JP3503647B2 - 水性塗被用組成物 - Google Patents

水性塗被用組成物

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JP3503647B2 JP28609593A JP28609593A JP3503647B2 JP 3503647 B2 JP3503647 B2 JP 3503647B2 JP 28609593 A JP28609593 A JP 28609593A JP 28609593 A JP28609593 A JP 28609593A JP 3503647 B2 JP3503647 B2 JP 3503647B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水性塗被用組成物に関
し、更に詳しくは、塗被むら等がなく、耐ブロッキング
性、耐水性、耐溶剤性及び密着性に優れ且つそのバラン
スのよい塗膜を得るための水性塗被用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】紙、フィルム、繊維、ガラスなどの基材
には、強度、耐水性、撥水性、耐溶剤性などや、インキ
等の受理性などの特性が要求される。この要求に応える
ために、水性重合体分散液を主成分とする組成物が基材
に塗被されている。このような組成物としては、界面活
性剤の存在下に乳化重合して得られる(メタ)アクリル
酸エステル系重合体ラテックス、スチレン−ブタジエン
系重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン系
重合体ラテックスなどを含有する水性塗被用組成物が知
られている。しかし、これらの組成物では、塗被むら
(スジ等)の発生、密着性の低下、耐水性の低下などの
問題があった。本発明者らは、重合性の界面活性剤の存
在下に重合して得られるラテックスを必須成分とする組
成物を用いることによって、耐水性や密着性を改善でき
ることを見いだしたが、塗被むらの解決に到らなかっ
た。本発明者らは、アルカリ可溶性重合体とスチレン−
ブタジエン重合体とを混合して得られる組成物を用いる
ことによって塗被むらや耐ブロッキング性を改善できる
ことを見いだしたが、耐水性、耐溶剤性を改善すること
はできなかった。また、本発明者らは、溶液重合して得
られるアルカリ可溶性重合体の中和物の存在下に重合し
て得られるラテックスを必須成分とする組成物を提案し
た。これを用いることによって塗被むら、密着性、耐水
性、耐溶剤性を向上させることができたが、耐ブロッキ
ング性は十分でなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塗被
むらがなく、耐ブロッキング性、耐水性、耐溶剤性及び
密着性に優れ且つそのバランスのよい塗膜を得るための
水性塗被用組成物を提供することにある。本発明者ら
は、この目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、特定
の界面活性剤を含有する水性媒体中で重合して得られる
アルカリ可溶性重合体の中和物の存在下、単量体混合物
を乳化重合して得られる水性重合体分散液を用いること
によって、塗被むら等がなく、耐ブロッキング性、耐水
性、耐溶剤性及び密着性に優れ且つそのバランスのよい
塗膜を得られることを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、エチレン性不飽和カルボン酸及びこれと共重合可能
なその他の単量体を、重合性界面活性剤を含有する水性
媒体中で、乳化重合して得られるアルカリ可溶性重合体
の中和物5〜200重量部の存在下、単量体混合物10
0重量部を乳化重合して得られる水性重合体分散液を必
須成分とする水性塗被用組成物が提供される。
【0005】本発明の水性塗被用組成物の必須成分であ
る水性重合体分散液は、アルカリ可溶性重合体の中和物
5〜200重量部の存在下、単量体混合物100重量部
を乳化重合して得られるものである。
【0006】本発明に用いるアルカリ可溶性重合体は、
重合性界面活性剤を含有する水性媒体中でエチレン性不
飽和カルボン酸及びこれと共重合可能なその他の単量体
を乳化重合して得られるものである。
【0007】重合性界面活性剤は、分子中に1個以上の
重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する界面活性剤で
ある。その具体例としては、プロペニル−2−エチルヘ
キシルベンゼンスルホコハク酸エステルナトリウム、
(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンの硫酸エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫
酸アンモニウム塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチ
レンエステルの燐酸エステルなどのアニオン性重合性界
面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルベンゼンエーテ
ル(メタ)アクリル酸エステル、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル(メタ)アクリル酸エステル等のノニオ
ン性重合性界面活性剤等が挙げられる。
【0008】重合性界面活性剤の量は、アルカリ可溶性
重合体の合成に使用する全単量体100重量部に対し
て、通常、0.01〜1.0重量部、好ましくは0.0
5〜0.8重量部である。0.01重量部未満では単量
体の乳化が不可能となりアルカリ可溶性重合体の乳化重
合ができなくなる。逆に1.0重量部を超えるとアルカ
リ可溶性重合体の存在下に重合して得られる水性重合体
分散液のチクソトロピック・インデックスが高くなり、
塗被むらが発生しやすくなる。
【0009】水性媒体には、通常、水が用いられ、必要
に応じて、低級アルコール、ケトン等の親水性有機溶媒
を併用したものが用いられる。
【0010】エチレン性不飽和カルボン酸としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのエチレン性
不飽和モノカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコ
ン酸、ブテントリカルボン酸などのエチレン性不飽和多
価カルボン酸;マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノ
メチルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エ
ステル化物等を挙げることができる。これらエチレン性
不飽和カルボン酸のうち、(メタ)アクリル酸等のエチ
レン性不飽和モノカルボン酸が好適である。
【0011】エチレン性不飽和カルボン酸の量は、アル
カリ可溶性重合体の酸価が、通常、50〜300、好ま
しくは80〜250の範囲になるものである。通常、ア
ルカリ可溶性重合体を得るために用いる全単量体の5〜
50重量%である。エチレン性不飽和カルボン酸の使用
量が5重量%より少ないと、アルカリ可溶性重合体の酸
価が小さくなり、このアルカリ可溶性重合体を中和して
も水に溶解しなくなるので、水性重合体分散液の乳化重
合時における乳化安定性が低下し、凝固物が発生して重
合が不可能になる。逆にエチレン性不飽和カルボン酸の
使用量50重量%より多いと、アルカリ可溶性重合体の
酸価が大きくなり、このアルカリ可溶性重合体の親水性
部が多くなるので、塗膜の耐水性が低下する。なお、酸
価は後記の評価方法により得られた値である。
【0012】エチレン性不飽和カルボン酸と共重合可能
なその他の単量体としては、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アク
リル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メ
タ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オ
クチル等のエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステ
ル単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトル
エン、クロロスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシプロピル等の水酸基含有エチレン性不飽和単
量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジ
ルエーテル等のグリシジル基含有エチレン性不飽和単量
体;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有エチレ
ン性不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル
(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有エチレン性不
飽和単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエ
ン等の共役ジエン単量体;塩化ビニル等のハロゲン化ビ
ニル;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステルなどが
挙げられる。これらの単量体は単独で又は二種以上を組
み合わせて用いることができる。これらの単量体のう
ち、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チルなどのエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステ
ル単量体が好適である。
【0013】本発明に用いるアルカリ可溶性重合体は、
その重量平均分子量が、通常、1,000〜20,00
0、好ましくは2,000〜15,000である。重量
平均分子量が1,000より小さい場合、水性塗被組成
物を塗被して得られる塗膜の耐水性、耐溶剤性が低下す
る。20,000より大きい場合、水性塗被組成物の粘
度が著しく上昇して、実用に適さなくなる。なお、重量
平均分子量は後記の方法で得られた値である。
【0014】本発明に用いるアルカリ可溶性重合体は、
そのガラス転移温度が、通常、+40〜+200℃、好
ましくは+50〜+150℃である。+40℃未満では
塗膜の耐ブロッキング性が低下し、逆に+200℃を超
えると塗膜の密着性が低下する。
【0015】アルカリ可溶性重合体は、通常の乳化重合
法によって得られる。重合の際に使用する重合開始剤、
分子量調整剤や、単量体などの添加方法や、重合温度な
どによって限定されない。
【0016】アルカリ可溶性重合体の中和物は前記アル
カリ可溶性重合体を塩基性物質で中和度を、通常、70
%以上に中和して得られるものである。塩基性物質とし
ては、アンモニア;メチルアミン、エチルアミン、イソ
プロピルアミン、ジメチルアミン、N,N−ジメチルエ
タノールアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルア
ミン、トリエタノールアミン等のアミン;水酸化ナトリ
ウム等のアルカリ金属の水酸化物;などが挙げられる。
これらのうち、アンモニアが好適である。
【0017】単量体混合物としては、通常、後記の単量
体を組み合わせたもの、好ましくは、グリシジル基、ア
ミド基又はアミノ基を含有するエチレン性不飽和単量体
と、これと共重合可能な単量体とを組み合わせたものが
挙げられる。
【0018】単量体混合物に用いるグリシジル基、アミ
ド基又はアミノ基を含有するエチレン性不飽和単量体と
しては、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシ
ジルエーテル等のグリシジル基含有エチレン性不飽和単
量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミド等のアミド基含有エチレン性不飽和単量体;
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)ア
クリル酸ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有エチレ
ン性不飽和単量体が挙げられる。これらの単量体の量
は、単量体混合物の、通常、0.5〜15重量%、好ま
しくは1〜10重量%である。0.5重量%未満では、
塗膜の耐水性、耐溶剤性などが低下する。15重量%を
超えると水性塗被用組成物の粘度が高くなるので実用に
適さない。
【0019】単量体混合物に用いるグリシジル基、アミ
ド基又はアミノ基を含有するエチレン性不飽和単量体と
共重合可能な単量体としては、(メタ)アクリロニトリ
ル、(メタ)アクリル酸β−シアノエチル等のシアノ基
含有エチレン性不飽和単量体;(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル
等の水酸基含有エチレン性不飽和単量体;2−ビニルピ
リジン等のピリジル基含有エチレン性不飽和単量体;ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロ
スチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)
アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、
(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸オクチル等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル単
量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメ
チル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等の
共役ジエン単量体;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル単
量体;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステルなどが
挙げられる。
【0020】また、単量体混合物は、その単量体混合物
を重合して得られる共重合体のガラス転移温度が、通
常、−80〜+70℃、好ましくは−75〜+65℃で
ある。−80℃未満では、塗膜の耐ブロッキング性が低
下し、逆に70℃を超えると塗膜の密着性が低下する。
【0021】アルカリ可溶性重合体の中和物と単量体混
合物との比率は、単量体混合物100重量部に対して、
アルカリ可溶性重合体の中和物が5〜200重量部、好
ましくは10〜150重量部である。アルカリ可溶性重
合体の中和物が5重量部より少ない場合、水性塗被用組
成物のチクソトロピックインデックスが高くなるので塗
被むらが発生しやすくなり、また塗膜に密着性、耐溶剤
性が低下する。逆に200重量部より多い場合、水性塗
被用組成物の粘度が著しく高くなるので実用に適さな
い。
【0022】アルカリ可溶性重合体の中和物の存在下に
単量体混合物を乳化重合する方法としては、単量体混合
物を該中和物を含む水性媒体中に添加して重合するか、
該中和物と単量体混合物とを混合しエマルジョンにした
後、水性媒体中または該中和物を含有する水性媒体中に
添加して重合する。重合温度は0〜100℃、好ましく
は30〜90℃である。
【0023】アルカリ可溶性重合体の中和物の存在下に
単量体混合物を乳化重合するにあたって、重合安定性を
高めるために、単量体混合物に対して0.05重量%未
満、好ましくは0.02重量%未満の界面活性剤を使用
することができる。ただし、界面活性剤の量が0.05
重量%より多くなると塗膜の耐水性、密着性が低下す
る。
【0024】本発明の必須成分である水性重合体分散液
は、それを構成する重合体のガラス転移温度が、通常、
−50〜+50℃、好ましくは−30〜+40℃、さら
に好ましくは−20〜+30℃である。−50℃未満で
は、塗膜の耐ブロッキング性が低下し、逆に+50℃を
超えると塗膜の密着性が低下する。
【0025】本発明の水性塗被用組成物には、必要に応
じて、アルコール、グリコール、グリセリン、セロソル
ブ等の水性溶剤;消泡剤;撥水剤;耐水化剤;増粘剤な
どを配合することができる。
【0026】本発明の水性塗被用組成物は、基材に塗被
して使用される。本発明の水性塗被用組成物の塗被量
は、基材に対して、乾燥重量換算で、通常、0.5g/
2以上、好ましくは1〜100g/m2である。0.5
g/m2未満では、耐水性、耐溶剤性などが低下する。
【0027】本発明の水性塗被用組成物を適用できる基
材としては、紙;ポリエチレンテレフタレート、ナイロ
ン、ポリ塩化ビニル等の有機高分子の繊維及びフィル
ム;ガラス繊維等の無機繊維;ゴムシート、金属板など
が挙げられる。
【0028】塗被方法としては、ロールコーター、グラ
ビアコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、エ
アナイフコーター等又はスプレー等を用いて塗被する。
【0029】
【発明の効果】本発明の水性塗被用組成物を用いて得ら
れる塗膜は、耐ブロッキング性、耐水性、耐溶剤性及び
密着性に優れ且つそのバランスがよいので、該組成物は
塗被紙などの製造に好適に用いることができる。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。なお、実施例中の部及び%は重量基準であ
る。
【0031】〔評価方法〕実施例における各種物性の評
価方法は以下の通りである。 (ガラス転移温度)アルカリ可溶性重合体の中和物の水
溶液又は水性重合体分散液を枠付きガラス板に流延し、
20℃で48時間乾燥して、フィルムを得、このフィル
ムについて、走査示差熱量計(セイコー電子社製、モデ
ルRDC220)を用いて、初期温度−100℃、昇温
速度10℃/分の条件で測定した。
【0032】(分子量)アルカリ可溶性重合体の中和物
の水溶液を枠付きガラス板に流延し、20℃で48時間
乾燥して、フィルムを得、このフィルムをテトラヒドロ
フランに溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーを用いてポリスチレン換算の重量平均分子量として
求める。
【0033】(酸価)アルカリ可溶性重合体のエマルジ
ョン1g(固形分換算)にフェノールフタレイン指示薬
を2滴添加し、0.1Nの水酸化カリウム水溶液で滴定
し、中和するまでに要した水酸化カリウムの固形分のm
g数として求める。
【0034】(チクソトロピックインデックス[塗被む
ら発生の代用指標])固形分濃度40%の組成物をB型
粘度計を用いて、20℃、60rpmの条件と、20
℃、6rpmの条件とで測定し、6rpm条件での粘度
を60rpm条件での粘度で除した値で表した。値が低
い方が塗被むらが発生しにくい。
【0035】(密着性)組成物をガラス板又はポリエチ
レンテレフタレートフィルムに、ワイヤーバーを用いて
乾燥塗被量が10g/m2となるように塗被し、130
℃で5分間乾燥して、試料を得た。この試料の塗被面を
ナイフを用いて1mm間隔の格子状に切れめを入れ、そ
の上から粘着テープを貼り、密着させた後、塗被面に対
して90度の角度で粘着テープを引いて剥した。剥した
後、塗膜が剥離しなかった部分の格子目の割合(%)を
求めた。
【0036】(耐ブロッキング性)組成物を上質紙に、
ワイヤーバーを用いて乾燥塗被量が10g/m2となる
ように塗被し、130℃で1分間乾燥して、塗被紙を得
た。この塗被紙の塗被面同士を重ね合わせ、温度40
℃、湿度80%、荷重500g/cm2の条件で24時
間放置した後、手で剥し以下の基準で評価した。 ○:抵抗なく剥がれる。 △:若干抵抗があるが、剥がれる。 ×:塗被層又は紙層が破壊する。
【0037】(耐水性)水性重合体分散液を枠付き透明
ガラス板にワイヤーバーを用いて、乾燥塗被量が10g
/m2となるように塗被し、130℃で5分間乾燥後、
25℃のイオン交換水中に12時間浸漬して、塗膜の状
態を肉眼観察し、以下の基準で評価した。 ○:変化無し(透明)。 △:やや白く濁り、ガラス板を透かし見た場合に印刷物
の活字を識別できる。 ×:完全に白化し、ガラス板を透かし見た場合に、反対
側が全く見えない。 ××:塗膜が溶解した。
【0038】(耐溶剤性)組成物を上質紙に、ワイヤー
バーを用いて乾燥塗被量が10g/m2となるように塗
被し、130℃で1分間乾燥して、塗被紙を得、この塗
被紙にトルエンを浸した脱脂綿を用いて手で往復10回
擦った後、光沢度計を用いて入射角75度反射角75度
の条件における光沢度を測定し、以下の基準で評価し
た。 ○:脱脂綿で擦った前後における光沢度の差が10%未
満 ×:脱脂綿で擦った前後における光沢度の差が10%以
【0039】参考例1 スチレン10部、アクリル酸エチル30部、メタクリル
酸メチル40部、メタクリル酸20部、チオグリコール
酸オクチル5部、重合性界面活性剤(ポリオキシエチレ
ンアルキルプロペニルエーテル硫酸エステルアンモニウ
ム塩、アクアロンHS10、第一工業製薬社製)0.3
部及びイオン交換水50部を混合し単量体エマルジョン
を得た。一方、撹拌機付き反応器の内部を窒素置換した
後、イオン交換水200部を仕込み80℃に加熱し、過
硫酸カリウム2部及びイオン交換水38部を反応器に添
加後、80℃に維持された反応器に前記単量体エマルジ
ョンを1時間かけて連続添加して反応させた。単量体エ
マルジョン添加終了後、反応を更に1時間行ってアルカ
リ可溶性重合体(A)のエマルジョンを得た。このアル
カリ可溶性重合体(A)のガラス転移温度、酸価及び重
量平均分子量を表1に示した。さらにアルカリ可溶性重
合体(A)のエマルジョンに28%のアンモニア水14
部を添加して30分間攪拌を続けて、中和物(A)の2
5%水溶液を得た。
【0040】参考例2〜5 参考例1のアルカリ可溶性重合体の合成における単量体
及びチオグリコール酸オクチルを表1に示す処方に従っ
て変えた他は参考例1の方法と同様の方法で、アルカリ
可溶性重合体(B)〜(E)のエマルジョンを得た。こ
れらのアルカリ可溶性重合体の重合転化率、酸価及び重
量平均分子量を表1に示した。さらにこれらのアルカリ
可溶性重合体のエマルジョンに28%のアンモニア水1
4部を添加して中和物(B)〜(E)の25%水溶液を
得た。
【0041】参考例6 重合性界面活性剤をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウムに変えた他は参考例1の方法と同様の方法で、アル
カリ可溶性重合体(F)のエマルジョンを得た。このア
ルカリ可溶性重合体の重合転化率、酸価及び重量平均分
子量を表2に示した。さらにこのアルカリ可溶性重合体
のエマルジョンに28%のアンモニア水14部を添加し
て30分間攪拌を続けて中和物(F)の25%水溶液を
得た。
【0042】参考例7 撹拌機付き反応器の内部を窒素置換した後、イソプロピ
ルアルコール100部を仕込み80℃に加熱し、表2
(比較例2)に示す単量体100部と2,2−アゾビス
−2,4−ジメチルバレロニトリル4部及びトルエン1
2.5部とを、各々4時間かけて80℃に保持された反
応器に添加して反応させた。添加終了後、反応を更に2
時間行った後、20℃に冷却して反応を終了した。次に
イオン交換水500部を添加した後、95℃に加熱し、
イソプロピルアルコール及びトルエンを留去して、アル
カリ可溶性重合体(G)のエマルジョンを得た。このア
ルカリ可溶性重合体の重合転化率、酸価及び重量平均分
子量を表2に示した。さらにこのアルカリ可溶性重合体
のエマルジョンに28%のアンモニア水14部を添加し
て30分間攪拌を続けて中和物(G)の25%水溶液を
得た。
【0043】実施例1 窒素置換した攪拌機付反応器にイオン交換水150部を
仕込み、これにアルカリ可溶性重合体中和物(A)20
部、ジメチルアミノエタノール1部、スチレン56部、
ブタジエン40部、グリシジルメタクリレート4部、エ
チレンジアミンテトラ酢酸四ナトリウム0.05部を添
加し混合してエマルジョンを得た。これを50℃に加温
して、過硫酸カリウム0.5%水溶液10部を添加して
50℃に維持したまま10時間反応させた。反応後、未
反応の単量体を除去し、アンモニア水を添加してpH
7.5の水性重合体分散液を得た。この水性重合体分散
液の固形分濃度を40%に調整して、水性塗被用組成物
を得た。この組成物の評価結果を表1に示す。
【0044】実施例2〜8及び比較例1〜4 中和物(A)又は単量体混合物を表1、表2及び表3に
示す中和物又は単量体混合物に代えた他は実施例1の方
法と同様にして水性重合体分散液及び水性塗被用組成物
を得た。これらの水性塗被用組成物の評価結果を表1、
表2及び表3に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】比較例5 実施例1におけるアルカリ可溶性重合体の中和物20部
に代えてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.0
部を用いた他は実施例1と同様にして水性重合体分散液
及び水性塗被用組成物を得た。この組成物の評価結果を
表3に示した。
【0048】比較例6 実施例1における水性重合体分散液の代わりに、参考例
1で得られたアルカリ可溶性重合体の中和物(A)を固
形分濃度20%に調整して、水性塗被用組成物を得た。
この組成物の評価結果を表3に示した。
【0049】比較例7 比較例5で得られた水性重合体分散液100部(固形分
換算)に、参考例1で得られたアルカリ可溶性重合体の
中和物(A)20部(固形分換算)を添加し混合して、
固形分濃度40%の水性塗被用組成物を得た。その結果
を表3に示した。
【0050】
【表3】
【0051】以上より、本発明の水性塗被用組成物を用
いることによって、塗被むらが発生しにくく、得られる
塗膜は、耐水性、耐溶剤性、密着性に優れ且つそのバラ
ンスが良いことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−269033(JP,A) 特開 昭49−85183(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/22 - 2/30 C08L 1/00 - 101/16 C09D 101/00 - 201/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン性不飽和カルボン酸及びこれと
    共重合可能なその他の単量体を重合性界面活性剤を含有
    する水性媒体中で乳化重合して得られるアルカリ可溶性
    重合体の中和物5〜200重量部の存在下で、単量体混
    合物100重量部を乳化重合して得られる水性重合体分
    散液を、必須成分とする水性塗被用組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1における単量体混合物が、グリ
    シジル基、アミノ基又はアミド基を含有するエチレン性
    不飽和単量体と、これと共重合可能な単量体とからなる
    ものであることを特徴とする請求項1記載の水性塗被用
    組成物。
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