JP2522699B2 - プレスコ―ト用水性ワニス用分散液 - Google Patents

プレスコ―ト用水性ワニス用分散液

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【発明の詳細な説明】 〔産業用の利用分野〕 本発明はプレスコート用水性ワニス用分散液に関し、
さらに詳しくは、アルコールとの混和性に優れていると
共に、つぶれ性、光沢、耐ブロッキング性が良好なプレ
スコート用水性ワニス用分散液に関する。
〔従来の技術〕
従来、印刷された紙に艶出しの目的で樹脂溶液を塗布
し、プレス加工することは良く知られている。
このような紙印刷物の艶出しプレス加工用の樹脂溶液
(プレスコート用ワニス)としては、(メタ)アクリル
酸エステル、スチレン系単量体、酢酸ビニルなど各種エ
チレン性不飽和単量体の(共)重合体を芳香族系有機溶
媒等に溶解したワニスが使用されている。しかしなが
ら、これらのワニスは、有機溶媒を使用しているため、
環境汚染や火災の危険性などの問題がある。
そこで、最近ではプレスコート用ワニスの水性化が図
られており、水性樹脂溶液(プレスコート用水性ワニス
用分散液)として(メタ)アクリル酸エステル、スチレ
ン系単量体等の各種単量体を共重合して得られる重合体
の水溶液や水性分散体が提案されている(特開昭62-282
095号公報、特開昭62-282096号公報)。
ところが、従来のプレスコート用水性ワニス用分散液
は、光沢、つぶれ性あるいは耐ブロッキング性など各種
性能のバランスが不充分である。また、プレスコート用
水性ワニス用分散液は、乾燥速度の向上のために、通
常、アルコール類を混合して使用するが、従来のもので
はアルコール混和性が劣るなどの問題点を有している。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、アルコール混和性に優れ、かつ、つ
ぶれ性、光沢、耐ブロッキング性のバランスのとれたプ
レスコート用水性ワニス用分散液を提供することにあ
る。
本発明者らは、従来技術の有する問題点解決するため
に鋭意研究した結果、エチレン性不飽和カルボン酸を含
むエチレン性不飽和単量体混合物を共重合して得られた
酸価が50〜300の樹脂を中和して得られる水溶性ないし
水分散性樹脂を乳化安定剤として使用し、この中和樹脂
の存在下で、グリシジル基含有エチレン性不飽和単量体
を0.05〜0.5重量%含むエチレン性不飽和単量体混合物
を共重合して得られる水性分散体が前記目的を達成でき
ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。
〔課題を解決するための手段〕
かくして、本発明によれば、エチレン性不飽和カルボ
ン酸を含むエチレン性不飽和単量体混合物を共重合して
得られた酸価が50〜300の樹脂を中和して得られる樹脂
(A)の存在下で、グリシジル基含有エチレン性不飽和
単量体を0.05〜0.5重量%含むエチレン性不飽和単量体
混合物(B)を共重合して得られる水性分散体を主成分
とするプレスコート用水性ワニス用分散液が提供され
る。
以下、本発明について詳述する。
〔中和樹脂(A):乳化安定剤〕
本発明においては、乳化安定剤として、エチレン性不
飽和カルボン酸を含むエチレン性不飽和単量体混合物を
共重合して得られた酸価が50〜300の樹脂を中和して得
られる樹脂(A)を使用する。
樹脂(A)は、まず、エチレン性不飽和カルボン酸を
含むエチレン性不飽和単量体混合物を常法にしたがっ
て、溶液重合または塊状重合することにより共重合させ
た後、そのカルボキシル基をアンモニアや有機アミンな
どで当量または部分的に中和して、水溶性ないし水分散
性樹脂とすることにより得られる。該樹脂(A)は、水
中に溶解または分散させて、乳化安定剤として使用す
る。有機溶媒中で溶液重合して得た共重合体は、中和処
理と同時、あるいはその前後に、水を添加し、有機溶剤
を除去することにより、水性分散体(水性化)とするこ
とが望ましい。また、中和樹脂(A)は、カルボキシル
基を当量中和して、水溶性樹脂とすることが乳化安定剤
として作用させる上で好ましい。
エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイ
ン酸、イタコン酸などのカルボキシル基含有エチレン性
不飽和単量体が挙げられる。
エチレン性不飽和カルボン酸以外のエチレン性不飽和
単量体としては、例えば、スチレ、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p−t−ブチルスチレン、クロロ
スチレンなどのスチレン系単量体;アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、
アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、
アクリル酸2ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシ
プロピルなどのアクリル酸エステル系単量体;メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メ
タクリル酸n−アミル、メタクリル酸イソアミル、メタ
クリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルなどのメ
タクリル酸エステル系単量体;アクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリル
アミドなどのアクリルアミド系単量体;メタクリルアミ
ド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ブトキシメ
チルメタクリルアミドなどのメタクリルアミド系単量体
などを挙げることができる。
酸価が50〜300の樹脂は、エチレン性不飽和カルボン
酸を含むエチレン性不飽和単量体を従来公知の溶液重合
または塊状重合することにより得ることができるが、水
性化のためには、溶液重合が好ましい。溶液重合の際の
有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブ
チルアルコールなどのアルコール類;メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのエーテ
ル類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素などが使用できる。
重合条件は、通常、ラジカル重合開始剤の存在下に、重
合温度50〜150℃、重合時間1〜10時間程度である。
エチレン性不飽和カルボン酸を含むエチレン性不飽和
単量体を共重合して得られる樹脂は、酸価が50〜300の
範囲にあることが必要であり、80〜200の酸価を有する
ことが好ましい。
酸価が50よりも小さい場合は、樹脂の水溶性が充分で
なく、グリシジル基含有エチレン性不飽和単量体を含む
エチレン性不飽和系単量体混合物(B)の重合時におけ
る乳化安定性が低下し、逆に、酸価が300よりも大きい
場合は、プレスコート用水性ワニス用分散液とした時の
耐水性が低下し、また、プレスコート時にエンドレスス
テンレス板からの剥れ性が悪くなり、実用性に劣る。
共重合成分としてエチレン性不飽和カルボン酸を含
み、酸価が上記範囲にあれば、各単量体の種類と組成に
は特に限定はないが、中和樹脂(A)は、乳化安定剤と
して使用すると共に、被膜形成成分ともなるため、乳化
安定化作用と被膜形成性を考慮して定めることが好まし
い。そこで、樹脂の水に対する溶解性とプレス加工後の
被膜の光沢、耐水性、耐ブロッキング性などを考慮する
と、例えば、エチレン性不飽和カルボン酸10〜40重量
%、スチレン系単量体5〜40重量%、(メタ)アクリル
酸エステル系単量体10〜75重量%、(メタ)アクリルア
ミド系単量体0〜10重量%を含む単量体混合物であるこ
とが好ましい。
中和のために、通常、アンモニアあるいは有機アミン
を中和剤として用いる。有機アミンとしては、メチルア
ミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルア
ミン、2−ジメチルエタノールアミン、ジイソプロピル
アミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン等も
しくはこれらの混合物が用いられる。これらの中和剤で
水溶性のものは、水溶液として用いてもよい。中和は、
樹脂中のカルボキシル基と当量または部分的に中和し
て、水溶性ないし水分散性の中和樹脂(A)とする。
樹脂(A)における中和処理は、グリシジル基含有エ
チレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体混
合物(B)を共重合する際に、反応系に中和剤を存在さ
せて行なうこともできるが、アルコールなどの有機溶媒
中で共重合して得たカルボキシル基含有樹脂は、通常、
中和処理を行なうと共に、水を添加し、有機溶剤を除去
することにより、予め溶液あるいは水性分散体として使
用することが、操作上好ましい。
中和樹脂(A)を水溶液あるいは水性分散体として使
用する場合には、その樹脂濃度は、通常、20〜30%とす
る。
〔グリシジル基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体混合物(B)〕
乳化安定剤として中和樹脂(A)の存在下に共重合す
る単量体混合物は、グリシジル基含有エチレン性不飽和
単量体を必須成分として0.05〜0.5重量%、好ましくは
0.2〜0.4重量%含有するエチレン性不飽和単量体混合物
(B)である。
グリシジル基含有エチレン性不飽和単量体としては、
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリ
ルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテ
ル、ビニルグリシジルエーテル、ブタジエンモノオキサ
イド、ビニルシクロヘキセンモノオキシド等が挙げられ
る。
グリシジル基含有エチレン性不飽和単量体以外のエチ
レン性不飽和単量体としては、例えば、スチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルスチ
レン、クロロスチレンなどのスチレン系単量体;アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸
n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘ
キシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸p
−オクチル、アクリル酸2ヒドロキシエチル、アクリル
酸ヒドロキシプロピルなどのアクリル酸エステル系単量
体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イ
ソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸イソ
アミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−
エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリ
ル酸2ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロ
ピルなどのメタクリル酸エステル系単量体;アクリルア
ミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメ
チルアクリルアミドなどのアクリルアミド系単量体;メ
タクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N
−ブトキシメチルメタクリルアミドなどのメタクリルア
ミド系単量体;アクリロニトリルやメタクリロニトリル
などの(メタ)アクリロニトリル系単量体などを挙げる
ことができ、グリシジル基含有エチレン性不飽和単量体
と共重合可能なエチレン性不飽和単量体であれば特に限
定されない。
単量体混合物中のグリシジル基含有エチレン性不飽和
単量体の割合は、0.05〜.5重量%である。
グリシジル基含有エチレン性不飽和単量体の使用割合
が0.05重量%より少ないと、得られる水性分散体のアル
コール混和性あるいは貯蔵安定性が低下し、また、共重
合するその他のエチレン性不飽和単量体の種類によって
は被膜の耐ブロッキング性が悪くなる。逆に、グリシジ
ル基含有エチレン性不飽和単量体の使用割合が0.5重量
%よりも多くなると、プレスコート用水性ワニス用分散
液とした時の被膜のつぶれ性、光沢が低下する。さらに
は、乳化安定剤として使用する中和樹脂(A)の共重合
組成や分子量等によっては、重合中の反応系の粘度が高
くなり、目的とする水性分散体を得ることが困難とな
る。
グリシジル基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチ
レン性不飽和単量体の種類と組成割合は、得られる共重
合体のガラス転移温度Tgが50℃〜80℃の範囲に入るよう
にすることがつぶれ性、光沢性を付与しながら耐ブロッ
キング性を確保するために好ましい。そして、アルコー
ル混和性や得られた水性分散体を用いてプレス加工した
後の被膜のつぶれ性、光沢、耐水性、耐ブロッキング性
などを考慮すると、例えば、グリシジル基含有エチレン
性不飽和他量体0.05〜0.5重量%、スチレン系単量体5
〜60重量%(メタ)アクリル酸エステル系単量体10〜85
重量%を含む他量体混合物であることが好ましい。
グリシジル基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチ
レン性不飽和単量体混合物は、中和樹脂(A)の存在下
に重合するが、該中和樹脂(A)と重合に供するグリシ
ジル基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不
飽和単量体混合物(B)との重量比は、中和樹脂(A)
の乳化安定剤としての作用はエマルジョンの固形分濃
度、プレス加工後の被膜の特性等を勘案して、(A):
(B)の割合が10/90〜90/10、好ましくは20/80〜50/50
となる範囲から選ばれる。
(重合方法) 乳化安定剤としての中和樹脂(A)の存在下で、グリ
シジル基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性
不飽和単量体混合物(B)を重合する方法は、例えば、
ラジカル重合開始剤を用いて、水性媒体中にて一括重合
してもよく、あるいは予め中和樹脂(A)でエチレン性
不飽和単量体混合物(B)をエマルジョン化した後、連
続的に反応器に添加して重合してもよい。ただし、プレ
スコート用水性ワニス用分散液として使用する場合、微
粒子状であることが望ましい場合には、予め中和樹脂
(A)でエチレン性不飽和単量体混合物(B)をエマル
ジョン化して使用することが好ましい。そうすれば、よ
り安定で均一な微粒子重合体の水性分散体が得られる。
重合温度は0〜100℃、好ましくは30〜80℃、重合時
間は1〜20時間である。
ラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウム、過酸化水素など水溶性開始剤;過酸化
ベンゾイル、ジ−t−ブチルペルオキサイド、2,2−ア
ゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルなどの油溶性開
始剤;過酸化物を重亜硫酸ナトリウム、トリエタノール
アミンなどの還元剤と組み合わせたレドックス系開始剤
等が挙げられる。ラジカル重合開始剤の使用量は、通
常、エチレン性不飽和単量体混合物(B)100重量部に
対して0.05〜5重量部の範囲である。
(水性分散体) 以上のようにして得られた水性分散体は、アルコール
混合性に優れ、かつ、これを主成分とするプレスコート
用水性ワニス用分散液は、つぶれ性、光沢、あるいは耐
ブロッキング性のバランスが優れている。
また、必要に応じて水性分散体にアルカリ可溶性の樹
脂を加えてもよい。アルカリ可溶性樹脂としては、前記
乳化安定剤の中和樹脂(A)に相当する樹脂が好適であ
る。その使用量は、重合中に乳化安定剤として使用され
る中和樹脂(A)と合わせた使用量として、エチレン性
不飽和単量体混合物(B)に対する重量比で、(A):
(B)が10/90〜90/10好ましくは20/80〜50/50となる範
囲が好ましい。
全体として中和樹脂(A)の使用割合が多くなり過ぎ
ると水性分散体の固形分濃度が低くなり、被膜の光沢、
つぶれ性が低下する。また、中和樹脂(A)の使用割合
が重合段階から少な過ぎると粒子径が大きくなるばかり
か、重合中の乳化安定性も低下する。また、全体として
中和樹脂(A)が少な過ぎると塗工後のレベリング性に
問題が発生し、被膜の平滑性が悪くなるなどプレス加工
後の見栄えを悪いものにする。
(プレスコート用水性ワニス用分散液) 本発明のプレスコート用水性ワニス用分散液は、前記
水性分散体を主成分とする分散液である。
分散液には、必要に応じてプレス板からの剥がれを良
くするための剥離剤、耐磨耗性を向上するためのワック
ス成分、あるいは消泡剤などの各種添加剤を添加するこ
とができる。
また、分散液は、そのままでもプレスコート用分散液
として使用できるが、乾燥速度の向上等のため、イソプ
ロピルアルコールなどのアルコール類を、通常、分散液
100重量部に対して10〜30重量部程度の範囲で添加して
使用することができる。
本発明のプレスコート用水性ワニス用分散液は、印刷
された紙の印刷面にロールコート、グラビア印刷、フレ
キソ印刷、あるいはオフセット印刷などにより塗工さ
れ、通常、50〜100℃、2〜6秒間で乾燥される。乾燥
後1〜7μmの厚みを有する塗工層(被膜)を形成す
る。この塗工層を有する印刷紙は、さらに、エンドレス
プレス機などで、一般に、90〜120℃、200〜300kg/c
m2、ライン速度10〜30m/分でプレス加工される。
〔実施例〕
以下に実施例、参考例および比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。なお、実施例、参考例および
比較例中の部および%は、特に断りのない限り重量基準
である。
〈物性の測定方法〉 実施例、参考例および比較例における各種物性の測定
方法は、次のとおりである。
酸価:樹脂1gをフェノールフタレインを指示薬として中
和(滴定)するのに必要な水酸化カリウムのmg数として
求めた。
アルコール混和性:アルコールを添加した水性分散液の
粘度変化を調べ、次の2段階で評価した。
×;粘度変化の激しい場合。
○;粘度変化が少ない場合。
つぶれ性:印刷紙をプレス処理後、コーティング層(水
性分散液塗工層)表面の状態を目視により観察し、白っ
ぽさ、平滑度等を総合的に判断して、次の3段階で評価
した。
○;表面の平滑性がよく、透明感がある。
△;コーティング層に白っぽい部分が少しある。
×;白っぽい部分が多く、平滑性がない。
光沢:JIS K−5400により、コーティング層の60°反射角
の光沢値で表示した。
耐ブロッキング性:印刷紙のコーティング層どうしを重
ね合わせ、24時間放置後の剥れ易さを調べた。放置条件
は、50℃、相対湿度80%、荷重500g/cm2である。剥れ易
さを次の3段階で評価して、耐ブロッキング性の指標と
した。
○;触れると簡単に剥れる。
△;手で剥すと剥れる。
×;剥すとコーティング層が破壊される。
[参考例1]中和樹脂(A)の合成実験例 イソプロピルアルコール100部を反応器に仕込み80℃
に加熱し、第1表に示すエチレン性不飽和単量体混合物
100部およびラジカル重合開始剤として2,2−アゾビス−
2,4−ジメチルバレロニトリル4部を、各々4時間かけ
て反応器に連続添加した。その後、反応を2時間続け重
合を終了した。冷却後、中和に必要なアンモニア水と、
樹脂の4倍量(重量比)の水を加え、次いで、90℃以上
に加熱し、イソプロピルアルコールおよび過剰の水を留
去して、樹脂濃度25%の水性中和樹脂(A−1〜(A−
6)の溶液を得た。
エチレン性不飽和単量体混合物の仕込み組成および樹
脂の酸価を第1表に示す。
[実施例1] 冷却器、不活性ガス導入管、滴下装置および撹拌機を
備えた反応器に、脱イオン水60部と乳化安定剤として水
性中和樹脂(A−1)5部を含む(A−1)の水溶液を
仕込み、撹拌下、温度70℃に保持した。
窒素ガス気流中で、スチレン20部、メチルメタクリレ
ート45部、ブチルメタクリレート34.6部、メタクリル酸
グリシジル0.4部からなるビニル系単量体混合物を予め
中和樹脂(A−1)の25%水溶液140部で乳化させた分
散液、および過硫酸アンモニウム1.5部を15部の脱イオ
ン水に溶解した溶液を、別々に70℃に加熱した反応器に
3時間かけて連続滴下した。滴下後、85℃で2時間反応
をつづけて、固型分40%、粘度400cpsの乳白色の水性分
散体を得た。
得られた水性分散体に、中和樹脂(A−1)10部(樹
脂分の乾燥重量)、剥離剤(リン酸エステル系海面活性
剤)2.0部、ポリエチレンワックス0.3部、イソプロピル
アルコール30部を添加してプレスコート用水性ワニス用
分散液とした。このプレスコート用水性ワニス用分散液
における中和樹脂(A−1)の全樹脂分の量とメタクリ
ル酸グリシジルを含むビニル系単量体混合物(B)の共
重合体との割合は、(A):(B)の割合で見ると31:6
9(重量比)であった。
得られたプレスコート用水性ワニス用分散液を、乾燥
後の厚みが5μmになるようにロールコート方式で一般
印刷紙に塗工し、80℃で3秒間乾燥した。次いで、エン
ドレスプレス機で120℃、250kg/cm2、ライン速度20m/分
でプレス加工処理した。
[実施例2] 実施例1と同様の処方で、乳化安定剤として水性中和
樹脂(A−2)を用いて、実施例1と同じ組成のエチレ
ン性不飽和単量体混合物を共重合して、固型分40%、粘
度460cpsの乳化色の水性分散体を得た。得られた分散体
を用い、実施例1と同じ処理を行ない、プレス加工処理
した。
[実施例3] 乳化安定剤として水性中和樹脂(A−3)を用い、エ
チレン性不飽和単量体混合物としてスチレン50部、メチ
ルメタクリレート32.7部、2−エチルヘキシルアクリレ
ート17部およびメタクリル酸グリシジル0.3部を用いた
以外は、実施例1と同様にして固型分40%、粘度700cps
の乳白色の水性分散体を得、実施例1と同様の配合処方
によりプレスコート用水性ワニス用分散液を得た。
得られたプレスコート用水性ワニス用分散液を用い、
実施例1と同様にプレス加工処理を行なった。
[実施例4] 乳化安定剤として水性中和樹脂(A−4)を用い、エ
チレン性不飽和単量体混合物としてスチレン35部、メチ
ルメタクリレート33部、ブチルメタクリレート31.6部、
2−エチルヘキシルアクリレート3部およびメタクリル
酸グリシジル0.4部を用いた以外は、実施例1と同様に
して固型分40%、粘度400cpsの乳白色の水性分散体を
得、実施例1と同様の配合処方によりプレスコート用水
性ワニス用分散液を得た。
得られたプレスコート用水性ワニス用分散液を用い、
実施例1と同様にプレス加工処理を行なった。
[比較例1] 実施例1と同様の処方で、乳化安定剤として水性中和
樹脂(A−5)を用いて実施例1と同じ組成のエチレン
性不飽和単量体混合物を重合して固型分40%、粘度660c
psの乳白色の水性分散体を得た。
得られた分散体は実施例1と同じ処理を行い、プレス
加工処理をしたところ、エンドレスプレス機のステンレ
ス板から剥れず、むりやり手ではがすと、コーティング
層が破壊された。
[比較例2] 実施例1と同様の処方で乳化安定剤として水性中和樹
脂(A−6)を用いて実施例1と同じ組成のエチレン性
不飽和単量体混合物を共重合したが、重合安定性が悪
く、目的とする水性分散体は得られなかった。
[比較例3] 実施例1と同様の処方で、乳化安定剤として水性中和
樹脂(A−1)を用いて、スチレン20部、メチルメタア
クリレート45部、ブチルメタアクリレート35部のエチレ
ン性不飽和単量体混合物を共重合して、固型分40%、粘
度450cpsの乳白色の水性分散体を得た。
得られた分散体はアルコールとの混和性が悪いため、
物性測定は行なわなかった。
[比較例4] 実施例1と同様の処方で、乳化安定剤として水性中和
樹脂(A−1)を用いて、スチレン20部、メチルメタア
クリレート45部、ブチルメタアクリレート30部、メタク
リル酸グリシジル5部のエチレン性不飽和単量体混合物
を共重合して、固型分40%、粘度500cpsの乳白色の水性
分散体を得た。
得られた分散体は、実施例1と同じ処理を行ない、プ
レス加工処理した。
[比較例5] 実施例1と同様の処方で、乳化安定剤として水性中和
樹脂(A−1)を用いて、スチレン50部、メチルメタア
クリレート31部、2−エチルヘキシルアクリレート17
部、メタアクリル酸グリシジル2部のエチレン性不飽和
単量体混合物を共重合して、固型分40%、粘度500cpsの
乳白色の水性分散体を得た。
得られた分散体は、実施例1と同じ処理を行ない、プ
レス加工処理した。
実施例1〜4、比較例1〜6における中和樹脂の種
類、単量体組成および評価結果を第2表に一括して示
す。
第2表から明らかなように、本発明のプレスコート用
水性ワニス用分散液を用いると、つぶれ性、光沢、耐ブ
ロッキング性およびアルコール混合性に優れていること
が分かる。
これに対して、酸価390と本発明の範囲外である中和
樹脂(A−5)を用いた場合(比較例1)には、耐ブロ
ッキング性が悪く、また、同じく酸価が40と低く本発明
の範囲外である中和樹脂(A−6)を用いた場合(比較
例2)には、中和樹脂の乳化安定剤としての作用が劣
り、重合安定性が悪く、実用性のあるプレスコート用水
性ワニス用分散液を得ることができない。
また、エチレン性不飽和単量体混合物(B)として、
グリシジル基含有エチレン性不飽和単量体を含まないも
のを用いると(比較例3)、アルコール混合性が悪く、
充分な性能を有するプレスコート用水性ワニス用分散液
を得ることができない。さらに、グリシジル基含有エチ
レン性不飽和単量体を0.5重量%を超えて含むエチレン
性不飽和単量体混合物(B)を使用すると(比較例4〜
5)、つぶれ性や光沢が不充分となることが分かる。
[発明の効果] 本発明により、アルコール混和性に優れ、かつ、つぶ
れ性、光沢、耐ブロッキング性のバランスのとれたプレ
スコート用水性ワニス用分散液が提供される。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン性不飽和カルボン酸を含むエチレ
    ン性不飽和単量体混合物を共重合して得られた酸価が50
    〜300の樹脂を中和して得られる樹脂(A)の存在下
    で、グリシジル基含有エチレン性不飽和単量体を0.05〜
    0.5重量%含むエチレン性不飽和単量体混合物(B)を
    共重合して得られる水性分散体を主成分とするプレスコ
    ート用水性ワニス用分散液。
  2. 【請求項2】中和樹脂(A)とエチレン性不飽和単量体
    混合物(B)との比が、10/90〜90/10の範囲である請求
    項1記載のプレスコート用水性ワニス用分散液。
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