JP3496248B2 - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

蒸発燃料処理装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関(エンジン)
の燃料タンクのための蒸発燃料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のガソリンエンジン等において、燃
料タンク内の燃料の蒸発をできるだけ抑えると共に、そ
の反面においてタンク内圧の異常な上昇をも防止するた
めに、燃料タンクを所定のタンク内圧設定値(例えば3
0mmHg)において開弁するタンク内圧設定弁を介してチ
ャコールキャニスタに接続すると共に、チャコールキャ
ニスタとエンジンの吸気通路とをパージ通路によって接
続する蒸発燃料処理装置が用いられている。
【0003】この蒸発燃料処理装置は、エンジンの運転
中又は停止中に燃料タンク内でベーパが発生することに
よりタンク内圧が上昇して、その値が一定の設定値を越
えたときに、タンク内圧設定弁を開弁させてベーパをチ
ャコールキャニスタに送り込み、チャコールキャニスタ
に充填されている活性炭のような吸着剤によってベーパ
を一時的に吸着させると共に、チャコールキャニスタに
吸着されているベーパを、エンジンの運転中にチャコー
ルキャニスタを通過する空気によって脱離させてパージ
通路から吸気通路へ送り込み、吸気混合気と共にエンジ
ンの燃焼室内において燃焼させることによって処理する
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】最近、燃料タンク等か
らの蒸発燃料(ベーパ)の規制が強化されて来たことか
ら、タンク内圧設定弁の内圧設定値を従来よりも低く設
定して、タンク内で発生するベーパのうち、より多くの
部分を蒸発燃料処理装置によって処理する必要が生じて
来た。しかしながら、もしそのように一定値であるタン
ク内圧設定弁の設定値を従来よりも単に低い値に変更し
ただけでは、燃料タンクからチャコールキャニスタへ流
れるベーパの量が多くなるのに伴って、チャコールキャ
ニスタからエンジンの吸気通路へパージされて燃焼室に
おいて燃焼処理されるベーパの量も多くなるので、運転
状態によってはエンジンの空燃比が適正値から大きくず
れて(過度にリッチになる)、回転数や出力が変動し
て、特にアイドリング等では運転状態が不安定になった
り、排気中のHCやCO等の有害物質が増加するという
ような別の問題を生じる。
【0005】従来技術の中にも、燃料タンクとチャコー
ルキャニスタとの間に所定の開弁圧を有する弁を設ける
ことにより、エンジンの停止中は、燃料タンクとチャコ
ールキャニスタとの連通を、タンク内圧が所定の開弁圧
を越えたときだけに制限すると共に、エンジンの運転中
はその弁を常時開放して、燃料タンクとチャコールキャ
ニスタとの間を連通させるという二段階切り換えを行う
ものはあったが、この場合は、エンジンの運転中は弁が
燃料タンクとチャコールキャニスタとの間を常時連通さ
せているので、ベーパの発生をできるだけ抑えるという
作用はなく、燃料タンクから絶えず多量のベーパがチャ
コールキャニスタに送り込まれることになり、それに応
じて、チャコールキャニスタからパージされてエンジン
の燃焼室へ送り込まれるベーパの量も増大するから、特
にアイドリングのような運転状態では空燃比が過度にリ
ッチになって、前述のような問題を生じるものと考えら
れる。
【0006】本発明は、最近の厳しいベーパ規制の方向
に合わせて、燃料タンク内におけるベーパの発生をでき
るだけ抑制しながらも、発生したベーパを円滑にチャコ
ールキャニスタに送り込み、且つ適時にチャコールキャ
ニスタからパージしてエンジンの燃焼室内で支障なく処
理することができ、その際に空燃比の変動を招いてエン
ジンの運転状態を不安定にするようなことがなく、排気
エミッションの悪化も防止することができるような手段
を提供することを発明の目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、この課題を解
決するための手段として、燃料タンクとチャコールキャ
ニスタ間のベーパ通路に設置され、エンジンの運転状態
に応じて前記燃料タンクのタンク内圧設定値を段階的に
変更するタンク内圧設定弁を備えており、前記エンジン
の吸気通路に設けられたスロットル弁の全閉時には、大
気圧力を前記タンク内圧設定弁の制御圧空間に導入する
一方、前記スロットル弁の開弁時には、前記スロットル
弁の下流側の吸気負圧を前記制御圧空間に導入すること
によって、前記エンジンの停止時、アイドリング時、及
び減速時には前記タンク内圧設定弁のタンク内圧設定値
を高く、前記エンジンの負荷運転時には前記タンク内
圧設定弁のタンク内圧設定値を低くするように構成され
ている蒸発燃料処理装置を提供する。
【0008】
【0009】
【作用】本発明の蒸発燃料処理装置を備えているエンジ
ンにおいては、エンジンの停止時、アイドリング時、及
び減速時には、吸気通路に設けられたスロットル弁が全
閉となることによって、大気圧力が前記タンク内圧設定
弁の制御圧空間に導入されて、燃料タンクとチャコール
キャニスタ間のベーパ通路に設置されているタンク内圧
設定弁のタンク内圧設定値を高くする。その結果、燃料
タンク内でのベーパの発生が抑制されて、タンク内圧が
比較的高い設定値を越えた時だけベーパがチャコールキ
ャニスタに送られることになる。従ってそれらの状態で
はチャコールキャニスタへ送り込まれるベーパの量が減
少することによって、チャコールキャニスタからパージ
されてエンジンの燃焼室へ送り込まれるベーパの量も減
少するので、特に運転状態が不安定になり易いアイドリ
ングにおいても、空燃比の変動によって問題を生じるよ
うな恐れがなくなる。
【0010】エンジンが通常の負荷運転状態になると、
タンク内圧設定弁の内圧設定値が比較的低い値に変更さ
れる。それによってタンク内圧設定弁が比較的低いタン
ク内圧において開弁して、燃料タンク内に溜まっていた
ベーパをチャコールキャニスタへ送り込むので、チャコ
ールキャニスタからパージされてエンジンの燃焼室へ送
り込まれるベーパの量も増加するが、その時はエンジン
の回転数が高く吸気量も増大しているので、パージされ
たベーパによって空燃比が大きく変動するようなことは
なく、何ら問題は生じない。
【0011】ンク内圧設定弁が閉弁状態から開弁した
時は、ベーパが燃料タンク側からチャコールキャニスタ
の側へ急激に送り込まれることになり、それによってチ
ャコールキャニスタからパージされてエンジンの燃焼室
へ送り込まれるベーパの量も急激に増加する場合がある
が、タンク内圧設定弁の弁体の下流側となる部分に、滞
留室として拡大する空間が設けられている場合には、タ
ンク内圧設定弁の開弁によって急激に流れはじめたベー
パが弁体の下流側の拡大する空間に一時滞留し、緩やか
にチャコールキャニスタに送られるので、それに応じて
増加するパージ量も急激に増加することが抑えられて、
エンジンの空燃比の大きな変動も防止される。
【0012】
【実施例】図1に従って、本発明の一実施例である蒸発
燃料処理装置の構成を説明する。1はタンク内圧設定弁
であって、燃料タンク2と燃料タンクから発生する蒸発
燃料(ベーパ)を一時吸着するチャコールキャニスタ3
との間に設置される。
【0013】タンク内圧設定弁1はロアボディ4、セン
タボディ5及びアッパボディ6の3つのボディ部分を図
示しない螺子等により一体的に締結することによって構
成される。ロアボディ4には、ベーパ入口7、ベーパ通
路8、第1の弁シート部9、滞留室10、ベーパ出口1
1、第2の弁シート部12、戻りベーパ通路13等が形
成される。ベーパ入口7はベーパ通路14を経て、燃料
タンク2の上部空間に連通する。
【0014】滞留室10と戻りベーパ通路13の間には
逆止弁15が設けられ第2のシート部12に着座するこ
とができる。ベーパ出口11はベーパ通路16を経て、
キャニスタ3に連通する。
【0015】センタボディ5はその内周の壁面から中央
部に延びているストッパ部17を有する。また、外周壁
には大気へ連通する開放口18が形成されている。アッ
パボディ6にはストッパ部19と制御圧導入ポート20
が設けられる。
【0016】制御圧導入ポート20は導管21を介して
図示しないエンジンの吸気管22に設けられたスロット
ル弁23近傍の、空気(吸気)の流れの方向に関して上
流側に設けられた制御ポート24に連通している。
【0017】チャコールキャニスタ3はベーパ入口ポー
ト25、パージポート26、及び大気導入ポート27を
有し、パージポート26はパージ制御弁28を介して、
エンジンの吸気管22のスロットル弁23の下流側に連
通している。パージ制御弁28はECU(電子式制御装
置)29の指令によってデューティ制御されるように、
配線によって接続される。
【0018】タンク内圧設定弁1のセンタボディ5とロ
アボディ4との間には第1のダイヤフラム30を設置す
る。第1のダイヤフラム30にはその中央部において、
弁体301とスプリングシート302をリベット303
によって一体的に締結している。そして、第1のダイヤ
フラム30の下面とロアボディ4の上端部とによってベ
ーパ圧力室31を形成する。また、センタボディ5とア
ッパボディ6との間には第2のダイヤフラム32を設置
する。第2のダイヤフラム32にはその中央部におい
て、上下のスプリングシート321をリベット322に
よって一体的に締結している。
【0019】第2のダイヤフラム32の下面と第1のダ
イヤフラム30の上面と、更にセンタボディ5の内周と
によって大気圧空間33を形成する。また、2つのダイ
ヤフラム30及び32の間には第1のスプリング34が
設けられ、このスプリング34は第1のダイヤフラム3
0を第1の弁シート部9の方向へ付勢すると共に、第2
のダイヤフラム32をストッパ部19の方向へ付勢する
ように作用する。
【0020】第2のダイヤフラム32の上面とアッパボ
ディ6の内面との間には制御圧空間35を形成する。ま
た、この空間35内には第2のスプリング36を設け、
ダイヤフラム32をストッパ部17の方向に付勢してい
る。第2のスプリング36のセット力は第1のスプリン
グ34のセット力よりも大きく設定されている。
【0021】逆止弁15は、スプリングによって図1の
上方の第2の弁シート12に形成された弁開口に向って
付勢されているボールからなり、滞留室10の圧力が戻
りベーパ通路13よりも高くなった時だけ開弁する。
【0022】第2のダイヤフラム32は、制御圧空間3
5内の圧力が大気圧となった時には第2のスプリング3
6によって押圧されて下方へ移動し、ストッパ部17に
当接した位置で停止する。それに対して、制御圧空間3
5内に負圧が作用すると、第2のダイヤフラム32は図
1の上方に引き上げられ、ストッパ部19に当接した状
態を維持する。第2のダイヤフラム32が上方へ移動す
ることによって、第1のスプリング34のセット長さが
変化(増加)する結果、第1のダイヤフラム30を押圧
する力が変化(減少)する。
【0023】第1のダイヤフラム30の下面のベーパ圧
力室31には、燃料タンク2において発生したベーパに
よって上昇した圧力が作用する。この作用力が第1のス
プリング34の押圧力を上回った時、弁体301は第1
の弁シート部9から離座し、それによってベーパはベー
パ圧力室31から滞留室10へ流入する。以上のよう
に、制御圧空間35の圧力の変化に応じて移動する第2
のダイヤフラム32の位置によって、弁体301の開弁
時圧力が変化することになる。
【0024】以下、本発明の実施例である蒸発燃料処理
装置の作動を説明する。まず、エンジンの停止時におい
て、吸気管22内は大気圧になっているため制御圧空間
35の圧力も大気圧である。従って、第2のダイヤフラ
ム32は第2のスプリング36の付勢によって下方へ移
動し、ストッパ17に当接して停止している。この時、
第1のスプリング34は全長が最も短かくなり、付勢力
も最大となっている。
【0025】このような状態で燃料タンク2内の燃料の
温度が日射等によって上昇するとベーパが発生し、それ
によってタンク2内の圧力が上昇する。ベーパはタンク
内圧設定弁1のベーパ入口7及びベーパ通路8を経てベ
ーパ圧力室31に流入する。ベーパ圧力室31の圧力が
18mmHgを超えると、第1のダイヤフラム30は上方に
押し上げられ、弁体301は第1の弁シート部9より離
座し、ベーパ圧力室31内のベーパは滞留室10内へ流
入する。そして更にベーパ出口11からチャコールキャ
ニスタ3に向かって流出し、キャニスタ3の内部に充填
されている活性炭に吸着、捕集される。
【0026】次に、エンジンの運転状態における図示実
施例の蒸発燃料処理装置の作動を説明する。エンジンが
無負荷で運転される状態、すなわちアイドリングのよう
に、スロットル弁23が全閉となっている時において、
吸気管22の制御ポート24は、スロットル弁23の上
流側にあることから吸気負圧が殆ど作用しないため、概
ね大気圧となっている。従ってタンク内圧設定弁1の開
閉作動はエンジンの停止時と略同様になる。また、車両
が走行している時であっても、減速時にはスロットル弁
23が全閉になるので、タンク内圧設定弁1は、やはり
エンジンの停止時やアイドリング時と同様の作動をす
る。
【0027】エンジンの運転時で、かつ、スロットル弁
23が開弁している時、すなわち、制御ポート24がス
ロットル弁23の下流側に位置することになる運転条件
(状態)において、吸気管22内の下流側に発生してい
る吸気負圧が、導管21から制御圧導入ポート20を経
て、制御圧空間35内に作用する。この吸気負圧による
作用力が第2のダイヤフラム32を下方へ押圧している
第2のスプリング36の付勢力を上回ると、ダイヤフラ
ム32は図1において上方へ引き上げられてストッパ部
19に当接する。そしてスロットル弁23が開いている
限り、その位置を維持する。
【0028】このようにスロットル弁23が開いている
時、すなわちエンジンの負荷運転時には、スプリング3
4のセット長さが長くなり、第1のダイヤフラム30に
作用するベーパ圧力室31の圧力が10mmHgというよう
な、スロットル弁23の全閉時よりも低い圧力で弁体3
01が離座することになる。
【0029】図2はエンジンがアイドリング状態と、負
荷運転状態と、エンジン停止状態の3つの状態にあると
きのタンク内圧設定値の変化と、それに伴うエンジンの
空燃比の変化を示したものである。図2において(a)
はエンジンの運転状態、(b)はタンク内圧設定値、
(c)はエンジンの排気空燃比の変化を示す。(b)及
び(c)において実線は本発明の実施例を、破線は従来
例を示している。
【0030】本発明の実施例によれば、アイドリング運
転時には、タンク内圧設定値が高くなって18mmHgとさ
れる。そして、負荷運転時には設定値を10mmHgとす
る。負荷運転状態からアイドリング運転に戻すと、再び
設定値が高くなって18mmHgとなる。これに対して従来
一般には、タンク内圧設定弁1に相当する位置に弁を設
けている場合でも、その弁の開弁圧の設定値は、エンジ
ンの運転状態と無関係に常時一定とされていた。設定値
を変更する従来例もあるが、それでもエンジンの運転中
は常に設定値が低く、エンジンが停止した時に、設定値
が高くなるようにしていた。このため、アイドリング運
転に切り換わった状態において、エンジンの燃料噴射量
が少なくなるにもかかわらず、タンク内圧設定弁の設定
値が低いためにこの弁が開弁しタンク内のベーパをキャ
ニスタへ送るので、ベーパがキャニスタからパージされ
て吸気管へ流入しやすくなり、結果として、アイドリン
グ運転時に空燃比がリッチになるという現象が見られ
た。
【0031】本発明の実施例においては、アイドリング
運転、もしくは減速時のようにスロットル弁23が全閉
になる運転条件では、タンク内圧設定弁1の開弁圧力を
高くするので、ベーパが吸気管22へ流入しにくくな
り、空燃比が過度にリッチとなるのを抑えて、アイドル
安定性や排気エミッションの悪化を防止することができ
る。また、エンジンの停止中も、タンク内圧設定弁1の
設定値は高いままとされるので、燃料タンク2から蒸発
してキャニスタ3へ流れるベーパの量が減少し、燃料タ
ンク2内における燃料の蒸発も抑えられる。
【0032】このように、本発明の実施例では、エンジ
ンの停止時や、エンジンの運転中でも、アイドリング時
や減速状態のように、スロットル弁23が全閉となる時
には内圧設定弁1の設定圧力を高くすると共に、負荷運
転時には内圧設定弁1の設定圧を低くして、ベーパの通
過を容易にし、キャニスタ3から吸気管22へパージさ
れるベーパの量も増加させる。従って、エンジンの過渡
運転時におけるベーパの流入過多を防止し、エンジンの
空燃比変動を抑え、有害エミッションの増加を防止する
ものである。なお、上記実施例ではタンク内圧設定値を
18mmHg及び10mmHgとしたが、もとより本発明の実施
がそのような数値に限られる訳ではない。
【0033】次に、本発明の他の実施例について説明す
る。タンク内圧設定弁1について前述の構造は同様なも
のであるが、この例では、第1の弁シート部9の下部に
滞留室10と呼ぶ空間を設けており、滞留室10はベー
パ通路に比較して大きな容積を有しており、図示実施例
では約7ccである。このように比較的大きな容積を有す
る空間を滞留室10の位置に設けることによって、第1
の弁シート部9の弁開口から流入したベーパの流速は滞
留室10において減速される。このことによって、タン
ク内圧設定弁1が開弁した時に、瞬間的に吸気管23に
供給されるベーパ量が増大するのを抑えて、急激な空燃
比のリッチ化を防止することができる。このように、タ
ンク内圧の設定値をエンジンの運転状態に応じて変化さ
せることは過渡時の空燃比変化を抑えるのに効果がある
が、それに加えて滞留室10という緩衝室を設けること
により、図3に示すように、タンク内圧設定弁1の弁体
301が開弁した瞬間の急激な空燃比変化を抑えるとい
う効果をも発揮することができる。
【0034】すなわち、エンジンが冷間時からスタート
した場合、徐々に燃料タンク2内の温度が上昇するた
め、燃料タンク2内の圧力は図3(A)に示すように上
昇する。タンク内圧設定弁1の弁体301は所定の開弁
圧(設定値)を有するため、タンク2内の圧力が設定値
に達した時に図3(B)に示すように開弁する。この
時、滞留室10が設けられていない場合には、ベーパが
キャニスタ3に向かって瞬間的に多量に流入するため、
吸気管23はそれを吸入して、図3の(C)に破線で示
したように空燃比が急激にリッチになる。滞留室10が
設けられた図示実施例の場合はその中にベーパが一時滞
留するため、実線で示したように急激なリッチ化を防止
することができる。
【0035】なお、図示実施例では滞留室10をタンク
内圧設定弁1の内部に形成したが、滞留室10はキャニ
スタ3とタンク内圧設定弁1との間の流路における適所
に独立して設けても良い
【0036】
【発明の効果】本発明を実施することによって、燃料タ
ンク内におけるベーパの発生を抑制しながらも、発生し
たベーパを適時にチャコールキャニスタへ送り込み、且
つチャコールキャニスタからパージしてエンジンの燃焼
室内で支障なく処理することができるので、それによっ
て空燃比の変動を招いてアイドリング時等に運転状態を
不安定にするようなことがなく、排気エミッションの悪
化も防止することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例及び他の実施例を併せて示す
断面図である。
【図2】本発明の実施例の作動を従来技術と対比して示
す線図である。
【図3】本発明の他の実施例の作動を従来技術と対比し
て示す線図である。
【符号の説明】
1…タンク内圧設定弁 2…燃料タンク 3…チャコールキャニスタ 7…ベーパ入口 9…第1の弁シート部 10…滞留室 11…ベーパ出口 12…第2の弁シート部 15…逆止弁 16…ベーパ通路 22…エンジンの吸気管 23…スロットル弁 24…制御ポート 25…ベーパ入口ポート 26…パージポート 27…大気導入ポート 28…パージ制御弁 30…第1のダイヤフラム 31…ベーパ圧力室 32…第2のダイヤフラム 33…大気圧空間 34…第1のスプリング 35…制御圧空間 36…第2のスプリング 301…弁体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−60423(JP,A) 特開 昭63−198768(JP,A) 特開 平6−307306(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 25/08 301 F02M 25/08 F02M 37/00 301

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンクとチャコールキャニスタ間
    のベーパ通路に設置され、エンジンの運転状態に応じて
    前記燃料タンクのタンク内圧設定値を段階的に変更する
    タンク内圧設定弁を備えており、前記エンジンの吸気通
    路に設けられたスロットル弁の全閉時には、大気圧力を
    前記タンク内圧設定弁の制御圧空間に導入する一方、前
    記スロットル弁の開弁時には、前記スロットル弁の下流
    側の吸気負圧を前記制御圧空間に導入することによっ
    て、前記エンジンの停止時、アイドリング時、及び減速
    時には前記タンク内圧設定弁のタンク内圧設定値を高く
    し、前記エンジンの負荷運転時には前記タンク内圧設定
    弁のタンク内圧設定値を低くするように構成されている
    蒸発燃料処理装置。
  2. 【請求項2】 所定のタンク内圧設定値において前記燃
    料タンクから前記チャコールキャニスタに向かって開弁
    する前記タンク内圧設定弁の弁体の下流側となる部分
    に、滞留室として拡大する空間が設けられている請求項
    1記載の蒸発燃料処理装置。
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