JP2606701B2 - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物

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JP2606701B2 JP62149981A JP14998187A JP2606701B2 JP 2606701 B2 JP2606701 B2 JP 2606701B2 JP 62149981 A JP62149981 A JP 62149981A JP 14998187 A JP14998187 A JP 14998187A JP 2606701 B2 JP2606701 B2 JP 2606701B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、不飽和単量体を乳化重合させて得られる超
微粒子化水性エマルジョンを必須成分とする塗料組成物
に関する。
〔従来技術〕
近年、大気汚染、現場作業環境の改善あるいは資源等
の有効利用の観点から有機溶剤型の塗料の代替品として
水溶液型あるいは水分散型の水系塗料、粉体塗料とりわ
け水分散型の塗料即ち水性エマルジョン系塗料が注目を
浴びている。
しかしながら、例えば、不飽和単量体を乳化剤の存在
下で乳化重合させて得られる水性エマルジョン系塗料は
その粒子径は大きく、また形成する皮膜は、有機溶剤型
塗料の皮膜に比べ、透明性、平滑性、耐水性、あるいは
耐溶剤性等の性能に劣るという欠点があった。
これらの欠点を改良するために、過硫酸塩と還元性の
スルホキシ化合物からなるレドックス触媒に、微量の遷
移金属イオンを促進剤として添加した重合開始剤を用
い、水性エマルジョンの粒子を超微粒子化させ、更には
水性エマルジョンに適度の3次元構造を生成させて皮膜
性能を改善する方法(特開昭60−170604号公報、特開昭
60−170605号、表面:vol25,No2.86,1987)が提案されて
いる。
しかし、これらの方法においては、重合促進剤として
使用する遷移金属イオンの微量の添加量の影響により、
生成する水性エマルジョの粒子径が大きく異なったり、
超微粒子化が可能な場合も、使用する界面活性剤の乳化
重合後の分散効果が小さく、生成する水性エマルジョン
の粘度が著しく増大するために重合前あるいは重合中に
アンモニア水あるいはリン酸アンモニウム等を添加する
必要がある等の問題点がある。
更には、この方法で得られる水性エマルジョンは粒子
内および/もしくは粒子間で架橋しているものの、皮膜
を形成する温度の影響により、皮膜の造膜性、透明性あ
るいは機械的強度が劣り、またこの水性エマルジョン
は、ゼータ電位が高く残存する乳化剤の影響により長期
間に亘り静置保存すると、粒子同士が合一、凝集し、粗
大粒子を生成し、著しい白濁現象が起る上、層分離を生
じたり、更には粘度が著しく増大するという問題があ
り、工業的に有利な方法ではなかった。
また、ある種のポリオキシアルキレン(メタ)アクリ
ル酸ジエステルは樹脂改質剤として用い、水性エマルジ
ョンを得、形成する皮膜の耐水性等を向上する方法(特
公昭54−19905号公報)も提案されているが、これらの
方法においては、超微粒子化ができないばかりかポリオ
キシアルキレン(メタ)アクリル酸ジエステルは水溶性
と乳化力が劣り、更には多量に用いないと耐水性等の皮
膜性能は改良されず更にはこの皮膜はべたつきを生じ、
粘着性が強過ぎるという問題があった。
〔目的〕
本発明の目的は、分散安定性が長期間に亘り優れ、か
つ造膜性、透明性、平滑性、粘着性、耐水性及び機械的
強度に優れる皮膜形成能を有する超微粒子化既架橋水性
エマルジョン系塗料組成物を提供することにある。
〔構成〕
本発明によれば、平均粒子径が100nm以下で、架橋構
造を有するとともに重量分率法で算出される値より高い
ガラス転移温度を有し、ゼータ電位が−30mv以下であっ
て、分散安定性が長期間に亘り優れる水性エマルジョン
を必須成分とすることを特徴とする塗料組成物が提供さ
れる。
本発明の塗料組成物の必須成分である水性エマルジョ
ンは、第1に、その平均粒子径が100nm以下、好ましく
は80nm以下であることを特徴とする。
水性エマルジョンは、本質的に粒子の充填融着によっ
て皮膜が形成されるので、その平均粒子径が小さいこと
が必要とされるが、本発明においては、前記したように
その平均粒子径を100nm以下、好ましくは80nm以下に限
定したことから、熱融着、皮膜の透明性、平滑性、光沢
性等の諸性能を大巾に向上することが可能となる。
その平均粒子径が100nmを超えると、皮膜が形成され
る際の融着性(緻密性)が劣り、皮膜の光沢性、透明性
及び平滑性が欠ける場合があるので、本発明の所期の目
的を達成することができない。
また、本発明の塗料組成物の必須成分である水性エマ
ルジョンの第2の特徴は、その粒子内および/又は粒子
間に架橋構造を有することである。
即ち、本発明の塗料組成物の必須成分である水性エマ
ルジョンは、その粒子内及び/又は粒子間が、例えば原
料不飽和単量体の官能基同志、またはこれらと乳化剤の
有する官能基とがイオン結合、水素結合、縮合反応ある
いは重合反応等によって架橋化されているため、透明
性、粘着性、耐水性、耐溶剤性及び機械的強度に優れる
皮膜を形成するものと推定される。
更に、本発明の塗料組成物の必須成分である水性エマ
ルジョンの第3の特徴は、重量分率法で算出される値よ
りも高い、好ましくは3℃以上、高いガラス転移温度を
有することである。
ガラス転移温度(Tg)は、ポリマーを加熱した場合に
ガラス状のかたい状態からゴム状に変わる現象の起こる
温度であり、ポリマーの構造因子である成分のガラス転
移温度が既知であれば、ポリマーのガラス転移温度は重
量分率法によって次式から求めることができる。
WA ;A成分の重量分率 WB ;B成分の重量分率 TgA;A成分のガラス転移温度 TgB;B成分のガラス転移温度 このガラス転移温度は種々の構造因子によって影響を
され、一般に架橋構造を有するポリマーの場合にはその
ガラス転移温度は高くなり、またポリマーに可塑剤を添
加すとガラス転移温度が低下することが知られている。
一方、水性エマルジョンについては、粒子の充填融着
により皮膜が形成される最低の温度として最低造膜温度
が知られており、この最低造膜温度とガラス転移温度と
は比例的な関係にあることが知られている。
本発明の水性エマルジョンは、前記したように重量分
率法で算出される値より高いガラス転移温度を示す皮膜
形成能を有するもので、緻密な架橋構造であるので、透
明性、粘着性、平滑性、耐水性及び耐溶剤性に優れた、
更には、硬く、引張り強度、モジュラス強度等の機械的
強度の良好な皮膜を形成することができる。
本発明の塗料組成物の必須成分である水性エマルジョ
ンの第4の特徴は、ゼータ電位として、−30mv以下、好
ましくは−50mv以下の値を有することである。
一般に、水性エマルジョンのような分散型のコロイド
粒子は、粒子と溶液の界面の粒子を包む系で界面動電位
(ゼータ電位)を有していて、この電荷によりコロイド
粒子が反発し、安定な系が保たれており、このゼータ電
位が負側に帯電している場合、より低いことが必要とさ
れるが、本発明の水性エマルジョンは前記したようにそ
のゼータ電位が−30mv以下、好ましくは−50mv以下の値
を有するから、分散系におけるコロイド粒子は極めて高
い安定性を示す。
また、本発明の塗料組成物の必須成分である水性エマ
ルジョンの第5の特徴は、長期間に亘りその分散安定性
に優れていることである。
即ち、本発明の水性エマルジョンは平均粒子径が100n
m以下のものであるが、このものは、45℃、1週間の強
制加熱分散安定性試験に供した場合においても、平均粒
子径の変化は実質的になく、変化があった場合でも、通
常は平均粒子径が150nm以下の粒子分布の1山分布の粒
度分布を示し、また変化率が大きい場合においても、平
均粒子径が150nm未満の1山目の粒度分布のものが97%
以上であり、粒子の凝集による2山目は300nm以上の粒
度分布を有するのが3%以下である2山分布を示し、そ
の平均粒子径の粒度分度が極めて小さいものである。
更に、本発明に係る水性エマルジョンは、25℃、6ケ
月間の長期分散安定性試験に供した場合においても、後
記実施例及び比較例から明らかなように、その平均粒子
径の変化率が極めて小さい。
従って、本発明に係る水性エマルジョンは、経時によ
っても粒子同士の合一や凝集が実質的になく、粗大粒子
を生成することがないため、経時変化に伴う粒子径の変
化、透過率の低下、粘度変化更には外観上の変化等がな
いことから、長期間に亘り優れた分散安定性を示すもの
であり、膜を形成した場合、粗大粒子の生成に起因する
機械的強度の低下をきたさない。
本発明に係る水性エマルジョンが、上記のように優れ
た分散安定性を呈する理由は必ずしも明らかでないが、
その平均粒子径が100nm以下であることから、粒子間の
ブラウン運動が比較的活発であり、また系内に残存する
重合性もしくは反応性乳化剤によって生じるとされる重
合反応や架橋反応等の望ましくない副反応が、本発明に
おいては、スルホネート型乳化剤と反応性乳化剤が規則
的に配列よく存在することから、重合反応や架橋反応等
の副反応が抑制されること等の理由により、各粒子が十
分に保護されるために、粒子同士の合一や凝集が阻止さ
れ、粗大粒子の形成を助長しない点が基本的な要因と推
定される。
また、本発明においては、前記水性エマルジョンの分
散安定性を向上させるために、例えば、P−ヒドロキシ
ジフェニルアミン、N,N′−ジフェニルジアミン、2,5−
ジ−tert−ブチルヒドロキノン等の従来公知の重合禁止
剤や重合停止剤を添加することもできる。
また、本発明の塗料組成物の必須成分である水性エマ
ルジョンの平均分子量は、一般に百万以上、多くは数千
万〜数億程度のものであり、また架橋化度の高いものに
あっては、数千万〜10億程度更にこれより高い分子量を
示す場合もある。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明で用いる水性エマルジョンは、不飽和単量体を
後記する特定乳化剤の存在下で乳化重合することによっ
て得ることができる。
この不飽和単量体としては、下記一般式(I)で示さ
れる(メタ)アクリル酸エステル類 (式中、R1およびR2は水素またはメチル基、R3は炭素数
1〜18のアルキル基) の他、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルな
どの低級脂肪酸ビニルエステル類、アクリロニトリル、
メタクリロニトリルなどのニトリル類、スチレン、α−
メチルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン類、塩
化ビニル、臭化ビニルなどのビニル類、塩化ビニリデ
ン、臭化ビニリデンなどのビニリデン類、ブタジエン、
クロロプレン、イソプレンなどのジエン類及びビニルピ
リジン等が例示されるが、(メタ)アクリル酸エステル
類、低級脂肪酸ビニルエステル類、ニトリル類及びスチ
レン類の使用が好ましい。
また、本発明においては、上記不飽和単量体と共重合
させる不飽和単量体として、生成する水性エマルジョン
の粒子内および(もしくは)粒子間の架橋構造を更に強
固にするために及び造膜時に架橋を促進させるために反
応性官能基を有する不飽和単量体が好ましく用いられる
が、反応性官能基を有しない不飽和単量体であっても、
乳化重合系において、活性水素を有する化合物に転換し
得る不飽和単量体の使用も可能である。
このような反応性官能基を有する不飽和単量体として
は、例えば、下記一般式(II)〜(VIII)で示される化
合物が挙げられる。これらの単量体は単独または二種以
上併用して用いることがき、更に必要により他の共重合
可能な不飽和単量体も併用することが可能である。
(式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,B,D,E,t1,t2及び
t3は次の通りである。
R1,R2,;水素原子またはメチル基 R4;炭素数2〜4のアルキレン基 R5;直接結合、炭素数1〜3のアルキレン基、フェニレ
ン基または置換フェニレン基 R6;酸素原子または−NH− R7;水素、炭素数1〜5のアルキロール基 R8;水素、炭素数1〜5のアルキロール基または炭素数
1〜5のアルキル基 R9;炭素数1〜4のアルキレン基 A;メチレン基またはカルボニル基 B;−CH2O−またはカルボキシル基 D;水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、カルボキシル
基、 または−CONHCONH2 E;水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または−CH2COO
H t1;1〜20の実数 t2;0または1の整数 t3;0〜10の整数) 一般式(II),(III),(IV),(V),(VI),
(VII)および(VIII)の具体的化合物の例としては、
次下に示されるものを挙げることができる。
一般式(II)の例 グリシジルアクリレート グリシジルメタクリレート グリシジルクロトネート グリシジルアリルエーテル 一般式(III)の例 ヒドロキシエチルアクリレート ヒドロキシエチルメタクリレート ヒドロキシエチルクロトネート ヒドロキシプロピルアクリレート ヒドロキシプロピルメタクリレート ヒドロキシプロピルクロトネート ヒドロキシブチルアクリレート ヒドロキシブチルメタクリレート ポリオキシエチレンモノアクリレート ポリオキシエチレンモノメタクリレート ポリオキシエチレンモノクロトネート ポリオキシプロピレンモノアクリレート ポリオキシプロピレンモノメタクリレート ポリオキシプロピレンモノクロトネート ポリオキシブチレンモノアクリレート ポリオキシブチレンモノクロトネート ヒドロキシエチルアリルエーテル ヒドロキシプロピルアリルエーテル ヒドロキシブチルアリルエーテル ポリオキシエチレンアリルエーテル ポリオキシプロピレンアリルエーテル ポリオキシブチレンアリルエーテル 一般式(IV)の例 アリルアミン アクリルアミン メタアクリルアミン アミノスチレン α−メチルアミノスチレン 一般式(V)の例 アクリルアミド メタアクリルアミド アミノプロピルメタクリルアミド モノメチルアクリルアミド モノエチルアクリルアミド ジエチロールアミノプロピルアクリルアミド 一般式(VI)の例 アクリル酸 メタクリル酸 クロトン酸 イタコン酸 マレイン酸及びその炭素数1〜5のアルキル基のモノエ
ステルまたは無水物 フマル酸及びその炭素数1〜5のアルキル基のモノエス
テルまたは無水物 マレイン酸アラニド フマル酸アラニド N−カルバモイルマレイン酸アミド N−カルバモイルフマル酸アミド 一般式(VII)の例 メチルアリルチオール メチルメルカプトスチレン 一般式(VIII)の例 N−メチロールアクリル酸アミド N−メチロールメタクリル酸アミド N−メチロールクロトン酸アミド N−(2−ヒドロキシエチル)アクリル酸アミド N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸アミド N−(2−ヒドロキシプロピル)アクリル酸アミド N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリル酸アミド 上記不飽和単量体と反応性官能基を有する不飽和単量
体の使用割合は、99/1〜60/40(重量)であり、好まし
くは99/1〜99/10(重量)である。この使用割合が99/1
より大きいと、生成する水性エマルジョンの粒子内およ
び粒子間の架橋化度が小さくなり、60/40より小さいと
乳化共重合性に欠け多量の凝集物を生じたりあるいは造
膜性が劣ったり形成する皮膜にヒビ割れを生じたりする
場合がある。
本発明においては、上記不飽和単量体を乳化重合する
際に乳化剤として、下記一般式(IX)、(X)、(X
I)、(XII)、(XIII)及び(XIV)で示される反応性
乳化剤の少くとも1種、一般式(XV)で示されるスルホ
ネート型乳化剤及び一般式(XVI)で示されるポリオキ
シアルキレンエチレン性不飽和カルボン酸ポリエステル
類(以下、ポリ(メタ)アクロイル型乳化剤と略称す
る)の少くとも三成分からなるアニオン系乳化剤を用い
ることが必要である。
(式中、R10、R11、R12、R13、R14、R16、a1、a2、a3
a4、M、m及びGは次の通りである。
R10;炭素数2〜4のアルキレン基 R11;置換基を有してもよい炭化水素基、フェニル基、ア
ミノ基またはカルボン酸基 R12,R16;水素またはメチル基 R13;置換基を有してもよい炭化水素基 R14,R15;水素または炭素数1〜20のアルキル基で、直鎖
状でも分枝鎖状でもよく、好ましくはR14またはR15のい
ずれか一つが水素で他方が炭素数6〜18のもの a1,a2,a3,a4;平均付加モル数を示し a1,a2,a3;0〜50の実数 a4;1〜50の実数で好ましい分子中のアルキレンオキシド
の付加モル数は8以上 M;1価または2価の陽イオン m;Mのイオン価 −O−CnH2n−g2(R18)g2−O− R16,R17;水素又は炭素数1〜2アルキル基 R18;水素又はR10Oa5H又は g1;0〜5の整数 g2;0〜10の整数 n;1〜10の整数 a5;1〜50の実数 でありy:1〜5の実数 R19,R20;水素または炭素数1〜20のアルキル基 Y′;炭素数3〜8のアルキレン基、酸素またはカルボ
ニル基) また、これらの乳化剤は、平均粒子径が超微粒子で粒
子内および(もしくは)粒子間に緻密な架橋構造を有
し、計算式より求められる値より高いガラス転移温度を
示す皮膜を形成し、更にはゼーダ電位が−30mv以下で長
期間に亘り粒子同士の合一、凝集が抑制される分散安定
性にも優れる超微粒子既架橋水性エマルジョンを得るた
めには、上記不飽和単量体の乳化重合に使用する乳化剤
として(a)上記一般式(IX)、(X)、(XI)、(XI
I)、(XIII)及び(XIV)で示される反応性乳化剤の少
くとも1種と、(b)一般式(XV)で示されるスルホネ
ート型乳化剤及び(c)上記一般式(XVI)で示される
ポリ(メタ)アクロイル型乳化剤の少くとも三成分を必
須成分とし、(a)/(c)=9/1〜1/9重量比、好まし
くは4/1〜1/4重量比、(b)/(a)+(c)=7/3〜1
/9重量比、好ましくは3/2〜1/4重量比で使用される。
この(a)/(c)の使用割合が9/1より大きいと、
生成する水性エマルジョンの架橋性および(もしくは)
静置安定性が悪くなる場合があり、1/9より小さいと乳
化重合時に多量の凝集物が生じたり、生成する水性エマ
ルジョンの平均粒子径が大きくなる場合がある。
また、(b)/(a)+(c)の使用割合が7/3より
大きいと、生成する水性エマルジョンの粒子内および/
もしくは粒子間の架橋度が小さくなり、形成する皮膜が
透明性、耐水性及び耐溶剤性に劣り、1/4より小さいと
不飽和単量体のミクロ乳化あるいは可溶化に欠け、生成
する水性エマルジョンの平均粒子径が大きくなったり、
乳化重合の経過と共に粒子同士が合一、凝集して白濁し
たり、更には透明もしくは半透明の超微粒子の水性エマ
ルジョンが生成しても、ゼータ電位が負に小さく、長期
間に亘り静置保存すると粒子同士の合一、凝集が容易に
おこり、粗大粒子を生成し、著しく白濁したり、更には
水性エマルジョンが層分離を生じたり、もしくは粘度が
顕著に増大する。
これら乳化剤は、上記割合で使用することにより、超
微粒子で、架橋構造を有し、重量分率法で算出される値
より高いガラス転移温度を示し、ゼータ電位が負に高く
帯電し、更には長期間に亘り粒子同士の合一、凝集が抑
制される分散安定性に優れる水性エマルジョンを生成す
ることができる。
また、これらの乳化剤の使用量は、乳化重合対象不飽
和単量体に対して0.1〜15重量%程度が適当であり、好
ましくは0.5〜10重量%である。
又、公知のアニオン性、ノニオン性およびカチオン性
界面活性剤を必要に応じて添加してもよく、その具体例
としては、高級アルコール、高級アルコール酸化アルキ
レン付加体、アルキルフェノール酸化アルキレン付加体
およびスチレン化フェノール酸化アルキレン付加体のサ
ルフェート型、α−オレフィン等のオレフィンスルホネ
ート型、長鎖アルキルアミン酸化アルキレン付加体及び
ジ長鎖アルキルアミン酸化アルキレン付加体の各々の第
4アンモニウム塩型、N−(1,2−ジカルボキシエチ
ル)−N−オクタデシルスルホン酸モノアミドのナトリ
ウム塩、ジアルキルスルホサクシネート、漂白セラミッ
ク樹脂、4−ヒドロキシ−4,5−ジカルボンペンタデカ
ン酸もしくは4,5−ジカルボキシ−ペンタデカノロイド
の有機及び無機塩等が例示される。
そして、本発明に係る水性エマルジョンを得るに当っ
ては、上記不飽和単量体および上記乳化剤の存在下で従
来公知の乳化重合方法をそのまま使用することができ
る。たとえば不飽和単量体の0.1〜5重量%に相当する
重合開始剤の存在下に、不飽和単量体の重合物が20〜60
重量%の濃度で水に乳化分散させ、乳化重合を遂行させ
ればよい。
重合開始剤としては通常の乳化重合に用いられる水溶
性単独開始剤や水溶性レドックス開始剤が用いられ、こ
のようなものとしては、例えば、過酸化水素単独または
過酸化水素と酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸などの
カルボン酸との組合せや、過酸化水素と、シュウ酸、ス
ルフィン酸およびこれらの塩類又はオキシアルデヒド
類、水溶性鉄塩などとの組合せの他、過硫酸塩、過炭酸
塩、過硼酸塩類などの過酸化物及び2,2′−アゾビス
(2−アミジノプロパン)とその塩、2,2′−アゾビス
(N,N′−ジメチレン−イソブチルアミジン)とその
塩、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)とその塩等
の水溶性アゾ系開始剤が使用可能である。
また、水溶性のノニオン性高分子物質、アニオン性高
分子物質及びカチオン性高分子物質等を併用することが
できる。更に、従来の方法で通常使用する可塑剤、pH調
整剤も必要に応じて併用することができる。
ノニオン性高分子物質としては、ポリビニルアルコー
ル、デキストリン、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロ
キシエチルセルロースのようなデンプン誘導体、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース
等が挙げられる。
アニオン性高分子物質としては、アニオン化ヒドロキ
シエチルセルロース、アニオン化デンプン、アニオン化
グアーガム、アニオン化キトサン、カルボキシメチルセ
ルロース、アニオン化ポリビニルアルコール等の重合体
が挙げられる。
また、カチオン性高分子物質としては、カチオン化ヒ
ドロキシエチルセルロース、カチオン化デンプン、カチ
オン化グアーガム、カチオン化キトサンおよび、カチオ
ン性(メタ)クリル酸アミド、カチオン性(メタ)アク
リル酸アミド、ジメチルジアリルアンモニウムクロライ
ド等の重合体が挙げられる。
これら、ノニオン性高分子物質、カチオン性高分子物
質及びアニオン性高分子物質は適宜に一種または、二種
以上を使用することができるが、その添加量は乳化重合
対象単量体に対して0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜
3重量%使用するのが適当である。
また、可塑剤としては、フタル酸エステル、リン酸エ
ステル等が使用できる。更にpH調整剤としては炭酸ナト
リウム、重炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等の塩を0.
01〜3重量%の範囲で併用しうる。
本発明の塗料組成物は、前記特定の水性エマルジョン
を必須成分とするものであるが、必要により各種の有色
顔料、体質顔料、さび止め顔料、防菌剤、防黴剤、増量
剤、充填剤、分散剤、粘度調整剤、消泡剤及び、更に塗
膜を架橋化する必要がある場合は水溶性メラミン(樹
脂)等の架橋剤等の通常この種の塗料において使用され
る各種補助成分を任意に添加することができる。
好ましい塗料の用途としては、現在使用されている水
性塗料の用途から溶剤系塗料の用途まで幅広く挙げるこ
とができる。その具体的な例としては、木工製品、プラ
スチックス製品、金属製品及び土木建築構造物及び自動
車、鉄道用車輌のアンダーコート及びトップコート用の
クリアー塗料あるいはエマルジョン塗料のビヒクルとし
ては勿論、水溶性メラミン(樹脂)等と混合して、焼付
け硬化(架橋)を行う焼付け塗料素材、更には水溶性塗
料、粉体塗料、ハイソリッド塗料の塗膜物性向上のため
のブレンド剤としても使用できる。
又、本発明の塗料組成物はチクソトロピック性、造膜
性が著しく良好で耐水性に優れ、強靭な皮膜を形成する
ことから、土木建築構造物の複層仕上げ塗料、船底塗
料、橋梁用塗料及び金属粉との混合により磁性塗料、導
電性塗料、電磁波シールド材等の放射線遮蔽塗料等の特
殊塗料あるいはマーカー及びマニキュアとしても使用で
きる。
〔効果〕
本発明の塗料組成物は、平均粒子径が100nm以下で、
架橋構造を有し、重量分率法で算出される値よりも高い
ガラス転移温度を有し、分散安定性が長期間に亘って優
れる水性エマルジョンを必須成分としたことから、従来
の塗料組成物と異なり、造膜性、透明性、平滑性、粘着
性、耐水性及び機械的強度に優れた塗膜形成能を有する
ものである。
このため、本発明の塗料、木工製品、プラスチック製
品、金属製品等の各種基材や製品の表面に塗布すること
によりこれらの基材等に対して、透明性、耐水性、耐候
性、耐衝撃性等の種々の優れた性能を付与することがで
きる。
また、本発明の塗料組成物は無溶剤系であるから、そ
の安全性に優れ無公害型であるという利点を併せもつも
のである。
〔実施例〕
次に、本発明を更に詳細に説明するために、以下に実
施例を示す。
実施例1 〔水性エマルジョンの調製〕 温度計、攪拌機、還流冷却管、窒素導入管および滴下
ロートを備えたガラス製反応容器に第1表に示す乳化剤
8重量部と水150重量部を仕込んで溶解し、系内を窒素
ガスで置換した。別にアクリル酸エチル90重量部、メタ
クリル酸メチル60重量部、N−メチロールアクリル酸ア
ミド4.5重量部及び水1.5重量部からなる不飽和単量体混
合物156重量部に調製し、このうち15重量部を前記反応
容器に加え、40℃で30分間乳化を行った。次いで60℃に
昇温したのち、重合開始剤2,2′−アゾビス(N,N′−ジ
メチレンイソブチルアミジン)塩酸塩を9.0×10-3mole/
水相になるように48.5重量部の水に溶解し、前記の反
応容器に添加し、直ちに残部の不飽和単量体を30分間に
わたって反応容器内に連続的に滴下し、60℃で重合を行
った。不飽和単量体の滴下終了後、60℃で60分間熟成し
た。
〔水性エマルジョンの性状と皮膜特性の評価〕
このようにして得られた水性エマルジョンの平均粒子
径、架橋性、ゼータ電位、造膜性、ガラス転移温度及び
皮膜特性は以下の方法で測定した。
平均粒子径:コールターサブミクロン粒子アナライザー
(米国、コールター・エレクトロニクス社製、Coulter
Model N4型)により平均粒子径を測定した。
架橋性:固形分が40重量%になるように調整した水性エ
マルジョン30gを12cm×14cmのガラス板に均一になるよ
うに流延し、25℃にて風乾した。このようにして得られ
た皮膜を2cm×4cmに切断し、20℃のベンゼンを満したシ
ャーレの中に48時間浸漬し、皮膜の膨潤度、溶解性を基
準にして下の通り評価した。
○;ベンゼンに浸漬前の皮膜面積(2cm×4cm)と同等か
もしくはわずかに膨潤している程度である。
△;膨潤度が大きく、皮膜形状が損なわれているもの。
×;皮膜がベンゼンに溶解し均一な液状になったもの。
ゼータ電位;レーザー回転プリズム方式コロイド粒子ゼ
ータ電位測定測置(米国、PEN KEN INC製LASER ZEETM M
odel 500型)によりゼータ電位を測定した。
造膜性;25℃で風乾して皮膜を形成させ、形成した皮膜
の状態を視覚にて評価した。
○;平滑で均一な皮膜を形成する。
△;網目状すじのある皮膜を形成する。
×;皮膜を形成しない。
ガラス転移温度(Tg) セイコー電子工業(株)製熱分折測定装置(SSC5000
DSC 200)を用い、Tgを測定した。尚、計算値のTgは重
量分率法(前出)により算出した。
〔皮膜特性の評価〕
固形分を20重量%に調整した上記水性エマルジョン30
重量部を、12cm×14cmのガラス板に均一に流延し、25℃
で風乾し、皮膜を形成させ、皮膜特性を評価した。皮膜
特性は以下の基準により評価した。
透明性;JIS K 6714に準じ、積分式光線透過率測定装置
により皮膜の曇り価を測定した。
耐水性:皮膜を2cm×4cmの寸法大に切断し、20℃の水に
満したシャーレの中に浸漬して、皮膜の白化するまでの
時間を視覚にて判定した。
○;10日以上 △;2日以上、10日未満 ×;2日未満 粘着性;皮膜表面を指触し、ベタ付き感を次の基準にて
評価した。
○;べた付き感なし △;ややべた付く ×;べた付く 伸びと強度;JIS K−6781に準じ、ダンベルを作成し、引
張り破断時の強度、伸び率及び50%、100%及び200%モ
ジュラス強度を測定した。
〔塗料としての性能評価〕
5.0cm×5.0cm×1.0cmのモルタル板、まさ目の樺材及
び20cm×10cm×0.4cmの鋼板(SS41)をポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル(EOP=9.7)水溶液で表面
の汚こう成分を洗浄除去し、水洗後、室温で風乾し、こ
の表面に樹脂層が0.2mmになるように固形分40重量%の
上記水性エマルジョンを均一に塗布した。
次いで25℃で風乾した後、モルタル板、まさ目の樺材
及び鋼板のクリアー塗膜について、外観(光沢性)、耐
水性、耐塩水性、耐衝撃性をJIS−5400に準じて次の基
準で評価した。
外観(光沢性) ○;塗膜が透明で、被塗装材本来の光沢がある。
△;塗膜がやや半透明で、被塗装材本来の光沢がやや劣
り、塗膜表面が網目状のずじが若干ある。
×;塗膜が半透明で、被塗装材本来の光沢がない。
耐水性と耐塩水性 ○;塗面にしわ、脹れ、割れ、剥がれがない。
△;塗面にしわ、脹れ、割れ、剥がれが若干ある。
×;塗面にしわ、脹れ、割れ、剥がれがある。
耐衝撃性 ○;皮膜に割れや剥離が全くない。
△;皮膜の割れや剥離が若干ある。
×;皮膜に割れや剥離がある。
以上の方法で、水性エマルジョンの性状、皮膜特性及
び塗料としての性能評価を行なった。その結果を表−1
及び表−2に示す。試料No1〜4は本発明の実施例であ
り、本発明に係る水性エマルジョンは、超微粒子で、架
橋構造を有し、形成する皮膜が重量分率で算出されるガ
ラス転移温度より高い値を示し、ゼータ電位が負に高く
荷電し、更には透明性、耐水性及び機械的強度に優れる
皮膜を形成する水性エマルジョンであり、良好な塗料組
成物であることがわかる。
尚、試料No5、6は比較例である。
実施例2 表−3に示す割合で(a)ステアリル2−ヒドロキシ
−3−アリルオキシ−1−プロピルサクシネートスルホ
ン酸ナトリウム、(b)分岐鎖状の炭素数10〜14のアル
キルベンゼンスルホン酸ナトリウム/キシレンスルホン
酸ナトリウム=98/2重量比、(c)ポリオキシプロピレ
ンポリオキシエチレンP,P′−イソプロピリデンジフェ
ニルエーテルジアクリル酸エステル(PO=2、EO=
18)を乳化剤とし、アクリル酸エチル90重量部、メタク
リル酸メチル60重量部、N−メチロールアクリル酸アミ
ド4.5重量部及び水1.5重量部からなる不飽和単量体混合
物156重量部を用い、実施例1と同様に乳化重合を行っ
て水性エマルジョンを調製した。
このようにして得られた水性エマルジョンの性状及び
30℃で風乾し、形成する皮膜の特性及び塗料としての性
能を実施例1と同様に測定し評価した。結果を表−3及
び表−4に示す。
試料No8,9,12及び13は本発明の実施例であり、試料No
7,10,11及び14は比較例である。
実施例3 表−5に示す次の乳化剤E−1及びE−2、および 以上に示す不飽和単量体混合物M−1及びM−2を調整
し、 実施例1に準じて乳化重合を行い、水性エマルジョンを
調製した。得られた水性エマルジョンの性状、30℃で風
乾し形成する皮膜の特性及び塗料としての性能を実施例
1に準じて測定し、評価した。結果を表−5と表−6に
示す。試料No15及び16は本発明の実施例である。
実施例4 実施例2で得た試料No8,9,12及び13の水性エマルジョ
ンの固形分を40重量%に調整し、アルミナ(純度99.0重
量%、平均粒子径0.5μm昭和金属(株)製)を顔料と
し、水性エマルジョンの固形分に対し、200重量%を添
加し、ホモミキサー(1000rpm×10分)でかきまぜ、混
合した。
この顔料混和水性エマルジョンを石油エーテルで洗浄
した鋼板(SS41、20.0cm×10.0cm×0.4cm)に厚さが0.2
mmになるように均一に塗布し、20℃で風乾し、JISK5400
に準じて外観(光沢性)、耐水性、耐塩水性及び耐衝撃
性を測定し、実施例1に準びい評価した。
結果はいずれも良好で、優れた塗膜としての効果を示
した。
実施例5 実施例2で得た試料No8,9,12及び13の水性エマルジョ
ンの固形分を40重量%に調整し、チタン白顔料(帝国化
工社製チタン白R−K)と消泡剤(サンノプコ社製ノプ
コ8034)をそれぞれ水性エマルジョンの固形分に対し、
150重量%及び0.6重量%を添加し、ホモミキサー(1000
rpm×10分)でかきまぜ、混合した。
この顔料混和水性エマルジョンを石油エーテルで洗浄
したリン酸亜鉛処理鋼板(22.0cm×10.0cm×0.4cm)に
スプレーで塗布し、130℃で30分間加熱処理して膜厚50
μmの塗膜を形成させた。この塗膜をJISK5400に準じて
耐水性、耐塩水性及び耐衝撃性を測定し、実施例1に準
じて評価した。結果はいずれも良好で、優れた塗膜とし
ての効果を示した。
又、固形分20重量%に調整した試料No8〜11の水性エ
マルジョン5gを5cm×6cmのガラス板に均一になるように
流延し、25℃にて風乾した。このようにして得られた皮
膜と、更に160℃で3時間加熱処理し、加熱処理前後の
皮膜の黄色度をスガ試験機社製SMカラーコンピューター
SM−4−CH型(45゜拡散方式)で測定した。結果はいず
れの黄色度も加熱処理前3以下、加熱処理後10以下で、
黄変の問題もなかった。
以上の結果より、本発明の塗料組成物は焼付け塗料と
しても好適であることが判る。
実施例6 水とトリエタノールアミンを用い、pHを7、固形分濃
度を40重量%に調製した実施例3の試料No15と16の水性
エマルジョン、炭酸カルシウム及びグラスファイバー所
定量をニーダーに仕込み、混合しながら、所定量の第二
リン酸ソーダ及び水を加えて均一に混合する。このとき
水は塗料の粘度が自動車規格(JASO−7006)で規定する
稠度を350程度になるように加える。
水性エマルジョン; 85重量部 炭酸カルシウム ; 25重量部 グラスファイバー; 8重量部 第二リン酸ソーダ;0.5重量部 水 ;バランス このようにして調製した塗料組成物を自動車規格JASO
−7006(1種B)に性じアンダーボデーコーティン塗料
としての評価を貯蔵安定性、作業性、焼付試験、耐油
性、耐沸騰水性、耐衝撃性、耐摩耗性及び防振性につい
て行った。
結果はJASO−7006(1種B)の規格はいずれも満すも
のであった。従って、本発明の塗料組成物は車輌用塗料
としても適当であることが判る。
実施例7 固形分濃度を20重量%に調整した実施例1の試料No1
〜4の水性エマルジョン99.8重量部に、アクリジン、ク
マリン、ローダミン、ローザミン又はフルオレセインの
蛍光化合物又は色素を0.2重量部を加え均一に混合し、
マーキングインクを得た。
このマーキングインクをショアー硬度25、気孔率57%
のポリエステルペン先を有するサインペンに充填し、10
0g程度の荷重で上質紙に筆記した。結果はいずれもかぶ
りのない鮮明な画像および印字を筆記できた。又、乾燥
後のこの筆記箇所を0.5gの水滴およびベンゼン油滴に5
分間浸した後人指し指先で300g程度の荷重圧をかけて指
でなぞっても、鮮明な画像および印字が保持された。
以上の結果より本発明の塗料組成物は光沢性、耐水
性、耐溶剤性に優れているためにマーキングペン、筆ペ
ン等のマーキングインクおよびマニキュアとして適当で
あることが判る。
実施例8 前記試料No1〜16の水性エマルジョンの分散安定性を
以下の要領で評価した。その結果を表−7に示す。な
お、分散安定性試験は以下によった。
〔分散安定性〕
固形分濃度を40重量%に調整した水性エマルジョン15
0gを220mlのガラスびんに入れ密閉したのち、25℃の恒
温室に6ケ月及び45℃の恒温室に1週間各々静置した
後、外観、透過率、粘度及び平均粒子径を測定し、水性
エマルジョンの分散安定性を評価した。尚、外観、透過
率、粘度及び平均粒子径は次の方法で測定した。
外観:25℃で視覚判定により、次の基準で評価した。
○;透明もしくは半透明液体 △;白濁液体 ×;白濁ペーストもしくは白濁で二層に分離 透過率;分光光度計(日本分光工業株式会社製デジタル
ダブルビーム分光光度計UVIDEC−320)を用い、波光800
nmの光照射下での吸光度を求め、光透過率(%)を算出
した。
粘度:ブルックフィールド型粘度計(株式会社東京計器
社製B型粘度計)を用い、25℃の粘度を測定した。
平均粒子径;コールターサブミクロン粒子アナライザー
(米国、コールタール・エレクトロニクス社製、Coulte
r,Model N4型)により平均粒子径で測定した。
又、45℃の恒温室に1週間静置した強制加熱分散安定
性試験に供した試料1〜4、8,9,12,13及び15〜16の水
性エマルジョンを実施例1に準じて皮膜を形成し、実施
例1に準じ皮膜特性を測定した。透明性、耐水性、粘着
剤、耐溶剤性(架橋性)及び機械的強度のいずれも実施
例1,2及び3の結果とほぼ同様の良好な効果が得られ
た。
静置安定性試験前後の粒度分布の変化をグラフにして
示すと第1図及び第2図の通りである。尚、表−7の試
料No5は、45℃、1週間静置試験後、超大粒子が多く、
分散性不良につき測定不可であったため、試料No1及び
試料No5のいずれも25℃、6ケ月静置後の粒度分布の変
化を図示し、比較した。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、各々本発明品(試料No1)及び比
較品(試料No5)の水性エマルジョンの25℃、6ケ月間
静置後の粒度分布の変化を表わすグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径が100nm以下で、架橋構造を有
    するとともに重量分率法で算出される値より高いガラス
    転移温度を有し、ゼータ電位が−30mv以下であって、分
    散安定性が長期間に亘り優れる水性エマルジョンを必須
    成分とすることを特徴とする塗料組成物。
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