009】この発明の目的は、写真領域に属する画素
を正確に判定することができる領域分離装置および領域
分離方法を提供することである。また、この発明の他の
目的は、写真領域に属する画素と、写真領域以外に属す
る画素とを正確に区別することにより、それぞれの画像
領域に対して最適な中間調処理を施すことができる画像
処理装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記の
目的を達成するための請求項1記載の発明は、画像を構
成する画素の濃度階調を表す画像データに基づいて、個
々の注目画素が画像中の写真領域に属するか否かを判定
する領域分離装置であって、注目画素を含む一定の大き
さの第1画像ブロック中の画素の画像データの平均値を
算出する平均値算出手段(S1)と、この平均値算出手
段によって算出された平均値に応じた写真領域判定閾値
を発生する写真領域判定閾値発生手段(40)と、上記
画像ブロック内の各画素について隣接画素との画像デー
タの差を求め、上記画像ブロック内の全ての画素につい
ての上記画像データの差の総和を算出する濃度差総和算
出手段(S2)と、この濃度差総和算出手段によって算
出された画像データの差の総和が上記写真領域判定閾値
発生手段によって発生された写真領域判定閾値未満であ
れば、上記注目画素が写真領域に属すると判定し、上記
画像データの差の総和が上記写真領域判定閾値以上であ
れば、上記注目画素が写真領域に属しないと判定する第
1判定手段(S4)とを含むことを特徴とする領域分離
装置である。なお、括弧内の英数字は、後述する実施形
態における対応構成要素等を表す。以下、この項におい
て同じ。
【0011】この構成では、注目画素を含む一定の大き
さの第1画像ブロック中の画素の画像データ平均値と、
上記画像ブロック内の各画素についての隣接画素との画
像データの差の総和を基に、注目画素が写真領域に属す
るか否かが判定される。すなわち、画像データの差の総
和が画像データの平均値に応じて定められた写真領域判
定閾値以上であれば、画像ブロック内の画像濃度に対し
て、画像データの差の総和が比較的大きいものと判定さ
れ、注目画素が写真領域に属しないとの判定が行われ
る。これに対して、画像データの差の総和が写真領域判
定閾値未満であれば、第1画像ブロック内における濃度
変化が緩やかであること意味するから、この場合には、
注目画素が写真領域に属するものとの判定が行われる。
【0012】このようにして、個々の画素が写真領域に
属するか否かを正確に判定できる。第1画像ブロックの
大きさは、たとえば、写真領域以外の領域と判定したい
最低線数の網点画像における少なくとも1つの網点が入
る大きさであることが好ましい。さらに、第1画像ブロ
ックの大きさは、画像データの平均値と画像データの平
均値との関係を表す分布が、写真領域とその他の領域と
分離された領域に現れるように定めることが好ましい。
【0013】請求項2記載の発明は、画像を構成する画
素の濃度階調を表す画像データに基づいて、個々の注目
画素が画像中の細線領域に属するか否かを判定する領域
分離装置であって、注目画素を含む一定の大きさの第2
画像ブロック中の各画素につき、第1方向に隣接する画
素との画像データの差を求め、この画像データの差を上
記第2画像ブロック内の全画素について累計して第1方
向濃度差総和(H_SUM)を求める第1方向濃度差総和算
出手段(S3)と、上記第2画像ブロック中の各画素に
つき、上記第1方向とは異なる第2方向に隣接する画素
との画像データの差を求め、この画像データの差を上記
第2画像ブロック内の全画素について累計して第2方向
濃度差総和(V_SUM)を求める第2方向濃度差総和算出
手段(S3)と、上記第1方向濃度差総和算出手段およ
び上記第2方向濃度差総和算出手段によって算出された
第1方向濃度差総和および第2方向濃度差総和の大小関
係に基づいて、上記注目画素が細線領域に属するか否か
を判定する第2判定手段(S5,S6)とを含むことを
特徴とする領域分離装置である。
【0014】この構成では、第1方向(たとえば、画像
を読み取るときの主走査方向)に隣接する画素との画像
データの差が、注目画素を含む一定の大きさの第2画像
ブロック内の各画素について求められる。さらに、この
画像データの差を累計して第1方向濃度差総和が演算さ
れる。一方、上記第2画像ブロック中の各画素につい
て、第2方向(たとえば画像読取の際の副走査方向)に
隣接する画素との画像データの差が求められて、この画
像データの差を第2画像ブロック内の全画素について累
計することにより、第2方向濃度差総和が求められる。
そして、第1および第2方向濃度差総和の大小関係に基
づき、注目画素が細線領域を構成する画素であるかどう
か、すなわち細線領域に属するか否かが判定される。
【0015】より具体的には、請求項4に記載されてい
るように、上記第2判定手段は、上記第1方向濃度差総
和算出手段および上記第2方向濃度差総和算出手段によ
って算出された第1方向濃度差総和および第2方向濃度
差総和を各2種類の第1方向判定閾値HL,HH(ただ
し、HL<HH)および第2方向判定閾値VL,VH
(ただし、VL<VH)とそれぞれ比較し、上記第1方
向濃度差総和が上記第1方向判定閾値HH以上であり、
かつ、上記第2方向濃度差総和が上記第2方向判定閾値
VL以下であるか(S5のYES)、または、上記第1
方向濃度差総和が上記第1方向判定閾値HL以下であ
り、かつ、上記第2方向濃度差総和が上記第2方向判定
閾値VH以上であれば(S6のYES)、上記注目画素
が細線領域に属すると判定し、さもなければ上記注目画
素が細線領域に属しないと判定する。
【0016】すなわち、第1方向濃度差総和が比較的大
きく、かつ、第2方向濃度差総和が比較的小さい場合に
は、注目画素は、第2方向に沿う細線が多数形成された
細線領域に属する画素である可能性が高い。これに対し
て、第1方向濃度差総和が比較的小さく、かつ、第2方
向濃度差総和が比較的大きければ、注目画素は、第1方
向に沿う細線が多数形成された細線領域に属する可能性
が高い。このようにして、注目画素が細線領域に属する
ものである場合、すなわち写真領域に属しない場合に、
このことを正確に判定することができる。
【0017】第2画像ブロックの大きさは、第1方向濃
度差総和と第2方向濃度差総和との関係を表す分布が、
写真領域と細線領域とで分離された領域に現れるように
定められることが好ましい。なお、第1方向と第2方向
とは直交していることが好ましい。第1方向は画像読取
の際の主走査方向であってもよく、この場合には第2方
向は画像読取の際の副走査方向であることが好ましい。
また、第1方向は、画像読取の際の主走査方向に対して
傾斜した方向(たとえば、45度の角度で傾斜した方
向)であってもよい。この場合には、第2方向はその第
1方向と直交する方向(たとえば、主走査方向に対して
135度の角度で傾斜した方向)とすればよい。
【0018】請求項3記載の発明は、画像を構成する画
素の濃度階調を表す画像データに基づいて、個々の注目
画素が画像中の写真領域に属するか否かを判定する領域
分離装置であって、注目画素を含む一定の大きさの第1
画像ブロック中の画素の画像データの平均値を算出する
平均値算出手段(S1)と、この平均値算出手段によっ
て算出された平均値に応じた写真領域判定閾値を発生す
る写真領域判定閾値発生手段(40)と、上記画像ブロ
ック内の各画素について隣接画素との画像データの差を
求め、上記画像ブロック内の全ての画素についての上記
画像データの差の総和を算出する濃度差総和算出手段
(S2)と、この濃度差総和算出手段によって算出され
た画像データの差の総和が上記写真領域判定閾値発生手
段によって発生された写真領域判定閾値未満であれば、
上記注目画素が写真領域に属すると判定し、上記画像デ
ータの差の総和が上記写真領域判定閾値以上であれば、
上記注目画素が写真領域に属しないと判定する第1判定
手段(S4)と、注目画素を含む一定の大きさの第2画
像ブロック中の各画素につき、第1方向に隣接する画素
との画像データの差を求め、この画像データの差を上記
第2画像ブロック内の全画素について累計して第1方向
濃度差総和(H_SUM)を求める第1方向濃度差総和算出
手段(S3)と、上記第2画像ブロック中の各画素につ
き、上記第1方向とは異なる第2方向に隣接する画素と
の画像データの差を求め、この画像データの差を上記第
2画像ブロック内の全画素について累計して第2方向濃
度差総和(V_SUM)を求める第2方向濃度差総和算出手
段(S3)と、上記第1方向濃度差総和算出手段および
上記第2方向濃度差総和算出手段によって算出された第
1方向濃度差総和および第2方向濃度差総和の大小関係
に基づいて、上記注目画素が細線領域に属するか否かを
判定する第2判定手段(S5,S6)と、上記第1判定
手段によって写真領域に属すると判定され(S4のYE
S)、かつ、上記第2判定手段によって細線領域に属し
ないと判定(S5およびS6のNO)された場合に、注
目画素が写真領域に属すると再判定し、上記第1判定手
段によって写真領域に属すると判定され(S4のYE
S)、かつ、上記第2判定手段によって細線領域に属す
ると判定(S5またはS6のNO)された場合に、注目
画素が写真領域に属しないと再判定する再判定手段(S
7,S8)とを含むことを特徴とする領域分離装置であ
る。
【0019】この構成では、請求項1および請求項2に
それぞれ記載された特徴を組み合わせることによって、
細線領域に属する画素を写真領域に属する画素と誤判定
することなく、各画素が写真領域に属するか否かを正確
に判定できる。請求項5記載の発明は、注目画素および
その周辺の画素の画像データを用いて、注目画素の画像
データに積分処理を施す積分処理手段(39)をさらに
含み、この積分処理手段によって前処理された画像デー
タに基づいて、注目画素がいずれの領域に属するかを判
定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに
記載の領域分離装置である。
【0020】この構成によれば、積分処理手段による前
処理(平滑化処理)を施しておくことにより、高線数の
網点画像を確実に写真領域に属すると判定させることが
できる。請求項6記載の発明は、上記画像データは中間
調処理(37)に供せられるものであって、この中間調
処理は、写真領域に属すると判定された画素に関して所
定線数での網点化処理(ドット集中型の組織的ディザ処
理や上述の改良型誤差拡散処理など)を施すものであ
り、上記領域分離装置は、さらに、上記所定線数とこの
所定線数+50線との間に境界線数を設け、その境界線
数よりも小さい線数の網点画像を構成する画素を写真領
域を構成するものと判定される画素から除外する予備判
定手段(39)を含むものであることを特徴とする請求
項1、3および4のいずれかに記載の領域分離装置であ
る。
【0021】この構成では、中間調処理における網点化
処理の際の線数とこの線数+50線との間に境界線数を
設け、その境界線数よりも小さい範囲の線数の網点画像
については、この画像を構成する画素が写真領域に属す
るものと判定される画素から除外される。これによっ
て、写真画像に施される網点化処理によってモアレ縞が
発生することを防止することができる。請求項7記載の
発明は、上記予備判定手段は、上記中間調処理の処理対
象の画像データに対して上記処理を行うものであること
を特徴とする請求項6記載の領域分離装置である。
【0022】請求項8記載の発明は、上記予備判定手段
は、上記境界線数以上の線数の網点画像を構成する網点
同士が接触するように、画像データに対して平滑化処理
を施す積分フィルタ(39)を含むものであることを特
徴とする請求項6または7記載の領域分離装置である。
この構成により、中間調処理における網点化処理の線数
とこの線数+50線との間に設定された境界線数以上の
網点画像については、この網点画像を構成する網点同士
を結合させるような積分処理を施すことができる。その
一方で、上記境界線数未満の線数の網点画像について
は、網点同士が接触しないようにすることができる。こ
れによって、積分フィルタを用いた簡単な前処理を施す
ことによって、高線数の網点画像を確実に写真領域と判
定することができ、かつモアレ縞を生じる線数の網点画
像については写真領域に属しないものと判定することが
できる。
【0023】請求項9記載の発明は、上記請求項1およ
び3〜8のいずれかに記載の領域分離装置と、この領域
分離装置によって写真領域に属すると判定された画素に
対してはドット集中型中間調処理(たとえば、ドット集
中型組織的ディザ処理または上述の改良型網点化処理)
を施すとともに、上記領域分離装置によって写真領域に
属しないと判定された画素に対してはドット分散型中間
調処理(たとえば、通常型誤差拡散処理)を施す中間調
処理手段(37)とを含むことを特徴とする画像処理装
置である。
【0024】この発明によれば、写真領域に属すると判
定された画素に対してドット集中型の中間調処理を施す
ことにより、良好な階調性で写真画像を再生することが
できる。それに対して、写真領域に属しないと判定され
た画素に対してはドット分散型中間調処理を施すことに
より、文字画像、線画画像および低線数網点画像を良好
な解像性で再生できる。請求項10記載の発明は、画像
を構成する画素の濃度階調を表す画像データに基づい
て、個々の注目画素が画像中の写真領域に属するか否か
を判定する領域分離方法であって、注目画素を含む一定
の大きさの第1画像ブロック中の画素の画像データの平
均値を算出するステップ(S1)と、上記画像ブロック
内の各画素について隣接画素との画像データの差を求
め、上記画像ブロック内の全ての画素についての上記画
像データの差の総和を算出するステップ(S2)と、上
記画像データの差の総和が、上記平均値に応じて定めら
れた写真領域判定閾値未満であれば、上記注目画素が写
真領域に属すると判定し、上記画像データの差の総和が
上記写真領域判定閾値以上であれば、上記注目画素が写
真領域に属しないと判定する第1判定ステップ(S4)
とを含むことを特徴とする領域分離方法である。この領
域分離方法は、請求項1の発明に対応している。
【0025】請求項11記載の発明は、画像を構成する
画素の濃度階調を表す画像データに基づいて、個々の注
目画素が画像中の細線領域に属するか否かを判定する領
域分離方法であって、注目画素を含む一定の大きさの第
2画像ブロック中の各画素につき、第1方向に隣接する
画素との画像データの差を求め、この画像データの差を
上記第2画像ブロック内の全画素について累計して第1
方向濃度差総和を求めるステップ(S3)と、上記第2
画像ブロック中の各画素につき、上記第1方向とは異な
る第2方向に隣接する画素との画像データの差を求め、
この画像データの差を上記第2画像ブロック内の全画素
について累計して第2方向濃度差総和を求めるステップ
(S3)と、上記第1方向濃度差総和および第2方向濃
度差総和の大小関係に基づいて、上記注目画素が細線領
域に属するか否かを判定する第2判定ステップ(S5,
S6)とを含むことを特徴とする領域分離方法である。
この方法は、請求項2の発明に対応している。
【0026】請求項12記載の発明は、画像を構成する
画素の濃度階調を表す画像データに基づいて、個々の注
目画素が画像中の写真領域に属するか否かを判定する領
域分離方法であって、注目画素を含む一定の大きさの第
1画像ブロック中の画素の画像データの平均値を算出す
るステップ(S1)と、上記画像ブロック内の各画素に
ついて隣接画素との画像データの差を求め、上記画像ブ
ロック内の全ての画素についての上記画像データの差の
総和を算出するステップ(S2)と、上記画像データの
差の総和が、上記平均値に応じて定められた写真領域判
定閾値未満であれば、上記注目画素が写真領域に属する
と判定し、上記画像データの差の総和が上記写真領域判
定閾値以上であれば、上記注目画素が写真領域に属しな
いと判定する第1判定ステップ(S4)と、注目画素を
含む一定の大きさの第2画像ブロック中の各画素につ
き、第1方向に隣接する画素との画像データの差を求
め、この画像データの差を上記第2画像ブロック内の全
画素について累計して第1方向濃度差総和を求めるステ
ップ(S3)と、上記第2画像ブロック中の各画素につ
き、上記第1方向とは異なる第2方向に隣接する画素と
の画像データの差を求め、この画像データの差を上記第
2画像ブロック内の全画素について累計して第2方向濃
度差総和を求めるステップ(S3)と、上記第1方向濃
度差総和および第2方向濃度差総和の大小関係に基づい
て、上記注目画素が細線領域に属するか否かを判定する
第2判定ステップ(S5,S6)と、上記第1判定ステ
ップによって写真領域に属すると判定され、かつ、上記
第2判定ステップによって細線領域に属しないと判定さ
れた場合に、注目画素が写真領域に属すると再判定し、
上記第1判定ステップによって写真領域に属すると判定
され、かつ、上記第2判定ステップによって細線領域に
属すると判定された場合に、注目画素が写真領域に属し
ないと再判定する再判定ステップ(S7,S8)とを含
むことを特徴とする領域分離方法である。この方法は、
請求項3の発明に対応している。
【0027】請求項13記載の発明は、上記第2判定ス
テップは、上記第1方向濃度差総和および第2方向濃度
差総和を各2種類の第1方向判定閾値HL,HH(ただ
し、HL<HH)および第2方向判定閾値VL,VH
(ただし、VL<VH)とそれぞれ比較し、上記第1方
向濃度差総和が上記第1方向判定閾値HH以上であり、
かつ、上記第2方向濃度差総和が上記第2方向判定閾値
VL以下であるか、または、上記第1方向濃度差総和が
上記第1方向判定閾値HL以下であり、かつ、上記第2
方向濃度差総和が上記第2方向判定閾値VH以上であれ
ば、上記注目画素が細線領域に属すると判定し(S5ま
たはS6のYES)、さもなければ上記注目画素が細線
領域に属しないと判定する(S5およびS6のNO)ス
テップを含むことを特徴とする請求項11または12記
載の領域分離方法である。この方法は、請求項4の発明
に対応している。
【0028】請求項14記載の発明は、注目画素および
その周辺の画素の画像データを用いて、注目画素の画像
データに積分処理を施す積分処理ステップ(39)をさ
らに含み、この積分処理ステップによって前処理された
画像データに基づいて、注目画素がいずれの領域に属す
るかを判定することを特徴とする請求項10ないし13
のいずれかに記載の領域分離方法である。この方法は、
請求項5の発明に対応している。
【0029】請求項15記載の発明は、上記画像データ
は中間調処理(37)に供せられるものであって、この
中間調処理は、写真領域に属すると判定された画素に関
して所定線数での網点化処理を施すものであり、上記領
域分離方法は、さらに、上記所定線数とこの所定線数+
50線との間に境界線数を設け、その境界線数よりも小
さい線数の網点画像を構成する画素を写真領域を構成す
るものと判定される画素から除外する予備判定ステップ
(39)を含むことを特徴とする請求項10、12およ
び13のいずれかに記載の領域分離方法である。この方
法は、請求項6の発明に対応している。
【0030】請求項16記載の発明は、上記予備判定ス
テップ(39)では、上記中間調処理の処理対象の画像
データに対して上記処理が行われることを特徴とする請
求項15記載の領域分離方法である。この方法は、請求
項7の発明に対応している。請求項17記載の発明は、
上記予備判定ステップは、上記境界線数以上の線数の網
点画像を構成する網点同士が接触するように、画像デー
タに対して平滑化処理を施す平滑化ステップ(39)を
含むことを特徴とする請求項15または16記載の領域
分離方法である。この方法は、請求項8の発明に対応し
ている。
【0031】
【発明の実施の形態】以下では、この発明の実施の形態
を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、この
発明の一実施形態に係る画像処理装置が適用された画像
形成装置の一例であるディジタル複写機の電気的構成を
示すブロック図である。このディジタル複写機は、原稿
の光学像を読み取って対応する電気信号に変換する光電
変換素子(たとえばCCD等のラインセンサ)を備えた
読取部1を有している。
【0032】読取部1から出力される電気信号は、オー
トゲインコントロール(AGC)回路21およびアナロ
グ/ディジタル(A/D)変換器22を有するアナログ
回路部2に入力される。AGC回路21は、読取部1か
らの微小なアナログ電気信号をA/D変換器22におけ
るA/D変換範囲(リファレンス電圧)まで増幅する機
能を有している。A/D変換器22は、AGC回路21
によって増幅された電気信号を量子化することによっ
て、ディジタル画像信号を生成する。たとえば、1ボル
トの微小な振幅の読取部1からの信号を、AGC回路2
1によって5ボルトの振幅の電気信号に増幅し、8ビッ
トのA/D変換器22で0(00h)〜255(FF
h)に量子化することによって、濃度階調を256段階
で表現したディジタル画像データが生成される。
【0033】この画像データは、画像処理部3による種
々の画像処理を受けた後に、出力部4に与えられる。こ
の出力部4は、たとえば、レーザ走査ユニットを備えて
いる。すなわち、このディジタル複写機は、電子写真プ
ロセスに従って原稿の複写像を形成する画像形成部を有
している。この画像形成部は、感光体と、この感光体に
原稿の複写像に対応した静電潜像を書き込む上述のレー
ザ走査ユニットと、感光体の周囲に配置された現像装
置、転写ユニットおよびクリーニングユニットとを備え
ている。レーザ走査ユニットによって感光体に書き込ま
れた静電潜像は、現像装置によってトナー像に現像され
る。このトナー像が、転写ユニットにおいて紙シートや
OHPシート(透明シート)などの記録シートの表面に
転写される。この転写後のトナー像は、定着ユニットに
よって、加熱および加圧処理を受けることにより、記録
シート上に定着させられる。
【0034】読取部1は、原稿を照明する光源と、原稿
からの反射光をラインセンサの検出面に結像させる光学
系とを備えていて、ラインセンサにおける電気的な走査
によって原稿の主走査を行うとともに、ラインセンサお
よび光学系の原稿に対する相対的な移動によって原稿の
副走査を行うようになっている。むろん、光源および光
学系が移動されてもよいし、光源および光学系を静止さ
せておく一方で、原稿を移動させることによって原稿の
副走査が達成されてもよい。
【0035】図2は、画像処理部3の機能的な構成を説
明するためのブロック図である。画像処理部3は、シェ
ーディング補正処理部31、入力γ補正処理部32、白
黒反転処理部33、ズーム処理部34、フィルタ処理部
35、出力γ補正処理部36および中間調処理部37を
備えており、これらの各処理部が入力画像データに対し
て順に処理を施すようになっている。さらに、画像処理
部3には、入力画像データに対応する画素が写真領域を
構成する画素であるか否かを判定するための領域分離機
能部38と、この領域分離機能部38に供給される画像
データに前処理を施すための分離前フィルタ処理部39
とが備えられている。領域分離機能部38による判定結
果は、フィルタ処理部35、出力γ補正処理部36およ
び中間調処理部37に入力されるようになっている。こ
れらのフィルタ処理部35、出力γ補正処理部36およ
び中間調処理部37においては、入力画像データに対応
する画素が写真領域を構成するか否かに応じて、処理内
容が変更される。
【0036】読取部1から出力されるアナログ信号は、
たとえ空白画像を読み取ったときでも、主走査方向に関
して一様ではない。これは、光源および光学系が主走査
方向の中央部と端部とで異なる配光特性を有しており、
かつ、ラインセンサの読取画素ごとに感度ばらつきがあ
るためである。このような読取部1の特性に起因する画
素間の画像データのばらつきを補正するのが、シェーデ
ィング補正処理部31である。
【0037】シェーディング補正処理部31によって処
理された後の画像データには、入力γ補正処理部32に
よる強度−濃度変換が施される。この入力γ補正処理部
32は、読取部1の読取特性を補正することにより、原
稿の濃度に比例する階調特性を持った画像データを生成
する。白黒反転処理部33は、入力画像データの白黒の
論理を反転する。読取部1は、原稿の高濃度部(黒領
域)を低い電圧で出力する。すなわち、原稿画像の濃度
が高いほど読取部1の出力電圧が低くなる。白黒反転処
理部33は、画像データの論理を反転することによっ
て、画像の濃度が高いほど画像データの値が大きくなる
ように画像データを変換する。
【0038】ズーム処理部34は、ディジタル処理によ
って変倍機能を実現するためのものである。フィルタ処
理部35は、画像データに対してエッジ強調処理または
平滑化処理を施すものである。この実施形態では、フィ
ルタ処理部35には領域分離機能部38からの領域分離
信号が入力されるようになっている。この領域分離信号
に応じて、フィルタ処理部35は、写真領域に属する画
素に対しては平滑化処理を施す一方で、それ以外の領域
を構成する画素に対してはエッジ強調処理を施す。これ
により、写真領域を滑らかに再生することができるとと
もに、文字領域および線画領域ならびに低線数の網点領
域については、良好な解像性で画像を再生できる。
【0039】出力γ補正処理部36は、出力部4におけ
る出力エンジンのγ特性を補正するための処理を画像デ
ータに施す。すなわち、電子写真プロセスでは、感光体
やトナーの帯電特性等によって、入力画像データに対し
てリニアに変化する画像濃度出力を得にくい。このよう
な出力エンジンのγ特性を補正することによって、入力
画像データに対してほぼ線形に変化する画像濃度出力が
実現される。中間調処理部37は、256階調で濃度が
表現された画像データを二値以上256値未満の離散値
に変換(量子化)することによって、いわゆる擬似中間
調処理を実現するためのものである。この実施形態で
は、中間調処理部37は、原則として二値化処理を施す
とともに、必要に応じて四値化処理を行うように構成さ
れている。
【0040】より具体的には、中間調処理部37は、量
子化閾値を一定値に固定した通常型誤差拡散処理と、量
子化閾値を二次元に周期変動させる改良型誤差拡散処理
(網点化処理、ドット集中型中間調処理)とを切り換え
て行うことができるようになっている。そして、改良型
誤差拡散処理においては、二値誤差拡散処理をベースと
して、ドット集中位置の近傍の画素に対しては、四値化
処理(四値誤差拡散処理)を行い、網点の膨らみ方また
は縮み方の段階数を増加させている。
【0041】中間調処理部37における通常型誤差拡散
処理および改良型誤差拡散処理の切り換えは、領域分離
機能部38からの領域分離信号に応じて行われる。すな
わち、写真領域に属する画素の画像データに対しては、
改良型誤差拡散処理が施され、それ以外の領域を構成す
る画素の画像データに対しては通常型誤差拡散処理が施
される。図3は、領域分離機能部38の処理内容を説明
するためのフローチャートである。領域分離機能部38
は、読取部1における読取順序に従って、読み取られた
原稿画像を構成する個々の画素を順次注目画素とし、そ
の注目画素が写真領域に属するか否かを判定する。その
ために、先ず、注目画素を含む一定の大きさの第1画像
ブロック中の画素の画像データの平均値が算出される
(ステップS1)。
【0042】第1画像ブロックは、適当なバッファメモ
リを用いて、たとえば、図4に示すように、画素A1〜
A13,B1〜B13,C1〜C13,D1〜D13,
E1〜E13,F1〜F13,G1〜G13からなる、
注目画素D7を中心とした13×7画素のマトリクスで
構成されていてもよい。この場合、この13×7画素の
マトリクスからなる第1画像ブロックの中の画素の画像
データの平均値AVが、下記(1)式に従って算出され
ることになる。
【0043】 AV=(A1+A2+A3+A4+A5+A6+A7+A8+A9+A10+A11+A12+A13 +B1+B2+B3+B4+B5+B6+B7+B8+B9+B10+B11+B12+B13 +C1+C2+C3+C4+C5+C6+C7+C8+C9+C10+C11+C12+C13 +D1+D2+D3+D4+D5+D6+D7+D8+D9+D10+D11+D12+D13 +E1+E2+E3+E4+E5+E6+E7+E8+E9+E10+E11+E12+E13 +F1+F2+F3+F4+F5+F6+F7+F8+F9+F10+F11+F12+F13 +G1+G2+G3+G4+G5+G6+G7+G8+G9+G10+G11+G12+G13)÷(13×7) ・・・・・・(1) 領域分離機能部38は、さらに、上記第1画像ブロッ
ク、すなわち13×7画素のマトリクス内の画素に関し
て、隣接画素間の画像データの差を求め、上記マトリク
ス内のすべての画素についての画像データの差の総和を
算出する(ステップS2)。
【0044】具体的には、領域分離機能部38は、下記
(2)式に従って読取部1における主走査方向に関する
画素間の画像データの差の総和TOTAL_DHを求める。ま
た、下記(3)式に従って読取部1における副走査方向
に隣接する画素間の画像データの差の総和TOTAL_DVを求
める。そして、これらを加算することによって、13×
7画素のマトリクス内の画像データの差の総和TOTAL_SU
Mを算出する(下記(4)式参照)。むろん、TOTAL_D
H,TOTAL_DVを求めることなく、画素データの差の総和T
OTAL_SUMを直接的に求めてもかまわない。
【0045】 TOTAL_DH=|A1-A2|+|A2-A3|+|A3-A4|+|A4-A5|+|A5-A6|+|A6-A7| +|A7-A8|+|A8-A9|+|A9-A10|+|A10-A11|+|A11-A12|+|A12-A13| +|B1-B2|+|B2-B3|+|B3-B4|+|B4-B5|+|B5-B6|+|B6-B7| +|B7-B8|+|B8-B9|+|B9-B10|+|B10-B11|+|B11-B12|+|B12-B13| +|C1-C2|+|C2-C3|+|C3-C4|+|C4-C5|+|C5-C6|+|C6-C7| +|C7-C8|+|C8-C9|+|C9-C10|+|C10-C11|+|C11-C12|+|C12-C13| +|D1-D2|+|D2-D3|+|D3-D4|+|D4-D5|+|D5-D6|+|D6-D7| +|D7-D8|+|D8-D9|+|D9-D10|+|D10-D11|+|D11-D12|+|D12-D13| +|E1-E2|+|E2-E3|+|E3-E4|+|E4-E5|+|E5-E6|+|E6-E7| +|E7-E8|+|E8-E9|+|E9-E10|+|E10-E11|+|E11-E12|+|E12-E13| +|F1-F2|+|F2-F3|+|F3-F4|+|F4-F5|+|F5-F6|+|F6-F7| +|F7-F8|+|F8-F9|+|F9-F10|+|F10-F11|+|F11-F12|+|F12-F13| ・・・・・・(2) TOTAL_DV= |A1-B1|+|B1-C1|+|C1-D1|+|D1-E1|+|E1-F1|+|F1-G1| +|A2-B2|+|B2-C2|+|C2-D2|+|D2-E2|+|E2-F2|+|F2-G2| +|A3-B3|+|B3-C3|+|C3-D3|+|D3-E3|+|E3-F3|+|F3-G3| +|A4-B4|+|B4-C4|+|C4-D4|+|D4-E4|+|E4-F4|+|F4-G4| +|A5-B5|+|B5-C5|+|C5-D5|+|D5-E5|+|E5-F5|+|F5-G5| +|A6-B6|+|B6-C6|+|C6-D6|+|D6-E6|+|E6-F6|+|F6-G6| +|A7-B7|+|B7-C7|+|C7-D7|+|D7-E7|+|E7-F7|+|F7-G7| +|A8-B8|+|B8-C8|+|C8-D8|+|D8-E8|+|E8-F8|+|F8-G8| +|A9-B9|+|B9-C9|+|C9-D9|+|D9-E9|+|E9-F9|+|F9-G9| +|A10-B10|+|B10-C10|+|C10-D10|+|D10-E10|+|E10-F10|+|F10-G10| +|A11-B11|+|B11-C11|+|C11-D11|+|D11-E11|+|E11-F11|+|F11-G11| +|A12-B12|+|B12-C12|+|C12-D12|+|D12-E12|+|E12-F12|+|F12-G12| +|A13-B13|+|B13-C13|+|C13-D13|+|D13-E13|+|E13-F13|+|F13-G13| ・・・・・・(3) TOTAL_SUM=TOTAL_DH+TOTAL_DV ・・・・・・(4) 領域分離機能部38は、また、読取部1における主走査
方向に沿った横線が高密度で平行に形成された横細線領
域、および読取部1における副走査方向に沿った縦線が
平行に高密度で形成された高細線領域を写真領域から区
別するために、注目画素が細線領域(横細線領域または
縦細線領域)に属するか否かを判定する。
【0046】この判定のために、領域分離機能部38
は、注目画素を含む一定の大きさの第2画像ブロック中
の各画素につき、第1方向(たとえば主走査方向)に隣
接する画素間の画像データの差を求め、この画像データ
の差を上記第2画像ブロック内の全画素について累計す
ることにより第1方向濃度差総和を求める。また、領域
分離機能部38は、上記第2画像ブロック中の各画素に
ついて、第1方向と直交する第2方向(たとえば副走査
方向)に隣接する画素間の画像データの差を求め、この
画像データの差を上記第2ブロック内の全画素について
累計することにより、第2方向濃度差総和を求める。
【0047】具体的には、図5に示されているように、
適当なバッファメモリを用いて、注目画素D7を中心と
した画素B5〜B9,C5〜C9,D5〜D9,E5〜
E9,F5〜F9からなる5画素×5ラインのマトリク
スが第2画像ブロックとして形成される。そして、下記
(5)式に基づいて、第1方向濃度差総和としての主走
査方向濃度差総和H_SUMを求め、下記(6)式に基づい
て、第2方向濃度差総和としての副走査方向濃度差総和
V_SUMを算出する(図3のステップS3)。
【0048】 H_SUM= |B5-B6|+|B6-B7|+|B7-B8|+|B8-B9| +|C5-C6|+|C6-C7|+|C7-C8|+|C8-C9| +|D5-D6|+|D6-D7|+|D7-D8|+|D8-D9| +|E5-E6|+|E6-E7|+|E7-E8|+|E8-E9| +|F5-F6|+|F6-F7|+|F7-F8|+|F8-F9| ・・・・・・(5) V_SUM= |B5-C5|+|C5-D5|+|D5-E5|+|E5-F5| +|B6-C6|+|C6-D6|+|D6-E6|+|E6-F6| +|B7-C7|+|C7-D7|+|D7-E7|+|E7-F7| +|B8-C8|+|C8-D8|+|D8-E8|+|E8-F8| +|B9-C9|+|C9-D9|+|D9-E9|+|E9-F9| ・・・・・・(6) 次に、領域分離機能部38は、判定閾値テーブル40
(図2参照)を参照することによって、上記ステップS
1で求められた平均値AVの関数として定められた判定
閾値TH(AV)(写真領域判定閾値)を読み出す。この読
み出された判定閾値TH(AV)と、上記13×7画素のマ
トリクス内の画像データの差の総和TOTAL_SUMとが比較
される(ステップS4)。すなわち、画像データの差の
総和TOTAL_SUMが、判定閾値TH(AV)以上であれば(ス
テップS4のNO)、注目画素が写真領域以外の種類の
画像を構成する画素であるものと判定される(ステップ
S7)。したがって、領域分離機能部38は、これに対
応した領域分離信号(たとえば1ビットの信号であっ
て、その一方の値「0」に設定された信号)を出力す
る。
【0049】これに対して、画像データの差の総和TOTA
L_SUMが判定閾値TH(AV)未満であれば(ステップS4
のYES)、注目画素D7が写真領域に属するとの一応
の判定が行われることになる。ただし、この判定が正し
いかどうかは、後に説明するステップS5,56の処理
によって、再判定される。図6は、平均値AVに対応し
た閾値TH(AV)の設定例を説明するためのグラフであ
る。この図6には、平均値AVと画像データの差の総和
TOTAL_SUMとの関係が示されている。平均値AVに対す
る閾値TH(AV)の設定例は、実線の曲線で表されてい
る。また、写真領域における平均値AVと画像データの
差の総和TOTAL_SUMとの関係の分布がシンボル「○」で
表されていて、さらに、写真領域以外(文字領域、線画
領域、および低線数の網点領域)における平均値AVと
画像データの差の総和TOTAL_SUMとの関係の分布がシン
ボル「×」によって表されている。
【0050】図6から理解されるように、閾値TH(AV)
は、シンボル「○」の分布域と、シンボル「×」の分布
域との間に位置するように設定されている。したがっ
て、画像データの差の総和TOTAL_SUMが閾値TH(AV)未
満であることにより、注目画素が写真領域に属するもの
と判定することができ、画像データの差の総和TOTAL_SU
Mが平均値AVに応じて設定された閾値TH(AV)以上の
場合には、注目画素が写真領域以外の領域に属するもの
と判断できる。
【0051】再び図3を参照すると、領域分離機能部3
8は、さらに上記第2画像ブロックを構成する5×5画
素のマトリクスについて求められた主走査方向濃度差総
和H_SUMおよび副走査方向濃度差総和V_SUMの大小関係
をステップS5,S6の処理によって調べ、その結果に
応じて、注目画素D7が細線領域に属するか否かを判定
する。細線領域に属すると判定された場合には、ステッ
プS7の処理によって、注目画素D7が写真領域に属し
ないと判定され、それに応じた領域分離信号「0」が生
成される。
【0052】具体的に説明すると、図7に示されている
ように、水平方向濃度差総和H_SUMに関して2つの閾値
HL,HH(HH>HL)が設定され、同様に副走査方
向濃度差総和V_SUMに関して、2つの閾値VL,VH
(VH>VL)が設定されている。たとえば、閾値H
L,HH;VL,VHは、次のような値に設定される。 HL=50 HH=150 VL=50 VH=100 図7に示されているように、副走査方向濃度差総和V_S
UMを横軸にとり、主走査方向濃度差総和H_SUMを縦軸に
とった平面において、横方向(主走査方向)に沿う細線
が密集した横細線領域を構成する画素については、副走
査方向濃度差総和V_SUMが大きく、かつ主走査方向濃度
差総和H_SUMが小さな領域HFに多くの画素が分布す
る。また、縦方向(副走査方向)に沿う細線が密集した
縦細線領域に属する画素については、副走査方向濃度差
総和V_SUMが小さく、かつ主走査方向濃度差総和H_SUM
が大きな領域VFに多くの画素が分布している。そし
て、写真領域とみなすべき網点画像および本来の写真画
像については、V_SUM−H_SUM平面の中央付近の領域P
Sに画素の分布が得られる。
【0053】そこで、この実施形態では、領域分離機能
部38は、注目画素についての主走査方向濃度差総和H
_SUMが閾値HH以上であって、かつ副走査方向濃度差総
和をV_SUMが閾値VL以下である場合に(図3のステッ
プS5のYES)、注目画素が細線領域(この場合は縦
細線領域)に属するものと判定する。すなわち、注目画
素は写真領域には属さないものと判定されて、このこと
を表す領域分離信号「0」が生成される(ステップS
7)。
【0054】また、領域分離機能部38は、注目画素に
関する主走査方向濃度差総和H_SUMが閾値HL以下であ
って、かつ副走査方向濃度差総和V_SUMが閾値VH以上
である場合に(ステップS6のYES)、注目画素が細
線領域(この場合には横細線領域)に属するものと判定
する。すなわち、注目画素が写真領域に属しないと判定
され、それに応じた領域分離信号「0」が生成される
(ステップS7)。ステップS5,S6の判断がいずれ
も否定される場合、すなわち、主走査方向濃度差総和H
_SUMが閾値HH以上であるが、副走査方向濃度差総和V
_SUMが閾値VLを超えている場合、主走査方向濃度差総
和H_SUMが閾値HL以下であるが、副走査方向濃度差総
和V_SUMが閾値VH未満である場合、および主走査方向
濃度差総和H_SUMがHL〜HHの範囲にある場合には、
注目画素D7は細線領域に属さないものと判定される。
すなわち、注目画素D7に対して、写真領域に属するも
のとの再判定がなされる(ステップS8)。この場合、
領域分離機能部38は、たとえば1ビットの領域分離信
号を写真領域に対応した値(この実施形態では「1」)
に設定する。
【0055】このようにして、13×7画素のマトリク
ス内の画素間の濃度差の総和に基づく判定(ステップS
4のYES)が、再確認されることになる。図8は、分
離前フィルタ処理部39の処理を説明するための図であ
る。分離前フィルタ処理部39は、基本的には、積分フ
ィルタとしての処理を行う積分処理手段を構成してい
る。すなわち、図8(a)に示されているように、注目画
素c3を中心とした合計13画素(a3,b2〜b4,
c1〜c5,d2〜d4,e3)からなる菱形(主走査
方向に対して45度傾斜した正方形)のマトリクス内の
画素の画像データを用いて注目画素c3の画像データを
平滑化する。
【0056】図8(a)のマトリクス内の各画素の画像デ
ータに乗じられる係数s1〜s6は、図8(b)に示すよ
うに、たとえば、注目画素c3を中心として、主走査方
向および副走査方向に関してほぼ対称となるように設定
される。s1〜s6の値例は、次式のように等しく設定
されてもよいし、異なる値に設定されてもよい。すなわ
ち、たとえば、注目画素からの距離に応じて重み付けを
異ならせるようにs1〜s6の値を定めてもよい。
【0057】s1=s2=s3=s4=s5=s6=1 s1〜s6が上式の値に定められている場合には、注目
画素c3の画像データは、次の値F(c3)に変換され
ることになる。 F(c3)={s1c3+s2(c2+c4)+s3(c1+c5)+s4(b3+d3) +s5(b2+b4+d2+d4)+s6(a3+e3)}÷13 ・・・・・・(7) この実施形態においては、たとえば、中間調処理部37
において写真領域に属する画素に施される改良型誤差拡
散処理では、スクリーン角45度、線数141線の網点
が形成される。一方、読取部1における読取解像度は、
たとえば、600dpi(dot per inch)である。そう
すると、141線の網点においては、図9に示すよう
に、主走査方向および副走査方向にそれぞれ3画素ずつ
離れた斜め45度のライン上の画素p1,p2に相当す
る位置に網点が存在することになる。
【0058】一般的に、網点化処理する対象は中間処理
の際の網点化の線数に近いほどドットが良好に安定化さ
れる。これは、画像出力装置において網点化処理する線
数はその装置で画像再現能を維持できる範囲で高い線数
を選んでいるので、網点化する線数がそれ以上の線数で
あれば、網点化しても再現するドットの安定性が悪くな
るからである。すなわち、画像出力装置の中間調処理に
おける網点化の線数以上の網点を忠実に再現しても安定
したドットは形成できない。画像出力装置や中間調処理
の線数にもよるが、最近では600dpiで処理するの
が普通であり、一般的に中間調処理の線数と原稿の細線
の線数との差が±50線以内であればドットの安定性は
維持される。
【0059】一方、モアレ縞防止の観点からは、中間調
処理における網点化の線数と画像処理される原稿の網点
線数は近くない方がよい。これは、お互いの線数が近け
れば近いほど人間の目につくほどの大きなモアレ縞が発
生するからである。一般的に中間調処理の線数の±50
線も離れればモアレ縞はほとんど発生しない。また、網
点化処理されるのは写真などの高線数側のものが普通で
あるから、これらのことにより中間調処理の線数(網点
化処理の線数)とこの線数+50線との間に中間調処理
における領域分離の境界線数(たとえば、175線)を
設定して、その線数よりも高い線数領域を写真領域と判
断し、それ以下を写真領域以外として除外する。
【0060】原稿の網点線数と中間調処理部37による
改良型誤差拡散処理部により形成される網点の線数とが
近似していて、線数の差が±50線の範囲内の小さな値
であるとき、いわゆるモアレ縞が出力画像中に形成され
るおそれがある。そこで、このような線数範囲の原稿画
素については、改良型誤差拡散処理ではなく、量子化閾
値を一定値に固定した通常型誤差拡散処理を行うことが
適切である。その一方で、改良型誤差拡散処理により形
成される網点線数である141線と141+50線との
間で定めた境界線数以上の高線数の網点画像について
は、写真画像とみなして改良型誤差拡散処理を適用する
ことによって、良好な階調再現を実現できる。
【0061】よって、改良型誤差拡散処理を行う所定線
数(この実施形態では141線)とこれよりも+50線
多い線数(この実施形態では191線)との間に境界線
数を設定し、その境界線数以上の線数の画像を写真領
域、それ以外の画像をその他の領域と領域分離判定す
る。この境界線数は、分離前フィルタ処理部39の構成
によって決定される。具体的には、図8(a)のマトリク
スの範囲を大きくするほど干渉の生じる線数が低下して
境界線数が低くなる。また、マトリクスの係数s1〜s
6に差をつける(たとえば、中心が高くなるように差を
つける)と、境界線数が大きくなる。図8(a)のマトリ
クスを用いて係数s1〜s6を等しく定めているこの実
施形態の場合には、境界線数は約175線となる。
【0062】分離前フィルタ処理部39における上述の
積分フィルタは、図9に示されているように、141線
の網点原稿に関しては、積分フィルタ処理後の画像デー
タにおいて、網点相互間に干渉が生じないように定めら
れている(図9において、平滑化処理後の網点を斜線で
示す)。そして、この積分フィルタは、入力画像が17
5線以上の高線数の網点画像の場合に、隣接する網点間
に良好な干渉を生じさせる。その結果、領域分離機能部
38では、175線以上の高線数の網点画像について
は、上述の13×7画素のマトリクス内における画素間
の画像データの差の総和TOTAL_SUMが比較的小さいもの
と判定されて、このような高線数の網点画素を構成する
画素が写真領域に属するものと判定されることになる。
【0063】念のため付言すると、上述の第1画像ブロ
ックは13×7画素の大きさのマトリクスである必要は
なく、同様に上述の第2画像ブロックは5×5画素の大
きさのマトリクスである必要はない。すなわち、第1画
像ブロックの大きさは、当該第1画像ブロック内におけ
る上述の平均値AVと、画像データの差の総和TOTAL_SU
Mとの関係の分布が、上述の図6に示されているよう
に、分離された領域に現れるように設定すればよい。
【0064】上述の実施形態において13×7画素のマ
トリクスを採用しているのは、65線の網点画像を構成
する網点をブロック内に必ず含む領域を参照するためで
ある。65線の網点画像は、たとえば新聞の写真印刷に
用いられる画像であって、一般的な印刷物において用い
られる最小の網点線数である。したがって、65線以上
の網点領域を網点領域として(写真領域以外として)分
離することができれば、実用上充分である。
【0065】この目的のためには、65線の網点画像を
構成する網点が参照範囲(第1画像ブロック)内に最低
1つ存在しなければならない。この場合、図10に示さ
れているように、網点Dが45度のスクリーン角で形成
されるとすると、主走査方向に沿って隣接する網点間の
間隔は、√2/65インチであり、副走査方向に沿う網
点D間の間隔は1/(65・√2)インチである。読取
部1における読取解像度が600dpiであるとする
と、主走査方向に沿う隣接網点D間の間隔は、13(≒
600×√2/65)画素となり、副走査方向に沿った
網点D間の間隔が7(≒6.53=600/(65・√
2))画素となる。したがって、上述の実施形態で説明
したように、第1画像ブロックの大きさを13×7画素
のマトリクスに設定することによって、65線以上の線
数の網点領域を写真領域以外の領域として分離すること
ができる。
【0066】このように、第1画像ブロックの大きさ
は、分離対象の網点線数および読取部1の読取解像度に
依存しており、13×7画素のマトリクスが単なる一例
であることが理解される。第1画像ブロックを形成する
ためのバッファメモリの容量を少なくするためには、対
象とする最低線数の網点画像の網点が参照マトリクス内
に1つ存在するように、第1画像ブロックの大きさを定
めることが好ましい。しかし、第1画像ブロック中に1
つよりも多く(整数である必要はない)の網点が存在す
るように第1画像ブロックの大きさを設定することもで
きる。すなわち、65線以上の網点領域を写真領域以外
であると判定することを目的とする場合に、13×7画
素のマトリクスよりも大きなマトリクスを第1画像ブロ
ックとして用いてもよい。
【0067】上述の第2画像ブロックについても同様で
あって、主走査方向濃度差総和H_SUMと副走査方向濃度
差総和V_SUMとの関係の分布が、上述の図7に示されて
いるように、写真とみなすべき画像と、細線領域画像と
で分離されるように画素マトリクスの大きさを定めれば
よい。したがって、たとえば、第2画像ブロックは、5
×5画素よりも小さなまたは大きな正方形の画素マトリ
クスであってもよいし、主走査方向と副走査方向とで画
素数の異なる矩形またはその他の形状のマトリクスであ
ってもよい。たとえば、第1画像ブロックを構成する1
3×7画素のマトリクスをそのまま第2画像ブロックと
して採用し、TOTAL_DHおよびTOTAL_DVをそれぞれH_SUM
およびV_SUMに代えて用いることもできる。
【0068】ただし、参照マトリクスを大きくすると、
各ラインにおいて初期に処理される画素については、参
照可能な画像データが少ないので、領域分離判定に誤り
が生じるおそれがある。この観点からは、第1画像ブロ
ックおよび第2画像ブロックともに、必要最小限の大き
さのマトリクスを採用しておくことが好ましい。なお、
主走査方向両端部および副走査方向両端部では、第1画
像ブロックまたは第2画像ブロックを構成する画素が不
足することになる。たとえば、各ラインにおいて最初の
画素を注目画素として処理するときには、主走査方向上
流側には画素が存在していない。このようなときには、
13×7画素のマトリクスまたは5×5画素のマトリク
ス内において、存在しないマトリクス位置の画素の画像
データを「0」と見なして、上述の領域分離判定が行わ
れる。
【0069】図11は、中間調処理部37の機能的な構
成を説明するためのブロック図である。中間調処理部3
7は、領域分離機能部38から与えられる領域分離信号
と、注目画素の座標位置を表す注目画素座標と、注目画
素の画像データ(この実施形態では、出力γ補正処理後
の画像データ)とに基づき、誤差拡散処理用のパラメー
タを生成するパラメータ生成処理部51を備えている。
また、中間調処理部37は、出力γ補正処理部36から
与えられる画像データと、パラメータ生成処理部51か
ら与えられる各種のパラメータとに基づき、入力画像デ
ータに対して誤差拡散処理演算を行う誤差拡散処理部5
2を備えている。
【0070】パラメータ生成処理部51は、後述する構
成により、入力画像データを量子化(この実施形態では
二値化または四値化)する際の閾値V1,V2,V3ま
たはF1,F2,F3と、画像データを量子化する際に
生じる発生誤差(量子化誤差)を補正するための発生誤
差補正値ECとを生成して、誤差拡散処理部52に与え
るようになっている。誤差拡散処理部52は、入力画像
データに対して、累積誤差メモリ62に記憶されている
累積誤差を加算する誤差加算処理部61を備えている。
累積誤差メモリ62には、量子化処理が既に終了した周
辺の画素から注目画素に分配される誤差が累積されて記
憶されている。たとえば、図12(a)に示されているよ
うに、注目画素Xに対しては、その周辺の既に量子化さ
れた画素a,b,c,d,e,fから予め定める誤差拡
散係数(たとえば、1/4または1/8)を乗じた発生
誤差が累積されて加算されることになる。この場合の累
積誤差は、たとえば、次式により表される。
【0071】 累積誤差=(1/8)×a+(1/4)×b+(1/8)×c+(1/8)×d+(1/8)×e+(1/4)×f ・・・・・・(8) この累積誤差が、それぞれの画素に対応づけて累積誤差
メモリ62に記憶されており、誤差拡散処理対象の注目
画素に対応した累積誤差が読み出されて、誤差加算処理
部61により、画像データに加算されることになる。誤
差拡散処理部52は、さらに、誤差加算処理後の画像デ
ータを、パラメータ生成処理部51から与えられる、そ
れぞれ通常の誤差拡散処理と改良型誤差拡散処理とに対
応した3つの量子化閾値V1,V2,V3またはF1,
F2,F3に基づいて量子化する量子化処理部63を備
えている。この量子化処理部63は、この実施形態で
は、画像データを、0,1,2,3の四値を表す2ビッ
トのデータに変換する。
【0072】量子化閾値V1,V2,V3は、画像平面
に沿う二次元方向に関して周期変動するように設定され
る変動閾値であり、それらの間には、V1≦V2≦V3
なる大小関係が成立する。また、量子化閾値F1,F
2,F3は、固定閾値であってF1≦F2≦F3(この
実施形態では、とくにF1=F2=F3)なる大小関係
が成立する。パラメータ生成処理部51は、変動閾値V
1,V2,V3または固定閾値F1,F2,F3のいず
れかを生成する。これを受けて量子化処理部63は、3
つの量子化閾値V1,V2,V3またはF1,F2,F
3に基づいて、次の場合分け判定I,II,III,IVをこ
の順に実行することにより、画像データを0〜3に量子
化(四値化)する。場合分け判定をI〜IVの順に実行す
る過程で、いずれかの条件に合致すれば、以後の判定は
行わず、量子化された値(出力データ)を確定する。
【0073】 I.誤差加算処理後の画像データ>V3またはF3のとき、 注目画素を「3」に量子化する。 II.V3またはF3≧誤差加算処理後の画像データ>V2またはF2のとき 、 注目画素を「2」に量子化する。 III.V2またはF2≧誤差加算処理後の画像データ>V1またはF1のとき 、 注目画素を「1」に量子化する。 IV.V1またはF1≧誤差加算処理後の画像データのとき、 注目画素を「0」に量子化する。 ・・・・・・(9)
【0074】このようにして、量子化閾値V1,V2,
V3またはF1,F2,F3が異なる値を有する場合に
は、注目画素の画像データは、「0」〜「3」の四値に
量子化される。また、閾値V1,V2,V3またはF
1,F2,F3が等しい値を有する場合には、上述の場
合分け判定をI〜IVを順に実行することにより、注目画
素の画像データは「0」または「3」に二値化されるこ
とになる。
【0075】この量子化処理部63による量子化処理の
結果生じた発生誤差が、誤差演算部64によって求めら
れる。この誤差演算部64は、入力画像データの濃度階
調が0ないし255の256階調で表されている場合
に、出力データ(量子化結果)に応じて、次式に従って
発生誤差を演算する。 出力データが「3」の場合 発生誤差=誤差加算処理後の画像データ−255(最大階調値) 出力データが「2」の場合 発生誤差=誤差加算処理後の画像データ−170(第2中間階調値) 出力データが「1」の場合 発生誤差=誤差加算処理後の画像データ−85(第1中間階調値) 出力データが「0」の場合 発生誤差=誤差加算処理後の画像データ−0(最小階調値) ・・・・・・(10) 出力データ「3」は黒画素に対応しており、最大階調値
「255」に相当する。また、出力データ「0」は白画
素に対応しており、最小階調値「0」に相当する。そし
て、出力データ「1」「2」は、いわばグレーの画素に
対応していると言うことができ、それぞれ第1中間階調
値「85」および第2中間階調値「170」に相当して
いる。ただし、ここでは、第1中間階調値および第2中
間階調値は、0〜255の全階調区間を4等分する階調
値に選択している。
【0076】誤差演算部64によって演算された発生誤
差には、誤差補正部65によって補正処理が施されるこ
とになる。この補正処理は、下記(11)式に示すよう
に、誤差演算部64によって求められた発生誤差から、
パラメータ生成処理部51から与えられる発生誤差補正
値ECを減算することによって達成される。この補正後
の発生誤差に対しては、誤差分配処理部66による分配
処理が行われ、この分配処理の結果としての累積誤差
が、累積誤差メモリ62に格納されることになる。
【0077】 補正後の発生誤差=(10)式の発生誤差−EC ・・・・・・(11) 誤差分配処理部66における処理は、図12(a)に示さ
れた誤差の累積と反対の処理となる。すなわち、注目画
素Xにおいて発生した発生誤差は、図12(b)に示すよ
うに予め定める誤差拡散係数(この例では1/4または
1/8)を乗じて、注目画素Xの周辺にあって、未だ二
値化されていない周辺画素に分配される。
【0078】図13は、パラメータ生成処理部51の機
能的な構成を説明するためのブロック図である。パラメ
ータ生成処理部51は、領域分離機能部38から与えら
れる領域分離信号に基づいて、量子化閾値を一定値に固
定した通常型誤差拡散処理に対応したパラメータ、また
は量子化閾値を画像平面において2次元的に周期変動さ
せて設定する改良型誤差拡散処理のためのパラメータを
生成する。すなわち、領域分離信号が、注目画素が写真
領域に属することを表す値「1」である場合には、改良
型誤差拡散処理のためのパラメータを生成し、領域分離
信号が、注目画素が写真領域以外の領域に属することを
表す値「0」の場合には通常型誤差拡散処理のためのパ
ラメータを生成する。
【0079】このような機能のために、パラメータ生成
処理部51は、通常型誤差拡散処理のための固定閾値F
1,F2,F3を生成する固定閾値設定部71と、改良
型誤差拡散処理のための変動閾値V1,V2,V3を設
定する変動閾値設定部72と、領域分離信号に基づいて
固定閾値F1,F2,F3または変動閾値V1,V2,
V3のいずれかを選択して、誤差拡散処理部52に与え
る閾値選択部73と、発生誤差の補正のための発生誤差
補正値ECを演算して、誤差拡散処理部52に与える補
正値演算部74とを備えている。
【0080】補正値演算部74は、領域分離信号および
変動閾値設定部72から与えられる変動閾値V1,V
2,V3に基づいて、発生誤差補正値ECを演算する。
具体的には、領域分離信号が「0」であって、注目画素
が写真領域以外に属する画素である場合には、発生誤差
補正値ECを一定値(この実施形態では「0」)に設定
する。その一方で、領域分離信号の値が「1」である場
合には、変動閾値設定部72から与えられる変動閾値V
1,V2,V3の値に応じて、発生誤差補正値ECを可
変させる。
【0081】固定閾値設定部71が生成する固定閾値F
1,F2,F3は、この実施形態では、同一の値(たと
えば0〜255の中間値である「127」)に設定され
ている。この固定閾値F1,F2,F3が誤差拡散処理
部52に与えられると、この誤差拡散処理部52の量子
化処理部63は、入力画像データを「0」または「3」
のいずれかの値に二値化する。変動閾値設定部72は、
画像平面において2次元的に周期変動する量子化閾値を
設定するための変動閾値マトリクスを記憶した変動閾値
マトリクスメモリ80と、注目画素座標に基づいて、注
目画素が変動閾値マトリクス内のいずれの位置に該当す
るかを見いだし、当該位置における変動閾値マトリクス
の値を変動閾値選択情報として生成する変動閾値選択情
報生成部85と、この変動閾値選択情報と注目画素の画
像データ値とに基づき、変動閾値V1,V2,V3を生
成する変動閾値生成部86とを備えている。
【0082】変動閾値生成部86は、変動閾値V1を生
成するための変動閾値テーブルT1が格納された変動閾
値メモリ81と、変動閾値V2を生成するための変動閾
値テーブルT2が格納された変動閾値メモリ82と、変
動閾値V3を生成するための変動閾値テーブルT3が格
納された変動閾値メモリ83とを備えている。さらに、
変動閾値生成部86は、変動閾値選択情報および注目画
素の画像データの値に基づいて、変動閾値メモリ81,
82,83から、該当する変動閾値V1,V2,V3を
選択して閾値選択部73に与える変動閾値選択部84を
備えている。
【0083】閾値選択部73は、領域分離信号が写真領
域に対応する値「1」である場合には変動閾値V1,V
2,V3を選択して誤差拡散処理部52に与える。ま
た、領域分離信号が写真領域以外であること表す値
「0」である場合には、固定閾値設定部71により設定
された固定閾値F1,F2,F3を誤差拡散処理部52
に与える。図14(a)は、変動閾値マトリクスメモリ8
0に格納された変動閾値マトリクスの一例を示す図であ
り、図14(b)は、この変動閾値マトリクスの各マトリ
クス位置に対応した変動閾値マトリクスメモリ80のア
ドレスを示す図である。図14(a)には、画像データを
四値化する場合を考慮した変動閾値マトリクスが示され
ており、各マトリクス値は、0,1,2,3のうちのい
ずれかの値に設定されている。閾値マトリクス内におい
て小さなマトリクス値に対応する画素においては、比較
的小さな量子化閾値が設定され、大きなマトリクス値に
該当する画素に対しては比較的大きな量子化閾値が設定
される。したがって、注目画素に該当するマトリクス値
が小さければ、この注目画素は高濃度画素(黒画素)に
量子化される可能性が高く、注目画素に該当するマトリ
クス値が大きければ、この注目画素は低濃度画素(白画
素)に量子化される可能性が高くなる。
【0084】変動閾値V1,V2,V3を用いて画像を
量子化する処理は、図14(a)に示す変動閾値マトリク
スを画像平面上において2次元方向に敷き詰めた状況を
仮想することによって理解される。すなわち、この場合
に、量子化処理部63(図11参照)における量子化閾
値は、主走査方向および副走査方向(すなわち2次元方
向)に周期変動することになる。したがって、量子化さ
れた後の画像には、周期的にドット(網点)が現れるこ
とになり、結果として網点化処理を行うことができる。
【0085】また、図14(a)の例では、マトリクス値
「0」(量子化閾値の変動周期の鞍点に対応)をマトリ
クス値「1」で取り囲んだ3×3画素の小マトリクス
と、マトリクス値「3」(量子化閾値の変動周期の頂点
に対応)をマトリクス値「2」で取り囲んだ3×3画素
の小マトリクスとが、主走査方向および副走査方向に交
互に配置されている。これにより、スクリーン角45度
の網点が形成されることになる。読取部1の読取解像度
が600dpiであれば、網点線数は141線になる。
【0086】図14(a)の変動閾値マトリクスは、6×
6画素に設定されているが、5×5画素や7×7画素な
どの他のマトリクスサイズを採用することもできる。た
とえば、n×n画素のマトリクスのマトリクスサイズを
「n」と定義すると、注目画素に対応した変動閾値マト
リクス内の位置、すなわち変動閾値マトリクスメモリ8
0のアドレスは、注目画素の座標(主走査座標および副
走査座標)を用いて、次式により得ることができる。
【0087】アドレス=(主走査座標÷nの余り+副走
査座標÷nの余り)×8・・・・・・(12)この式は、変動
閾値マトリクスの最大マトリクスサイズが「8」である
場合を想定したものであって(図14(b)参照)、変動
閾値マトリクスメモリ80のアドレスの指定は、この変
動閾値マトリクスメモリ80の構成に応じて適宜変更さ
れることになる。
【0088】変動閾値選択情報生成部85は、注目画素
の座標から上記(12)式に基づいて変動閾値マトリク
スのマトリクス値を読み出し、これを変動閾値選択情報
として変動閾値選択部84に与える。変動閾値選択部8
4は与えられた変動閾値選択情報に基づいて、変動閾値
メモリ81,82,83の変動閾値テーブルT1,T
2,T3から、適切な変動閾値V1,V2,V3を読み
出す。図15は、変動閾値テーブルT1,T2,T3の
設定例を示す図である。変動閾値V1,V2,V3は、
V1≦V2≦V3の関係が満たされるように設定されて
いる。
【0089】より具体的には、この実施形態において
は、変動閾値マトリクスのマトリクス値「0」に対応す
る変動閾値V1(0),V2(0),V3(0)については、原
則として、V1(0)=V2(0)=V3(0)となるように変
動閾値V1(0),V2(0),V3(0)が定められている。
また、変動閾値マトリクスのマトリクス値「2」および
「3」についても同様に、V1(2)=V2(2)=V3(2)
およびV1(3)=V2(3)=V3(3)なる関係が原則とし
て成立するように変動閾値V1,V2,V3が定められ
ている。
【0090】そして、変動閾値マトリクス内における特
定のマトリクス値であるマトリクス値「1」について
は、原則として、変動閾値V1(1),V2(1),V3(1)
について、V1(1)<V2(1)<V3(1)なる関係が成立
するように、変動閾値V1,V2,V3が定められてい
る。さらには、変動閾値V1,V2,V3のいずれにつ
いても、原則として、変動閾値マトリクスのマトリクス
値が小さいほど、小さな変動閾値が割り当てられてい
る。すなわち、次式の関係が成立するように変動閾値V
1,V2,V3が定められている。
【0091】 V1(0)<V1(1)<V1(2)<V1(3) V2(0)<V2(1)<V2(2)<V2(3) V3(0)<V3(1)<V3(2)<V3(3) ・・・・・・(12) 誤差拡散処理部52の量子化処理部63は、変動閾値V
1,V2,V3が量子化閾値として与えられた場合に、
変動閾値マトリクスのマトリクス値が0,2または3の
場合には、変動閾値V1,V2,V3がいずれも等しい
ので、入力画像データを「0」または「3」のいずれか
に二値化する。これに対して、変動閾値マトリクスのマ
トリクス値が「1」に該当する注目画素に対しては、変
動閾値V1,V2,V3が異なる値を有しているので、
入力画像データを0ないし3のいずれかの値に四値化す
る。
【0092】図15において画像データ値の0〜15の
範囲に注目すると理解されるように、この実施形態で
は、注目画素の画像データの値(濃度値)に応じて、変
動閾値V1,V2,V3を可変設定するようになってい
る。具体的には、画像データの値が0〜7の範囲の場合
には、変動閾値V1,V2,V3は、変動閾値マトリク
スのマトリクス値に関わらずに、0〜255の階調の中
間値「127」に固定されている。これによって、量子
化閾値を周期変動させない通常型誤差拡散処理が行われ
ることになり、誤差拡散処理部52の量子化処理部63
は、入力画像データを「0」または「3」に二値化す
る。
【0093】また、注目画素の画像データの値が8〜1
5の範囲にある場合には、変動閾値V1,V2,V3
は、変動閾値マトリクスのマトリクス値に応じた変動幅
が画像データの値が16以上の場合よりも小さくなるよ
うに設定される。このように、極低濃度領域において
は、変動閾値マトリクスのマトリクス値に応じた閾値変
化を小さくするか、または無くすことによって、ドット
集中を緩和または解消することができる。これにより、
写真画像中の低濃度領域については、出力画像中におい
て大きなドットが目立つことがなく、美しい低濃度階調
画像を再生することができる。それとともに、量子化閾
値の変動に起因するテクスチャの発生を抑制できる。
【0094】変動閾値選択部84は、注目画素の画像デ
ータと、当該注目画素の変動閾値マトリクス内の位置に
該当するマトリクス値(変動閾値選択情報)とに基づい
て、変動閾値V1,V2,V3を変動閾値メモリ81,
82,83から読み出し、閾値選択部73に与える。補
正値演算部74は、領域分離信号の値が「0」であっ
て、固定閾値設定部71より設定される固定閾値F1,
F2,F3が用いられる場合には、発生誤差補正値EC
を「0」に設定する。一方、領域分離信号が写真領域で
あることを表す値「1」である場合には、補正値演算部
74は、閾値選択部73から変動閾値V1,V2,V3
を得て、次式に基づいて、発生誤差補正値ECを演算す
る。
【0095】 発生誤差補正値=(V1+V2+V3)÷3−127 ・・・・・・(13) すなわち、変動閾値V1,V2,V3の平均値の中間階
調値「127」に対する偏差が発生誤差補正値ECとし
て求められ、誤差補正部65に与えられる。誤差補正部
65は、誤差演算部64で演算された発生誤差から発生
誤差補正値ECを引くことによって、補正後の発生誤差
を演算する(上記(11)式参照)。
【0096】このようにして、画像平面において2次元
方向に周期変動する変動閾値V1,V2,V3を用いる
場合には、周辺の画素に分配される発生誤差が、量子化
閾値の変動の影響を受けることがないように補正され
る。この補正処理は、結局、発生誤差の算出基準値を量
子化閾値の変動に応じて変更する処理にほかならない。
すなわち、上記(10)式における最小階調値「0」、
第1中間階調値「85」、第2中間階調値「170」お
よび最大階調値「255」は、発生誤差の算出基準値で
ある。発生誤差を補正するための上記(11)式の処理
は、結局、発生誤差の算出基準値「0」,「85」,
「170」,「255」を発生誤差補正値ECで補正
し、この補正後の算出基準値「0−EC」,「85−E
C」,「170−EC」,「255−EC」を基準とし
て量子化誤差を求める処理に他ならない。発生誤差補正
値ECは、上記(13)式から理解されるとおり、変動
閾値V1,V2,V3の周期変動とともに周期変動する
から、結局、補正後の算出基準値は、変動閾値V1,V
2,V3と同位相で周期変動することになる。これによ
って、大きな発生誤差が周辺の画素に分配されることを
防止できるので、ドットを効率的に集中させて良好な網
点を形成することができる。
【0097】図16は、量子化閾値の周期変動とそれに
応じた誤差算出基準値の周期変動とを示す図である。量
子化閾値(変動閾値)V1,V2,V3が図16におい
て太線で示すように周期的に変動すると、中間階調値
「127」に対する量子化閾値の偏差である発生誤差補
正値ECは、図16中の矢印で示すように変化する。こ
の場合、下向きの矢印は発生誤差補正値ECが負の値で
あることを表し、上向きの矢印は、発生誤差補正値EC
が正の値であることを表す。
【0098】たとえば、変動閾値マトリクス値「0」に
対応した変動閾値V1=V2=V3が中間値「127」
よりも小さく設定されているとする。この場合に、中間
値「127」よりも小さな値を有する注目画素Xは、変
動閾値V1,V2,V3よりもその値が大きいときに、
黒画素に相当する値「3」に量子化される。このとき、
誤差演算部64は、補正前の発生誤差として、次式に示
す値を演算する。 補正前の発生誤差=注目画素Xの累積誤差加算後の値−255 ・・・・・・(14) したがって、この場合には、「127」よりも大きな絶
対値の発生誤差が生じることになる。この補正前の発生
誤差は、発生誤差補正値ECを減じることによって、絶
対値の小さな値に補正される。この補正の結果、補正後
の発生誤差は、量子化閾値V1,V2,V3に応じた小
さな値に補正される。この補正は、発生誤差の算出基準
値を最大階調値「255」よりも小さな値R(3)に補
正することと等価である。
【0099】なお、図16において、注目画素の画像デ
ータが出力データ「0」,「1」,「2」,「3」に量
子化された場合の実質的な誤差算出基準値をそれぞれR
(0),R(1),R(2),R(3)と表してある。
変動閾値マトリクス値が「1」の場合には、異なる値の
変動閾値V1,V2,V3を用いた四値化処理が行われ
るので、それに応じて、4つの誤差算出基準値R
(0),R(1),R(2),R(3)が存在する。
【0100】図17は、変動閾値マトリクス内において
特定の値(この実施形態では「1」)の場合についての
みより高い量子化レベルで量子化すること(すなわち、
この実施形態では四値化すること)の効果を説明するた
めの図である。上述のとおり、図14(a)に示す変動閾
値マトリクスを適用することによって、量子化閾値を二
次元方向に周期変動させることができ、結果として一定
の線数(たとえば141線)の網点により写真画像の階
調を表現することができる。この場合に、網点の核とな
るドットDCが形成された場合に、このドットのDCの
周りの画素を四値化すると、網点を構成するドットのD
Cの膨らみ方または縮み方が、ドットDCの周囲の画素
を二値化する場合に比較して、より微細に設定すること
ができる。すなわち、たとえば、レーザ走査ユニットを
含む出力部4において、1画素あたりのレーザ発光時間
またはレーザ発光強度を四値(2ビット)で表された画
像データに基づいて4段階に制御することにより、出力
部4における記憶画素の大きさを4段階に制御すること
ができる。
【0101】この実施形態では、量子化閾値の周期変動
における鞍部(変動閾値マトリクスの「0」に対応す
る。)の近傍の画素(変動閾値マトリクスのマトリクス
値「1」に該当する。)について、四値化処理を行うこ
ととしている。これにより、ドットの膨らみ方まは縮み
方の段階数が、量子化レベルを二値化にのみ固定してい
る場合に比較して詳細に定めることができ、滑らかな階
調表現が可能となる。この実施形態では、「1」の画素
に対して四値化処理を行っているが、これは一例にすぎ
ず、たとえばマトリクス値「2」の画素に対して量子化
レベルの高い量子化(この実施形態では四値化)処理を
行ってもよいし、マトリクス値「1」および「2」の両
方に関して、量子化レベルの高い量子化処理を行っても
よい。
【0102】以上のように、この実施形態によれば、注
目画素を含む第1画像ブロック(13×7画素のマトリ
クス)内の画素間の画像データの差の総和TOTAL_SUM
と、第1画像ブロック内の画像データの平均値AVに応
じて定められた閾値TH(AV)との大小比較結果に基づい
て、写真領域の画素をそれ以外の領域を構成する画素か
ら分離して抽出することができる。さらに、第2画像ブ
ロック(5×5画素のマトリクス)内の画素における主
走査方向の画像データの差の総和H_SUMおよび副走査方
向の画像データの差の総和V_SUMを所定の閾値HL,H
H,VL,VHと比較することによって、細線領域を構
成する画素が写真領域に属するものと誤判定されること
を防止できる。したがって、極めて正確に写真画像に属
する画素を抽出できる。
【0103】さらに、分離前フィルタ処理部39によっ
て平滑化処理が施された後の画像データに対して上述の
ような領域分離処理を行うことにより、高線数(175
線以上)の網点領域を写真領域に属するものと確実に判
定することができる。これによって、中間調処理部37
における網点化処理(改良型誤差拡散処理)によってモ
アレが生じるおそれのない高線数の網点画像について
は、写真画像と同様に良好な階調性での画像再生を行う
ことができる。
【0104】さらに、この実施形態では、写真領域に属
すると判定された画素に対しては、二次元方向に周期変
動する変動閾値V1,V2,V3を用いた改良型誤差拡
散処理が施されることにより、175線以上の高線数の
網点画像および写真画像に対して網点化処理を施すこと
ができる。これによって、電子写真プロセスによる画像
形成において有利なドット集中型中間調処理が可能とな
り、階調表現に優れた再生画像を得ることができる。
【0105】その一方で、写真領域に属しないと判定さ
れた画素に対しては、量子化閾値を一定値に固定した通
常型誤差拡散処理が行われるので、文字画像、線画画
像、網点画像(低線数のもの)については、良好な解像
性で画像を再生することができるとともに、モアレ縞が
発生することもない。また、この実施形態の改良型誤差
拡散処理では、量子化閾値の変動と同位相で発生誤差の
算出基準値を変動させることとしているので、量子化閾
値の変動に起因する大きな量子化誤差が注目画素の周辺
の周辺画素に分配されることがない。したがって、網点
を構成すべき黒画素を効果的に集中させることができる
ので、の改良型誤差拡散処理による網点化処理を良好に
行うことができる。しかも、画像の濃度を確実に保存で
きるという利点もある。
【0106】さらには、この実施形態では、網点の核と
なるドットの周囲の画素について、二値化処理ではなく
四値化処理を施すことによって、網点の膨らみ方または
縮み方の段階数を増大させているので、高線数の網点画
像および写真画像を滑らかな階調性で表現することが可
能になる。以上、この発明の一実施形態について説明し
たが、この発明は他の形態で実施することもできる。た
とえば、上述の実施形態では、高い量子化レベル(四値
化)が適用される閾値マトリクス値が固定されているけ
れども、注目画素を含む第3の画像ブロック(たとえ
ば、変動閾値マトリクスと同程度の大きさのマトリクス
領域)について、この第3の画像ブロック内の画像デー
タの平均値を求め、この平均値に基づいて、高い量子化
レベルの量子化処理(四値化処理)を施すべきマトリク
ス値を可変設定することとしてもよい。この場合、第3
の画像ブロック内の画像データの平均値とマトリクス値
との関係は、上記図14(a)の変動閾値マトリクスを適
用する場合には、下記表1のように設定してもよい。
【0107】
【表1】
【0108】このようにすることによって、いずれの濃
度領域においても、ドット(網点)の周縁部を構成する
画素に対して、確実に4値化処理を施すことができるの
で、より良好な階調再現性を実現できる。また、上述の
実施形態では、量子化閾値の周期変動とともに周期変動
する発生誤差算出基準値は、変動閾値の値に対して一定
の振幅を有しているが、この振幅は、注目画素の近傍の
画像データの大小に応じて変動することとしてもよい。
たとえば、低濃度領域において当該振幅を大きくするこ
とにより、ドットの集中を抑制することができ、ドット
の集中による違和感を抑制して美しい再生画像を実現す
ることができる。これに対して、高濃度領域では、当該
振幅を小さく設定することにより、ドットを良好に集中
させることができ、良好な階調再現性を実現できる。
【0109】また、上述の実施形態では、量子化レベル
を二値化と四値化との二段階に切り換えているが、量子
化レベルの切り換えは三段階上に行われてもよい。たと
えば、二値化処理によってドットの核が形成される画素
の周囲の画素を三値化することとし、さらにその周囲の
画素について四値化処理を行うようにしてもよい。ま
た、上述の実施形態では、黒画素(網点を形成するドッ
トの核)の周囲の画素について四値化を処理行うように
しているが、白画素の周囲に四値化される画素を配置し
て、白画素の周囲にグレーの画素(小面積の黒画素)が
形成されるようにしてもよい。すなわち、この場合に
は、量子化閾値の変動周期の頂点の近傍の画素に関して
高い量子化レベルでの量子化処理が行われることにな
る。
【0110】さらに、上記の実施形態では、この発明が
ディジタル複写機に適用された例について説明したが、
この発明は、画像データを処理する装置に対して広く適
用することができ、たとえばファクシミリ装置や、入力
画像データに画像処理を施して記録シート上に画像を形
成するプリンタに適用することもできる。その他、特許
請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を
施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像処理装置が適
用された画像形成装置の一例であるディジタル複写機の
電気的構成を示すブロック図である。
【図2】画像処理部の機能的な構成を説明するためのブ
ロック図である。
【図3】領域分離機能部の処理内容を説明するためのフ
ローチャートである。
【図4】写真領域の画素の抽出のために用いられる第1
画像ブロック(13×7画素のマトリクス)の例を示す
図である。
【図5】細線領域の画素の抽出のために用いられる第2
画像ブロック(5×5画素のマトリクス)の例を示す図
である。
【図6】第1画像ブロック内の画素の画像データの平均
値AVに対応した写真領域判定のための閾値TH(AV)の
設定例を説明するためのグラフである。
【図7】第2画像ブロックにおける主走査方向濃度差総
和H_SUMと副走査方向濃度差総和V_SUMとの関係の分布
例を示す図である。
【図8】分離前フィルタ処理部の構成を説明するための
図である。
【図9】分離前フィルタ処理部による処理内容を説明す
るための図である。
【図10】第1画像ブロックのマトリクスの大きさを説
明するための図である。
【図11】中間調処理部の機能的な構成を説明するため
のブロック図である。
【図12】量子化誤差の累積および分配を説明するため
の図である。
【図13】パラメータ生成処理部の機能的な構成を説明
するためのブロック図である。
【図14】変動閾値マトリクスメモリに格納された変動
閾値マトリクス、およびこの変動閾値マトリクスの各マ
トリクス位置に対応した変動閾値マトリクスメモリのア
ドレスを示す図である。
【図15】変動閾値テーブルT1,T2,T3の設定例
を示す図である。
【図16】量子化閾値の周期変動とそれに応じた誤差算
出基準値の周期変動とを示す図である。
【図17】変動閾値マトリクス内における特定の値につ
いてより高い量子化レベルで量子化することの効果を説
明するための図である。
【符号の説明】
1 読取部 3 画像処理部 4 出力部 37 中間調処理部 38 領域分離機能部 39 分離前フィルタ処理部 40 判定閾値テーブル 51 パラメータ生成処理部 52 誤差拡散処理部 61 誤差加算処理部 62 累積誤差メモリ 63 量子化処理部 64 誤差演算部 65 誤差補正部 66 誤差分配処理部 71 固定閾値設定部 72 変動閾値設定部 73 閾値選択部 74 補正値演算部 80 変動閾値マトリクスメモリ 81 変動閾値メモリ 82 変動閾値メモリ 83 変動閾値メモリ 84 変動閾値選択部 85 変動閾値選択情報生成部 86 変動閾値生成部 T1 変動閾値テーブル T2 変動閾値テーブル T3 変動閾値テーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−48891(JP,A) 特開 平10−271326(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/40 B41J 2/52 G06T 7/40 100

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像を構成する画素の濃度階調を表す画像
    データに基づいて、個々の注目画素が画像中の写真領域
    に属するか否かを判定する領域分離装置であって、 注目画素を含む一定の大きさの第1画像ブロック中の画
    素の画像データの平均値を算出する平均値算出手段と、 この平均値算出手段によって算出された平均値に応じた
    写真領域判定閾値を発生する写真領域判定閾値発生手段
    と、 上記画像ブロック内の各画素について隣接画素との画像
    データの差を求め、上記画像ブロック内の全ての画素に
    ついての上記画像データの差の総和を算出する濃度差総
    和算出手段と、 この濃度差総和算出手段によって算出された画像データ
    の差の総和が上記写真領域判定閾値発生手段によって発
    生された写真領域判定閾値未満であれば、上記注目画素
    が写真領域に属すると判定し、上記画像データの差の総
    和が上記写真領域判定閾値以上であれば、上記注目画素
    が写真領域に属しないと判定する第1判定手段とを含む
    ことを特徴とする領域分離装置。
  2. 【請求項2】画像を構成する画素の濃度階調を表す画像
    データに基づいて、個々の注目画素が画像中の細線領域
    に属するか否かを判定する領域分離装置であって、 注目画素を含む一定の大きさの第2画像ブロック中の各
    画素につき、第1方向に隣接する画素との画像データの
    差を求め、この画像データの差を上記第2画像ブロック
    内の全画素について累計して第1方向濃度差総和を求め
    る第1方向濃度差総和算出手段と、 上記第2画像ブロック中の各画素につき、上記第1方向
    とは異なる第2方向に隣接する画素との画像データの差
    を求め、この画像データの差を上記第2画像ブロック内
    の全画素について累計して第2方向濃度差総和を求める
    第2方向濃度差総和算出手段と、 上記第1方向濃度差総和算出手段および上記第2方向濃
    度差総和算出手段によって算出された第1方向濃度差総
    和および第2方向濃度差総和の大小関係に基づいて、上
    記注目画素が細線領域に属するか否かを判定する第2判
    定手段とを含むことを特徴とする領域分離装置。
  3. 【請求項3】画像を構成する画素の濃度階調を表す画像
    データに基づいて、個々の注目画素が画像中の写真領域
    に属するか否かを判定する領域分離装置であって、 注目画素を含む一定の大きさの第1画像ブロック中の画
    素の画像データの平均値を算出する平均値算出手段と、 この平均値算出手段によって算出された平均値に応じた
    写真領域判定閾値を発生する写真領域判定閾値発生手段
    と、 上記画像ブロック内の各画素について隣接画素との画像
    データの差を求め、上記画像ブロック内の全ての画素に
    ついての上記画像データの差の総和を算出する濃度差総
    和算出手段と、 この濃度差総和算出手段によって算出された画像データ
    の差の総和が上記写真領域判定閾値発生手段によって発
    生された写真領域判定閾値未満であれば、上記注目画素
    が写真領域に属すると判定し、上記画像データの差の総
    和が上記写真領域判定閾値以上であれば、上記注目画素
    が写真領域に属しないと判定する第1判定手段と、 注目画素を含む一定の大きさの第2画像ブロック中の各
    画素につき、第1方向に隣接する画素との画像データの
    差を求め、この画像データの差を上記第2画像ブロック
    内の全画素について累計して第1方向濃度差総和を求め
    る第1方向濃度差総和算出手段と、 上記第2画像ブロック中の各画素につき、上記第1方向
    とは異なる第2方向に隣接する画素との画像データの差
    を求め、この画像データの差を上記第2画像ブロック内
    の全画素について累計して第2方向濃度差総和を求める
    第2方向濃度差総和算出手段と、 上記第1方向濃度差総和算出手段および上記第2方向濃
    度差総和算出手段によって算出された第1方向濃度差総
    和および第2方向濃度差総和の大小関係に基づいて、上
    記注目画素が細線領域に属するか否かを判定する第2判
    定手段と、 上記第1判定手段によって写真領域に属すると判定さ
    れ、かつ、上記第2判定手段によって細線領域に属しな
    いと判定された場合に、注目画素が写真領域に属すると
    再判定し、上記第1判定手段によって写真領域に属する
    と判定され、かつ、上記第2判定手段によって細線領域
    に属すると判定された場合に、注目画素が写真領域に属
    しないと再判定する再判定手段とを含むことを特徴とす
    る領域分離装置。
  4. 【請求項4】上記第2判定手段は、上記第1方向濃度差
    総和算出手段および上記第2方向濃度差総和算出手段に
    よって算出された第1方向濃度差総和および第2方向濃
    度差総和を各2種類の第1方向判定閾値HL,HH(た
    だし、HL<HH)および第2方向判定閾値VL,VH
    (ただし、VL<VH)とそれぞれ比較し、上記第1方
    向濃度差総和が上記第1方向判定閾値HH以上であり、
    かつ、上記第2方向濃度差総和が上記第2方向判定閾値
    VL以下であるか、または、上記第1方向濃度差総和が
    上記第1方向判定閾値HL以下であり、かつ、上記第2
    方向濃度差総和が上記第2方向判定閾値VH以上であれ
    ば、上記注目画素が細線領域に属すると判定し、さもな
    ければ上記注目画素が細線領域に属しないと判定するも
    のであることを特徴とする請求項2または3記載の領域
    分離装置。
  5. 【請求項5】注目画素およびその周辺の画素の画像デー
    タを用いて、注目画素の画像データに積分処理を施す積
    分処理手段をさらに含み、 この積分処理手段によって前処理された画像データに基
    づいて、注目画素がいずれの領域に属するかを判定する
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の
    領域分離装置。
  6. 【請求項6】上記画像データは中間調処理に供せられる
    ものであって、この中間調処理は、写真領域に属すると
    判定された画素に関して所定線数での網点化処理を施す
    ものであり、 上記領域分離装置は、さらに、 上記所定線数とこの所定線数+50線との間に境界線数
    を設け、その境界線数よりも小さい線数の網点画像を構
    成する画素を写真領域を構成するものと判定される画素
    から除外する予備判定手段を含むものであることを特徴
    とする請求項1、3および4のいずれかに記載の領域分
    離装置。
  7. 【請求項7】上記予備判定手段は、上記中間調処理の処
    理対象の画像データに対して上記処理を行うものである
    ことを特徴とする請求項6記載の領域分離装置。
  8. 【請求項8】上記予備判定手段は、上記境界線数以上の
    線数の網点画像を構成する網点同士が接触するように、
    画像データに対して平滑化処理を施す積分フィルタを含
    むものであることを特徴とする請求項6または7記載の
    領域分離装置。
  9. 【請求項9】上記請求項1および3〜8のいずれかに記
    載の領域分離装置と、 この領域分離装置によって写真領域に属すると判定され
    た画素に対してはドット集中型中間調処理を施すととも
    に、上記領域分離装置によって写真領域に属しないと判
    定された画素に対してはドット分散型中間調処理を施す
    中間調処理手段とを含むことを特徴とする画像処理装
    置。
  10. 【請求項10】画像を構成する画素の濃度階調を表す画
    像データに基づいて、個々の注目画素が画像中の写真領
    域に属するか否かを判定する領域分離方法であって、 注目画素を含む一定の大きさの第1画像ブロック中の画
    素の画像データの平均値を算出するステップと、 上記画像ブロック内の各画素について隣接画素との画像
    データの差を求め、上記画像ブロック内の全ての画素に
    ついての上記画像データの差の総和を算出するステップ
    と、 上記画像データの差の総和が、上記平均値に応じて定め
    られた写真領域判定閾値未満であれば、上記注目画素が
    写真領域に属すると判定し、上記画像データの差の総和
    が上記写真領域判定閾値以上であれば、上記注目画素が
    写真領域に属しないと判定する第1判定ステップとを含
    むことを特徴とする領域分離方法。
  11. 【請求項11】画像を構成する画素の濃度階調を表す画
    像データに基づいて、個々の注目画素が画像中の細線領
    域に属するか否かを判定する領域分離方法であって、 注目画素を含む一定の大きさの第2画像ブロック中の各
    画素につき、第1方向に隣接する画素との画像データの
    差を求め、この画像データの差を上記第2画像ブロック
    内の全画素について累計して第1方向濃度差総和を求め
    るステップと、 上記第2画像ブロック中の各画素につき、上記第1方向
    とは異なる第2方向に隣接する画素との画像データの差
    を求め、この画像データの差を上記第2画像ブロック内
    の全画素について累計して第2方向濃度差総和を求める
    ステップと、 上記第1方向濃度差総和および第2方向濃度差総和の大
    小関係に基づいて、上記注目画素が細線領域に属するか
    否かを判定する第2判定ステップとを含むことを特徴と
    する領域分離方法。
  12. 【請求項12】画像を構成する画素の濃度階調を表す画
    像データに基づいて、個々の注目画素が画像中の写真領
    域に属するか否かを判定する領域分離方法であって、 注目画素を含む一定の大きさの第1画像ブロック中の画
    素の画像データの平均値を算出するステップと、 上記画像ブロック内の各画素について隣接画素との画像
    データの差を求め、上記画像ブロック内の全ての画素に
    ついての上記画像データの差の総和を算出するステップ
    と、 上記画像データの差の総和が、上記平均値に応じて定め
    られた写真領域判定閾値未満であれば、上記注目画素が
    写真領域に属すると判定し、上記画像データの差の総和
    が上記写真領域判定閾値以上であれば、上記注目画素が
    写真領域に属しないと判定する第1判定ステップと、 注目画素を含む一定の大きさの第2画像ブロック中の各
    画素につき、第1方向に隣接する画素との画像データの
    差を求め、この画像データの差を上記第2画像ブロック
    内の全画素について累計して第1方向濃度差総和を求め
    るステップと、 上記第2画像ブロック中の各画素につき、上記第1方向
    とは異なる第2方向に隣接する画素との画像データの差
    を求め、この画像データの差を上記第2画像ブロック内
    の全画素について累計して第2方向濃度差総和を求める
    ステップと、 上記第1方向濃度差総和および第2方向濃度差総和の大
    小関係に基づいて、上記注目画素が細線領域に属するか
    否かを判定する第2判定ステップと、 上記第1判定ステップによって写真領域に属すると判定
    され、かつ、上記第2判定ステップによって細線領域に
    属しないと判定された場合に、注目画素が写真領域に属
    すると再判定し、上記第1判定ステップによって写真領
    域に属すると判定され、かつ、上記第2判定ステップに
    よって細線領域に属すると判定された場合に、注目画素
    が写真領域に属しないと再判定する再判定ステップとを
    含むことを特徴とする領域分離方法。
  13. 【請求項13】上記第2判定ステップは、上記第1方向
    濃度差総和および第2方向濃度差総和を各2種類の第1
    方向判定閾値HL,HH(ただし、HL<HH)および
    第2方向判定閾値VL,VH(ただし、VL<VH)と
    それぞれ比較し、上記第1方向濃度差総和が上記第1方
    向判定閾値HH以上であり、かつ、上記第2方向濃度差
    総和が上記第2方向判定閾値VL以下であるか、また
    は、上記第1方向濃度差総和が上記第1方向判定閾値H
    L以下であり、かつ、上記第2方向濃度差総和が上記第
    2方向判定閾値VH以上であれば、上記注目画素が細線
    領域に属すると判定し、さもなければ上記注目画素が細
    線領域に属しないと判定するステップを含むことを特徴
    とする請求項11または12記載の領域分離方法。
  14. 【請求項14】注目画素およびその周辺の画素の画像デ
    ータを用いて、注目画素の画像データに積分処理を施す
    積分処理ステップをさらに含み、 この積分処理ステップによって前処理された画像データ
    に基づいて、注目画素がいずれの領域に属するかを判定
    することを特徴とする請求項10ないし13のいずれか
    に記載の領域分離方法。
  15. 【請求項15】上記画像データは中間調処理に供せられ
    るものであって、この中間調処理は、写真領域に属する
    と判定された画素に関して所定線数での網点化処理を施
    すものであり、 上記領域分離方法は、さらに、 上記所定線数とこの所定線数+50線との間に境界線数
    を設け、その境界線数よりも小さい線数の網点画像を構
    成する画素を写真領域を構成するものと判定される画素
    から除外する予備判定ステップを含むことを特徴とする
    請求項10、12および13のいずれかに記載の領域分
    離方法。
  16. 【請求項16】上記予備判定ステップでは、上記中間調
    処理の処理対象の画像データに対して上記処理が行われ
    ることを特徴とする請求項15記載の領域分離方法。
  17. 【請求項17】上記予備判定ステップは、上記境界線数
    以上の線数の網点画像を構成する網点同士が接触するよ
    うに、画像データに対して平滑化処理を施す平滑化ステ
    ップを含むことを特徴とする請求項15または16記載
    の領域分離方法。
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