JP3472479B2 - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JP3472479B2
JP3472479B2 JP14170198A JP14170198A JP3472479B2 JP 3472479 B2 JP3472479 B2 JP 3472479B2 JP 14170198 A JP14170198 A JP 14170198A JP 14170198 A JP14170198 A JP 14170198A JP 3472479 B2 JP3472479 B2 JP 3472479B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、原稿を走査して得
られた画像信号に対して、原稿を忠実に再現させるため
に最適な処理を行うための画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プリンタにスキャナを付加したい
わゆるデジタル複合機が、活発に開発されている。現行
のデジタル複合機のうち、製造コストを低減させること
を目的の1つとするものは、前記原稿を読取るための入
力装置の撮影素子として、解像度が400dpi程度の
いわゆる低解像度CCDラインセンサを備えているもの
が多い。また前記デジタル複合機は、前記入力装置のレ
ンズ系として、いわゆる高級なデジタル複合機が使用し
ている5枚玉レンズを用いることが難しい。これは、前
記5枚玉レンズを用いた場合、レンズ系の部品コストが
増加しやすいからである。このため、現在開発が進めら
れている前記デジタル複合機は、構成が簡単で部品コス
トを低下させやすいいわゆる3枚玉レンズを前記レンズ
系として用いている。
【0003】前記入力装置は、原稿を読取って、画像信
号を生成する。前記画像信号が示す画像の解像度は、前
記撮像素子の解像度と等しい。このため、前記デジタル
複合機は、いわゆるASICによって、画像信号の解像
度を、600dpi程度のいわゆる高解像度に変換す
る。このような構成のデジタル複合機を用い、いわゆる
7級の文字が描かれた原稿を読取って画像信号を生成す
る場合、前記入力装置のMTF(Modulation Transfer
function)が非常に悪いので、前記画像信号が表す画像
内に写る前記文字がボケてしまう可能性が、高い。
【0004】図29は、第1の従来技術の前記デジタル
複合機1の構成を示すブロック図である。デジタル複合
機1は、撮影素子3、AD変換器4、画像処理装置5、
およびLSU6を含む。図29では、画像処理装置5の
機能的構成として、画像処理装置5で行われる処理をブ
ロックで表し、画像信号の流れを矢印で示している。撮
影素子3、すなわちCCDラインセンサから出力された
時点で、画像信号はアナログ信号であり、AD変換器4
で量子化されて、たとえば8ビットのデジタル信号にな
る。前記量子化後の画像信号は、画像処理装置5に与え
られる。画像処理装置5は、まず、前記量子化後の画像
信号に、いわゆるシェーディング処理7と視感度補正処
理8とを施す。次いで画像処理装置5は、視感度補正処
理後の画像信号に、LSU6の仕様に合わせた濃度反転
処理9と、プリンタの出力特性に合わせたγ変換処理1
0とを施し、さらに、γ変換後の画像信号に、該画像信
号が示す画像の解像度をプリンタの解像度に合わせて変
換させるための、解像度変換処理11を施す。最後に、
画像処理装置5は、解像度変換後の画像信号に、中間調
処理12を施す。
【0005】このように、第1の従来技術の前記デジタ
ル複合機1は、撮影素子3で得られた画像信号に、該画
像信号をプリンタやLSUの仕様に合わせるための処理
以外の他の処理を、ほとんど施さない。図30は、いわ
ゆる133線の網点写真といわゆる黒べたと7級の文字
とが混在する試験用原稿を、前記デジタル複合機1に上
述の手順で処理させて得られる画像信号が表す画像であ
る。黒べたとは、人が見て真っ黒に見える画素だけで構
成される部分である。画像内の、黒べたが写る部分を黒
べた部と称し、網点写真が写る部分を網点部と称し、文
字が写る部分を文字部と称することがある。図30に示
すように、前記画像内では、7級の文字がボケた状態に
なっている。文字のぼけの原因の1つとしては、前述し
たように製造コストの低減を目的とする前記デジタル複
合機1の入力装置はMTFが悪いため、線がはっきり写
らないことが挙げられる。そこで、現行のデジタル複写
機は、前述した複数の処理に電子的なフィルタ処理を加
えることによって、MTFを改善させている。
【0006】図31は、電子的なフィルタ処理を行う第
2の従来技術のデジタル複合機14の構成を示すブロッ
ク図である。第2の従来技術のデジタル複合機14は、
第1の従来技術のデジタル複合機1と比較して、画像処
理装置15内の機能的構成の濃度反転処理9とγ補正処
理10との間に、前記電子的なフィルタ処理16が介在
されている点が異なり、他は等しい。第2の従来技術の
デジタル複合機14の内部構成のうちの第1の従来技術
のデジタル複合機1と同じ部分には、同じ参照符を付
し、説明は省略する。
【0007】電子的なフィルタ処理を図32を用いて以
下に説明する。まず、濃度反転処理後の画像信号が示す
画像を構成する複数の画素のうちのいずれか1つが、注
目画素17として選ばれる。次いで、注目画素のまわり
の複数の画素、いわゆる8近傍の画素が、周辺画素18
としてそれぞれ選ばれる。図32(A)は、注目画素1
7と周辺画素18との位置関係を示す模式図である。次
いで、注目画素17の濃度Img4と周辺画素18それ
ぞれの濃度Img0〜Img3,Img5〜Img8
と、予め設定されるフィルタによって定義される各画素
のフィルタ係数F0〜F8とを用い、以下の式に基づい
て、補正濃度Img4*が求められる。図32(B)
は、注目画素17および周辺画素18とフィルタ係数F
0〜F8との対応関係を示す。さらに、注目画素17の
濃度Img4が、補正濃度Img4*に置換えられる。
以上の処理を、前記いずれか1つの画素を変更しつつ、
全ての画素が注目画素17としてそれぞれ1回選ばれる
まで、繰返す。この結果、前記画像に前記電子的なフィ
ルタ処理が施される。
【0008】 Img4*=(Σi(Imgi×Fi))/(ΣiFi) …(1) 前記フィルタは、目的に応じて、前記フィルタ係数F0
〜F8が異なる。たとえば、図33に示すフィルタは、
MTFを改善するためのものであり、エッジ強調成分が
入っている。
【0009】図34は、前記デジタル複合機14によっ
て、図30で説明した試験用原稿が上述の手順で処理さ
れて得られる画像信号が表す画像である。図30と図3
4とを比較すると、電子的なフィルタ処理が加えられた
ことで、図34の画像において、前記7級の文字が強調
されたため、浮出てきたことが分かる。しかしながら、
図34の画像内の網点写真部に、波打ち模様、すなわち
モアレが発生している。これは、前記フィルタのエッジ
強調成分が強いので、網点写真を構成する網点の配置周
期とフィルタの周期とが干渉したためである。また、図
34の画像内の黒べた部に、いわゆる白抜けが生じてい
る。これは、以下の理由からである。前記視感度補正処
理によって、前記黒べた部内の複数の画素の濃度の相互
の差は、前記補正処理前の前記差よりも大きくなる。こ
の結果、前記黒べた部内の画素の濃度分布を示す曲線
に、傾きが生じる。前記フィルタを用いた前記電子的な
フィルタ処理が前記画像に施されると、前記曲線の傾き
が強調されるため、前記黒べた部内の前記曲線の傾きが
ある部分に相当する画素に、いわゆる白抜けが発生しや
すくなるのである。このように、処理対象の画像に、文
字と網点写真とが写っている場合、前記文字の鮮明化と
前記網点写真のモアレ発生の防止とを、両立させること
は困難である。
【0010】前記文字の鮮明化とモアレ発生の防止との
両立に関する従来技術として、特開平5―344339
号公報が挙げられる。前記公報の画像処理装置は、いわ
ゆるエッジ強調処理に起因する画像全体の濃度変化と、
該濃度変化に伴う画質劣化とを防止し、さらに、いわゆ
る画像の領域分離処理を用いることなく、文字の鮮鋭度
と絵柄の階調性とを保つことを目的としている。このた
めに、前記画像処理装置は、まず、デジタル画像信号が
示す画像のエッジ強調のために、該装置内の演算器を用
い、画像を構成する画素の濃度それぞれにフィルタ処理
を施す。次いで、演算器からの出力、すなわちフィルタ
処理後の各画素の濃度のオーバーフローおよびアンダー
フローを、誤差分として、それぞれ除去する。さらに、
各画素の濃度の前記誤差分を、該各画素の周囲の画素に
分配する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】処理対象のデジタル画
像信号のMTFが比較的良好である場合、前記フィルタ
処理に用いるフィルタのエッジ強調成分自体を弱くする
ことができるので、前記公報の画像処理装置は、フィル
タ処理後の前記画像の画質劣化の防止と文字の鮮鋭化と
を両立させられる。しかしながら、前記デジタル画像信
号のMTFが良好ではない場合、フィルタのエッジ強調
成分を強くする必要があるので、前記公報の画像処理装
置が、フィルタ処理後の画像の黒ベタ部に白抜けが発生
すること、および該画像の網点写真にモアレが発生する
ことを、両方とも防止することは、困難である。
【0012】フィルタ処理後の画像内の黒べた部の白抜
け、およびフィルタ処理後の画像内のモアレの発生を防
ぐには、処理対象の画像を、文字部および黒べた部と網
点写真部とを正確に分離して、前記3つの部それぞれに
最適なフィルタ処理を施す必要がある。しかしながら、
前記処理対象の画像を前記3つの部に正確に分離する場
合、いわゆる領域分離処理が複雑になるので、デジタル
複合機のコストを増加させる原因になる。
【0013】本発明の目的は、処理対象の画像に対して
領域分離処理をすることなく、モアレを軽減し、かつ黒
ベた部の白抜けを防止することができ、さらに比較的小
さな字を明瞭にさせることができる画像処理装置を提供
することである。さらに本発明の目的は、処理対象の画
像に対して領域分離処理を施してから前記フィルタ処理
を行う場合、領域分離処理の精度が悪く3つの部が誤っ
て分離されても、フィルタ処理後に画像内の前記分離の
誤った部分が目立つことを防止することができる画像処
理装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、複数の反
転濃度画素から構成される画像内のいずれか1つの画素
を注目画素として選択し、該注目画素を含み予め定める
数の画素から構成される前記画像内の領域を、処理対象
の対象領域として指定する領域指定手段と、前記対象領
域内の全ての画素それぞれと前記注目画素との位置関係
に応じた複数の重み係数を用いて、前記全ての画素の濃
度の重み付け平均演算を行い、前記全ての画素の濃度の
重み付け平均値を求める平均値算出手段と、前記重み付
け平均値を、予め定める上限濃度以下でありかつ予め定
める下限濃度以上に、制限する制限手段と、前記制限手
段で制限された前記重み付け平均値と、前記注目画素の
濃度とを比較する第1比較手段と、前記第1比較手段の
比較結果に応答し、前記注目画素の濃度が前記制限され
た重み付け平均値未満である場合、前記注目画素の濃度
を前記重み付け平均値に置換え、前記注目画素の濃度が
前記制限された重み付け平均値以上である場合、前記注
目画素の濃度をそのまま保つ濃度置換え手段とを含むこ
とを特徴とする画像処理装置である。
【0015】第1の発明に従えば、画像処理装置は、ま
ず、上述の制限された重み付け平均値を求める。この重
み付け平均値は、従来技術のいわゆるフィルタ処理を前
記画像に施した場合の注目画素の補正後の濃度に相当す
る。次いで前記画像処理装置は、前記重み付け平均値と
前記注目画素の濃度とを比較し、比較結果に基づき該注
目画素の濃度を上述のように補正する。前記画像の全て
の画素を前記注目画素として選んで上述の処理をそれぞ
れ行うと、本発明特有の電子的なフィルタ処理が前記画
像に施される。この結果、注目画素の補正後の濃度は、
常に注目画素の補正前の濃度以上であり、該補正前の濃
度未満にならない。すなわち、補正後の注目画素は、補
正前の注目画素よりも、暗い。
【0016】たとえば、前記処理対象の画像にボケが生
じており、かつ、該画像にいわゆる7級程度の小さい文
字と黒ベタと網点写真とが写っていると仮定する。前記
画像を前記第1の発明の画像処理装置を用いて処理した
場合、従来技術のフィルタ処理が前記画像に施された場
合と比較して、文字が鮮明になり、かつ、画像内の網点
写真が写る部分に生じるモアレが軽減される。さらに画
像内の黒ベタが写る部分にいわゆる白抜けが生じること
が、防止される。
【0017】第2の発明の画像処理装置は、第1の発明
の画像処理装置に加えて、前記注目画素の濃度と予め定
める参照濃度とを比較する第2比較手段をさらに含み、
前記濃度置換え手段は、さらに、前記第2比較手段の比
較結果に応答し、前記注目画素の濃度が前記参照濃度未
満である場合、前記注目画素の濃度を前記制限された重
付け平均値に置換えることを特徴とする。
【0018】第2の発明に従えば、画像処理装置は、上
述の構成になっている。このため、前記注目画素の補正
前の濃度が前記参照濃度未満である場合、前記画像処理
装置は、前記注目画素の補正前の濃度と前記制限された
重み付け平均値との大小関係に拘わらず、前記注目画素
の濃度を前記重み付け平均値に置換える。これによっ
て、前記注目画素の補正前の濃度が前記参照濃度以上で
ある場合、補正後の注目画素は補正前の注目画素よりも
明るくならないが、注目画素の補正前の濃度が参照濃度
未満である場合、補正後の注目画素が補正前の該画素よ
りも明るくなることがあり得る。すなわち、前記注目画
素の補正前の濃度が前記参照濃度未満である場合、前記
画像処理装置は従来技術のフィルタ処理を行う。このよ
うに、前記画像処理装置は、参照濃度と前記注目画素の
補正前の濃度との大小関係に応じて、第1の発明で説明
したフィルタ処理と、従来技術のフィルタ処理とを、使
い分ける。
【0019】たとえば、前記処理対象の画像にボケが生
じており、かつ、該画像にいわゆる7級程度の小さい文
字と黒ベタと網点写真とが写っていると仮定する。第2
の発明の画像処理装置が前記画像を処理する場合、文字
のライン上と黒べた部と133線のような点の密な網点
写真とに第1の発明で説明した本発明特有のフィルタ処
理が施され、残余の部分には従来技術のフィルタ処理が
施されることになる。この結果、第2の発明の画像処理
装置は、前記文字をさらに鮮明に表示することができる
と共に、画像内の黒べたが写る部分にいわゆる白抜けが
生じることを防止し、さらに、強調フィルタをかけると
モアレが発生しやすい133線のような点の密な網点写
真が写る部分にモアレが生じることを確実に防止し、6
5線のような点の粗な網点写真が写る部分に従来のフィ
ルタ処理が施されるので、画像を鮮明に表示することが
できる。
【0020】第3の発明の画像処理装置は、第2の発明
の画像処理装置に加えて、前記処理対象の画像を、文字
が写る文字領域と、中間調画像方式が用いて表現される
点画が写る網点領域と、階調のある画素から構成される
写真が写る写真領域とに分離する分離手段と、前記文字
領域と前記網点領域と前記写真領域とのうちから、前記
注目画素が含まれるいずれか1つの領域を選び、選ばれ
た前記領域に応じて、前記第2比較手段で用いられる前
記参照濃度を設定する参照濃度設定手段とをさらに含
み、前記文字領域が選ばれた場合に設定される参照濃度
は、前記写真領域が選ばれた場合に設定される参照濃度
よりも高く、前記写真領域が選ばれた場合に設定される
参照濃度は、前記網点領域が選ばれた場合に設定される
参照濃度よりも高いことを特徴とする。
【0021】第3の発明に従えば、画像処理装置は、上
述の構成になっている。このため、前記注目画素が前記
文字領域と前記網点領域と前記写真領域とのうちのどれ
に含まれるかに応じて、前記参照濃度が変化する。第3
の発明の画像処理装置は、上述のように定められた参照
濃度を用いて、第2の発明で説明したフィルタ処理を処
理対象の画像に施す。前記画像にいわゆる7級程度の小
さい文字と黒ベタと網点写真とが写っていると仮定する
ならば、第3の発明の画像処理装置が該画像を処理する
場合、注目画素が前記写真領域に含まれる場合の前記参
照濃度は、注目画素が前記文字領域に含まれる場合の前
記参照濃度よりも低い。このため、処理後の画像におい
て、前記写真領域のように、画素の補正前の濃度が比較
的低い画素から構成される部分の階調性が、保存され
る。またこのため、処理後の画像内の文字が鮮明になる
と共に、該画像内の網点写真が写る部分に生じるモアレ
が軽減され、さらに、該画像内の黒ベタ部の白抜けが防
止される。
【0022】第4の発明の画像処理装置は、第2の発明
の画像処理装置に加えて、処理対象の原稿の表面を読取
って前記画像を生成し、かつ、前記原稿に対する前記画
像の大きさの比率が可変である画像生成手段と、前記比
率に応じて、前記第2比較手段で用いられる前記参照濃
度を設定する参照濃度設定手段とをさらに含み、前記比
率が大きいほど、前記参照濃度は高く設定されることを
特徴とする。
【0023】第4の発明に従えば、画像処理装置は上述
の構成になっている。このため、前記比率、すなわちい
わゆる拡大率また縮小率に応じて、前記参照濃度が変化
する。これは、以下の理由からである。前記比率が大き
いほど、すなわち画像が拡大されるほど、前記画像生成
手段で生成された時点で、画像にぼけが生じている。こ
のため、前記比率が大きく設定される場合に得られる画
像には、第1の発明で説明したフィルタ処理よりも従来
技術のフィルタ処理を施したほうが、処理後の画像の画
質が良くなる。また、前記比率が小さい場合、すなわち
画像が縮小される場合、画像生成手段で生成された時点
の画像のぼけは、画像が拡大される場合よりも少ない。
このため、比率が小さく設定される場合に得られる画像
には、第1の発明で説明したフィルタ処理を施すほう
が、処理後の画像の画質がよくなる。これらのことか
ら、第4の発明の画像処理装置は、上述のように、比率
に応じて参照濃度を変化させることで、前記比率に応じ
てフィルタ処理を使い分ける。この結果、処理後の前記
画像の画質が、前記比率に応じた最も良い画質になる。
【0024】第5の発明の画像処理装置は、第2の発明
の画像処理装置に加えて、文字原稿を処理するための予
め定める文字モードと、写真原稿を処理するための予め
定める写真モードとのうちのいずれか一方を指定するた
めのモード指定手段と、指定されたモードに応じて、前
記第2比較手段で用いられる前記参照濃度を設定する参
照濃度設定手段とをさらに含み、前記文字モードが指定
された場合に設定される参照濃度は、前記写真モードが
指定された場合に設定される参照濃度よりも高いことを
特徴とする。
【0025】第5の発明に従えば、画像処理装置は、上
述の構成を有する。前記文字および写真モードは、前記
処理対象の画像に文字が多い原稿が写っているか写真が
多い原稿が写っているかに応じて、たとえば操作者によ
って指定される。前記参照濃度は、指定されたモードに
応じて変化する。これは、写真モードが選ばれる場合よ
りも、文字モードが選ばれる場合に、第1の発明で説明
したフィルタ処理の効果が強くなるようにするほうが、
処理後の画像の画質が良くなると予想されるからであ
る。このため、第5の発明の画像処理装置は、前記指定
されたモードに応じて参照濃度を変化させることで、前
記指定されたモードに応じてフィルタ処理の効果を変化
させる。これによって、処理後の画像の画質は、指定さ
れたモードに応じた最も良い画質になる。
【0026】第6の発明の画像処理装置は、第2の発明
の画像処理装置に加えて、文字原稿を処理するための予
め定める文字モードと、文字および写真が写る画像を処
理するための予め定める混在原稿モードとのうちのいず
れか一方を指定するためのモード指定手段と、指定され
たモードに応じて、前記第2比較手段で用いられる前記
参照濃度を設定する参照濃度設定手段とをさらに含み、
前記文字モードが指定された場合に設定される参照濃度
は、前記混在原稿モードが指定された場合に設定される
参照濃度よりも高いことを特徴とする。
【0027】第6の発明に従えば、画像処理装置は上述
の構成になっている。前記文字および混在原稿モード
は、前記処理対象の画像に文字が多い原稿が写っている
か文字と写真とが半分半分の原稿が写っているかに応じ
て、たとえば操作者によって指定される。このため、第
6の発明の画像処理装置は、指定されたモードに応じて
前記参照濃度を変化させることで、指定されたモードに
応じてフィルタ処理の効果を変化させる。この結果、処
理後の画像の画質は、指定されたモードに応じた最も良
い画質になる。
【0028】第7の発明の画像処理装置は、第2の発明
の画像処理装置に加えて、文字および写真が写る画像を
処理するための予め定める混在原稿モードと、写真原稿
を処理するための予め定める写真モードとのうちのいず
れか一方を指定するためのモード指定手段と、指定され
たモードに応じて、前記第2比較手段で用いられる前記
参照濃度を設定する参照濃度設定手段とをさらに含み、
前記混在原稿モードが指定された場合に設定される参照
濃度は、前記写真モードが指定された場合に設定される
参照濃度よりも高いことを特徴とする。
【0029】第7の発明に従えば、画像処理装置は、上
述の構成になっている。前記混在原稿および写真モード
は、前記処理対象の画像に文字と写真とがバランス良く
写っているか写真を中心にした原稿が写っているかに応
じて、たとえば操作者によって選ばれる。このため、第
7の発明の画像処理装置は、指定されたモードに応じて
前記参照濃度を変化させることで、指定されたモードに
応じてフィルタ処理の効果を変化させる。この結果、処
理後の画像の画質は、指定されたモードに応じた最も良
い画質になる。
【0030】第8の発明の画像処理装置は、第2の発明
の画像処理装置に加えて、処理対象の原稿の表面を読取
って前記画像を生成し、かつ、前記原稿に対する前記画
像の大きさの比率が可変である画像生成手段と、前記処
理対象の画像を、文字が写る文字領域と、中間調画像方
式が用いて表現される点画が写る網点領域と、階調のあ
る画素から構成される写真が写る写真領域とに分離する
分離手段と、前記文字領域と前記網点領域と前記写真領
域とのうちから、前記注目画素が含まれるいずれか1つ
の領域を選び、選ばれた前記領域と前記比率とに応じ
て、前記第2比較手段が用いる前記参照濃度を設定する
参照濃度設定手段とをさらに含み、前記比率が高いほ
ど、前記参照濃度は高く設定され、かつ、前記文字領域
が選ばれた場合に設定される参照濃度は、前記写真領域
が選ばれた場合に設定される参照濃度よりも高く、前記
写真領域が選ばれた場合に設定される参照濃度は、前記
網点領域が選ばれた場合に設定される参照濃度よりも高
いことを特徴とする。
【0031】第8の発明に従えば、画像処理装置は、上
述の構成になっている。このため、前記画像処理装置
は、注目画素が含まれている領域と前記比率とに応じて
定められた参照濃度を用いて、処理対象の画像に、第2
の発明で説明したフィルタ処理を施す。この結果、処理
後の画像の画質は、上述の2つの条件に応じた最も良い
画質になる。
【0032】第9の発明の画像処理装置は、第2の発明
の画像処理装置に加えて、処理対象の原稿の表面を読取
って前記画像を生成し、かつ、前記原稿に対する前記画
像の大きさの比率が可変である画像生成手段と、文字原
稿を処理するための予め定める文字モードと、写真原稿
とを処理するための予め定める写真モードとのうちのい
ずれか一方を指定するためのモード指定手段と、前記指
定されたモードと前記比率とに応じて、前記第2比較手
段で用いられる前記参照濃度を設定する参照濃度設定手
段とをさらに含み、前記比率が高いほど、前記参照濃度
は高く設定され、かつ、前記文字モードが指定された場
合に設定される参照濃度は、前記写真モードが指定され
た場合に設定される参照濃度よりも高いことを特徴とす
る。
【0033】第9の発明に従えば、画像処理装置は、上
述の構成になっている。このため、前記画像処理装置
は、前記比率と前記指定されたモードとに応じて定めら
れた参照濃度を用いて、処理対象の画像に、第2の発明
で説明したフィルタ処理を施す。この結果、処理後の画
像の画質は、上述の2つの条件に応じた最も良い画質に
なる。
【0034】第10の発明の画像処理装置は、第2の発
明の画像処理装置に加えて、処理対象の原稿の表面を読
取って前記画像を生成し、かつ、前記原稿に対する前記
画像の大きさの比率が可変である画像生成手段と、文字
原稿を処理するための予め定める文字モードと、文字お
よび写真が写る画像を処理するための予め定める混在原
稿モードとのうちのいずれか一方を指定するためのモー
ド指定手段と、前記指定されたモードと前記比率とに応
じて、前記第2比較手段で用いられる前記参照濃度を設
定する参照濃度設定手段とをさらに含み、前記比率が高
いほど、前記参照濃度は高く設定され、かつ、前記文字
モードが指定された場合に設定される参照濃度は、前記
混在原稿モードが指定された場合に設定される参照濃度
よりも高いことを特徴とする。
【0035】第10の発明に従えば、画像処理装置は、
上述の構成になっている。このため、前記画像処理装置
は、前記比率と前記指定されたモードとに応じて定めら
れる参照濃度を用いて、処理対象の画像に、第2の発明
で説明したフィルタ処理を施す。この結果、処理後の画
像の画質は、上述の2つの条件に応じた最も良い画質に
なる。
【0036】第11の発明の画像処理装置は、第2の発
明の画像処理装置に加えて、処理対象の原稿の表面を読
取って前記画像を生成し、かつ、前記原稿に対する前記
画像の大きさの比率が可変である画像生成手段と、文字
および写真が写る画像を処理するための予め定める混在
原稿モードと、写真原稿を処理するための予め定める写
真モードとのうちのいずれか一方を指定するためのモー
ド指定手段と、前記指定されたモードと前記比率とに応
じて、前記第2比較手段で用いられる前記参照濃度を設
定する参照濃度設定手段とをさらに含み、前記比率が高
いほど、前記参照濃度は高く設定され、かつ、前記混在
原稿モードが指定された場合に設定される参照濃度は、
前記写真モードが指定された場合に設定される参照濃度
よりも高いことを特徴とする。
【0037】第11の発明に従えば、画像処理装置は、
上述の構成になっている。このため、前記画像処理装置
は、前記比率と前記指定されたモードとに応じて定めら
れる参照濃度を用いて、処理対象の画像に第2の発明で
説明したフィルタ処理を施す。この結果、処理後の画像
の画質は、上述の2つの条件に応じた最も良い画質にな
る。
【0038】第12の発明の画像処理装置は、第2の発
明の画像処理装置に加えて、前記処理対象の画像を、文
字が写る文字領域と、中間調画像方式が用いて表現され
る点画が写る網点領域と、階調のある画素から構成され
る写真が写る写真領域とに分離する分離手段と、文字原
稿を処理するための予め定める文字モードと、写真原稿
を処理するための予め定める写真モードとのうちのいず
れか一方を指定するためのモード指定手段と、前記文字
領域と前記網点領域と前記写真領域とのうちから、前記
注目画素が含まれるいずれか1つの領域を選び、選ばれ
た前記領域と前記指定されたモードとに応じて、前記第
2比較手段で用いられる参照濃度を設定する参照濃度設
定手段とをさらに含み、前記文字領域が選ばれる場合に
設定される参照濃度は、前記写真領域が選ばれた場合に
設定される参照濃度よりも高く、前記網点領域が選ばれ
た場合に設定される参照濃度は、前記写真領域が選ばれ
た場合に設定される参照濃度よりも高く、かつ、前記文
字モードが指定された場合に設定される参照濃度は、前
記写真モードが指定された場合に設定される参照濃度よ
りも高いことを特徴とする。
【0039】第12の発明に従えば、画像処理装置は、
上述の構成になっている。このため、前記画像処理装置
は、注目画素が含まれる領域と前記指定されたモードと
に応じて定められる参照濃度を用いて、処理対象の画像
に、第2の発明で説明したフィルタ処理を施す。この結
果、処理後の画像の画質は、上述の2つの条件に応じた
最も良い画質になる。
【0040】第13の発明の画像処理装置は、第2の発
明の画像処理装置に加えて、前記処理対象の画像を、文
字が写る文字領域と、中間調画像方式が用いて表現され
る点画が写る網点領域と、階調のある画素から構成され
る写真が写る写真領域とに分離する分離手段と、文字原
稿を処理するための予め定める文字モードと、文字およ
び写真が写る画像を処理するための予め定める混在原稿
モードとのうちのいずれか一方を指定するためのモード
指定手段と、前記文字領域と前記網点領域と前記写真領
域とのうちから、前記注目画素が含まれるいずれか1つ
の領域を選び、選ばれた前記領域と前記指定されたモー
ドとに応じて、前記第2比較手段で用いられる参照濃度
を設定する参照濃度設定手段とをさらに含み、前記文字
領域が選ばれる場合に設定される参照濃度は、前記写真
領域が選ばれた場合に設定される参照濃度よりも高く、
前記網点領域が選ばれた場合に設定される参照濃度は、
前記写真領域が選ばれた場合に設定される参照濃度より
も高く、かつ、前記文字モードが指定された場合に設定
される参照濃度は、前記混在原稿モードが指定された場
合に設定される参照濃度よりも高いことを特徴とする。
【0041】第13の発明に従えば、画像処理装置は、
上述の構成になっている。このため、前記画像処理装置
は、注目画素が含まれる領域と前記指定されたモードと
に応じて定められる参照濃度を用いて、処理対象の画像
に、第2の発明で説明したフィルタ処理を施す。この結
果、処理後の画像の画質は、上述の2つの条件に応じた
最も良い画質になる。
【0042】第14の発明の画像処理装置は、第2の発
明の画像処理装置に加えて、前記処理対象の画像を、文
字が写る文字領域と、中間調画像方式が用いて表現され
る点画が写る網点領域と、階調のある画素から構成され
る写真が写る写真領域とに分離する分離手段と、文字お
よび写真が写る画像を処理するための予め定める混在原
稿モードと、写真原稿を処理するための予め定める写真
モードとのうちのいずれか一方を指定するためのモード
指定手段と、前記文字領域と前記網点領域と前記写真領
域とのうちから、前記注目画素が含まれるいずれか1つ
の領域を選び、選ばれた前記領域と前記指定されたモー
ドとに応じて、前記第2比較手段で用いられる参照濃度
を設定する参照濃度設定手段とをさらに含み、前記文字
領域が選ばれる場合に設定される参照濃度は、前記写真
領域が選ばれた場合に設定される参照濃度よりも高く、
前記網点領域が選ばれた場合に設定される参照濃度は、
前記写真領域が選ばれた場合に設定される参照濃度より
も高く、かつ、前記混在原稿モードが指定された場合に
設定される参照濃度は、前記写真モードが指定された場
合に設定される参照濃度よりも高いことを特徴とする。
【0043】第14の発明に従えば、画像処理装置は、
上述の構成になっている。このため、前記画像処理装置
は、注目画素が含まれる領域と前記指定されたモードと
に応じて定められる参照濃度を用いて、処理対象の画像
に、第2の発明で説明したフィルタ処理を施す。この結
果、処理後の画像の画質は、上述の2つの条件に応じた
最も良い画質になる。
【0044】第15の発明の画像処理装置は、第2の発
明の画像処理装置に加えて、処理対象の原稿の表面を読
取って前記画像を生成し、かつ、前記原稿に対する前記
画像の大きさの比率が可変である画像生成手段と、前記
処理対象の画像を、文字が写る文字領域と、中間調画像
方式が用いて表現される点画が写る網点領域と、階調の
ある画素から構成される写真が写る写真領域とに分離す
る分離手段と、文字原稿を処理するための予め定める文
字モードと、写真原稿を処理するための予め定める写真
モードとのうちのいずれか一方を指定するためのモード
指定手段と、前記文字領域と前記網点領域と前記写真領
域とのうちから、前記注目画素が含まれるいずれか1つ
の領域を選び、選ばれた前記領域と前記指定されたモー
ドと前記比率とに応じて、前記第2比較手段で用いられ
る参照濃度を設定する参照濃度設定手段とをさらに含
み、前記比率が高いほど前記参照濃度は高く設定され、
かつ、前記文字モードが指定された場合に設定される参
照濃度は、前記写真モードが指定された場合に設定され
る参照濃度よりも高く、さらに、前記文字領域が選ばれ
た場合に設定される参照濃度は、前記写真領域が選ばれ
た場合に設定される参照濃度よりも高く、前記網点領域
が選ばれた場合に設定される参照濃度は、前記写真領域
が選ばれた場合に設定される参照濃度よりも高いことを
特徴とする。
【0045】第15の発明に従えば、画像処理装置は、
上述の構成になっている。このため、前記比率と、前記
注目画素が含まれる領域と、指定されたモードとに応じ
て、前記参照濃度が変化する。このように定められた参
照濃度を用いて、前記画像処理装置は、第2の発明で説
明したフィルタ処理を行う。この結果、前記画像処理装
置は、上述の3つの条件の元で最も良い画質の画像を得
ることができる。
【0046】第16の発明の画像処理装置は、第2の発
明の画像処理装置に加えて、処理対象の原稿の表面を読
取って前記画像を生成し、かつ、前記原稿に対する前記
画像の大きさの比率が可変である画像生成手段と、前記
処理対象の画像を、文字が写る文字領域と、中間調画像
方式が用いて表現される点画が写る網点領域と、階調の
ある画素から構成される写真が写る写真領域とに分離す
る分離手段と、文字原稿を処理するための予め定める文
字モードと、文字および写真が写る画像を処理するため
の予め定める混在原稿モードとのうちのいずれか一方を
指定するためのモード指定手段と、前記文字領域と前記
網点領域と前記写真領域とのうちから、前記注目画素が
含まれるいずれか1つの領域を選び、選ばれた前記領域
と前記指定されたモードと前記比率とに応じて、前記第
2比較手段で用いられる参照濃度を設定する参照濃度設
定手段とをさらに含み、前記比率が高いほど前記参照濃
度は高く設定され、かつ、前記文字モードが指定された
場合に設定される参照濃度は、前記混在原稿モードが指
定された場合に設定される参照濃度よりも高く、さら
に、前記文字領域が選ばれた場合に設定される参照濃度
は、前記写真領域が選ばれた場合に設定される参照濃度
よりも高く、前記網点領域が選ばれた場合に設定される
参照濃度は、前記写真領域が選ばれた場合に設定される
参照濃度よりも高いことを特徴とする。
【0047】第16の発明に従えば、画像処理装置は、
上述の構成になっている。このため、前記比率と、前記
注目画素が含まれる領域と、指定されたモードとに応じ
て、前記参照濃度が変化する。このように定められた参
照濃度を用いて、前記画像処理装置は、第2の発明で説
明したフィルタ処理を行う。この結果、前記画像処理装
置は、上述の3つの条件の元で最も良い画質の画像を得
ることができる。
【0048】第17の発明の画像処理装置は、第2の発
明の画像処理装置に加えて、処理対象の原稿の表面を読
取って前記画像を生成し、かつ、前記原稿に対する前記
画像の大きさの比率が可変である画像生成手段と、前記
処理対象の画像を、文字が写る文字領域と、中間調画像
方式が用いて表現される点画が写る網点領域と、階調の
ある画素から構成される写真が写る写真領域とに分離す
る分離手段と、文字および写真が写る画像を処理するた
めの予め定める混在原稿モードと、写真原稿を処理する
ための予め定める写真モードとのうちのいずれか一方を
指定するためのモード指定手段と、前記文字領域と前記
網点領域と前記写真領域とのうちから、前記注目画素が
含まれるいずれか1つの領域を選び、選ばれた前記領域
と前記指定されたモードと前記比率とに応じて、前記第
2比較手段で用いられる参照濃度を設定する参照濃度設
定手段とをさらに含み、前記比率が高いほど前記参照濃
度は高く設定され、かつ、前記混在原稿モードが指定さ
れた場合に設定される参照濃度は、前記写真モードが指
定された場合に設定される参照濃度よりも高く、さら
に、前記文字領域が選ばれた場合に設定される参照濃度
は、前記写真領域が選ばれた場合に設定される参照濃度
よりも高く、前記網点領域が選ばれた場合に設定される
参照濃度は、前記写真領域が選ばれた場合に設定される
参照濃度よりも高いことを特徴とする。
【0049】第17の発明に従えば、画像処理装置は、
上述の構成になっている。このため、前記比率と、前記
注目画素が含まれる領域と、指定されたモードとに応じ
て、前記参照濃度が変化する。このように定められた参
照濃度を用いて、前記画像処理装置は、第2の発明で説
明したフィルタ処理を行う。この結果、前記画像処理装
置は、上述の3つの条件の元で最も良い画質の画像を得
ることができる。
【0050】第18の発明の画像処理装置は、第1の発
明の画像処理装置において、前記画像の各画素の色は、
前記濃度と彩度と色相とによって定められ、前記平均値
算出手段と前記第1比較手段と前記濃度置換え手段と
は、前記濃度に対して処理を行うことを特徴とする。
【0051】第18の発明に従えば、画像処理装置は、
前記処理対象の画像がいわゆるカラー画像である場合、
上述のように動作する。この結果、第18の発明の画像
処理装置は、比較的安価な構成の装置を用いて、フィル
タ処理に起因するモアレを軽減することができると同時
に、画像内の黒べたが写る部分に白抜けができることを
防止することができる。
【0052】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施形態で
ある画像処理装置35を含む複写機31の電気的構成を
示すブロック図である。複写機31は、いわゆるデジタ
ル複合機であり、複写機31全体のコストを低減させる
ことを目的の1つとしている。複写機31は、概略的に
は、読取り対象となる原稿の表面を光学的に読取って画
像信号を生成し、該画像信号に予め定める処理を施し
て、処理後の画像信号、すなわち画像データが示す画像
を記録紙表面に印刷する。このために、複写機31は、
読取り装置33、AD変換器34、画像処理装置35、
およびレーザスキャニングユニット(以後、「LSU」
と略称する)36を含む。LSU36は、画像データを
記録紙に印刷するための印刷装置に含まれる。
【0053】画像処理装置35は、前記画像データに、
該画像データが示す画像の画質を向上させるための各種
の処理を施す。画像処理装置35は、機能的には、シェ
ーディング部41、視感度補正部42、濃度反転部4
3、フィルタ部44、出力用γ補正部45、解像度変換
部46、および中間調処理部47を含む。画像処理装置
35内の各部41〜47は、画像処理装置35の機能的
構成であり、画像処理装置35内に備えられる演算回路
の演算処理によって実現されてもよく、該各部41〜4
7それぞれの処理を実現するための回路によって実現さ
れてもよい。
【0054】以下に、複写機31を詳細に説明する。読
取り装置33は、前記原稿の表面を光学的に読取って、
該表面が写る画像を示すアナログ信号、すなわちアナロ
グ画像信号を生成する。このために、読取り装置33
は、撮影素子38と移動部39とを含む。撮影素子38
は、たとえば、複数の受光素子が1直線状に並べられて
構成される1次元CCDラインセンサによって実現され
る。移動部39は、前記原稿内の撮影素子38に写され
る部分を、予め定める速度で予め定める方向に移動させ
る。なお、撮影素子38と前記原稿の表面との間に、1
または複数のレンズを含むレンズ系が介在されることが
ある。以後、前記複数の受光素子が並べられる方向を主
走査方向、前記写される部分が移動する方向を副走査方
向と称する。前記主走査方向と前記副走査方向とは、相
互に直交する。さらに、前記画像内で前記主走査方向に
並ぶ複数の画素を、1ライン分の画素と総称することが
ある。撮影素子38は、移動部39によって前記写され
る部分を移動させつつ、前記原稿の表面を、順次撮影す
る。この結果、前記アナログ画像信号が得られる。
【0055】AD変換器34は、読取り装置33で得ら
れた前記アナログ画像信号を量子化する。この結果、前
記アナログ画像信号がアナログ/デジタル変換されて、
画像データが得られる。前記画像データは、前記原稿の
表面が写る画像を示すデジタルデータセットであり、複
数の画素データから構成される。複数の画素データは、
前記画像を構成する複数の画素にそれぞれ対応するデー
タセットであり、対応する画素の色をそれぞれ示す。以
後の説明では、前記画像はモノクロ画像であり、各画素
データは、対応する画素それぞれの濃度を示すと仮定す
る。また、複写機31の仕様に応じて、前記濃度が取得
る範囲、すなわち濃度の有効範囲が予め定められてい
る。濃度の有効範囲内で最も明るい色に相当するもの、
すなわち白に相当する濃度を、白レベルと称し、濃度の
有効範囲内で最も暗い色に相当するもの、すなわち黒に
相当する濃度を、黒レベルと称することがある。たとえ
ば、1つの前記画素データは8ビットのデータセットで
あり、濃度の前記有効範囲は0以上255以下である。
AD変換器34から出力された時点では、濃度が大きく
なるほど、画素は明るい、すなわち濃度が大きいほど画
素の色が白に近付くと仮定する。
【0056】シェーディング部41は、AD変換器34
から出力された画像データに、シェーディング処理を施
す。前記シェーディング処理は、前記画像内の主走査方
向に並ぶ複数の画素の白レベルおよび黒レベルを、それ
ぞれ相互に等しくするために行われる。これは、以下の
理由からである。撮影素子38の複数の受光素子の光電
変換特性がばらついていることがある。このため、前記
原稿の一部分を撮影素子38によって撮影する時点で、
前記複数の画素の白レベルがばらつくことがある。ま
た、前述の撮影時に、前記原稿表面で反射した複数の光
線は、前記撮影素子38の複数の受光領域にそれぞれ受
光されるまでに、前記レンズ系内で屈折を起こすことが
ある。このため、前記複数の光線の前記原稿表面から前
記受光領域までの光路の長さに、相互に差が生じる。前
記複数の画素の白レベルを比較すると、前記光路の差に
起因して、一部の画素の白レベルが他の画素の白レベル
よりも低下していることがある。これらのことから、前
記複数の画素の白レベルおよび黒レベルは、相互に異な
っている。このため、画像データにシェーディング処理
が施されて、前記複数の画素の白レベルおよび黒レベル
が、それぞれ相互に等しくされるのである。
【0057】次いで、視感度補正部42は、シェーディ
ング処理が施された画像データに、視感度補正処理を施
す。これは、以下の理由からである。撮影素子38の複
数の受光領域の光電変換特性は、入射する光線の光量に
対してリニアな特性、すなわち、前記光量の増加に比例
して前記画素データが示す濃度が増加する特性になって
いる。これに対し、人間の目の光の感じ方は、入射する
光線の光量に対して対数の特性を持っていることが知ら
れている。このため、前記画像データの画素の濃度と前
記原稿の該画素に対応する部分の濃度との関係を、人間
の目の感じ方に近い関係にしておくほうが、画像処理を
行う上で便利なので、上述の視感度補正処理を行うので
ある。
【0058】視感度補正部42は、前記視感度補正処理
として、具体的には、前記シェーディング処理後の画像
データを、Log関数を使用してデジタル変換する。前
記視感度補正処理に要するコストを低減させるために、
視感度補正部42は、いわゆる1次元ルックアップテー
ブル、(1D―LUT)を用いることがある。1次元ル
ックアップテーブルは、複数の出力値に複数の入力値が
1対1でそれぞれ対応付けられたテーブルである。視感
度補正処理のための前記1次元ルックアップテーブルに
おいて、入力値が画素の濃度であり、出力値が前記濃度
と置換えるべき濃度である。前記1次元ルックアップテ
ーブルを用いる場合、視感度補正部42は、前記画像デ
ータを構成する複数の画素データが示す濃度を、前記1
次元ルックアップテーブルを参照して、それぞれ変換す
る。
【0059】濃度反転部43は、視感度補正処理後の画
像データに濃度反転処理を施す。具体的には、濃度反転
部43は、前記画像データを構成する複数の画素データ
の濃度と画素の明るさとの関係を反転させる。この結
果、黒レベルに相当する濃度が濃度の有効範囲内の最大
濃度、すなわち「255」になり、白レベルに相当する
濃度が濃度の有効範囲内の最小濃度、すなわち「0」に
なり、濃度が大きくなるほど画素が暗くなる。これは、
以下の理由からである。一般的に、撮影素子は画素が明
るいほど該画素の画素データが示す濃度を大きくする
が、印刷装置は画素データが示す濃度が大きいほど画素
を暗く印刷する。このように、撮影素子から出力された
時点における濃度と画素の明るさとの関係は、印刷装置
で印刷される時点の前記関係と逆になっている。このた
め、視感度補正処理後の画像データをLSU36の仕様
に合わせるために、印刷装置に画素データを与える前
に、画素の明るさと画素の濃度との関係を反転させる必
要があるのである。
【0060】フィルタ部44は、濃度反転処理後の画像
データに、予め定めるフィルタ処理を施す。前記フィル
タ処理の詳細は後述する。出力用γ補正部45は、フィ
ルタ処理後の画像データに、LSU36の階調特性、す
なわち複写機31内の印刷装置の階調特性に合わせたγ
補正処理を、施す。これは以下の理由からである。LS
U36は、その仕様に応じて、前記階調特性および表現
可能な濃度の範囲が異なる。前記表現可能な濃度の範囲
は、たとえば、LSU36がいわゆる電子写真方式を用
いる場合、感光体表面を走査するレーザビームの太さお
よび強さ、およびトナーの粒径に起因して定まる。また
LSU36がいわゆるインクジェット方式を用いる場
合、前記表現可能な濃度の範囲は、噴射されるインクの
滴の大きさに起因して定まる。このため、LSU36の
仕様に応じて、前記画像データを構成する複数の画素デ
ータそれぞれが示す濃度を、プリンタで表現可能な範囲
内の濃度に変換する必要がある。以上のことから、前記
フィルタ処理後の画像データに、前記γ補正処理を施す
のである。前記γ変換処理は、具体的には、前記LSU
36に応じて予め作成された1次元ルックアップテーブ
ルを用いて行われることが多い。
【0061】解像度変換部46は、γ補正後の画像デー
タに、解像度変換処理を施す。これは、以下の理由から
行われる。コストの低減を目的の1つとするデジタル複
合機は、読取り装置33の解像度とLSU36の解像度
とが異なることが多く、γ補正後の画像データの解像度
は、読取り装置33の解像度と等しいことが多い。この
ため、画像データの解像度を、LSU36の解像度に合
わせる補間処理、すなわち解像度変換処理を行う必要が
あるのである。
【0062】中間調処理部47は、解像度変換処理後の
画像データに、中間調処理を施す。これは、以下の理由
からである。シェーディング部41から解像度変換部4
6まで、前記画像データは8ビットの画素データセット
の集合体として取扱われるので、該画像データはいわゆ
る多値データ、すなわち該画像データを構成する複数の
画素データそれぞれが2ビット以上であるデータセット
になっている。コストの低減を目的とする複写機31
は、印刷される前記画素の濃度を決定するためのレーザ
の発生源として、レーザを放射するかしないかだけが切
換え可能ないわゆる2値レーザ発生源を用いている場合
が多い。前記2値レーザ発生源が用いられる場合、印刷
される画素の色は、黒か白かのどちらかである。これら
のことから、前記画像データが示す画像をできるだけ忠
実に記録紙上に印刷するには、前記画像データに中間調
処理を施して、前記画像をいわゆる中間調表示させる必
要がある。このため、中間値処理部47は、前記解像度
変換処理後の画像データを多値/2値変換して、いわゆ
る2値データに変換する。前記2値データとは、前記画
像データを構成する複数の画素データが、それぞれ1ビ
ットのデータになっているものである。前記中間調処理
としてディザ法や誤差拡散法が知られている。
【0063】以上の処理が施された画像データは、画像
処理装置35からLSU36に与えられる。なお、前記
濃度反転処理、前記フィルタ処理、前記出力用γ補正処
理、および前記解像度変換処理は、上述の順序で行うに
限らず、他の順序で行われても良い。LSU36は、画
像処理装置35によって各種の処理が施された画像デー
タが示す画像を、記録紙に印刷するために、前記画像デ
ータに応じてレーザを断続的に照射する。以上が、複写
機31の概略的な動作である。
【0064】フィルタ部44は、概略的には、前記濃度
反転処理後の画像データを構成する複数の画素データ
に、電子的なフィルタ処理をそれぞれ施す。処理対象の
1つの画素データ、すなわち注目画素の画素データに対
する前記電子的なフィルタ処理は、概略的には、以下の
通りである。
【0065】まず、濃度反転処理後の画像データが示す
画像内の複数の画素のうちのいずれか1つが、注目画素
として選ばれ、前記注目画素のまわりの複数の画素が、
周辺画素としてそれぞれ選ばれる。次いで、前記注目画
素の補正前の濃度Img4と前記複数の周辺画素それぞ
れの濃度Img0〜Img3,Img5〜Img8と、
予め設定されるフィルタによって定義される各画素のフ
ィルタ係数F0〜F8とを用い、式2に基づいて、平均
濃度ImgAVが求められる。さらに、注目画素の補正
前の濃度Img4と平均濃度ImgAVとが比較され
る。前記比較の結果、式3に示すように、注目画素の補
正前の濃度Img4が平均濃度ImgAV以上の場合、
注目画素の補正後の濃度Img4#として、注目画素の
補正前の濃度Img4をそのまま保ち、注目画素の補正
前の濃度Img4が平均濃度ImgAV未満の場合、注
目画素の補正後の濃度Img4#として、注目画素の補
正前の濃度Img4が平均濃度ImgAVに置換えられ
る。
【0066】
【数1】
【0067】以後の説明では、周辺画素は、注目画素の
いわゆる8近傍の画素であると仮定し、画像内で前記注
目画素を中心とした3行3列の9個の画素で構成される
領域が、前記電子的なフィルタ処理の処理対象の領域と
して選ばれていると仮定する。前記処理対象の領域内の
画素配列を、表1に示す。表1において、中央の矩形が
注目画素に相当し、周囲の8つの矩形がそれぞれ周辺画
素に相当する。なお、注目画素の濃度、すなわち注目画
素に対応する画素データに参照符「Img4」を付し、
複数の周辺画素の濃度、すなわち前記複数の周辺画素そ
れぞれに対応する画素データに参照符「Img0〜Im
g3,Img5〜Img8」を付す。また、各周辺画素
と注目画素に対する位置を、表1の上下左右を用いて説
明する。注目画素および複数の周辺画素とフィルタ係数
F0〜F8との対応関係は、表2に示すとおりであると
仮定する。前記フィルタは、目的に応じて、前記フィル
タ係数F0〜F8が異なる。以後の説明では、前記フィ
ルタとして、MTFを改善するための図31に示すフィ
ルタを用いるものと仮定する。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】図2は、本発明の複写機31の機械的構成
を示す模式的な断面図である。複写機1は、機械的に
は、前述の読取り装置33と、搬送装置302と、LS
U36を含む印刷装置303とを含む。
【0071】読取り装置33は、撮影素子33と移動部
39との他に、原稿台306とスキャナ光学系307を
含む。スキャナ光学系307は、露光用光源308と複
数の反射鏡309と結像レンズ310とを備える。原稿
台306は、たとえば、透明なガラス板で実現される。
印刷装置303は、LSU36の他に、感光体311、
主帯電器312、現像器313、転写器314、清掃器
315、および定着器316を含む。搬送装置302
は、用紙カセット318、半月状ローラ319、レジス
ト前検知スイッチ320、一対のレジストローラ32
1、定着用検知スイッチ322、および一対の排紙ロー
ラ323を含む。
【0072】読取り対象の原稿は、原稿台306上に載
置される。露光用光源308は、原稿台306上に載置
される原稿に、光を照射する。前記光は、原稿表面で反
射してから、複数の反射鏡309で順次反射され、さら
に結像レンズ310によって撮影素子38の結像面に結
像される。なお、移動部39は、たとえば、露光用電源
308と複数の反射鏡309のうちの1つとが組合わさ
れて構成されるユニットを、副走査方向に、予め定める
速度で移動させる。画像の変倍率が可変である場合、変
倍率が大きくなるほど前記速度が遅くなる。
【0073】感光体311はドラム形状の部材であり、
円筒の中心軸を中心として矢印で示す方向に回転する。
主帯電器312、LSU36、現像器313、転写器3
14、および清掃器315は、矢符で示される方向に、
この順で、感光体311の周囲に並べられる。主帯電器
312は、感光体311の表面を一様に帯電させる。L
SU36は、前述したように処理された画像データに基
づいて、レーザ光を感光体311表面に断続的に照射す
る。この結果、感光体311表面に静電潜像が形成され
る。現像器313は、感光体311表面の静電潜像を現
像して、トナー像を形成する。トナー像の形成と並行し
て、1枚の記録紙が、後述するように搬送装置302に
よって、感光体311と転写器314との間に搬送され
る。前記トナー像は、転写器314によって、記録紙に
転写される。清掃器315は、トナー像転写後の感光体
311表面に残るトナーを除去する。
【0074】トナー像転写前の記録紙は、用紙カセット
318内に収納される。半月状ローラ319が回転する
と、用紙カセット318から1枚の記録紙が、印刷装置
303に向かって供給される。レジスト前検知スイッチ
320は、半月状ローラ319とレジストローラ321
との間に記録紙が供給されたかどうかを検出する。レジ
ストローラ321は、レジスト前検知スイッチ320の
検知結果に基づいて、感光体311上のトナー像と記録
紙との位置合わせを行う。この結果、感光体311と転
写器314との間に、記録紙が搬送されるのである。
【0075】定着器316は、ヒータを備えた一対のロ
ーラで構成され、少なくとも一方のローラが加熱されて
いる。トナー像が転写された記録紙は、定着器316の
一対のローラ間を通過する。これによって、トナー像が
熱によって記録紙に定着される。定着用検知スイッチ3
22は、記録紙が定着器316を通過したか否かを検知
する。排紙ローラ323は、定着用検知スイッチ322
の検知結果に基づいて、トナー像が定着された記録紙
を、複写機31外部に排出する。以上の動作によって、
記録紙にトナー像、すなわち画像が印刷される。以上
が、複写機31の機械的な構造の説明である。
【0076】図3は、フィルタ部44の概略的な回路構
成を示すブロック図である。フィルタ部44は、複数本
のラインメモリ51(1)〜51(N)とフィルタ演算
部52とを含む。複数本のラインメモリ51(1)〜5
1(N)は相互に直列接続されて、一時記憶部53を構
成する。フィルタ演算部52は、図4に示すように、複
数のラッチ回路54(1)〜54(M)と、平均値算出
部55と、制限部56と、演算部57と、2つのラッチ
回路58,59とを含む。平均値算出部55は、図4に
示すように、複数の乗算器62(1)〜62(M)と、
複数のラッチ回路63(1)〜63(M)と、加算器6
4と、ラッチ回路65と、除算器66とを含む。演算部
57は、図5に示すように、第1比較器71を含む。上
述のラッチ回路58,59,63(1)〜63(M),
65は、それぞれ、各ラッチ回路の前後の回路の動作タ
イミングを調整するために、一時的に該ラッチ回路に与
えられたデータセットを保持する。以後の説明では、ラ
ッチ回路58,59,63(1)〜63(M),65に
関する具体的な説明は省略する。
【0077】各ラインメモリ51(1)〜51(N)
は、いわゆるファーストイン・ファーストアウトのメモ
リ(FIFO)であり、それぞれ、1ライン分の画素の
数と同数の画素データを記憶可能である。ラインメモリ
51(1)〜51(N)の数Nは、前記処理対象の領域
の行の数よりも1少ない。前記複数の乗算器62(1)
〜62(M)の数と前記複数のラッチ回路63(1)〜
63(M)の数とは、前記処理対象の領域を構成する画
素の数、すなわち前記注目画素および前記複数の周辺画
素との数と等しい。以後の説明では、前記処理対象の領
域が3行3列の9個の画素から構成されると仮定し、前
記数Nが2であるとする。複数のラッチ回路54(1)
〜54(9)は、3つずつの3組に分けられ、各組のラ
ッチ回路54(1)〜54(3);54(4)〜54
(6);54(7)〜54(9)は、それぞれ縦列接続
される。
【0078】前記濃度反転処理後の画像データを構成す
る全ての画素データは、濃度反転処理部43からフィル
タ部44へ、1つずつ与えられる。濃度反転処理部43
から与えられた最新の画素データは、先頭のラッチ回路
54(1)に与えられる。これと同時に、2つのライン
メモリ51(1),51(2)内の各セルの記憶内容が
1つ後段のセルに移る。この結果、2つのラインメモリ
51(1),51(2)から、それぞれ画素データが1
つずつフィルタ演算部54に与えられる。また、最新の
画素データは、1つ目のラインメモリ51(1)の先頭
のセルに記憶される。上述の3つの画素データは、前記
3つの組のラッチ回路それぞれのうちの先頭のラッチ回
路54(1),54(4),54(9)に与えられる。
これと同時に、複数のラッチ回路54(1)〜54
(9)にそれぞれ記憶された画素データ、すなわち注目
画素および周辺画素の画素データImg0〜Img8
が、複数の乗算器62(1)〜62(9)にそれぞれ与
えられる。
【0079】乗算器62(1)〜62(9)には、予
め、平均値演算部55に備えられるフィルタ記憶部か
ら、前述のフィルタ係数F0〜F8がそれぞれ与えられ
ている。乗算器62(1)〜62(9)は、与えられた
複数の画素データImg0〜Img8と、前記全てのフ
ィルタ係数F0〜F8とを、それぞれ乗算する。この結
果、各乗算器62(1)〜62(9)でそれぞれ得られ
る積は、ラッチ回路63(1)〜63(9)を介して、
加算器64にそれぞれ与えられる。加算器64は、与え
られた複数の積を加算し、この結果得られる前記積の総
和を、ラッチ回路65を介して除算器66に与える。除
算器66は、前記積の総和を正規化するために、前記積
の総和を全てのフィルタ係数F0〜F8の和で除算す
る。この結果得られる除算結果は、前記フィルタを用い
た従来技術のフィルタ処理の処理結果と等しい。前記除
算結果が示す濃度、すなわち平均濃度ImgAVは、前
記複数の画素データImg0〜Img8を前記フィルタ
係数F0〜F8で重み付けて得られる重み付け平均値で
ある。
【0080】制限部56は、前記平均濃度ImgAV
を、濃度の有効範囲内の濃度に制限する。このために、
制限部56は、まず、濃度の有効範囲を規定するための
予め定める上限値および下限値と、前記除算結果とを、
それぞれ比較する。次いで、制限部56は、前記除算結
果が前記上限値を越えているならば、前記除算結果を上
限値に置換え、前記除算結果が前記下限値未満であれ
ば、前記除算結果を前記下限値に置換え、前記除算結果
が前記上限値以下前記下限値以上であれば、前記除算結
果をそのまま保つ。
【0081】なお、前述したように、フィルタ部44で
処理されている画像データは、濃度反転部43で濃度値
が反転されているので、前記上限値が黒レベルに相当
し、前記下限値が白レベルに相当する。たとえば、前記
画素データが8ビットのデータセットであるならば、前
記上限値は「255」であり、前記下限値は「0」であ
る。またたとえば、前記除算結果が「―128」である
場合、前記除算結果は「0」に置換えられ、前記除算結
果が「+598」である場合、前記除算結果は「25
5」に置換えられる。制限部56によって制限された前
記除算結果は、演算部57内の第1比較器71に与えら
れる。
【0082】第1比較器71には、前記制限後の除算結
果の他に、ラッチ回路58を経由して、前記注目画素に
対応する画素データが与えられている。第1比較器71
は、前記制限後の除算結果が示す平均濃度ImgAV
と、前記画素データが示す前記注目画素の濃度Img4
とを比較し、2つの濃度のうちの暗い色に相当するほう
の濃度を選ぶ。第1比較器71の選択結果が、前記注目
画素の補正後の濃度Img4#として、演算部57から
出力される。たとえば、前記黒レベルを示す画素データ
が255であり、前記白レベルを示す画素データが0で
あると定義されていると仮定する。この場合、第1比較
器71は、前記制限後の除算結果と前記注目画素に対応
する画素データとを比較し、両者のうちで値が大きいほ
うのものを、前記注目画素の補正後の濃度を示す画素デ
ータとして、出力すればよい。
【0083】前記注目画素の補正後の濃度を示す画素デ
ータは、順次出力用γ補正部45に与えられる。たとえ
ば、濃度変換部43から前記画素データが1つフィルタ
部44に与えられると、注目画素が、ラスタ順に1つず
れる。フィルタ部44は、全ての画素が1回ずつ注目画
素として選ばれて上述の電子的なフィルタ処理が行われ
るまで、注目画素を変更しつつ、上述のフィルタ処理を
繰返す。全ての画素の前記補正後の濃度を示す画素デー
タの集合が、前記フィルタ処理後の画像データに相当す
る。
【0084】フィルタ部44を用いたフィルタ処理の効
果を図6を参照して説明する。図6(A)〜図6(C)
は、それぞれ、複数の画素が直線状に並べられて構成さ
れる画像の濃度分布を示す。図6(A)〜図6(C)の
グラフは、縦軸が濃度を示し、横軸が画素配列を示す。
前記フィルタ処理が施される前の前記画像を示す画像デ
ータは、読取り装置33によって網点写真を読取って生
成された画像データに、シェーディング処理と視感度補
正処理と濃度反転処理とを施したものである。前記フィ
ルタ処理が施される前の前記画像の濃度分布を示す曲線
は、図6(A)に示すように、正弦波になっている。
【0085】図6(B)は、図6(A)に示す濃度分布
の画像に、エッジ強調成分を含む表2のフィルタを用
い、前述の第2従来技術と同じ手法でフィルタ処理を施
した画像の濃度分布を示すグラフである。図6(C)
は、図6(A)に示す濃度分布の画像に、エッジ強調成
分を含む表2のフィルタを用い、第1実施形態のフィル
タ部44を用いてフィルタ処理を施した画像の濃度分布
を示すグラフである。
【0086】図6(B)と図6(C)とを比較すると、
図6(B)の画像を構成する全ての画素の濃度のうちの
最大濃度および最小濃度の差Δxよりも、図6(C)の
画像を構成する全ての画素の濃度のうちの最大濃度およ
び最小濃度の差Δyのほうが小さい。なお、上述の2つ
のフィルタ処理において、前記平均濃度ImgAVが補
正前の濃度Img4よりも小さくなる画素の補正前の濃
度のうち、最大の濃度を、境界濃度Lmidと仮定す
る。境界濃度Lmidは、補正前の画像の濃度分布に応
じて異なる。
【0087】図6(B)と図6(C)とをさらに詳しく
比較すると、境界濃度Lmidと図6(B)の画像の前
記最小濃度との差Δxaと、境界濃度Lmidと図6
(C)の画像の前記最小濃度との差Δyaとは、ほぼ等
しいが、境界濃度Lmidと図6(B)の画像の前記最
大濃度との差Δxbよりも、境界濃度Lmidと図6
(C)の画像の前記最大濃度との差Δybは小さい。境
界濃度Lmidと図6(C)の画像の前記最大濃度との
差Δybは、境界濃度Lmidと図6(A)の処理前の
画像の前記最大濃度との差Δzbと、ほぼ等しい。
【0088】このように、第1実施形態のフィルタ部4
4によってフィルタ処理された画像の濃度分布は、画素
の濃度が境界濃度Lmid未満である部分は従来技術の
フィルタ処理が施された場合とほぼ同じ分布になり、画
素の濃度が境界濃度Lmid以上である部分は処理前と
ほぼ同じ分布になる。これによって、図6(B)の画像
と比較して、図6(C)の画像に生じるモアレが半分に
軽減される。またこれによって、図6(B)の画像と比
較して、図6(C)の画像内の黒べた部の白抜けの発生
が防止される。
【0089】図7は、前述の図28で説明した試験用原
稿を、上述の第1実施形態の複写機31によって処理し
て得られた画像を示す。図7と図28,32とを比較す
ると、第1実施形態のフィルタ部44を用いることによ
って、7級の文字が明瞭に出力され、かつ、黒ベタ部の
白抜けも防止されていることが分かる。これは、第1比
較部71が、前述の2つの濃度のうちの黒レベルに相当
する濃度に近いほうの濃度を、注目画素の補正後の濃度
として選んでいるからである。また、網点写真部内にた
とえモアレが引起こされていても、該モアレの程度は従
来技術のフィルタによってフィルタ処理された画像の網
点写真部のモアレよりも軽減されていることが分かる。
【0090】上述したように、フィルタ44部内では、
フィルタ処理のための実際の演算を行うフィルタ演算部
52の前段に、FIFOのメモリ等のラインメモリを用
いて、複数の画素データを一時記憶するための一時記憶
部を設けている。これによって、いわゆるリアルタイム
処理によって濃度反転処理部43から画素データが1つ
ずつ出力される場合でも、注目画素を中心とした前記処
理対象の領域内の複数の画素の画素データを、簡単に得
ることができる。また、一般的に、ラインメモリの本数
をN本にすれば、(N+1)行(N+1)列の複数の画
素から構成される領域内の各画素の画素データを得るこ
とができる。この場合、Nは任意の自然数である。な
お、リアルタイム処理を行わない場合、ラインメモリの
代わりにいわゆるページメモリを用い、画像データを構
成するすべての画素データをページメモリに記憶させて
いてもよい。
【0091】また、平均値演算部55において、全ての
フィルタ係数F0〜F8の和が2のN乗となるように、
前記フィルタ係数F0〜F8が設定されることが好まし
い。この場合、Nは任意の整数である。これは、前記和
が2のN乗であれば、前記和で前記積の総和を除算する
代わりに、前記積の総和を表すビット列をN桁分右シフ
トさせればよい。すなわち、この場合、除算器66を、
いわゆる右シフト回路に置換えることができる。これに
よって、フィルタ演算部52の回路構成を、一般的な除
算回路を用いる場合よりも縮小することができる。
【0092】以下に、本発明の第2実施形態である画像
処理装置を含む複写機について説明する。第2実施形態
の複写機は、第1実施形態の複写機と比較して、フィル
タ部44内のフィルタ演算部52内の演算部57が、以
下に説明する演算部73に置換えられた点が異なり他は
等しい。第2実施形態の複写機内で、第1実施形態の複
写機31内の部品と同じ部品には同じ参照符を付し、説
明は省略する。さらに、第2実施形態の複写機に関する
説明のうちで、第1実施形態の複写機31の説明と同じ
部分の記載は省略する。
【0093】図8は、第2実施形態の複写機のフィルタ
部44内のフィルタ演算部52内の演算部73の機能的
構成を具体的に示すブロック図である。演算部73は、
第1比較器71に加えて、第2比較器74と選択器75
とを含む。選択器75は、第1比較器71よりも信号流
れ下流側に設けられ、第1比較器71の選択結果と平均
濃度ImgAVとが与えられる。
【0094】第2比較器74は、予め定める参照濃度L
refと、前記注目画素Img4の補正前の濃度を示す
画素データImg4とを比較し、比較結果に応じて、式
4に示すように、フラグFLの値を定める。参照濃度L
refを、閾値と称することがある。注目画素の補正前
の濃度Img4が参照濃度Lref以上である場合、フ
ラグFLの値は1に定められ、注目画素の補正前の濃度
Img4が参照濃度Lref未満である場合、フラグF
Lは0に定められる。フラグFLは、第2比較器74か
ら選択器75に与えられる。選択器75は、フラグFL
の値に基づき、フラグFLの値が1である場合、第1比
較器71の選択結果を選び、フラグFLの値が0である
場合、平均濃度ImgAVを選ぶ。選択器75で選択さ
れた濃度が、前記補正後の注目画素の濃度Img4#と
して、演算部73から出力される。
【0095】
【数2】
【0096】すなわちこの結果、演算部73は、フラグ
FLが1の場合に、第1実施形態で説明したフィルタ処
理、すなわち注目画素の補正後の濃度が注目画素の補正
前の濃度以上になるように制御されたフィルタ処理を行
い、フラグFLが0の場合に、従来技術のフィルタ処
理、すなわち補正前の画像のエッジ部をエッジ強調して
画像を鮮明にするために、注目画素の補正後の濃度が注
目画素の補正前の濃度以上または未満になるように制御
されたフィルタ処理を行う。
【0097】演算部75を備える第2実施形態のフィル
タ部の具体的な動作を、濃度の下限値が0であり濃度の
上限値が255であるいわゆる8ビット制御時におい
て、参照濃度Lrefが50である場合を例として、以
下に説明する。なお、フィルタとして、図31で示すフ
ィルタを用いると仮定する。
【0098】最初に、図9に示すように、処理対象の領
域76がいわゆる全面黒ベタの部分であると仮定する。
全面黒ベタの部分を構成する注目画素および全ての注目
画素の濃度は、境界濃度Lmidよりも黒レベルに近
い。
【0099】第2実施形態のフィルタ部は、まず式5に
示すように、フィルタ係数F0〜F8と前記処理対象の
領域76の各画素の濃度とを和積算演算する。次いで式
6に示すように、和積算演算の演算結果を正規化する。
さらに、正規化の結果、すなわち除算結果を、前記濃度
の有効範囲内の値に制限する。本例では、除算結果が−
128なので、除算結果は前記有効範囲の下限値未満で
あるため、前記除算結果が0に置換えられる。従来技術
のフィルタ処理ならば、前記除算結果がそのまま注目画
素の補正後の濃度として出力されるので、該濃度は
「0」になり、注目画素の色が白になっていた。これが
黒ベタ部内の白抜けの原因である。本実施形態では、演
算部73によって白抜けを防止している。
【0100】 220×(―3)+215×(0)+215×(―3)+222×(0) +190×(13)+213×(0)+221×(―3)+210×(0) +210×(―3)=128 …(5) ―128÷{(―3)+(0)+(―3)+(0)+(13)+(0) +(―3)+(0)+(―3)}=−128 …(6) すなわち、第2実施形態のフィルタ部はさらに演算を進
め、まず、参照濃度Lref「50」と注目画素の補正
前の濃度「190」とを、第2比較器74で比較する。
本例では、注目画素の補正前の濃度のほうが参照濃度L
refよりも大きいので、フラグFLが1になる。これ
によって、選択器75は、第2実施形態特有のフィルタ
処理が有効であるとみなす。この結果、第1比較器71
は、注目画素の補正前の濃度「190」と前記除算結果
「0」とを比較し、画素が暗くなるほうを選択する。本
例では、画像データに濃度反転処理が施されているの
で、濃度が高いほど画素が暗くなる。したがって、第1
比較器71は注目画素の補正前の濃度「190」を選択
する。第1比較器71で選択された濃度は、選択器75
を経由して、補正後の注目画素の濃度として、そのまま
出力される。この結果、第2実施形態のフィルタ部は、
注目画素の補正後の濃度として、注目画素の補正前の濃
度と同じ「190」を出力することになる。ゆえに、黒
べた部に白抜けが発生することはない。
【0101】続いて、図10に示すように、処理対象の
領域77がいわゆる文字部であり、さらに詳しくは文字
を構成する線分の一部分を含む部分であると仮定する。
この場合、前記処理対象の領域内の全ての画素の濃度
は、濃度の有効範囲全体にばらついている。具体的に
は、線分の一部分に相当する周辺画素の濃度が、「10
0」,「105」,「103」である。注目画素および
残余の周辺画素は、線分の一部分以外のいわゆる背景部
分に相当する。
【0102】第2実施形態のフィルタ部は、まず式7に
示すように、フィルタ係数F0〜F8と前記処理対象の
領域77の各画素の濃度とを和積算演算する。次いで式
8に示すように、和積算演算の演算結果を正規化する。
さらに、正規化の結果、すなわち除算結果を、前記濃度
の有効範囲内の値に制限する。本例では、除算結果が−
184なので、除算結果は前記有効範囲の下限値未満で
あるため、前記除算結果が0に置換えられる。
【0103】 100×(―3)+105×(0)+103×(―3)+ 30×(0) + 35×(13)+ 20×(0)+ 5×(―3)+ 7×(0) + 5×(―3)=−184 …(7) ―184÷{(―3)+(0)+(―3)+(0)+(13)+(0) +(―3)+(0)+(―3)}=−184 …(8) 第2実施形態のフィルタ部はさらに、参照濃度Lref
「50」と注目画素の補正前の濃度「35」とを、第2
比較器74で比較する。本例では、注目画素の補正前の
濃度が参照濃度Lref未満なので、フラグFLを0に
する。この結果、選択器75は、第2実施形態特有のフ
ィルタ処理が無効であるとみなす。この結果、第1比較
器71の比較結果に拘わらず、前記制限結果「0」、す
なわち従来技術のフィルタ処理と同じ処理結果が、補正
後の注目画素の濃度として出力される。
【0104】このように、第2実施形態の演算部73
は、前記補正前の注目画素の濃度Img4が参照濃度L
ref以上である場合、第1実施形態のフィルタ部44
と同じ処理を行い、前記補正前の注目画素の濃度Img
4が参照濃度Lref未満である場合、従来技術のフィ
ルタ部と同じ処理を行う。これは、以下の理由からであ
る。
【0105】第1実施形態のフィルタ部44を用いて処
理した画像を詳細に観察すると、モアレや黒ベタ部の白
抜けは防止されているが、7級文字部の文字のまわり
に、いわゆる飛散りが目立つことがある。特に、LSU
36がいわゆる2値出力のものであり、画像データに中
間調処理が施されていると、前記飛散りが目立ちやす
い。これは、画像のうちで、濃度が境界濃度Lmid未
満である画素から構成される部分、たとえば前記文字部
のエッジが強調されていないため、その部分もいわゆる
中間調で再現されてしまうからである。このような飛散
りをなくすためには、濃度が境界濃度未満の画素から構
成される部分にも、フィルタ処理を施さなければならな
い。このために、上述した第2実施形態の演算部73を
用いてフィルタ処理を行うのである。
【0106】第2実施形態のフィルタ部を用いたフィル
タ処理の効果を、図11を参照して説明する。図11
(A)〜図11(D)は、それぞれ、複数の画素が直線
状に並べられて構成される画像の濃度分布を示す。図1
1(A)および図11(B)のグラフは、図6(A)お
よび図6(B)と同じものなので、説明は省略する。図
11(C)のグラフは、図11(A)の画像を構成する
全ての画素の濃度が参照濃度Lrefよりも大きい場合
に、表2のフィルタを用い、上述の第2実施形態のフィ
ルタ部を用いてフィルタ処理を施して得られる画像の濃
度分布を示すグラフである。図11(D)のグラフは、
図11(A)の画像を構成する全ての画素の濃度が参照
濃度Lrefよりも小さい場合に、表2のフィルタを用
い、上述の第2実施形態のフィルタ部を用いてフィルタ
処理を施して得られる画像の濃度分布を示すグラフであ
る。図11(C)および図11(D)では、縦軸が濃度
を示し、横軸が画素の位置を示す。
【0107】図11(A)に示す濃度分布の画像に従来
技術のフィルタ処理を施すと、該画像に黒ベタ部がある
か否かに拘わらず、図11(B)に示す濃度分布の画像
が得られる。この結果、処理対象の領域が文字部である
ならば、エッジが鮮鋭化されフィルタ処理後の前記領域
が元の画質よりも高くなるが、処理対象の領域が黒ベタ
部であるならば、フィルタ処理後の前記領域に白抜けが
生じてしまう。そこで、第2実施形態のフィルタ部を用
いれば、白レベル方向の強調処理が注目画素の補正前の
濃度に応じて制御されているので、白抜けの問題は発生
しない。白レベル方向の強調処理とは、補正後の注目画
素が補正前の該注目画素よりも明るくなる強調処理であ
る。
【0108】例えば参照濃度を仮に50に設定し、注目
画素が黒ベタ部内の濃度190の画素であると仮定した
場合、前記フィルタ部は、前記白レベル方向の強調処理
を行わないようにする。また、注目画素が小さい文字周
辺にある濃度20の画素であると仮定した場合、前記フ
ィルタ部は、前記白レベル方向の強調処理を行うように
するので、フィルタ処理後の画像が、いわゆるボケた画
像にならない。また、黒レベル方向の強調処理は、上述
の2つの場合のどちらでも同じ程度の強さで行われてい
るので、処理後の画像が鮮明になる。黒レベル方向の強
調処理とは、補正後の注目画素が補正前の該注目画素よ
りも暗くなる強調処理である。さらに、第2実施形態の
フィルタ部を用いた場合、従来技術のフィルタ部を用い
た場合と比較して、軽減されている。
【0109】以上のことから、従来技術のフィルタ部が
用いられた場合と比較して、第2実施形態のフィルタ部
が用いられることによって、文字部の飛散りが防止さ
れ、さらに網点写真部のモアレを軽減と黒ベタ部の白抜
けも防止も行われることが分かる。この結果、良好な画
質の画像を得ることができる。
【0110】前述の参照濃度Lrefは、たとえば、濃
度の有効範囲が0以上255以下である場合、すなわち
画素データが8ビットのデータセットである場合、10
以上200以下の範囲内の値であることが好ましいこと
が、実験的に分かっている。これは、以下の理由からで
ある。画像内の濃度が200以上の画素から構成される
部分が黒ベタ部であることが多いことが実験的に分かっ
ているため、黒ベタ部の白抜けを防止するために、参照
濃度Lrefは200以下であることが好ましい。ま
た、参照濃度を0にした場合、画像全体に第1実施形態
のフィルタ処理が施されることになるので、フィルタ処
理後の画像にメリハリがなくなる。このために、画像に
メリハリを付けるには、参照濃度Lrefは10以上で
あることが好ましいことが、実験的に分かっている。
【0111】以下に、本発明の第3実施形態である画像
処理装置82を含む複写機81について説明する。第3
実施形態の複写機81は、第1実施形態の複写機31と
比較して、以下に説明する領域分離部83が加えられ、
フィルタ部44が以下に説明するフィルタ部84に置換
えられ、さらに解像度変換部46が解像度変換部85に
置換えられる点が異なり、他は等しい。第3実施形態の
複写機81内で、第1および第2実施形態の複写機内の
部品と同じ部品には同じ参照符を付し、説明は省略す
る。さらに、第3実施形態の複写機81に関する説明の
うちで、第1および第2実施形態の複写機の説明と同じ
部分の記載は省略する。
【0112】図12は、複写機81の電気的構成と、画
像処理装置82の機能的構成とを示すブロック図であ
る。複写機81は、読取り装置33とAD変換器34と
画像処理装置82とLSU36とを含む。画像処理装置
82は、機能的には、シェーディング部41、視感度補
正部42、濃度反転部43、領域分離部83、フィルタ
部84、出力用γ補正部45、解像度変換部85、およ
び中間調処理部47を含む。画像処理装置82は、AD
変換器34とLSU36との間に介在される。
【0113】領域分離部83は、濃度反転部43とフィ
ルタ部84との間に介在される。濃度反転部43から出
力される画像データは、領域分離部83とフィルタ部8
4とに、並列に与えられる。領域分離部83は、濃度反
転処理後の画像データに基づいて、該画像データが示す
画像を文字領域と網点領域と写真領域とに区分するため
の領域分離処理を行う。文字領域は、画像内の、文字が
写る領域である。網点領域は、画像内の、中間調表示さ
れた絵が写る領域である。写真領域は、画像内の、連続
階調表示された絵が写る領域である。中間調表示された
絵とは、たとえば網点写真であり、連続階調表示された
絵とは、たとえば銀塩写真である。領域分離処理の処理
結果は、フィルタ部84に与えられる。
【0114】フィルタ部84の機能的構成は、第2実施
形態のフィルタ部の機能的構成と比較して、第2実施形
態の演算部73が図16で示す演算部91に置換えられ
た点が異なり、他は等しい。フィルタ部84は、領域分
離部83の領域分離結果に基づいて、後述するフィルタ
処理を行う。第3実施形態のフィルタ部84のフィルタ
処理は、第2実施形態のフィルタ部のフィルタ処理と比
較して、注目画素が文字領域と網点領域と写真領域との
うちのどれの中にあるかに応じて、参照濃度Lrefが
異なる点が異なり、他は等しい。第3実施形態のフィル
タ処理を用いる場合、前記領域分離処理に誤りがあって
も、モアレや黒ベタ部の白抜け等の問題は生じないはず
である。したがって、比較的高精度な領域分離処理をす
る必要がなく、回路規模の小さい領域分離処理で充分で
ある。
【0115】フィルタ処理後の画像データは、まず、出
力用γ処理部45で、プリンタの階調性に合わせて整え
られる。次いで前記画像データに、解像度変換部85
が、画像の拡大/縮小処理に関する画素の補間処理を施
す。最後に、中間調処理部47が、前記画像データに、
中間調処理を施す。以上の3つの処理が施された画像デ
ータが、LSU36に与えられる。
【0116】このように、注目画素が画像内のどの領域
にあるかに応じて、フィルタ処理が変更されているの
は、以下の2つの理由からである。第1の理由は、以下
のとおりである。図6の波形イメージ図から分かるよう
に、フィルタ処理前の画像の全体の明るさよりも、フィ
ルタ処理後の画像の全体の明るさが暗くなることがあ
る。特に、いわゆる連続階調の領域といわゆる点画の領
域とが混在する画像にフィルタ処理を施すと、連続階調
の領域よりも点画の領域のほうが領域全体の明るさが暗
くなる傾向にある。連続階調の領域とは、たとえば、銀
塩写真のように、1つの領域内の濃度分布が該領域を構
成する複数の画素の濃度自体を連続的に変化させて表す
絵が写る部分である。点画の領域とは、いわゆる網点写
真のように、1つの領域内の濃度分布を、2種類程度の
濃度の異なる複数の画素を点在させて疑似的に表す絵が
写る部分である。
【0117】第2の理由は、以下のとおりである。前記
連続階調の部分と前記点画の部分と文字が写る部分とが
混在した画像全体に、一様にフィルタ処理を施すと、モ
アレおよび白抜けの発生を完全に防止することが困難で
ある。これは、モアレおよび白抜けが、小さな文字を鮮
明にするためにフィルタ処理に強いエッジ強調フィルタ
を用いているために起こるからである。
【0118】これら2つの理由から、上述のように、複
数の領域が点在する画像にフィルタ処理を施す場合、い
わゆる領域分離処理を行って前記複数の領域をそれぞれ
分離し、各部分毎にフィルタ処理を施せば、さらに良い
画質を得ることができる。
【0119】領域分離部83の具体的な動作を、図13
を用いて以下に説明する。領域分離部83は、濃度反転
処理が施された画像データを構成する複数の画素データ
のうちの1つが、濃度反転部43から与えられるたび
に、ステップa1からステップa2に進む。なお、領域
分離部83内には、濃度反転部43から与えられた最新
の1つの画素データを含み、処理対象の画像内の予め定
める大きさの領域内の複数の画素にそれぞれ対応する複
数の画素データが、記憶されていると仮定する。前記領
域は、注目画素を中心とした、7画素×7画素の領域で
あるとする。
【0120】領域分離部83は、ステップa2で、前記
領域内のエッジを検出する。このために、領域分離部8
3は、まず、前記領域にエッジ検出のための電子的なフ
ィルタ処理を施す。なお、エッジ検出のためのフィルタ
処理に用いられるフィルタは、該フィルタを構成するフ
ィルタ係数の総和が−1となる。次いで領域分離部83
は、上述のフィルタ処理の処理結果を、予め定める閾値
を用いて2値化する。前記2値化処理の処理結果が、前
記領域内にあるエッジに関するエッジ情報である。領域
分離部83は、前記2値化処理の処理結果、すなわちエ
ッジ情報を記憶する。
【0121】本実施形態では、前記フィルタとして、以
下の表3に示す3画素×3画素のフィルタを用いる。表
3において、中央の矩形が注目画素に相当し、周囲の8
つの矩形がそれぞれ周辺画素に相当し、各矩形内に描か
れる数値が、該矩形に相当する画素の画素データに乗算
されるべきフィルタ係数に相当する。なお、エッジ検出
のためのフィルタ処理に、3画素×3画素のフィルタを
用いた場合、7画素×7画素の領域の端部に位置する画
素は、該フィルタの中央に位置させることが困難にな
る。このため、エッジ検出のためのフィルタ処理の有効
範囲は、前記領域内の、注目画素を中心とした5画素×
5画素の部分となる。このため、前記領域内の5画素×
5画素の部分のエッジ情報が、領域分離部83に記憶さ
れることになる。前記エッジ情報とは、前記領域内の前
記部分を構成する各画素に「0」または「1」を対応付
けたものであり、前記部分内にエッジがある場合、該エ
ッジに相当する画素、すなわち該エッジ上または近傍の
画素に、「1」が対応付けられる。
【0122】
【表3】
【0123】領域分離部83は、ステップa3で、ステ
ップa2で求められた前記エッジ情報に基づいて、第1
特徴量P0として、注目画素の連続度を求める。注目画
素の連続度とは、前記領域内において、エッジに相当す
る画素が連続する最大の数であり、具体的には、以下の
ように算出する。まず、5画素×5画素の部分におい
て、各行毎に、行内でエッジ情報の「1」が対応付けら
れる画素が相互に隣合しつつ幾つ連なっているかを調べ
る。また、前記部分において、各列毎にも同様に、列内
で、エッジ情報の「1」が対応付けられる画素が相互に
隣合しつつ幾つ連なっているかを調べる。最後に、各行
および各列それぞれにおいて、「1」が対応付けられる
画素が連なっている数のうち、最大の数を、前記注目画
素の連続度とする。
【0124】次いで、領域分離部83は、ステップa4
で、前記7画素×7画素の領域内の最大濃度差を、第2
特徴量P2として求める。前記最大濃度差は、具体的に
は、まず、前記領域内の全ての画素の濃度のうちで最大
の濃度と、前記領域内の全ての画素の濃度のうちで最小
の濃度との差である。
【0125】さらに、領域分離部83は、ステップa7
で、前記7画素×7画素の領域内におけるいわゆる煩雑
度を、第3特徴量P2として求める。煩雑度とは、主走
査方向において隣接する2つの画素間の濃度差を順次加
算した第1の総和と、副走査方向において隣接する2つ
の画素間の濃度差を順次加算した第2の総和とのうち
で、小さいほうの値である。すなわち、前記領域内の各
画素毎に、該画素の濃度と、該画素に主走査方向に平行
に並びかつ隣接する画素の濃度との差を、それぞれ求
め、求められた各画素の前記濃度の差を全て加算したも
のが、前記第1の総和に相当し、前記領域内の各画素毎
に、該画素の濃度と、該画素に副走査方向に平行に並び
かつ隣接する画素の濃度との差を、それぞれ求め、求め
られた各画素の前記濃度の差を全て加算したものが、前
記第2の総和に相当する。
【0126】次いで、領域分離部83は、ステップa6
で、第1〜第3特徴量P0〜P2を用いて、前記領域内
の注目画素が、写真領域、文字領域、および網点領域の
うちのどの領域に含まれているかを識別する。このため
に、領域分離部83は、複数のルックアップテーブルを
備える。図14に示すように、各ルックアップテーブル
は、それぞれ、第1特徴量P0が取得る値の範囲のうち
の一部分に、それぞれ対応づけられる。各ルックアップ
テーブルに対応する前記範囲の一部分は、相互に異な
る。たとえば、領域分離部83は、まず、第1特徴量P
0に基づいて、複数のルックアップテーブルのうちで、
ステップa3で求められた第1特徴量P0に応じたいず
れか1つのルックアップテーブルを選択する。次いで、
選択されたルックアップテーブルに基づき、第2および
第3特徴量P1,P2に応じて、注目画素が上記3つの
領域のうちのどれに含まれるかを判断する。
【0127】領域分離部83は、ステップa7で、ステ
ップa6の識別結果、すなわち注目画素が上記3つの領
域のうちのどれに含まれるかを、フィルタ部84に与
え、ステップa8で、領域分離処理を終了する。
【0128】図14に示すように、第1特徴量P0が、
前記範囲内で最も値が低い部分内に含まれる場合、すな
わち領域内にエッジがない場合、第2および第3特徴量
P1,P2に拘わらず、注目画素は写真領域に含まれる
と判断される。また、第1特徴量P0が、前記範囲内で
2番目に値が低い部分内に含まれる場合、すなわち領域
内のエッジが極めて少ない場合、第2および第3特徴量
P1,P2に拘わらず、注目画素は網点領域に含まれる
と判断される。また、第1特徴量P0が、前記範囲内で
値が最も高い部分内に含まれる場合、すなわち領域内の
エッジが極めて多い場合、第2および第3特徴量P1,
P2に拘わらず、注目画素は文字領域に含まれると判断
される。すなわち、文字領域は、フィルタ係数の総和が
−1であるフィルタを用いたエッジ検出処理を行った場
合に、画像内のエッジが検出されない領域または画像内
の検出されたエッジが極めて少ない領域である。
【0129】さらに、第1特徴量P1が、前記2番目に
低い部分と前記最も高い部分との間の部分内に含まれる
場合、図15に示す領域境界に基づき、第2および第3
特徴量の組み合わせに応じて、注目画素が含まれる領域
が定められる。すなわち、第2および第3特徴量P1,
P2がどちらも小さいほど、注目画素は写真領域に含ま
れると判断されやすくなり、第2特徴量P1だけが大き
くなるほど、注目画素は文字領域に含まれると判断され
やすくなり、第3特徴量P2だけが大きくなるほど、注
目画素は網点領域に含まれると判断されやすくなる。す
なわち、網点領域は、画像内の前記最大濃度差が比較的
大きい領域であり、写真領域は、画像内の前記最大濃度
差が比較的小さい領域である。
【0130】このように、領域分離部83は、前記領域
のエッジ情報を第1特徴量P0として、注目画素が上記
3つの領域のうちのどの領域に含まれるかを識別する際
に、前記領域内の最大濃度差と前記領域内の煩雑度とを
補助的に用いる。この結果、領域分離処理が多元的に実
行されるので、極めて高い精度で、領域分離処理を行う
ことができる。なお、領域分離処理は、画像を、上述の
3つの領域に分離することができるならば、上述の処理
に限らず他の処理を加えても良い。さらに、領域分離部
84は、画像を3つ以上の領域に分離してもよく、2つ
の領域に分離してもよい。以上が、領域分離部83の説
明である。
【0131】図16は、第3実施形態のフィルタ部84
内の演算部91の機能的構成を具体的に示すブロック図
である。演算部91は、第1および第2比較器71,7
4と選択器75とに加えて、参照濃度設定部92を含
む。参照濃度設定部92は、第2比較器74よりも信号
流れ上流側に設けられ、基準濃度記憶部95と切換え制
御部94とマルチプレクサ95とを含む。領域分離部8
3は、切換え制御部94に、領域分離結果を与える。
【0132】基準濃度記憶部93は、文字領域、写真領
域、および網点領域にそれぞれ対応して設定された複数
の基準濃度を記憶する。基準濃度記憶部93とマルチプ
レクサ95とは、記憶された基準濃度と同数の選択線に
よって、接続されている。各選択線に、前記複数の基準
濃度を示す信号が、それぞれ重畳されている。文字領域
に対応する基準濃度は、写真領域に対応する基準濃度よ
りも大きく、網点領域に対応する基準濃度は、写真領域
に対応する基準濃度よりも大きい。たとえば、文字領域
に対応する基準濃度は50であり、網点領域に対応する
基準濃度は0である。
【0133】切換え制御部94は、前記領域分離結果に
基づき、注目画素が文字領域と網点領域と写真領域との
うちのどれであるかに応じて、マルチプレクサ95を制
御するための制御信号Segselの値を定める。マル
チプレクサ95は、制御信号Segselに応答して、
前記複数の選択線のうちから制御信号Segselによ
って特定されるいずれか1本の選択線を選択し、該選択
線に重畳された信号を取得する。この結果、マルチプレ
クサ95は、文字領域と網点領域と写真領域とのうちの
注目画素を含むいずれか1つの領域の基準濃度を、取得
する。マルチプレクサ95で取得された基準濃度が、第
2比較器74に与えられる。この結果、第2比較器74
は、マルチプレクサ95で取得された基準濃度を、参照
濃度Lrefとして用いる。
【0134】具体的には、制御信号は複数ビットのデジ
タル信号であり、マルチプレクサ95は、制御信号のビ
ットに応じて、複数の選択線のうちのいずれか1つを選
択する。たとえば、注目画素が網点領域内にある場合、
切換制御部94は制御信号Segselを「01」に設
定する。
【0135】注目画素が網点領域内にある場合の基準濃
度は「0」なので、注目画素の濃度は常に基準濃度以
上、すなわち参照濃度Lref以上である。このため、
第2比較器74は、常にフラグFLを1に設定する。こ
の結果、注目画素が網点領域内にある場合、演算部91
は、常に第1実施形態のフィルタ処理を行う。したがっ
て、網点領域内の全ての補正後の画素は、補正前の画素
よりも明るくならない。したがって、網点領域など、領
域全体の明るさが比較的明るい領域で発生していたモア
レを改善することができるため、フィルタ処理後の画像
の高画質化を図ることができる。
【0136】図17は、前述の図28で説明した試験用
原稿を、上述の第3実施形態のフィルタ部84によって
フィルタ処理して得られた画像を示す。図17と図7,
28,32とを比較すると、第3実施形態のフィルタ部
84を用いることによって、網点写真部にモアレが生じ
ていないことが分かる。これは、前記領域分離処理によ
って網点写真部を認識し、前記参照濃度を変更している
からである。しかも、文字部においては、図33で示し
たエッジ強調フィルタを用いたフィルタ処理が行われて
いるので、図7と比較して飛散りやぼけがなくなり、す
っきり表現されていることが分かる。
【0137】図18は、図7の画像の文字部を拡大した
ものであり、図19は、図17の画像の文字部を拡大し
たものである。図18と図19とを比較すると、図7の
画像よりも図17の画像のほうが、文字部が鮮明になっ
ていることが分かる。
【0138】以下に、本発明の第4実施形態である画像
処理装置を含む複写機について説明する。第4実施形態
の複写機は、第1実施形態の複写機31と比較して、読
取り装置に変倍機能が追加され、さらに、フィルタ部4
4内の演算部57が以下に説明する演算部101に置換
えられる点が異なり、他は等しい。第4実施形態の複写
機内で、第1〜第3実施形態の複写機内の部品と同じ部
品には同じ参照符を付し、説明は省略する。さらに、第
4実施形態の複写機に関する説明のうちで、第1〜第3
実施形態の複写機の説明と同じ部分の記載は省略する。
【0139】第4実施形態の複写機の読取り装置は、操
作者が指定する変倍率に応じて、原稿を拡大または縮小
して読取るための変倍機能、いわゆる電子ズーム機能を
備える。コストの低減を目的の1つとする複写機におい
て、前記変倍機能を行なう場合、主走査方向の読取り動
作の調整をいわゆる電子ズームによって、副走査方向の
読取り動作の調整を、光学系のスキャンスピード、すな
わちスキャナ光学系内の反射鏡または撮影素子38の移
動速度によって調整することが多い。これは副走査方向
の調整を電子ズームによって行うと、原稿を読取た時点
で得られる画像の画素の行のうち、変倍率が100%の
場合に得られる複数の行の間に介在される行を保管する
ために、ラインメモリが必要となるので、複写機全体の
コストを増大させることになる可能性があるからであ
る。
【0140】副走査方向を光学系のスキャンスピードに
よって調整する場合、或るパターン周期で濃度が変化す
る原稿を、相互に異なる変倍率で複数回読取らせ、複数
の画像データが得られたならば、これら画像データが示
す画像内の濃度の変化のパターン周期は相互に異なる。
このため、第4実施形態の画像処理装置は、フィルタ部
の特性を、変倍率に応じて変更しなければならない。
【0141】たとえば、図20(A)に示す縞模様の原
稿が、矢符の方向が副走査方向に平行になるように、前
述の読取り装置に複数回読取られ、複数の画像データが
生成されたと仮定する。図20(B)は、変倍率が10
0%である場合に得られた画像データが示す画像の濃度
分布を示す。図20(C)は、変倍率が50%である場
合に得られた画像データが示す画像の濃度分布を示す。
図20(C)は、変倍率が200%である場合に得られ
た画像データが示す画像の濃度分布を示す。変倍率が1
00%である場合、原稿は原寸大で読取られる。図20
(B)〜図20(D)のグラフは、縦軸が濃度であり、
横軸が画像の副走査方向の画素配列に相当する。変倍率
が50%の場合、すなわち原稿を縮小して読取る場合、
光学系のスキャンスピードは変倍率が100%の場合よ
りも速いので、副走査方向のパターンの周期は変倍率が
100%の場合のパターンに比べて周期が短くなってい
る。変倍率が200%の場合、すなわち原稿を拡大して
読取る場合、副走査方向のパターンの周期は変倍率が1
00%の場合のパターンに比べて周期が長くなっている
はずである。
【0142】このように、変倍率の変更に伴い、画像の
副走査方向のパターン周期が変化する。このため、第4
実施形態の画像処理装置は、フィルタ部の特性を、変倍
率に応じて変更しなければならない。これは、たとえ
ば、変倍率が200%である場合に得られた画像データ
のフィルタ処理を、変倍率が100%の場合に用いるフ
ィルタ係数を用いて行うと、フィルタ処理後の画像デー
タが示す画像が、めりはりのない画像、すなわちいわゆ
るエッジのボケた画像となり得るからである。したがっ
て、変倍率が200%の場合は、変倍率が100%の場
合に用いたフィルタよりもエッジ強調成分の強いフィル
タを用いなければならない。しかも、変倍率が200%
以上の場合に得られた画像データが示す画像は、一般的
にエッジが既にぼけているため、比較的エッジ強調成分
が強いフィルタを掛けてもモアレは比較的発生しにく
い。
【0143】これらのことから、変倍率が100%を越
える場合、すなわち原稿を拡大して読取る場合は、フィ
ルタのエッジ強調成分を強くする必要があり、変倍率が
100%未満の場合、すなわち原稿を縮小して読取る場
合は、モアレを抑えるためにフィルタのエッジ強調成分
を弱くする必要がある。これらのことを鑑みて、第4実
施形態の画像処理装置のフィルタ部は、前記演算部内で
用いる参照濃度Lrefを変動させる。この結果、フィ
ルタのエッジ強調成分を増減させたことと同じ効果が得
られるので、フィルタ処理後の画質をさらに良くするこ
とができる。
【0144】図21は、第4実施形態のフィルタ部に含
まれる演算部101の機能的構成を具体的に示すブロッ
ク図である。演算部101は、第1および第2比較器7
1,74と選択器75とに加えて、参照濃度設定部10
2を含む。参照濃度設定部102は、第2比較器74よ
りも信号流れ上流側に設けられる。参照濃度設定部10
2は、読取り装置33に設定された変倍率に応じて、変
倍率が大きいほど、参照濃度Lrefを小さく設定す
る。設定された参照濃度Lrefは、第2比較器74に
与えられる。
【0145】参照濃度設定部102は、具体的には、基
準濃度記憶部103と切換え制御部104とマルチプレ
クサ105とを含む。基準濃度記憶部103は、予め定
める複数の変倍率範囲に応じた複数の基準濃度を記憶す
る。複数の変倍率範囲は、変倍率が変化可能な全範囲
を、複数段階に分割して得られる複数の小範囲である。
たとえば、前記複数の変倍率範囲のうち最大の変倍率を
含む範囲に対応する基準濃度は120であり、最小の変
倍率を含む範囲に対応する基準濃度は30である。基準
濃度記憶部103とマルチプレクサ105との接続関係
は、第3実施形態の基準濃度記憶部93とマルチプレク
サ95との接続関係とほぼ等しい。
【0146】切換え制御部104は、操作者が指定した
変倍率に基づき、該変倍率が複数の変倍率範囲のうちの
どれに含まれるかに応じて、マルチプレクサ105を制
御するための制御信号Zoomselの値を定める。マ
ルチプレクサ105は、制御信号Zoomselに応答
して、前記複数の選択線のうちから制御信号Zooms
elによって特定されるいずれか1本の選択線を選択
し、該選択線に重畳された信号を取得する。またたとえ
ば、変倍率に応じて、フィルタ係数が8段階に切換え可
能である場合、フィルタ係数を切換えると共に、演算部
101内で用いる参照濃度Lrefも同時に切換えると
効果がある。
【0147】たとえば、変倍率が200%以上に設定さ
れた場合、制御信号Zoomselの値がたとえば「0
00」に設定される。この結果、マルチプレクサ105
は、全ての基準濃度のうちで値が最も大きいもの、たと
えば120を選ぶ。すなわち、全ての基準濃度のうちで
最も暗い色に相当するものが選ばれる。この結果、第1
実施形態のフィルタ処理の有効範囲が最も狭くなる。第
1実施形態のフィルタ処理の有効範囲とは、濃度の有効
範囲内の、フラグFLが1になり得る濃度の範囲であ
る。注目画素が第1実施形態のフィルタ処理の有効範囲
内の濃度である場合だけ、該注目画素を含む3画素×3
画素の領域に第1実施形態で説明したフィルタ処理が施
される。この結果、従来技術のフィルタ処理が施される
画素の数が他の変倍率範囲が選ばれる場合よりも増える
ため、フィルタ処理後の画像が、めりはりの利いた画像
になる。しかも、濃度が120以上の画素が注目画素に
なる場合、第1実施形態のフィルタ処理が行われるの
で、黒ベタ部の白抜けは防止することができる。
【0148】また、変倍率が50%以下に設定された場
合、制御信号Zoomselが最大の値、たとえば「1
11」に設定される。この結果、マルチプレクサ105
は、全ての基準濃度のうちで値が最も小さいもの、たと
えば30を選ぶ。すなわち、全ての基準濃度のうちで最
も明るい色に相当するものが選ばれる。この結果、第1
実施形態のフィルタ処理の有効範囲が最も広くなる。こ
の結果、第1実施形態のフィルタ処理が施される画素の
数が他の変倍率範囲が選ばれる場合よりも増えるため、
フィルタ処理がモアレ等を防止するように制御されるの
で、フィルタ処理後の画像の画質が良くなる。
【0149】前記参照濃度は、前記変倍率に対して、本
実施形態のように階段状に大きくなっても良く、変倍率
に対して連続的に大きくなっても良い。また、連続的に
大きくなる場合、変倍率に比例して大きくなっても良
く、変倍率と比例以外の関係を取りつつ大きくなっても
良い。
【0150】以下に、本発明の第5実施形態である画像
処理装置を含む複写機について説明する。第5実施形態
の複写機は、第1実施形態の複写機31と比較して、い
わゆるモード設定機能が追加され、さらに、フィルタ部
44内の演算部57が以下に説明する演算部111に置
換えられる点が異なり、他は等しい。第5実施形態の複
写機内で、第1〜第4実施形態の複写機内の部品と同じ
部品には同じ参照符を付し、説明は省略する。さらに、
第5実施形態の複写機に関する説明のうちで、第1〜第
4実施形態の複写機の説明と同じ部分の記載は省略す
る。
【0151】第5実施形態の複写機は、複数のモードの
うちのいずれか1つを操作者に指定させ、指定されたモ
ードに応じて、複写機内部の各部の動作を調整する。複
数のモードは、以下の理由から設けられる。複写機の操
作者は、処理対象の原稿に応じて、複写機から出力され
る画像の画質の期待を異ならせていることが多い。たと
えば新聞のような背景の暗い原稿を複写する場合、出力
される画像に背景も再現されることを望まないが、銀塩
写真のような背景が明るい原稿を複写する場合、出力さ
れる画像に背景も詳細に再現されていることを望むこと
が一般的である。このように、処理対象の原稿に応じ
て、複写機が出力する画像の画質を、操作者が複写機に
調整させるために、複写機には複数のモードが用意され
ている。複数のモードのうちのいずれか1つが選ばれる
ことによって、複写機全体の動作状態が、モードに応じ
た原稿を読取った場合に出力される画像の画質を最も良
くするように、調整される。この調整の一環として、フ
ィルタ部111は、モードに応じて、演算部で用いられ
る参照濃度Lrefを変更する。この結果、フィルタ処
理後の画質をさらに良くすることができる。
【0152】以後、本実施形態の複写機は、文字モー
ド、写真・文字モード、写真モード、ソフト写真モー
ド、および自動露光モードの5つのモードを備えると仮
定する。文字モードは、処理対象の原稿に文字だけが描
かれる場合に最適のモードである。写真・文字モード
は、処理対象の原稿に網点写真と文字とが混在する場
合、たとえば網点写真が入ったパンフレットが処理対象
の原稿である場合に最適のモードである。写真モード
は、処理対象の原稿が銀塩写真である場合に最適のモー
ドである。ソフト写真モードは、処理対象の原稿がペイ
ント写真である場合に最適のモードである。ペイント写
真とは、連続階調表示され、かつ、銀塩写真よりも原稿
表面の反射率が小さい絵であり、たとえば水彩画等の絵
画に相当する。自動露光モードは、複写機の動作状態の
デフォルトのモードである。自動露光モードが選ばれる
ならば、複写機は、たとえば、新聞が処理対象の原稿と
された場合、いわゆる下地除去が可能になる。
【0153】図22は、第5実施形態のフィルタ部内の
演算部111の機能的構成を具体的に示すブロック図で
ある。演算部111は、第1および第2比較器71,7
4と選択器75とに加えて、参照濃度設定部112を含
む。参照濃度設定部112は、第2比較器74よりも信
号流れ上流側に設けられる。参照濃度設定部112は、
操作者によって設定されたモードに応じて、参照濃度を
設定する。
【0154】参照濃度設定部112は、具体的には、基
準濃度記憶部113と切換え制御部114とマルチプレ
クサ115とを含む。基準濃度記憶部113は、予め定
める複数のモードに応じた複数の基準濃度を記憶する。
たとえば、文字モードに対応する基準濃度は文字・写真
モードに対応する基準濃度よりも大きく、文字・写真モ
ードに対応する基準濃度は写真濃度よりも大きい。自動
露光モードに対応する基準濃度は、文字モードに対応す
る基準濃度とほぼ等しい。ソフト写真モードに対応する
基準濃度は、写真モードに対応する基準濃度とほぼ等し
い。基準濃度記憶部113とマルチプレクサ115との
接続関係は、第3実施形態の基準濃度記憶部93とマル
チプレクサ95との接続関係と等しい。
【0155】切換え制御部114は、操作者が指定した
モードに応じて、マルチプレクサ115を制御するため
の制御信号Modeselの値を定める。マルチプレク
サ115は、制御信号Modeselに応答して、前記
複数の選択線のうちから制御信号Modeselによっ
て特定されるいずれか1本の選択線を選択し、該選択線
に重畳された信号を取得する。この結果、操作者が指定
したモードに応じた基準濃度が、参照濃度として、第2
比較部74に与えられる。第2比較部74は、与えられ
た参照濃度を用いて処理を行う。
【0156】たとえば、文字モードが指定される場合、
制御信号Modeselは「000」に設定される。こ
の結果、マルチプレクサ115は、全ての基準濃度のう
ちで最大の基準濃度、たとえば120を選ぶ。この結
果、第1実施形態のフィルタ処理の有効範囲が、最も狭
くなる。ゆえに、フィルタ処理後の画像が、めりはりの
利いた画像になる。しかも濃度が120以上の画素が注
目画素になる場合、第1実施形態のフィルタ処理が行わ
れるので、黒ベタ部の白抜けが防止される。
【0157】また、写真モードが指定される場合は、制
御信号Modeselは、「010」に設定される。す
るとマルチプレクサ115は、全ての基準濃度のうちで
最小のもの、たとえば10を選ぶ。この結果、第1実施
形態のフィルタ処理の有効範囲が最も広くなる。ゆえ
に、フィルタ処理後の画像が、滑らかな画像になる。し
かも濃度が10以上の画素が注目画素になる場合、第1
実施形態のフィルタ処理が行われるので、黒ベタ部の白
抜けが防止され、また文字がはっきりする。
【0158】以下に、本発明の第6実施形態である画像
処理装置を含む複写機について説明する。第6実施形態
の複写機は、第1実施形態の複写機31と比較して、領
域分離部83と前記変倍機能とが追加され、さらに、フ
ィルタ部44内の演算部57が以下に説明する演算部1
21に置換えられる点が異なり、他は等しい。第6実施
形態の複写機内で、第1〜第5実施形態の複写機内の部
品と同じ部品には同じ参照符を付し、説明は省略する。
さらに、第6実施形態の複写機に関する説明のうちで、
第1〜第5実施形態の複写機の説明と同じ部分の記載は
省略する。
【0159】第6実施形態の画像処理装置は、領域分離
処理の処理結果と、操作者によって指定される変倍率と
に基づいて、第6実施形態の画像処理装置内のフィルタ
部におけるフィルタ処理の強さを調整する。これは、以
下の理由からである。原稿の読取り動作において、副走
査方向のスキャンスピードを変倍率に応じて調整する場
合、画像を原稿よりも拡大するならば、画像内のエッジ
がボケやすい。このため、前記画像を印刷する前に、前
記フィルタ部において、エッジを強調させる必要があ
る。また、前記場合に、画像を原稿よりも縮小するなら
ば、画像を拡大する際と比べてエッジがボケにくいが、
エッジ強調成分の強いフィルタを用いてフィルタ処理を
施すと、画像内の網点領域にモアレが発生することがあ
る。このため、前記画像を印刷する前に、前記フィルタ
部において、画像が拡大される場合よりも弱くエッジ強
調するか、または前記画像にいわゆる平滑化処理を施す
必要がある。さらに、画像内に特徴量が相互に異なる複
数の領域があるならば、注目画素が含まれる領域の特徴
量に応じてフィルタ処理の特性を変更したほうが、好ま
しい。たとえば、写真領域には、いわゆる平滑化フィル
タを用いたフィルタ処理を施し、文字領域にはいわゆる
エッジ強調フィルタを用いたフィルタ処理を施すことが
好ましい。
【0160】したがって、領域分離処理の処理結果と画
像の変倍率とに応じて、フィルタ部121を用いるフィ
ルタ処理におけるエッジ強調を調整すると、フィルタ処
理後の画像の画質が、フィルタ処理前よりもより良くな
る。具体的には、前記エッジ強調の強さは、変倍率が大
きくなるほど大きく、かつ、注目画素が文字領域に含ま
れる場合、注目画素が網点領域に含まれる場合、注目画
素が写真領域に含まれる場合の順で小さくなる。参照濃
度を増減させると、フィルタのエッジ強調成分を増減さ
せた場合と同じ効果が得られる。前記エッジ強調の強さ
が大きいほど、参照濃度は大きく設定される。
【0161】表4は、複写機の第1設定条件のうちで代
表的なものにそれぞれ対応する基準濃度を示す。第1設
定条件とは、領域分離処理の処理結果と変倍率との組合
わせを指し、以下の表4に示すもの以外のもののある。
表4に示す基準濃度の具体値は、実験的に求められたも
のであり、複写機に用いられる撮影素子の仕様に応じて
変化する。表4に示す各第1設定条件に対応する基準濃
度の大小関係は、撮影素子の仕様に拘わらず変わらな
い。表4に示す各第1設定条件の基準濃度は、複写機が
モードを設定可能な場合であっても、モードに拘わら
ず、最も画質の良い画像を出力するのに適している。
【0162】
【表4】
【0163】図23は、第6実施形態のフィルタ部内の
演算部121の機能的構成を具体的に示すブロック図で
ある。演算部121は、第1および第2比較器71,7
4と選択器75とに加えて、参照濃度設定部122を含
む。参照濃度設定部122は、第2比較器74よりも信
号流れ上流側に設けられる。参照濃度設定部122は、
第1設定条件、すなわち変倍率と注目画素が含まれる領
域との組合わせに応じて、参照濃度を設定する。
【0164】参照濃度設定部122は、具体的には、基
準濃度記憶部123と切換え制御部124とマルチプレ
クサ125とを含む。基準濃度記憶部123は、前述の
複数の第1設定条件に応じた複数の基準濃度を記憶す
る。基準濃度記憶部123とマルチプレクサ125との
接続関係は、第3実施形態の基準濃度記憶部93とマル
チプレクサ95との接続関係と等しい。切換制御部12
4は、複数の前記第1設定条件にそれぞれ対応する制御
信号selの具体的な値を示す真理値表を、テーブルと
して備える。表5は、前記真理値表を示す。切換え制御
部124は、領域分離部83から得られる領域分離結果
と、操作者が指定した変倍率とに応じて、前記テーブル
を参照して、マルチプレクサ125を制御するための制
御信号selの値を定める。マルチプレクサ125は、
制御信号selに応答して、前記複数の選択線のうちか
ら制御信号selによって特定されるいずれか1本の選
択線を選択し、該選択線に重畳された信号を取得する。
この結果、領域分離部83から得られる領域分離結果
と、操作者が指定した変倍率との組合わせに応じた基準
濃度が、参照濃度として、第2比較器74に与えられ
る。第2比較器74は、与えられた参照濃度を用いて処
理を行う。
【0165】
【表5】
【0166】たとえば、変倍率が200%、すなわち画
像が拡大され、かつ、注目画素が文字領域にあると判定
される場合、制御信号sel「00000」に設定され
る。この結果、マルチプレクサ125は、全ての基準濃
度のうちで値が最も大きいもの、たとえば120を、選
ぶ。この結果、第1実施形態のフィルタ処理の有効範囲
が最も狹くなるので、フィルタ処理後の画像が、めりは
りの利いた画像になる。しかも、濃度が120以上の画
素が注目画素になる場合、第1実施形態のフィルタ処理
が施されるので、黒ベタ部の白抜けが防止される。ま
た、変倍率が50%、すなわち画像が縮小され、かつ、
注目画素が写真領域にあると判定される場合は、制御信
号selは「011111」に設定される。この結果、
マルチプレクサ125は、全ての基準濃度のうちで最も
小さいもの、たとえば10を選ぶ。この結果、第1実施
形態のフィルタ処理の有効範囲が最も広くなるので、フ
ィルタ処理後の画像が滑らかな画像になる。しかも、濃
度が10以上の画素が注目画素になる場合、第1実施形
態のフィルタ処理が施されるので、黒ベタ部の白抜けが
防止され、かつ、文字も鮮明になる。
【0167】以下に、本発明の第7実施形態である画像
処理装置を含む複写機について説明する。第7実施形態
の複写機は、第1実施形態の複写機31と比較して、領
域分離部83と前記モード設定機能とが追加され、さら
に、フィルタ部44内の演算部57が以下に説明する演
算部131に置換えられる点が異なり、他は等しい。第
7実施形態の複写機内で、第1〜第6実施形態の複写機
内の部品と同じ部品には同じ参照符を付し、説明は省略
する。さらに、第7実施形態の複写機に関する説明のう
ちで第1〜第6実施形態の複写機の説明と同じ部分の記
載は省略する。
【0168】複写機は、操作者が指定したモードに応じ
て、出力される画像の画質を調整している。これは、前
述した通り、処理対象の原稿に応じて、操作者が印刷さ
れる画像に期待する画質が異なるためである。たとえば
文字モードでは、印刷される画像内のエッジをはっきり
させる必要があり、たとえば写真モードでは、原稿にお
ける濃度の階調性の滑らかさが出力される画像でも保た
れることが重視されるので、文字モードで印刷される画
像よりも、エッジを強調しないほうが好ましい。また、
1枚の画像内に特徴量が相互に異なる複数の領域がある
ならば、注目画素が含まれる領域の特徴量に応じてフィ
ルタ処理の特性を変更したほうが、好ましい。
【0169】したがって、領域分離処理の処理結果と操
作者に指定されたモードとに応じて、第6実施形態の画
像処理装置内のフィルタ部が行うフィルタ処理における
エッジ強調の強さを調整すると、フィルタ処理後の画像
の画質が、フィルタ処理前よりもより良くなる。具体的
には、前記エッジ強調の強さは、文字モードが選択され
る場合、文字・写真モードが選択される場合、写真モー
ドが選択される場合の順で小さくなり、かつ、注目画素
が文字領域に含まれる場合、注目画素が網点領域に含ま
れる場合、注目画素が写真領域に含まれる場合の順で小
さくなる。参照濃度を増減させると、フィルタのエッジ
強調成分を増減させた場合と同じ効果が得られる。前記
エッジ強調の強さが大きいほど、参照濃度は大きく設定
される。
【0170】表6は、複写機の第2設定条件のうちで代
表的なものにそれぞれ対応する基準濃度を示す。第2設
定条件とは、領域分離処理の処理結果と指定されたモー
ドとの組合わせを指し、以下の表6に示すもの以外のも
のもある。表6に示す基準濃度の具体値は、実験的に求
められたものであり、複写機に用いられる撮影素子の仕
様に応じて変化する。表6に示す第2設定条件に対応す
る基準濃度の大小関係は、撮影素子の仕様に拘わらず変
わらない。表6に示す第2設定条件の基準濃度は、複写
機が変倍率が可変の仕様になっている場合であっても、
変倍率に拘わらず、最も画質の良い画像を出力するのに
適している。
【0171】
【表6】
【0172】図24は、第6実施形態のフィルタ部内の
演算部131の機能的構成を具体的に示すブロック図で
ある。演算部131は、第1および第2比較器71,7
4と選択器75とに加えて、参照濃度設定部132を含
む。参照濃度設定部132は、第2比較器74よりも信
号流れ上流側に設けられる。参照濃度設定部132は、
第2設定条件、すなわち指定されたモードと注目画素が
含まれる領域との組合わせに応じて、参照濃度を設定す
る。
【0173】参照濃度設定部132は、具体的には、基
準濃度記憶部133と切換え制御部134とマルチプレ
クサ135とを含む。基準濃度記憶部133は、前述の
複数の予め定める第2設定条件に応じた複数の基準濃度
を記憶する。基準濃度記憶部133とマルチプレクサ1
35との接続関係は、第3実施形態の基準濃度記憶部9
3とマルチプレクサ95との接続関係と等しい。切換制
御部134は、複数の前記第2設定条件にそれぞれ対応
する制御信号selの具体的な値を示す真理値表を、テ
ーブルとして備える。表7は、前記真理値表を示す。切
換え制御部134は、領域分離部83から得られる領域
分離結果と、操作者が指定したモードとに応じて、前記
テーブルを参照して、マルチプレクサ135を制御する
ための制御信号selの値を定める。マルチプレクサ1
35は、制御信号selに応答して、前記複数の選択線
のうちから制御信号selによって特定されるいずれか
1本の選択線を選択し、該選択線に重畳された信号を取
得する。この結果、領域分離部83から得られる領域分
離結果と、操作者が指定したモードとの組合わせに応じ
た基準濃度が、参照濃度として、第2比較器74に与え
られる。第2比較器74は、与えられた参照濃度を用い
て処理を行う。
【0174】
【表7】
【0175】たとえば、文字モードが指定され、かつ、
注目画素が文字領域に含まれると判定した場合、制御信
号selは「0000」に設定される。これによって、
マルチプレクサ135は、全ての基準濃度のうちで最も
大きいもの、たとえば120を、選ぶ。この結果、第1
実施形態のフィルタ処理の有効範囲が最も狭くなるの
で、フィルタ処理後の画像がめりはりの利いた画像にな
る。しかも、注目画素の濃度が120以上である場合、
第1実施形態のフィルタ処理が施されるので、画像内の
黒ベタ部の白抜けは防止することができる。また、写真
モードが指定され、かつ、注目画素が写真領域に含まれ
る場合、制御信号selは「1001」に設定される。
この結果、マルチプレクサ135は、全ての基準濃度の
うちで最も小さいもの、たとえば10を選ぶ。この結
果、第1実施形態のフィルタ処理の有効範囲が最も広く
なるので、フィルタ処理後の画像が滑らかな画像にな
る。しかも、濃度が10以上の画素が注目画素である場
合、第1実施形態のフィルタ処理が施されるので、画像
内の黒ベタ部の白抜けが防止され、かつ、画像内の文字
も鮮明になる。
【0176】以下に、本発明の第8実施形態である画像
処理装置を含む複写機について説明する。第7実施形態
の複写機は、第1実施形態の複写機31と比較して、前
記変倍機能と前記モード設定機能とが追加され、さら
に、フィルタ部内の演算部57が以下に説明する演算部
141に置換えられる点が異なり、他は等しい。第8実
施形態の複写機内で、第1〜第7実施形態の複写機内の
部品と同じ部品には同じ参照符を付し、説明は省略す
る。さらに、第8実施形態の複写機に関する説明のうち
で、第1〜第7実施形態の複写機の説明と同じ部分の記
載は省略する。
【0177】第3〜第7実施形態で述べた通り、文字モ
ードが指定された場合のフィルタ処理のエッジ強調成分
を強くし、写真モードが選択された場合のフィルタ処理
のエッジ強調成分の強さを弱くすると、それぞれのモー
ドにおけるフィルタ処理後の画像の画質が良くなる。ま
た、変倍率が大きいほどエッジ強調成分を強くしたほう
が、フィルタ処理後の画像の画質が良くなる。これらの
ことから、操作者が指定したモードおよび変倍率に基づ
いてエッジ強調成分の強さを調整すると、フィルタ処理
後の画像の画質が、フィルタ処理前の画像の画質よりも
さらに良くなる。具体的には、前記エッジ強調の強さ
は、文字モードが選択される場合、文字・写真モードが
選択される場合、写真モードが選択される場合の順で小
さくなり、かつ、変倍率が大きいほど大きくなる。フィ
ルタのエッジ強調成分を増減させた場合と同じ効果が得
られる。前記エッジ強調の強さが大きいほど、参照濃度
は大きく設定される。
【0178】表8は、複写機の第3設定条件のうちで代
表的なものにそれぞれ対応する基準濃度を示す。第3設
定条件とは、変倍率と指定されたモードとの組合わせを
指し、以下の表8に示すもの以外のものもある。表8に
示す基準濃度の数値は、実験的に求められたものであ
り、複写機に用いられる撮影素子の仕様に応じて変化す
る。表6に示す変倍率および指定されたモードの組合わ
せに対応する基準濃度の大小関係は、撮影素子の仕様に
拘わらず変わらない。表8に示す各組合わせの基準濃度
は、複写機にさらに領域分離部83が加えられている場
合であっても、注目画素がどの領域に含まれているかに
かかわらず、最も画質の良い画像を出力するのに適して
いる。
【0179】
【表8】
【0180】図25は、第8実施形態のフィルタ部内の
演算部141の機能的構成を具体的に示すブロック図で
ある。演算部141は、第1および第2比較器71,7
4と選択器75とに加えて、参照濃度設定部142を含
む。参照濃度設定部142は、第2比較器74よりも信
号流れ上流側に設けられる。参照濃度設定部142は、
第3設定条件、すなわち指定されたモードと指定された
変倍率との組合わせに応じて、参照濃度を設定する。
【0181】参照濃度設定部142は、具体的には、基
準濃度記憶部143と切換え制御部144とマルチプレ
クサ145とを含む。基準濃度記憶部143は、前述の
複数の予め定める第3設定条件に応じた複数の基準濃度
を記憶する。基準濃度記憶部143とマルチプレクサ1
45との接続関係は、第3実施形態の基準濃度記憶部9
3とマルチプレクサ95との接続関係と等しい。切換制
御部144は、複数の前記第3設定条件にそれぞれ対応
する制御信号selの具体的な値を示す真理値表を、テ
ーブルとして備える。表9は、前記真理値表を示す。切
換え制御部144は、操作者が指定したモードおよび変
倍率に応じて、前記テーブルを参照して、マルチプレク
サ145を制御するための制御信号selの値を定め
る。マルチプレクサ145は、制御信号selに応答し
て、前記複数の基準濃度のうちから制御信号selによ
って特定されるいずれか1つの基準濃度を取得する。こ
の結果、操作者が指定したモードおよび変倍率の組合わ
せに応じた基準濃度が、参照濃度として、第2比較器7
4に与えられる。第2比較器74は、与えられた参照濃
度を用いて処理を行う。
【0182】
【表9】
【0183】たとえば、変倍率が200%、すなわち画
像が拡大され、かつ、文字モードが指定された場合、制
御信号selは「01000」に設定される。これによ
って、マルチプレクサ145は、全ての基準濃度のうち
で最も大きいもの、たとえば120を、選ぶ。この結
果、第1実施形態のフィルタ処理の有効範囲が最も狭く
なるので、フィルタ処理後の画像がめりはりの利いた画
像になる。しかも、注目画素の濃度が120以上である
場合、第1実施形態のフィルタ処理が施されるので、画
像内の黒ベタ部の白抜けは防止することができる。ま
た、変倍率が50%、すなわち画像が縮小され、かつ、
写真モードが指定される場合、制御信号selは「11
1111」に設定される。この結果、マルチプレクサ1
35は、全ての基準濃度のうちで最も小さいもの、たと
えば10を選ぶ。この結果、第1実施形態のフィルタ処
理の有効範囲が最も広くなるので、フィルタ処理後の画
像が滑らかな画像になる。しかも、濃度が10以上の画
素が注目画素である場合、第1実施形態のフィルタ処理
が施されるので、画像内の黒ベタ部の白抜けが防止さ
れ、かつ、画像内の文字も鮮明になる。なお、第8実施
形態の複写機は、第6および第7実施形態の複写機と比
較して、領域分離部83が含まれていないので、複写機
全体の回路構成が小さくなりるため、複写機のコストを
低減させることができる。
【0184】以下に、本発明の第9実施形態である画像
処理装置を含む複写機について説明する。第9実施形態
の複写機は、第1実施形態の複写機31と比較して、前
記変倍機能と前記モード設定機能と領域分離部83とが
追加され、さらに、フィルタ部44内の演算部57が以
下に説明する演算部151に置換えられる点が異なり、
他は等しい。第9実施形態の複写機内で、第1〜第8実
施形態の複写機内の部品と同じ部品には同じ参照符を付
し、説明は省略する。さらに、第9実施形態の複写機に
関する説明のうちで、第1〜第8実施形態の複写機の説
明と同じ部分の記載は省略する。
【0185】第3〜第7実施形態で述べた通り、文字モ
ードが指定された場合のフィルタ処理のエッジ強調成分
を強くし、写真モードが選択された場合のフィルタ処理
のエッジ強調成分の強さを弱くすると、それぞれのモー
ドにおけるフィルタ処理後の画像の画質が良くなる。ま
た、変倍率が大きいほどエッジ強調成分を強くしたほう
が、フィルタ処理後の画像の画質が良くなる。さらに、
原稿内に特徴量が異なる複数の領域がある場合、注目画
素がどの領域に含まれるかに応じてフィルタ処理のエッ
ジ強調成分の強さを調整すると、フィルタ処理後の画像
の画質が良くなる。すなわち、注目画素が文字領域内に
含まれる場合、エッジ強調成分を強くし、注目画素が写
真領域内に含まれる場合、エッジ強調成分を弱くすると
良い。
【0186】これらのことから、操作者が指定したモー
ドおよび変倍率ならびに注目画素が含まれる領域に基づ
いて、エッジ強調成分の強さを調整すると、フィルタ処
理後の画像の画質が、フィルタ処理前の画像の画質より
もさらに良くなる。具体的には、前記エッジ強調の強さ
は、文字モードが選択される場合、文字・写真モードが
選択される場合、写真モードが選択される場合の順で小
さくなり、かつ、変倍率が大きいほど大きくなり、さら
に、注目画素が文字領域に含まれる場合、注目画素が網
点領域に含まれる場合、注目画素が写真領域に含まれる
場合の順で小さくなる。フィルタのエッジ強調成分を増
減させた場合と同じ効果が得られる。前記エッジ強調の
強さが大きいほど、参照濃度は大きく設定される。
【0187】表10は、複写機の第4設定条件のうちで
代表的なものにそれぞれ対応する基準濃度を示す。第4
設定条件とは、変倍率とモードと注目画素が含まれる領
域との組合わせを指し、以下の表10に示すもの以外の
ものもある。表10に示す基準濃度の具体値は、実験的
に求められたものである。すなわち、任意の1つの第4
設定条件に対応する基準濃度は、以下の手順で定義され
た。前記任意の第4設定条件を複写機に設定し、参照濃
度を仮に設定して、複写機に原稿を取込ませて画像を印
刷させる。これを参照濃度を変えつつ複数回繰り返し、
印刷された複数枚の画像を操作者が目視して、画質が最
も良い画像が得られた場合の仮の参照濃度を、該第4設
定条件に対応する基準濃度として定義する。表10に示
す基準濃度の具体的な値、複写機に用いられる撮影素子
の仕様に応じて変化する。表10に示す変倍率および指
定されたモードの組合わせに対応する基準濃度の大小関
係は、撮影素子の仕様に拘わらず変わらない。
【0188】
【表10】
【0189】図26は、第9実施形態のフィルタ部内の
演算部151の機能的構成を具体的に示すブロック図で
ある。演算部151は、第1および第2比較器71,7
4と選択器75とに加えて、参照濃度設定部152を含
む。参照濃度設定部152は、第2比較器74よりも信
号流れ上流側に設けられる。参照濃度設定部152は、
第4設定条件、すなわち指定されたモードと指定された
変倍率と注目画素が含まれる領域との組合わせに応じ
て、参照濃度を設定する。設定された参照濃度は、第2
比較器74に与えられる。
【0190】参照濃度設定部152は、具体的には、基
準濃度記憶部153と切換え制御部154とマルチプレ
クサ155とを含む。基準濃度記憶部153は、前述の
複数の予め定める第4設定条件に応じた複数の基準濃度
を記憶する。基準濃度記憶部153とマルチプレクサ1
55との接続関係は、第3実施形態の基準濃度記憶部9
3とマルチプレクサ95との接続関係と等しい。切換制
御部154は、複数の前記第4設定条件にそれぞれ対応
する制御信号selの具体的な値を示す真理値表を、テ
ーブルとして備える。表11は、前記真理値表を示す。
切換え制御部154は、操作者が指定したモードおよび
変倍率と、領域分離部83によって検出された注目画素
が含まれる領域とに応じて、前記テーブルを参照して、
マルチプレクサ155を制御するための制御信号sel
の値を定める。マルチプレクサ155は、制御信号se
lに応答して、前記複数の基準濃度のうちから制御信号
selによって特定されるいずれか1つの基準濃度を取
得する。この結果、操作者が指定したモードおよび変倍
率の組合わせに応じた基準濃度が、参照濃度として、第
2比較器74に与えられる。
【0191】
【表11】
【0192】たとえば、変倍率が200%、すなわち画
像が拡大され、かつ、文字モードが指定され、さらに、
注目画素が文字領域に含まれると判定される場合、制御
信号selは「000000」に設定される。これによ
って、マルチプレクサ155は、全ての基準濃度のうち
で最も大きいもの、たとえば120を、選ぶ。この結
果、第1実施形態のフィルタ処理の有効範囲が最も狭く
なるので、フィルタ処理後の画像がめりはりの利いた画
像になる。しかも、注目画素の濃度が120以上である
場合、第1実施形態のフィルタ処理が施されるので、画
像内の黒ベタ部の白抜けは防止することができる。ま
た、変倍率が50%、すなわち画像が縮小され、かつ、
写真モードが指定され、さらに注目画素が写真領域に含
まれると判定される場合、制御信号selは「1111
11」に設定される。この結果、マルチプレクサ155
は、全ての基準濃度のうちで最も小さいもの、たとえば
10を選ぶ。この結果、第1実施形態のフィルタ処理の
有効範囲が最も広くなるので、フィルタ処理後の画像が
滑らかな画像になる。しかも、濃度が10以上の画素が
注目画素である場合、第1実施形態のフィルタ処理が施
されるので、画像内の黒ベタ部の白抜けが防止され、か
つ、画像内の文字も鮮明になる。
【0193】以下に、本発明の第10実施形態である画
像処理装置を含む複写機について説明する。第7実施形
態の複写機は、第1実施形態の複写機31と比較して、
処理対象の画像がカラー画像であり、後述の色変換処理
が追加され、フィルタ部44が以下に説明するフィルタ
部161に置換えられる点が異なり、他は等しい。第1
0実施形態の複写機内で、第1〜第9実施形態の複写機
内の部品と同じ部品には同じ参照符を付し、説明は省略
する。さらに、第10実施形態の複写機に関する説明の
うちで、第1〜第9実施形態の複写機の説明と同じ部分
の記載は省略する。
【0194】第10実施形態の複写機の読取り装置は、
処理対象の原稿を読取って、カラー画像を示す画像デー
タを生成する。この場合、画像データは、画像を構成す
る複数の画素の色をそれぞれ示す複数の画素データから
構成される。一般的に、AD変換器34から出力された
時点では、任意の1つの画素データは、いわゆるRGB
形式であり、画像の色を示すために、赤の色成分と青の
色成分と緑の色成分とから構成される。
【0195】RGB形式の画素データは、いわゆる色変
換処理によって、色相成分と彩度成分と明度成分とから
構成されるいわゆるHSV形式の画素データに変換され
る。明度成分は、画素の明度、すなわち濃度を表す。前
記色変換処理は、たとえば、図27に示すように、いわ
ゆる三次元ルックアップテーブルを用いて、行われる。
前記三次元ルックアップテーブルは、色相、彩度、明度
それぞれに個別に設定されており、上述の3つの色成分
の組合わせに応じて、色相、彩度、明度がそれぞれ定ま
る。また、前記色変換処理は、上記3つの色成分をパラ
メータとする予め定める変換式を用いても良い。前記色
変換処理は、AD変換部からフィルタ部までの部分のど
の時点で行われても良い。この結果、フィルタ部161
に画素データが与えられる時点では、画素データはHS
V形式になっている。
【0196】図28は、フィルタ部161の概略的な構
成を示すブロック図である。フィルタ部161は、複数
本のラインメモリ51(1)〜51(N)とフィルタ5
2とに加えて、1または複数本の色相用および彩度用ラ
インメモリを162,163を含む。画素データのう
ち、明度成分だけが、フィルタ演算部52と前記先頭の
ラインメモリ51(1)の先頭のセルとに与えられる。
画素データのうちの色相成分および彩度成分は、色相用
および彩度用ラインメモリ162,163の先頭のセル
にそれぞれ与えられる。フィルタ演算部52は、モノク
ロ画像の画素データに代わって、カラー画像の画素デー
タ内の明度成分を用いて、第1〜第9実施形態で説明し
た処理を行う。色相用および彩度用ラインメモリ16
2,163は、色相成分および彩度成分がフィルタ部1
61から出力されるタイミングを調整するために設けら
れている。すなわち、色相用および彩度用ラインメモリ
162,163は、フィルタ演算部52から出力される
補正後の明度成分が、該明度成分の補正前のものと組合
わされていた色相および彩度成分と同時に、出力用γ処
理部に与えられるように、色相および彩度成分を遅延さ
せている。
【0197】1本の色相用および彩度用ラインメモリ1
62,163のセルの数が、1本のラインメモリ51
(1)と同じであり、フィルタ演算部52の処理対象の
領域がN画素×N画素の領域である場合、明度成分のた
めのラインメモリ51はN−1本必要であり、色相用お
よび彩度用ラインメモリは明度成分のためのラインメモ
リの本数の半分、すなわち(N―1)/2本必要とな
る。
【0198】このように、第10実施形態の複写機の画
像処理装置は、画素データ内の明度成分、すなわち画素
の濃度にだけフィルタ処理を施す。この結果、画像の明
るさに関する画質を調整することができる。したがっ
て、製造コストが低い構成を用いて、処理後の画像の画
質を高くすることができる。なお、本実施形態では色相
成分および彩度成分はタイミング調整のための遅延処理
しか施していないが、色相および彩度成分にも、画質の
調整に関する最適な加工処理を施してもよい。これによ
って、さらに、処理後の画像の画質を向上させることが
できる。
【0199】第1〜第10実施形態の画像処理装置は本
発明の画像処理装置の例示であり、主要な動作が等しけ
れば、他の様々な形で実施することができる。特に各部
の詳細な動作は、同じ処理結果が得られれば、これに限
らず他の動作によって実現されてもよい。また、これら
画像処理装置は、複写機内に備えられるだけに限らず、
画像処理装置単体で用いられても良く、画像処理を伴う
処理を行う他の装置と合わせて用いられても良い。さら
に、これらの画像処理装置の機能的構成のうち、フィル
タ以外の部41〜43,45〜47が、その一部または
全部を省略してもよい。
【0200】さらに、これら画像処理装置は、コンピュ
ータの演算処理で実現されてもよい。コンピュータを前
記画像処理装置として動作させるには、上述の画像処理
のための演算をコンピュータの中央演算処理回路に行わ
せるためのソフトウエアを、コンピュータによって読出
し可能な記憶媒体に記憶させ、このソフトウエアを画像
データの入力と記憶とが可能なコンピュータにインスト
ールする。この後、インストールされたソフトウエアに
基づいて中央演算処理回路を動作させれば、コンピュー
タ全体が本発明の画像処理装置として働く。前記記憶媒
体には、CD−ROMおよびフロッピーディスクが挙げ
られる。
【0201】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、画像処理
装置は、まず、従来技術と同じフィルタ処理によって注
目画素の濃度の重み付け平均値を求め、前記補正後の濃
度が前記注目画素の補正前の濃度未満である場合だけ、
注目画素の補正前の濃度を前記重み付け平均値に置換え
る。これによって、前記画像処理装置で処理された画像
において、文字が鮮明になり、かつ、網点写真が写る部
分に生じるモアレが軽減される。さらに前記画像内で、
黒ベタが写る部分にいわゆる白抜けが生じることが、防
止される。
【0202】また本発明によれば、画像処理装置は、さ
らに、前記注目画素の補正前の濃度と予め定める参照濃
度とを比較して、前記補正前の濃度が前記参照濃度未満
である場合に、注目画素の補正後の濃度を前記重付け平
均値に置換える。これによって、前記画像処理で処理さ
れた画像において、前記文字をさらに鮮明に表示するこ
とができると共に、画像内の網点写真が写る部分にモア
レがさらに軽減され、さらに、画像内の黒べたが写る部
分に白抜けが生じることをさらに確実に防止することが
できる。
【0203】さらにまた本発明によれば、前記画像処理
装置は、原稿と処理対象の画像の比率、原稿に応じたモ
ード、および画像内の注目画素が含まれる領域の特徴量
のうちの少なくとも1つに応じて、前記参照濃度を設定
する。この結果、前記画像処理装置は、上述の3つの条
件のうち参照濃度の設定に用いた少なくとも1つの条件
に応じて、処理後の画像の画質を最も良くすることがで
きる。
【0204】また本発明によれば、前記画像処理装置
は、前記処理対象の画像がカラー画像である場合、画素
の色を定義するための3要素のうちの濃度に対して、上
述のフィルタ処理を施す。この結果、前記画像処理装置
は、処理対象の画像がカラー画像である場合も、画素の
濃度の補正に起因するモアレを軽減することができると
同時に、画像内の黒べた部に白抜けができることを防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である画像処理装置35
を含む複写機31の電気的構成を示すブロック図であ
る。
【図2】第1実施形態の複写機31の機械的構成を示す
模式図である。
【図3】第1実施形態の画像処理装置35内のフィルタ
部44の概略的な構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態の画像処理装置35内のフィルタ
部44内のフィルタ演算部52の具体的な構成を示すブ
ロック図である。
【図5】フィルタ演算部52内の演算部57の具体的な
構成を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態の画像処理装置35内のフィルタ
部44のフィルタ処理の効果を説明するための図であ
る。
【図7】予め定める試験用原稿を第1実施形態の複写機
31に読取らせて得られる画像である。
【図8】本発明の第2実施形態である画像処理装置を含
む複写機において、画像処理装置内のフィルタ部内の演
算部78の具体的な構成を示すブロック図である。
【図9】第2実施形態の画像処理装置において、処理対
象の画像内の黒べた部をフィルタ処理する場合の処理手
順を示す模式図である。
【図10】第2実施形態の画像処理装置において、処理
対象の画像内の文字部をフィルタ処理する場合の処理手
順を示す模式図である。
【図11】第2実施形態の画像処理装置内のフィルタ部
のフィルタ処理の効果を説明するための図である。
【図12】本発明の第3実施形態である画像処理装置8
2を含む複写機81の電気的構成を示すブロック図であ
る。
【図13】第3実施形態の画像処理装置82内の領域分
離部83が行う領域分離処理を説明するためのフローチ
ャートである。
【図14】前記領域分離処理に用いられる複数のルック
アップテーブルと、予め定める第1特徴量との関係を示
す図である。
【図15】前記ルックアップテーブルのうちの任意の1
つにおいて、予め定める第2および第3特徴量と領域分
離処理の分離結果との関係を示す図である。
【図16】第3実施形態の画像処理装置内のフィルタ部
内の演算部91の具体的な構成を示すブロック図であ
る。
【図17】予め定める試験用原稿を第3実施形態の複写
機に読取らせて得られる画像である。
【図18】図7に示す画像の部分拡大図である。
【図19】図17に示す画像の部分拡大図である。
【図20】本発明の第4実施形態の画像処理装置を含む
複写機において、変倍率と画像の濃度パターンとの関係
を説明するための図である。
【図21】第4実施形態の複写機内の画像処理装置内の
フィルタ部内の演算部101の具体的な構成を示すブロ
ック図である。
【図22】本発明の第5実施形態である画像処理装置を
含む複写機において、画像処理装置内のフィルタ部内の
演算部111の具体的な構成を示すブロック図である。
【図23】本発明の第6実施形態である画像処理装置を
含む複写機において、画像処理装置内のフィルタ部内の
演算部121の具体的な構成を示すブロック図である。
【図24】本発明の第7実施形態である画像処理装置を
含む複写機において、画像処理装置内のフィルタ部内の
演算部131の具体的な構成を示すブロック図である。
【図25】本発明の第8実施形態である画像処理装置を
含む複写機において、画像処理装置内のフィルタ部内の
演算部141の具体的な構成を示すブロック図である。
【図26】本発明の第9実施形態である画像処理装置を
含む複写機において、画像処理装置内のフィルタ部内の
演算部151の具体的な構成を示すブロック図である。
【図27】本発明の第10実施形態である画像処理装置
を含む複写機において、画像処理装置内で行われる色変
換処理を概略的に示す図である。
【図28】第10実施形態の画像処理装置内のフィルタ
部161の構成を示すブロック図である。
【図29】第1の従来技術の画像処理装置5を含む複写
機1の電気的構成を示すブロック図である。
【図30】予め定める試験用原稿を第1の従来技術の複
写機1に読取らせて得られる画像である。
【図31】第2の従来技術の画像処理装置15を含む複
写機14の電気的構成を示すブロック図である。
【図32】第2の従来技術の画像処理装置15内のフィ
ルタ部16が行うフィルタ処理を説明するための図であ
る。
【図33】第2の従来技術の画像処理装置15内のフィ
ルタ部16が用いるフィルタを示す図である。
【図34】予め定める試験用原稿を第2の従来技術の複
写機1に読取らせて得られる画像である。
【符号の説明】 31 複写機 35,82 画像処理装置 44,84,161 フィルタ部 55 平均値演算部 56 制限部 57,91,101,111,121,131,14
1,151 演算部 71 第1比較器 74 第2比較器 75 選択器 83 領域分離部 92,102,112,122,132,142,15
2 参照濃度設定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−181168(JP,A) 特開 平8−125866(JP,A) 特開 平10−93824(JP,A) 特開 平7−274018(JP,A) 特開 平6−343129(JP,A) 特開 昭61−128680(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/40 - 1/409 H04N 1/46 H04N 1/60

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の反転濃度画素から構成される画像
    内のいずれか1つの画素を注目画素として選択し、該注
    目画素を含み予め定める数の画素から構成される前記画
    像内の領域を、処理対象の対象領域として指定する領域
    指定手段と、前記対象領域内の全ての画素それぞれと前
    記注目画素との位置関係に応じた複数の重み係数を用い
    て、前記全ての画素の濃度の重み付け平均演算を行い、
    前記全ての画素の濃度の重み付け平均値を求める平均値
    算出手段と、 前記重み付け平均値を、予め定める上限濃度以下であり
    かつ予め定める下限濃度以上に、制限する制限手段と、 前記制限手段で制限された前記重み付け平均値と、前記
    注目画素の濃度とを比較する第1比較手段と、 前記第1比較手段の比較結果に応答し、前記注目画素の
    濃度が前記制限された重み付け平均値未満である場合、
    前記注目画素の濃度を前記重み付け平均値に置換え、前
    記注目画素の濃度が前記制限された重み付け平均値以上
    である場合、前記注目画素の濃度をそのまま保つ濃度置
    換え手段とを含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記注目画素の濃度と予め定める参照濃
    度とを比較する第2比較手段をさらに含み、 前記濃度置換え手段は、さらに、前記第2比較手段の比
    較結果に応答し、前記注目画素の濃度が前記参照濃度未
    満である場合、前記注目画素の濃度を前記制限された重
    付け平均値に置換えることを特徴とする請求項1記載の
    画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記処理対象の画像を、文字が写る文字
    領域と、中間調画像方式が用いて表現される点画が写る
    網点領域と、階調のある画素から構成される写真が写る
    写真領域とに分離する分離手段と、 前記文字領域と前記網点領域と前記写真領域とのうちか
    ら、前記注目画素が含まれるいずれか1つの領域を選
    び、選ばれた前記領域に応じて、前記第2比較手段で用
    いられる前記参照濃度を設定する参照濃度設定手段とを
    さらに含み、前記文字領域が選ばれた場合に設定される
    参照濃度は、前記写真領域が選ばれた場合に設定される
    参照濃度よりも高く、前記写真領域が選ばれた場合に設
    定される参照濃度は、前記網点領域が選ばれた場合に設
    定される参照濃度よりも高いことを特徴とする請求項2
    記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 処理対象の原稿の表面を読取って前記画
    像を生成し、かつ、前記原稿に対する前記画像の大きさ
    の比率が可変である画像生成手段と、前記比率に応じ
    て、前記第2比較手段で用いられる前記参照濃度を設定
    する参照濃度設定手段とをさらに含み、 前記比率が大きいほど、前記参照濃度は高く設定される
    ことを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 文字原稿を処理するための予め定める文
    字モードと、写真原稿を処理するための予め定める写真
    モードとのうちのいずれか一方を指定するためのモード
    指定手段と、 指定されたモードに応じて、前記第2比較手段で用いら
    れる前記参照濃度を設定する参照濃度設定手段とをさら
    に含み、 前記文字モードが指定された場合に設定される参照濃度
    は、前記写真モードが指定された場合に設定される参照
    濃度よりも高いことを特徴とする請求項2記載の画像処
    理装置。
  6. 【請求項6】 文字原稿を処理するための予め定める文
    字モードと、文字および写真が写る画像を処理するため
    の予め定める混在原稿モードとのうちのいずれか一方を
    指定するためのモード指定手段と、 指定されたモードに応じて、前記第2比較手段で用いら
    れる前記参照濃度を設定する参照濃度設定手段とをさら
    に含み、 前記文字モードが指定された場合に設定される参照濃度
    は、前記混在原稿モードが指定された場合に設定される
    参照濃度よりも高いことを特徴とする請求項2記載の画
    像処理装置。
  7. 【請求項7】 文字および写真が写る画像を処理するた
    めの予め定める混在原稿モードと、写真原稿を処理する
    ための予め定める写真モードとのうちのいずれか一方を
    指定するためのモード指定手段と、 指定されたモードに応じて、前記第2比較手段で用いら
    れる前記参照濃度を設定する参照濃度設定手段とをさら
    に含み、 前記混在原稿モードが指定された場合に設定される参照
    濃度は、前記写真モードが指定された場合に設定される
    参照濃度よりも高いことを特徴とする請求項2記載の画
    像処理装置。
  8. 【請求項8】 処理対象の原稿の表面を読取って前記画
    像を生成し、かつ、前記原稿に対する前記画像の大きさ
    の比率が可変である画像生成手段と、 前記処理対象の画像を、文字が写る文字領域と、中間調
    画像方式が用いて表現される点画が写る網点領域と、階
    調のある画素から構成される写真が写る写真領域とに分
    離する分離手段と、 前記文字領域と前記網点領域と前記写真領域とのうちか
    ら、前記注目画素が含まれるいずれか1つの領域を選
    び、選ばれた前記領域と前記比率とに応じて、前記第2
    比較手段が用いる前記参照濃度を設定する参照濃度設定
    手段とをさらに含み、前記比率が高いほど、前記参照濃
    度は高く設定され、かつ、前記文字領域が選ばれた場合
    に設定される参照濃度は、前記写真領域が選ばれた場合
    に設定される参照濃度よりも高く、前記写真領域が選ば
    れた場合に設定される参照濃度は、前記網点領域が選ば
    れた場合に設定される参照濃度よりも高いことを特徴と
    する請求項2記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】 処理対象の原稿の表面を読取って前記画
    像を生成し、かつ、前記原稿に対する前記画像の大きさ
    の比率が可変である画像生成手段と、 文字原稿を処理するための予め定める文字モードと、写
    真原稿とを処理するための予め定める写真モードとのう
    ちのいずれか一方を指定するためのモード指定手段と、 前記指定されたモードと前記比率とに応じて、前記第2
    比較手段で用いられる前記参照濃度を設定する参照濃度
    設定手段とをさらに含み、 前記比率が高いほど、前記参照濃度は高く設定され、か
    つ、前記文字モードが指定された場合に設定される参照
    濃度は、前記写真モードが指定された場合に設定される
    参照濃度よりも高いことを特徴とする請求項2記載の画
    像処理装置。
  10. 【請求項10】 処理対象の原稿の表面を読取って前記
    画像を生成し、かつ、前記原稿に対する前記画像の大き
    さの比率が可変である画像生成手段と、 文字原稿を処理するための予め定める文字モードと、文
    字および写真が写る画像を処理するための予め定める混
    在原稿モードとのうちのいずれか一方を指定するための
    モード指定手段と、 前記指定されたモードと前記比率とに応じて、前記第2
    比較手段で用いられる前記参照濃度を設定する参照濃度
    設定手段とをさらに含み、 前記比率が高いほど、前記参照濃度は高く設定され、か
    つ、前記文字モードが指定された場合に設定される参照
    濃度は、前記混在原稿モードが指定された場合に設定さ
    れる参照濃度よりも高いことを特徴とする請求項2記載
    の画像処理装置。
  11. 【請求項11】 処理対象の原稿の表面を読取って前記
    画像を生成し、かつ、前記原稿に対する前記画像の大き
    さの比率が可変である画像生成手段と、 文字および写真が写る画像を処理するための予め定める
    混在原稿モードと、写真原稿を処理するための予め定め
    る写真モードとのうちのいずれか一方を指定するための
    モード指定手段と、 前記指定されたモードと前記比率とに応じて、前記第2
    比較手段で用いられる前記参照濃度を設定する参照濃度
    設定手段とをさらに含み、 前記比率が高いほど、前記参照濃度は高く設定され、か
    つ、前記混在原稿モードが指定された場合に設定される
    参照濃度は、前記写真モードが指定された場合に設定さ
    れる参照濃度よりも高いことを特徴とする請求項2記載
    の画像処理装置。
  12. 【請求項12】 前記処理対象の画像を、文字が写る文
    字領域と、中間調画像方式が用いて表現される点画が写
    る網点領域と、階調のある画素から構成される写真が写
    る写真領域とに分離する分離手段と、 文字原稿を処理するための予め定める文字モードと、写
    真原稿を処理するための予め定める写真モードとのうち
    のいずれか一方を指定するためのモード指定手段と、 前記文字領域と前記網点領域と前記写真領域とのうちか
    ら、前記注目画素が含まれるいずれか1つの領域を選
    び、選ばれた前記領域と前記指定されたモードとに応じ
    て、前記第2比較手段で用いられる参照濃度を設定する
    参照濃度設定手段とをさらに含み、前記文字領域が選ば
    れる場合に設定される参照濃度は、前記写真領域が選ば
    れた場合に設定される参照濃度よりも高く、前記網点領
    域が選ばれた場合に設定される参照濃度は、前記写真領
    域が選ばれた場合に設定される参照濃度よりも高く、か
    つ、前記文字モードが指定された場合に設定される参照
    濃度は、前記写真モードが指定された場合に設定される
    参照濃度よりも高いことを特徴とする請求項2記載の画
    像処理装置。
  13. 【請求項13】 前記処理対象の画像を、文字が写る文
    字領域と、中間調画像方式が用いて表現される点画が写
    る網点領域と、階調のある画素から構成される写真が写
    る写真領域とに分離する分離手段と、 文字原稿を処理するための予め定める文字モードと、文
    字および写真が写る画像を処理するための予め定める混
    在原稿モードとのうちのいずれか一方を指定するための
    モード指定手段と、 前記文字領域と前記網点領域と前記写真領域とのうちか
    ら、前記注目画素が含まれるいずれか1つの領域を選
    び、選ばれた前記領域と前記指定されたモードとに応じ
    て、前記第2比較手段で用いられる参照濃度を設定する
    参照濃度設定手段とをさらに含み、前記文字領域が選ば
    れる場合に設定される参照濃度は、前記写真領域が選ば
    れた場合に設定される参照濃度よりも高く、前記網点領
    域が選ばれた場合に設定される参照濃度は、前記写真領
    域が選ばれた場合に設定される参照濃度よりも高く、か
    つ、前記文字モードが指定された場合に設定される参照
    濃度は、前記混在原稿モードが指定された場合に設定さ
    れる参照濃度よりも高いことを特徴とする請求項2記載
    の画像処理装置。
  14. 【請求項14】 前記処理対象の画像を、文字が写る文
    字領域と、中間調画像方式が用いて表現される点画が写
    る網点領域と、階調のある画素から構成される写真が写
    る写真領域とに分離する分離手段と、 文字および写真が写る画像を処理するための予め定める
    混在原稿モードと、写真原稿を処理するための予め定め
    る写真モードとのうちのいずれか一方を指定するための
    モード指定手段と、 前記文字領域と前記網点領域と前記写真領域とのうちか
    ら、前記注目画素が含まれるいずれか1つの領域を選
    び、選ばれた前記領域と前記指定されたモードとに応じ
    て、前記第2比較手段で用いられる参照濃度を設定する
    参照濃度設定手段とをさらに含み、前記文字領域が選ば
    れる場合に設定される参照濃度は、前記写真領域が選ば
    れた場合に設定される参照濃度よりも高く、前記網点領
    域が選ばれた場合に設定される参照濃度は、前記写真領
    域が選ばれた場合に設定される参照濃度よりも高く、か
    つ、前記混在原稿モードが指定された場合に設定される
    参照濃度は、前記写真モードが指定された場合に設定さ
    れる参照濃度よりも高いことを特徴とする請求項2記載
    の画像処理装置。
  15. 【請求項15】 処理対象の原稿の表面を読取って前記
    画像を生成し、かつ、前記原稿に対する前記画像の大き
    さの比率が可変である画像生成手段と、前記処理対象の
    画像を、文字が写る文字領域と、中間調画像方式が用い
    て表現される点画が写る網点領域と、階調のある画素か
    ら構成される写真が写る写真領域とに分離する分離手段
    と、 文字原稿を処理するための予め定める文字モードと、写
    真原稿を処理するための予め定める写真モードとのうち
    のいずれか一方を指定するためのモード指定手段と、 前記文字領域と前記網点領域と前記写真領域とのうちか
    ら、前記注目画素が含まれるいずれか1つの領域を選
    び、選ばれた前記領域と前記指定されたモードと前記比
    率とに応じて、前記第2比較手段で用いられる参照濃度
    を設定する参照濃度設定手段とをさらに含み、前記比率
    が高いほど前記参照濃度は高く設定され、かつ、前記文
    字モードが指定された場合に設定される参照濃度は、前
    記写真モードが指定された場合に設定される参照濃度よ
    りも高く、さらに、前記文字領域が選ばれた場合に設定
    される参照濃度は、前記写真領域が選ばれた場合に設定
    される参照濃度よりも高く、前記網点領域が選ばれた場
    合に設定される参照濃度は、前記写真領域が選ばれた場
    合に設定される参照濃度よりも高いことを特徴とする請
    求項2記載の画像処理装置。
  16. 【請求項16】 処理対象の原稿の表面を読取って前記
    画像を生成し、かつ、前記原稿に対する前記画像の大き
    さの比率が可変である画像生成手段と、前記処理対象の
    画像を、文字が写る文字領域と、中間調画像方式が用い
    て表現される点画が写る網点領域と、階調のある画素か
    ら構成される写真が写る写真領域とに分離する分離手段
    と、 文字原稿を処理するための予め定める文字モードと、文
    字および写真が写る画像を処理するための予め定める混
    在原稿モードとのうちのいずれか一方を指定するための
    モード指定手段と、 前記文字領域と前記網点領域と前記写真領域とのうちか
    ら、前記注目画素が含まれるいずれか1つの領域を選
    び、選ばれた前記領域と前記指定されたモードと前記比
    率とに応じて、前記第2比較手段で用いられる参照濃度
    を設定する参照濃度設定手段とをさらに含み、前記比率
    が高いほど前記参照濃度は高く設定され、かつ、前記文
    字モードが指定された場合に設定される参照濃度は、前
    記混在原稿モードが指定された場合に設定される参照濃
    度よりも高く、さらに、前記文字領域が選ばれた場合に
    設定される参照濃度は、前記写真領域が選ばれた場合に
    設定される参照濃度よりも高く、前記網点領域が選ばれ
    た場合に設定される参照濃度は、前記写真領域が選ばれ
    た場合に設定される参照濃度よりも高いことを特徴とす
    る請求項2記載の画像処理装置。
  17. 【請求項17】 処理対象の原稿の表面を読取って前記
    画像を生成し、かつ、前記原稿に対する前記画像の大き
    さの比率が可変である画像生成手段と、前記処理対象の
    画像を、文字が写る文字領域と、中間調画像方式が用い
    て表現される点画が写る網点領域と、階調のある画素か
    ら構成される写真が写る写真領域とに分離する分離手段
    と、 文字および写真が写る画像を処理するための予め定める
    混在原稿モードと、写真原稿を処理するための予め定め
    る写真モードとのうちのいずれか一方を指定するための
    モード指定手段と、 前記文字領域と前記網点領域と前記写真領域とのうちか
    ら、前記注目画素が含まれるいずれか1つの領域を選
    び、選ばれた前記領域と前記指定されたモードと前記比
    率とに応じて、前記第2比較手段で用いられる参照濃度
    を設定する参照濃度設定手段とをさらに含み、前記比率
    が高いほど前記参照濃度は高く設定され、かつ、前記混
    在原稿モードが指定された場合に設定される参照濃度
    は、前記写真モードが指定された場合に設定される参照
    濃度よりも高く、さらに、前記文字領域が選ばれた場合
    に設定される参照濃度は、前記写真領域が選ばれた場合
    に設定される参照濃度よりも高く、前記網点領域が選ば
    れた場合に設定される参照濃度は、前記写真領域が選ば
    れた場合に設定される参照濃度よりも高いことを特徴と
    する請求項2記載の画像処理装置。
  18. 【請求項18】 前記画像の各画素の色は、前記濃度と
    彩度と色相とによって定められ、 前記平均値算出手段と前記第1比較手段と前記濃度置換
    え手段とは、前記濃度に対して処理を行うことを特徴と
    する請求項1記載の画像処理装置。
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